(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
  以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
 
【0014】
  (定義)
  本明細書で使用する主たる用語を以下のとおりに定義する。
  「蒸気」:各実施形態では、水蒸気のことを意味するが、気相部分と液相部分との二相状態となる物質の蒸気であればよく、水蒸気に限定されない。
  「乾き度」:蒸気中の気相部分の重量割合のことをいう。乾き度[%]=100[%]−湿り度[%]の関係がある。
  「湿り蒸気」:乾き度Xが0−100[%]の蒸気をいう。
  「飽和蒸気」:湿り蒸気の気相部分をいう。乾き飽和蒸気(飽和乾き蒸気)ともいう。
  「飽和水」:湿り蒸気の液相部分をいう。
  「光の強度」(光強度):光(電磁波)の強さを表す物理量をいい、その称呼や単位に限定はない。例えば、放射強度、光度、光量子束密度など、それぞれ単位が異なるが相互に換算可能な物理量である。
  「吸光度」:光が湿り蒸気中を通過した際に光の強度がどの程度弱まるかを示す無次元量であり、光学密度ともいう。吸光度といっても光の吸収のみならず、散乱や反射により光の強度が弱まる場合も含む。
 
【0015】
  (原理説明)
  
図1を参照しながら、本発明の原理を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る乾き度測定装置の受光部(
図2乃至
図7における受光部13)において測定される光の強度と光路長(
図2乃至
図7における入射端面A1から射出端面A2までの長さ:R)との相関関係を例示した図である。
 
【0016】
  一般に、光は湿り蒸気を通過する際、湿り蒸気に吸収され減衰する。そこで、本願発明者が、例示的に、乾き度100%の蒸気、乾き度90%以上〜100%未満の蒸気、及び、乾き度80%以上〜90%未満の蒸気を用い、光路長に応じて受光部において測定される光の強度がどのように変化するかを検討したところ、
図1に示すような結果が得られた。
 
【0017】
  すなわち、
図1に示すように、乾き度100%の蒸気、乾き度90%以上〜100%未満の蒸気、及び、乾き度80%以上〜90%未満の蒸気を用いた場合のすべてにおいて、光路長が長くなるにつれて、受光部により測定される光の強度が低下することが判った。また、その光の強度の低下率に関して、乾き度80%以上〜90%未満の蒸気、乾き度90%以上〜100%未満の蒸気、乾き度100%の蒸気の順で低下率が大きくなる。さらに、乾き度80%以上〜90%未満の蒸気および乾き度90%以上〜100%未満の蒸気を用いた場合の光の強度の低下率は相対的に高く、光路長が100mm以上になると、光の強度は特に低下することが判った。このように大きく減衰した光の強度は、受光部の検出感度を下回るおそれがあり、受光部において上記光の強度を測定することができないおそれがあることが明らかとなった。
 
【0018】
  ここで、通常、蒸気が流れる配管の配管径が大きくなれば、光路長は長くなるため、配管径の大きさによっては、蒸気を通過することによって減衰した光の強度が受光部の検出感度を下回る場合があり、減衰した光の強度を受光部において測定することができないおそれがある。
 
【0019】
  そこで、蒸気を通過することによって減衰した光の強度が受光部により測定可能な最低光強度以上となるように、あらかじめ光路長が調整された配管を用いることで、配管径が如何なる大きさであっても蒸気を通過する光の強度を確実に測定可能となる。
 
【0020】
  以下、上記原理に鑑み本発明の各実施形態を説明する。
  第1実施形態では、横配管(配管の軸方向が水平方向に平行である配管)において、光路長を調整するために入射端面が配管の内部に突出している乾き度測定装置について説明する。
  第2実施形態では、横配管において、光路長を調整するために射出端面が配管の内部に突出している乾き度測定装置について説明する。
  第3実施形態では、横配管において、光路長を調整するために入射端面が配管の内部に突出し、且つ、入射側導光部が入射端面に接近し射出側導光部が射出端面に接近している乾き度測定装置について説明する。
  第4実施形態では、横配管において、光路長を調整するために、配管において光の入射側に凸型透過ガラスを備える乾き度測定装置について説明する。
  第5実施形態では、縦配管(配管の軸方向が鉛直方向に平行である配管)において、光路長を調整するために入射端面が配管の内部に突出している乾き度測定装置について説明する。
  第6実施形態では、縦配管において、光路長を調整するために射出端面が配管の内部に突出している乾き度測定装置について説明する。
 
【0021】
  (第1実施形態)
  第1実施形態は、横配管において、光路長を調整するために入射端面が配管の内部に突出している乾き度測定装置に関する。
 
【0022】
  図2は、本発明の第1実施形態に係る乾き度測定装置の模式図である。
図2に示すように、本実施形態に係る乾き度測定装置1Aは、例示的に、発光部11、受光部13、入射側筒22、射出側筒24、入射側導光部31(第1導光部)、入射側コリメータレンズ33(第1光集束部)、射出側コリメータレンズ35(第2光集束部)、射出側導光部37(第2導光部)、およびコンピュータ装置100を備えて構成される。また、コンピュータ装置100は、機能ブロックとして、乾き度測定部200を備えて構成される。
 
【0023】
  発光部11は、所定の波長の光を射出する発光手段である。例えば、発光部11としては、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、半導体レーザ、レーザ発振器、蛍光放電管、低圧水銀灯、キセノンランプ、及び電球等が使用可能である。
 
【0024】
  発光部11には、入射側筒22および入射側導光部31を接続してもよい。入射側筒22は、配管20の側壁を貫通して設けられる。入射側導光部31は、発光部11が発した光を第1端面B1において入射し、入射された当該光を第2端面B2において射出する。また、入射側導光部31は、入射側コリメータレンズ33と接続される。入射側コリメータレンズ33は、入射側導光部31の第2端面B2において射出された光が発散するのを防止し、当該光が測定対象の湿り蒸気が流れる配管20に適切に入射するために、当該光を集束させる。
 
【0025】
  透過ガラス26A(光入射部)は、入射側コリメータレンズ33により集束された光を光経路Lに沿って入射端面A1から配管20内の蒸気に入射させる入射窓である。
 
【0026】
  透過ガラス26B(光射出部)は、配管20の内部の湿り蒸気を透過し又は反射した光を光経路Lに沿って射出端面A2から導入し、受光部13に向けて射出させる射出窓である。なお、透過ガラス26A,26Bとして、耐熱性、耐圧性、又は耐蝕性等を備えるガラスが挙げられるが、光を透過可能なものであれば、これらに限定されない。
 
【0027】
  ここで、入射端面A1から射出端面A2までの長さである光路長R
1は、配管20内の蒸気を通過することによって減衰した光の強度が後述する受光部13により測定可能な最低光強度以上となるように、調整されている。具体的には、配管20は、光路長が配管径より小さくなるように、入射端面A1が配管20の内部に突出しているように構成されている。
 
【0028】
  例えば、配管20内の蒸気を通過することによって減衰した光であって、受光部13に入射する直前の光の強度Iと受光部13により測定可能な最低光強度I
Lとの関係は、以下の式(1)のように関係式として記述することができる。
  光の強度I≧受光部13により測定可能な最低光強度I
L  …(1)
 
【0029】
  また、光の減衰は、入射側導光部31および入射側コリメータレンズ33、並びに、後述する射出側コリメータレンズ35および射出側導光部37においても生じる。そこで、入射側導光部31、入射側コリメータレンズ33、射出側コリメータレンズ35および射出側導光部37の少なくとも一つの部・レンズにおける減衰を、配管20内の蒸気を通過することによる減衰に加えてさらに考慮した場合の、受光部13に入射する直前の光の強度I
1と受光部13により測定可能な最低光強度I
Lとの関係は、以下の式(2)のように関係式として記述することができる。
  光の強度I
1≧受光部13により測定可能な最低光強度I
L  …(2)
  このように、光路長R
1は、配管20内の蒸気を通過することによって減衰した光の強度I,I
1が受光部13により測定可能な最低光強度以上となるように、調整されている。なお、入射側コリメータレンズ33および射出側コリメータレンズ35の有無、各レンズの形状及び各レンズの性質などによって光路長R
1が調整されてもよい。
 
【0030】
  また、配管20には、配管20の内部の湿り蒸気を透過又は反射した光が透過ガラス26Bを介して進入する射出側筒24を接続してもよい。射出側筒22は、配管20の側壁を貫通して設けられる。
 
【0031】
  射出側コリメータレンズ35は、配管20内部の湿り蒸気を透過又は反射した光が、透過ガラス26Bを介して照射される際に、該光が発散しないように集束させる。射出側コリメータレンズ35は、射出側導光部37と接続される。射出側導光部37は、射出側コリメータレンズ35により集束された光を第3端面C1において入射し、入射された当該光を第4端面C2において受光部13に向けて射出する。
 
【0032】
  なお、入射側筒22および射出側筒24は、配管20と別体のものであってもよく、配管20と一体のものであってもよい。また、入射側コリメータレンズ33及び射出側コリメータレンズ35は、光を集束させることができるものであれば、特に制限はなく、集束させることができるように収差補正されたあらゆる形状・材質のレンズを使用可能である。
 
【0033】
  さらに、入射側導光部31及び射出側導光部37は、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA:Poly(methyl  methacrylate))からなるプラスチック光ファイバ、及び石英ガラスからなるガラス光ファイバ等が使用可能であるが、光を同一光路で伝搬可能であれば、これに限定されない。また、光を完全同一光路で伝搬可能でなければいけないわけではなく、湿り蒸気の乾き度を正確に測定するために、湿り蒸気を透過又は反射した複数の光の強度又は吸光度を正確に計測できる程度に同一光路であればよい。
 
【0034】
  さらにまた、配管20の側壁に入射側筒22を設けずに発光部11を接近させて設けてもよく、配管20の側壁に射出側筒24を設けずに受光部13を接近させて設けてもよい。
 
【0035】
  受光部13は、配管20内の湿り蒸気を透過又は反射した光を受けて、光の強度及び/又は吸光度を測定する測定手段である。受光部13は、上記したとおり、光路長R
1が配管20内の蒸気を通過することによって減衰した光の強度が受光部13において測定可能な最低光強度以上となるように、調整されているため、当該光の強度を測定することができる。例えば、受光部13としては、フォトダイオード、フォトトランジスタ等の光電変換素子を使用可能である。受光部13は、湿り蒸気を透過又は反射した光の強度に応じた光強度信号Sdをコンピュータ装置100に出力する。
 
【0036】
  また、受光部13として、分光光度計など、光の強度及び/又は吸光度に対応する出力が得られる光学的計測機器を適用することも可能である。この場合、分光光度計は湿り蒸気を透過又は反射した光の吸光度に応じた吸光度信号をコンピュータ装置100に出力してもよい。
 
【0037】
  受光部13として分光光度計を用いる場合、具体的に、分光光度計は、湿り蒸気を透過又は反射する光の強度に基づいて、吸光度を演算し、吸光度信号として出力する。ここで、吸光度Aは、入射光強度をI
0、受光した光の強度をIとすると、式(3)のように定義される。
  吸光度A=−log
10(I/I
0)  …(3)
  以上より、湿り蒸気を透過する光の強度を測定できれば、一義的に吸光度Aが特定される。
 
【0038】
  なお、受光部13に吸光度Aを出力させる代わりに、コンピュータ装置100が光の強度を含む光強度信号Sdを入力し、式(3)に基づいて吸光度Aを計算するように構成してもよい。
 
【0039】
  また、本実施形態においては、受光部13は一つのみ設けられているが、受光部13は二つ以上あってもよく、受光部13の数に特に制限はない。さらに、受光部13については、湿り蒸気を透過又は反射する光の強度に対応する物理量を出力可能であれば、任意の構成が適用可能である。
 
【0040】
  コンピュータ装置100は、測定された光の強度又は吸光度に基づいて湿り蒸気の乾き度を測定する、本発明の乾き度測定部200として機能する演算手段である。コンピュータ装置100は、一例として、図示はしていないが、CPU(Central  Processing  Unit:中央演算装置)、RAM(Random  Access  Memory)、ROM(Read  Only  Memory)、およびインターフェース(I/F)回路を備える。コンピュータ装置100には、例えば、外部記憶装置(不図示)が接続される。外部記憶装置には、例えば、コンピュータ装置100に本発明に係る乾き度測定方法を実行させるためのソフトウェアプログラムが記憶されている。コンピュータ装置100は、外部記憶装置等に記憶されている本発明に係る乾き度測定方法に係るソフトウェアプログラムをRAMに読み込んで実行することにより、乾き度測定部200が機能的に実現される。
 
【0041】
  乾き度測定部200は、受光部13により測定された光の強度、当該光の強度に対応する湿り蒸気の気相部分の面積および液相部分の面積、湿り蒸気の気相部分と液相部分との速度差、並びに湿り蒸気の気相部分と液相部分との密度差に基づいて、湿り蒸気の乾き度Xを演算するように構成されている。そして、乾き度測定部200は、測定した乾き度Xを出力する。
 
【0042】
  なお、乾き度測定部200は、上述した受光部13により測定された光の強度、当該光の強度に対応する湿り蒸気の気相部分の面積および液相部分の面積、湿り蒸気の気相部分と液相部分との速度差、並びに湿り蒸気の気相部分と液相部分との密度差のすべてに基づいて、湿り蒸気の乾き度Xを演算する必要はなく、これらの情報の一部を用いて湿り蒸気の乾き度Xを演算してもよい。さらに、乾き度測定部200は、測定された光の強度に基づく光強度信号Sdを参照して、湿り蒸気の吸光度を算出し、当該吸光度に基づいて湿り蒸気の乾き度Xを演算してもよい。
 
【0043】
  なお、乾き度測定部200は、受光部13が受光した光の強度、又は、入射光強度と受光部13が受光した光の強度とに基づいて得られる吸収度Aに基づいて乾き度Xを測定する過程において、飽和蒸気の量や飽和水の量も求めることができるように構成されていてもよい。
 
【0044】
  第1実施形態によれば、横配管において、蒸気を通過することによって減衰した光の強度が受光部13により測定可能な最低光強度以上となるように、光路長R
1が調整されているため、配管径が如何なる大きさであっても蒸気を通過する光の強度を確実に測定可能な配管を提供することができる。
 
【0045】
  (第2実施形態)
  第2実施形態は、横配管において、光路長を調整するために射出端面が配管の内部に突出している乾き度測定装置に関する。以下では、第1実施形態と異なる点について特に説明し、他の点については説明を省略する。
 
【0046】
  図3は、本発明の第2実施形態に係る乾き度測定装置の模式図である。
図3に示すように、本実施形態に係る乾き度測定装置1Bにおいて、入射端面A1から射出端面A2までの長さである光路長R
2は、配管20内の蒸気を通過することによって減衰した光の強度が受光部13により測定可能な最低光強度以上となるように、調整されている。具体的には、配管20は、光路長が配管径より小さくなるように、射出端面A2が配管20の内部に突出しているように構成されている。
 
【0047】
  第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、横配管の構造上または他の部材の配置の都合上、入射端面A1の位置を変更することによって光路長R
2を調整できない、たとえば入射端面A1を配管20の内部20に突出できないような制約がある場合にも、光路長を調整することができる。
 
【0048】
  (第3実施形態)
  第3実施形態は、横配管において、光路長を調整するために入射端面が配管の内部に突出し、且つ、入射側導光部が入射端面に接近し射出側導光部が射出端面に接近している乾き度測定装置に関する。以下では、上記実施形態と異なる点について特に説明し、他の点については説明を省略する。
 
【0049】
  図4は、本発明の第3実施形態に係る乾き度測定装置の模式図である。
図4に示すように、本実施形態に係る乾き度測定装置1Cの入射側導光部31は、入射側導光部31に接続されている入射側コリメータレンズ33が透過ガラス26Aに接するように、又は、接していないが接するほど接近させるように構成されている(第1構成)。また、本実施形態に係る乾き度測定装置1Cの射出側導光部37についても、射出側導光部37に接続されている射出側コリメータレンズ35が透過ガラス26Bに接するように、又は、接していないが接するほど接近させるように構成されている(第2構成)。
 
【0050】
  また、
図4に示すように、本実施形態に係る乾き度測定装置1Cにおいて、入射端面A1から射出端面A2までの長さである光路長R
3は、配管20内の蒸気を通過することによって減衰した光の強度が受光部13により測定可能な最低光強度以上となるように、調整されている。具体的には、配管20は、光路長R
3が配管径より小さくなるように、射出端面A2が配管20の内部に突出しているように構成されている。
 
【0051】
  なお、本実施形態に係る乾き度測定装置1Cについては、第1構成及び第2構成の少なくとも一方を備えているように構成されてもよい。また、本実施形態においては、光路長を調整するために入射端面A1が配管20の内部に突出した配管20について説明したが、入射端面A1が配管20の内部に突出する代わりに、射出端面A2が配管20の内部に突出していてもよい。
 
【0052】
  第3実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、発光部11からの光が受光部13に到達するまでの間に光が発散するのをより適切に防止することができ、より正確に光の強度を測定することができる。
 
【0053】
  (第4実施形態)
  第4実施形態は、横配管において、光路長を調整するために、配管において光の入射側に凸型透過ガラスを備える乾き度測定装置に関する。以下では、上記実施形態と異なる点について特に説明し、他の点については説明を省略する。
 
【0054】
  図5は、本発明の第4実施形態に係る乾き度測定装置の模式図である。上記実施形態の乾き度測定装置1A乃至1Cにおいては、透過ガラス26Aは、板状立体形状を有している(
図2乃至
図4参照)が、本実施形態に係る乾き度測定装置1Dにおいては、透過ガラス26Aの代わりに凸型立体形状を有するガラス、すなわち、凸型透過ガラス29を採用している。そして、入射端面A1から射出端面A2までの長さである光路長R
4は、配管20内の蒸気を通過することによって減衰した光の強度が受光部13により測定可能な最低光強度以上となるように、調整されている。具体的には、配管20は、光路長R
4が配管径より小さくなるように、入射端面A1が配管20の内部に突出しているように構成されている。
 
【0055】
  なお、透過ガラス26Bの代わりに凸型透過ガラスを採用してもよい。また、透過ガラス26Aおよび26B双方の代わりに凸型透過ガラスを採用してもよい。さらに、透過ガラスは、様々な立体形状を有することができ、例えば、円錐台形状などの立体形状を有することができる。
 
【0056】
  また、本実施形態に係る乾き度測定装置1Dにおいても、上記実施形態の乾き度測定装置1A乃至1Cと同様に、入射側導光部31及び射出側導光部37、並びに、入射側コリメータレンズ33及び射出側コリメータレンズ35を備えるように構成されてもよい。
 
【0057】
  第4実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、凸型透過ガラスの形状によって、光路長R
4を調整することができるので、配管20の作製が容易になり、配管20の作製コストも抑えることができる。
 
【0058】
  (第5実施形態)
  第5実施形態は、縦配管において、光路長を調整するために入射端面が配管の内部に突出している乾き度測定装置に関する。以下では、上記実施形態と異なる点について特に説明し、他の点については説明を省略する。第1実施形態乃至第4実施形態においては、横配管について説明したが、本実施形態および第6実施形態においては、縦配管について説明する。
 
【0059】
  図6は、本発明の第5実施形態に係る乾き度測定装置の模式図である。
図6に示すように、本実施形態に係る乾き度測定装置1Eにおいて、配管20は縦配管であり、入射端面A1から射出端面A2までの長さである光路長R
5は、配管20内の蒸気を通過することによって減衰した光の強度が受光部13により測定可能な最低光強度以上となるように、調整されている。具体的には、配管20は、光路長R
5が配管径より小さくなるように、入射端面A1が配管20の内部に突出しているように構成されている。
 
【0060】
  第5実施形態によれば、縦配管において、蒸気を通過することによって減衰した光の強度が受光部13により測定可能な最低光強度以上となるように、光路長R
5が調整されているため、配管径が如何なる大きさであっても蒸気を通過する光の強度を確実に測定可能な配管を提供することができる。
 
【0061】
  (第6実施形態)
  第6実施形態は、縦配管において、光路長を調整するために射出端面が配管の内部に突出している乾き度測定装置に関する。以下では、上記実施形態と異なる点について特に説明し、他の点については説明を省略する。
 
【0062】
  図7は、本発明の第6実施形態に係る乾き度測定装置の模式図である。
図7に示すように、本実施形態に係る乾き度測定装置1Fにおいては、配管20は縦配管であり、入射端面A1から射出端面A2までの長さである光路長R
6は、配管20内の蒸気を通過することによって減衰した光の強度が受光部13により測定可能な最低光強度以上となるように、調整されている。具体的には、配管20は、光路長R
6が配管径より小さくなるように、射出端面A2が配管20の内部に突出しているように構成されている。
 
【0063】
  第6実施形態によれば、第5実施形態の効果に加えて、縦配管の構造上または他の部材の配置の都合上、入射端面A1の位置を変更することによって光路長R
6を調整できない、たとえば入射端面A1を配管20の内部20に突出できないような制約がある場合にも、光路長を調整することができる。
 
【0064】
  (他の実施形態)
  上記各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良(たとえば、各実施形態を組み合わせること、各実施形態の一部の構成を省略すること)され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。本発明は、上記第1実施形態乃至第6実施形態に限定されることなく、種々に組み合わせることができ、変形して適用することが可能であり、各実施形態が有する各構成要素についても、種々に組み合わせることができ、変形して適用することが可能である。
 
【0065】
  なお、蒸気を通過することによって減衰した光の強度が受光部13により測定可能な最低光強度以上となるように光路長を調整するために、配管20自体の形状を変形してもよい。たとえば、配管20の一部の形状を配管20の内部に突出するように変更して、光路長を調整してもよい。
 
【0066】
  また、配管20は、光路長を調整するために、入射端面A1及び射出端面A2の双方が配管20の内部に突出しているように構成されていてもよい。