(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
非炭素酸化物ガスの少なくとも一部分を前記中間ストリームから除去することは、炭素酸化物から成るように前記乾燥した炭素酸化物含有ガス原料を生成することを含む、請求項3に記載の方法。
前記反応ガス混合物中の前記炭素酸化物の少なくとも一部分を固体炭素に変換することは、前記反応ガス混合物を、400℃を上回る温度で触媒と接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
前記反応ガス混合物中の前記炭素の少なくとも一部分を固体炭素および水に変換することは、グラファイト、グラフェン、カーボンブラック、煤、繊維状炭素、バックミンスターフラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンプレートレット、無定形炭素、およびナノダイヤモンドから成る群から選択される少なくとも1つの物質を含む炭素の少なくとも1つの同素体およびモルフォロジを形成することを含む、請求項1に記載の方法。
前記反応ガス混合物中の前記炭素の少なくとも一部分を固体炭素に変換することは、一酸化炭素および二酸化炭素のうちの少なくとも1つを還元ガスと反応させて、固体炭素および水を形成することを含み、前記還元ガスは、アルカン、アルコール、およびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
前記オフガスを精製して、前記粒子状物質の少なくとも一部分を除去して、中間ストリームを生成することは、前記オフガスから粒子状物質を除去することを含む、請求項1に記載の方法。
前記中間ストリームから水を凝縮して、乾燥した炭素酸化物ガス原料を生成することは、10℃未満の露点を有するように前記乾燥した炭素酸化物ガス原料を生成することを含む、請求項1に記載の方法。
前記オフガス中の酸素を還元ガスと反応させることは、前記オフガス中の酸素を、アルカン、アルコール、または別の炭化水素と反応させることを含む、請求項1に記載の方法。
前記固体炭素の少なくとも一部分を、前記オフガスを生成するように構成される単位操作に再循環させることは、前記固体炭素を、セメントか焼炉または溶鉱炉に再循環させることを含む、請求項13に記載の方法。
前記固体炭素をセメントか焼炉または溶鉱炉に再循環させることは、金属基複合材料、電気アーク炉用電極、加炭剤(carbon raiser)、または高純度炭素還元剤のうちの少なくとも1つを形成することを含む、請求項14に記載の方法。
前記固体炭素を、前記オフガスを生成するように構成される単位操作に再循環させることは、前記固体炭素を、再循環原料を形成するように処理することを含み、該固体炭素を、再循環原料を形成するように処理することは、炭素強化生成物を形成することを含む、請求項13に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
背景
2012年2月9日に公開された米国特許出願公開第2012/0034150A1号は、本明細書の背景情報を開示し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0004】
追加的な情報は、以下の文書で開示され、それぞれの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
1.Dallas B.Noyesの名義で2012年4月16日に出願された米国特許出願第61/624,702号の恩典を主張する、「Methods and Structures for Reducing Carbon Oxides with Non−Ferrous Catalysts」について本願と同日に出願された、国際特許出願
PCT/US2013/000072(代理人整理番号3525−P10945.1PC)、
2.Dallas B.Noyesの名義で2012年4月16日に出願された米国特許出願第61/624,573号の恩典を主張する、「Methods and Systems for Thermal Energy Recovery from Production of Solid Carbon Materials by Reducing Carbon Oxides」について本願と同日に出願された、国際特許出願
PCT/US2013/000076(代理人整理番号3525−P10946.1PC)、
3.Dallas B.Noyesの名義で2012年4月16日に出願された米国特許出願第61/624,723号の恩典を主張する、「Methods for Producing Solid Carbon by Reducing Carbon Dioxide」について本願と同日に出願された、国際特許出願
PCT/US2013/000077(代理人整理番号3525−P10947.1PC)、
4.Dallas B.Noyesの名義で2012年4月16日に出願された米国特許出願第61/624,753号の恩典を主張する、「Methods and Reactors for Producing Solid Carbon Nanotubes,Solid Carbon Clusters,and Forests」について本願と同日に出願された、国際特許出願
PCT/US2013/000073(代理人整理番号3525−P11001.1PC)、
5.Dallas B.Noyesの名義で2012年4月16日に出願された米国特許出願第61/624,848号の恩典を主張する、「Methods for Using Metal Catalysts in Carbon Oxide Catalytic Converters」について本願と同日に出願された、国際特許出願
PCT/US2013/000071(代理人整理番号3525−P11248.1PC)、
6.Dallas B.Noyesの名義で2012年4月16日に出願された米国特許出願第61/624,462号の恩典を主張する、「Methods and Systems for Capturing and Sequestering Carbon and for Reducing the Mass of Carbon Oxides in a Waste Gas Stream」について本願と同日に出願された、国際特許出願
PCT/US2013/000081(代理人整理番号3525−P11249.1PC)、
7.Dallas B.Noyesの名義で2012年7月13日に出願された米国特許出願第61/671,464号の恩典を主張する、「Methods and Systems for Forming Ammonia and Solid Carbon Products」について本願と同日に出願された、国際特許出願
PCT/US2013/000078(代理人整理番号3525−P11361.1PC)、および
8.Dallas B.Noyesの名義で2012年4月23日に出願された米国特許出願第61/637,229号の恩典を主張する、「Carbon Nanotubes Having a Bimodal Size Distribution」について本願と同日に出願された、国際特許出願
PCT/US2013/000079(代理人整理番号3525−P11771PC)。
【0005】
固体炭素は、数多くの商業的用途を有する。これらの用途は、タイヤ、インク等のフィラー材料としてのカーボンブラックおよび炭素繊維の長年の使用、種々の形態のグラファイト(例えば、遮熱材における熱分解グラファイト)の使用、ならびにカーボンナノチューブ(CNT)およびバックミンスターフラーレンのための革新的で新たに出現した用途を含む。CNTは、強度、通電容量、ならびに熱および電気伝導性を含むその固有の材料特性のため、有益である。現在のCNTのバルクの使用としては、複合材料の製造における樹脂への添加物としての使用が挙げられる。CNTの研究および開発は、多種多様な使用用途に対して継続中であるか、または検討中である。しかしながら、CNTの広範囲にわたる使用に対する1つの障害は、製造コストであった。固体炭素の製造に関する従来の方法は、典型的には、好適な触媒の存在下での炭化水素の熱分解を含む。炭化水素は、典型的には、その豊富な入手可能性および比較的低いコストのため、炭素源として使用される。
【0006】
炭素酸化物、特に二酸化炭素は、大気中、および炭化水素燃焼によって生み出される排気ガスまたは種々の製造プロセスによって生み出されるオフガス等の点排出源中に存在する、豊富なガスである。従来のアルミニウム製造は、例えば、アルミナ(Al
2O
3)の還元を含む。プロセスは典型的には、犠牲炭素陽極を使用して、電気エネルギーと鉱石中の酸化アルミニウムを還元する炭素との双方を送達して、アルミニウムおよび二酸化炭素を生成する。還元されるアルミナ1トンにつき、約2トンの二酸化炭素が生成される。同様に、従来の鋼製造は、鉄鉱石または屑鉄中に存在する鉄の酸化物の還元を含む。炭素が(コークスの形態または犠牲炭素陽極の形態で)、典型的には、鋼の製造における還元剤として使用され、大量の二酸化炭素を生成する。セメント製造は、か焼、すなわち、石灰石(炭酸カルシウム)等の原材料の窯中での加熱を含み、二酸化炭素を放散する。か焼中に形成される二酸化炭素に加えて、二酸化炭素は、か焼プロセスを駆動するために使用される燃料(例えば、石炭、天然ガス等)の燃焼によって形成され得、これは、直接的(か焼炉内部で生じる燃焼)か、または間接的(結果として生じるか焼炉に伝えられる熱による、か焼炉の外で生じる燃焼)のいずれかであり得る。世界的に、セメント工場は、産業プロセスから大気に排出される総二酸化炭素の約5%に寄与する。セメント製造はまた、NO
x(主にNO)、硫黄化合物(主にSO
2、いくらかの硫酸および硫化水素を伴う)、塩酸、および塵を含む粒子状物質を含む、種々の他の廃棄物の排出にも関連している。セメント工場からの燃焼排ガス中の二酸化炭素の濃度は典型的には、15〜30体積%であり、発電所からの燃焼排ガス(3〜15体積%)より著しく高い。
【0007】
温室効果ガスに関する懸念は、産業および政府に二酸化炭素の生成および大気中へのその放出を最小限にするための方法を見出すよう促している。二酸化炭素排出を低減するためのいくつかの方法は、二酸化炭素の捕捉および隔離(例えば、地層中への注入による)を含む。これらの方法は、例えば、いくつかの「グリーン」石炭燃焼発電所の基礎である。しかしながら、現在の実務において、二酸化炭素の捕捉および隔離は、多大なコストを必要とする。
【0008】
種々の平衡が同定されている、炭素、酸素、および水素の関与する多種多様な反応がある。炭化水素の熱分解は、一般的に酸素が殆どまたは全く存在しない状態で、固体炭素の生成に好都合である水素と炭素との間の平衡を伴う。「一酸化炭素の不均化反応」とも称されるBoudouard反応は、一般的に水素が殆どまたは全く存在しない状態で、固体炭素の生成に好都合である炭素と酸素との間の平衡の範囲である。ボッシュ反応は、同じく固体炭素の生成に好都合である反応条件下で、炭素、酸素、および水素の全てが存在する平衡の領域内である。
【0009】
炭化水素の熱分解と、Boudouard反応と、ボッシュ反応との関係は、
図1で示されるように、C−H−O平衡状態図に関して理解され得る。
図1のC−H−O平衡状態図は、カーボンナノチューブ(「CNT」)を含む固体炭素までの種々の既知のルートを示す。炭化水素の熱分解反応は、HとCを結ぶ平衡線上、および三角形の左縁部の近くから破線の左上の領域の中で起こる。熱分解ゾーンとボッシュ反応ゾーンとの間の遷移は、反応器温度によって変化し得るので、2つの破線が示されている。Boudouard反応または一酸化炭素の不均化反応は、OとCを結ぶ平衡線の近く(すなわち、三角形の右縁部)で起こる。このゾーンでは、Boudouard反応は熱力学的にボッシュ反応よりも好ましい。本図を横切る種々の温度に関する平衡線は、固体炭素が形成されるおおよその領域を示す。各温度について、固体炭素は、関連する平衡線の上側の領域で形成され得るが、一般的に、平衡線の下側の領域では形成されない。熱分解ゾーンとBoudouard反応ゾーンとの間の領域、および特定の反応温度曲線の上側では、熱力学的にBoudouard反応よりもボッシュ反応が好ましい。
【0010】
固体炭素の生成における炭素源としての炭素酸化物の使用は、ほとんど未開発のままであった。周囲空気の即時入手可能性は、固体炭素生成物の局所製造のための二酸化炭素の経済的供給源を提供することができる。しかしながら、点排出源は周囲空気より遥かに高い二酸化炭素濃度を有するため、それらはしばしば、二酸化炭素を採取するための経済的供給源である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、産業プロセスからのオフガスを処理するための方法を含む。方法は、セメント製造、アルミニウム製錬、鋼製錬、または他のプロセスの副産物を処理するために使用されて、固体炭素生成物と水とを生成し得る。固体炭素生成物は、グラファイト、熱分解グラファイト、グラフェン、カーボンブラック、繊維状炭素、バックミンスターフラーレン、単層CNT、多層CNT、プレートレット、またはナノダイヤモンドを含む、炭素の同素体またはそのモルフォロジを含み得る。固体炭素生成物のタイプ、純度、および均一性は、反応時間、温度、圧力、反応物質の分圧、および/または触媒特性等の反応条件によって制御され得る。
【0017】
方法は、ボッシュ反応を利用して、水素、炭化水素、アルコール、またはそれらの混合物による二酸化炭素または一酸化炭素の還元によって固体炭素生成物を生成する。反応条件は、選択されたタイプの固体炭素を生成するように最適化されてもよい。触媒変換プロセスは、固体炭素を取り出すおよび水を除去するための種々の分離技術を含むことができ、テールガスを、必要に応じて添加されるメイクアップガスとともに再循環させることを含むことができる。
【0018】
本明細書に開示される方法は、多段階反応(例えば、メタン改質反応、その後のボッシュ反応ゾーンにおける反応)を含む、
図1に示される相図の内側領域における反応を含み、ここでは、固体炭素、酸素、水素、ならびに炭素、水素および/または酸素の化合物の間に平衡が確立され得る。
図1の中央領域は、CNTならびに固体炭素の他の同素体および関連するモルフォロジの形成に好都合である複数のポイントを有する。生成される固体炭素のタイプは、触媒、反応ガス混合物、および反応条件の選択および処理を通じて選択的に制御され得る。したがって、これらの方法は、炭素含有ガスの処理、およびCNT等の有益な固体炭素生成物の生成に対する新しいルートを提供する。
【0019】
実施形態では、プロセスオフガスは、固体炭素生成物を生成するための原料として使用される。いくつかの実施形態では、プロセスオフガスは、CO
2、またはか焼炉においてもしくはアルミニウムもしくは鋼の製錬等の別のプロセスにおいて形成される他のガスを含む。本明細書で使用するとき、用語「オフガス」は、著しい量の炭素酸化物(すなわち、周囲空気中に存在するものより高濃度のCO
2および/またはCO)を含有する、任意のプロセスに由来する任意のガスを意味し、かつそれを含む。オフガスはまた、水(ガス状および/または液体)、粒子状物質、SO
x、NO
x、N
2、O
2等を含有してもよい。オフガスは、ポートランドセメントを含むセメントの生成時において、石灰石(CaCO
3)が加熱されることにより形成されて、CO
2が放散され得る。他のオフガス排出は、アルミナ(Al
2O
3)または酸化鉄等の金属鉱石の精錬に由来し得る。他のオフガス排出は、重炭酸ナトリウム(NaHCO
3)のソーダ灰(Na
2CO
3)への変換から形成され得る。直接加熱を用いるプロセスに関して、オフガスはまた、燃料(例えば、石炭、天然ガス)の燃焼に由来する燃焼生成物、未燃焼燃料、灰等を含むこともできる。オフガスは、例えば、アルミニウムまたは鋼の製錬等で、一次鉱石または原材料の酸化物の還元において犠牲炭素陽極の反応から形成され得る。オフガスの組成は、例えば、処理設備を稼働するために使用される燃料のタイプ、条件(例えば、温度、圧力)、供給材料の組成(例えば、石灰石、アルミナ、重炭酸ナトリウム等)、流速等の種々の因子に依存し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、オフガスは、硫黄およびリン化合物等の触媒毒である固体微粒子および混入物を除去するために、精製され得る。オフガスは、例えば、固体炭素生成物の形成中に不要な副反応をもたらし得る酸素、水、および窒素等の他のガス状成分を除去するために、さらに精製され得る。オフガスの特性に基づいて、特定の精製および濃縮プロセスが選択され得る。
【0021】
本明細書に説明されるプロセスは、固体炭素生成物および水の形成をもたらし得る。水は、その後に凝縮され得、潜熱が、加熱目的のためにまたは低圧動力抽出サイクルの一部として抽出され得る。水は、任意の溶解した反応ガスを除去するように処理されてもよく、固体混入物を除去するように濾過されてもよく、および/または環境へ放出されてもよい。本明細書に開示されるプロセスのいくつかの実施形態の副産物として、純水が形成され得る。
【0022】
本明細書に開示される方法は、オフガスを経済的に有益な原料として使用する。固体炭素の生成における原料としてのオフガスの使用は、炭素の捕捉および隔離のコストを低減するかまたはなくし得、同時に二酸化炭素を販売可能な生成物に変換し得る。したがって、方法は、セメント製造プロセスまたはアルミニウムもしくは鋼の製錬操作等の従来の産業プロセスと併合させてもよい。該プロセスを化石燃料燃焼プロセスと組み合わせることも、そのようなプロセスによる固体炭素生成物の形成が、既存の分離および隔離方法より経済的であり得るため、有益であり得る。さらに、固体炭素生成物は、オフガスを生成するプロセスまたは関連プロセスに再循環され得る(例えば、固体炭素生成物は、犠牲炭素陽極へと、または生成プロセス中に再循環させるための他の炭素形態に形成され得る)。固体炭素生成物はさらに、生成物に所望の特性を追加するために、プロセスから結果として生じる生成物へと組み込まれ得る(例えば、CNTで強化したセメント、アルミニウム合金、および鋼)。
【0023】
本明細書に開示される方法は、オフガス中に存在する炭素酸化物を炭素供給源として用いて、カーボンナノチューブ、ならびにグラファイト、コークス、およびカーボンブラックを含む、バックミンスターフラーレン等の固体炭素生成物を生成する。したがって方法は、炭素酸化物の、固体炭素および水への触媒変換を含む。炭素酸化物は、必要に応じて精製および濃縮され得る。高純度の炭素酸化物および還元剤は、高純度の固体炭素生成物をもたらし得る。
【0024】
本明細書に開示される通り、ボッシュ反応は、水素、炭化水素、アルコール、またはそれらの混合物を使用して、炭素酸化物(例えば、二酸化炭素、一酸化炭素、またはそれらの混合物)を、固体炭素(例えば、グラファイト、グラフェン、カーボンブラック、繊維状炭素、バックミンスターフラーレン、単層CNT、多層CNT、プレートレット、ナノダイヤモンド等)および水に還元する。これらの反応は、鉄、鉄および炭素含有化合物、例えばセメンタイト、ならびにニッケル、コバルト、モリブデン、およびそれらの混合物を含む多種多様な他の金属等の触媒の存在下で、約450℃〜約1,000℃の温度で行われ得る。CNT、グラファイト、またはC
60フラーレンを形成するような二酸化炭素および水素のボッシュ反応は、穏やかな発熱性であり(熱を生成し)、反応式1に示されるような化学量論で進行する。
CO
2+2H
2←→C
(s)+2H
2O (反応式1)
このボッシュ反応におけるCNTの形成は、650℃で約24.9kcal/molを放出する(すなわち、ΔH=−24.9kcal/mol)。このボッシュ反応におけるグラファイトの形成は、650℃で約23.8kcal/molを放出する。このボッシュ反応におけるC
60フラーレンの形成は、650℃で約13.6kcal/molを放出する。このボッシュ反応におけるカーボンランプブラックの形成は、吸熱性であり、650℃で約147.5kcal/molを消費する(すなわち、ΔHは+147.5kcal/molである)。ボッシュ反応は可逆的であり、ボッシュ反応の逆では、固体炭素は水によって酸化されて、一般的に水性ガス反応として知られる酸素シフト反応において二酸化炭素および水素を形成する。反応ガス中の水の濃度は、所望の固体炭素生成物の純度および品質を得るのに役立つように制御され得る。例えば、カーボンナノチューブのGibbs自由エネルギーは、グラファイトおよび無定形炭素のものより低いため、水性ガス反応により、優先的にグラファイトおよび無定形炭素が酸化され、比較的純粋なCNTが残る。
【0025】
反応式1のボッシュ反応は、エネルギーの全体的な放出を伴う(すなわち、反応は発熱性である)2段階反応であると考えられる。反応の第1段階において、二酸化炭素が水素と反応して、逆水性ガスシフト反応において一酸化炭素および水を形成する。
CO
2+H
2←→CO+H
2O (反応式2)
反応式2は、650℃で僅かに吸熱性であり、約8.47kcal/molの熱入力を必要とする(すなわち、ΔH=+8.47kcal/mol)。反応の第2段階では、COが触媒の存在下で水素と反応して、固体炭素および水を形成する。
CO+H
2←→C
(s)+H
2O (反応式3)
反応式3は、化学量論的量の反応物質によって、または過剰なCO
2もしくはH
2によって起こり得る。反応式3は、650℃で発熱性であり、CNTが形成されるときに33.4kcal/mol(1.16×10
4ジュール/グラムC
(s))を放出する(すなわち、ΔH=−33.4kcal/mol)。反応式3に関するΔHの値は、その特定の炭素生成物に対する反応式1に関するΔHの値と反応式2に関するΔHの値との差によって、他の炭素生成物について算出され得る。
【0026】
メタン改質反応は、本明細書に説明される通り、メタンと二酸化炭素または水との反応を含む。
CH
4+CO
2←→2CO+2H
2 (反応式4)
CH
4+H
2O←→CO+3H
2 (反応式5)
メタン改質反応は、一酸化炭素および水素を生成し、ボッシュ反応に好適なガスストリームを形成し得る。メタン改質反応は典型的には、ボッシュ反応が生じる温度より高い温度で生じる。いくつかの実施形態では、メタン改質反応がボッシュ反応に先行して、ボッシュ反応のための水素および一酸化炭素を供給し得る。メタン改質反応は典型的にはボッシュ反応より高い温度で生じるため、メタン改質反応から流れるガスに、より冷たい炭素酸化物スチームを添加し、結果として生じる混合ガスストリームを、その後のボッシュ反応に好適な温度まで冷却することが望ましい場合がある。
【0027】
米国特許第7,794,690号(Abatzoglou他)は、有機材料からの炭素の隔離のための、乾燥改質プロセスを教示する。Abatzoglouは、任意で3D乾燥改質触媒を用いる、2次元(2-D)炭素隔離触媒を利用するプロセスを開示している。例えば、Abatzoglouは、第1段階で、3D触媒上で有機材料(例えば、メタン、エタノール)およびCO
2を乾燥改質して合成ガスを形成し、それに続いて、CNTおよびカーボンナノフィラメントを形成するために2D炭素鋼触媒上で合成ガスの炭素隔離をするための、2段階プロセスを開示している。2D触媒は、非多孔性金属担体もしくはセラミック担体上の活性金属(例えば、Ni、Rh、Ru、Cu−Ni、Sn−Ni)、またはモノリス担体上の鉄系触媒(例えば、鋼)であり得る。3D触媒は、類似の組成であり得るか、または類似の担体上の複合触媒(例えば、Ni/ZrO
2−Al
2O
3)であり得る。Abatzoglouは、鉄をそのアルファ相へと変態させるために、その共晶点を超える温度で触媒の表面に不活性ガスストリームを通過させることによる、2D触媒の事前活性化を教示している。Abatzoglouは、2段階プロセスにおいて水を最小限にすること、または乾燥改質の第1段階中に、反応ガス混合物中に低濃度(0〜10重量%)の水を添加することを教示している。
【0028】
本明細書に開示される方法は、炭素酸化物の還元による、様々な同素体およびモルフォロジの固体炭素、特にCNTの作製に関与する。炭素酸化物は、セメント生成における石灰石のか焼等のか焼の生成物、またはアルミニウム製錬等の他のプロセスに由来する生成物であり得る。炭素酸化物および1種以上の還元剤は、所定の反応温度等に予熱された反応器または反応ゾーン内へ注入され得る。任意で、炭素酸化物および1種または複数種の還元剤は、それらを反応器または反応ゾーン内へ注入する前に予熱されてもよい。反応は典型的には、触媒の存在下で生じる。触媒の組成および結晶粒径は、結果として生じる固体炭素生成物のモルフォロジに影響を及ぼし得る。例えば、カーボンナノチューブの直径は、触媒粒子の特有のサイズ、またはバルク触媒の結晶粒径に密接に関連していると考えられる。反応器の温度および圧力、反応ガスの滞留時間、ならびに触媒の結晶粒径を含む反応条件は、選択された特性を有する固体炭素生成物を得るように制御され得る。反応テールガスおよび生成物混合物は、過剰な水を除去して反応ガス混合物中の水蒸気の分圧を制御するために、1つ以上の凝縮器を通過し得る。本明細書の特定の実施形態では、反応における水の分圧は、例えば、生成される炭素生成物の構造または組成の他の面に影響を及ぼすため、水の再循環および凝縮を含む種々の手段によって調節される。水の分圧は、ある所望の炭素同素体を得るのを支援すると思われる。乾燥したテールガスストリームは、所望により再循環されてもよく、典型的には、反応器テールガスおよび生成物混合物ストリームとの向流による予熱を伴う。
【0029】
種々の同素体およびモルフォロジの固体炭素は、炭素酸化物還元プロセスを通じて生成され得る。生成され得る固体炭素同素体およびモルフォロジのうちのいくつかとしては、グラファイト(例えば、熱分解グラファイト)、グラフェン、カーボンブラック、繊維状炭素、バックミンスターフラーレン、単層CNT、および多層CNT、プレートレット、ならびにナノダイヤモンドが挙げられる。
【0030】
実施形態では、固体炭素の所望の種の形成に好ましい反応速度論は、好適な触媒の使用を通して確立することができる。例えば、CNTを形成する反応では、より高い反応速度はより小さい直径のCNTに対応し得、より低い反応速度はより大きい直径のCNTに対応し得る。好適な触媒としては、周期表の5族〜10族(例えば、ニッケル、モリブデン、クロム、コバルト、タングステン、マンガン、ルテニウム、白金、イリジウム等)、アクチニド、ランタニド等の2族〜15族から選択される金属、それらの合金、それらの組み合わせ、または反応式2、3、および/もしくは4の反応速度を加速し得る任意のそのような金属を含有する化合物が挙げられる。周期表は、種々の族の付番方式を有し得ることに留意されたい。本明細書で使用するとき、2族はBeを含む族であり、3族はScを含む族であり、4族はTiを含む族であり、5族はVを含む族であり、6族はCrを含む族であり、7族はMnを含む族であり、8族はFeを含む族であり、9族はCoを含む族であり、10族はNiを含む族であり、11族はCuを含む族であり、12族はZnを含む族であり、13族はBを含む族であり、14族はCを含む族であり、かつ15族はNを含む族である。触媒は、より低温での動作を容易にし得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、鋼系触媒を含む、安価で容易に利用できる広範な触媒が、本明細書に開示される反応を触媒するために使用され得る。特定の実施形態では、市販の金属が、特別な調製を伴わずに使用される。特定の実施形態では、鋼系触媒が、その使用前に触媒の活性化を必要とすることなく、本明細書に開示される反応に使用される。鋼を含む鉄合金は、アルファ鉄(オーステナイト)、ガンマ鉄、およびデルタ鉄を含む、種々の鉄の同素体を含み得る。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される反応は、有利には鉄系触媒を利用するが、鉄は、アルファ相ではない。ある実施形態では、主にオーステナイト相の鉄を含むステンレス鋼が、触媒として用いられる。
【0032】
市販形態の一般的に利用可能な金属の使用は、固体炭素生成のコスト、複雑さ、および困難さを低減し得る。例えば、CNTフォレストは市販グレードの鋼上で成長し得、CNTフォレストは、CNTフォレストから鋼を単離する追加の層または表面を伴わずに鋼上に直接形成する。CNTは、軟鋼、304ステンレス鋼、316Lステンレス鋼、スチールウール、および304ステンレス鋼ワイヤ上等の、材料上に形成する。
【0033】
304ステンレス鋼は、広範囲の温度、圧力、およびガス組成下でCNTの形成を触媒すると考えられる。しかしながら、304ステンレス鋼上でのCNTの形成速度は比較的低いと考えられ、したがって304ステンレス鋼は、通常動作においてそれらの表面上への堆積が最小限である、プロセス設備のための構築材料として有効に使用され得る。316Lステンレス鋼は、対照的に、304ステンレス鋼よりも著しく高い速度で固体炭素の形成を触媒すると考えられるが、種々のモルフォロジの炭素を形成する可能性もある。したがって、316Lステンレス鋼は、高い反応速度を達成するための触媒として使用され得るが、生成物のモルフォロジを制御するために特定の反応条件が維持され得る。触媒は、例えば約22重量%以下の量で、Crを含むように選択され得る。例えば、316Lステンレス鋼は、約16重量%〜約18.5重量%のCrを含有する。触媒はまた、例えば約8重量%以上の量で、Niを含むように選択されてもよい。例えば、316Lステンレス鋼は、約10重量%〜約14重量%のNiを含有する。これらのタイプの鋼の触媒は、従来のプロセスにおいて触媒として使用されるアルファ相の鉄とは対照的に、オーステナイト相の鉄を有する。316Lステンレス鋼に観察される良好な結果を考慮すると、Niおよび/またはCrは、Feと相乗効果を有し得る。
【0034】
鋼上で成長するカーボンナノチューブのモルフォロジは、鋼の化学的性質およびそれが処理された方法に依存する。概して、より小さい結晶粒径を有する鋼は、より小さい直径のカーボンナノチューブを生成する傾向がある。結晶粒径は、鋼の化学的性質と結晶粒が形成される熱処理方法の双方の作用である。軟鋼は、100nm超の直径を有するカーボンナノチューブの一次集団を生成することが多いのに対し、ステンレス鋼(304または316L等)は、20nm以下の範囲の直径を有するカーボンナノチューブの一次集団を生成する。このことは、現在完全には理解されていない多数の要因のうちのいずれかに起因する可能性があるが、しかしながらそれは、金属内の結晶粒径および結晶粒界形状に関連すると考えられ、ここで、これらの特徴の特有のサイズがそのような鋼試料の表面上に成長するカーボンナノチューブの集団の特有の直径を制御する。
【0035】
本明細書に開示される方法における使用のための触媒は、ナノ粒子の形態であってもよく、または固体材料内のドメインもしくは結晶粒および結晶粒界の形態であってもよい。触媒は、固体炭素生成物の所望の直径(例えば、CNT直径)の特有の寸法に関連する結晶粒径を有するように選択され得る。触媒粉末は、エアロゾル溶液を注入することによって反応ゾーンの中またはその近くに形成されることができ、その結果、キャリア溶媒の蒸発時に選択された粒径分布をもたらす。あるいは、粉末状触媒は、キャリアガス中に同伴され、反応器に送達され得る。触媒は、米国特許出願公開第2012/0034150 A1号に説明される通りに形成され得る。触媒および反応条件を選択することによって、プロセスは、選択される固体炭素のモルフォロジを生成するように調整され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、触媒は、反応に関わらない不活性酸化物等の基材または担体の上に形成され得る。しかしながら、基材は必須ではなく、他の実施形態では、触媒材料は、例えば、バルク金属、または別の材料に結合していない金属の粒子(例えば、流動床反応器内で使用することができるような、遊離した粒子、シェービング、またはショット)等の非担持材料である。鉄系触媒(例えば、鋼、スチールウール)を含む触媒は、追加的な固体担体を必要とすることなく使用され得る。ある実施形態において、本明細書で開示される反応は、触媒のためのセラミック担体または金属担体を必要とすることなく進行する。固体担体を省略することは、反応器の装置を簡略化し、かつ、コストを削減し得る。
【0037】
最適な反応温度は、触媒の組成および/または触媒粒子のサイズに依存し得る。小さい粒径を有する触媒材料は、より大きい粒径を有する同じ触媒材料より低い温度で最適な反応温度を有する傾向がある。例えば、ボッシュ反応は、粒径および組成、ならびに所望の固体炭素生成物に応じて、鉄系触媒を用いて約450℃〜950℃の範囲の温度で生じ得る。概して、グラファイトおよび無定形固体炭素は、この範囲内のより低温で形成し、CNTはより高温で形成する。CNTは、約600℃超の温度で形成し得る。概して、反応は、真空近くから4.0MPa以上の圧力の、広範囲の圧力で進行する。例えば、CNTは、概ね真空から約6.2MPa超の範囲の圧力で形成し得る。いくつかの実施形態では、CNTは、約0.34MPa〜約0.41MPaで、または約4.1MPaの圧力で形成され得る。典型的には、圧力の増大は反応速度を増大させる。
【0038】
いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、カーボンナノチューブは、触媒粒子である核形成サイトから成長すると考えられる。この触媒粒子は、例えば、鋼またはスチールウールの一片の中のドメインであってもよく、または、エアロゾル中のもしくは石英円板等の不活性基材上に堆積される鉄の不連続のナノ粒子であってもよい。カーボンナノチューブのサイズは概して、核形成サイトのサイズに比例し、触媒粒径とCNT直径との間の比率は、約1.3〜1.6であると観察される。
【0039】
鋼のウエハ等の固体触媒を使用するとき、カーボンナノチューブは、一連の世代で成長すると考えられる。機構は完全には理解されていないが、反応ガスは、露出した表面粒子と相互作用し、カーボンナノチューブは、成長し始め、バルク触媒の表面から核形成触媒粒子を持ち上げる(すなわち、先端成長として)と考えられる。成長の継続に伴い、さらなる核形成粒子がバルク触媒の表面上に形成し、それは次に、さらなるカーボンナノチューブ成長を触媒し、バルク触媒の表面からその前の世代のカーボンナノチューブを持ち上げると考えられる。
【0040】
バルク触媒試料が反応ゾーンに残る場合、これらの層は、触媒が消費されるまで形成し、持ち上がり続ける。CNTの各世代がその下の触媒基材から剥離するという観察は、CNTが基材からエルトリエーションされ、ガス流中に同伴され、その後にガス混交物から採取される流動床反応器が、カーボンナノチューブピローの成長のための経済的反応器設計であり得ることを意味する。CNTの層は、バルク触媒基材にまたは互いにほとんどまたは全く結合を有さないと考えられる。
【0041】
いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、触媒表面の酸化およびそれに続く還元は、結晶粒構造および結晶粒界を変化させると考えられる。酸化はまず、酸化される領域中の金属触媒の表面を変化させ得る。それに続く還元は、触媒表面のさらなる変化をもたらし得る。したがって、触媒の結晶粒径および結晶粒界は、触媒表面を酸化および還元することによって、ならびに触媒表面の還元ガスおよび酸化ガスへの露出時間を制御することによって、制御され得る。酸化および/または還元温度は、約500℃〜約1,200℃、約600℃〜約1,000℃、または約700℃〜約900℃の範囲であり得る。結果として生じる結晶粒径は、約0.1μm〜約500μm、約0.2μm〜約100μm、約0.5μm〜約10μm、または約1.0μm〜約2.0μmの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、触媒は、固体炭素を形成する反応の前またはその間に還元される酸化金属(例えば、錆のある鋼)であり得る。いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、酸化物の除去は、触媒材料の表面に空隙または凹凸を残し、触媒材料の総表面積を増大させると考えられる。
【0042】
鋼上の錆は、本明細書に開示される方法によるカーボンナノチューブの形成のための良好な触媒であることが観察された。現在、機構は理解されてはいないが、これは、錆を含む酸化鉄が事実上触媒前駆体であるためであり得る。錆のある試料が、水素等の還元剤の存在下で加熱されるとき、酸化鉄は、分解し、鉄原子は、融合してカーボンナノチューブ成長の触媒作用に好適な小さい鉄ナノ粒子を形成する。水素の存在下で鋼触媒を最初に加熱することは、表面フィルムおよび錆の中の酸化鉄の還元を促進し、鋼触媒を活性化する。酸化金属は、炭素酸化物還元反応を有効に触媒するとは考えられず、したがって、現在のところ、そのような酸化物の初期還元は、触媒として鋼を用いる反応器に関するスタートアップ手順の一部として推奨される。
【0043】
炭素活量(A
c)は、特定の反応条件下(例えば、温度、圧力、反応物質、濃度)で、固体炭素が形成されるかどうかの指標として使用することができる。いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、炭素活量は、固体炭素のどの同素体が形成されるかを決定するための鍵となるメトリックであると考えられる。より高い炭素活量は、CNTの形成をもたらす傾向があり、より低い炭素活量はグラファイト形態の形成をもたらす傾向がある。
【0044】
ガス状反応物質から固体炭素を形成する反応に関する炭素活量は、反応平衡定数をガス生成物の分圧で乗じ、反応物質の分圧で除したものとして定義することができる。例えば、反応平衡定数Kを有する反応
において、炭素活量A
cは、K・(P
CO・P
H2/P
H2O)として定義される。したがって、A
cは、COおよびH
2の分圧に正比例し、H
2Oの分圧に反比例する。より高いP
H2Oは、CNT形成を阻害する傾向がある。この反応の炭素活量はまた、モル分率および全圧の観点から表すこともできる:A
c=K・P
T(Y
CO・Y
H2/Y
H2O)、式中P
Tは全圧であり、Yは種のモル分率である。反応平衡定数は概して温度とともに変動するため、炭素活量は概して、温度とともに変動する。炭素活量はまた、消費されるモル数と異なるモル数のガスが生成される反応に関して、全圧とともに変動する。固体炭素同素体の混合物およびそのモルフォロジは、触媒および反応器中の反応ガスの炭素活量を変えることによって、達成し得る。
【0045】
種々の反応器設計が、固体炭素生成物の形成および収集を容易にするために使用され得る。エアロゾルおよび流動床反応器は、固体炭素生成物の高容量連続生成に特に好適である。流動壁反応器は、種々の物質(例えば、触媒、追加的な反応物質)の導入を提供する、および反応器の壁上の固体炭素生成物の蓄積を最小限にするまたは排除するといった利点を有する。
【0046】
いくつかの実施形態では、反応器は、エアロゾル反応器であり、その中では、触媒がガス相中にあるか、または触媒が特定のサイズ分布のために予め形成され、選択され、液体またはキャリアガス溶液中へ混合され、次いで、(例えば、エレクトロスプレーを介して)反応器中へ噴霧される。触媒は、ガス相中に分布したままであってもよく、または炭素生成物の成長段階およびその後の反応ゾーンからの生成物の輸送のために、反応ゾーン中で固体表面に堆積されてもよい。別の実施形態では、1つ以上の反応器は、流動床反応器であってもよく、その中では、触媒または触媒被覆粒子が反応器中に導入され、固体炭素生成物が粒子の表面で成長する。固体炭素は、反応器中でエルトリエーションされ、反応ガス中に同伴されて反応器から搬送されてもよく、または触媒粒子が採取され、固体炭素が表面から取られてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、反応器は、バッチ反応器であり、その中では、触媒が、固定された固体表面であるか、または触媒が、固定された固体表面上に載置され(例えば、不活性基材上に堆積した触媒ナノ粒子)、固体炭素が触媒上で成長し、触媒および固体炭素生成物が反応器から定期的に取り出される。あるいは、反応器は連続してもよく、その中では、固体炭素が形成されながら固体炭素が触媒から取られる。いくつかの実施形態では、固体触媒または固体基材上に載置される触媒は、流れるガスストリームを通じて移動され、結果として生じる固体炭素生成物が採取され、固体表面が調製され、基材が反応器へ再導入される。固体基材は、触媒材料(例えば、鉄、クロム、モリブデン、コバルト、またはニッケルを含有する合金または超合金等の触媒的要素の鋼または他の合金の固体片)、または触媒が載置される表面であり得る。
【0048】
一実施形態において、流動床反応器は、触媒を保持する一方で、固体炭素生成物をガス流中に同伴させ、所望のサイズに到達した時点で反応ゾーンからロフトされることを可能にするように構成される。この制御は、反応器の形状、ガスの流速、または形状および流速の組み合わせを通じて達成し得、エルトリエートの滞留時間および固体炭素生成物の対応するサイズ(例えば、CNTの長さ)の制御を可能にし得る。
【0049】
一実施形態では、流動床反応器中の粒子は、実質的に均一な直径である。流動床における触媒の直径は、特定の反応器構成、反応器を通過する反応物質の流速、触媒の形状、触媒の密度、ならびに反応ガスおよび任意の不活性キャリアガスの密度に基づいて選択され得る。触媒粒子の直径は、触媒の反応生成物との同伴を回避するように選択され得、また床を通過する反応物質のチャネリングを回避するようにも選択され得る。ガス状反応物質は、ディフューザまたはスパージャーを通過して、床粒子を通過する均一な流れパターンを形成し、粒子床を通過するガスのチャネリングを回避し得る。
【0050】
反応器は、反応器の温度を制御するための加熱および冷却機構と連結され得る。例えば、反応器は、生成物および過剰な反応物質が冷却機構を通じて再循環されて、水蒸気を凝縮するように構成され得る。生成物および/または過剰な反応物質は次に、再加熱され、反応器を通じて再循環され得る。再循環されるガス中の水蒸気のいくらかを除去することによって、形成される固体炭素のモルフォロジを制御することができる。水蒸気の分圧を変化させることは、混合物の炭素活量を変化させる。反応器はまた、炭素収集器に連結されてもよく、その中では、水および未反応反応物質が、炭素生成物から分離される。分離された炭素生成物は、収集され、システムから取り出される。
【0051】
固体炭素生成物は、エルトリエーション、遠心分離、電気集塵、または濾過等によって、ガスストリームから、または該固体炭素生成物が形成する固体表面から収集され、分離され得る。ガスストリームおよび触媒から固体生成物を分離するための技術は、反応器のタイプに依存し得る。一実施形態では、固体炭素生成物を分離し、収集するために、サイクロン分離器が使用される。固体触媒または触媒を載置した固体表面について、固体炭素生成物は、固体担体材料の表面から擦り取られ得るか、または別様には削り取られ得る。あるいは、固体触媒を使用するとき、固体炭素生成物は、さらなる処理のために、表面が溶媒で洗い流され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、反応ゾーンに添加される少量の物質(例えば、硫黄)が、触媒上の炭素生成物の成長を加速する触媒促進剤であり得る。そのような促進剤は、多種多様な化合物の状態で反応器中へ導入され得る。そのような化合物は、化合物の分解温度が反応温度未満であるように選択され得る。例えば、硫黄が鉄系触媒のための促進剤として選択された場合、硫黄は、チオフェンガスとして、またはキャリアガス中のチオフェンの液滴として、反応ゾーン中へ導入され得る。硫黄含有促進剤の例としては、チオフェン、硫化水素、複素環硫化物、および無機硫化物が挙げられる。他の触媒促進剤としては、揮発性鉛、ビスマス化合物、アンモニア、窒素、過剰水素(すなわち、化学量論よりも高い濃度の水素)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0053】
いくつかの実施形態では、炭素源を固体炭素生成物に変換するためのプロセスは、オフガスを精製して、微粒子を除去して、中間ストリームを生成すること、ガスの少なくとも一部分を中間ストリームから除去して、炭素酸化物原料を生成すること、炭素酸化物原料から水を凝縮して、乾燥した炭素酸化物原料を生成することと、および/または乾燥した炭素酸化物原料中の炭素酸化物の少なくとも一部分を、固体炭素生成物に変換することを含み得る。他の実施形態では、ガスの少なくとも一部分を、微粒子を除去する前または後に反応させて、他のガスを形成し得る。他の実施形態では、高濃縮炭素酸化物原料を、多段階プロセスによってオフガスストリームから導出し得、それは、例えば、洗浄、凝縮、アミン吸収、圧力スイング吸収等の固体および不要なガス状成分を除去するための技術の任意の組み合わせを含み得る。
【0054】
図2は、いくつかの実施形態における使用のためのシステム100を示す。システム100では、オフガス102は、粒子分離器104に入り、その中では、粒子状物質106が、中間ストリーム108から分離される。粒子分離器104は、粒子状物質をガスから分離するように動作可能な任意のデバイスであり得る。例えば、粒子分離器104は、サイクロン、スクラバ、エルトリエータ、濾過器、電気集塵器、バッグハウス等、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、粒子分離器104は、1972年1月18日に発行された「Method for Recovering Dust Produced in Sodium Carbonate Manufacture」と題された米国特許第3,634,999号に説明されるような、スクラバを含み得る。
【0055】
粒子分離器104を出る中間ストリーム108は、ガス状であってよく、および実質的に固体を含まなくてよい。例えば、中間ストリーム108は、約1質量%未満、約0.1質量%未満、またはさらには約0.05質量%未満の固体を含み得る。粒子分離器104は、任意の選択される純度(すなわち、固体の非存在)の中間ストリーム108を提供するように連続してまたは並行して稼働される、2つ以上のデバイスを含み得る。
【0056】
システム100では、中間ストリーム108は、粒子分離器104からガス分離器110へと送られる。ガス分離器110は、中間ストリーム108をガス状廃棄物112および炭素酸化物原料114へと分離する。炭素酸化物原料114は、CO、CO
2、および/または凝縮性ガス(例えば、水蒸気)を含み得、ガス状廃棄物112は、中間ストリーム108中に存在する1種以上の他のガスを含み得る。例えば、ガス状廃棄物112は、酸素、窒素、アルゴン等を含み得る。ガス分離器110は、膜(例えば、セラミック膜、有機膜等)、アミン吸収システム、深冷分離システム、圧力スイング吸収システム、もしくは任意の他のガス分離デバイス、またはそれらの組み合わせを含み得る。ガス分離器110は、特定のガスを分離するように選択され得、および任意の選択される純度(すなわち、COまたはCO
2の濃度)の炭素酸化物原料114を提供するように連続してまたは並行して稼働される2つ以上のデバイスを含み得る。ガス状廃棄物112は、他の使用のためにさらに精製されてもよく、または大気中へと排気されてもよい。ガス分離器110は、主としてまたは本質的にCOおよびCO
2から成る炭素酸化物原料114を生成し得る。ガス分離器は、その後のステップで使用される触媒を被毒させることが知られている成分を、被毒が生じるレベルを下回るまで、または触媒が許容可能な寿命を有するレベルまで除去するように設計され得る。例えば、炭素酸化物原料114は、少なくとも90%のCOおよびCO
2、少なくとも95%のCOおよびCO
2、またはさらには少なくとも98%のCOおよびCO
2を含み得る。
【0057】
システム100では、炭素酸化物原料114は、ガス分離器110から凝縮器116へと送られる。凝縮器116は、炭素酸化物原料114を凝縮物118および乾燥した炭素酸化物原料120へと分離する。凝縮物118は、水または別の凝縮性ガスを含み得る。凝縮物118の除去は、触媒の汚れもしくは被毒、設備の腐食、またはその後の動作における生成物の汚染を制限または予防し得る。凝縮器116は、任意の選択される乾燥度(すなわち、凝縮性蒸気の非存在)の乾燥した炭素酸化物原料120を提供するように連続してまたは並行して稼働される2つ以上のデバイスを含み得る。例えば、乾燥した炭素酸化物原料120は、約20℃未満、約0℃未満、またはさらには約−50℃未満の露点を有し得る。凝縮物118は、さらに精製されてもよく、他の動作に使用されてもよく、または処分場へ運搬されてもよい。
【0058】
システム100では、乾燥した炭素酸化物原料120は、凝縮器116から反応器122へと送られる。反応器122は、乾燥した炭素酸化物原料120中のCOおよび/またはCO
2を、少なくとも1種の固体炭素生成物124に触媒的に変換し得、該固体炭素生成物は、反応器122に関連するサイクロン等の分離ユニット内で触媒および反応ガスから分離され得る。還元剤126は、ボッシュ反応を含む1つ以上の反応を促進するために、反応器122に添加され得る。例えば、還元剤126は、CH
4等のアルカンを含む炭化水素、H
2、アルコール、またはそれらの任意の混合物を含み得る。1種以上の凝縮物127は、反応器122の内部またはその近くで、例えば分離した凝縮器ユニット内で、形成し得る。反応器122を出るガス128は、触媒変換の1種以上の副産物、未反応の乾燥した炭素酸化物原料120、および/または未反応の還元剤126を含み得る。ガス128の一部分128′は、システム100内部で、例えば、粒子分離器104へ、中間ストリーム108内へ、乾燥した炭素酸化物原料120内へ、または反応器122内部で、再循環され得る。ガス128のいくらかは、さらに精製されてもよく、他の動作に使用されてもよく、または大気中へと排気されてもよい。
【0059】
システム100は、選択される圧力で材料を提供するように構成される1つ以上の圧縮器を含み得る(例えば、圧縮器は、オフガス102または還元剤126を圧縮し得る)。いくつかの実施形態では、反応は、単一の反応ゾーン内で生じる。他の実施形態では、反応器122は、選択される変換を提供するように連続してまたは並行して稼働される2つ以上のデバイスを含み得る(すなわち、炭素の画分が固体炭素生成物124へ変換される)。さらに、反応器122は、ガスストリーム128の一部分を反応器122それ自体の内部で再循環させ得る。
【0060】
図3は、いくつかの実施形態における使用のための複数の触媒段階またはゾーンを有する反応器122を図示する。反応器122は、圧縮器130を含む。圧縮器130は、乾燥した炭素酸化物原料120、および任意で、ガス再循環154を、その後の反応器122の段階を通る材料の流れを駆動するのに十分な圧力で提供するように構成され得る。反応器122は、乾燥した炭素酸化物原料120およびガス再循環154を組み合わせるように構成される1つ以上の弁、チャンバ等を含み得る。
図3は、圧縮器130に入る前の炭素酸化物原料120とガス再循環154との組み合わせを示すが、炭素酸化物原料120およびガス再循環154は、他の場所で組み合わされるかまたは混合されてもよい。いくつかの実施形態では、炭素酸化物原料120およびガス再循環154の各々は、別個の圧縮器130を通過する。
【0061】
炭素酸化物原料120およびガス再循環154は、第1の反応ゾーン132(例えば、反応器の第1の段階)に入り得る。第1の反応ゾーン132は、還元剤126として供給されるメタン、および炭素酸化物原料120中の二酸化炭素の少なくとも一部分、および/またはガス再循環154が、例えばメタン改質反応(反応式4および5)によって、CO、CO
2、およびH
2に変換され得る条件を提供するように、適合され得る。第1の反応ゾーン132は、炭素酸化物原料120またはガス再循環154を含有するか、混合するか、または反応させるように構成される任意の容器またはその一部分であり得る。例えば、第1の反応ゾーン132は、流動床であり得る。第1の反応ゾーン132は、材料の取扱い、混合、温度制御、圧力制御等のための適切な手段を含み得る。
【0062】
第1の中間混合物134は、第1の反応ゾーン132内で形成される。第1の中間混合物134は、CO
2、CO、CH
4、またはH
2を含み得る。第1の反応ゾーン132の条件に応じて、ボッシュ反応も第1の反応ゾーン132内部で生じ得、炭素酸化物の一部分および水素を、固体炭素、例えばグラファイト(例えば、熱分解グラファイト)、グラフェン、カーボンブラック、繊維状炭素、バックミンスターフラーレン、単層CNT、多層CNT、プレートレット、および/またはナノダイヤモンドに変換する。メタン改質反応およびボッシュ反応の双方が第1の反応ゾーン132で生じる場合、第1の反応ゾーン132を出る第1の中間混合物134は、固体炭素および反応ガスを含有し得る。形成される固体炭素のタイプは、温度、圧力、流速、反応物質の組成等の種々の反応条件に依存する。
図3に示される反応器122では、第1の中間混合物134は、ガスからの固体の分離のために第1の分離器136へ入る。第1の分離器136は、例えば、サイクロン、濾過器等、固体をガスから分離するための任意の装置またはプロセスを含み得る。第1の分離器136は、第1の中間混合物134を固体炭素生成物138およびガス状生成物140に分ける。他の実施形態では、第1の反応ゾーン132および第1の分離器136は、単一ユニットに統合される(すなわち、固体炭素生成物138が形成されながら、固体炭素生成物138がガス状生成物140から分離され得る)。
【0063】
ガス状生成物140は、第2の反応ゾーン142(例えば、反応器の第2の段階)へと送られ、該反応ゾーンは、例えばボッシュ反応(例えば、反応式2および3)における、COおよびCO
2の固体炭素および水への変換を促進するように構成され得る。同様に、還元剤126が第2の反応ゾーン142に添加され得る。例えば、還元剤126は、ガス状生成物140が第2の反応ゾーン142に入る前に、ガス状生成物140と混合され得る。いくつかの実施形態では、還元剤126およびガス状生成物140は、第2の反応ゾーン142内部で混合され得る。第2の反応ゾーン142は、ガス状生成物140または還元剤126を含有するか、混合するか、または反応させるように構成される任意の容器またはその一部分であり得る。例えば、第2の反応ゾーン142は、流動床であり得る。第2の反応ゾーン142は、材料の取扱い、混合、温度制御、圧力制御等のための適切な手段を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の反応ゾーン142および第1の反応ゾーン132は、単一ボディの内部に存在する。
【0064】
第2の反応ゾーン142内で形成される第2の中間混合物144は、水、CO
2、CO、CH
4、H
2、または固体炭素、例えば、グラファイト、熱分解グラファイト、グラフェン、カーボンブラック、コークス、繊維状炭素、バックミンスターフラーレン、単層CNT、多層CNT、プレートレット、およびナノダイヤモンドを含み得る。形成される固体炭素のタイプは、温度、圧力、流速、反応物質濃度、生成物濃度等の種々の反応条件に依存する。
【0065】
第2の中間混合物144は、ガス状生成物140と還元剤126の反応の生成物を含んでおり、反応物質のうちの1種以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ガス状生成物140の炭素酸化物および還元剤126は、第2の反応ゾーン142内で実質的に完了まで反応し、炭素酸化物および還元剤126のうちの一方または双方を消費する。例えば、炭素酸化物が過剰に提供されてもよく、還元剤126は、第2の反応ゾーン142内で実質的または完全に化学量論的に消費され得る。そのような実施形態では、第2の中間混合物144は、生成物(例えば、COおよびH
2O)、およびガス状生成物140の炭素酸化物の一部分を含む。第2の反応ゾーン142を出る第2の中間混合物144は、還元剤126を実質的に含み得ない。CNT生成のために適合されるものなどのいくつかの実施形態では、還元剤126は、炭素酸化物に対して実質的に過剰に提供されてもよく、その結果、炭素酸化物は、第2の反応ゾーン142内で実質的または完全に化学量論的に消費され得る。第2の反応ゾーン142を出る第2の中間混合物144は、したがって、炭素酸化物を実質的に含み得ない。
【0066】
図3に示される反応器122では、第2の中間混合物144は、第2の分離器146に入る。第2の分離器146は、第2の中間混合物144を2つ以上の構成成分に分離する。例えば、第2の分離器146は、第2の中間混合物144を、固体炭素生成物150、凝縮物127、およびガス再循環154に分離し得る。第2の分離器146は、例えば、ガス再循環154から凝縮物127を分離するように構成される凝縮器、ガス再循環154から固体炭素生成物150を分離するように構成されるサイクロン等を含み得る。第2の分離器146は、選択される純度(例えば、濃度、乾燥度等)の生成物を提供するように連続してまたは並行して稼働される2つ以上のデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、第2の反応ゾーン142および第2の分離器146は、単一ユニットに統合され得る(例えば、固体炭素生成物150が形成されながら、固体炭素生成物150がガス再循環154および凝縮物127から分離され得る)。
【0067】
分離された構成成分は、個別に精製されてもよく、他の動作に使用されてもよく、または廃棄されてもよい。例えば、ガス再循環154またはその一部分は、ガス再循環154から未反応還元剤、未反応CO、未反応CO
2、または任意の残留固体炭素を回収するために炭素酸化物原料120と組み合わされ得る。いくつかの実施形態では、ガス再循環154またはその一部分は、第2の反応ゾーン142に入るガス状生成物140と組み合わされる。特定の実施形態では、ガス再循環154またはその一部分は、大気中へ排気される。凝縮物127は、水または他の凝縮性物質を含み得る。いくつかの実施形態では、凝縮物127は、廃水、冷却水、プロセス水、飲料水等として処理される。
【0068】
固体炭素生成物138、150は、同一のまたは異なるモルフォロジを含み得る。いくつかの実施形態では、固体炭素生成物138、150は、混合容器156内で組み合わされて、単一の固体炭素生成物124を形成する。他の実施形態では、混合容器156は、1つ以上の追加の処理ステップを通じて固体炭素生成物138、150を最終製品に変換するように構成され得る。そのような実施形態では、固体炭素生成物138、150は、混合容器156内で他の成分とともに混合され得る。固体炭素生成物138、150は、オフガスストリームを生成したプロセスへの再循環に好適な物体へと形成され得る。例えば、固体炭素生成物138、150は、炭素陽極、または製錬プロセスにおける使用のための他の標準的な形状へと製造され得る。他の実施形態では、固体炭素生成物138、150は、他の生成物と混合されて、カーボンナノチューブ強化ポートランドセメントまたは金属基複合材料等の最終製品を形成し得る。また他の実施形態では、固体炭素生成物138、150は、別々に販売されてもよく、他の動作に使用されてもよく、または廃棄されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、第1の反応ゾーン132および第2の反応ゾーン142は、
図3に示されるものとは異なる順序で接続される。例えば、炭素酸化物原料120は、還元剤126とともに第2の反応ゾーン142に入ってもよく、第2の反応ゾーン142は、例えばボッシュ反応(例えば、反応式2および3)における、COおよびCO
2の固体炭素および水への変換を促進するように構成されてもよい。そのような実施形態では、生成物は、(例えば、第2の分離器146内で)分離され、ガス状部分は、第1の反応ゾーン132へと送られる。第1の反応ゾーン132は、メタンおよび二酸化炭素が、例えばメタン改質反応(例えば、反応式4)によって、一酸化炭素および水素へと変換される条件を提供するように構成され得る。
【0070】
特定の実施形態では、反応は、3つ以上の反応ゾーン内で生じる。例えば、
図3に示される実施形態は、ガス再循環154が、第1の反応ゾーン132へ戻る前に、または第1の反応ゾーン132へ戻る代わりに、第3の反応ゾーンを通過するように修正され得る。第3の反応ゾーンは、第1の反応ゾーン132と同様に(例えば、メタン改質反応を促進するように)または第2の反応ゾーン142と同様に(例えば、ボッシュ反応を促進するように)構成されてもよく、Boudouard反応によって一酸化炭素の固体炭素および二酸化炭素への変換を促進するように適合されてもよく、または任意の他の反応を促進するように適合されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、第1の反応ゾーン132および第2の反応ゾーン142は、並行して(すなわち、炭素酸化物原料が2つ以上のストリームに分かれて)稼働する。例えば、炭素酸化物原料は、CO
2に富む構成成分およびCOに富む構成成分に分離され得る。CO
2に富む構成成分は、第2の反応ゾーン142に入り、COに富む構成成分は、第1の反応ゾーン132に入る。生成物ストリームは、必要に応じてまたは選択される固体炭素生成物を生成するために望ましいように、あるゾーンから別のゾーンへ送られてもよい。
【0072】
図4は、
図2に示されるシステム100(
図3に示される反応器122を含む)を含むか焼システム200を図示する。か焼システム200は、セメント(例えば、ポートランドセメント)またはその構成要素を生成するように構成される。例えば、石灰石202は、他の材料204と混合され、か焼炉(または窯)206内で加熱され得る。か焼炉206内で生成される固体208は、当技術分野において「クリンカー」と称されることがあり、さらに処理されて(例えば、挽かれる、別の材料と混合される等)、ケイ酸カルシウムをベースとするセメント等のセメントを形成し得る。ガスおよび塵を含み得るか焼炉オフガス210もまた、か焼炉206内で形成される。か焼炉オフガス210またはその一部分は、上述され
図2に示される通り、処理のためにシステム100へ移送される。いくつかの実施形態では、か焼炉オフガス210の一部分212は、さらなる処理または廃棄(例えば、排気)のために分離される。システム100は、か焼炉オフガス210を処理し、固体炭素生成物124を形成するように動作可能である。パージ材料214(例えば、固体パージ、液体パージ、またはガス状パージ)は、材料の平衡を維持するためにシステム100から除去され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、か焼炉オフガス210は、1種以上のガスを除去するように処理される。例えば、か焼炉オフガス210中に存在するガスは、システム100の前またはその内部で反応させる。酸素等のいくつかのガスは、いくつかの触媒にとって有害である。例えば、酸素の存在は、例えば、材料と反応して、触媒表面に付着するまたは触媒表面上に堆積する固体を生成することによって、触媒を被毒させることがある。そのような損害を予防するため、酸素は、触媒変換器へ入る前に除去されてもよく、または別の材料と反応させてもよい。例えば、1997年4月29日に発行された「Enhancement of Mechanical Properties of Ceramic Membranes and Solid Electrolytes」と題された米国特許第5,624,542号、1999年6月8日に発行された「Microspheres for Combined Oxygen Separation,Storage and Delivery」と題された米国特許第5,910,238号、または1991年6月4日に発行された「Ceramic Solid Electrolyte Based Electrochemical Oxygen Concentrator Cell」と題された米国特許第5,021,137号に説明される通り、か焼炉オフガス210を、酸素がセラミックを通過することを可能にするように構成されるセラミック(例えば、Zr、Ca、Mg、Y、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Mn、Fe、W、および/またはTiの酸化物でドープされたセラミック)と接触させることによって、酸素が除去され得る。いくつかの実施形態では、酸素は、か焼炉オフガス210がシステム100へ入る前に別の材料と反応させる。そのような反応は、か焼炉206内部で、か焼炉206の出口で、またはシステム100内部で生じ得る。例えば、酸素の反応は、粒子分離器104(
図2)における粒子状物質106の分離の後に生じ得る。酸素を、か焼炉206の中またはその近くで反応させて、か焼炉オフガス210の高い温度を利用することは、有利であり得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、酸素は、還元ガスと反応させる。例えば、還元ガスは、H
2、CH
4等の炭化水素、別の炭化水素、合成ガス、またはそれらの任意の混合物を含み得る。還元ガスは、任意で、
図2および3に示されるおよび上述される還元剤126と同じ組成のものであり得る。いくつかの実施形態では、還元ガスは、か焼炉オフガス210と混合される。混合物は、酸素の還元ガスとの反応を促進するように選択される触媒の上を通される。いくつかの実施形態では、触媒は省略されるが、それでもなお、酸素は還元ガスと反応する(例えば、還元ガスは燃え得る)。還元ガスは、実質的に全ての酸素を消費するために過剰に提供され得る。過剰な還元ガスは、システム100内部(例えば、反応器122(
図2)内部)で消費され得る。酸素の還元ガスとの反応は、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、水等を生成し得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、例えば、1975年9月16日に発行された「Method for Removing Pollutants from Combustion Products Generated by Hydrocarbon Fuel Combustion,and System Therefor」と題された米国特許第3,905,784号、1986年6月29日に発行された「Membrane−Aided Distillation for Carbon Dioxide and Hydrocarbon Separation」と題された米国特許第4,602,477号、および1992年7月28に発行された「Method and Apparatus for Flue Gas Cleaning by Separation and Liquefaction of Sulfur Dioxide and Carbon Dioxide」と題された米国特許第5,133,190号に説明される方法によって、ガスが、膜濾過、ガス遠心分離、冷凍、凝縮等によって、炭素酸化物原料120から分離される。例えば、二酸化硫黄(SO
2)および窒素の酸化物(NO、NO
2、N
2O
5等)等のガスが、触媒の被毒を防止するために除去され得る。
【0076】
図4に示されるか焼システム200では、か焼炉206内で生成される固体208の一部分は、システム100内で生成される固体炭素生成物124の一部分と、混合容器216内で混合される。換言すれば、固体炭素生成物124の一部分は、セメント生成物218の構成成分である。セメント生成物218の特性は、固体208に添加される固体炭素生成物124の量およびタイプに基づいて変動し得る。
【0077】
図5は、中で固体炭素が再循環されて最終生成物の構成成分となる、炭素回収システム300を図示する。供給材料302、304は、単位操作306へ入り、該単位操作は、産業プロセスにおける任意のステップまたはステップの組み合わせであってよい。例えば、単位操作306は、流体流動プロセス、熱伝達プロセス、物質移動プロセス、熱力学的プロセス、または機械的プロセスを含み得る。特定の実施形態では、単位操作306は、セメント、アルミニウム合金、または鋼の生成のためのプロセスを含む。単位操作306は、ポートランドセメントか焼炉またはアルミニウムもしくは鋼製錬工場等の、任意のプロセスまたはプロセスの組み合わせであり得る。単位操作306は、固体生成物308、オフガス310、および任意で、ベントガス312等の、1つ以上の材料出力を生み出す。オフガス310は、システム100(
図3に示される反応器122を含む)内で処理されて、固体炭素生成物124、および任意で、パージ材料314を形成し得る。固体炭素生成物124(例えば、CNT)は、単位操作306に再循環され、また供給材料302、304と、または固体生成物308を形成するための他の中間材料と組み合わせられ得る。
【0078】
炭素回収システム300は、固体炭素生成物124が有益な構成要素または添加剤であり得る、任意の生成物を形成するために使用され得る。例えば、固体炭素生成物がCNTを含む場合、固体生成物308は、CNTによって強化され得る材料(例えば、セメント、金属合金、金属基複合材料等)であり得る。固体炭素の生成のためのシステム100を単位操作306と連結することによって、例えば、輸送コストの回避、エネルギー回収、中間生成物品質管理等の生成効率が実現され得る。
【0079】
炭素回収システム300では、固体炭素生成物124は、(例えば、最終成形、梱包、および発送の前に)単位操作306内部で混合される。他の実施形態では、固体炭素生成物124は、固体生成物308が単位操作306を出た後に固体生成物308と混合され得る。単位操作306からの炭素酸化物310は、固体炭素の生成のためにシステム100内で捕捉、洗浄、または精製され、単位操作306のための原料として使用される。システム100内で形成される固体炭素生成物124は、固体生成物308の付加価値成分として、固体生成物308に添加される。
【0080】
図6は、システム100内で形成される固体炭素が、さらに処理されて産業プロセスのための反応物質になる、別の炭素回収システム400を図示する。供給材料402は、単位操作404へ入り、該単位操作は、産業プロセスにおける任意のステップまたはステップの組み合わせであってよい。例えば、単位操作404は、炭素陽極および陰極を有するアルミニウム溶鉱炉であり得る。単位操作404は、固体生成物406、オフガス408、および任意で、ベントガス410等の、1つ以上の材料出力を生み出す。オフガス408は、システム100(
図3に示される反応器122を含む)内で処理されて、固体炭素生成物124、および任意で、パージ材料412を形成し得る。固体炭素生成物124は、別の単位操作414へ入り、そこでさらに処理されて、再循環原料416を形成する。再循環原料416は、単位操作404において有用な任意の原料であり得る。例えば、単位操作404が炭素陽極を有するアルミニウム溶鉱炉である場合、再循環原料416は、炭素陽極であり得る。すなわち、単位操作414は、固体炭素生成物124が他の構成要素と混合、押出、硬化、および焼結されて陽極を形成する製作プロセスであり得る。そのような実施形態では、製作プロセスは、他の材料入力(例えば、製錬プロセスに由来する陽極端、石油コークス、ピッチ等)を含み得る。
【0081】
したがって、炭素回収システム400は、固体炭素(例えば、外部の業者から購入した固体炭素)を添加して炭素酸化物を廃棄するのではなく、炭素回収システム400の内部で炭素を再循環させ得る。固体炭素の生成のためのシステム100を単位操作404と連結することによって、例えば、輸送コストの回避、エネルギー回収、中間生成物品質管理等の生成効率が実現され得る。
【0082】
図面に示される、および本明細書に説明される動作のいずれにおいても、制御器が、1つ以上のセンサから受信される信号によって指示される通りに選択される条件を維持するように構成され得る。例えば、システム100は、材料取扱い、混合、温度制御、圧力制御等のための適切な手段を含み得る。
【0083】
本明細書に示される、および説明されるシステムの構成要素およびゾーンは、種々の温度で稼働する。例えば、第1の反応ゾーン132または第2の反応ゾーン142の一方または双方は、少なくとも450℃の温度、例えば、少なくとも650℃の温度、または約680℃〜約700℃の温度で稼働し得る。第1の分離器136、第2の分離器146、または混合容器156は、第1の反応ゾーン132または第2の反応ゾーン142より低い温度で稼働し得る。例えば、第1の分離器136、第2の分離器146、または混合容器156は、約100℃未満、約80℃未満、またはさらには約50℃未満の温度で稼働し得る。いくつかの実施形態では、熱が、ある材料から回収され別の材料へと伝達され得る。代表的な熱回収システムは、1978年11月21日に発行された「System for Treating and Recovering Energy from Exhaust Gases」と題された米国特許第4,126,000号に説明される。
【0084】
セメント生成物における固体炭素生成物の使用は、セメント生成物の種々の特性における改善を提供し得る。例えば、CNTは、そのようなセメント生成物から形成されるコンクリートの引張強度を増大し得る。グラファイトまたは別の固体炭素生成物は、セメント生成物のための着色料の役割を果たし得、美的または機能的理由(例えば、熱吸収、引張強度)のために有益であり得る。固体炭素生成物は、密度、硬化時間、粒径分布、塵形成傾向等、セメント生成物の他の特性に影響を及ぼし得る。
【0085】
金属生成物における固体炭素生成物の使用は、金属生成物の種々の特性における改善を提供し得る。例えば、CNTは、金属生成物の引張強度を増大し得る。固体炭素生成物は、密度、耐クリープ性、熱伝達等、金属の他の特性に影響を及ぼし得る。オフガスは、高濃度の粒子状物質、COまたはCO
2、および例えば、SO
x、NO
x、N
2、O
2、水蒸気等の他のガスを含み得る。粒子状物質の濾過または本明細書に開示されるような処理は、セメント生成の環境影響を低下させ得る。さらに、炭素酸化物の固体炭素生成物への変換は、炭素隔離のための手段を提供し、大気中へ放出される炭素酸化物の量を減少させる。そのような変換は、廃棄のコスト(例えば、規制料、精製等)を回避することに加えて、他の生成物における販売または使用のために有益な生成物を提供し得る。
【0086】
複数の反応ゾーンの使用は、
図3に示され説明される通り、セメント生成に使用されるか焼炉のオフガスを処理するための手段を提供する。メタン改質反応は、メタンおよび二酸化炭素を消費するため、オフガス中の二酸化炭素を反応させて、水素およびCOを生成することは、有益であり得る。さらに、複数の反応ゾーンの使用は、複数のタイプまたはグレードの固体炭素生成物を同時に形成することを可能にし得る。各ゾーンの反応条件は、市場状況の変化により変えてもよく、高需要生成物を生成するための改善された能力を可能にする。
【実施例】
【0087】
下記の実施例1〜7のために、炭素鋼クーポンを、約1.3mmの厚さを有する鋼のシートから切断した。各クーポンは、幅約13mm、および長さ約18mm〜22mmであった。クーポンは、長さ約8.5cmおよび幅1.5cmの石英ボート中に離して配置し、ボートは、内径約2.54cmおよび長さ約1.2mの石英管中に端と端を接して挿入した。次いで、石英管を、管状炉中に配置した。石英管は、管状炉が動作条件まで加熱される前に、水素ガスによってパージして、クーポンの表面を還元した。管状炉が動作条件に到達した後、各クーポンの上面および下面の双方が反応ガスに露出するように、反応ガスを石英管中へ導入した(すなわち、石英管中に連続的に流した)。温度、圧力、およびガス組成は、クーポン毎に測定した。試験後に、クーポンを、石英管から取り出した。重量の変化および炭素の形成に注目した。
【0088】
実施例1
12個の鋼クーポンを、上で説明される通り、石英管中に配置した。約25%のH
2、25%のCO、25%のCO
2、および25%のCH
4を含有する反応ガスを、約4.0MPaで石英管中へ導入した。ガスは、約4時間にわたって、2000sccm(立方センチメートル毎分)でクーポン上に流した。固体炭素は、下の表1に示される通り、約650℃〜約870℃の間の温度で12個のクーポンのうちの8個の上に形成した。試験後、固体炭素をクーポンのうちのいくつかから物理的に取り、表1に示される通り、BET比表面積について試験を行った。試験中に、ガスから約41.2グラムの水が収集された。
【0089】
(表1)25%のH
2、25%のCO、25%のCO
2、および25%のCH
4からの固体炭素形成
【0090】
実施例2
12個の鋼クーポンを、上で説明される通り、石英管中に配置した。約50%のCOおよび50%のCO
2を含有する反応ガスを、約4.0MPaで石英管中へ導入した。ガスは、約3時間にわたって、2000sccmでクーポン上に流した。固体炭素は、下の表2に示される通り、約590℃〜約900℃の間の温度で12個のクーポンのうちの10個の上に形成した。試験後、固体炭素をクーポンのうちのいくつかから物理的に取り、表2に示される通り、BET比表面積について試験を行った。試験中に、ガスから水は収集されなかった。
【0091】
(表2)50%のCOおよび50%のCO
2からの固体炭素形成
【0092】
実施例3
12個の鋼クーポンを、上で説明される通り、石英管中に配置した。約90%のCOおよび10%のCO
2を含有する反応ガスを、約4.0MPaで石英管中へ導入した。ガスは、約2時間にわたって、2000sccmでクーポン上に流した。固体炭素は、下の表3に示される通り、約590℃〜約900℃の間の温度で12個のクーポンのうちの10個の上に形成した。試験後、固体炭素をクーポンのうちのいくつかから物理的に取り、表3に示される通り、BET比表面積について試験を行った。試験中に、ガスから水は収集されなかった。
【0093】
(表3)90%のCOおよび10%のCO
2からの固体炭素形成
【0094】
実施例4
12個の鋼クーポンを、上で説明される通り、石英管中に配置した。約90%のCOおよび10%のCO
2を含有する反応ガスを、約1.5MPaで石英管中へ導入した。ガスは、約3時間にわたって、2000sccmでクーポン上に流した。固体炭素は、下の表4に示される通り、約536℃〜約890℃の間の温度で12個のクーポンのうちの10個の上に形成した。試験後、固体炭素をクーポンのうちのいくつかから物理的に取り、表4に示される通り、BET比表面積について試験を行った。試験中に、ガスから水は収集されなかった。
【0095】
(表4)90%COおよび10%CO
2からの固体炭素形成
【0096】
実施例5
12個の鋼クーポンを、上で説明される通り、石英管中に配置した。約13.0%のH
2、15.2%のCO、10.9%のCO
2、57.8%のCH
4、および3.0%のArを含有する反応ガスを、約412kPaで石英管中へ導入した。ガスは、約6時間にわたって、2000sccmでクーポン上に流した。固体炭素は、下の表5に示される通り、約464℃〜約700℃の間の温度で12個のクーポンのうちの7個の上に形成した。試験後、固体炭素をクーポンのうちのいくつかから物理的に取り、表5に示される通り、BET比表面積について試験を行った。試験中に、約7.95グラムの水がガスから収集された。
【0097】
(表5)13.0%のH
2、15.2%のCO、10.9%のCO
2、57.8%のCH
4、および3.0%のArからの固体炭素形成
【0098】
実施例6
12個の鋼クーポンを、上で説明される通り、石英管中に配置した。約13.0%のH
2、15.2%のCO、13.0%のCO
2、55.8%のCH
4、および2.93%のArを含有する反応ガスを、約412kPaで石英管中へ導入した。ガスは、約6時間にわたって、2000sccmでクーポン上に流した。固体炭素は、下の表6に示される通り、約536℃〜約794℃の間の温度で12個のクーポンのうちの7個の上に形成した。試験後、固体炭素をクーポンのうちのいくつかから物理的に取り、表6に示される通り、BET比表面積について試験を行った。試験中に、約7.38グラムの水がガスから収集された。
【0099】
(表6)13.0%のH
2、15.2%のCO、13.0%のCO
2、55.8%のCH
4、および2.93%のArからの固体炭素形成
【0100】
実施例7
12個の鋼クーポンを、上で説明される通り、石英管中に配置した。約15.2%のH
2、13.0%のCO、8.7%のCO
2、59.9%のCH
4、および3.15%のArを含有する反応ガスを、約412kPaで石英管中へ導入した。ガスは、約6時間にわたって、2000sccmでクーポン上に流した。固体炭素は、下の表7に示される通り、約523℃〜約789℃の間の温度で12個のクーポンのうちの10個の上に形成した。試験後、固体炭素をクーポンのうちのいくつかから物理的に取り、表7に示される通り、BET比表面積について試験を行った。試験中に、約9.59グラムの水がガスから収集された。
【0101】
(表7)15.2%のH
2、13.0%のCO、8.7%のCO
2、59.9%のCH
4、および3.15%のArからの固体炭素形成
【0102】
予想実施例8
水素ガスを、その中にスチールウールを含有する約680℃に維持したセラミック材料で裏打ちした第1の管状炉の中で、二酸化炭素ガスと約2.1:1の比で混合する。水素ガスは、スチールウールの存在下で二酸化炭素ガスと反応して、単層カーボンナノチューブと、二酸化炭素、一酸化炭素、水、および水素の残留ガス混合物とを形成する。残留ガス混合物を、約50℃で動作する凝縮器へ入れて、残留ガス混合物から液体の水を除去する。乾燥させた残留ガス混合物を、その中にスチールウールを含有する約680℃に維持したセラミック材料で裏打ちした第2の管状炉の中へ入れる。乾燥させた反応ガス混合物中の二酸化炭素、一酸化炭素、および水素は、スチールウールの存在下で反応して、単層カーボンナノチューブと、水および水素のテールガス混合物とを形成する。カーボンナノチューブが、スチールウールの表面上に集まる。侵入するテールガス混合物を、予備濃縮器へ再循環させる。プロセスが一定時間進行した後、ガスの流れを停止し、炉および凝縮器を室温に冷却し、システムを不活性ガスでパージする。スチールウールを第2の管状炉から取り出し、カーボンナノチューブを、スチールウールから物理的に取る。カーボンナノチューブ上の残りの金属を、酸で洗浄することによって除去する。
【0103】
予想実施例9
メタンガスを、その中にスチールウールを含有する約680℃に維持したセラミック材料で裏打ちした第1の管状炉の中で、二酸化炭素ガスと1.2:1の比で混合する。メタンガスは、スチールウールの存在下で二酸化炭素ガスと反応して、単層カーボンナノチューブと、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、水、および水素の残留ガス混合物とを形成する。残留ガス混合物を、約50℃で動作する凝縮器へ入れて、残留ガス混合物から液体の水を除去する。乾燥させた残留ガス混合物を、その中にスチールウールを含有する約680℃に維持したセラミック材料で裏打ちした第2の管状炉の中へ入れる。乾燥させた反応ガス混合物中の二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、および水素は、スチールウールの存在下で反応して、単層カーボンナノチューブと、水、メタン、および水素のテールガス混合物とを形成する。カーボンナノチューブが、スチールウールの表面上に集まる。侵入するテールガス混合物を、予備濃縮器へ再循環させる。プロセスが一定時間進行した後、ガスの流れを停止し、炉および凝縮器を室温に冷却し、システムを不活性ガスでパージする。スチールウールを第2の管状炉から取り出し、カーボンナノチューブを、スチールウールから物理的に取る。カーボンナノチューブ上の残りの金属を、酸で洗浄することによって除去する。
【0104】
予想実施例10
オフガスが、粒子分離器へ入る。オフガスは、サイクロンを通過して、粒子状物質を除去し、1%未満の固体材料を含有する中間ストリームを生成する。粒子状物質を、収集および廃棄のためにバッグハウスへと通す。中間ストリームを、約50℃で稼働する凝縮器へ入れて、残留ガス混合物から液体の水を除去する。残りの乾燥した炭素酸化物原料を、凝縮器から、約680℃に維持した反応器内へと送り、そこで水素を還元剤として添加し、ボッシュ反応を促進する。反応器は、固体触媒ナノ粒子または結晶粒(例えば、ニッケル、モリブデン、クロム、コバルト、タングステン、鉄等)を含有する。プロセスが一定時間進行した後、ガスの流れを停止し、炉および凝縮器を室温まで冷却し、システムを不活性ガスでパージする。固体炭素生成物を、触媒の表面から物理的に取る。テールガス混合物を、粒子分離器段階へ再循環させる。
【0105】
予想実施例11
セメント窯からの炭素酸化物を含むオフガスを、バッグハウスを通過させて、粒子状物質を除去し、1%未満の粒子状物質を含有する中間ストリームを生成する。中間ストリームを、2段階ガス分離器を通過させ、そこで中間ストリームを、SO
xおよびNO
xを含むガス状廃棄物と炭素酸化物原料へと分離する。ガス状廃棄物を、放出し、少なくとも95%のCOおよびCO
2を含む炭素酸化物原料を、約50℃で稼働する凝縮器内へと送り、そこで水蒸気および他の凝縮性ガスを、凝縮し、炭素酸化物原料から除去する。乾燥した炭素酸化物原料を、凝縮器から、約680℃および4.1MPaに維持した反応器へと送り、そこでメタンと混合し、ニッケルまたは鉄触媒の存在下で反応することを可能にする。反応ガスを、サイクロン分離ユニット内へ送り、そこで固体炭素を取り出す。テールガスを、凝縮器へ再循環して戻す。
【0106】
本開示は、従来の方法を上回るいくつかの利点を有する。本方法の実施形態を説明してきたが、種々の修正および変更が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によってなされることができる。