【実施例1】
【0009】
図1は実施例における印刷装置の構成を示すブロック図である。
図1において、画像処理装置としての印刷装置100は、原稿の画像を読取る画像読取部を備えた装置であり、例えば複写機能を有する複合機(MFP:MultiFunction Peripherals)等である。この印刷装置100は、オペレータパネルで利用者200の入力操作を受付け、自動給紙装置であるADF(Auto Document Feeder)や原稿台であるコンタクトガラス上にセットされた原稿をスキャナで読取り、読取った原稿の画像データを媒体に印刷する複写(コピー)を行うものである。
【0010】
印刷装置100は、オペレータパネル110と、パネル制御部120と、スキャナ制御部130と、画像処理部140と、印刷部150と、状態管理部160とを有するものである。なお、印刷装置100は、CPU(Central Processing Unit)等の制御手段およびメモリ等の記憶手段を備え、制御手段が記憶手段に格納された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて印刷装置100全体の動作を制御する。
【0011】
操作表示部としてのオペレータパネル110は、情報を表示する表示部および利用者の操作を受付ける操作部を有するものである。このオペレータパネル110は、表示部および操作部としてのタッチパネル等で構成され、パネル制御部120の指示に従って情報を表示するとともに、情報の入力やジョブの起動等の利用者200の入力操作を受付けるものである。
【0012】
パネル制御部120は、状態管理部160の指示に従い、オペレータパネル110を制御し、情報の表示および情報の入力等を行うものである。パネル制御部120は、情報の入力やジョブの起動等の利用者200の入力操作をオペレータパネル110で受付けると、その情報を状態管理部160へ通知する。
画像読取部としてのスキャナ制御部130は、状態管理部160の指示に従い、原稿の画像を連続して読取り、原稿の画像データを生成し、記憶手段に記憶するものである。また、スキャナ制御部130は、読取った原稿の枚数を計数し、記憶手段に記憶する。
【0013】
スキャナ制御部130は、状態管理部160から読取り開始の指示を受けると、ADF133に原稿が存在することをセンサ等で検知した場合、その原稿がなくなるまで1枚毎にスキャナ132で原稿の読取りを行う。ADF133に原稿が存在しない場合、スキャナ制御部130は、コンタクトガラス131に載置された原稿の読取りをスキャナ132で1回行う。スキャナ制御部130は、1枚の原稿を読取る度に、読取った原稿の画像データを画像処理部140に渡して画像データの印刷を依頼する。
スキャナ制御部130は、状態管理部160から読取り中断の指示を受けると、ADF133上の原稿の読取り動作を行っている場合、その原稿の読取り動作を中断する。スキャナ制御部130は、読取り動作を中断すると、状態管理部160に読取り動作の中断が完了した旨を通知する。
【0014】
スキャナ制御部130は、読取り動作の中断中に、状態管理部160から読取り再開の指示を受けると、中断していた読取り動作を再開し、再びADF133上の原稿の読取り動作を行い、ADF133上の原稿がなくなるまで原稿の読取り動作を行う。スキャナ制御部130は、ADF133上の原稿がなくなるまで原稿の読取り動作を行った後、状態管理部160に読取り動作が完了した旨を通知する。なお、スキャナ制御部130は、状態管理部160から読取り再開の指示を受けたときに、ADF133上に原稿が存在しない場合、原稿の読取り動作を行うことなく、直ちに状態管理部160に読取り動作が完了した旨を通知する。
【0015】
画像処理部140は、スキャナ制御部130が読取った原稿の画像データとともに、その画像データの印刷依頼を受けると、画像データを印刷部150が印刷できる印刷データに変換し、印刷部150に印刷を依頼するものである。
出力部としての印刷部150は、画像処理部140から印刷データとともに印刷依頼が通知されると、その印刷データの印刷(出力)を行うものである。また、印刷部150は、印刷した枚数を計数し、記憶手段に記憶する。
【0016】
印刷部150は、センサ等により印刷中に紙詰まりを検知した場合、印刷を中断して紙詰まりが発生した旨を状態管理部160に通知する。また、印刷部150は、センサ等により紙詰まりの解消を検知した場合、紙詰まりが解消した旨を状態管理部160に通知する。さらに、印刷部150は、状態管理部160から原稿の読取りが完了した旨の通知を受けると、依頼されて保持している画像データの印刷がすべて完了した時点で印刷が完了した旨を状態管理部160へ通知する。
【0017】
なお、印刷部150は、スキャナ制御部130が読取った原稿の画像を印刷するだけでなく、通信回線を介して接続された外部装置としてのホストコンピュータから受信した画像データも印刷できるようになっている。
状態管理部160は、スキャナ制御部130の状態を監視し、スキャナ制御部130の状態に応じてオペレータパネル110に該状態を表示するとともに、オペレータパネル110で受付けた利用者の操作に応じてスキャナ制御部130の動作を制御するものである。
【0018】
本実施例において、状態管理部160は、スキャナ制御部130の状態を管理するとともに、パネル制御部120および印刷部150からの通知に基づいてスキャナ制御部130に対して原稿の読取開始、原稿の読取り中断、原稿の読取り再開を指示する。また、状態管理部160は、スキャナ制御部130からの原稿の読取り完了の通知に基づいて印刷部150に対して印刷を指示するものである。
状態管理部160は、スキャナ制御部130の状態をスキャナ状態として保持し、スキャナ制御部130に対して通知を行い、またスキャナ制御部130から通知を受けてスキャナ状態を更新する。
【0019】
このスキャナ状態は、
図6に示すように、待機中61、読取り中62、および中断中63の3つの状態で構成されている。
初期状態は待機中61であり、状態管理部160がスキャナ制御部130へ読取り開始を指示すると、待機中61から読取り中62に移行する。
読取り中62において、スキャナ制御部130から読取り完了の通知を受けると待機中61に移行する。また、読取り中62において、スキャナ制御部130から中断完了の通知を受けると中断中63に移行する。
【0020】
中断中63において、状態管理部160がスキャナ制御部130へ読取り再開を指示すると、読取り中62に移行する。
状態管理部160は、印刷部150から紙詰まりが発生した旨の通知を受けたとき、スキャナ状態に応じた動作を行う。
【0021】
状態管理部160は、読取り中62において、印刷部150から紙詰まりが発生した旨の通知を受けると、パネル制御部120に読取り中紙詰まり発生画面の表示を依頼する。この読取り中紙詰まり発生画面は、例えば
図2に示す読取り中紙詰まり発生画面20であり、紙詰まりが発生している旨を報知する文言、読取った原稿の枚数(読取り枚数)、および印刷した枚数(印刷枚数)とともに、原稿読取り動作の一時停止を指示する「読取り一時停止」ボタン21、および既に記憶手段に記憶されている画像データを消去して読取り動作を終了する「キャンセル」ボタン22を含んでいる。
【0022】
状態管理部160は、読取り中62以外の状態で印刷部150から紙詰まりが発生した旨の通知を受けると、パネル制御部120に紙詰まり発生画面の表示を依頼する。この紙詰まり画面は、例えば
図4に示す紙詰まり画面40であり、読取り停止中である旨を報知する文言、紙詰まりが発生している旨を報知する文言、読取った原稿の枚数(読取り枚数)、および印刷した枚数(印刷枚数)とともに、原稿読取り動作の再開を指示する「読取り再開」ボタン41、および既に記憶手段に記憶されている画像データを消去して読取り動作を終了する「キャンセル」ボタン42を含んでいる。
【0023】
また、状態管理部160は、印刷部150から紙詰まりが解消した旨の通知を受けたとき、スキャナ状態に応じた動作を行う。
状態管理部160は、中断中63において、印刷部150から紙詰まりが解消した旨の通知を受けると、パネル制御部120に読取り再開画面の表示を依頼する。この読取り再開画面は、例えば
図5に示す読取り再開画面50であり、読取った原稿の枚数(読取り枚数)、および印刷した枚数(印刷枚数)とともに、原稿読取り動作の再開を指示する「読取り再開」ボタン51、および既に記憶手段に記憶されている画像データを消去して読取り動作を終了する「キャンセル」ボタン52を含んでいる。
【0024】
状態管理部160は、待機中61の状態で印刷部150から紙詰まりが解消した旨の通知を受けると、パネル制御部120に印刷再開画面の表示を依頼する。
さらに、状態管理部160は、パネル制御部120からコピー開始を指示する通知を受けると、パネル制御部120に原稿を読取り中である旨を報知する読取中画面の表示を依頼するとともに、スキャナ制御部130に原稿読取りの開始を指示する。
【0025】
状態管理部160は、読取り中紙詰まり発生画面(
図2参照)が表示されている間に、読取り中紙詰まり発生画面において「読取り一時停止」ボタンが押下されてパネル制御部120から読取り中断を指示する通知を受けると、パネル制御部120に原稿の読取り一時停止画面の表示を依頼するとともに、スキャナ制御部130に原稿読取りの中断を指示する。読取り一時停止画面は、例えば
図3に示す読取り一時停止画面30であり、読取を一時中断している旨を報知するポップアップ画面31を含むものである。
【0026】
一方、読取り中紙詰まり発生画面(
図2参照)が表示されている間に、読取り中紙詰まり発生画面において「読取り一時停止」ボタンが押下されず、スキャナ制御部130が原稿の読取を完了した場合、状態管理部160は、スキャナ制御部130から読取り完了の通知を受けると、パネル制御部120に紙詰まり画面の表示を依頼する。この紙詰まり発生画面は、例えば
図4に示す紙詰まり発生画面40である。
また、状態管理部160は、スキャナ制御部130から中断完了の通知を受けると、パネル制御部120に紙詰まり画面の表示を依頼する。
【0027】
状態管理部160は、読取り再開画面(
図5参照)において「読取り再開」ボタンが押下されてパネル制御部120から読取り再開を指示する通知を受けると、パネル制御部120に原稿の読取り中画面の表示を依頼するとともに、スキャナ制御部130に原稿読取りの再開を指示する。
状態管理部160は、スキャナ制御部130から紙詰まりの通知を受けておらず、読取り中紙詰まり発生画面を表示していない通常の状態でスキャナ制御部130から読取り完了の通知を受けると、パネル制御部120に印刷画面の表示を依頼するとともに、印刷部150に原稿の読取りが完了した旨の通知を行う。
【0028】
状態管理部160は、印刷部150から印刷完了の通知を受けると、コピーが完了したと判断してパネル制御部120に待機画面の表示を依頼する。
このように、状態管理部160は、スキャナ制御部130で原稿の画像を読取っているとき、印刷部150の異常を検知した場合、オペレータパネル110に、印刷部150で異常が発生した旨を表示するとともに、スキャナ制御部130の読取り動作の停止を指示する操作を受付ける入力手段として「読取り一時停止」ボタンを表示する。
【0029】
状態管理部160は、オペレータパネル110でスキャナ制御部130の読取り動作の停止を指示する操作を受付けた場合、スキャナ制御部130の読取り動作を停止し、スキャナ制御部130の読取り動作の停止を指示する操作を受付けない場合、スキャナ制御部130の読取り動作を継続する。
なお、本実施例では、出力部を印刷部150として説明するが、それに限られることなく、出力部を、読取った原稿の画像を電子メールで外部装置に送信する第1の送信部、ファクシミリ送信する第2の送信部、または読取った原稿の画像をUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部記憶装置に格納する第3の送信部等としても良い。
【0030】
上述した構成の作用について説明する。
印刷装置が行う原稿の読取り中断処理を
図7の実施例における読取り中断処理の流れを示す説明図の図中Sで表すステップにしたがって
図1を参照しながら説明する。なお、出力部を印刷部150とし、出力部の異常を紙詰まりとして説明する。
S1:印刷装置100は、利用者200によりA4判原稿3枚がADF133にセットされ、等倍で1部のコピーを行う設定操作およびコピーを開始させる入力操作をオペレータパネル110で受付ける。コピーを開始させる入力操作を受付けたオペレータパネル110は、パネル制御部120へコピーの開始指示を通知する。
【0031】
S2:開始指示の通知を受けたパネル制御部120は、状態管理部160へコピーの開始指示を通知する。
S3:開始指示の通知を受けた状態管理部160は、パネル制御部120に読取り中画面の表示依頼を行う。
S4:読取り中画面の表示依頼を受けたパネル制御部120は、オペレータパネル110に読取り中画面を表示する。
【0032】
S5:さらに、状態管理部160は、スキャナ制御部130に原稿読取りの開始を指示するとともに、スキャナ状態を
図6に示す待機中61から読取り中62に更新する。
S6:原稿読取り開始の指示を受けたスキャナ制御部130は、ADF133に原稿が存在すると判断すると、ADF133から原稿を1枚給紙し、1枚目の原稿の読取りを開始する。スキャナ制御部130は、1枚目の原稿を読取ると原稿読取り枚数を「1」とする。
【0033】
S7:1枚目の原稿を読取ったスキャナ制御部130は、画像処理部140に読取った原稿の画像データの印刷を依頼する。
S8:画像処理部140は、依頼された画像データの画像処理を行い、印刷部150に画像データの印刷を指示する。
S9:印刷部150は、指示された画像データの印刷動作を行い、印刷枚数を「1」とする。ここで、印刷部150は、印刷中に用紙の紙詰まりを検知し、印刷動作を停止するものとする。
【0034】
S10:紙詰まりを検知した印刷部150は、状態管理部160へ紙詰まりが発生した旨を通知する紙詰まり通知を行う。
S11:紙詰まり通知を受けた状態管理部160は、スキャナ状態が読取り中であるため、パネル制御部120に読取り中紙詰まり画面の表示依頼を行う。
S12:読取り中紙詰まり画面の表示依頼を受けたパネル制御部120は、オペレータパネル110に
図2に示す読取り中紙詰まり画面20を表示する。なお、読取り中紙詰まり画面20には、スキャナ制御部130が読取った原稿の枚数および印刷部150が印刷した印刷枚数が表示される。
【0035】
S13:スキャナ制御部130は、ADF133から原稿を1枚給紙し、2枚目の原稿の読取りを開始する。
S14:ここで、印刷装置100は
図2に示す読取り中紙詰まり画面20において利用者200による原稿の読取りを中断(一時停止)させる入力操作(「読取り一時停止」ボタン21の押下)をオペレータパネル110で受付けるものとし、原稿の読取りを中断させる入力操作を受付けたオペレータパネル110は、原稿の読取りを中断する指示をパネル制御部120へ通知する。
【0036】
なお、利用者200による原稿の読取りを中断させる入力操作をオペレータパネル110で受付けていない状態では、スキャナ制御部130は、原稿の読取りを継続して行うものとする。また、
図2に示す読取り中紙詰まり画面20において、原稿の読取りを終了させる「キャンセル」ボタン22の押下をオペレータパネル110で受付けた場合、スキャナ制御部130は、既に記憶手段に記憶されている画像データを消去して読取り動作を終了する。
【0037】
S15:原稿の読取りを中断する指示を受けたパネル制御部120は、状態管理部160へ原稿読取り中断指示を通知する。
S16:原稿読取り中断指示の通知を受けた状態管理部160は、パネル制御部120に読取り一時停止画面の表示依頼を行う。
S17:読取り一時停止画面の表示依頼を受けたパネル制御部120は、オペレータパネル110に読取り一時停止画面(
図3参照)を表示する。
【0038】
S18:さらに、状態管理部160は、スキャナ制御部130に原稿読取り中断を指示する。
S19:スキャナ制御部130は、原稿読取り中断の指示を受けた現在行っている原稿読取り動作を継続させ、1枚の原稿を読取り、画像処理部140に読取った原稿の画像データの印刷を依頼する。
S20:画像処理部140は、依頼された画像データの画像処理を行い、印刷部150に画像データの印刷を指示する。印刷部150は、現在紙詰まり状態であるため指示された印刷を保留する。
【0039】
S21:スキャナ制御部130は、1枚の原稿の読取りが完了すると、原稿の読取り動作を中断する。
S22:原稿の読取り動作を中断したスキャナ制御部130は、原稿の読取り動作の中断が完了した旨の中断完了を状態管理部160に通知する。
S23:中断完了通知を受けた状態管理部160は、スキャナ状態を
図6に示す読取り中62から中断中63に更新し、パネル制御部120に紙詰まり画面の表示依頼を行う。
S24:紙詰まり画面の表示依頼を受けたパネル制御部120は、オペレータパネル110に
図4に示す紙詰まり画面40を表示する。
【0040】
S25:ここで、利用者200は、印刷装置100のADF133上に残った1枚の原稿を回収し、スキャナ132を持ち上げる等、移動させた後、印刷装置100のカバー等を開けて搬送路に残った用紙を除去等して紙詰まりを解除し、印刷装置100のカバーおよびスキャナ132を元に戻すものとする。
印刷部150は、センサ等により紙詰まりの解消を検知し、保留していた画像データの印刷を再開する。
S26:紙詰まりの解消を検知した印刷部150は、状態管理部160へ紙詰まりが解消した旨を通知する紙詰まり解消通知を行う。
【0041】
S27:紙詰まり解消通知を受けた状態管理部160は、パネル制御部120に読取り再開画面の表示依頼を行う。
なお、印刷装置100の紙詰まりが解除されていない場合でも、
図4に示す紙詰まり画面40において、原稿読取り動作の再開を指示する「読取り再開」ボタン41の押下をパネル制御部120が検知すると、状態管理部160は、パネル制御部120に読取り再開画面の表示依頼を行う。また、
図4に示す紙詰まり画面40において、原稿の読取りを終了させる「キャンセル」ボタン42の押下をオペレータパネル110で受付けた場合、スキャナ制御部130は、既に記憶手段に記憶されている画像データを消去して読取り動作を終了する。
【0042】
S28:読取り再開画面の表示依頼を受けたパネル制御部120は、オペレータパネル110に読取り再開画面(
図5参照)を表示する。
S29:利用者200は、残っていた1枚の原稿をADF133上に再セットし、
図5に示す読取り再開画面50において原稿の読取りを再開させる入力操作(「読取り再開」ボタン51の押下)を行うものとする。原稿の読取りを再開させる入力操作を受付けたオペレータパネル110は、原稿の読取りを再開する指示をパネル制御部120へ通知する。
【0043】
なお、
図5に示す読取り再開画面50において、原稿の読取りを終了させる「キャンセル」ボタン52の押下をオペレータパネル110で受付けた場合、スキャナ制御部130は、既に記憶手段に記憶されている画像データを消去して読取り動作を終了する。
S30:原稿の読取りを再開する指示を受けたパネル制御部120は、状態管理部160へ原稿読取り再開指示を通知する。
【0044】
S31:原稿読取り再開指示の通知を受けた状態管理部160は、パネル制御部120に読取り中画面の表示依頼を行う。
S32:読取り中画面の表示依頼を受けたパネル制御部120は、オペレータパネル110に読取り中画面を表示する。
S33:さらに、状態管理部160は、スキャナ制御部130に原稿読取りの再開を指示するとともに、スキャナ状態を
図6に示す中断中63から読取り中62に更新する。
【0045】
S34:スキャナ制御部130は、ADF133から原稿を1枚給紙し、3枚目の原稿の読取りを開始する。
S35:3枚目の原稿を読取ったスキャナ制御部130は、画像処理部140に読取った原稿の画像データの印刷を依頼する。
S36:画像処理部140は、依頼された画像データの画像処理を行い、印刷部150に画像データの印刷を指示する。
S37:3枚目の原稿の読取り動作を完了したスキャナ制御部130は、ADF133上の原稿が無くなったことを検知し、原稿の読取りが完了した旨の読取り完了を状態管理部160に通知する。
【0046】
S38:読取り完了通知を受けた状態管理部160は、パネル制御部120に印刷画面の表示依頼を行うとともに、スキャナ状態を
図6に示す読取り中62から待機中61に更新する。
S39:印刷画面の表示依頼を受けたパネル制御部120は、オペレータパネル110に印刷画面を表示する。
S40:さらに、状態管理部160は、印刷部150に原稿の読取りが完了した旨を通知する。
【0047】
S41:印刷部150は、画像処理部140から印刷を指示されていたすべてのページの画像データの印刷を終了すると、状態管理部160へ印刷が完了した旨を通知する印刷完了通知を行う。
S42:印刷完了通知を受けた状態管理部160は、パネル制御部120に待機画面の表示依頼を行う。
S43:待機画面の表示依頼を受けたパネル制御部120は、オペレータパネル110に待機画面を表示し、本処理を終了する。
【0048】
このように、印刷装置100の状態管理部160は、スキャナ制御部130で原稿の読取り動作を行っているときに、印刷部150が印刷中に紙詰まりを検知した場合、オペレータパネル110に原稿の読取りを一時停止させる操作ボタンを備えた読取り中紙詰まり画面を表示し、原稿の読取りを中断できるようにしたことにより、原稿の読取りよりも優先して紙詰まりを解除することができる。
原稿の読取り動作と印刷動作のように二つ以上の動作を並行して行う場合であって原稿の読取り動作以外の他の動作で異常が発生した場合、従来は原稿の読取り動作が完了した後に、他の動作の異常を解除するようにしていたため、並行して動作を行うことができなくなり、すべての動作が完了するまでに多くに時間を必要としていた。
【0049】
しかしながら、本実施例のように、原稿の読取り動作と印刷動作のように二つ以上の動作を並行して行う場合であって原稿の読取り動作以外の他の動作で異常が発生した場合、原稿の読取り動作を一時停止させて、他の動作の異常を解除することができるようにしたため、すべての動作が完了するまでの時間を短縮させることができる。
また、本実施例では、読取り中紙詰まり画面において、原稿の読取りを一時停止させる操作ボタンが押下されない場合は、原稿の読取りを継続して行うことができる。
すなわち、利用者は状況に応じて紙詰まりの解除と、継続した原稿の読取りとを選択することができる。
【0050】
なお、本実施例では、原稿の読取り動作以外の他の動作での異常として印刷部150の紙詰まりとして説明したが、それに限られることなく、原稿の読取り動作と並行して行われる動作の異常であれば、読取った原稿の画像を電子メールで外部装置に送信する場合の回線接続不良等の第1の送信部の異常、ファクシミリ送信する場合の回線接続不良等の第2の送信部の異常、読取った原稿の画像をUSBメモリ等の外部記憶装置に格納する場合の接続不良や記憶容量不足等の第3の送信部の異常のいずれかの異常としても良い。
【0051】
以上説明したように、印刷装置の状態管理部は、スキャナ制御部で原稿の読取り動作を行っているときに、並行する他の動作で異常の発生を検知した場合、オペレータパネルに原稿の読取りを一時停止させる操作ボタンを備えた操作画面を表示し、原稿の読取りを中断できるようにしたことにより、原稿の読取りよりも優先して他の動作の異常を解除することができるという効果が得られる。
【0052】
また、原稿の読取り動作と並行して行われる他の動作で発生した異常の解除と、原稿の読取りの継続とを選択できるようにしたことにより、異常の解除を行うことなく原稿の読取りを継続して行い、読取り動作が完了した後に、異常の解除を行うことができるという効果が得られる。
なお、本実施例では、画像処理装置を印刷装置(複合機)として説明したが、それに限られることなく、原稿読取り機能を有する装置であれば複写機、ファクシミリ装置等としても良い。