特許第6379166号(P6379166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6379166
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】触媒すすフィルタの製造およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B01J 35/04 20060101AFI20180813BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20180813BHJP
   B01D 39/20 20060101ALI20180813BHJP
   F01N 3/022 20060101ALI20180813BHJP
   F01N 3/035 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   B01J35/04 301K
   B01D53/94 241
   B01D53/94 245
   B01D53/94 280
   B01D39/20 D
   F01N3/022 C
   F01N3/035 A
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-240090(P2016-240090)
(22)【出願日】2016年12月12日
(62)【分割の表示】特願2015-82198(P2015-82198)の分割
【原出願日】2008年12月17日
(65)【公開番号】特開2017-121624(P2017-121624A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2016年12月28日
(31)【優先権主張番号】11/959,090
(32)【優先日】2007年12月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/336,070
(32)【優先日】2008年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】リー,ユエチン
【審査官】 山口 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−276708(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/021336(WO,A1)
【文献】 特開平09−262484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J21/00−38/74
B01D53/73,86−90,94−96
F01N3/01,3/02−3/038
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁流モノリスと該壁流モノリスの壁の内部に配置されたウォッシュコートを含む触媒すすフィルタであって、
前記壁流モノリスは、複数の縦方向に延びる流路を有し、且つこの流路は、当該流路を拘束および画定する縦方向に延びる壁によって形成されており、前記流路が、開いた入口端および閉じた出口端を有する入口流路と、閉じた入口端および開いた出口端を有する出口流路とを備え、そして前記壁流モノリスが、0.4μm未満の平均幅を有する微小亀裂と、10〜25μmの範囲内の平均孔径を有する細孔とを含み、
前記ウォッシュコートが、予め少なくとも1種の貴金属が含浸されている担持粒子を含む触媒を含み、且つ、前記担持粒子の合計個数に対し、前記担持粒子の少なくとも90%が前記微小亀裂の平均の大きさより大きい粒径を有し、前記担持粒子の少なくとも90%が前記壁流モノリスの平均孔径より小さい粒径を有し、及び7.5μm未満であることを特徴とする触媒すすフィルタ。
【請求項2】
前記担持粒子の合計個数に対し、前記担持粒子の少なくとも90%が5μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の触媒すすフィルタ。
【請求項3】
前記担持粒子の合計個数に対し、前記担持粒子の90%の大きさが0.5μmより大きい、請求項1又は2に記載の触媒すすフィルタ。
【請求項4】
前記担持粒子の合計個数に対し、前記担持粒子の90%の大きさが1μmより大きい、請求項1又は2に記載の触媒すすフィルタ。
【請求項5】
前記担持粒子の合計個数に対し、前記担持粒子の60%超過の大きさが1〜5μmである、請求項1又は2に記載の触媒すすフィルタ。
【請求項6】
前記担持粒子が、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、セリウム化合物、ゼオライト、ケイ素化合物、卑金属酸化物、およびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1又は2に記載の触媒すすフィルタ。
【請求項7】
前記壁流モノリスが、40〜70体積%の範囲内の空隙率を有するチタン酸アルミニウムを含む、請求項1又は2に記載の触媒すすフィルタ。
【請求項8】
前記すすフィルタが、1,000℃で測定される場合、25×10−7/℃未満の熱膨張係数を示す、請求項1又は2に記載の触媒すすフィルタ。
【請求項9】
前記すすフィルタが、800℃で測定される場合、5×10−7/℃未満の熱膨張係数を示す、請求項8に記載の触媒すすフィルタ。
【請求項10】
前記フィルタを、空気および10体積%の蒸気を流しながら装置内にて700℃で4時間熟成し、その後800℃でさらに4時間熟成し、1,000ppmのCO、C1基準で450ppmの炭化水素、100ppmのNO、10体積%のO、7体積%の水、5体積%のCOを含む供給物を有する、供給物の残部をNで補った流反応器システムにおいて試験し、前記炭化水素の構成が、C1基準で、等しい割合のプロペン、トルエン、およびデカンであり、前記試験が、前記フィルタを前記供給物の気体で90℃にて90秒間飽和させ、その後、前記温度を20℃/分の割合で300℃まで増加させる工程の後に行われる場合において、前記フィルタが炭化水素に関して180℃未満のT70温度を示す、請求項1又は2に記載の触媒すすフィルタ。
【請求項11】
請求項1に記載の触媒すすフィルタを製造するための方法であって、以下の工程、
i)少なくとも1種の貴金属を、初期湿潤法を使用して担持粒子に含浸させる工程、
ii)工程i)で得られた担体粒子を溶媒に分散させてスラリーを作成する工程、
iii)工程ii)で得られたスラリーを壁流モノリスの壁に施す工程、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年12月18日に出願された米国特許出願整理番号第11/959,090号の一部継続出願であり、その全体の内容は本明細書にて参照することにより盛り込まれている。
【0002】
ディーゼルエンジンの排気物質システムのための触媒すすフィルタ、およびそれらの製造と使用のための方法が開示される。
【背景技術】
【0003】
ディーゼルエンジンの排気は、一酸化炭素(「CO」)、未燃炭化水素(「HC」)、および窒素酸化物(「NO」)等の排気物だけでなく、いわゆる微粒子つまり粒子状物質を構成する凝縮相物質(液体および固体)も含む不均一混合物である。しばしば、触媒組成物およびそれらの組成物が配置される基板はディーゼルエンジンの排気システム内に設けられ、特定の、または全部のこれら排気成分を無害な成分に転化する。例えば、ディーゼル排気システムは、ディーゼル酸化触媒、すすフィルタ、およびNOの還元のための触媒のうち1つ以上を含み得る。
【0004】
白金族金属、卑金属、およびこれらの混合物を含む酸化触媒は、HCとCOの両方の気体汚染物質およびその粒子状物質の一部を、これら汚染物質の酸化により二酸化炭素および水へと転化させることを促進することによって、ディーゼルエンジンの排気処理を容易にすることが知られている。このような触媒は一般的に、ディーゼル酸化触媒(DOC’s)と呼ばれるユニットの中に含まれており、これらはディーゼルエンジンの排気物に入れられ、その排気物が大気中に発散する前にその排気物を処理する。気体のHC、CO、および粒子状物質の転化に加え、白金族金属を含む酸化触媒(一般的に難溶性酸化物担持体上で分散する)も、一酸化窒素(NO)のNOへの酸化を促進する。ディーゼル排気の全体の粒子状物質の排出物は、3種の主成分から成る。1種の成分は、固体の、乾性の、固体炭素質の画分つまりすす画分である。この乾性炭素質物質が、一般的にディーゼル排気に関連する可視のすす排出物質の一因である。当該粒子状物質の第2の成分は、溶性の有機画分(「SOF」)である。当該溶性の有機画分は時々揮発性有機画分(「VOF」)と呼ばれ、この用語が本明細書で用いられる。当該VOFは、そのディーゼル排気の温度に応じて、蒸気またはエアゾル(液状凝縮物の微細液滴)としてディーゼル排気中に存在し得る。それは一般的に、米国の重要な暫定的連邦試験基準(Heavy Duty Transient Federal Test Procedure)等の標準測定試験によって規定されているように、希釈排気物中で52℃の標準微粒子採取温度にて凝縮液体として存在する。これらの液体は、2種の源から生じる:(1)ピストンが上下する度にエンジンの円筒壁から押し出される潤滑油、および(2)未燃または一部燃焼したディーゼル燃料。
【0005】
当該粒子状物質の第3の成分は、いわゆる硫酸画分である。当該硫酸画分は、ディーゼル燃料中に存在する少量の硫黄成分から形成される。少ない割合のSOは当該ディーゼルの燃焼中に生成され、これはその排気物中の水と迅速に次々と混合し、硫酸を生成する。その硫酸は、エアゾルとしての微粒子とともに凝縮相としてまとまるか、あるいは、その他の微粒子成分上に吸着され、それによってTPMの質量に加えられる。
【0006】
大幅に粒子状物質を低減するために使用される1種の重要な後処理技術は、ディーゼル微粒子フィルタである。ハニカム壁流フィルタ、糸巻き状または圧縮状の繊維フィルタ、開放セル発泡体、焼結金属フィルタ等の、ディーゼル排気から粒子状物質を除去するのに効果的な多くの既知のフィルタ構造がある。しかしながら、下記に記載されているセラミック壁流フィルタは、最も多くの注目を集めている。これらのフィルタは、ディーゼル排気から90%を超える粒子状物質を除去する能力を有する。当該フィルタは排気物から粒子を除去するための物理的構造であり、その累積粒子はエンジン上のフィルタからの逆圧を増加させる。従って、当該累積粒子は、許容可能な逆圧を維持するために、連続的または周期的にそのフィルタから焼け出される必要がある。残念ながら、当該炭素すす粒子は、酸素の豊富な(乏しい)排気条件下で燃焼するために、500℃を超過する温度を必要とする。この温度は、ディーゼル排気中に一般的に存在するものの温度より高い。
【0007】
フィルタの不動態再生を提供するために、すす燃焼温度を下げるための規定が一般的に導入される。触媒の存在はすすの燃焼を促進し、それによって、実際の負荷サイクル下において、ディーゼルエンジンの排気物内で利用可能な温度にてフィルタを再生する。このようにして、触媒すすフィルタ(CSF)、または触媒ディーゼル微粒子フィルタ(CDPF)は、累積すすの不動態燃焼とともに微粒子物質を80%超過低減し、それによってフィルタの再生を促進するのに効果的である。
【0008】
ディーゼル微粒子フィルタをチタン酸アルミニウムおよび菫青石の基板上に被覆するための従来の方法は、被覆されないフィルタと比較して被覆されたフィルタの物理的特性にしばしば悪影響を与える。可溶粒子および微細粒子は、ウォッシュコート処理の最中に微小亀裂に進入すると考えられている。結果として、微小亀裂内の物質は微小亀裂の自由移動を制限し、加熱の際にフィルタ拡張の柔軟性を減少させる。この問題を最小限にするために、重合体の不動態化段階が基板をウォッシュコートする前に用いられる。このような重合体不動態化段階の一例は、米国特許第7,166,555号に記載されている。この重合体不動態化段階は製造の費用および複雑性を増加させる。従って、ウォッシュコートするステップの前に重合体の不動態化を必要としない触媒すすフィルタを製造するための方法を提供することが望ましいだろう。
【発明の概要】
【0009】
触媒すすフィルタ、それらの製造と使用のための方法、および触媒すすフィルタを組み込むシステムが開示される。1つの実施形態では、触媒すすフィルタは、流路を拘束および画定する縦方向に拡張する壁によって形成される、複数の縦方向に拡張する流路を有するウォールフローモノリス(壁流モノリス)を備え、当該流路は開いた入口端および閉じた出口端を有する入口流路と、閉じた入口端および開いた出口端を有する出口流路とを備え、当該ウォールフローモノリスは、約0.4μm未満の平均幅を有する微小亀裂と、約10〜約25μmの範囲内の平均孔径を有する細孔とを含み、ウォッシュコートは当該ウォールフローモノリスの壁の内部に配置され、当該ウォッシュコートは担持粒子と少なくとも1種の貴金属を含む触媒を含み、ここで、当該担持粒子の少なくとも約90%は当該微小亀裂の平均的大きさ周辺より大きい粒径を有し、当該担持粒子の少なくとも約90%は当該ウォールフローモノリスのおよその平均孔径未満の粒径を有する。
【0010】
本発明の別の態様は、約0.4μm未満の平均幅、および、約10〜約25μmの範囲内の平均孔径を有する細孔を有する微小亀裂を含む触媒被覆したウォールフローモノリスを作成する方法に関連し、当該方法は、流路を拘束および画定する縦方向に拡張する壁によって形成される、複数の縦方向に拡張する流路を有するウォールフローモノリスを提供するステップと、当該流路は開いた入口端および閉じた出口端を有する入口流路と、閉じた入口端および開いた出口端を有する出口流路とを備え、熱分解可能な触媒材料と固体粒子を含み、当該粒子の少なくとも約90%は当該微小亀裂のおよその平均的大きさより大きい粒径を有し、当該粒子の少なくとも約90%は当該細孔のおよその平均孔径未満の粒径を有する、水性スラリーの形態にあるウォッシュコートで当該ウォールフローモノリスを被覆するステップと、当該ウォッシュコートを乾燥するのに十分な温度に当該被覆したウォールフローモノリスを加熱するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】排気処理システムの一実施形態の概略図を示す。
図2】壁流フィルタ基板の斜視図を示す。
図3】壁流フィルタ基板の断面の切断図を示す。
図4】例示的壁流基板に関する熱膨張係数のグラフを示す。
図5】様々な程度の微粉を含むように機械的に分離した、ジェットミルにより粉砕したアルミナ粉末に関する粒径分布のグラフを示す。
図6】ジェットミルにより粉砕した図5のアルミナ粉末で被覆したすすフィルタに関する熱膨張係数のグラフを示す。
図7】湿式粉砕粒子と乾式粉砕粒子との間の粒径分布を示す。
図8】湿式粉砕法および乾式粉砕法によって調製したすすフィルタに関する熱膨張係数を比較するグラフを示す。
図9】湿式粉砕法および乾式粉砕法によって調製したフィルタの触媒性能を比較するグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のいくつかの例示的実施形態を説明する前に、本発明は、下記の記述で説明されている構成、つまり方法の段階の詳細に制限されないということを理解されたい。本発明はその他の実施形態を実施可能であり、様々な方法で実施または実行可能である。
【0013】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる単数形「一つの(または不記載)(「a」、「an」)」、および「その/当該/前記(「the」)」は、本文が他に明示しない限り、複数形の指示対象を含む。従って、例えば、「(一種の)触媒(「an catalyst」)」への言及は、2種以上の触媒の混合物などを含む。
【0014】
本発明の態様は、触媒すすフィルタ、触媒すすフィルタを含むディーゼルエンジン排気処理システム、および触媒すすフィルタを作成する方法に関係する。本発明の1つ以上の実施形態は、排気処理システムの一部としての使用のための触媒すすフィルタを作成するための被覆法に関する。
【0015】
触媒組成物をすすフィルタに付着させるための方法が提供され、これは、ウォッシュコートの付着の前に重合体不動態化段階を用いない空フィルタより優れた物理的特性を有する触媒すすフィルタをもたらす。当該触媒すすフィルタは、ウォールフローモノリス、および触媒を含むウォッシュコートを含む。当該ウォールフローモノリスは、流路を拘束および画定する縦方向に拡張する壁によって形成される、複数の縦方向に拡張する流路を有する。当該流路は、開いた入口端および閉じた出口端を有する入口流路と、閉じた入口端および開いた出口端を有する出口流路とを備える。当該ウォールフローモノリスは、約0.4μm未満の平均幅を有する微小亀裂、および、約10〜約25μmの範囲内の平均孔径を有する細孔を有する。当該触媒は担持粒子と少なくとも1種の貴金属を含む。当該担持粒子の少なくとも約90%は当該微小亀裂のおよその平均的大きさより大きい粒径を有し、当該担持粒子の少なくとも約90%は当該ウォールフローモノリスのおよその平均孔径未満の粒径を有する。
【0016】
本発明のその他の態様は、約0.4μm未満の平均幅を有する微小亀裂、および、約10〜約25μmの範囲内の平均孔径を有する細孔を含む、触媒被覆したウォールフローモノリスを作成する方法を対象とする。1つ以上の実施形態によれば、当該方法は水性スラリーの形態にあるウォッシュコートでウォールフローモノリスを被覆するステップを含む。当該水性スラリーは、担持粒子を有する熱分解可能な触媒材料を含み得る。当該担持粒子は、当該担持粒子の少なくとも約90%が当該微小亀裂のおよその平均的大きさより大きい粒径を有し、当該担持粒子の少なくとも約90%が当該ウォールフローモノリスのおよその平均孔径未満の粒径を有する大きさの範囲内で存在する。当該被覆されたウォールフローモノリスは、当該モノリス表面上に触媒活性化合物の蒸着を提供するのに十分な温度に加熱されてよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、当該担持粒子の少なくとも約90%が約0.5μmより大きい。詳細な実施形態では、当該担持粒子は約1μmより大きい。より詳細な実施形態では、当該担持粒子は約2μmより大きい。ある実施形態では、当該担持粒子の少なくとも約90%が約15μm未満である。明確な実施形態では、当該担持粒子は約10μm未満であり、より明確な実施形態では、当該担持粒子は約7.5μm未満である。最も明確な実施形態では、当該担持粒子は約5μm未満である。その他の実施形態では、当該担持粒子の約60%超過が約1〜約5μmの範囲内にある。さらなる実施形態では、当該担持粒子の約75%超過が約1〜約5μmの範囲内にある。追加の実施形態では、当該担持粒子の約80%超過が約1〜約5μmの範囲内にある。
【0018】
排気処理システムの1つの実施形態は、図1に概略的に描写されている。図1に見られるように、気体汚染物質を含む排気(未燃の炭化水素、一酸化炭素、およびNOを含む)、および粒子状物質は、エンジン15から酸化触媒11に運搬される。酸化触媒11において、未燃の気体炭化水素と不揮発性炭化水素(すなわち、VOF)、および一酸化炭素は大いに燃焼され、二酸化炭素および水を生成する。当該酸化触媒を用いた相当な割合のVOFの除去は、特に、当該システムにおける下流に配置されるすすフィルタ12上の粒子状物質の多すぎる堆積を防止すること(すなわち、目詰まり)を支援する。加えて、NO成分の相当な割合のNOは、当該酸化触媒においてNOに酸化される。
【0019】
当該排気流は、触媒組成物で被覆されるすすフィルタ12に運搬される。1つ以上の実施形態によれば、すす画分およびVOFを含む粒子状物質も、当該すすフィルタによって大いに除去される(80%より大きい)。当該すすフィルタ上に堆積した粒子状物質は、当該フィルタの再生を通じて燃焼される。当該粒子状物質のすす画分が燃焼する温度は、当該すすフィルタ上に配置された触媒組成物の存在によって低下される。触媒すすフィルタ12は、当該排気流中のNOを窒素に転化するためのSCR触媒を随意に含んでよい。
【0020】
当該触媒組成物を担持するのに有用な壁流基板は、当該基板の縦軸に沿って拡張する、複数の微細で実質的に平行な気体流路を有する。一般的に、各流路は、別の流路が反対端面で塞がれている状態で、その基板本体の一端で塞がれる。このようなモノリス担体は、1平方インチ当たり約250個より多いセル、および、断面の1平方インチ当たり最大約700本以上の流路(つまり「セル」)を含み得るが、遥かに少ない数のものが用いられてよい。例えば、当該担体は約7〜600個の、より一般的には約100〜400個の、1平方インチ当たりのセル(「cpsi」)を有し得る。当該セルは、長方形、正方形、円形、楕円形、三角形、六角形、またはその他多角形である断面を有し得る。壁流基板は一般的に、約0.002〜0.1インチの範囲内の壁厚を有する。その他の実施形態は、約0.002〜0.025インチの範囲内の壁厚を有する壁流基板を有する。詳細な実施形態は、約0.010〜約0.020インチの範囲内の壁厚を有する。
【0021】
図2および図3は、複数の流路52を有する壁流フィルタ基板30を説明する。当該流路は、当該フィルタ基板の内壁53によって管状に封入される。当該基板は入口端54および出口端56を有する。別の流路は、その入口端を入口栓58で、その出口端を出口栓60で塞がれ、入口端54および出口端56で向かい合う市松模様を形成する。気体流62は塞がれていない流路入口64を通じて入り込み、出口栓60によって止められ、流路壁53(多孔性である)を通じて出口側66に拡散する。当該気体は、入口栓58のために壁の入口側に戻ることができない。
【0022】
いくつかの実施形態の担持粒子は、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、セリウム化合物、ゼオライト、ケイ素化合物、卑金属酸化物、およびこれらの混合物から成る群から選択される。
【0023】
ウォールフローモノリスおよび壁流基板とも呼ばれる壁流フィルタ基板は、菫青石、α−アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、ムライト、リシア輝石、アルミナ−シリカ−マグネシア、またはケイ酸ジルコニウム等のセラミック様物質、あるいは多孔性で耐熱性の金属から成る。壁流基板は、セラミック繊維合成物質からも形成されてよい。その他の実施形態のウォールフローモノリスは、チタン酸アルミニウム、菫青石、炭化ケイ素、金属酸化物、およびセラミックのうち1種以上である。
【0024】
本発明の様々な実施形態は、約40〜約70%の範囲内の空隙率を有する、チタン酸アルミニウムのウォールフローモノリスを備える。この種のさらなる実施形態は、1,000℃で測定される場合、約25×10−7/℃未満の熱膨張係数を有する。より詳細な実施形態は、1,000℃で測定される場合、約15×10−7/℃未満のCTEを有する。その他の実施形態では、当該ウォールフローモノリスは、チタン酸アルミニウム、菫青石、および炭化ケイ素から選択される物質を含む。
【0025】
いくつかの詳細な実施形態によれば、当該すすフィルタの熱膨張係数は、800℃で測定される場合、約5×10−7/℃未満である。その他の詳細な実施形態では、800℃で測定される場合、そのCTEは約2×10−7/℃未満である。さらなる詳細な実施形態では、800℃で測定される場合、そのCTEは約1×10−7/℃未満である。
【0026】
触媒組成物を用いた当該ウォールフローモノリスの被覆は、当該基板の頂部が当該スラリー表面の真上に位置するように、当該基板を当該触媒スラリーの一部の中に垂直に含浸させることによって達成される。このようにして、スラリーは各ハニカム壁の入口面と接触するが、各壁の出口面と接触することはできない。当該試料は、約30秒間当該スラリー中に残される。当該基板は当該スラリーから取り出され、過剰なスラリーは、最初にそれを当該流路から排出させ、その後(スラリー浸透の方向に逆らって)圧縮空気で吹き飛ばし、その後真空をスラリー浸透の方向から取り除くことによって、当該壁流基板から除去される。この方法を用いることによって、当該触媒スラリーは当該基板の壁に浸透するが、それにもかかわらず、その細孔は過度の逆圧が完成した基板内で増加する程度には閉塞されない。本明細書で用いられる用語「浸透する」は、当該基板上での触媒スラリーの分散を説明するのに用いられる場合、当該触媒組成物が当該基板の壁全体にわたって分散することを意味する。
【0027】
当該被覆された基板は一般的に、約100℃で乾燥され、より高温(例えば、300〜450℃)で焼成される。焼成した後、当該触媒荷重は、当該基板の被覆された重量と被覆されない重量の計算を通じて決定できる。当業者にとって明白であるように、当該触媒荷重は、当該被覆スラリーの固体含有率を変化させることによって修正できる。あるいは、当該被覆スラリー中での当該基板の反復含浸を行うことができ、その後上述のように過剰なスラリーの除去を行うことができる。
【0028】
当該触媒は、高表面積の酸化アルミニウム等の高表面積と良好な熱安定性を有する、耐熱性酸化物等の適切な担持物質上で分散する。また、第二酸化物で安定化したアルミナは適切な担持体である。アルミナのランタナ安定化は、貴金属群触媒にとって適切な担持体を提供する。また、アルミナの混合物は適切な担持体である。安定化または改善した表面化学を提供するために、SiO、ZrO、TiOなどのような酸化物でドープまたは処理されるその他のアルミナも利用できる。その他の適切な担持物質としては、ZrOおよびTiOが挙げられるが、これらに限定されず、用いることができる。上記で検討された担持酸化物に加え、当該触媒領域内に組み込むその他の触媒機能性酸化物を含むことが、有用であると判明する可能性がある。これらの例としては、CeO、Pr11、V、およびMnO、ならびにこれらの混合物と固体溶液酸化物の混合物などが挙げられる。これらの酸化物は、炭化水素、特に重質燃料由来の炭化水素、および、注入燃料の不均一化(すなわち、脱水素化または酸化脱水素化)から生じた析出したコークス/すすの燃焼に貢献でき、このようにして、追加の燃焼活性を当該触媒領域に与えることができ、さらに析出炭化水素由来のコークスによるPGMの不活性化を阻止できる。
【実施例】
【0029】
下記の実施例は本発明をさらに説明するが、当然ながら、いかなる方法においてもその範囲を制限するものと解釈してはならない。例えば、実施形態がチタン酸アルミニウムおよび菫青石の壁流フィルタを備えられる一方で、炭化ケイ素フィルタが本明細書に記載されている実施形態に従って同様の結果を示すだろうことが予想される。
【0030】
試料調製
下記試料のためのフィルタ基板は、14〜15μmの間の平均粒径の51%の空隙率、300cpsi、および、13ミルの壁厚を有するチタン酸アルミニウムでできている。当該基板は周囲2インチ×6インチの寸法を有する。
【0031】
比較実施例A
当該参照例触媒は下記の組成を有する:33.3g/ftのPt、16.7g/ftのPd、0.5g/inのSiralox1.5/100(Al上に1.5%のSi)、および0.1g/inのβ沸石。当該組成は当該フィルタの全長にわたって同一である。
【0032】
当該触媒被覆スラリーを調製するために、テトラモノエタノールアミン水酸化白金溶液を、遊星混合器中で初期湿潤法によってSiralox粉末上に浸透させた。その後、同一の浸透法を用いて、硝酸パラジウムをそのPt/Siralox粉末上に浸透(含浸)させた。その後、その貴金属が浸透した粉末を水中に分散させてスラリーを作成した。連続粉砕機を用いてこのスラリーを粉砕し、その粒径を90%4μm未満に減少させた(D90<4μm)。粉砕の完了前に、沸石をそのスラリーに添加した。得られたスラリーを水でさらに希釈し、19重量%の固体を得た。そのスラリーの最終pHは4.1であった。
【0033】
その後、その基板の入口側を下に向け、その出口側をそのスラリー面の真上(約1/4インチ)に向けた状態でその基板をそのスラリー中に含浸させることによって、そのスラリーをウォッシュコートした。その基板をそのスラリーから取り出し、ウォッシュコートスラリーが全く出てこなくなるまで、その出口側から空気流を流した。その後、その被覆した試料を110℃で2時間乾燥し、450℃で1時間空気中にて焼成した。
【0034】
実施例B
この実施例のために、D90<4μmを有するCe/Zr合成物を用いた。その粒径をさらに減少させることなくそのCe/Zr粉末を用いた。実施例Aと同様の方法でそのスラリーをウォッシュコートした。
【0035】
実施例C
この実施例のために、D90<13μmを有するZSM−5のアンモニウム形態(0.3g/in)を用いた。その粒径をさらに減少させることなくその沸石粉末を用いた。実施例Aと同様の方法でそのスラリーをウォッシュコートした。
【0036】
実施例D
この実施例のために、D90<5μmに粉砕したSiralox1.5粉末(0.1g/in)を用いた。実施例Aと同様の方法でそのスラリーをウォッシュコートした。
【0037】
実施例E
この実施例のために、Siralox1.5粉末(0.3g/in)を用いた。粉砕する前に酒石酸を添加しながら、その粉末をD90<6μmに粉砕した。その入口側と出口側の両方からそのスラリーをウォッシュコートし、合計0.3g/inのウォッシュコート荷重を得た。
【0038】
実施例F
90<7μmを有する、ジェットミルにより粉砕したアルミナ粉末を用いた。このアルミナ粉末を連続粉砕機内でさらにD90<5μmに粉砕した。その入口側からそのスラリーを被覆し、0.40g/inのウォッシュコートを得た。
【0039】
図4は、実施例(試料)A〜Fに関する熱膨張係数(CTE)の図表を示す。これらの測定を1,000℃で行った。CTEが低い程、より頑強な触媒すすフィルタを示す。全ての粉砕した試料(実施例B〜F)は、比較実施例Aより低いCTEを明示する。15×10−7/℃未満のCTEを有する触媒すすフィルタは、頑強であることが観測されてきた。15×10−7〜25×10−7/℃の間のCTEは、頑健性について検討されている。ほとんどが15×10−7/℃未満である状態で、全ての粉砕した試料は25×10−7/℃未満のCTEを有する。
【0040】
実施例G〜I
90<7μmを有するジェットミルにより粉砕したアルミナ粉末を、機械的に3つの切片にさらに分類した:細かい切片(実施例G)、中間の切片(実施例H)、および粗い切片(実施例I)。その粒径分布(PSD)を図5に示す。細かい粉末である実施例Gは、10%の約1.1μm未満の大きさを有する粒子(90%が1.1μm超過)を有する。中間の粉末である実施例Hは、10%の約1.7μm未満の大きさを有する粒子(90%が1.7μm超過)を有する。粗い粉末である実施例Iは、10%の約2.0μm未満の大きさを有する粒子(つまり、90%が2.0μm超過)を有する。
【0041】
触媒すすフィルタを調製するためのアルミナ担持体として、当該分類した粉末の各切片を用いた。アルミナスラリーを作成するために、アルミナ粉末を水中に添加した。テトラモノエタノールアミン白金をそのスラリーに一滴ずつ添加し、その後硝化パラジウムをそのスラリーに同一の方法で添加した。そのスラリーをチタン酸アルミニウム基板上にウォッシュコートした。その基板は、51%の空隙率、約14〜15μmの平均粒径、約300cpsiのセル密度、および約13ミルの壁厚を有する。その基板の寸法は周囲2インチ×6インチである。その被覆した試料を110℃で2時間乾燥し、その後450℃で2時間空気中にて焼成した。PtおよびPdの量は、23.3g/ftのPtおよび11.7g/ftのPdと同等である。アルミナの量は0.35g/inであった。そのウォッシュコートの荷重は、各被覆したフィルタに関して同一である。
【0042】
25〜1,000℃の各被覆したフィルタに関して、熱膨張係数(CTE)を測定した。1,000℃でのCTE値を図6にまとめる。「細かい」、「中間の」、および「粗い」アルミナ粉末でそれぞれ被覆したフィルタに関して、CTEは約20.5、12.3、および10.0である。
【0043】
比較実施例J〜L
テトラモノエタノールアミン水酸化白金溶液を、遊星混合器中で初期湿潤法によってSiralox粉末上に浸透させた。酢酸(粉末と比較して5重量%)をその粉末に添加した。その後、その貴金属が浸透した粉末を水中に分散させてスラリーを作成した。連続粉砕機を用いてこのスラリーを粉砕し、その粒径を90%4μm未満に減少させた(D90<4μm)。粉砕の完了前に、Ce/Zr粉末をそのスラリーに添加した。その後、その基板の入口側を下に向け、その出口側をそのスラリー面の真上(約1/4インチ)に向けた状態でフィルタ基板をそのスラリー中に含浸させることによって、そのスラリーをウォッシュコートした。その基板をそのスラリーから取り出し、ウォッシュコートスラリーが全く出てこなくなるまで、その出口側から空気流を流した。その後、その被覆した試料を110℃で2時間乾燥し、450℃で2時間空気中にて焼成した。同一のスラリーで3種類の基板を被覆し、下記の触媒組成を得た:5g/ft、0.2g/inのSiralox、0.1g/inのCe/Zr。3種類の基板の特性を表1に記載する。
【0044】
【表1】
【0045】
実施例M〜O
当該被覆のために乾式粉砕したアルミナ粉末を用いた。このアルミナ粉末は下記の粒径分布(PSD)を有する:90%の粒子が5μm未満であり、90%の粒子が1.1μmより大きい。湿式粉砕したスラリー(実施例J〜Lから)と、乾式粉砕アルミナ(本実施例)との間のPSD比較を図7で図示する。
【0046】
アルミナスラリーを作成するために、アルミナ粉末を水中に添加した。テトラモノエタノールアミン白金をそのスラリーに一滴ずつ添加し、その後硝化パラジウムをそのスラリーに同一の方法で添加した。表1に示した各3種のフィルタ基板上にそのスラリーをウォッシュコートした。その被覆したフィルタを110℃で2時間乾燥し、その後450℃で2時間焼成した。その金属およびウォッシュコートの荷重は、当該参照試料のものと同程度である。
【0047】
図8は、当該参照試料(実施例J〜L)、および、より少ない微粒を有する乾式粉砕したアルミナ粉末から作成した試料(実施例M〜O)のCTE(800℃で測定)の比較を示す。各フィルタ基板に関して、そのCTEはより少ない微粒子を有する粉末を用いることによって大幅に減少される。
【0048】
実施例P〜Q
試料PおよびQのための触媒ウォッシュコートは、同量の貴金属(50g/ft、Pt/Pd=2:1)および卑金属成分(0.4g/inの担持体、0.1g/inのβ沸石)を含む。同種のフィルタ基板(SiC、空隙率50%、平均粒径=20μm、300cpsi、壁厚12ミル)上に両試料を被覆した。しかしながら、異なる方法によってそのウォッシュコートスラリーを作成した。試料Aと同一の方法によって試料Pを作成した。試料Mと同一の方法によって試料Qを作成した。
【0049】
1,000ppmのCO、C1基準で(on a C1 basis)で450ppmの炭化水素、100ppmのNO、10%のO、7%の水、5%のCOを含む供給物を有する(供給物の残部をNで補った)流反応器システムにおいて、当該触媒すすフィルタの試料(試料PおよびQ)を試験した。当該炭化水素の構成は、C1基準で、等しい割合のプロペン、トルエン、およびデカンであった。当該試験の空間速度は35,000/時であった。当該システムは、CO分析器、HC分析器、CO分析器、ならびにFTIR分光器、および質量分光器を備えており、これらを用いて触媒の転化効率を決定した。最初に触媒を当該供給物で90秒90℃にて飽和させ、その後、その温度を20℃/分で300℃まで増加させた。反応物および生成物の濃度を連続的に監視および記録した。COおよび合計の炭化水素(THC)の転化を、供給物における濃度(当該触媒を通さない)と、当該触媒を通過した後に得られた濃度との間の相対的差異として何度も計算した。試験前に、空気および10%の蒸気を流しながら、当該試料を装置内にて700℃で4時間経時させた。その後、試料を装置内にて800℃でさらに4時間経時させた。
【0050】
図9は、試料PおよびQの触媒性能の比較(COおよびHCの着火曲線)を示す。試料Qに関するCOおよびHCの両方は、試料Pの着火温度と比較して遥かに低い温度で着火する(より活性)。試料QにおけるCOのT50(50%転化の時点における温度と定義する)は試料Pのそれより14℃低く、HCのT50における差異は36℃である。1つ以上の実施形態によれば、当該触媒すすフィルタは、実施例PおよびQのための上記手順に従って試験する場合、一酸化炭素に関して約130℃未満のT50を示す。その他の実施形態では、当該触媒すすフィルタは、実施例PおよびQのための上記手順に従って試験する場合、炭化水素に関して約130℃未満のT50を示す。その他の実施形態では、当該触媒すすフィルタは、これらの条件下で試験する場合、一酸化炭素および炭化水素に関して約130℃未満のT50を示す。さらに他の実施形態では、実施例PおよびQの手順に従って測定する場合、炭化水素に関して約180℃未満のT70(70%転化)、または約160℃未満のT70、または約140℃未満のT70、または約130℃未満のT70を示す。
【0051】
従って、本発明はその様々な実施形態に関連して開示されているが、下記の特許請求の範囲によって定義されているように、その他の実施形態が本発明の主旨および範囲の中に含まれる可能性があるということを理解されたい。
【0052】
本明細書全体における「1つの実施形態」、「ある実施形態」、「1つ以上の実施形態」、または「一実施形態」への言及は、当該実施形態に関連して記載されている特定の特長、構造、物質、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれるということを意味する。従って、本明細書全体における様々な場所での「1つ以上の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「1つの実施形態では」、または「一実施形態では」等の語句の出現は、必ずしも本発明の同一の実施形態を指していない。さらに、当該特定の特長、構造、物質、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされてよい。
【0053】
本明細書の発明がある実施形態を参照して記載されているが、これらの実施形態は本発明の原理および用途をただ説明しているだけであるということを理解されたい。様々な変更および変形が、本発明の主旨および範囲を逸脱することなく、本発明の方法および装置に対して行うことができるということが当業者にとって明白になる。従って、本発明が、添付の特許請求の範囲およびその同等物の範囲内にある変更および変形を含むということが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9