(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転成形組成物は、前記金属酸化物層板を含んでいない類似組成物に比較して引張弾性率の少なくとも10%の改善率(ただし、前記引張弾性率は、ISO 527−2:1996にしたがって測定される)を有することをさらに特徴とする、請求項1に記載の回転成形組成物。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、回転成形組成物を提供する。該回転成形組成物は、少なくとも95重量%の熱可塑性ポリマー;および0.1〜3重量%の金属酸化物層板を含み、該回転成形組成物は、以下:(a)4,000時間の促進老化後に少なくとも85%の破断点伸び率の保持を有する特性;または(b)前記金属酸化物層板を含んでいない類似組成物に比較して少なくとも50%の延性改善率を有する特性のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる。
【0007】
該回転成形組成物は、4,000時間の促進老化後に少なくとも85%、例えば少なくとも90%の破断点伸び率の保持を有することによって特徴付けることができる。該回転成形組成物は、前記金属酸化物層板を含んでいない類似組成物に比較して少なくとも50%、例えば少なくとも60%の延性改善率を有することによってさらに特徴付けることができる。さらに、該回転成形組成物は、前記金属酸化物層板を含んでいない類似組成物に比較して引張弾性率(2%)の少なくとも10%の改善率を有することによってさらに特徴付けることができる。
【0008】
該回転成形組成物は、少なくとも95重量%、例えば少なくとも96重量%、または少なくとも97重量%、または少なくとも98重量%、または少なくとも99重量%の熱可塑性ポリマーを含んでいる。
【0009】
当該の熱可塑性ポリマー(材料)には、ポリオレフィン、例えばポリエチレンおよびポリプロピレン;ポリアミド、例えばナイロン6;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン;ポリカーボネート;ポリスチレン;ポリエチレンテレフタレート;ポリエステルおよびポリウレタンが含まれるがそれらに限定されない。
【0010】
熱可塑性材料の例には、典型的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−1−ブテンコポリマーおよびプロピレン−1−ブテンコポリマーによって代表される、1つ以上のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセンのホモポリマーおよびコポリマー(エラストマーを含む);典型的にはエチレン−ブタジエンコポリマーおよびエチレン−エチリデンノルボルネンコポリマーによって代表されるα−オレフィンと共役もしくは非共役ジエンとのコポリマー(エラストマーを含む);ならびに典型的にはエチレン−プロピレン−ブタジエンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエンコポリマー、エチレン−プロピレン−1,5−ヘキサジエンコポリマーおよびエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネンコポリマーによって代表されるポリオレフィン(エラストマーを含む)、例えば2つ以上のα−オレフィンと共役もしくは非共役ジエンとのコポリマー;エチレン−ビニル化合物コポリマー、例えばエチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、エチレン−塩化ビニルコポリマー、エチレンアクリル酸もしくはエチレン−(メタ)アクリル酸コポリマー、およびエチレン−(メタ)アクリレートコポリマー;スチレンコポリマー(エラストマーを含む)、例えばポリスチレン、ABS、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、α−メチルスチレン−スチレンコポリマー、スチレンビニルアルコール、スチレンアクリレート、例えばスチレンメチルアクリレート、スチレンブチルアクリレート、スチレンブチルメタクリレート、ならびにスチレンブタジエンおよび架橋スチレンポリマー;ならびにスチレンブロックコポリマー(エラストマーを含む)、例えばスチレン−ブタジエンコポリマーおよびそれらの水和物、およびスチレン−イソプレン−スチレントリブロックコポリマー;ポリビニル化合物、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、ポリメチルアクリレート、およびポリメチルメタクリレート;ポリアミド、例えばナイロン6、ナイロン6,6およびナイロン12;熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート;ポリウレタン;ポリカーボネート、ポリ酸化フェニレンなど;ならびにポリ−ジシクロペンタジエンポリマーおよび関連ポリマー(コポリマー、ターポリマー)を含むガラス状の炭化水素ベースの樹脂;飽和モノオレフィン、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサティック酸ビニルおよび酪酸ブチルなど;ビニルエステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、フェニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、およびブチルメタクリレートを含むモノカルボン酸のエステルなど;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、それらの混合物;開環メタセシスおよび交差メタセシス重合などによって生成される樹脂が含まれるがそれらに限定されない。これらの樹脂は、単独で、または2つ以上の組み合わせで使用できる。
【0011】
選択された実施形態では、該熱可塑性材料は、例えば、エチレン−αオレフィンコポリマー、プロピレン−αオレフィンコポリマーおよびオレフィンブロックコポリマーからなる群から選択される1つ以上のポリオレフィンを含むことができる。特に、選択された実施形態では、該熱可塑性材料は、1つ以上の非極性ポリオレフィンを含むことができる。
【0012】
特定の実施形態では、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、それらのコポリマー、それらのブレンド、ならびにエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーを使用できる。一部の実施形態では、典型的なオレフィンポリマーには、均一系ポリマー;高密度ポリエチレン(HDPE);不均一に分岐した線状低密度ポリエチレン(LLDPE);不均一に分岐した超低密度ポリエチレン(ULDPE);均一に分岐した線状エチレン/α−オレフィンコポリマー;均一に分岐した実質的線状エチレン/α−オレフィンポリマー;ならびに高圧フリーラジカル重合エチレンポリマーおよびコポリマー、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)またはエチレン酢酸ビニルポリマー(EVA)が含まれる。
【0013】
1つの実施形態では、エチレン−αオレフィンコポリマーは、例えば、エチレン−ブテン、エチレン−ヘキセンまたはエチレン−オクテンコポリマーもしくは共重合体であってよい。他の特定の実施形態では、該プロピレン−αオレフィンコポリマーは、例えば、プロピレン−エチレンまたはプロピレン−エチレン−ブテンコポリマーもしくは共重合体であってよい。
【0014】
所定の他の実施形態では、該熱可塑性材料は、例えば、半結晶ポリマーであってよく、110℃未満の融点を有していてよい。また別の実施形態では、融点は、25〜100℃であってよい。また別の実施形態では、融点は、40〜85℃であってよい。
【0015】
1つの特定の実施形態では、該熱可塑性材料は、プロピレン/α−オレフィンコポリマー、および場合により1つ以上のポリマー、例えばランダムコポリマーポリプロピレン(RCP)を含むプロピレン/α−オレフィン共重合体組成物である。1つの特定の実施形態では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、実質的にアイソタクチックのプロピレン配列を有することを特徴とする。「実質的にアイソタクチックのプロピレン配列」は、該配列が
13C NMRによって測定して約0.85を超える;また別の例では約0.90を超える;さらにまた別の例では約0.92を超える;およびさらにまた別の例では約0.93を超えるアイソタクチックトライアド(mm)を有することを意味する。アイソタクチックトライアドは、当分野において周知であり、例えば、
13C NMRスペクトルによって決定されたコポリマー分子鎖内のトライアド単位に関するアイソタクチック配列について言及している米国特許第5,504,172号明細書および国際公開第00/01745号パンフレットに記載されている。
【0016】
該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、ASTM D−1238(230℃/2.16Kg)にしたがって測定して、0.1〜500g/10分の範囲内のメルトフローレートを有していてよい。0.1〜500g/10分の全個別値および部分範囲は本明細書に含まれ、本明細書に開示されている;例えば、メルトフローレートは、0.1g/10分、0.2g/10分または0.5g/10分の下限値から500g/10分、200g/10分、100g/10分、または25g/10分の上限値までであってよい。例えば、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、0.1〜200g/10分の範囲内にあるメルトフローレートを有していてよい;または別の例では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、0.2〜100g/10分の範囲内にあるメルトフローレートを有していてよい;または別の例では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、0.2〜50g/10分の範囲内にあるメルトフローレートを有していてよい;または別の例では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、0.5〜50g/10分の範囲内にあるメルトフローレートを有していてよい;または別の例では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、1〜50g/10分の範囲内にあるメルトフローレートを有していてよい;または別の例では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、1〜40g/10分の範囲内にあるメルトフローレートを有していてよい;または別の例では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、1〜30g/10分の範囲内にあるメルトフローレートを有していてよい。
【0017】
該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、少なくとも1重量%(少なくとも2J/g(ジュール/グラム)の融解熱)〜30重量%(50J/g未満の融解熱)の範囲内にある結晶度を有する。1重量%(少なくとも2J/gの融解熱)〜30重量%(50J/g未満の融解熱)の全個別値および部分範囲は、本明細書に含まれて本明細書に開示されている;例えば、結晶度は1重量%(少なくとも2J/gの融解熱)、2.5%(少なくとも4J/gの融解熱)または3%(少なくとも5J/gの融解熱)の下限値から30重量%(50J/g未満の融解熱)、24重量%(40J/g未満の融解熱)、15重量%(24.8J/g未満の融解熱)または7重量%(11J/g未満の融解熱)の上限値までであってよい。例えば、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、少なくとも1重量%(少なくとも2J/gの融解熱)〜24重量%(40J/g未満の融解熱)の範囲内にある結晶度を有していてよい;または別の例では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、少なくとも1重量%(少なくとも2J/gの融解熱)〜15重量%(24.8J/g未満の融解熱)の範囲内にある結晶度を有していてよい;または別の例では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、少なくとも1重量%(少なくとも2J/gの融解熱)〜7重量%(少なくとも11J/g未満の融解熱)の範囲内にある結晶度を有していてよい;または別の例では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、少なくとも1重量%(少なくとも2J/gの融解熱)〜5重量%(8.3J/g未満の融解熱)の範囲内にある結晶度を有していてよい。結晶度は、DSC法によって測定する。該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、プロピレンに由来する単位および1つ以上のα−オレフィンコモノマーに由来するポリマー単位を含んでいる。該プロピレン/α−オレフィンコポリマーを製造するために利用される典型的なコモノマーは、C
2、およびC
4−C
10α−オレフィン;例えば、C
2、C
4、C
6およびC
8α−オレフィンである。
【0018】
該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、1〜40重量%の1つ以上のα−オレフィンコモノマーを含んでいる。1〜40重量%の全ての個別値および部分範囲は、本明細書に含まれて本明細書に開示されている;例えば、該コモノマー含量は、1重量%、3重量%、4重量%、5重量%、7重量%または9重量%の下限値から40重量%、35重量%、30重量%、27重量%、20重量%、15重量%、12重量%または9重量%の上限値までであってよい。例えば、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、1〜35重量%の1つ以上のα−オレフィンコモノマーを含んでいる;または別の例では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、1〜30重量%の1つ以上のα−オレフィンコモノマーを含んでいる;または別の例では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、3〜27重量%の1つ以上のα−オレフィンコモノマーを含んでいる;または別の例では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、3〜20重量%の1つ以上のα−オレフィンコモノマーを含んでいる;または別の例では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、3〜15重量%の1つ以上のα−オレフィンコモノマーを含んでいる。
【0019】
該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、重量平均分子量÷数平均分子量(M
w/M
n)として規定された、3.5以下;また別の例では、3.0以下;またはさらにまた別の例では、1.8〜3.0の分子量分布(MWD)を有する。
【0020】
当該のプロピレン/α−オレフィンコポリマーは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,960,635号明細書および同第6,525,157号明細書に詳述されている。当該のプロピレン/α−オレフィンコポリマーは、Dow Chemical社から商標名VERSIFY(商標)を付して、またはExxonMobil Chemical社から商標名VISTAMAXX(商標)を付して市販で入手できる。
【0021】
1つの実施形態では、該プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、(A)プロピレンに由来する60〜100未満、好ましくは80〜99、およびより好ましくは85〜99重量%単位、ならびに(B)エチレンおよび/またはC
4−10α−オレフィンの少なくとも1つに由来する0超〜40、好ましくは1〜20、より好ましくは4〜16およびいっそうより好ましくは4〜15重量%単位を含むこと、ならびに炭素数1000個当たり平均少なくとも0.001、好ましくは平均少なくとも0.005およびより好ましくは平均少なくとも0.01の長鎖分岐数を含有していることによってさらに特徴付けられる。該プロピレン/α−オレフィンコポリマー内の長鎖分岐の最大数は決定的に重要ではないが、典型的には、炭素数1000個当たりの長鎖分岐数が3を超えない。本明細書で使用するプロピレン/α−オレフィンコポリマーに関連する用語「長鎖分岐」は、短鎖分岐より炭素が少なくとも1個長い鎖長を意味しており、本明細書で使用するプロピレン/α−オレフィンコポリマーに関連する用語「短鎖分岐」は、該コモノマー内の炭素数より炭素が2個少ない鎖長を意味する。例えば、プロピレン/1−オクテン共重合体は、長さが少なくとも炭素7個の長鎖分岐を備える骨格を有するが、これらの骨格はさらに長さが6個の炭素しか備えていない短鎖分岐も有する。当該のプロピレン/α−オレフィンコポリマーは、米国仮特許出願第60/988,999号明細書および国際特許出願第PCT/US08/082599号明細書にさらに詳述されており、前記特許の各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0022】
所定の他の実施形態では、熱可塑性材料、例えばプロピレン/α−オレフィンコポリマーは、例えば半結晶ポリマーであってよく、110℃未満の融点を有していてよい。好ましい実施形態では、該融点は、25〜100℃であってよい。より好ましい実施形態では、該融点は、40〜85℃であってよい。
【0023】
他の選択された実施形態では、オレフィンブロックコポリマー、例えば当該のオレフィンブロックコポリマーおよび当該のポリマーについて下記に列挙する特性を測定する試験方法について記載されている範囲まで参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2005/090427号パンフレットおよび米国特許出願公開第2006/0199930号明細書に開示されているようなエチレンマルチブロックコポリマーを熱可塑性材料として使用できる。当該のオレフィンブロックコポリマーは、以下:
(a)約1.7〜約3.5のM
w/M
n、少なくとも1つの融点T
m(℃)、および密度d(g/cm
3)を有するが、このときT
mおよびdの数値は、以下の関係式:
T
m>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)
2
に対応する;または
(b)約1.7〜約3.5のM
w/M
nを有し、融解熱ΔH(J/g)、および最高DSCピークと最高CRYSTAFピークとの温度差であると規定されたデルタ量ΔT(℃)によって特徴付けられるが、このときΔTおよびΔHの数値は以下の関係式:
ゼロ超〜130J/gまでのΔHに対して、ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81、
130J/g超のΔHに対して、ΔT≧48℃
を有し、このときCRYSTAFピークは少なくとも5%の累積ポリマーを使用して決定され、5%未満の該ポリマーが同定可能なCRYSTAFピークを有する場合は、該CRYSTAF温度は30℃である;または
(c)エチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形フィルムを用いて測定された300%の歪みおよび1サイクルでの弾性回復率Re(%)によって特徴付けられ、密度d(g/cm
3)を有するが、このときReおよびdの数値は、エチレン/α−オレフィン共重合体が実質的に架橋相を含んでいない場合に以下の関係式:
Re>1481−1629(d)
を満たす;または
(d)TREFを用いて分別した場合に40℃〜130℃で溶出する分子画分を有し、該画分が同一温度間で溶出する匹敵するランダムエチレン共重合体画分よりも少なくとも5%高いモルコモノマー含量を有することを特徴とするが、このとき該匹敵するランダムエチレン共重合体は同一コモノマーを有し、該エチレン/α−オレフィン共重合体の10%以内にあるメルトインデックス、密度およびモルコモノマー含量(全ポリマーに基づく)を有する;または
(e)25℃での貯蔵弾性率G’(25℃)および100℃での貯蔵弾性率G’(100℃)を有するが、このときG’(25℃)対G’(100℃)の比率は、約1:1〜約9:1の範囲内にある、エチレン/α−オレフィン共重合体であってよい。
【0024】
当該のオレフィンブロックコポリマー、例えばエチレン/α−オレフィン共重合体は、さらに:
(a)TREFを用いて分別した場合に40℃〜130℃の間で溶出する分子画分であって、少なくとも0.5〜約1までのブロックインデックスおよび約1.3より大きい分子量分布M
w/M
nを有することを特徴とする該分子画分を有していてよい;または
(b)0超〜約1.0までの平均ブロックインデックスおよび約1.3より大きい分子量分布M
w/M
nを有していてよい。
【0025】
該熱可塑性ポリマー(材料)は、ガラスもしくは炭素繊維および/または任意の他の無機充填剤、例えばタルクもしくは炭酸カルシウムをさらに含むことができる。典型的な充填剤には、チョーク、方解石および大理石を含む天然炭酸カルシウム、合成炭酸塩、マグネシウムおよびカルシウムの塩、ドロマイト、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ライム、マグネシア、硫酸バリウム、バライト、硫酸カルシウム、シリカ、ケイ酸マグネシウム、タルク、珪灰石、粘土およびケイ酸アルミニウム、カオリン、マイカ、ガラスもしくは炭素繊維もしくは炭素粉、木繊維もしくは木粉またはこれらの化合物の混合物が含まれるがそれらに限定されない。熱可塑性ポリマー(材料)は、1つ以上の耐電防止剤、着色強化剤、色素、潤滑剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤およびそれらの組み合わせをさらに含むことができる。熱可塑性ポリマー(材料)は、該熱可塑性材料および当該添加剤の重量に基づいて、当該添加剤を結合重量で約0〜約10%含むことができる。
【0026】
該回転成形組成物は、0.1〜3重量%の金属酸化物層板を含んでいる。該金属酸化物は、好ましくは酸化鉄、例えば酸化鉄(III)(Fe
2O
3)である。典型的な酸化鉄は、99%以上の純度レベルを有する。さらに、該酸化鉄は、およそ4,800kg/m
3の密度を有していてよい。該酸化鉄は、6〜6.5モース硬度(Mohs)の範囲内の硬度を有していてよい。該層板は、2〜30μMの範囲内にある平均径サイズ(長軸)および2〜30の範囲内にある平均アスペクト比(長軸/厚さ)を有する。当該の金属酸化物層板は、商標名MIOXの下でKaerntner Montanindustrie(karntner Montanindustrie)社から入手できる。
【0027】
本発明の回転成形組成物は、好ましくは回転成形工程によって製品に成形される。回転成形工程を使用して製造できる製品には、貯蔵タンク、蓋付き容器およびごみ容器、航空機部品、人形部品、カラーコーン、フットボール用ボール、ヘルメット、手漕ぎボートやカヤックの船体ならびに遊び場のすべり台や屋根が含まれる。設計は、中空または発泡材が充填された多層状であってもよい。
【0028】
該回転成形工程は、
図4に例示したように4段階を含んでいる。粉末状または液体形いずれかにある所定量の本発明の回転成形組成物を金型内に配置する。金型を閉鎖して炉内で二軸回転させる。本発明の回転成形組成物は、溶融して、該金型の内面を被覆するコーティングを形成する。金型を炉から取り出し、冷却エリアに導入し、最後に金型を開いて中空部分を取り出す。
【実施例】
【0029】
以下の実施例は本発明を具体的に示すが、本発明の範囲を限定することは意図していない。
【0030】
実施例1〜3
本発明の組成物1は、0.2重量%のMIOXならびにDow Chemical社から入手できる0.939g/cm
3の密度および3.8g/10分のメルトインデックス(I
2)を有するエチレン/α−オレフィンコポリマーである99.8重量%のDOWLEX(商標)NG2432.10UEを含んでいる。本発明の組成物1は、一辺が22cmの立方体形の試験用金型に形成した。1つの側壁の特性を試験し、結果は表1および2に報告した。
【0031】
本発明の組成物2は、0.5重量%のMIOXならびにDow Chemical社から入手できる0.939g/cm
3の密度および3.8g/10分のメルトインデックス(I
2)を有するエチレン/α−オレフィンコポリマーである99.5重量%のDOWLEX(商標)NG2432.10UEを含んでいる。本発明の組成物2は、一辺が22cmの立方体形の試験用金型に形成した。1つの側壁の特性を試験し、結果は表1および2に報告した。
【0032】
本発明の組成物3は、1.0重量%のMIOXならびにDow Chemical社から入手できる0.939g/cm
3の密度および3.8g/10分のメルトインデックス(I
2)を有するエチレン/α−オレフィンコポリマーである99重量%のDOWLEX(商標)NG2432.10UEを含んでいる。本発明の組成物3は、一辺が22cmの立方体形の試験用金型に形成した。1つの側壁の特性を試験し、結果は表1および2に報告した。
【0033】
比較例1〜2
比較組成物1は、Dow Chemical社から入手できる0.939g/cm
3の密度および3.8g/10分のメルトインデックス(I
2)を有するエチレン/α−オレフィンコポリマーである100重量%のDOWLEX(商標)NG2432.10UEを含んでいる。比較組成物1は、一辺が22cmの立方体形の試験用金型に形成した。1つの側壁の特性を試験し、結果は表1および2に報告した。
【0034】
比較組成物2は、5.0重量%のMIOXならびにDow Chemical社から入手できる0.939g/cm
3の密度および3.8g/10分のメルトインデックス(I
2)を有するエチレン/α−オレフィンコポリマーである95重量%のDOWLEX(商標)NG2432.10UEを含んでいる。比較組成物2は、一辺が22cmの立方体形の試験用金型に形成した。1つの側壁の特性を試験し、結果は表1および2に報告した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
試験方法
試験方法には、以下が含まれる:
保持された伸び率(老化後)は、規格EN13341付属書A第A.1部およびA.2部にしたがって測定した。
圧縮成形試験は、ISO293:2005にしたがって実施した。
引張強さは、ISO527−2:1996によって測定した。
風化は、ISO4892−2にしたがって測定した。
衝撃強さは、ハンマーに潤滑油を適用せずにISO6603−2にしたがって測定した。
【0038】
本発明は、本発明の精神および本発明の本質的特性から逸脱することなく他の形態で具体化することができる。したがって、上記の明細書ではなく、むしろ本発明の範囲を示している添付の特許請求項を参照すべきである。
なお、本発明には以下の態様が包含される。
[1] 少なくとも95重量%の熱可塑性ポリマー、および
0.1〜3重量%の金属酸化物層板、
を含む回転成形組成物であって、
前記回転成形組成物は、以下:
(a)4,000時間の促進老化後に少なくとも85%の破断点伸び率の保持を有する特性、または
(b)前記金属酸化物層板を含んでいない類似組成物に比較して少なくとも50%の延性改善率を有する特性
のうちの少なくとも1つを特徴とする回転成形組成物。
[2] 前記金属酸化物は、酸化鉄である、[1]に記載の回転成形組成物。
[3]前記金属酸化物の小板は、99%を超える純度レベルを有する、[1]に記載の回転成形組成物。
[4]金属酸化物の小板は、2〜30μMの範囲内にある平均サイズ径(長軸)を有する、[1]に記載の回転成形組成物。
[5]金属酸化物の小板は、2〜30の範囲内にある平均アスペクト比(長軸/厚さ)を有する、[1]に記載の回転成形組成物。
[6]前記回転成形組成物は、前記金属酸化物層板を含んでいない類似組成物に比較して引張弾性率(2%)の少なくとも10%の改善率を有することをさらに特徴とする、[1]に記載の回転成形組成物。
[7]前記熱可塑性ポリマーは、エチレンをベースとするポリマーまたはプロピレンをベースとするポリマーである、[1]に記載の回転成形組成物。