【文献】
「[パチ王伝 新台情報]CR牙狼 魔戒閃騎 鋼 演出」,YouTube,2012年 3月23日,主に0:03〜0:06を参照。,URL,https://www.youtube.com/watch?v=NV2WDPC63Tg
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
<遊技機の構成>
図1は、本実施形態に係る遊技機の一例を示した正面図、
図2は、本実施形態に係る遊技機の裏面側の一例を示した斜視図、
図3は、本実施形態に係る遊技機に備えられている遊技制御装置の構成を示したブロック図である。
【0009】
この
図1に示す遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠2に内枠(開閉枠)3が開閉可能に装着され、この内枠3にガラス枠4が開閉可能に装着されている。
ガラス枠4には窓4aが形成され、その窓4aに透明板4bが装着されている。内枠3には遊技球が打出される盤面を有する遊技盤10が装着され、この遊技盤10の盤面とその前側の透明板4bとの間に遊技球が転動、流下可能な遊技領域10aが形成されている。透明板4bは、例えばガラス板であり、ガラス枠4に対して着脱可能に固定されている。
【0010】
またガラス枠4は、左右方向の一端側(例えば遊技機に正対して左側)においてヒンジ機構部5を介して外枠2に連結されており、ヒンジ機構部5を支点として左右方向の他端側(例えば遊技機に正対して右側)を外枠2から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠4は、ガラス板4bとともに遊技盤10を覆い、ヒンジ機構部5を支点として扉のように回動することによって、遊技盤10を含む外枠2の内側部分を開放することができる。ガラス枠4の他端側には、ガラス枠4の他端側を外枠2に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠4には、ガラス枠4が外枠2から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ136(
図3参照)が設けられている。
【0011】
ガラス枠4の下部(窓4aの下側部分)には、遊技球を貯留する貯留皿6(上皿6aと下皿6b)を有する皿ユニット7が設けられ、その皿ユニット7に、遊技者が押下操作可能な演出ボタン8と、遊技者が種々の選択操作を実行可能な十字キー40と、下皿6bに貯留された遊技球を遊技機外部へ排出する排出ボタン9とが装備されている。
演出ボタン8は、例えば、後述する画像表示装置31に当該演出ボタン8を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。演出ボタン8には、演出ボタン検出スイッチ8a(
図3参照)が設けられており、この演出ボタン検出スイッチ8aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
【0012】
ガラス枠4の右下側には、操作ハンドル11が設けられている。操作ハンドル11は、遊技者が操作ハンドル11に触れると、操作ハンドル11内にあるタッチセンサ11a(
図3参照)が、操作ハンドル11に遊技者が触れたことを検知し、後述する発射制御基板160にタッチ信号を送信する。発射制御基板160は、タッチセンサ11a(
図3参照)からタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド12aの通電を許可する。そして、操作ハンドル11の回転角度を変化させると、操作ハンドル11に直結しているギアが回転し、ギアに連結した発射ボリューム11b(
図3参照)のつまみが回転する。この発射ボリューム11bの検出角度に応じた電圧が、遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド12aに印加される。そして、発射用ソレノイド12a(
図3参照)に電圧が印加されると、発射用ソレノイド12aが印加電圧に応じて作動するとともに、操作ハンドル11の回動角度に応じた強さで遊技球が遊技盤10の遊技領域10aへ発射される。
【0013】
遊技盤10における遊技領域10aの周囲には、外レールR1及び内レールR2が設けられている。これら外レールR1及び内レールR2は、操作ハンドル11を操作したときに遊技球発射機構から発射された遊技球を遊技領域10aの上部に案内する。遊技領域10aの上部に案内された遊技球は、遊技領域10a内を落下する。このとき、遊技領域10aに設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
【0014】
遊技盤10の略中央には、センター部材12が配置されている。センター部材12には、液晶表示装置等からなる画像表示装置31と、「刀」を模した演出用役物装置32が設けられている。
【0015】
また、センター部材12の中央下側の遊技領域10aには、遊技球が入球可能な第1始動口13が設けられている。そして、この第1始動口13の下方に第2始動口14が設けられている。第2始動口14は、開閉扉14bを有しており、開閉扉14bが閉状態に維持される第1の態様と、開閉扉14bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。従って、第2始動口14は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
【0016】
なお、本実施形態では、第2始動口14が第1の態様に制御されているときは、当該第2始動口14に遊技球が入球することがないようにしている。しかしながら、第2の態様に制御されているときよりも第1の態様に制御されているときの方が遊技球の入球機会が少なければ、第1の態様に制御されているときに第2始動口14に遊技球が入球しても構わない。つまり、第1の態様には、第2始動口14への遊技球の入球が不可能または困難な状態が含まれる。
【0017】
上記第1始動口13および第2始動口14には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ13a(
図3参照)および第2始動口検出スイッチ14aがそれぞれ設けられており、これら検出スイッチが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ13aおよび第2始動口検出スイッチ14aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
【0018】
なお、本実施形態の遊技機1では、第1始動口13および第2始動口14に遊技球が入球した場合、例えば3個の遊技球の払い出しを行うようにしているが、遊技球の入球に伴う払い出しは必ずしも行う必要は無い。また、例えば第1始動口13の払い出し個数を3個、第2始動口14の払い出し個数を1個といったように始動口ごとに払い出し個数を異なるように構成しても良い。
【0019】
センター部材12の両側の遊技領域10aには、遊技球が通過可能なゲート15が設けられている。ゲート15には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ15a(
図3参照)が設けられており、このゲート検出スイッチ15aが遊技球の通過を検出すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。
【0020】
さらにセンター部材12の右側の遊技領域10aには、遊技球が入球可能な第1大入賞口16および第2大入賞口17が設けられている。このため、操作ハンドル11を大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、第1大入賞口16および第2大入賞口17には遊技球が入賞しないように構成されている。
【0021】
第1大入賞口16は、通常は開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する大当たり遊技が開始されると、開閉扉16bが開放されるとともに、この開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口スイッチ16aが設けられており、この第1大入賞口スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
【0022】
第2大入賞口17は、通常は可動片17bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する大当たり遊技が開始されると、可動片17bが作動して開放されるとともに、この可動片17bが遊技球を第2大入賞口17内に導く誘導路として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。第2大入賞口17には第2大入賞口スイッチ17aが設けられており、この第2大入賞口スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
【0023】
さらに、遊技領域10aには、複数の一般入賞口18が設けられている。これら各一般入賞口18に遊技球が入賞すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
遊技領域10aの最下部には、一般入賞口18、第1始動口13、第2始動口14、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が設けられている。
【0024】
上記画像表示装置31は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動口13または第2始動口14に遊技球が入球したときには、抽選結果を遊技者に報知する演出図柄35が変動表示される。
演出図柄35というのは、例えば第1図柄(左図柄)、第2図柄(右図柄)、第3図柄(中図柄)という3つの図柄(数字)をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、特定の図柄(数字)を配列表示するものである。
これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄によって、抽選結果が遊技者に報知される。この演出図柄35の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにしている。
【0025】
また、図示しないが、画像表示装置31には、上記演出図柄35とは別に第4図柄が表示されている。第4図柄は、大当たり抽選処理による抽選結果の報知に用いる演出図柄35の変動状態を示している図柄である。
なお、第4図柄は、必ずしも画像表示装置31に表示する必要は無く、別途、第4図柄表示ランプを設けて表示するようにしても良い。
【0026】
ガラス枠4の上部には、左右1対の演出用照明装置33が装備されている。演出用照明装置33は、それぞれ複数のライトを備えており、各ライトの光の照射方向や発光色を変更しながら、さまざまな演出を行うようにしている。
【0027】
また、演出用照明装置33は、それぞれ複数のライトを備えており、各ライトの光の照射方向や発光色を変更しながら、さまざまな演出を行うようにしている。
さらに、
図1には示していないが、遊技機1にはスピーカからなる音声出力装置34(
図3参照)が設けられており、上記の各演出装置に加えて、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出も行うようにしている。
【0028】
遊技領域10aの左側下方には、後述する第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25、ラウンド回数表示器26等の表示領域28が設けられている。
【0029】
上記第1特別図柄表示装置20は、第1始動口13に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、複数のLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄(点灯態様)を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。このようにして表示される特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示(点滅)された後に、停止表示されるようにしている。
【0030】
より詳細には、第1始動口13に遊技球が入球すると、大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、所定時間を経過したところで遊技者に報知される。そして、所定時間が経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
第2特別図柄表示装置21は、第2始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
【0031】
普通図柄表示装置22は、ゲート15を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって所定の当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、上記第2始動口14が所定時間、第2の態様に制御される。なお、この普通図柄についても、ゲート15を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで、普通図柄表示装置22を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。
【0032】
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口13または第2始動口14に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで大当たりの抽選の権利が留保される。より詳細には、第1始動口13に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第1保留として留保され、第2始動口14に遊技球が入球して留保される大当たりの抽選の権利は第2保留として留保される。
これら両保留は、それぞれ上限留保個数を4個に設定し、その留保個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。
【0033】
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、上記第1特別図柄保留表示器23および第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
ラウンド回数表示器26は、後述する特別遊技中に行われるラウンド遊技のラウンド回数を報知するためのものである。
【0034】
図2に示すように、遊技機1の裏面には、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板27などが設けられている。また、電源基板170に遊技機に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている。
【0035】
次に、演出ボタン8について説明する。
演出ボタン8は、皿ユニット7の中央部分に組込まれている。
演出ボタン8は、図示しない通常操作位置と、通常操作位置よりも下方へ退入した押下位置と、通常操作位置よりも上方へ突出した突出操作位置とに亙って進退可能に構成されている。また、演出ボタン8は通常操作位置及び突出操作位置を含む任意の位置から押下位置へ押下操作可能に構成されている。
なお、本明細書では演出ボタン8の詳細な構造については、例えば特開2013−116168公報等に開示されているので説明を省略する。
【0036】
<遊技制御装置の構成>
次に、
図3を用いて、本実施形態の遊技機1において遊技の進行を制御する遊技制御装置について説明する。
この
図3において、主制御基板110は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板110は、メインCPU111、メインROM112、メインRAM113から構成されるワンチップマイコン114と、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)とを少なくとも備えている。
メインCPU111は、各検出スイッチからの入力信号に基づいて、メインROM112に格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM113は、メインCPU111の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0037】
上記主制御基板110の入力側には、第1始動口検出スイッチ13a、第2始動口検出スイッチ14a、ゲート検出スイッチ15a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、一般入賞口検出スイッチ18aが接続されており、遊技球の検出信号を主制御基板110に入力するようにしている。
【0038】
また、主制御基板110の出力側には、第2始動口14の開閉扉14bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド14c、第1大入賞口16の開閉扉16bを開閉動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口17の可動片17bを開閉動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17cが接続されている。
さらに、主制御基板110の出力側には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25、およびラウンド回数表示器26が接続されており、出力ポートを介して各種信号を出力するようにしている。
また、主制御基板110は、遊技店のホールコンピュータ等において遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を遊技情報出力端子板27に出力する。
【0039】
主制御基板110のメインROM112には、後述する遊技制御用のプログラムや各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板110のメインRAM113は、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM113には、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技回数(J)記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、第1大入賞口入球数(C1)記憶領域、第2大入賞口入球数(C2)記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域等が設けられている。そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図特電処理データ記憶領域、普図普電処理データ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域は一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
【0040】
遊技情報出力端子板27は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板27は、主制御基板110と配線接続されるとともに、遊技店のホールコンピュータ等に接続をするためのコネクタが設けられている。
【0041】
電源基板170は、電源プラグ171から供給される電源電圧を所定電圧に変換して各制御基板に供給する。また、電源基板170はコンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU111は動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU111は動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
【0042】
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板120は、サブCPU121、サブROM122、サブRAM123を備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPU121は、主制御基板110から送信されたコマンド、または、ランプ制御基板140を介して入力される演出ボタン検出スイッチ8aからの入力信号に基づいて、サブROM122に格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。サブRAM123は、サブCPU121の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0043】
演出制御基板120のサブROM122には、演出制御用のプログラムや各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル(図示省略)、停止表示する演出図柄35の組み合わせを決定するための演出図柄パターン決定テーブル(図示省略)等がサブROM122に記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
【0044】
演出制御基板120のサブRAM123は、複数の記憶領域を有している。
サブRAM123には、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域、判定記憶領域(第0記憶領域)、第1保留記憶領域、第2保留記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
【0045】
また、演出制御基板120には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)124が搭載されている。サブCPU121は、RTC124から現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時に基づいて各種処理を実行する。
RTC124は、通常、遊技機に電源が供給されているときには遊技機からの電源によって動作し、遊技機の電源が切られているときには、電源基板170に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。したがって、RTC124は、遊技機の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC124は、演出制御基板120上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。
【0046】
払出制御基板130は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、払出CPU131、払出ROM132、払出RAM133を備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPU131は、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ135、扉開放スイッチ136からの入力信号に基づいて、払出ROM132に格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。
【0047】
また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ134が接続されている。払出CPU131は、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROM132から所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ134を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM133は、払出CPU131の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、図示しない遊技球貸出装置(カードユニット)が払出制御基板130に接続されているか確認し、遊技球貸出装置(カードユニット)が接続されていれば、発射制御基板160に遊技球を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
【0048】
発射制御基板160は、払出制御基板130から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ11aからのタッチ信号および発射ボリューム11bからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド12aおよび球送りソレノイド12bを通電制御し、遊技球を発射させる。
【0049】
発射用ソレノイド12aは、ロータリーソレノイドにより構成されている。発射用ソレノイド12aには、図示しない打出部材が直結されており、発射用ソレノイド12aが回転することで打出部材を回転させる。
ここで、発射用ソレノイド12aの回転速度は、発射制御基板160に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技球数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
球送りソレノイド12bは、直進ソレノイドにより構成され、上皿6a(
図1参照)にある遊技球を発射用ソレノイド12aに直結された打出部材に向けて1個ずつ送り出す。
【0050】
ランプ制御基板140は、上記演出制御基板120に双方向通信可能に接続されており、その入力側には演出ボタン8に設けられている演出ボタン検出スイッチ8aが接続されており、演出ボタン検出スイッチ8aから検出信号が入力された場合は、演出制御基板120に出力するようにしている。
また、ランプ制御基板140には、遊技盤10に設けられた演出用役物装置32や演出用照明装置33が接続されており、ランプ制御基板140は、演出制御基板120から送信されたデータに基づいて、演出用照明装置33を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用役物装置32を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。なお、本実施形態では、演出ボタン8が突出するように構成されているので演出役物装置32は演出ボタン8を含む。
【0051】
画像制御基板150は、上記演出制御基板120に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記画像表示装置31および音声出力装置34を接続している。
【0052】
<画像制御基板の構成>
ここで、
図4を用いて画像制御基板150の構成について説明する。
図4は、画像制御基板の構成を示したブロック図である。
画像制御基板150は、画像表示装置31の画像表示制御を行うためホストCPU151、ホストRAM152、ホストROM153、CGROM154、水晶発振器155、VRAM156、VDP(Video Display Processor)200と、を備えている。
また、後述するようにVDP200は、遊技機における音声出力を制御するための音声制御回路300を含んでいる。
【0053】
ホストCPU151は、演出制御基板120から受信した後述する演出パターン指定コマンドに基づいて、VDP200にCGROM154に記憶されている画像データを画像表示装置31に表示させる指示を行う。かかる指示は、VDP200の制御レジスタ201におけるデータの設定、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの出力によって行われる。
また、ホストCPU151は、VDP200からVブランク割込信号や描画終了信号を受信すると、適宜割り込み処理を行う。
【0054】
さらに、ホストCPU151は、VDP200に含まれる音声制御回路300にも、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置34に出力させる指示を行う。
ホストRAM152は、ホストCPU151に内蔵されており、ホストCPU151の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、ホストROM153から読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
【0055】
また、ホストROM153は、マスクROMで構成されており、ホストCPU151の制御処理のプログラム、演出図柄の図柄番号と演出図柄35の種類とを対応付けた図柄配列情報、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法等などの情報を記憶している。
【0056】
CGROM154は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。なお、前記画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。
さらに、CGROM154には、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM154は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
また、CGROM154には、後述するように音声データも多数格納されている。
【0057】
水晶発振器155は、パルス信号をVDP200のクロック生成回路205に出力し、このパルス信号を分周することで、クロック生成回路205にてVDP200が制御を行うためのシステムクロック、画像表示装置31と同期を図るための同期信号等が生成される。
【0058】
VRAM156は、画像データの書込みまたは読み出しが高速なSRAMで構成されている。
また、VRAM156は、ホストCPU151から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するディスプレイリスト記憶領域156aと、伸長回路206により伸長された画像データを記憶する展開記憶領域156bと、画像を描画または表示するための第1フレームバッファ156c、第2フレームバッファ156dと、を有している。また、VRAM156には、パレットデータも記憶される。
なお、2つのフレームバッファ156c、156dは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。
【0059】
VDP200は、いわゆる画像プロセッサであり、ホストCPU151からの指示に基づいて、いずれかのフレームバッファ(表示用フレームバッファ)から画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいて、映像信号(RGB信号等)を生成して、画像表示装置に出力するものである。
ただし、本実施形態の遊技機において、VDP200は単に画像プロセッサであるに留まらず、音声出力機能を有している。
また、VDP200は、制御レジスタ201と、CGバスI/F202と、CPUI/F203と、クロック生成回路205と、伸長回路206と、描画回路207と、表示回路208と、メモリコントローラ209と、音声制御回路300と、を備えている。
【0060】
制御レジスタ201は、VDP200が描画や表示の制御を行うためレジスタであり、制御レジスタ201に対するデータの書き込みと読み出しで、描画の制御や表示の制御が行われる。ホストCPU151は、CPUI/F203を介して、制御レジスタ201に対するデータの書き込みと読み出しを行うことができる。
この制御レジスタ201は、VDP200が動作するために必要な基本的な設定を行うシステム制御レジスタと、データの転送に必要な設定をするデータ転送レジスタと、描画の制御をするための設定をする描画レジスタと、バスのアクセスに必要な設定をするバスインターフェースレジスタと、圧縮された画像の伸長に必要な設定をする伸長レジスタと、表示の制御をするための設定をする表示レジスタと、6種類のレジスタを備えている。
【0061】
CGバスI/F202は、CGROM154との通信用のインターフェース回路であり、CGバスI/F202を介して、CGROM154からの画像データがVDP200に入力される。
また、CPUI/F203は、ホストCPU151との通信用のインターフェース回路であり、CPUI/F203を介して、ホストCPU151がVDP200にディスプレイリストを出力したり、制御レジスタにアクセスしたり、VDP200からの各種の割込信号をホストCPU151が入力したりする。
【0062】
データ転送回路204は、各種デバイス間のデータ転送を行う。
具体的には、ホストCPU151とVRAM156とのデータ転送、CGROM154とVRAM156とのデータ転送、VRAM156の各種記憶領域(フレームバッファも含む)の相互間のデータ転送を行う。
クロック生成回路205は、水晶発振器155よりパルス信号を入力し、VDP200の演算処理速度を決定するシステムクロックを生成する。また、同期信号生成用クロックを生成し、表示回路を介して同期信号を画像表示装置に出力する。
【0063】
伸長回路206は、CGROM154に圧縮された画像データを伸長するための回路であり、伸長した画像データを展開記憶領域153bに記憶させる。
描画回路207は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストによるシーケンス制御を行う回路である。
【0064】
表示回路208は、VRAM156にある「表示用フレームバッファ」に記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像の色データを示すRGB信号(アナログ信号)を生成し、生成した映像信号(RGB信号)を画像表示装置31に出力する回路である。さらに、表示回路208は、画像表示装置31と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も画像表示装置31に出力する。
なお、本実施形態では、映像信号として、デジタル信号をアナログ信号に変換したRGB信号を画像表示装置31に出力するように構成したが、デジタル信号のまま映像信号を出力してもよい。
【0065】
メモリコントローラ209は、ホストCPU151からフレームバッファ切換えの指示があると、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とを切り替える制御を行うものである。
音声制御回路300は、演出制御基板120から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置34における音声出力制御をする。
音声制御回路300は、CGROM154に格納されたに格納された音声データを用いて音声を出力する。この場合、CGROM154は、音声データを格納するための音声ROM400を含むものとする。
【0066】
なお、音声データは、CGROM154に格納するのではなく、音源ROM400を、VDP154に別途設けても良い。
この場合、容量が固定化されたCGROM154に音声データを格納せず、より多くの画像データを格納することが出来るため、映像を用いた演出をより多彩且つ印象深いものとすることが出来る。
【0067】
また、音声制御回路300は、VDP200に含まれず、画像制御基板150内で、独立して設けられていても良い。その場合、音源ROM400は、音声制御回路300に含まれていても良い。
【0068】
<主制御基板>
次に、本実施形態のパチンコ機1の主制御基板である主制御基板110が実行する各種動作について説明する。
図5は、パチンコ機1の主制御基板110において取得される各種乱数の説明図であり、(a)は特別図柄判定用乱数、(b)は大当たり図柄判定用乱数、(c)はリーチ判定用乱数、(d)は補助図柄判定用乱数の一例を夫々示した図である。
主制御基板110では、
図5(a)に示す特別図柄判定用乱数と
図5(b)に示す大当たり図柄判定用乱数とにより特別図柄が決定される。また、
図5(d)に示す補助図柄判定用乱数により補助図柄が決定される。
【0069】
図5(a)に示す特別図柄判定用乱数は、始動口入賞時、例えば「0」〜「299」までの300個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。
図5(a)に示す特別図柄判定用乱数の場合、低確率遊技状態(通常遊技状態)では、大当たりの割合が1/300に設定され、取得した特別図柄判定用乱数値が「3」のときに大当たりと判定される。
一方、高確率遊技状態では、大当たりの割合が、例えば低確率遊技状態の10倍である10/300に設定され、取得した特別図柄判定用乱数値が「3」、「7」、「37」、「67」、「97」、「127」、「157」、「187」、「217」、「247」のときに大当たりと判定される。また、
図5(a)に示す特別図柄判定用乱数では、ハズレの一種である小当たりの抽選も行っている。ここでは、小当たりの割合が3/300に設定され、取得した特別図柄判定用乱数値が「150」、「200」、「250」のときに小当たりと判定される。
【0070】
次に、
図5(b)に示す大当たり図柄判定用乱数は、「0」〜「249」までの250個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。そして取得した大当たり図柄判定用乱数値に基づいて、複数種類の大当たりの中から何れか1つの大当たりを決定する。
本実施形態では、複数種類の大当たりとして、通常時短付き長当たり、通常時短付き短当たり、高確率時短付き長当たり、高確率時短付き短当たり、高確率時短無し短当たりが用意されている。
なお、時短遊技状態とは、通常遊技状態よりも第2始動口14に遊技球が入賞し易い遊技状態をいう。即ち、後述する所定条件が成立したときに第2始動口14の第2始動口開閉扉14bを遊技球が入賞し難い閉状態から遊技球が入賞し易い開状態に変化させることにより、第2始動口14への遊技球の入球確率を高めた第2始動口開閉扉14bの開放サポートを伴う遊技状態をいう。
【0071】
通常時短付き長当たりは、大当たり遊技時における第1大入賞口16または第2大入賞口17の開放時間が比較的長く、比較的大量の出球の払い出しが期待できると共に、大当たり遊技終了後、特別図柄が所定回数(例えば100回)変動するまでの期間、時短遊技を付与する大当たりである。
通常時短付き短当たりは、大当たり遊技時における第1大入賞口16または第2大入賞口17の開放時間が短く出球の払い出しは期待できないものの、大当たり遊技終了後、特別図柄が所定回数(例えば100回)変動するまでの期間、時短遊技を付与する大当たりである。
【0072】
高確率時短付き長当たりは、大当たり遊技時における第1大入賞口16または第2大入賞口17の開放時間が長く最も大量の出球の払い出しが期待できると共に、大当たり遊技終了後に大当たりの当選確率を高めた高確率遊技と時短遊技の両方を付与する大当たりである。
高確率時短付き短当たりは、大当たり遊技時における第1大入賞口16または第2大入賞口17の開放時間が短く出球の払い出しは期待できないものの、大当たり遊技終了後に大当たりの当選確率を高めた高確率遊技と時短遊技の両方を付与する大当たりである。
高確率時短無し短当たりは、大当たり遊技時における第1大入賞口16または第2大入賞口17の開放時間が短く出球の払い出しは期待できないものの、大当たり遊技終了後に大当たりの当選確率を高めた高確率遊技を付与する大当たりである。
【0073】
また、本実施形態のパチンコ機1では、第1始動口13に遊技球が入球した場合と第2始動口14に遊技球が入球した場合とでは、一部の種類の大当たりについては選択される割合が異なるように構成されている。
例えば、通常時短付き長当たりが選択される割合は、第1始動口13に遊技球が入賞した場合と第2始動口14に遊技球が入賞した場合のいずれも35/250で同一とされる。同様に通常時短付き短当たりが選択される割合は、第1始動口13に遊技球が入賞した場合と第2始動口14に遊技球が入賞した場合のいずれも15/250で同一とされる。
具体的には、
図5(b)に示すように、第1始動口13または第2始動口14に遊技球が入賞した時に取得された大当たり図柄判定用乱数値が「0」〜「34」であれば、通常時短付き長当たりが選択され、「35」〜「49」であれば、通常時短付き短当たりが選択される。
【0074】
一方、高確率時短付き長当たり及び高確率時短付き短当たりが選択される割合は、第1始動口13に遊技球が入賞した場合と、第2始動口14に遊技球が入賞した場合で異なり、例えば高確率時短付き長当たりが選択される割合は、第1始動口13に遊技球が入賞した場合は25/250、第2始動口14に遊技球が入賞した場合は175/250とされる。
また、高確率時短付き短当たりが選択される割合は、第1始動口13に遊技球が入賞した場合は75/250、第2始動口14に遊技球が入賞した場合は25/250とされる。
また、高確率時短無し短当たりが選択される割合は、第1始動口13に遊技球が入賞した場合のみ100/250とされる。
具体的には、第1始動口13に遊技球が入賞した時に取得された大当たり図柄判定用乱数値が「50」〜「74」であれば、高確率時短付き長当たりが選択され、「75」〜「149」であれば、高確率時短付き短当たりが選択され、「150」〜「249」であれば、高確率時短無し短当たりが選択される。
これに対して、第2始動口に遊技球が入賞した時に取得された大当たり図柄判定用乱数値が「50」〜「224」であれば、高確率時短付き長当たりが選択され、「225」〜「249」であれば、高確率時短付き短当たりが選択される。
【0075】
また、
図5(c)に示すリーチ判定用乱数は、始動入賞時、「0」〜「249」までの250個の乱数の中から一つの乱数値を取得し、取得したリーチ判定用乱数値が「0」〜「21」のときに「リーチ有り」、取得したリーチ判定用乱数値が「22」〜「249」のときに「リーチ無し」と判定する。
【0076】
また、
図5(d)に示す補助図柄判定用乱数は、ゲート通過時、「0」〜「9」までの10個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。
そして、時短フラグと高確フラグが共にOFFとなる低確率遊技状態または時短フラグがOFFで高確フラグがONとなる高確率時短無し遊技状態のときは取得した補助図柄判定用乱数値が「7」のときのみ当たりと判定する。
一方、時短フラグがON、高確フラグがOFFとなる低確率時短遊技状態、又は時短フラグと高確フラグが共にONとなる高確率時短遊技状態のときは、取得した補助図柄判定用乱数値が「0」〜「9」のときに当たりと判定する。
【0077】
次に、本実施形態に係るパチンコ機1の主制御基板110が実行する主要な処理について説明する。なお、以下に説明する処理は、主制御基板110のCPU212がROM213に格納されているプログラムを実行することにより実現することができる。なお、乱数更新処理については説明を省略する。
【0078】
[タイマ割込処理]
図6は、主制御基板のCPUが実行するタイマ割込処理の一例を示したフローチャートである。
CPU212は、タイマ割込処理として、乱数更新処理(S10)、始動口SW処理(S20)、ゲートSW処理(S30)、特別図柄処理(S40)、客待ち設定処理(S50)、補助図柄処理(S60)、大入賞口処理(S70)、第2始動口開放処理(S80)等を実行する。
【0079】
次に、上記タイマ割込処理として実行される各種処理について説明する。
[始動口SW処理]
図7は、主制御基板のCPUが実行する始動口SW処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、CPU212は、ステップS101において、第1始動口13の第1始動口SW13aがオンであるか否かの判定を行い、第1始動口SW13aがオンであると判定した場合は、ステップS102において、第1始動口SW13aの保留個数U1が「4」より少ないか否かの判定を行う。
【0080】
ここで、保留個数U1が「4」より少ないと判定した場合は、ステップS103において、保留個数U1に「1」を加算する。この後、ステップS104において、特別図柄用の特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数値及び変動パターン乱数値等を取得して、RAM214に格納する。
なお、本実施形態では、変動パターン乱数値が180個(0〜179)用意されているものとする。
【0081】
次いで、CPU212は、ステップS105において、第1特別図柄保留表示器23に表示する保留数を増加させると共に、第1保留数増加コマンドをセットする。CPU212は、第1保留数増加コマンドがセットされたら、演出制御基板120に対して第1保留数増加コマンドを送信する。なお、ステップS102において、否定結果が得られた場合、つまり保留個数U1が最大保留可能個数である「4」と判定した場合は、ステップS103〜S105の処理をスキップしてステップS106に進む。
【0082】
次に、CPU212は、ステップS106において、第2始動口14の第2始動口SW14aがオンであるか否かの判定を行い、第2始動口SW14aがオンであると判定した場合は、ステップS107において、第2始動口SW14aの保留個数U2が「4」より少ないか否かの判定を行う。
ここで、保留個数U2が「4」より少ないと判定した場合は、ステップS108において、保留個数U2に「1」を加算する。この後、ステップS109において、特別図柄用の特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数値、及び変動パターン乱数値等を取得して、RAM214に格納する。
【0083】
次いで、CPU212は、ステップS110において、第2特別図柄保留表示器24の保留数を増加させると共に、第2保留数増加コマンドをセットする。CPU212は、第2保留数増加コマンドがセットされたら、演出制御基板120に対して第2保留数増加コマンドを送信して、始動口SW処理を終了する。なお、ステップS107において、否定結果が得られた場合、つまり保留個数U2が最大保留可能個数である「4」と判定した場合は、始動口SW処理を終了する。
【0084】
[ゲートSW処理]
図8は、主制御基板のCPUが実行するゲートSW処理の一例を示したフローチャートである。
CPU212は、ステップS121において、ゲート15のゲートSW15aがオンであるか否かの判定を行い、ゲートSW15aがオンであると判定した場合は、ステップS122において、ゲートSW15aのゲート通過回数Gが「4」より少ないか否かの判定を行う。
【0085】
ステップS122において、ゲート通過回数Gが「4」より少ないと判定した場合は、ステップS123において、ゲート通過回数Gに「1」を加算し、続くステップS124において、補助図柄判定用の乱数を取得してRAM214に格納して、ゲートSW処理を終了する。
なお、ステップS121において、ゲートSW15aがオンでないと判定した場合、或いはステップS122において、否定結果が得られた場合、つまりゲート通過回数Gが最大保留可能個数である「4」と判定した場合は、ゲートSW処理を終了する。
【0086】
[特別図柄処理]
図9は、主制御基板のCPUが実行する特別図柄処理の一例を示したフローチャートである。
CPU212は、ステップS131において、特別遊技フラグがONであるか否か、つまり大当たり遊技中または小当たり遊技中であるか否かの判定を行い、大当たり遊技中または小当たり遊技中でないと判定した場合は、続くステップS132において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の特別図柄が変動中であるか否かの判定を行う。
ステップS132において、特別図柄が変動中でないと判定した場合は、次にステップS133において、優先的に消化する第2始動口SW14aの保留個数U2が「1」より多いか否かの判定を行い、ステップS133において、保留個数U2が「1」より多いと判定した場合は、ステップS134において、保留個数U2を「1」減算する。
【0087】
一方、ステップS133において、保留個数U2が≧1でないと判定した場合、つまり保留個数U2が「0」である場合は、次にステップS135において、第1始動口SW13aの保留個数U1が「1」より多いか否かの判定を行い、ステップS135において、保留個数U1が「1」より多いと判定した場合は、続くステップS136において、保留個数U1を「1」減算する。
【0088】
次に、CPU212は、ステップS137において、客待ちフラグがONであればOFFにした後、ステップS138において、後述する特別遊技判定処理(
図11)を実行する。ステップS138における特別遊技判定処理実行後は、ステップS139において、後述する変動パターン選択処理(
図12)を実行する。ステップS139における変動パターン選択処理実行後は、ステップS140において、対応する第1特別図柄表示装置20、または第2特別図柄表示装置21の図柄変動を開始させると共に、続くステップS141において、演出制御基板120に送信する変動開始コマンドをセットする。
変動開始コマンドには、特別図柄の変動時間を示した変動パターンコマンド、大当たり抽選の抽選結果を示す大当たりまたは小当たりコマンド、大当たり図柄の抽選結果を示す大当たり図柄コマンド、リーチ抽選の抽選結果を示すリーチコマンド、現在の遊技状態に関する遊技状態コマンド等が含まれる。
【0089】
次に、CPU212は、ステップS142において、第1または第2特別図柄の変動時間が所定の変動時間を経過したか否かの判定を行う。
ステップS142において、所定の変動時間を経過したと判定した場合は、続くステップS143において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動を停止して所定特別図柄を表示させる。
この後、ステップS144において、変動停止コマンドをセットし、続くステップS145において、後述する停止中処理(
図14)を実行して特別図柄処理を終了する。
【0090】
なお、ステップS131において、特別遊技フラグがONであると判定した場合、或いはステップS142において、特別図柄の変動時間が所定の変動時間に達していないと判定した場合は、特別図柄処理を終了する。
また、ステップS132において、特別図柄が変動中であると判定した場合は、ステップS142に進み、特別図柄の変動時間が所定の変動時間を経過したか否かの判定を行う。
また、ステップS135において、保留個数U1が≧1でないと判定した場合、つまり保留個数U1、U2の保留が無いと判定した場合は、ステップS146において、
図10に示す客待ち設定処理に実行して特別図柄処理を終了する。
【0091】
[客待ち設定処理]
図10は、主制御基板のCPUが実行する客待ち設定処理の一例を示したフローチャートである。
CPU212は、ステップS151において、客待ちフラグがONであるか否かの判定を行い、客待ちフラグがONであると判定した場合は、客待ち設定処理を終了する。
一方、ステップS151において、客待ちフラグがONでないと判定した場合は、ステップS152において、客待ちコマンドをセットし、続くステップS153において、客待ちフラグをONにしてから客待ち設定処理を終了する。
なお、客待ちフラグは、大当たり状態でなく、また特別図柄の保留が無い状態が所定期間継続したときに、OFFからONになる。
【0092】
[特別遊技判定処理]
図11は、主制御基板のCPUが実行する特別遊技判定処理の一例を示したフローチャートである。
CPU212は、ステップS161において、RAM214に記憶された特別図柄判定用乱数値の判定を行い、続くステップS162において、大当たりに当選したか否かの判定を行う。
ステップS162において、大当たりに当選したと判定した場合は、続くステップS163において、RAM214に記憶された大当たり図柄判定用乱数値の判定を行い、ステップS164において、その判定結果に基づいて、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に表示する大当たり図柄を設定して、特別遊技判定処理を終了する。
【0093】
一方、ステップS162において、大当たりに当選していないと判定した場合は、次にステップS165において、特別図柄判定用乱数値に基づいて小当たりに当選したか否かの判定を行う。
ステップS165において、小当たりに当選したと判定した場合は、続くステップS166において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に表示する小当たり図柄を設定して、特別遊技判定処理を終了する。
また、ステップS165において、小当たりに当選していない判定した場合は、ステップS167において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に表示するハズレ図柄を設定して特別遊技判定処理を終了する。
【0094】
[変動パターン選択処理]
図12は、主制御基板のCPUが実行する変動パターン選択処理の一例を示したフローチャートである。
CPU212は、先ず、ステップS171において、時短遊技状態であることを示す時短フラグがONであるか否かの判定を行う。ステップS171において、時短フラグがONであると判定した場合は、続くステップS172において、変動パターンテーブルとして、時短遊技状態用テーブルをセットしてステップS174に進む。
【0095】
一方、ステップS171において、時短フラグがONでないと判定した場合は、ステップS173において、変動パターンテーブルとして、非時短遊技状態用テーブルをセットしてステップS174に進む。
次に、CPU212は、ステップS174において、先に取得した変動パターン乱数値の判定を行い、続くステップS175において、セットされた変動パターンテーブルと変動パターン乱数値とに基づいて、変動パターンの設定を行って、変動パターン選択処理を終了する。
【0096】
図13は、変動パターンテーブルの一例を示した図であり、(a)は非時短遊技状態用変動パターンテーブル、(b)は時短遊技状態用変動パターンテーブルの一例を夫々示した図である。
【0097】
先ず、
図13(a)に示す非時短遊技状態用変動パターンテーブルについて説明する。
図13(a)に示す非時短遊技状態用変動パターンテーブルでは、特別図柄判定用乱数値が「3」の大当たりであって、変動パターン乱数値が「0〜89」のときは、変動時間が90秒と長い変動パターン1が選択される。変動パターン1が選択された場合はリーチAを伴う当たり演出が行われる。
【0098】
また特別図柄判定用乱数値が「3」の大当たりであって、変動パターン乱数値が「90〜179」のときは、変動時間が60秒とされる変動パターン2が選択される。変動パターン2が選択された場合はリーチBを伴う当たり演出が行われる。
また特別図柄判定用乱数値が「150、200、250」の小当たりの場合は、選択される変動パターン乱数値「0〜179」に関わらず、変動時間が60秒とされる変動パターン3を選択する。変動パターン3が選択された場合はチャンス演出が行われる。
【0099】
次に、特別図柄判定用乱数値が「3、150、200、250」以外のハズレであって遊技状態が非時短遊技状態の場合について説明する。
特別図柄判定用乱数値がハズレの場合は、第1特別図柄の保留球数、リーチ判定用乱数値、変動パターン乱数値等に基づいて変動パターンが決定される。
具体的には、第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「0〜2」であって、リーチ判定用乱数値が「22〜249」のリーチ無しの場合は、選択される変動パターン乱数値「0〜179」に関わらず、変動時間が12秒とされる変動パターン4を選択する。変動パターン4が選択された場合は通常変動Aの演出が行われる。
【0100】
一方、第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「0〜2」であって、リーチ判定用乱数値が「0〜21」のリーチ有りで、変動パターン乱数値が「0〜29」の場合は、変動時間が90秒とされる変動パターン5を選択する。変動パターン5が選択された場合はリーチAを伴うハズレ演出が行われる。
また、第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「0〜2」であって、リーチ判定用乱数値が「0〜21」のリーチ有りで、変動パターン乱数値が「30〜179」の場合は、変動時間が30秒とされる変動パターン6を選択する。変動パターン6が選択された場合はリーチBを伴うハズレ演出が行われる。
【0101】
次に、第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「3」であって、リーチ判定用乱数値が「22〜249」のリーチ無しの場合は、選択される変動パターン乱数値「0〜179」に関わらず、変動時間が8秒とされる変動パターン7を選択する。変動パターン7が選択された場合は通常変動Bの演出が行われる。
また第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「3」であって、リーチ判定用乱数値が「0〜21」のリーチ有りで、変動パターン乱数値が「0〜29」の場合は、上記した変動時間が90秒とされる変動パターン5を選択する。
また第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「3」であって、リーチ判定用乱数値が「0〜21」のリーチ有りで、変動パターン乱数値が「30〜179」の場合は、上記した変動時間が30秒とされる変動パターン6を選択する。
【0102】
また、第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「4〜8」であって、リーチ判定用乱数値が「22〜249」のリーチ無しの場合は、選択される変動パターン乱数値「0〜179」に関わらず、変動時間が4秒とされる変動パターン8を選択する。変動パターン8が選択された場合は短縮変動Aの演出が行われる。
また、第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「4〜8」であって、リーチ判定用乱数値が「0〜21」のリーチ有りで、変動パターン乱数値が「0〜29」の場合は、上記した変動時間が90秒とされる変動パターン5が選択される。
また、第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「4〜8」であって、リーチ判定用乱数値が「0〜21」のリーチ有りで、変動パターン乱数値が「30〜179」の場合は、上記した変動時間が30秒とされる変動パターン6が選択される。
【0103】
次に、
図13(b)に示す時短遊技状態用変動パターンテーブルについて説明する。なお、
図13(b)に示す時短遊技状態用変動パターンテーブルは、大当たりまたは小当たり時における変動パターンの決定方法が、
図13(a)に示す非時短遊技状態用変動パターンテーブルと同一とされるので説明は省略し、ここでは特別図柄判定用乱数値がハズレであって遊技状態が時短遊技状態の場合についてのみ説明する。
【0104】
特別図柄判定用乱数値がハズレである場合は、第2特別図柄の保留球数、リーチ判定用乱数値、変動パターン乱数値等に基づいて変動パターンが決定される。
具体的には、第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「0〜5」であって、リーチ判定用乱数値が「22〜249」のリーチ無しの場合は、選択される変動パターン乱数値「0〜179」に関わらず、変動時間が12秒とされる変動パターン4を選択する。変動パターン4が選択された場合は通常変動Aの演出が行われる。
【0105】
一方、第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「0〜5」であって、リーチ判定用乱数値が「0〜21」のリーチ有りで、変動パターン乱数値が「0〜29」の場合は変動時間が90秒とされる変動パターン5を選択する。変動パターン5が選択された場合はリーチAを伴うハズレ演出が行われる。
また、第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「0〜5」であって、リーチ判定用乱数値が「0〜21」のリーチ有りで、変動パターン乱数値が「30〜179」の場合は、変動時間が30秒とされる変動パターン6を選択する。変動パターン6が選択された場合はリーチBを伴うハズレ演出が行われる。
【0106】
一方、第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「6〜8」であって、リーチ判定用乱数値が「22〜249」のリーチ無しの場合は、選択される変動パターン乱数値「0〜179」に関わらず、変動時間が2秒とされる変動パターン9を選択する。変動パターン9が選択された場合は短縮変動Bの演出が行われる。
また、第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「6〜8」であって、リーチ判定用乱数値が「0〜21」のリーチ有りで、変動パターン乱数値が「0〜29」の場合は、上記変動パターン5が選択される。
また、第1及び第2特別図柄の合計保留球数が「6〜8」であって、リーチ判定用乱数値が「0〜21」のリーチ有りで、変動パターン乱数値が「30〜179」の場合は、上記変動パターン6が選択される。
【0107】
なお、本実施形態では、大当たり当選時、特別図柄判定用乱数値と変動パターン乱数値とに基づいて変動パターンを決定するようにしているが、これはあくまでも一例であり、特別図柄判定用乱数値と大当たり図柄判定用乱数値とに基づいて変動パターンを決定したり、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄判定用乱数値及び変動パターン乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
【0108】
[停止中処理]
図14は、主制御基板のCPUが実行する停止中処理の一例を示したフローチャートである。
CPU212は、ステップS181において、時短フラグがONであるか否かの判定を行い、時短フラグがONであると判定した場合は、続くステップS182において、RAM214に記憶されている時短ゲームの残ゲーム回数Jから「1」減算する。
【0109】
次に、CPU212は、ステップS183において、残ゲーム回数Jが「0」であるか否かの判定を行い、残ゲーム回数Jが「0」であれば、時短ゲームにおいて特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われたことを意味するので、続くステップS184において、時短フラグをOFFにする。
なお、ステップS181において時短フラグがONでないと判定した場合、或いはステップS183において、残ゲーム回数Jが「0」でないと判定した場合は、ステップS185に移行する。
【0110】
次に、CPU212は、続くステップS185において、高確フラグがONであるか否かの判定を行い、高確フラグがONであると判定した場合は、続くステップS186において、RAM214に記憶されている高確率ゲームの残ゲーム回数Xから「1」減算する。
次に、CPU212は、ステップS187において、残ゲーム回数Xが「0」であるか否かの判定を行い、残ゲーム回数Xが「0」であれば、高確率ゲームにおいて特別図柄の変動表示が所定回数(例えば10000回)行われたことを意味するので、続くステップS188において、高確フラグをOFFにする。
なお、ステップS185において、高確フラグがONでないと判定した場合、或いはステップS187において、残ゲーム回数Xが「0」でないと判定した場合は、ステップS189に移行する。
【0111】
次に、CPU212は、ステップS189において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21にセットされた特別図柄により大当たりであるか否かの判定を行い、大当たりでないと判定した場合は、次にステップS190において、セットされている特別図柄が「小当たり」であるか否かの判定を行う。ここで、小当たりであると判定した場合は、ステップS191において、小当たり遊技フラグをONにする。この後、ステップS192において、大当たりのオープニングを開始すると共に、ステップS193において、大当たりオープニングコマンドをセットして、停止中処理を終了する。
【0112】
一方、ステップS190において、小当たりでないと判定した場合は、小当たり遊技フラグをONにすることなく変動停止中処理を終了する。
また、ステップS189において、大当たりであると判定した場合は、次にステップS194において、大当たりが長当たりであるか否かの判定を行い、長当たりであると判定した場合は、ステップS195において、長当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)をONにし、そうでなければステップS196において、短当たり遊技フラグ(特別遊技フラグ)をONにする。この後、ステップS197において、時短ゲームの残ゲーム回数J、及び高確率ゲームの残回数Xを夫々「0」にセットして、残ゲーム回数J/Xをリセットした後、ステップS198において、時短フラグと高確フラグをOFFにして、ステップS192に進む。
【0113】
[補助図柄処理]
図15は、主制御基板のCPUが実行する補助図柄処理の一例を示したフローチャートである。
CPU212は、ステップS201において、補助遊技フラグがONであるか否かの判定を行い、補助遊技フラグがONであると判定した場合は、補助図柄処理を終了する。
一方、ステップS201において、補助遊技フラグがONでないと判定した場合は、ステップS202において、補助図柄が変動中であるか否かの判定を行う。ステップS202において、補助図柄が変動中でないと判定した場合は、ステップS203において、遊技球がゲートSW15aを通過した回数を記憶したゲート通過回数Gが「1」より多いか否かの判定を行い、ゲート通過回数Gが「1」より多い場合は、続くステップS204において、ゲート通過回数Gを「1」減算し、ゲート通過回数Gが「1」より多くないと判定した場合、つまり「0」の場合は、補助図柄処理を終了する。
【0114】
次に、CPU212は、ステップS205において、補助図柄判定用乱数値の判定を行い、続くステップS206において、補助図柄表示装置22に停止表示する停止図柄を設定し、ステップS207において、変動時間を設定する。
ここで、補助図柄の変動時間は、時短フラグがOFFであれば、例えば4.0秒、時短フラグがONであれば、例えば1.5秒に設定することが考えられる。
【0115】
次に、CPU212は、ステップS209において、補助図柄の変動時間が所定時間経過したか否かの判定を行い、所定の変動時間を経過したと判定した場合は、ステップS210において、変動を停止する。一方、ステップS209において、補助図柄の変動時間が所定時間経過していないと判定した場合は、補助図柄処理を終了する。
次に、CPU212は、ステップS211において、補助図柄が当たり図柄であるか否かの判定を行い、補助図柄が当たり図柄である場合は、ステップS212において、補助遊技フラグをONにして、補助図柄処理を終了する。
なお、ステップS211において、停止図柄が当たり図柄でないと判定した場合は、補助遊技フラグをONにすることなく、補助図柄処理を終了する。
また、ステップS202において、補助図柄が変動中であると判定した場合は、ステップS209に進み、補助図柄の変動時間が所定の変動時間を経過したか否かの判定を行う。
【0116】
[大入賞口処理]
図16は、主制御基板のCPUが実行する大入賞口処理の一例を示したフローチャートである。
CPU212は、ステップS221において、小当たり遊技フラグ又は特別遊技フラグがONであるか否かの判定を行い、小当たり遊技フラグ又は特別遊技フラグがONであると判定した場合は、ステップS222において、オープニング中であるか否かの判定を行う。ステップS222において、大当たりのオープニング中であると判定した場合は、次にステップS223において、オープニング時間を経過したか否かの判定を行う。ステップS223において、オープニング時間を経過したと判定した場合は、続くステップS224において、ラウンド回数Rの値に「0」をセットする共に、ラウンド回数(R数)/作動パターンの設定を行う。
【0117】
図17は、ラウンド回数/作動パターンの設定例を示した図であり、例えば特別遊技が通常時短付き長当たりであった場合は、ラウンド数(R数)を4R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定する。また大当たりが通常時短付き短当たりであった場合は、ラウンド数(R数)を2R、1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する。更に大当たりが高確率時短付き長当たりであった場合は、ラウンド数(R数)を16R、1R中の作動パターンを29.5秒開放×1回に設定し、大当たりが高確率時短付き短当たり及び高確率時短無し短当たりであった場合は、夫々ラウンド数(R数)を2R、1R中の作動パターンを0.1秒開放×1回に設定する。
また小当たりであった場合は、例えばラウンド数(R数)を1R、1R中の作動パターンを0.1秒開放×2回に設定する。
【0118】
次に、CPU212は、ステップS225において、第1大入賞口16または第2大入賞口17への1ラウンドあたりの入賞個数を示す個数カウンタCに「0」をセットすると共に、続くステップS226において、ラウンド回数Rの値に「1」を加算する。そして、続くステップS227において、第1大入賞口16または第2大入賞口17の作動を開始する。つまり、第1大入賞口16または第2大入賞口17の何れかを閉状態から開状態にする。
【0119】
次に、CPU212は、ステップS228において、第1大入賞口16または第2大入賞口17の作動時間が所定時間を経過したか否かの判定を行い、作動時間が所定時間を経過していないと判定した場合は、続くステップS229において、個数カウンタCの値が規定個数に達したか否かの判定を行う。
ステップS229において、個数カウンタCの値が規定個数Cであると判定した場合は、ステップS230において、第1大入賞口16または第2大入賞口17の作動を終了する。つまり、開状態にある第1大入賞口16または第2大入賞口17を閉状態にする。
【0120】
一方、個数カウンタCの値が規定個数に達していないと判定した場合は、大入賞口処理を終了する。
また、ステップS228において、第1大入賞口16または第2大入賞口17の作動時間が所定の作動時間を経過していた場合は、ステップS229の処理をスキップして、個数カウンタCの個数をチェックすることなく、ステップS230において、第1大入賞口16または第2大入賞口17の作動を終了する。
【0121】
次に、CPU212は、ステップS231において、大当たりラウンド回数が最大ラウンド回数Rであるか否かの判定を行う。つまり、大当たりラウンドが最終ラウンドであるか否かの判定を行う。
ステップS231において、大当たりラウンドが最終ラウンドであると判定した場合は、ステップS232において、エンディングを開始すると共に、ステップS233において、エンディングコマンドをセットする。
【0122】
次いで、CPU212は、ステップS234において、ラウンド回数Rの値を「0」にセットする。この後、ステップS235において、エンディング時間が経過したか否かの判定を行い、エンディング時間を経過したと判定した場合は、続くステップS236において、後述する遊技状態設定処理を実行する。この後、ステップS237において、特別遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する。
【0123】
また、ステップS222において、大当たりのオープニング中でないと判定した場合は、ステップS238において、エンディング中であるか否かの判定を行い、エンディング中であると判定した場合は、ステップS235に進み、エンディング中でないと判定した場合は、ステップS239において、大入賞口が作動中であるか否かの判定を行う。
【0124】
ステップS239において、第1大入賞口16または第2大入賞口17が作動中であると判定した場合は、ステップS228に移行し、第1大入賞口16または第2大入賞口17が作動中でないと判定した場合はステップS225に移行する。
なお、ステップS221において、オープニング時間を経過していないと判定した場合は、大入賞口処理を終了する。また、同様にステップS229において、個数カウンタCの値が規定個数に達していないと判定した場合や、ステップS231において大当たりラウンドが最終ラウンドでないと判定した場合、或いはステップS235においてエンディング時間を経過していないと判定した場合も、大入賞口処理を終了する。
【0125】
[遊技状態設定処理]
図18は、主制御基板のCPUが実行する遊技状態設定処理の一例を示したフローチャートである。
CPU212は、先ず、ステップS241において、小当たりであるか否かの判定を行い、小当たりであると判定した場合は、遊技状態設定処理を終了する。
一方、ステップS241において、小当たりでないと判定した場合は、次にステップS242において、通常当たり(通常時短付き長当たりまたは通常時短付き短当たり)であるか否かの判定を行い、通常当たりであると判定した場合は、ステップS243において、時短フラグをONにすると共に、ステップS244において、時短ゲームの残ゲーム回数Jに例えば「100」をセットして、遊技状態設定処理を終了する。
【0126】
また、ステップS242において、通常当たりでないと判定した場合は、高確率遊技を付与する大当たりであるので、ステップS245において、高確フラグをONにすると共に、ステップS246において、高確ゲームの残ゲーム回数Xに例えば「10000」をセットする。
【0127】
次に、CPU212は、ステップS247において、当たりが時短付き当たりであるか否かの判定を行い、時短付き当たりであると判定した場合は、ステップS248において、時短フラグをONにすると共に、ステップS249において、時短ゲームの残ゲーム回数Jに例えば「10000」をセットして、遊技状態設定処理を終了する。一方、ステップS247において、時短付き当たりでないと判定した場合、ステップS250において、時短フラグをOFFにすると共に、ステップS251において、時短ゲームの残ゲーム回数Jをリセットして、遊技状態設定処理を終了する。
【0128】
[第2始動口開放処理]
図19は、主制御基板のCPUが実行する第2始動口開放処理の一例を示したフローチャートである。
CPU212は、ステップS261において、補助遊技フラグがONであるか否かの判定を行い、補助遊技フラグがONであると判定した場合は、次にステップS262において、第2始動口開閉扉14bが作動中であるか否かの判定を行う。ステップS262において、第2始動口開閉扉14bが作動中(開放中)でなければ、ステップS263において、遊技状態に応じて第2始動口開閉扉14bの作動パターンを設定し、ステップS264において、第2始動口開閉扉14bの作動を開始する。
ここで、設定する第2始動口開閉扉14bの作動パターン(時間)は、例えば時短フラグがOFFであれば、0.15秒開放×1回、時短フラグがONであれば、1.80秒開放×3回に設定することが考えられる。
【0129】
次に、CPU212は、ステップS265において、第2始動口開閉扉14bの作動時間が所定の時間を経過したか否かの判定を行い、所定の作動時間が経過したと判定した場合は、ステップS266において、補助遊技フラグをOFFにして、第2始動口開放処理を終了する。
なお、ステップS262において、第2始動口開閉扉14bが作動中であると判定した場合は、ステップS265に移行する。
また、ステップS261において、補助遊技フラグがONでないと判定した場合、またはステップS265において、第2始動口14の作動時間が経過していないと判定した場合は、第2始動口開放処理を終了する。
【0130】
このように本実施形態のパチンコ機1では、例えば第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に表示されている特別図柄の変動が停止しているときに第1始動口13に遊技球が入球すると、この入球を契機に特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数値等を抽選により取得すると共に、第1特別図柄表示装置20の第1特別図柄を変動表示させる。そして、取得した特別図柄判定用乱数値が特別遊技に当選したと判定した場合は、第1特別図柄表示装置20の第1特別図柄を特定の図柄で停止させる。この後、上記した長当たり、短当たり、または小当たりの何れかの特別遊技を実行する。
【0131】
長当たり遊技中は、開放状態になる第1大入賞口16または第2大入賞口17を狙って遊技球を発射することで出球を獲得することができる。
一方、短当たり遊技中は、大入賞口の開放時間が極めて短いため、第1大入賞口16または第2大入賞口17を狙って遊技球を発射しても殆ど出球を獲得することができないようになっている。
【0132】
同様に、例えば第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に表示されている特別図柄の変動が停止しているときに第2始動口14に遊技球が入球すると、この入球を契機に特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数値等を抽選により取得すると共に、第2特別図柄表示装置21の第2特別図柄を変動表示させる。
そして、取得した特別図柄判定用乱数値が特別遊技に当選したと判定した場合は、第2特別図柄表示装置21の第2特別図柄を特定の図柄で停止させる。この後、上記した大当たり(長当たりまたは短当たり)、または小当たりの何れかの特別遊技を実行する。長当たり遊技中は、所定期間、開放状態になる第1大入賞口16または第2大入賞口17を狙って遊技球を発射することで出球を獲得することができる。一方、上記同様、短当たり遊技中は、大入賞口の開放時間が極めて短いため、第1大入賞口16または第2大入賞口17を狙って遊技球を発射しても殆ど出球を獲得することができないようになっている。
【0133】
大当たり遊技終了後は、大当たり図柄判定用乱数値の抽選結果に基づいて、特典遊技として、第2始動口開閉扉14bの開放サポートを伴う時短遊技を所定期間行う通常時短遊技、上記時短遊技と大当たり当選確率が高確率とされる高確率遊技とを所定期間行う高確率時短遊技(所謂、確変遊技)、または高確率遊技のみを所定期間行う高確率時短無し遊技(所謂、潜伏確変遊技)のいずれかの遊技状態に移行する。
高確率遊技は、特別図柄の変動回数が予め設定した設定回数(例えば10000回)に達するか、或いは再度大当たりに当選するまで継続して行われる。
【0134】
一方、時短遊技は、特別図柄の変動回数が予め設定した設定回数(例えば通常時短遊技であれば100回、高確率時短遊技であれば10000回)に達するか、或いは再度大当たりに当選するまで継続して行われる。
また、時短遊技中は、特別図柄の変動開始から変動停止までの変動時間が通常遊技中より短時間に設定されると共に、補助図柄の当選確率が通常遊技中より高確率に設定される。
さらに補助図柄の当選時における第2始動口開閉扉14bの開放時間が通常遊技中より長く設定される。
従って、時短遊技中は、第2始動口14への遊技球の入賞率が通常遊技中より高くなるため、遊技者は第2始動口14を狙って遊技球を発射することで通常遊技中に比べて遊技効率を大幅に高めることができる。
【0135】
さらに本実施形態のパチンコ機1は、第2始動口14に遊技球が入球したときのほうが、第1始動口13に遊技球が入球したときより遊技者に有利な大当たりに当選する割合が高くなっていることから時短遊技中は通常遊技中より遊技者に有利な大当たりに当選し易い構成になっている。
【0136】
次に、演出制御基板120が実行する処理について説明する。
[タイマ割込処理]
図20は、演出制御基板のCPUが実行するタイマ割込処理の一例を示したフローチャートである。なお、
図20に示すタイマ割込み処理は、演出制御基板120のサブCPU121がROM223に格納されているプログラムを実行することにより実現できる。
この場合、演出制御基板120のサブCPU121は、タイマ割込処理として、コマンド受信処理(ステップS310)、演出ボタン処理(ステップS320)、コマンド送信処理(ステップS330)等を実行する。
【0137】
次に、演出制御基板120のサブCPU121がタイマ割込処理として実行する主要な処理の一例について説明する。なお、以下に説明する処理も演出制御基板120のサブCPU121がROM223に格納されているプログラムを実行することにより実現できる。
【0138】
[コマンド受信処理]
図21は、演出制御基板のCPUが実行するコマンド受信処理の一例を示したフローチャートである。
サブCPU121は、ステップS401において、保留数増加コマンドを受信したか否かの判定を行い、保留数増加コマンドを受信したと判定した場合は、ステップS402において、保留数増加コマンド受信処理を実行する。
【0139】
次に、サブCPU121は、ステップS403において、変動開始コマンドを受信したか否かの判定を行い、変動開始コマンドを受信したと判定した場合は、続くステップS404において、演出選択処理を実行する。
ステップS404の演出選択処理は、特別図柄の変動中に行う演出を選択する処理である。
なお、ステップS403において、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合は、演出選択処理を実行することなくステップS405に進む。
【0140】
次に、サブCPU121は、ステップS405において、変動停止コマンドを受信したか否かの判定を行い、変動停止コマンドを受信したと判定した場合は、続くステップS406において、変動演出終了中処理を実行する。
変動演出終了中処理としては、変動停止コマンドの解析、解析結果に基づいてモードフラグの変更等の各種処理、及び変動演出終了コマンドをセットする処理等が挙げられる。
なお、ステップS405において、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合は、変動演出終了中処理を実行することなくステップS407に進む。
【0141】
次に、サブCPU121は、ステップS407において、オープニングコマンドを受信したか否かの判定を行い、オープニングコマンドを受信したと判定した場合は、続くステップS408において、特別遊技演出選択処理を実行する。
特別遊技演出選択処理としては、オープニングコマンドの解析、特別遊技演出パターン選択処理、及びオープニング演出開始コマンドをセットする処理等が挙げられる。
なお、ステップS407において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合は、特別遊技演出選択処理を実行することなくステップS409に進む。
【0142】
次に、サブCPU121は、ステップS409において、エンディング演出選択処理を実行するエンディングコマンドを受信したか否かの判定を行い、エンディングコマンドを受信したと判定した場合は、続くステップS410において、エンディング演出選択処理を実行する。
エンディング演出選択処理としては、エンディングコマンドの解析、エンディング演出パターン選択、及びエンディング演出開始コマンドをセットする処理等が挙げられる。
【0143】
なお、ステップS409において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合は、エンディング演出選択処理を実行することなくステップS411に進む。
次に、サブCPU121は、ステップS411において、客待ちコマンド受信処理を実行して、コマンド受信処理を終了する。
【0144】
[演出選択処理]
図22は、演出制御基板のCPUが実行する演出選択処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、サブCPU121は、先ず、ステップS421において、変動開始コマンドの解析を行い、続くステップS422において、RAM224に記憶されている保留球の保留数を減算する。
次に、ステップS423において、変動開始コマンドの解析結果に基づいて変動演出パターンを選択し、続くステップS424において、変動演出開始コマンドをセットして、演出選択処理を終了する。
【0145】
[変動演出終了中処理]
図23は、演出制御基板のCPUが実行する変動演出終了中処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、サブCPU121は、ステップS431において、変動停止コマンドの解析を行い、解析結果に基づいてモードフラグの変更等の各種処理を行った後、次のステップS432において、変動演出終了コマンドをセットして、変動演出終了中処理を終了する。
【0146】
[オープニング演出選択処理]
図24は、演出制御基板のCPUが実行する当たり演出選択処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、サブCPU121は、ステップS441において、オープニングコマンドの解析を行い、続くステップS442において、当たり演出パターン選択処理を行う。この後、ステップS443において、オープニング演出開始コマンドをセットして、オープニング演出選択処理を終了する。
【0147】
[エンディング演出選択処理]
図25は、演出制御基板のCPUが実行するエンディング演出選択処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、サブCPU121は、ステップS451において、エンディングコマンドの解析を行い、続くステップS452において、エンディング演出パターン選択を行う。この後、ステップS453において、エンディング演出開始コマンドをセットして、エンディング演出選択処理を終了する。
【0148】
以下に、本実施形態に係る特徴的な構成を説明する。
本実施形態の遊技機は、変動演出やリーチ演出等において画像制御基板150のホストCPU151が表示制御を行う演出画像(ムービー)の表示手法に特徴を有するものである。
演出画像では、演出のモチーフとなるキャラクターや乗り物などが、画面内を立体的に(三次元的に、すなわち画面の手前(近景)側から奥(遠景)側へ、逆に奥側から手前側へ)動き回るものがある。
遊技機の演出画像を含め、昨今では、ムービーの制作時には、3D(三次元)CADによってキャラクターや背景の3Dモデルを作成し、これらを動かすことによって動画を実現することが多い。
一度キャラクターの3Dモデルを作ってしまえば、物理演算エンジンを使用して、そのキャラクターを歩行させたり、飛行機であれば飛行をさせたり、体勢を変えたりといった物理世界の動作を再現した映像を容易に作成することが出来る。
従来的な手法では、2D(二次元)画像を1フレーム(1コマ)ずつ作画して、アニメーションを作成していくほかは無く、全てを2D画像で表現すると、全てのフレームについて作画を行わなければならないため、ムービーの制作には時間や手間が多くかかっていた。
それに対し、3Dモデルを適用することで効率的にムービーの制作を行うことができるようになっている。
【0149】
しかしながら、このような3Dモデル、物理演算エンジンを用いたムービー制作にも問題点があり、3Dモデルは、キャラクター等がごく近景にある場合のズームアップ表示に向かない。
詳しくは、ポリゴンメッシュ等で構成される3Dモデルは、拡大されるほどにメッシュ構造が目立つからである。また、静止状態にあるキャラクター等を表示する場合も同様にメッシュが目立つため、3Dモデルは向いていない。
それに対し2D画像による作画では、近景側に接近した移動体を、1フレームごとに拡大して作画すればよく、そもそもメッシュ構造を持たないことからメッシュが目立つこともない。
ただし、キャラクター等の移動体が激しく速い動きをするような場合には、メッシュが目立ち難いこともあり、速く細かい動きをする移動体を1フレームずつ作画することは困難であることから3Dモデルが向いている。
【0150】
また、2D画像は3Dモデルに比べて強調表現(マンガ的表現)がし易く臨場感のある多彩な演出が可能である。
3Dモデルの場合、一度作成したモデルを使って物理法則にそぐわないような動作をさせることは難しいが、2D画像の作画の場合、作成者の思い通りに作画することが出来る。
このように、3Dモデルあるいは2D画像を用いたムービー制作は何れも一長一短であり、特に奥行きを有する空間内で立体的な描写を行うようなムービー(演出画像)においては、3Dモデルと、2Dで作画された画像を組み合わせることで、両者の長所を活かした最適な演出が可能であると言える。
【0151】
具体的には、遠景に描かれる移動体(キャラクター、乗り物)を3D画像(3Dモデル)で表現し(モーションをつけ)、その移動体が近景側に移動して来ると、適切なタイミングで、作画による2D画像(アニメーション表示)に切り替える。
逆に、当初は移動体が近景側にあるときは、作画した2D画像で表示するが、移動体が遠景側に移動していくと、適切なタイミングで、3Dモデルによる表示に切り替える。
2D←→3Dの切り替えのタイミングは、画面内の空間における奥行き(Z座標)上の位置に基づいて決めるとしてもよいが、実際には、移動体が、ポリゴンメッシュが目立つ大きさで表示されるときに2Dで表示し、ポリゴンメッシュが目立たない程度の大きさで表示されるときには3Dモデルで表示するのが良い。
なお、キャラクター等の移動体の2D画像は、例えば、3Dモデルをプリントアウトしたものをトレースして作画することによって可能である。
【0152】
図26は、本実施形態の遊技機で行われる3Dモデルと2D画像を組み合わせた演出を説明する図(その1)である。
なお、
図26及び下記の
図27の表示は、遊技機の変動演出の一環であり、変動表示される演出図柄(装飾図柄)35を実際には含むものである。
図26の例に示す演出画像(ムービー)は、3Dモデルによる移動体50(キャラクター)が手前側(近景側)に移動(ズームアップ)してきて最後のパンチを繰り出す内容を有している。
キャラクターが遊技者側(手前側)に近づいてきてパンチを開始し、その手が迫ってくる途中までは3Dモデルで表現するものの、途中からは2Dで手の大きさを強調するように作画した2D画像によるアニメーションに切り替えている。
【0153】
図26の(a)〜(e)において、移動体(キャラクター)50が画面内の空間における遠景側(奥側)から近景側に近づいた奥行き方向の所定位置までに表示されている。あるいは、キャラクター50が所定の大きさで表示されている。
この間、キャラクター50は、3Dモデルのオブジェクトとして表示する。
なお、移動体50の背景にある空や雲などの部分も、3Dモデルによって実現されている。2D画像として作画されていても良い。
図26(a)〜(c)では、近景側に迫ってくるキャラクター50がズームアップされるのみだが、
図26(d)、(e)において、キャラクター50は、右手でパンチをする体勢を取るために、右手を一旦後方に向けている。
この状態でも、物理演算エンジンによる3Dモデルに基づく表示の範疇である。後ろ側に回した手が前側の手に比べて小さく表示するのは遠近法によるものであり、特に強調表示がなされているわけではない。
また、全体として、3Dモデルのメッシュが目立っているといも言えないため、3Dモデルによる表示で問題がない。
【0154】
この状態からさらに、キャラクター50(その一部)が所定距離からさらに近景側に近づいた場合には、キャラクター50を2D画像として表示する。
例えば、(f)において右手を前方に繰り出すタイミングで、キャラクター50は、2D画像で描写されおり、これ以降((g)→(h))も2Dで作画された画像が用いられる。
手前(近景側)の手をより大きく、後ろ側(遠景側)の手をより小さく描写することで、迫力のある表現が出来る。
上記したように、物理演算エンジンで実現し難い強調表現を3Dモデルに対して行うとすると、新たにモデリングをし直す必要があるため非常に煩雑である。
【0155】
(f)に示すキャラクターの右手は通常の遠近法を用いた作画に比べて大きめに作画されている。さらに、(g)→(h)と、キャラクター50の右手は、手前側に向かってより極端に拡大(強調)表示されていく。
このような作画はいわゆる「マンガ的表現」であり、パンチをする手を現実世界(物理法則エンジン)で見られるよりも極端に大きく描写することで、より迫力のある表現としている。
このような表現を、3Dモデルを用いて行うことは難しい。
3Dモデリングで実現することは不可能ではないが、上記のように3Dモデルを拡大するつれてメッシュが目立つようになるし、極端な拡大のために移動体のモデリングをし直す必要があり、手間やコストの点で不利である。
【0156】
移動体(キャラクター)や背景を全て3Dモデルで作成している場合、ズーム時に全て2D画像としても良いが、背景は3Dモデルのままで、ズームしたいキャラクターのみ2D画像となるようにしてもよい。
すなわち、移動体が近景にあるときに、3Dモデルと2Dの作画を組み合わせた演出としても良い。
【0157】
○2D→3Dで表示を切り替える
本実施形態の演出画像では、移動体が、背景画像内を近景側から遠景側に移動する場合もある。
その場合、当初近景にある移動体を2D画像として作画し、移動体がある程度遠景側に遠ざかった時点から、移動体の描写を2D画像の作画から3Dモデルに切り替えるようにする。
【0158】
図27は、本実施形態の遊技機で行われる3Dモデルと2D画像を組み合わせた演出を説明する図(その2)である。
図27の例に示す演出画像(ムービー)は、3Dモデルによる移動体51(飛行機)が最も近景側から現れて、遠景側に移動していく(縮小していく)内容を有する。
飛行機51が画面内の空間の近景側から遠景側に移動し、奥行き方向の所定位置までに(ポリゴンメッシュが目立つ大きさで)表示される場合には、飛行機51を2D画像として表示する。
飛行機51が所定位置からさらに遠景側に遠ざかった(ポリゴンメッシュが目立たない大きさとなった)場合には、移動体51を三次元モデリングされたオブジェクトとして表示する。
【0159】
(a)において、移動体としての飛行機51の最後尾の部分がアップで表示されている。
このようなアップでの表示を3Dモデルで行うと、メッシュが目立ってしまうため、2Dで作画した画像を表示する。
(a)以降に、飛行機51は徐々に画面の奥行き方向に向かって移動していくことになるが、飛行機51が画面内での所定の位置に移動するまで(3Dモデルで表示してもポリゴン等が目立たない大きさとなるまで)、2Dで作画した画像を表示し続ける。
2Dの作画で表示することにより、3Dモデルが有する拡大に向かないという問題点を回避可能であるとともに、例えば極端に最後尾をより大きく作画するとともに前側の部分を小さく作画するなどして飛行機51の大きさを強調する画像とすることが出来る。
【0160】
(b)→(c)→(d)と2Dで作画した画像を表示した後、(e)からは3Dモデルで作成した飛行機を縮小しながら表示していく。
(e)以降も引き続き2D画像で移動体51を表示していくことも出来るが、近景から遠景までを2Dで表現(移動体の動きのある映像を、1フレームずつ作画)した場合、全てのコマ(フレーム)を一つずつ作画していくために膨大な手間や労力、時間を要する。
さらに、(h)に示すように、移動体が画面内の奥側に移動すればするほど、当然、移動体は小さく表示されることになり、作画が非常に難しくなってくる。
それに対し、一度3Dモデリングをしてしまえば、そのモデルを適宜変形したり縮小したりすれば良いため、細かい作画をせずとも良い。従って、演出画像の作図にかかる手間を大きく低減することが出来る。
【0161】
上記したように、遠景側に近景側に移動体が拡大してくる場合には、上記した理由で3Dモデルは不利となるが、近景側から遠景側に移動体が縮小してく場合には、このように、3Dモデルを利用した方が有利である。
以上説明したように、3Dモデリングと2Dの作画の特徴を適切に組み合わせることにより、制作上の負担を増やすことなく、より印象深く遊技の興趣を向上させ得る演出とすることが出来る。
また、全てを3Dモデルで表現するよりも、あるいは全部2D画像(作画)で表現するよりも効率的かつ低コストでムービーを制作することが出来る。
【0162】
本実施形態では、移動体50、51が遠景側から近景側(
図26)、近景側から遠景側(
図27)と一方向のみに移動する場合について説明したが、実際の演出画像では、移動体が、近づいたり遠ざかったりを繰り返すような場合もある。
その場合、移動体の動きに応じた表示サイズ(あるいは、表示距離)の変化に応じて、3D、2Dの切り替えを交互に繰り返す処理を行うことは言うまでも無い。
【0163】
なお、遊技機1の画像表示装置としては、液晶表示装置、リアプロジェクタ、その他、任意の表示装置を採用することができる。
また、本発明の画像表示装置の表示態様は、パチンコ機のみならず、スロットマシン、その他、表示装置を有した遊技機、ゲーム機一般に適用することができる。