(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のフィードバック圧力および前記第2のフィードバック圧力に基づき、前記プロセス制御デバイスの摩擦レベルを見積もることをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
いくつかの実施例が上記の図面に示され、以下にその詳細が説明される。これらの実施例の説明では、類似または同一の参照番号が同一または類似した要素を識別するために用いられている。図面は必ずしも一定の比率ではなく、明瞭さおよび/または簡潔さのために、その図面の所定の特徴および所定の見え方が比率または略図的に誇張して示されているものもある。さらに、いくつかの実施例は、本明細書を通して説明されている。どの実施例からのどの特徴も置き換えが可能であり、そうでなくても、他の実施例からの他の特徴との組み合わせが可能である。
【0008】
本明細書で説明される実施例は、弁組立体などのプロセス制御デバイスの位置管理機器や位置決め機器などの機器の較正と関連し、機器がオフラインで動作するか、そうでなければ影響を及ぼすようなプロセス制御システムを必要とせず、ユーザ入力も必要としない(例えば、自動的に)。特に、本明細書で説明される実施例は、位置決め機器から弁組立体まで(例えば、空気圧弁や空気圧作動機器)のような機器を、自動的に較正するために用いられる可能性があり、その際には弁組立体に関する情報が収集される。例えば、機器(例えば、位置決め機器)は、作動機器組立体に結合されると、結合された作動機器の型式に関する情報、その作動機器を制御するために必要な圧力範囲、動程の割合もしくは回転度数、低電流もしくは低電圧入力が閉位置あるいは開位置のいずれに対応するか、などに関する情報を自動的に収集することが可能である。本情報は、機器から弁組立体までの出力信号を適切に調整または較正することを可能にして制御器からの制御システム信号が、弁組立体の位置センサーから受信したフィードバック信号に対応することを保証するものである。較正プロセスは、ユーザ主導であってもよい。さらに、機器が、ユーザ入力を必要とせず、自動的に上記情報を収集できるようにすることにより、較正期間のユーザ入力によるエラーの機会が減少する。
【0009】
いくつかの実施例では、一度機器が設置され、弁組立体のようなプロセス制御デバイスに接続されると、機器は、組立体と制御器(例えば、分散制御システム(DCS)などの制御システム)との間に動作可能に介入される。具体的には、機器は、制御器から制御信号を受信し、対応する圧力を出力して、弁組立体を動作または制御する。動作中、機器は、ケーブルまたは無線通信(例えば、無線周波数識別(RFID)デバイス(例えば、タグ))を用いて弁組立体から情報(例えば、作動機器の型式、圧力範囲、動程センサーの範囲、弁のストローク長、など)を収集する。本情報は、その後、ストレージデバイス(例えば、不揮発性メモリ)に保存したり、予測値(例えば、予測値位置)の計算、および/またはその予測値との比較に基づく調整値の計算など、較正を行うための計算に用いたりすることが可能である。
【0010】
いくつかの実施例では、機器は、弁組立体のようなプロセス制御デバイスに、弁が動程の一端にある(例えば、全開または全閉位置)ときに、設置および接続することが可能で
ある。いくつかのこのような実施例では、弁位置を表すフィードバック信号が、弁を制御するために用いられる動程制御モードにおいて、機器は自動的に較正を行うことが可能である。機器が設置されるときに弁が動程の一端にない他の実施例では、機器が作動機器の圧力を表すフィードバック信号を用いる圧力制御モードにおいて、機器は自動的に較正を行って弁位置を制御できる。
【0011】
機器が動程制御モードにある実施例では、機器は、弁組立体から収集したストローク長情報と、動程フィードバック機構の詳細とを用いて、他の端位置(例えば、全開位置または全閉位置の他方)を計算し、部分ストローク位置および/または部分ストローク区間(例えば、部分ストローク位置の範囲)を計算する。動作中に、弁位置が部分ストローク区間内にあるとき、制御システム信号および機器積分蓄積スコアは実質的に一定であり、機器はその機器積分蓄積スコアによって出力バイアスを調整し、その後に機器積分蓄積スコアをゼロにリセットする。機器積分蓄積スコアは、機器内の積算器によって計算される値であり、弁位置を制御システム信号に一致させるために積算器が行った調整を示す。また、機器は、ストレージデバイスに新しい出力バイアスを記憶して較正を完了するが、これは、弁組立体によって少なくとも部分的に制御されるどのようなプロセスもこのとき必要としないが、そうでなければ過程に影響する。
【0012】
弁が設置時に動程の一端にないときの他の実施例では、機器は一連の動作を行って、フィードバック圧力信号をプロセス制御モードにおいて計算された目標出力圧力信号に一致させる。フィードバック圧力信号を監視しながら、機器は、動程の運動方向が検出されるまで、その出力圧力を増減させる。現在の弁の動程、制御弁の動程範囲、および動程フィードバック情報に基づき、機器は動程の両端および部分ストローク位置、または部分ストローク区間を計算する。また、機器は、制御システム信号変化の率を修正し、制御システム信号がカットオフ領域内にあるときの弁の動作方法を修正した後に、動程制御モードに切り替える。機器は、機器積分蓄積スコアを用いて、機器積分蓄積スコアおよび制御システム信号が実質的に一定であるときに、その出力バイアスを調整する。動程の端の制御システム信号が一旦入力されると、機器は、計算した端位置を調整した後、制御システム信号の変化率をリセットして機器の較正を完了する。
【0013】
図1は、本明細書で開示される例示的方法および装置を実装するために用いられる可能性のある例示的プロセス制御システム100を示す。
図1に示す実施例では、プロセス制御デバイス102、機器104、制御器106、およびユーザインターフェース108は、例えばケーブルまたは無線リンクを介して通信を行うことができる。特に、
図1の例示的プロセス制御デバイス102、例示的機器104、および/または例示的制御器106は、データバス(例えば、FOUNDATION Fieldbus(商標)、HART(商標)、Profibus(商標)、Modbus(商標)、Devicenet(商標)等)またはローカルエリアネットワーク(LAN)を介して通信を行うことができる。
【0014】
図1の機器104は、制御器106から制御システム信号を受信し、調整済み出力信号(例えば、圧力)をプロセス制御デバイス102に送信する。機器104は、デジタル弁位置決め機器(DVP)および/またはデジタル弁制御器(DVC)であってもよい。あるいはまた、機器104および制御器106は、組み合わされていても、および/または、例えば、DeltaV(商標)に一体化されていてもよい。
【0015】
制御器106は、プロセス制御デバイス102、機器104、および/またはユーザインターフェース108からの受信および/収集した情報に基づき、制御システム信号を出力する。また、いくつかの実施例では、制御器106は情報(例えば、命令)を機器104に通信し、および/またはユーザインターフェース108に情報(例えば、警告メッセ
ージ)を出力する。
【0016】
図1の例示的プロセス制御デバイス102は、任意の入力デバイスおよび/または出力デバイスであってもよい。いくつかの実施例では、入力デバイスは弁組立体(例えば、空気弁および空気作動機器)、および/または他の機器を含み、出力デバイスは弁位置づけ機器、弁制御器、および/または他の機器を含む。
【0017】
図1の例示的ユーザインターフェース108は、入出力を処理する、例えば、コンピュータ、ワークステーション、サーバ、および/またはモバイル機器などの、どのような機器であってもよい。ユーザ入力は、例えば、キーボード、スタイラスペン、マウス、および/またはタッチスクリーン等の入力デバイス110によってユーザインターフェース108に伝達できる。ユーザインターフェース108からの出力は、例えば、モニタ(例えば、警告メッセージを表示する)および/またはスピーカー(例えば、可聴警告を発する)等の出力デバイス112によってユーザに伝達できる。
【0018】
単一の例示的機器104および例示的制御器106は
図1に示されるが、本開示の内容から逸脱することなく、少なくとも1つ以上の追加機器104および/または制御器106を
図1の例示的プロセス制御システム100に備えることが可能である。
【0019】
図2は、
図1の機器の例示的実装のブロック図である。図示例では、機器104は、弁組立体のようなプロセス制御デバイスに較正されて一プロセス内のプロセス制御デバイスの正確な動作が保証される。機器104(例えば、デジタル弁位置決め機器やデジタル弁制御器のような位置決め機器)は、情報インターフェース202、位置リーダー204、モード制御器206、位置計算機208、積算器210、較正器212、部分ストローク較正器214、およびストレージデバイス216を備える。
【0020】
設置される(例えば、動作可能にプロセス制御デバイスおよび制御器に結合される)と、機器104は、本機器が情報インターフェース202を介して結合されるプロセス制御デバイスに関する情報を自動的に収集する。機器の較正プロセスは、ユーザ主導であってもよい。例えば、機器104は、弁組立体(例えば、弁および作動機器)から弁および作動機器に関係する情報、例えば、作動機器の型式(例えば、空気圧作動機器)、作動機器圧力範囲(例えば、3psi〜15psi)、弁のストローク長(例えば、2インチ)、動程センサーの範囲、リレーオフセット等を、情報インターフェース202を介して収集することができる。いくつかの実施例では、情報インターフェース202は、無線周波数識別(RFID)デバイス(例えば、タグ)を介して上記情報を収集する。他の実施例では、情報インターフェース202は、バーコードリーダーまたはBluetoothを介して本情報を収集する。しかしながら、本情報は、どのような他の適切な技術を用いてもプロセス制御デバイスから機器104に転送できる。さらに、いくつかの実施例では、ユーザは、例えば、情報インターフェース202に含まれる入力インターフェース(例えば、キーボードやハンドヘルド機器)を介して機器104に本情報を直接入力することも可能である。いくつかの実施例では、情報インターフェース202は、その収集した情報をレジスター、ローカルメモリ、および/またはストレージデバイス216などのストレージデバイスに記録する。いくつかの実施例では、ストレージデバイス216は不揮発性メモリである。より詳細に以下で述べるように、その記録された情報は、比較結果から予測値までに基づいて調整値を計算するように、較正を行うための計算に用いることができる。
【0021】
いくつかの実施例では、情報インターフェース202は、ストレージデバイス216がプロセス制御デバイスに関する情報を前もって記録したかどうかを判断する。ストレージデバイス216が前もって記録した情報を含むとき、情報インターフェース202は、新
たに受信した情報とその前もって記録した情報を比較する。新たに受信した情報および前もって記録した情報が同じものであるとき、情報インターフェース202は、機器104が前もって較正され、なおかつまたプロセス制御デバイスに較正されている旨の表示を出力する。逆に、ストレージデバイス216が前もって記録した情報を含まない、または前もって記録した情報が新たな情報と一致しないとき、情報インターフェース202は、機器104からプロセス制御デバイスへの較正を継続する旨の表示を出力する。いくつかの実施例では、情報インターフェース202は、プロセス制御デバイスを較正することが安全である旨の表示を出力できる。
【0022】
図示例では、機器104は、設置されたときに、弁が動程の一端(例えば、全開または全閉位置)にあったかどうかも判定する。例えば、位置リーダー204は、制御器(例えば、分散制御システム(DCS)および/または例示的制御器106などの制御システム)から制御システム信号を受信する。また、位置リーダー204は、制御器の出力範囲をストレージデバイス216から受信する。例えば、制御器106は、4ミリアンペアから20ミリアンペア(mA)の範囲にわたって動作可能である。図示例では、位置リーダー204は、制御システム信号をその範囲と比較して、弁が動程の一端に位置するかどうかを判断する。例えば、4mAまたは20mAの制御システム信号は、動程の一端にある弁の位置に対応し、一方4mAおよび20mA間の制御システム信号は、弁が動程の一端にないことを示す。図示例では、機器が手動制御下で設置されるため(例えば、ユーザが弁をある位置に保持して機器を交換する)、機器は、弁位置が動程の一端にあるかどうかを判断するのに制御システム信号と電流範囲の比較結果に頼ることができる。いくつかの実施例では、位置リーダー204は、弁位置をレジスター、ローカルメモリ、および/またはストレージデバイス216などのストレージデバイスに記録する。
【0023】
いくつかの実施例では、位置リーダー204は、プロセス制御デバイスの位置(例えば、動程フィードバック信号)を表すフィードバック信号をプロセス制御デバイスに動作可能に結合されたセンサーから受信する。例えば、弁組立体に動作可能に結合された動程センサーは、位置リーダー204によって受信された動程フィードバック信号を伝達可能である。
【0024】
図2の図示例では、モード制御器206は、位置の表示を受信し、この位置表示を用いて例示的機器104の動作モードを決定する。例えば、モード制御器206は、プロセス制御デバイスの位置表示を動程の一端に対応する制御システム信号から受信する。いくつかの実施例では、プロセス制御デバイス(例えば、弁組立体)の位置が動程の一端(例えば、全開または全閉位置)にあるとき、機器104は、弁位置を表すフィードバック信号が、弁を制御するために用いられる動程制御モードにおいて、較正を行う。弁が動程の一端にない他の実施例では、機器104が作動機器に提供されたた圧力を表すフィードバック信号を用いて弁位置を制御する圧力制御モードにおいて、機器104は較正を行う。
【0025】
位置計算機208は、プロセス制御デバイスの位置を、例えば、プロセス制御デバイスから収集した情報(例えば、弁のストローク長)を用いて計算する。例えば、位置計算機208は、機器104が動程制御モードで動作中である旨の表示をモード制御器206から受信する。例えば、弁組立体から収集したストローク長情報と、位置リーダー204からの既知の端位置を用いて、位置計算機208は他の端位置(例えば、全開位置または全閉位置の他方)を計算する。いくつかの実施例では、位置計算機208は、既知の端位置および他の端位置に基づき、部分ストローク位置および/または部分ストローク区間(例えば、部分ストローク位置を含む範囲)を計算する。例えば、位置計算機208は、弁の2つの端位置を用いて中間ストローク位置を計算し、例えば、その中間ストローク位置の2%(例えば、中間ストローク位置の±2%)以内として部分ストローク区間を計算する。いくつかの実施例では、位置リーダー208は、部分ストローク区間をレジスター、ロ
ーカルメモリ、および/またはストレージデバイス216に記録する。
【0026】
いくつかの実施例では、位置計算機208は、
図1の例示的制御器106のような制御器からの制御システム信号を受信する。図示例では、プロセス制御デバイスの位置は制御システム信号に対応し、本信号は、機器104が設置されたときに、情報インターフェース202によって収集された可能性がある。プロセス制御デバイス(例えば、例示的プロセス制御デバイス102)から収集した制御システム信号、制御システム信号の既知の範囲、およびストローク長情報を用いて、位置計算機208はプロセス制御デバイス102の予測位置を計算する。例えば、位置計算機208は、制御器106から12mAの制御システム信号を受信し、例示的制御器106からの制御システム信号の範囲が4〜20mAである旨の情報をストレージデバイス216と、プロセス制御デバイス102のストローク長が2インチであることを示す情報を受信することができる。この場合は、位置計算機208は、制御システム信号(12mA)を制御システム信号(4〜20mA)の範囲と比較し、中間ストローク位置(例えば、最大動程の50%における)にあるべきプロセス制御デバイスの位置(例えば、予測位置)を計算する。
【0027】
図2の図示例では、積算器210は、制御システム信号および動程フィードバック信号に対応する位置を監視し、その二カ所が等しいときに表示する。積算器210は、予測位置と現在位置との間の差を計算し、その差を機器積算蓄積スコアに加算する。積算器210は、その二カ所が等しくなる(例えば、差がゼロになる)まで計算した差を集計する。これにより、機器積算蓄積スコアは、次の較正の間の差を最小化するための調整値を表す。機器積算蓄積スコアは、そのスコア値が変化しない(例えば、ゼロを加算する)とき、二カ所が等しいことを示す。機器積算蓄積スコアは、ストレージデバイス216に記憶される。いくつかの実施例では、機器積算蓄積スコアは、一度記録されると、リセットされる(例えば、ゼロに設定される)。
【0028】
図2の図示例では、較正器212は、機器からプロセス制御デバイスへの較正を完成するために必要な出力バイアスに対する調整値を計算する。弁位置が部分ストローク区間内にあるとき、制御システム信号および機器積算蓄積スコアは実質的に一定であり、その出力バイアス(例えば、制御システム信号および動程フィードバック信号を一致させるための調整値)は、機器積算蓄積スコアに基づき調整され、積算器210はゼロに設定(リセット)される。制御システム信号が変化している、および/または現在位置が制御システム信号と一致しない、および機器積算蓄積スコアが変化している間は、較正器212は出力バイアスの計算を試みない。新たな出力バイアスがその後ストレージデバイス216に記憶され、例示的機器104のプロセス制御デバイスへの較正が完了する。
【0029】
図示例では、モード制御器206がプロセス制御デバイス102の位置が動程の一端ではないと判断したとき、モード制御器206は部分ストローク較正器214を起動する。部分ストローク較正器214は、圧力制御モードにおいて較正を行う。
図3に関連付けて以下に説明されるように、圧力制御モードにある間、機器104は動程フィードバック信号よりもむしろフィードバック圧力信号を用いて較正を行う。
【0030】
図3は、
図2の部分ストローク較正器の例示的実装のブロック図である。図示例では、部分ストローク較正器214は、機器104によって受信した動程フィードバック信号に関係なく、出力圧力を調整する。そうすることにより、機器104はプロセス制御デバイス102によって受信した圧力を制御し、目標出力圧力およびフィードバック信号間のどのような不一致も訂正できるように調整する。例えば、機器104からの出力圧力は、プロセス制御システムの特性に起因して、プロセス制御デバイス102によって受信した圧力と異なる可能性がある。例えば、機器104およびプロセス制御デバイス102間の距離は、プロセス制御デバイス102によって受信した圧力と異なる出力圧力を生じる可能
性がある。部分ストローク較正器214は、圧力制御器302、位置モニタ304、動程フィードバックオフセット計算機306、動程位置計算機308、およびカットオフ領域制御器310を備える。
【0031】
圧力制御モードで較正を行うとき、例示的圧力制御器302は、プロセス制御デバイス102(例えば、弁組立体)によって受信した圧力を制御する。例えば、ストレージデバイス216から弁組立体の記憶した圧力範囲を受信することにより、圧力制御器302は、機器104によって受信した制御システム信号に対応した出力信号(例えば、目標出力圧力)を計算できる。例えば、受信した作動圧力範囲が3〜15psiであるとき、機器104は4mAの制御システム信号(例えば、制御器106から)受信し、圧力制御器302は3psiの目標出力圧力を計算する。さらに、較正を行うとき、圧力制御器302は、その出力圧力を増やす、および/または減らすことにより、新たな出力圧力が弁位置を変化する要因となっているか判断する。
【0032】
位置モニタ304は、その出力圧力に基づき、プロセス制御デバイス102のどのような変化(例えば、弁位置)も検出する。例えば、位置モニタ304は、圧力制御器302がその出力圧力を増加させている間、弁位置を監視する。あるいはまた、位置モニタ304は、圧力制御器302がその出力圧力を減少させている間、弁位置を監視する可能性もある。弁位置に変化が検出されると、位置モニタ302は、その弁位置の変化方向と、その変化を引き起こした出力圧力を記録する。いくつかの実施例では、位置モニタ304は、出力圧力および弁位置を監視中に、不感帯(例えば、位置変化が検出されない信号範囲)および/または弁組立体の摩擦レベルを見積もることができる。
【0033】
図3の図示例では、位置モニタ304は、出力圧力がプロセス制御デバイス102のために計算した安全域を超えるかどうかを判断する。例えば、本安全域を超える出力圧力は、プロセス制御システム内の構成部品が正常に動作していないということ示す。出力圧力が安全域を超えるとき、部分ストローク較正器214は、較正を中断して警告または警報を生成する。
【0034】
例示的動程フィードバックオフセット計算機306は、位置モニタ304によって記録された出力圧力に基づき、平均出力圧力(例えば、平均信号)を計算する。動程フィードバックオフセット計算機306は、その平均出力圧力と作動圧力範囲とを比較して弁位置を見積もる。また、動程フィードバックオフセット計算機306は、動程フィードバック信号およびゼロが初期値の動程オフセットに基づき、現在の弁位置を計算する。予測弁位置と現在の弁位置との間の差は、動程フィードバックオフセットとして記録される(例えば、ストレージデバイス216に記憶される)。この動程フィードバックオフセットは、出力圧力に対して機器104が行う調整値であり、これにより出力圧力に対応する弁位置が、例えば、プロセス制御デバイス102に結合された動程センサーにより動程フィードバック信号から受信した弁位置と一致する。
【0035】
図示例では、動程位置計算機308は、現在位置、弁のストローク長、作動機器圧力範囲、および動程フィードバックオフセットを用いてプロセス制御デバイス102の全開および全閉位置を計算する。上述したように、出力圧力は弁位置に対応する。動程フィードバックオフセットにより現在位置を調整することによって、動程位置計算機308は弁位置に対応する出力圧力を計算する。その後、弁位置は、弁のストローク長と比較して弁の一端位置を判断することができる。対応する作動機器圧力範囲を用いて、動程位置計算機308は、その端位置に対応する出力圧力を計算する。動程位置計算機308は、その端位置を用いて、他の端位置および対応する出力圧力を計算する。
【0036】
図示例では、機器104が較正を行っている間、カットオフ領域制御器310は、制御
システム信号がカットオフ領域内にあるときに、どのようにプロセス制御デバイスを動作させるか判断する。カットオフ領域は、例えば、弁位置が全閉位置にあるべきときに、弁が部分的に開け放しで放置されたときに起こり得る弁座腐食を避けるために用いられる。したがって、制御システム信号がカットオフ領域にあるときに、カットオフ領域制御器310は、弁位置が全開または全閉位置にくるように、その制御システム信号を修正する。通常の動作中(例えば、較正を行わない)は、制御システム信号の変化率は、制御システム信号がカットオフ領域に到達すると、著しく変動する。これは、機器104が現在較正されており、機器104が動程フィードバック信号と制御システム信号との間の相関が計算されているためになされる。言い換えれば、端位置は既知であり、機器104が、例えば、弁体がプロセス制御デバイス102内の弁座に衝突することなく、その端位置に対応する出力を正確に特定することが可能である。
【0037】
しかしながら、機器104が部分ストローク区間内にあるときに機器較正を行っている間は、動程フィードバック信号との制御システム信号の相関は未知である(例えば、動程の両端における計算された端点は不正確な可能性がある)。図示例では、カットオフ領域は、例えば、弁体がその座に衝突したり、場合により関連する構成部品に損傷を加えたりすることを防止するための緩衝域としての機能を果たす。これにより、カットオフ領域計算機310は、制御システム信号変化の率が比較的さらにゆっくり変化するように修正するが、これにより、不正確に計算された端点に起因した弁体のその座への意図しない衝突を防止できる。
【0038】
図示例では、カットオフ領域は所定の比率を用いて計算される。例えば、5パーセント(5%)のカットオフ領域を4〜20mAの制御システム信号範囲に適用すると、カットオフ領域計算機310は、閉カットオフ領域(4〜4.8mA)および開カットオフ領域(19.2〜20mA)を計算する。通常動作中(例えば、較正を行わない)、制御システム信号がカットオフ領域のいずれかのうちにあるとき(例えば、制御システム信号が4.7mAのとき)、機器104は制御システム信号を4.7mAから4mAに著しく変更する(例えば、作動機器に機器内の空気を突然全て放出させる)。既知でかつ全閉端位置に較正されたことにより、機器104は、弁座に激突させることなく弁体を全閉位置に導く(例えば、機器104は弁を較正された全閉位置で停止させる)。しかしながら、較正中、カットオフ領域制御器310は制御システム信号を4.7mAから4mAに増分的に変更することにより、弁体が座に入るときの速度が予期されたものより高速であるため、弁体が弁座に衝突することが避けられる。
【0039】
機器は、その後圧力制御モードから動程制御モードに切り替える。結果的に、機器104は第1フィードバックとして動程フィードバック信号を用いて出力バイアスを計算する。いくつかの実施例では、位置計算機208は、動程フィードバック信号に対応する位置に等しい設定地点を計算し、その後その設定地点を増分的に変化させて制御システム信号に一致させることにより、圧力制御モードから動程御モードへ衝撃のない切り替えを可能にする。
【0040】
プロセス制御システム100を実装する例示的方法が
図1〜3に図示されているが、
図2および3に示した要素、プロセス、および/またはデバイスのうちの1つ以上が組み合わせたり、分割したり、構成し直したり、省略したり、消去したり、および/またはその他の方法で実装したりできる。さらに、
図1〜3における例示的位置リーダー204、例示的モード制御器206、例示的位置計算機208、例示的積算器210、例示的較正器212、例示的部分ストローク較正器214、例示的圧力制御器302、例示的位置モニタ304、例示的動程フィードバックオフセット計算機306、例示的動程位置計算機308、例示的カットオフ領域制御器310、および/または、さらに一般的には、例示的プロセス制御システム100は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、および
/またはハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアのどのような組み合わせによっても実装可能である。これにより、例えば、
図1〜3における例示的位置リーダー204、例示的モード制御器206、例示的位置計算機208、例示的積算器210、例示的較正器212、例示的部分ストローク較正器214、例示的圧力制御器302、例示的位置モニタ304、例示的動程フィードバックオフセット計算機306、例示的動程位置計算機308、例示的カットオフ領域制御器310、および/または、さらに一般的には、例示的プロセス制御システム100は、1つ以上の回路、プログラム可能プロセッサ、アプリケーション特有の集積回路(ASIC)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、および/またはフィールドプログラム可能論理デバイス(FPLD)によっても実装可能である。本特許の装置またはシステムの請求項のうちのどれもが、単にソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装を網羅すると読み取られるとき、少なくとも例示の1つ、例示的位置リーダー204、例示的モード制御器206、例示的位置計算機208、例示的積算器210、例示的較正器212、例示的部分ストローク較正器214、例示的圧力制御器302、例示的位置モニタ304、例示的動程フィードバックオフセット計算機306、例示的動程位置計算機308、例示的カットオフ領域制御器310、および/または、さらに一般的には、例示的プロセス制御システム100は、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを記憶するメモリ、DVD、CD、Blu−ray等の有形コンピュータ可読記憶媒体を含むことを本明細書に明示的に定義する。さらに、
図1〜3の例示的プロセス制御システム100は、
図1〜3に示されたものに加えて、またはその代わりに、1つ以上の要素、プロセス、および/またはデバイスを含むことが可能であり、および/または1つを超えるどれかまたは全ての図示された要素、プロセス、およびデバイスを含むことが可能である。
【0041】
図4および5は、本明細書で開示される例示的方法を表すフローチャートである。
図4および5の例示的方法のいくつかまたは全てが、プロセッサ、機器104、制御器106、および/またはどのような他の適した処理装置によって実行され得る。いくつかの実施例では、
図4および5の例示的方法のいくつかまたは全てが、例えば、プロセッサに関連するフラッシュメモリ、ROM、および/またはランダムアクセスメモリRAMのような、接触型機械アクセス可能または読取可能な媒体上に記憶されたコード化した命令において具現化される。あるいはまた、
図4および5の例示的方法のいくつかまたは全てが、アプリケーション特有の集積回路(ASIC)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、フィールドプログラム可能論理デバイス(FPLD)、個別論理、ハードウェア、ファームウェアのどのような組み合わせによっても実装可能である。また、
図4および5に描かれた1つ以上の動作は、手動で実施することも可能であり、さもなければ、上記のどの技術のどの組み合わせでも、例えば、ファームウェア、ソフトウェア、個別論理、および/またはハードウェアのどの組み合わせでも可能である。さらに、例示的方法が
図4および5に示すフローチャートを参照して説明されているが、例示的方法を実施する多くの他の方法を用いることも可能である。例えば、ブロックの実行順序は変更することは可能であり、および/またはブロックのいくつかを変更したり、削除したり、細分化したり、あるいは組み合わせたりすることも可能である。さらに、
図4および5の例示的方法のどれかまたは全て順番に実行したり、および/または個々の処理系列、プロセッサ、デバイス、個別論理、回路等によって並行して実行したりすることも可能である。
【0042】
図1〜3を参照すると、
図4の例示的方法またはプロセス400は、例示的プロセス制御デバイス102などのようなプロセス制御デバイスに関する情報を受信することにより、ブロック402から処理を開始する。いくつかの実施例では、無線周波数識別デバイス(例えば、タグ)を介して上記情報が収集される。ブロック404において、受信した情報が前回記録した情報と比較され、情報が同一のものかどうかを判断する。例えば、前回の較正以降、変化したプロセス制御デバイスが無い可能性があり、その場合は、結果的に、較正が必要なくなる。記録された情報および例示的制御器106からの制御システム信
号を用いて、プロセス制御デバイスの位置が判断される。例えば、その位置は、一端位置(例えば、全閉または全開位置)または部分ストローク区間(例えば、全閉および全開位置の間)でもよい。
【0043】
ブロック406において、モード制御器206は、弁が一端位置にあるかどうか判断する。弁が端位置にない場合は、ブロック416において、機器104は部分ストローク較正を行う。弁が一端位置にある場合は、ブロック408において、例示的機器104は動程制御モードで動作し、例示的位置計算機208は弁の他の端位置を計算する。2つの端位置を用いて、例示的計算機208は弁の部分ストローク区間を計算する(ブロック408)。例えば、位置計算機208は、中間ストローク位置(例えば、2端位置の中ほどの弁位置)の2%以内で部分ストローク区間を計算する。
【0044】
ブロック410において、例示的較正器212は、制御器106から受信した制御システム信号を用いて計算した予期位置が計算した部分ストローク区間内にあるかどうか判断する。予測位置が部分ストローク区間内にない場合は、ブロック410において、較正器212は予測位置の監視を続行する。予測位置が部分ストローク区間内にある場合は、ブロック412において、例示的較正器212は、制御システム信号(例えば、予測位置)および機器積算蓄積スコアが実質的に一定かどうかを判断する。例えば、弁は部分ストローク区間を暫時的に通過する可能性があり、あるいは積算器210が制御システム信号および動程フィードバック信号に対応する位置が等しくないことを示す可能性がある(例えば、積算器210は2端位置の間のゼロ以外の差を機器積算蓄積スコアに追加する)。制御システム信号(例えば、予測位置)および機器積算蓄積スコアが実質的に一定でない場合は、ブロック412において、例示的較正機器212は予測位置の監視を継続するために戻る(ブロック410)。
【0045】
制御システム信号および機器積算蓄積スコアが実質的に一定である場合は、ブロック412において、較正機器212は、機器積算蓄積スコアを用いて前回記憶した出力バイアスを調整して新たな出力バイアスを計算し、積算器210をゼロにリセットする(ブロック414)。新たな出力バイアス値は、不揮発性メモリなどのストレージデバイスおよび/またはストレージデバイス216に記録される。
【0046】
図5の例示的方法またはプロセス500は、ブロック502において、目標出力圧力を計算して始まる。例えば、圧力制御器302は、制御器106から受信した制御システム信号に対応する目標出力圧力を計算する。ブロック504において、モード制御器206は機器を圧力制御モードに設定し、圧力制御モードで較正を行うことにより部分ストローク較正器214を起動する。
【0047】
ブロック506において、圧力制御器302は、出力圧力に対応するフィードバック圧力信号が制御システム信号に対応する目標出力圧力と一致するまで、出力圧力を増やしたり、および/または減少したりして調整する。その後、圧力制御器302は、動程フィードバック信号の変化を監視しながら、出力圧力をゆっくり増加および減少させる。例えば、圧力制御器302は、出力圧力を圧力範囲のわずかだけ増加および/または減少させる可能性がある。ブロック508において、位置モニタ304は、出力圧力調整ごとに弁位置を監視する。位置モニタ304によって弁位置の変化が検出されない場合は、ブロック510において、位置モニタ304は出力圧力が安全域を超えたかどうか判断する。出力圧力が安全域を超えた場合は、ブロック512において、機器104は較正を中断し、警報メッセージをユーザインターフェース108に伝達する。出力圧力が安全域を超えない場合は、圧力制御器302はブロック506において出力圧力を調整する。
【0048】
位置モニタ304が弁位置の変化を検出すると、ブロック514において、位置モニタ
304は、出力圧力が圧力制御器302によって増加および減少されるとき、動程の運動の方向を確認する。いくつかの実施例では、位置モニタ304はまた不感帯(例えば、動程フィードバック信号の変化が観測されない出力圧力範囲)および組立体の摩擦を見積もる。例えば、位置制御器302は、位置モニタ304によって変化が検出されるまで出力圧力を増加させることができる。その後、位置制御器302は、位置モニタ304によって変化が検出されるまで出力圧力を減少させることができる。圧力制御器302は、2つの出力圧力を、その2つの出力圧力に基づく平均出力圧力と共に、記録する(例えば、ストレージデバイス216に記憶する)ことができる。ブロック516において、動程フィードバックオフセット計算機306は、その平均出力圧力を用いてその出力圧力に基づく弁位置を見積もる。また、動程フィードバックオフセット計算機306は、動程フィードバック信号およびゼロが初期値の動程オフセットに基づき、現在の弁位置を計算する。予測弁位置と現在の弁位置との間の差は、動程フィードバックオフセットとして動程フィードバックオフセット計算機306によって記録される。
【0049】
ブロック518において、動程位置計算機308は、現在の弁位置、動程フィードバックオフセット、ストローク長情報、および作動機器圧力範囲を用いて、弁の2つの端位置を計算する。ブロック520において、カットオフ領域制御器310は、制御システム信号がカットオフ領域にあるとき、制御システム信号変化の率を比較的さらに穏やかな変化率に変更する。そうすることにより、較正中でも、弁が、例えば弁座に衝突することはない。
【0050】
ブロック522において、モード制御器206は、較正を行いながら、機器104に衝撃なく動程制御モードに切り替えさせる。ブロック524において、較正器212は、制御システム信号を用いて予期位置が部分ストローク区間内にあるかどうか判断する。例えば、較正器212は、制御システム信号が部分ストローク区間内のある位置に対応するかどうか判断する。その位置が部分ストローク区間内にない場合には、例示的較正器212は予測位置の監視を続行する。予測位置が部分ストローク区間内にある場合には、ブロック526において、較正器212は、制御システム信号(例えば、予測位置)が実質的に一定かどうかを判断する。制御システム信号が実質的に一定でない場合には、較正器212は弁の予測位置の監視を続行する。
【0051】
制御システム信号が実質的に一定である場合には、ブロック528において、較正器212は、機器積算蓄積スコアが実質的に一定かどうかを判断する。例えば、積算器210は、動程フィードバック信号および制御システム信号に対応する位置が一致しないため、その差(例えば、ゼロ以外の差)を機器積算蓄積スコアに加算する。積算器210は、2つの位置の間の差を、その差がゼロと等しくなるまで、機器積算蓄積スコアに合計する。2つの位置が等しくなると、積算器210は、機器積算蓄積スコアを記憶する。機器積算蓄積スコアが実質的に一定でない場合には、較正器212は弁の予測位置の監視を続行する。
【0052】
機器積算蓄積スコアが実質的に一定である場合には、ブロック530において、較正器212は、機器積算蓄積スコアを用いて出力バイアスを調整し、機器積算蓄積スコアをゼロにリセットする。新たな出力バイアスは、ストレージデバイス216に記憶される。ブロック532において、機器104は、端位置の1つに入るまで、制御システム信号を監視する。弁が動程の端(例えば、全開または全閉位置)まで移動すると、動程フィードバック信号を用いて、計算した端位置に対して調整を行う。例えば、計算した端位置と動程フィードバック信号との間の差は、計算した端位置を細かく調整するのに用いられ、これによって動程の端が正確に認識される。弁用のストローク長情報を用いると、それに応じて他方の計算した端位置が調整される。ブロック534において、カットオフ領域制御器310は、制御システム信号変化の率を元の率にリセットして、較正を完了する。
【0053】
図6は、
図1および
図3の装置を実装するために
図4および
図5の方法を実行可能な例示的コンピュータ600のブロック図である。コンピュータ600は、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ、モバイルフォン(例えば、携帯電話)、デジタル情報端末(PDA)、インターネット家電、DVDプレーヤー、CDプレーヤー、デジタルビデオレコーダー、Blu−rayプレーヤー、ゲームコンソール、パーソナルビデオレコーダー、セットトップボックス、またはその他のコンピュータデバイスであってもよい。
【0054】
手ごろな例としてのシステム600はプロセッサ612を備える。例えば、プロセッサ612は、1つ以上のマイクロプロセッサまたはコントローラを用いて、どの所望するファミリーまたはメーカーからも実装可能である。
【0055】
プロセッサ612は、ローカルメモリ613(例えば、キャッシュ)を含み、揮発性メモリ614および不揮発性メモリ616を含むメインメモリとバス618を介して通信を行う。揮発性メモリ614は、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、RAMBUSダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM)および/またはその他のタイプのランダムアクセスメモリデバイスを用いて実装可能である。不揮発性メモリ616は、フラッシュメモリおよび/またはその他の所望するタイプのメモリデバイスを用いて実装可能である。メインメモリ614、616へのアクセスは、メモリコントローラによって制御される。
【0056】
また、コンピュータ600はインターフェース回路を含む。インターフェース回路620は、Ethernetインターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)、および/またはPCI−Expressインターフェース等のどのインターフェース基準によっても実装可能である。
【0057】
1つ以上の入力デバイス622が、インターフェース回路620に接続されている。入力デバイス622により、ユーザは、プロセッサ612へのデータおよびコマンドの入力が可能になる。入力デバイスは、例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、トラックパッド、トラックボール、アイエスポイント、および/または音声認識装置を用いて実装可能である。
【0058】
1つ以上の出力デバイス624が、インターフェース回路620に接続されている。出力デバイス624は、例えば、表示装置(例えば、液晶ディスプレイ、陰極線管ディスプレイ(CRT)、プリンタ、および/またはスピーカー)を用いて実装可能である。このように、インターフェース回路620は通常グラフィックスドライバーカードを含む。
【0059】
また、インターフェース回路620は、モデムまたはネットワークインターフェースカードのような通信機器を備え、ネットワーク626を介して外部のコンピュータとのデータのやり取りを促進する(例えば、Ethernet接続、デジタル加入者回線(DSL)、電話回線、同軸ケーブル、携帯電話システム等)。
【0060】
また、コンピュータ600は、ソフトウェアおよびデータを記憶するための1つ以上の大容量ストレージデバイス628を備える。このような大容量ストレージデバイス628の例としては、フロッピーディスクドライブ、ハードドライブディスク、コンパクトディスクドライブ、およびデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブが挙げられる。大容量ストレージデバイス628は、ローカルストレージデバイスを実装可能である。
【0061】
方法を実装するための
図4および5のコード化された命令632は、大容量ストレージデバイス628、揮発性メモリ614、不揮発性メモリ616、および/または、CDま
たはDVDなどの取り外し可能な記憶媒体に記憶することが可能である。
【0062】
これによって、上記の開示された方法、装置、製造物品がプロセス制御デバイスの自動較正を可能にすることが理解されるであろう。その結果、プロセス制御デバイスを較正するためのユーザ入力が不要となり、ユーザに起因するエラーの可能性を削減できる。
【0063】
所定の例示的方法、装置、および製造物品が本明細書で説明されているが、本特許が網羅する範囲をこれらに限定するものではない。反対に、本特許は、本特許の請求項の範囲内に適正に収まる全ての方法、装置、製造物品を網羅するものである。