【文献】
NSN, Nokia,Network assistance for advanced receivers[online],3GPP TSG RAN WG1#76, R1-140576,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_76/Docs>,2014年 2月 1日
【文献】
Panasonic,Feasibility of dynamic assistance signalling and blind parameter detection[online],3GPP TSG RAN WG1#76, R1-140509,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_76/Docs>,2014年 1月31日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ビットのサブセットが、前記少なくとも1つのコードポイントの値、または、前記第2のトランスポートブロックのための冗長バージョンを示す別の値、のいずれかをとる、請求項1に記載の装置。
フォーマットii)の場合、前記リソースブロック割当てフィールドの前記第2のサブフィールド(1690)が、前記第1のサブフィールドに従って割り当てられる前記それぞれのリソースについて、前記割り当てられるそれぞれのリソースに第1の干渉情報が適用されるのか第2の干渉情報が適用されるのかを示し、
前記第2のフィールドが、干渉パラメータの第1のセットを示す第1のサブフィールドと、干渉パラメータの第2のセットを示す第2のサブフィールド、を含む、
請求項3に記載の装置。
前記送受信機が、送信モードを伝える制御情報を、物理層より上位の層のプロトコルにおいて受信するように構成されており、前記送信モードが、前記装置が前記ダウンリンク制御情報から前記干渉情報を抽出するべきことを定義する値と、前記装置が前記ダウンリンク制御情報から前記干渉情報を抽出するべきことを定義しない値とをとることができる、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の装置。
前記干渉情報を前記ダウンリンク制御情報の中で提供するか否かを、前記受信装置によって前記装置に報告される基準信号の測定値に基づいて、もしくは、干渉基地局の負荷情報に基づいて、またはその両方に基づいて、決定する干渉決定ユニット、
をさらに備えている、請求項6に記載の装置。
【背景技術】
【0002】
例えば3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)において標準化されたUMTS(Universal Mobile Telecommunication System:ユニバーサル移動体通信システム)などの第3世代(3G)の移動セルラーシステムは、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access:広帯域符号分割多元接続)(登録商標)無線アクセス技術に基づいている。今日、3Gシステムは世界中に広範な規模で配備されつつある。HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access:高速ダウンリンクパケットアクセス)および強化されたアップリンク(HSUPA(High-Speed Uplink Packet Access)とも呼ばれる)を導入することによってこの技術が拡張された後、UMTS標準の発展における次の主要な段階では、ダウンリンクでのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)と、アップリンクでのSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiplexing Access:シングルキャリア周波数分割多元接続)との組合せが取り入れられた。このシステムは、将来の技術発展に対応していくことを意図しているため、LTE(Long Term Evolution)と名付けられている。
【0003】
LTEシステムは、少ない待ち時間かつ低コストのIPベースの完全な機能性を提供するパケットベースの効率的な無線アクセスおよび無線アクセスネットワークに相当する。物理データチャネル送信の場合、ダウンリンクではデータ変調方式QPSK、16QAM、および64QAMがサポートされ、アップリンクではQPSK、16QAM、および少なくともいくつかのデバイスに対しては64QAMもサポートされる。「ダウンリンク」という用語は、ネットワークから端末への方向を示す。「アップリンク」という用語は、端末からネットワークへの方向を示す。
【0004】
LTEのネットワークアクセスは、5MHzにチャネルが固定されたUTRA(UMTS Terrestrial Radio Access:UMTS地上無線アクセス)とは対照的に、1.4〜20MHzの間で定義されるいくつかのチャネル帯域幅を使用し、柔軟性が極めて高い。スペクトル効率はUTRAと比べて最大4倍に向上し、アーキテクチャおよびシグナリングの改善により往復待ち時間が短縮される。MIMO(多入力多出力)のアンテナ技術により、3GPPの当初のWCDMA(登録商標)無線アクセス技術と比較してセルあたり10倍のユーザに対応できるようになる。可能な限り多くの周波数帯割当の配置に適合するように、ペアになった帯域動作(FDD:Frequency Division Duplex:周波数分割複信)およびペアをなさない帯域動作(TDD:Time Division Duplex:時分割複信)の両方がサポートされる。LTEは、隣接するチャネル内でも以前の3GPP無線技術と共存することができ、すべての3GPPの以前の無線アクセス技術との間で呼を受け渡しすることができる。
【0005】
図1は、ネットワークエンティティおよびネットワークエンティティ間のインタフェースを含むLTEネットワークアーキテクチャを例示している。
図1から理解できるように、LTEアーキテクチャでは、UTRANやGERAN(GSM(登録商標) EDGE無線アクセスネットワーク)などのさまざまな無線アクセスネットワーク(RAN)の相互接続がサポートされ、これらはサービングGPRSサポートノード(SGSN)を介してEPCに接続される。3GPP移動通信ネットワークでは、移動端末110(ユーザ機器、UE、またはデバイスとも呼ばれる)は、UTRAN内のNode B(NB)およびE−UTRANアクセス内の進化型Node B(eNB)を介してアクセスネットワークにアタッチされる。エンティティNBおよびeNB 120は、他の移動通信ネットワークでは基地局として知られている。UEのモビリティをサポートするために、2基のデータパケットゲートウェイ(サービングゲートウェイ(SGW)130およびパケットデータネットワークゲートウェイ160(PDN−GWまたは簡潔にPGW))がEPSに置かれている。E−UTRANアクセスを想定すると、エンティティeNB 120は、S1−Uインタフェース(「U」は「ユーザプレーン」を表す)を介して1つまたは複数のSGWに有線回線を通じて接続され、また、S1−MMMEインタフェースを介してモビリティ管理エンティティ140(MME)に有線回線を通じて接続される。SGSN 150およびMME 140は、サービングコアネットワーク(CN)ノードとも呼ばれる。
【0006】
上に示したように、E−UTRANは、eNodeBから構成され、ユーザ機器(UE)に向けてE−UTRAユーザプレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)および制御プレーン(RRC)のプロトコル終端を提供する。eNodeB(eNB)は、物理層(PHY)、媒体アクセス制御層(MAC)、無線リンク制御層(RLC)、および、パケットデータ制御プロトコル層(PDCP)をホストし、これらはユーザプレーンヘッダ圧縮および暗号化機能を含む。さらに、eNodeB(eNB)は、制御プレーンに対応する無線リソース制御(RRC)機能を提供する。eNodeB(eNB)は、無線リソース管理、アドミッション制御、スケジューリング、ネゴシエーションされるアップリンクサービス品質(QoS)の実施、セル情報ブロードキャスト、ユーザプレーンおよび制御プレーンデータの暗号化/解読、ダウンリンク/アップリンクユーザプレーンパケットヘッダの圧縮/解凍などの多くの機能を実行する。eNBは、X2インタフェースによって互いに相互接続される。
【0007】
図2は、LTEリリース8およびそれ以降のリリースのコンポーネントキャリアの構造を示している。3GPP LTEリリース8のダウンリンクのコンポーネントキャリアは、時間−周波数領域においていわゆるサブフレームに分割され、各サブフレームは2つのダウンリンクスロットに分割され、そのうちの1つのダウンリンクスロットが、
図2において1期間T
slotに相当するものとして示されている。最初のダウンリンクスロットは、先頭の(1つまたは複数の)OFDMシンボルの中に制御チャネル領域を備える。各サブフレームは、時間領域における特定の数のOFDMシンボルからなり、各OFDMシンボルはコンポーネントキャリアの帯域幅全体にわたる。
【0008】
具体的には、スケジューラによって割り当てることができる最小単位のリソースはリソースブロックであり、これは物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)とも呼ばれる。物理リソースブロック(PRB)は、時間領域のN
DLsymb個の連続したOFDMシンボルおよび周波数領域のN
RBSC個の連続したサブキャリアとして定義される。実際には、ダウンリンクリソースはリソースブロックペアとして割り当てられる。リソースブロックペアは、2つのリソースブロックからなる。1リソースブロックペアは、周波数領域のN
RBSC個の連続したサブキャリアと、時間領域のサブフレームの2・N
DLsymb個の全変調シンボルを範囲とする。N
DLsymbは6または7であり、結果としてOFDMシンボルの総数は12個または14個である。したがって、物理リソースブロックは、時間領域の1スロットおよび周波数領域の180kHzに相当するN
DLsymb×N
RBSC個のリソースエレメントからなる(ダウンリンクのリソースグリッドに関するさらなる詳細は、例えば非特許文献1(3GPPのウェブサイトで自由に入手可能であり、参照によって本明細書に組み込まれている)の6.2節に記載されている。リソースブロックまたはリソースブロックペアがスケジューリングされているにもかかわらずその中のいくつかのリソースエレメントが使用されないことも起こりうるが、使用される術語表現を簡潔にするために、リソースブロックまたはリソースブロックペア全体が割り当てられるとする。スケジューラによって実際に割り当てられないリソースエレメントの例として、基準信号、ブロードキャスト信号、同期信号、さまざまな制御信号やチャネル送信に使用されるリソースエレメントが挙げられる。
【0009】
ダウンリンクの物理リソースブロックの数N
DLRBは、セル内で設定されたダウンリンク送信の帯域幅に応じて決まり、現在LTEでは6〜110個の(物理)リソースブロックであるものと定義されている。LTEでは、帯域幅をHz単位(例えば10MHz)またはリソースブロック単位で表すのが慣習的であり、例えばダウンリンクの場合、セル帯域幅を例えば10MHzまたはN
DLRB=50RBと表すことができ、両者は等価である。
【0010】
一般的に、リソースブロックは、データを送信するためにスケジューラによって割り当てることができる、移動体通信の無線インタフェースにおける最小のリソース単位を表すものと想定することができる。リソースブロックの次元は、移動通信システムで用いられるアクセス方式に応じて、時間(例えば、時間分割多重方式(TDM)の場合のタイムスロット、サブフレーム、フレームなど)、周波数(例えば、周波数分割多重方式(FDM)の場合のサブバンド、キャリア周波数など)、符号(例えば、符号分割多重方式(CDM)の場合の拡散符号)、アンテナ(例えば、多入力多出力(MIMO))などの任意の組合せとすることができる。
【0011】
3GPP LTEリリース8では、ダウンリンク制御シグナリングは、基本的に次の3つの物理チャネルによって伝えられる。
− 1つのサブフレーム中の制御シグナリングに用いられるOFDMシンボルの数(すなわち制御チャネル領域の大きさ)を示す物理制御フォーマットインジケータチャネル(PCFICH)
− アップリンクデータ送信に関連するダウンリンクACK/NACKを伝える物理ハイブリッドARQインジケータチャネル(PHICH)
− ダウンリンクスケジューリング割当ておよびアップリンクスケジューリング割当てを伝える物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)
【0012】
PCFICHは、事前に定義される既知の変調・符号化方式を用いて、ダウンリンクサブフレームの制御シグナリング領域内の既知の場所から送信される。ユーザ機器は、サブフレームの中の制御シグナリング領域の大きさについての情報(例えばOFDMシンボルの数)を得るため、PCFICHを復号する。ユーザ機器(UE)がPCFICHを復号できない、または誤ったPCFICH値を得た場合、制御シグナリング領域に含まれるL1/L2制御シグナリング(PDCCH)を正しく復号することができず、結果として、サブフレームに含まれるすべてのリソース割当てが失われうる。
【0013】
PDCCHは、ダウンリンク制御情報(例えば、ダウンリンクデータまたはアップリンクデータを送信するためのリソースを割り当てるスケジューリンググラントなど)を伝える。ユーザ機器へのPDCCHは、サブフレーム内のPCFICHに従って、最初の1個、2個、または3個のOFDMシンボルで送信される。
【0014】
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)は、ユーザデータを伝えるために使用される。PDSCHは、1つのサブフレーム内のPDCCHに続く残りのOFDMシンボルにマッピングされる。1基のUEに割り当てられるPDSCHリソースは、各サブフレームのリソースブロックを単位とする。
【0015】
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)は、ユーザデータを伝える。物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)は、スケジューリング要求、PDSCH上のデータパケットに応えてのHARQ肯定応答(ACK)および否定応答(NACK)、チャネル状態情報(CSI)など、アップリンク方向のシグナリングを伝える。
【0016】
通信ネットワークを通じて送信されるユーザデータ(IPパケット)は、ユーザアプリケーションによって生成される。ユーザデータは、音声、ビデオ、テキスト、または任意の他のメディアを含むことができ、これらはIPパケットを形成する前に場合によっては別のプロトコルに圧縮およびカプセル化される。EUTRANでは、IPパケットは、PDCP層においてさらに処理されてPDCPヘッダが追加される。このように形成されたPDCPパケットは、さらにセグメント化および/または再構築されて(図では再構築が示されている)RLCパケットが形成され、RLCヘッダが追加される。次いで、1つまたは複数のRLCパケットがMACパケットにカプセル化され、MACパケットもMACヘッダおよびパディング(必要な場合)を含む。MACパケットは「トランスポートブロック」とも呼ばれる。したがってトランスポートブロックは、物理層の観点から見ると、物理層に入るユーザデータのパケットである。LTEで使用できるトランスポートブロックサイズ(TBS)は、予め定義される。次いでトランスポートブロックは、1送信時間間隔(TTI)内で物理層(PHY)上のサブフレームにマッピングされる。トランスポートブロックから始まってインタリービングまでのデータマッピングの詳細に関しては、ユーザデータのアップリンク送信およびダウンリンク送信それぞれについて、非特許文献2(3GPPのウェブサイトで自由に入手可能であり、参照によって本明細書に組み込まれている)の
図5.2.2−1および
図5.3.2−1と、それらの関連する説明に記載されている。さらに、物理チャネルマッピングに関しては、ダウンリンクおよびアップリンクそれぞれについて、非特許文献1の
図6.3−1および
図5.3−1と、それらの関連する説明に詳細に記載されている。
【0017】
リンクアダプテーションの原理は、パケット交換データトラフィックのための効率的な無線インタフェースを設計するうえで重要である。初期のUMTS(ユニバーサル移動体通信システム)では、高速閉ループ電力制御を使用することで、データレートがほぼ一定である回線交換サービスをサポートしていたが、LTEのリンクアダプテーションでは、各ユーザの通常の無線チャネル容量を一致させるため、送信データレート(変調方式およびチャネル符号化率)を動的に調整する。
【0018】
LTEのダウンリンクデータ送信においては、eNodeBは、一般には、ダウンリンクチャネル状態の予測に応じて変調方式および符号化率(MCS)を選択する。この選択プロセスへの重要な入力は、ユーザ機器(UE)によってアップリンクでeNodeBに送信されるチャネル状態情報(CSI)フィードバック(上記に記載)である。
【0019】
チャネル状態情報(CSI)は、マルチユーザ通信システム(例えば3GPP LTEなど)において、1人または複数のユーザにおけるチャネルリソースの品質を判断する目的で使用される。一般的には、eNodeBは、CSIフィードバックに応えて、QPSK方式、16QAM方式、および64QAM方式と、広範な符号化率の中で選択することができる。このCSI情報は、マルチユーザスケジューリングアルゴリズムにおいて、チャネルリソースを複数の異なるユーザに割り当てることを支援する目的で、あるいは、割り当てられたチャネルリソースを最大限に利用できるように、変調方式、符号化率、または送信電力などのリンクパラメータを適合させる目的で、使用することができる。
【0020】
アップリンクリソースグラントおよびダウンリンクリソースグラント(それぞれアップリンクおよびダウンリンクでユーザ機器がデータを送信できるようにするグラント)は、eNodeBからPDCCHを介してダウンリンク制御情報(DCI)の中でユーザ機器に送信される。ダウンリンク制御情報(DCI)は、必要とされるシグナリング情報に応じて、さまざまなフォーマットで送信することができる。一般的には、DCIは以下を含むことができる。
− リソースブロック割当て(RBA)
− 変調・符号化方式(MCS)
【0021】
DCIは、必要とされるシグナリング情報に応じて、さらなる情報を含むことができ、これについては非特許文献3(参照によって本明細書に組み込まれている)の9.3.2.3節にも記載されている。例えば、DCIは、HARQ関連情報(冗長バージョン(RV)、HARQプロセス番号、新規データインジケータなど)、MIMO関連情報(プリコーディングなど)、電力制御関連情報などを、さらに含むことができる。
【0022】
上述したように、スケジューリング対象のユーザに、その割当て状態、トランスポートフォーマット、およびその他のデータ関連情報(例:HARQ情報、送信電力制御(TPC)コマンド)を知らせる目的で、第1層/第2層制御シグナリングがデータと一緒にダウンリンクで送信される。第1層/第2層制御シグナリングは、サブフレーム内でダウンリンクデータと一緒に多重化される(ユーザ割当てが基本的にサブフレーム単位で変化しうるものと想定する)。なお、ユーザ割当てをTTI(送信時間間隔)ベースで実行することもでき、その場合、TTI長は、一般的にサブフレームの倍数とする、またはサブフレームに一致させることができる。TTI長は、サービスエリアにおいてすべてのユーザに対して一定とする、またはユーザ毎に異なる、あるいはユーザ毎に動的とすることもできる。第1層/第2層制御シグナリングは、一般的にはTTIあたり1回送信するのみでよい。一般性を失うことなく、以下では、TTIが1サブフレームに等しいものと想定する。
【0023】
第1層/第2層制御シグナリングは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)で送信される。PDCCHは、ダウンリンク制御情報(DCI)としてメッセージを伝え、ダウンリンク制御情報(DCI)には、ほとんどの場合、移動端末またはユーザ機器のグループのリソース割当て情報およびその他の制御情報が含まれる。一般的には、いくつかのPDCCHを1つのサブフレーム内で送信することができる。なお、3GPP LTEでは、アップリンクデータ送信のための割当て(アップリンクスケジューリンググラントまたはアップリンクリソース割当てとも称する)も、PDCCHで送信されることに留意されたい。一般的には、アップリンクまたはダウンリンクの無線リソースを割り当てるために第1層/第2層制御シグナリングで送られる情報は(特にLTE(−A)リリース10)、以下の項目に分類することができる。
−
ユーザ識別情報: 割り当てる対象のユーザを示す。この情報は、一般には、CRCをユーザ識別情報によってマスクすることによってチェックサムに含まれる。ユーザ(ユーザ機器)は、サーチスペース内で(すなわち、各端末が自身宛のデータがあるか制御情報を監視する必要のあるサーチスペースとして設定されているリソースにおいて)送信された識別情報をデマスキングすることによって、ブラインド復号を実行する。
−
リソース割当て情報: ユーザに割り当てられるリソース(リソースブロック:RB)を示す。したがって、ユーザに割り当てられるリソースブロックの数は動的とすることができる。特に、リソースブロック(周波数領域)の数が、このリソース割当て情報によって伝えられる。時間領域(サブフレーム)における位置は、PDCCHが受信されるサブフレームと、所定の規則(リソースはPDCCHサブフレームより特定の数のサブフレームだけ後に割り当てられる)とによって与えられる。
−
キャリアインジケータ: 第1のキャリアで送信される制御チャネルが、第2のキャリアに関係するリソース(すなわち第2のキャリアのリソース、またはキャリアアグリゲーションが適用される場合には第2のキャリアに関連するリソース)を割り当てる場合に使用される。
−
変調・符号化方式: 採用される変調方式および符号化率(符号化されるトランスポートブロックの長さ)を決める。
−
HARQ情報: データパケットまたはその一部の再送信時に特に有用である、新規データインジケータ(NDI)や冗長バージョン(RV)など。具体的には、新規データインジケータは、その割当てがデータの最初の送信用であるか、データの再送信用であるかを示す。冗長バージョンは、再送信されるデータに適用される符号化を示す(LTEでは増分的冗長性合成法(incremental redundancy combining)がサポートされ、すなわち、各再送信には、異なる方式で符号化された最初の送信データを含めることができ、すなわち、各再送信には、すでに受信された送信/再送信と合わせて最終的に復号を可能にするパリティビットを含めることができる)。
−
電力制御コマンド: 割り当てられたアップリンクのデータまたは制御情報を送信するときの送信電力を調整する。
−
基準信号情報: 割当てに関連する基準信号の送信または受信に使用される、適用されるサイクリックシフトや直交カバーコードインデックスなど。
−
アップリンクまたはダウンリンク割当てインデックス: 割当ての順序を識別するために使用され、TDDシステムにおいて特に有用である。
−
ホッピング情報: 例えば、周波数ダイバーシチを増大させるためにリソースホッピングを適用するかどうかと、適用方法を指示する。
−
CSI要求: 割り当てられるリソースにおけるチャネル状態情報の送信をトリガーするために使用される。
−
マルチクラスタ情報: シングルクラスタ(リソースブロックの連続的なセット)またはマルチクラスタ(連続的なリソースブロックの少なくとも2つの不連続なセット)で送信を行うかを指示して制御するために使用されるフラグである。マルチクラスタ割当ては、3GPP LTE−(A)リリース10によって導入された。
【0024】
なお、上記のリストは、これらに限定されるものではなく、また、使用されるDCIフォーマットによっては、リストした情報項目すべてを各PDCCH送信に含める必要はないことに留意されたい。
【0025】
ダウンリンク制御情報(DCI)は、全体のサイズと、フィールドに含まれる情報とが異なるいくつかのフォーマットの形をとる。LTEにおいて現在定義されている異なるDCIフォーマットは、以下のとおりであり、非特許文献4の5.3.3.1節に詳しく記載されている(この文書は、3GPPのウェブサイトにおいて入手可能であり、参照によって本明細書に組み込まれている)。例えばDCIフォーマット0は、アップリンク送信モード1または2においてシングルアンテナポート送信を使用するPUSCHのためのリソースグラントを送信するのに使用される。
【0026】
ユーザ機器がPDCCH送信を正常に受信したかを自身で識別できるようにする目的で、各PDCCH(すなわちDCI)に付加される16ビットのCRCによって誤り検出が提供される。さらには、ユーザ機器が自身を対象とするPDCCHを識別できることが必要である。このことは、理論的には、PDCCHペイロードに識別子を追加することによって達成できる。しかしながら、「ユーザ機器の識別情報」によってCRCをスクランブルする方がより効率的であり、追加のオーバーヘッドが節約される。CRCの計算およびスクランブリングは、非特許文献2(この文書は参照によって本明細書に組み込まれている)の5.3.3.2節「CRC attachment」において3GPPによって詳細に定義されているように行うことができる。この節には、巡回冗長検査(CRC)を通じてDCI送信に誤り検出を導入する方法が記載されている。簡潔に要約すると以下のようになる。ペイロード全体を使用して、CRCパリティビットを計算する。パリティビットを計算して付加する。ユーザ機器の送信アンテナの選択が設定されていない、または適用可能ではない場合、付加した後、CRCパリティビットを対応するRNTIによってスクランブルする。
【0027】
さらに、スクランブリングは、非特許文献2から明らかであるように、ユーザ機器の送信アンテナの選択にも依存しうる。ユーザ機器の送信アンテナの選択が設定されており適用可能である場合、付加した後、CRCパリティビットを、アンテナ選択マスクおよび対応するRNTIによってスクランブルする。いずれの場合にも、スクランブリング処理にRNTIが関与するため、簡潔さのため、および一般性を失うことなく、実施形態の以下の説明では、CRCがRNTIによってスクランブルされる(および必要な場合にデスクランブルされる)ものと記載されているが、例えばアンテナ選択マスクなどのさらなる要素もスクランブリング処理において使用されうることを理解されたい。
【0028】
したがって、ユーザ機器は、「ユーザ機器の識別情報」を適用することによってCRCをデスクランブルし、CRC誤りが検出されなければ、そのPDCCHが自身を対象とする制御情報を伝えているものと判断する。CRCを識別情報によってスクランブルする上述したプロセスにおいては、「マスキング」および「デマスキング」という用語も使用される。DCIのCRCをスクランブルする上述した「ユーザ機器の識別情報」は、SI−RNTI(システム情報無線ネットワーク一時識別子)とすることもでき、このSI−RNTIは、「ユーザ機器の識別情報」ではなく、送信される情報のタイプ(この場合にはシステム情報)に関連付けられる識別子である。SI−RNTIは、通常では仕様において決定され、したがってすべてのユーザ機器においてあらかじめ既知である。
【0029】
物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)は、例えば、ダウンリンクまたはアップリンクでデータを送信するためのリソースを割り当てるスケジューリンググラントを伝える。1つのサブフレームにおいて複数のPDCCHを送信することができる。ユーザ機器へのPDCCHは、サブフレームの中の最初のN
PDCCHsymb個のOFDMシンボル(通常では1個、2個、または3個のOFDMシンボル(PCFICHによって示される)、例外的なケースでは2個、3個、または4個のOFDMシンボル(PCFICHによって示される))で送信され、OFDMシンボルはシステム帯域幅全体にわたり延びている。システム帯域幅は、一般にはセルまたはコンポーネントキャリアの範囲に等しい。時間領域における最初のN
PDCCHsymb個のOFDMシンボルと、周波数領域におけるN
DLRB×N
RBsc本のサブキャリアとによって占有される領域は、PDCCH領域または制御チャネル領域とも称される。周波数領域におけるN
DLRB×N
RBsc本のサブキャリアにわたる、時間領域における残りのN
PDSCHsymb=2*N
DLsymb−N
PDCCHsymb個のOFDMシンボルは、PDSCH領域または共有チャネル領域と称される(後述する)。
【0030】
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)に関するダウンリンクグラント(すなわちリソース割当て)については、PDCCHは、同じサブフレーム内の(ユーザ)データのためのPDSCHリソースを割り当てる。サブフレーム内のPDCCH制御チャネル領域は、一連のCCE(制御チャネル要素)からなり、サブフレームの制御領域におけるCCEの合計数は、時間−周波数制御リソース全体にわたり分散している。制御チャネルの符号化率を効果的に低減するため、複数のCCEを組み合わせることができる。CCEは、さまざまな符号化率を達成するためツリー構造を使用する所定の方法において組み合わされる。制御チャネル要素(CCE)は、物理リソースブロック全体より小さい個別に割当て可能な単位である。制御チャネル要素(CCE)によって、少量のデータが伝送される制御チャネルのリソース割当てをより細かく行うことができる。
【0031】
トランスポートチャネルのレベルにおいては、PDCCHを介して送信される情報は、第1層/第2層(L1/L2)制御シグナリングとも称される(第1層/第2層制御シグナリングの詳細については前述した説明を参照)。
【0032】
LTEにおいてPDCCHでシグナリングされるアップリンクリソース割当て(物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)で送信するための割当て)に対しては、第1層/第2層制御情報にはHARQプロセス番号が含まれず、なぜならLTEのアップリンクには同期HARQプロトコルが採用されるためである。アップリンク送信に使用されるHARQプロセスは、タイミングによって与えられる。さらに、冗長バージョン(RV)情報はトランスポートフォーマット情報と共に符号化され、すなわちRV情報はトランスポートフォーマット(TF)フィールドに埋め込まれることに留意されたい。TFフィールドすなわち変調・符号化方式(MCS)フィールドは、例えば32個のエントリに対応するビットサイズを有する。TF/MCSテーブルの3つのエントリは、RV1、RV2、またはRV3を示すために予約されている。残りのMCSテーブルエントリは、MCSレベル(TBS)(暗黙的にRV0を示す)をシグナリングするために使用される。
【0033】
PDCCHにおけるアップリンク割当てのためのTBS/RVシグナリングに関する詳細については、非特許文献5(3GPPのウェブサイトにおいて入手可能であり、参照によって本明細書に組み込まれている)を参照されたい。PDCCHのCRCフィールドのサイズは16ビットである。
【0034】
LTEのPDCCHにおいてシグナリングされるダウンリンク割当て(PDSCHを対象とする)に対しては、冗長バージョン(RV)は、2ビットのフィールドにおいて個別にシグナリングされる。さらに、変調次数情報が、トランスポートフォーマット情報と共に符号化される。アップリンクの場合と同様に、PDCCHにおいて5ビットのMCSフィールドがシグナリングされる。エントリのうちの3つは、明示的な変調次数をシグナリングするために予約されており、トランスポートフォーマット(トランスポートブロック)情報は提供しない。残りの29のエントリにおいては、変調次数およびトランスポートブロックサイズ情報がシグナリングされる。
【0035】
干渉除去および干渉抑制のコンセプトの基礎をなす発想として、受信機において受信信号のうちの干渉分を除去または抑制できるならば、受信機における有効信号対干渉電力比を高めることができる。これを達成するためには、干渉のタイプおよび強さを認識することが有利である。
【0036】
図4は、受信機における干渉除去の基本的なコンセプトを示している。送信機によって信号Sが生成され、チャネルを通じて送信される。送信中、信号Sに干渉Iおよび雑音Nが重畳される。結果として、乱れた信号が受信機に入力され、このため復調器においていくつかのビット誤りが発生しうる。受信品質、特に、復調および復号時に発生するビット誤り率を改善する目的で、干渉除去(
図4には点線の長方形によって表してある)を適用することができる。具体的には、受信機において利用可能な干渉の推定I’を使用して信号S’を回復し、この信号S’を復調器の入力として使用することで、ビット誤り率が下がる。この例においては、回復は、受信信号S+N+Iから、推定された干渉信号I’を減じることによって達成される。干渉除去の性能は、干渉の推定I’の正確さに強く依存する。干渉の推定が極めて不正確でありIとI’の差が大きい場合、復調器への入力の乱れが増大してビット誤り率が高まることさえある。
【0037】
干渉Iは、いくつかの送信(干渉)パラメータの組合せによって求められる。干渉の推定I’の正確さは、受信機側において利用可能な干渉パラメータに関する情報量とともに高まる。
【0038】
図5は、1つの主たる干渉セルから干渉を受ける一般的なシナリオを示している。ユーザ機器501,502,503,504は、eNB Aによってサーブされており、eNB Bから干渉を受ける。ユーザ機器501およびユーザ機器502は、干渉源(eNB B)から離れているためeNB Bから弱い干渉を受けるが、ユーザ機器503およびユーザ機器504は、eNB Bから強い干渉を受ける。点線の円500は、eNB Aによってサーブされている端末においてeNB Bからの干渉が強いエリアを示している。エリア500の中に位置する端末の受信品質を改善する目的には、干渉の除去、したがって干渉の推定の正確さが極めて重要である。
【0039】
最近、3GPPでは、3GPP LTEシステムにおけるダウンリンクを対象とするネットワーク支援型の干渉の除去および抑制(NAICS:network assisted interference cancellation and suppression)に関する検討項目が開始された。詳細は、非特許文献6(以下では「NAICS技術報告書」と称する)に記載されている。この報告書に基づき、次の作業項目では、非特許文献7(以下では「NAICS作業項目」と称する)から理解できるように、ネットワーク支援型の干渉除去を標準規格に含めることを策定することになっている。
【0040】
LTEシステムにおけるパラメータのうち干渉に影響するパラメータとしては以下が挙げられる。
− (例えば
図5のeNB Bによる)干渉を及ぼす送信のリソースグリッド内の基準信号(パイロット)の位置
− 実際の干渉チャネル(干渉元の送信機側におけるプリコーディングなど)
− 割り当てられるリソースの情報として、干渉源のリソース割当て(物理リソースブロック(PRB)、制御フォーマットインジケータ(CFI)など)
− 干渉を及ぼす送信の空間送信レイヤの数
− 干渉を及ぼす送信の変調次数
− 干渉を及ぼす送信のチャネル符号化パラメータ(符号化率、冗長バージョンなど)
【0041】
必要な干渉情報の量は、受信機のタイプに依存する。3GPPにおいて調査された受信機のタイプは、和信号の空間フィルタリングによって干渉を抑制するタイプから、干渉源によって送信されるコードワードの完全な復号を実行するタイプにわたる。
【0042】
受信信号の空間フィルタリングによってのみ干渉抑制を実行する受信機(例えばNAICS技術報告書の7.2節におけるE−LMMSE−IRC)では、空間レイヤごとの実際の干渉チャネルに関する情報(干渉元の送信機側におけるプリコーディングなど)のみが必要であり、変調・符号化方式や冗長バージョンなどに関する情報は必要ない。
【0043】
これに対して、シンボルレベル(SL−IC: NAICS技術報告書の7.4節を参照)またはコードワードレベル(CW−IC: NAICS技術報告書の7.4節を参照)のいずれかで干渉除去を実行する受信機では、大幅に多くの干渉情報量が要求される。特に、受信機側では、
図4に示したような効果的な干渉除去を実行するためには、どの変調シンボルが送信されたかを認識していなければならない。NAICSの範囲内で3GPP RAN1において検討された受信機のタイプに関する詳しい説明は、NAICSの中で与えられている(上に引用したNAICS技術報告書を参照)。したがって、LTEシステムにおいて干渉パラメータを取得する目的には以下の複数の異なる方法を考慮することができる。
−
ブラインド検出: 受信機の中で仮説検証によって干渉パラメータを推定する。この方法は、ネットワークによる支援を必要としないが、受信機側における計算の複雑さが増大する。求めなければならないパラメータによっては、追加の複雑さがさらに増大しうる。この方法の利点として、追加のシグナリングが必要ない。
−
干渉eNBからの制御信号(DCI、基準信号など)のオーバーヒア: 干渉セル自体からの既存の制御信号をリスンすることによって受信機において干渉パラメータを求める。この方法では、追加のネットワーク支援を必要とせず、なぜなら、干渉を及ぼす信号の送信パラメータが、干渉eNBに関連付けられるユーザ機器にすでに提供されるためである。この方法の欠点として、ユーザ機器はサービングeNBおよび干渉eNBの両方からの信号を並行して受信することができなければならない。さらに、干渉セルからの信号の大きな処理量のブラインド検出が必要であり、これにより受信機の実装の複雑さが増す。
−
干渉eNBからの第1層(L1)シグナリング: この方法では、干渉情報を提供するための新規の第1層(物理層)シグナリングを導入する。この制御情報は、干渉eNBによって送信され、隣接するeNBに関連付けられる、干渉被害を受けるユーザ機器によって受信される。この方法の欠点として、ユーザ機器はサービングeNBおよび干渉eNBの両方からの信号を並行して受信することができなければならない。
−
サービングeNBからの上位層シグナリング: サービングeNBが、干渉被害を受けるユーザ機器に、MAC層またはそれより上位の層におけるダウンリンク制御メッセージによって干渉情報を提供する。サービングeNBは、干渉セルにおいて使用される送信パラメータを、バックホール通信によって認識する。上位層シグナリングは待ち時間(レイテンシ)を伴うため、この方法を適用できるのは、頻繁には変更されない干渉パラメータに対してのみである。
−
サービングeNBからの第1層シグナリング: サービングeNBが、干渉被害を受けるユーザ機器に、物理層におけるダウンリンク制御シグナリングによって干渉情報を提供する。サービングeNBは、干渉セルにおいて使用される送信パラメータを、バックホール通信によって認識する。上位層シグナリングを使用する方法とは異なり、サービングeNBと干渉eNBとの間のバックホール接続が遅延および容量の要件を満たしている場合、干渉情報をより頻繁に更新することができる。この方法の重要な前提条件は、十分な容量およびレイテンシを有するバックホール接続である。したがって、この方法を使用するのが好ましいケースは、サイト内調整や遠隔無線ヘッド(RRH)の調整である。
【0044】
このように、干渉パラメータを取得するための上記の方法は、それぞれ利点および欠点を有する。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本発明は、ネットワーク側の支援によって干渉の除去および抑制をサポートすることに対処する。ユーザ機器側で干渉の除去および抑制を行うことにより、PDSCHの信号対干渉・雑音比(SINR)が高くなるため、ダウンリンクのユーザスループットを大幅に高めることができる。効果的な干渉の除去および抑制を実行するためには、ユーザ機器側で干渉パラメータを認識している必要がある。干渉は、例えば
図5に示したようなセル間干渉である。したがって、ユーザ機器は、サービングノード(例えばLTEシステムにおけるeNBなどの基地局)によってサーブされており、別のそれぞれのセルを制御する別の基地局などの別のノードからの干渉にさらされる。なお、干渉源は、必ずしもeNBなどのネットワークノードであるとは限らないことに留意されたい。干渉は、中継ノードによって、または(特にLTEのアップリンクにおける)別の端末によって、またはサービングノード自体から別の受信機への並行する送信によっても、発生しうる。
【0071】
本発明は、隣接する干渉セルにおいて使用されている送信パラメータのうち干渉被害を受けるユーザ機器とサービングノードの間の送信との干渉につながる送信パラメータに関する情報を送信する方法を提供する。干渉被害を受けるユーザ機器(干渉を受けるユーザ機器)は、この情報を使用して干渉の除去および抑制を実行することができる。
【0072】
なお、「セルラーシステム」または「セル」という用語は、マクロセル、ミクロセル、ピコセル、フェムトセル、または任意の他のコンセプトを含む任意の形態のセルを意味することに留意されたい。セル間干渉は、階層的に編成されたセル(ピコセルのエリアを含むマクロセルなど)によっても発生しうる。さらに、本発明の目的において、中継ノード(または中継機能を提供するユーザ端末)のカバレッジもセルを形成しうるものと想定する。さらには、抑制するべき干渉は、別の端末との干渉によっても発生しうる。
【0073】
本発明は、LTE環境において、干渉被害を受けるユーザ機器に、ダウンリンク制御情報(DCI)の1つのフォーマットの中でPDSCHスケジューリング情報と一緒に干渉情報を提供するためのさまざまな方法を説明する。このことは、LTEリリース11の既存のDCIフォーマットの特定のビットを再利用することによって、あるいは1つまたは複数の新規のDCIフォーマットを導入することによって、達成することができる。
【0074】
特に、サービングeNBの送信パラメータは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)または拡張物理ダウンリンク制御チャネル(E−PDCCH)において送信されるダウンリンク制御情報(DCI)の形で、ユーザ機器に送信される。可能な方法として、DCIフォーマットの中で干渉情報も提供する。
【0075】
1つの方法として、隣接するセル(または別の干渉源)からの干渉情報のみを含む新規のDCIフォーマットを導入することができる。しかしながら、このような方法を使用することは、干渉被害を受けるユーザ機器(干渉によって影響されるユーザ機器)が、2つのPDCCHまたはE−PDCCH(すなわち、PDSCH割当て情報を含むDCIを伝える(E)PDCCHと、干渉情報を含むDCIを伝える(E)PDCCH)を受信しなければならないことを意味する。このような方法では関連する2つの問題が存在し、すなわち、(a)2つのPDCCHまたはE−PDCCHを受信する必要がある場合、DCIの追加のブラインド検出および復号が要求される、(b)2つのPDCCHまたはE−PDCCHを送信することにより、ダウンリンク制御シグナリングのための必要な送信リソースが増大する。この場合の送信リソースは、LTE仕様書である非特許文献8の例えば6.8節および6.8A節に定義されているように制御チャネル要素(CCE)または拡張制御チャネル要素(ECCE)の形で与えられる。
【0076】
LTE仕様書である非特許文献4の5.3.3.1節にすでに定義されているDCIフォーマットを、干渉情報を提供するために使用されるビット分だけ拡張することができる。新規のDCIフォーマットを導入する方法と比較したときの利点として、PDCCHまたはE−PDCCHの追加のブラインド検出および復号が要求されず、なぜならPDSCH割当て情報および干渉情報の両方が1つのDCIフォーマットの中で提供されるためである。
【0077】
しかしながら、このような方法では関連する2つの欠点も存在し、すなわち、(a)DCIフォーマットのサイズを拡張する結果として、サイズの増大に起因してPDCCHまたはE−PDCCHの堅牢性が低下する、(b)DCIフォーマットのサイズが大きくなる結果として、要求される制御チャネル要素(CCE/ECCE)が増大しうる。チャネル符号化率の低下に起因して堅牢性が低下することは重大な問題であり、なぜなら干渉の除去および抑制の対象候補であるユーザ機器は、一般にはセルの周縁部に位置しており信号対干渉・雑音比(SINR)レベルが低いユーザ機器であるためである。
【0078】
解決するべき問題は、以下の設計目標を満たすことによって、干渉情報をサービングeNBによって第1層シグナリングの形で提供することである。
−
追加の制御オーバーヘッドを最小限にする: シグナリングの解決策は、要求されるCCE/ECCEの形における追加のシグナリングオーバーヘッドができる限り少ないべきである。
−
仕様および実装の変更が最小である: 新しい仕様にスムーズに移行できるように、暗黙的に要求される3GPP仕様の変更はできる限り小さく維持されるべきである。
−
DCIの追加のブラインド復号を回避する: ユーザ機器の実装の複雑さを低く維持する目的で、ダウンリンク制御情報の追加のブラインド復号処理が導入されることを回避するべきである。
−
必要な場合のみに干渉情報を提供する: 干渉情報は必要なときにのみユーザ機器に提供するべきである。この要件は、制御オーバーヘッドを最小限にする必要性に関連する。
【0079】
本発明によると、干渉情報を、PDSCHスケジューリング情報と一緒に同じDCIフォーマットの中で提供する。
【0080】
特に、セルラー通信システムにおいてサービング基地局からデータを受信する、またはサービング基地局にデータを送信する方法、を提供する。本方法は、端末などの受信側ノードにおいて実行され、サービング基地局によって送信されるダウンリンク制御情報DCIを識別および復号するためにブラインド復号を適用する。次いで、ダウンリンク制御情報の第1のフィールドからスケジューリング制御情報を抽出し、ダウンリンク制御情報の第2のフィールドから干渉情報を抽出するステップを実行する。最後に、受信側ノードは、サービング基地局以外の送信機に起因する干渉を低減するため、干渉情報を考慮しながら、スケジューリング情報によって指定されるリソース上でデータを受信または送信する。
【0081】
本明細書において、「ブラインド復号」という用語は、データ送信を、対応する送信パラメータ(割り当てられているリソースやトランスポートフォーマット(すなわちDCIフォーマット)など)を事前に認識することなく復号することを意味する。LTEでは、端末は、PDCCHの送信に使用される制御チャネル要素(CCE)の数もしくは位置またはその両方を事前に認識していない。端末は、自身への制御情報を検出する目的で、入ってくる制御情報を、CCEのさまざまな組合せを想定して「盲目的に」復号することを試みた後、CRCをチェックする。CRCが一致する場合、端末は、そのPDCCHが自身を対象としており制御情報が正しく復号されたものと結論する。CRCが一致しない場合、端末は、CCEの別の位置を検出する。LTEでは、復号の試行回数を少なく維持する目的で、各端末に対していわゆるサーチスペースを使用する。サーチスペースは、端末が自身宛の制御情報がないか監視する必要のあるCCEの組合せを決める。サービング基地局/サービングネットワークノード以外の送信機は、別の基地局や中継ノード、または別の端末とすることができる。
【0082】
この方法では、干渉情報をユーザ機器に提供する目的に、LTEリリース11においてすでに存在するDCIフォーマットの中のビットを再利用することが可能である。
【0083】
干渉情報を提供するために使用されるDCIフォーマットは、リリース11において2つのトランスポートブロックを含むPDSCH割当てを示すために使用されるDCIフォーマットである。トランスポートブロックは、個別のチャネル符号化を使用して1つのコードワードを伝える。2つのトランスポートブロックのスケジューリングは、LTEでは、複数の空間レイヤで送信する場合に使用される。コードワードをトランスポートブロックにマッピングする処理については、LTE仕様書である非特許文献4の5.3.3.1節に定義されており、トランスポートブロックを空間レイヤにマッピングする処理については、LTE仕様書である非特許文献8の6.3.3節に定義されている。
【0084】
2つのトランスポートブロックをスケジューリングするために使用できる、リリース11によってサポートされるDCIフォーマットは、以下のとおりである。
−
DCIフォーマット2: 閉ループ空間多重化または送信ダイバーシチ
−
DCIフォーマット2A: 大きな遅延CDD(循環遅延ダイバーシチ)または送信ダイバーシチ
−
DCIフォーマット2B: アンテナポート7および8を使用してのデュアルレイヤ送信または単一アンテナポート7または8を使用しての送信
−
DCIフォーマット2C: アンテナポート7〜14を使用しての最大8レイヤでの送信または単一アンテナポート7または8を使用しての送信
−
DCIフォーマット2D: アンテナポート7〜14を使用しての最大8レイヤでの送信または単一アンテナポート7または8を使用しての送信
【0085】
図3A〜
図3Eは、これらのフォーマットを単純化して示している。具体的には、
図3Aは、DCIフォーマット2が、長さ1ビットのリソース割当てヘッダと、それに続くリソースブロック割当てフィールド(RBA)を含むことを示している。リソースブロック割当て(RBA)はビットマップであり、物理リソースブロック(PRB)(のグループ)それぞれについて、制御対象のノード(端末など)にリソースが割り当てられるか否かを指定する。このDCIフォーマット2は、さらに、TPC(送信電力制御)情報と、HARQ設定(プロセス番号)と、2つのトランスポートブロックをコードワードに割り当てるためのトランスポートブロック−コードワードスワップフラグ(transport block to codeword swap flag)と、2つのトランスポートブロックそれぞれに固有なスケジューリング情報とを含む。トランスポートブロックに固有なスケジューリング情報は、8個のビットを有し、変調・符号化方式(MCS)の指示情報と、新規データインジケータ(NDI)と、冗長バージョン(RV)の指示情報とを含む。最後にプリコーディング情報がシグナリングされ、プリコーディング情報は、eNBにおけるアンテナポートの数に応じて3個または6個のビット長を有し、例えばランクインジケータ(RI)やプリコーディング行列インジケータ(PMI)を含む。
【0086】
図3BはDCIフォーマット2Aを示しており、DCIフォーマット2と特に異なる点として、プリコーディング情報が短く、アンテナポートの数に応じて0個または2個のビット長を有する。
図3CはDCIフォーマット2Bを示しており、このフォーマットは、リソース割当てヘッダ以外に、リソースブロック割当て(RBA)情報、TPC情報、HARQ情報、2つのトランスポートブロックのスケジューリング情報、スクランブリングIDを含む。
図3DはDCIフォーマット2Cを示しており、フォーマット2Bと特に異なる点として、アンテナポート、スクランブリングID、およびレイヤ数に関する情報を含む。
図3EはDCIフォーマット2Dを示しており、このフォーマットは、フォーマット2Cに関して説明した要素に加えて、1つまたは一連の送信点をユーザ機器に知らせるためのPQI(PDSCHレートマッチングおよび擬似コロケーションインジケータ)を含む。
【0087】
しかしながら、本発明は、既存のDCIフォーマットを再利用することに限定されない。これに代えて、特徴として第2のフィールドの中に干渉情報を含む新規のDCIフォーマットを定義することができる。
【0088】
本発明の実施形態によると、ダウンリンク制御情報の第1のフィールドから抽出されるスケジューリング情報は、データの第1のトランスポートブロックの送信パラメータを示す第1のスケジューリング情報である。第2のフィールドは、干渉情報、または、データの第2のトランスポートブロックの送信パラメータを示す第2のスケジューリング情報、のいずれかを含む。
【0089】
したがって、LTEの用語で記述すると、ユーザ機器に対して以下のいずれかのスケジューリングを行うことができる。
− 2つのトランスポートブロックを含むPDSCH送信をスケジューリングする。この場合、干渉は無視できる(すなわちユーザ機器は
図5に示したエリア500の外側である)ものと想定する。
− 1つのトランスポートブロックを含むPDSCH送信をスケジューリングし、このスケジューリングと組み合わせて受信側ユーザ機器に干渉情報を提供する。
【0090】
図6は、DCIフォーマットの中の、2つのトランスポートブロックの一方のためのビットを使用して、干渉情報を提供する方法を示している。DCIフォーマットの残りのビットの解釈は変更されない。具体的には、
図6には、まずダウンリンク制御情報の第1のフィールド610の内容を示してある。第1のフィールド610は、第1のトランスポートブロックのスケジューリング情報を伝える。スケジューリング情報には、変調・符号化方式、新規データインジケータ、および冗長バージョンが含まれる。第2のフィールド620の内容は、第2のトランスポートブロックのための同じタイプのスケジューリング情報(MCS、NDI、RV)を含む。したがって、第1のフィールド610および第2のフィールド620は、LTEの現在のDCIフォーマットに一致する。このフォーマットは、かなり弱い干渉(例えば所定のしきい値を超えない干渉)を受ける端末に適用されることが有利である。端末が強い干渉(例えば特定のしきい値を超える干渉)を受ける場合、この実施形態におけるDCIのフォーマットは、第1のフィールド630および第2のフィールド650に対応する。第1のフィールド630には、第1のフィールド610と同様に、第1のトランスポートブロックのスケジューリング情報が含まれる。フィールド610,620,630,640の長さは同じである。しかしながら第2のフィールド650には、第2のトランスポートブロックに関連する情報ではなく、受信装置のための干渉情報が含まれる。受信装置は、この干渉情報によって、
図4に図解したように干渉の推定を実行し、したがって干渉を除去または抑制することが可能である。
【0091】
この方法の影響として、1つのトランスポートブロックがスケジューリングされる場合にのみユーザ機器に干渉情報を提供することができる。ユーザ機器に対して2つのトランスポートブロックをスケジューリングするべきである場合、干渉情報は提供されない。
【0092】
図7は、セル間干渉が発生する一般的なNAICSシナリオにおいて基本的なコンセプトを適用する方法を示している。この図はユーザ機器の4つの異なる位置(701,702,703,704)を示しており、位置701および位置702におけるユーザ機器は強いセル間干渉を受けないが、位置703および位置704におけるユーザ機器は強い干渉によって影響される。干渉電力レベルが高い場合の効果的な干渉の除去および抑制は、正確な干渉の推定(
図4におけるI’)を得る能力によって決まるため、位置703および位置704におけるユーザ機器のみに干渉情報を提供することが合理的である。位置701および位置702におけるユーザ機器には干渉情報は必要なく、なぜなら干渉電力が極めて低く、したがって、干渉除去を使用する(これによりさらなる計算能力およびしたがってさらなる電力が要求される)十分な理由がないためである。
【0093】
この実施形態の暗黙的な制約、すなわち位置703および位置704のユーザ機器に対しては2つのトランスポートブロックをスケジューリングできないことは、システムの性能にマイナスに影響しないものと予測される。LTEでは、2つのトランスポートブロックのスケジューリングは、複数の空間レイヤで送信する場合に使用される。複数の空間レイヤで送信する恩恵が最も大きいのは、信号対干渉・雑音比(SINR)レベルが高い場合であり、すなわちユーザ機器がセルの中央付近に位置しており、受ける干渉電力レベルが低い場合である。これに対して、セルの周縁部付近に位置するユーザ機器は高い干渉電力レベルを受け、したがってSINRを最大にする目的で単一レイヤでの送信がスケジューリングされる。
【0094】
図8は、DCIフォーマットの解釈の状態を切り替える例を示している。具体的には、
図8は、NAICSがサポートされるように設定されているユーザ機器へのダウンリンク制御シグナリングを、2つの状態によって記述できることを示している。状態Aでは、2つのトランスポートブロックのDCIスケジューリング情報が提供されかつ干渉情報が提供されず(610,620)、状態Bでは、1つのトランスポートブロックのDCIスケジューリング情報630が提供されることに加えて干渉情報650も含まれる。
【0095】
これら2つの状態Aおよび設定Bの間で切り替えるための複数の異なるオプションがある。例えば、上位層シグナリングによって、またはDCIフォーマットの中の動的な指示情報によって、切替えを実行することができる。
【0096】
これらの実施形態のうちの最初の実施形態においては、物理層より上位のプロトコル層において切替えメッセージを受信し、この切替えメッセージは、第2のフィールドのフォーマット、すなわち第2のフィールドが干渉情報を伝えるか否かを示す。なお、切替えメッセージは、DCIに干渉情報が含まれるか否かを示すことのできる任意のフォーマットを有することができる。切替えメッセージは、例えば、DCIフォーマット(具体的には、特定のユーザ機器へのDCIに干渉情報が含まれるか否かの設定)が変更される場合にのみ送信することができる。例えば、受信装置の干渉条件が変化する場合に、このような切替えメッセージを送信することができる。このような変化は、干渉が大きくなり、したがって干渉情報を送信することが有用/必要となった場合である。さらには、干渉が小さくなり、したがって干渉情報を送信する必要がなくなった場合である。
【0097】
しかしながら、本発明は、既存のDCIフォーマットを再利用することに限定されないことに留意されたい。干渉情報を含む新規のDCIフォーマットを導入することができる。このような新規のDCIフォーマットは、
図6に示したように、第1のトランスポートブロックの情報と、干渉情報とを含み(630,650)、第2のトランスポートブロックの情報を含まないことが好ましい。これにより、現在使用されているDCIと同程度のフィールドサイズを有する新規のDCIを定義することが可能である。このDCIフォーマットの中の新規の追加のビットによって、両方の状態の間の動的な切替えを示すことができる。しかしながら、新規のDCIは、別のフォーマットを有することもできる。例えば、DCIに干渉情報を単純に追加することができる。したがって、DCIは、両方のトランスポートブロックに関連するスケジューリング情報と、これに加えて、干渉情報(干渉パラメータ)を伝える新規のフィールドとを含むことができる。なお、このような追加の干渉情報フィールドは、送信される干渉パラメータに従って任意のサイズを有することができることに留意されたい。このサイズは、所定のビット数に固定することができる。新規に定義されるDCIでは、2つのトランスポートブロックのスケジューリング情報と干渉情報とを同じDCIフォーマットの中で提供できるため、動的な切替えを必要としない。
【0098】
図8は、本発明の一実施形態を示しており、この実施形態によると、2つの状態Aと状態Bの間の切替えを、上位層シグナリングによって(例えばMACメッセージまたはRRCメッセージによって)半静的に実行する。すでに定義されているMACメッセージまたはRRCメッセージ(例えば、LTE仕様書である非特許文献9の5.3.5節に記載されているRRC接続再設定)に、切替えメッセージのための新規の要素を追加することができる。これに代えて、サービングeNBによるNAICSのサポートを示すための新規のMACメッセージまたはRRCメッセージを定義することができる。
【0099】
状態の変更に関する決定は、例えば、隣接するセルの基準信号受信電力(RSRP)またはRSRQ測定値に基づいて行うことができる。RSRPは、指定された帯域幅全体にわたる基準信号電力の線形平均である。RSRPは、通常では、セルの選択、再選択、およびハンドオーバーの目的でユーザ機器によって測定される。ユーザ機器は、パイロット信号(所定の電力で送信される基準信号)の電力を測定する。測定結果がサービングノードに報告される。RSRQ測定値は追加の情報を提供し、RSRPと、受信信号強度インジケータ(RSSI)との比であり、測定帯域幅(すなわちリソースブロックの数)に依存する。RSSIは、すべての干渉および熱雑音を含む総受信広帯域電力である。RSRQは信号強度と干渉レベルを結びつけるため、この測定値は、モビリティの決定のための追加の支援を提供するのみならず、干渉レベルをおおまかに推定する手段を提供する。RSRQ測定結果もサービングノードにシグナリングされる。RSRPおよびRSRQの詳細は、それぞれ、LTE仕様書である非特許文献10の5.1.1節および5.1.3節に記載されている。したがって、DCI情報の受信機によってサービングノード(サービング基地局)に提供される測定値を使用して、DCIに干渉パラメータを含めるか否かを決定することができる。次いでサービングノードは、自身が実行するこの決定に従って、それぞれのDCI受信機に切替えメッセージを送信する。なお、RSRPおよびRSRQは、LTEの場合の単なる例にすぎないことに留意されたい。しかしながら本発明は、これらの例に限定されない。一般的には、DCIの受信機からサービングノードに報告される、DCIの受信機における干渉状態を反映する任意の測定値を使用することができる。
【0100】
DCIフォーマットが干渉情報を含む、または含まないことを上位層シグナリングによってシグナリングする方法に代えて、本発明の別の実施形態によると、2つのトランスポートブロックのスケジューリング情報を提供しかつ干渉情報を提供しない場合(状態A)と、1つのトランスポートブロックのスケジューリング情報と干渉情報とを提供する場合(状態B)とを、第1層シグナリングによって動的に切り替える方法が考えられる。
【0101】
したがって、物理層において切替え指示情報が提供され、この切替え指示情報は、第2のフィールドのフォーマット、すなわち第2のフィールドが干渉情報を伝えるか否か、を示す。この切替え指示情報は、対応するDCIの中で直接シグナリングすることができる。
【0102】
具体的には、2つの状態Aおよび状態B(すなわちDCIフォーマットの中の第2のフィールドの適用されるフォーマット)の間の切替えは、DCIフォーマット自身の中で示す。このことは、状態を示すために使用される新規のビットを導入することによって、または、既存のDCIフォーマットの中のビットをこの目的のために割り当てることによって、達成することができる。
【0103】
図9は、DCIフォーマット2,2A,2B,2C,2Dのリソース割当てヘッダを再利用する方法を示している。これらのDCIフォーマットにおけるリソース割当てヘッダは、リリース11のLTEでは、現在のところ次の2つの割当てタイプの間で切り替える目的に使用されている。
−
タイプ0: スケジューリング対象のユーザ機器に割り当てられるリソースブロックグループ(RBG)を、ビットマップによって示す。リソースブロックグループ(RBG)は、連続する物理リソースブロック(PRB)のセットからなる。
−
タイプ1: 物理リソースブロック(PRB)のサブセットの中の個々の物理リソースブロック(PRB)を割り当てることができる。ビットマップはタイプ0の場合よりもわずかに小さく、なぜならいくつかのビットは物理リソースブロック(PRB)のサブセットを示すために使用されるためである。このタイプ1のリソース割当て方法が用意されている理由は、周波数ダイバーシチを利用するために周波数領域全体にわたりリソースを拡散させるうえでの柔軟性である。
【0104】
上述したように、タイプ1によるリソース割当ては、周波数ダイバーシチを有効に利用する目的で使用される。このことは、セル間干渉に対処するための方策として理解することもできる。しかしながら、効果的な干渉の除去および抑制のために必要な干渉情報に関して、この割当て方式はむしろ逆効果であり、なぜならPDSCHを周波数チャネルの大きな領域にわたり拡散させると、ほとんどの場合には異なる物理リソースブロック(PRB)の干渉パラメータの間の相関関係が最小となり、これに起因して対象のPDSCHへの干渉が生じる。したがって、これらのパラメータをブラインド検出することが可能ではない場合、要求される干渉パラメータのシグナリングオーバーヘッドがかなり大きくなる。したがって、干渉パラメータの提供という観点では、タイプ0に基づくリソース割当ての方が、連続する物理リソースブロック(PRB)のグループの割当て粒度の理由で有利である。
【0105】
したがって、1つのトランスポートブロックを割り当てかつ干渉情報を提供するDCIフォーマットの場合にタイプ0のリソース割当てに制限することは、PDSCHのスループット性能にマイナスに影響しないものと予測される。
【0106】
図10および
図11は、それぞれ、干渉eNB Bにおけるトラフィック負荷が高い場合および低い場合において、干渉情報の提供を動的に示す状況を示している。具体的には、
図10には、強い干渉を受けない端末1001および端末1002が示されている。端末1003および端末1004は、eNB Bからの強い干渉を受けるエリア内にある。したがって、端末1003および端末1004には、干渉を推定して干渉の除去を適用できるようにする目的で、eNB Bの送信設定に対応する干渉パラメータを提供することが有利である。したがって、端末1001および端末1002には、2つのトランスポートブロックに関するスケジューリング情報1010,1020を提供する。リソース割当てヘッダ1091は、現在のリリース11のLTEにおいて意図されているとおりに(すなわち上に説明したようにタイプ0またはタイプ1をシグナリングする目的に)適用される。これとは対照的に、端末1003および端末1004は干渉情報の送信を必要とするため、これらの端末には、1つのみのトランスポートブロックのスケジューリング情報1030と干渉パラメータ1050とを含むDCIを提供する。第1のフィールドおよび第2のフィールドをこのように解釈すべきことは、リソース割当てヘッダ1092を1に設定することによってシグナリングされる。
【0107】
図11は、eNB Bからの干渉が強くなく、したがって端末1003および端末1004にも干渉情報を提供する必要がない場合を示している。したがって、端末1003および端末1004へのDCIには、0に設定されたリソース割当てヘッダ(第1のフィールド1130および第2のフィールド1170がそれぞれのトランスポートブロックに関連するスケジューリング情報を伝えることを意味する)が含まれる。
図10および
図11いずれの例においても、端末1003および端末1004にはタイプ0の割当てを適用するものと想定する。しかしながら、端末1001および端末1002には、割当てをタイプ0またはタイプ1に自由に設定することができる。
【0108】
ユーザ機器1001およびユーザ機器1002は、たとえトラフィック負荷が高い場合にも(例えば上述したようにRSRP測定値に基づいて)eNB Bからの強い干渉を受けないものと予測されるため、これらのユーザ機器はNAICSをサポートするようには設定されない。これらのユーザ機器には、つねにタイプ0またはタイプ1のいずれかに基づくリソース割当てによって2つのトランスポートブロックをスケジューリングすることができる。
【0109】
ユーザ機器1003およびユーザ機器1004は、対応するセルにおけるトラフィック負荷が高い場合に、eNB Bからの干渉被害を受ける可能性がある。これらのユーザ機器が干渉被害を受ける可能性があることは、例えば、上位層シグナリングの例において上述したようにRSRP測定値によって判定することができる。したがってユーザ機器1003およびユーザ機器1004は、NAICSがサポートされるように設定される。本発明の一実施形態によると、すなわち、これらのユーザ機器には、タイプ0のリソース割当てによってのみPDSCHをスケジューリングすることができ、DCIフォーマットは、2つのトランスポートブロックのスケジューリング情報、または、1つのみトランスポートブロックのスケジューリング情報と干渉情報、を提供する。
【0110】
ユーザ機器1003およびユーザ機器1004に対しては、(eNB Bにおけるトラフィック負荷が干渉の主原因であると想定したとき)eNB Bにおけるトラフィック負荷が低いために信号対干渉・雑音比(SINR)が高い場合に、2つのトランスポートブロックをスケジューリングすることができる。サービングeNB Aには、eNB Bにおけるトラフィック負荷について、両方のeNBの間のバックホールシグナリングによって(例えば、LTE仕様書である非特許文献11に定義されているX2インタフェースの対応する拡張部分によって)知らせることができる。トラフィック負荷が高い場合、ユーザ機器に対して、干渉情報の提供と組み合わせて1つのトランスポートブロックの送信をスケジューリングすることができる。
【0111】
ユーザ機器1003およびユーザ機器1004への2つの可能な情報構成を動的に切り替えることは、トラフィック負荷が高速で変動する場合(例えばFTPトラフィックを想定する場合に一般的である)に有利である。したがって、NAICSがサポートされるように設定されるユーザ機器へのダウンリンク制御シグナリングは、次の3つの状態によって記述することができ、すなわち、タイプ0およびタイプ1に基づくリソース割当てによって2つのトランスポートブロックをスケジューリングしかつ干渉情報を提供しない状態Aと、タイプ0に基づくリソース割当てによって2つのトランスポートブロックをスケジューリングしかつ干渉情報を提供しない状態B1と、タイプ0に基づくリソース割当てによって1つのトランスポートブロックをスケジューリングしかつ干渉情報を提供する状態B2である。
【0112】
図12は、対応する状態モデルを示している。状態Aと状態B(サブ状態B1およびサブ状態B2を含む)の間の切替えは、上位層シグナリングによって(例えば、LTE仕様書である非特許文献9の5.3.5節に記載されているRRC接続再設定によって)半静的に実行される。サブ状態B1とサブ状態B2の間の切替えは、本発明に説明されているようにDCIフォーマットの中の指示情報によって動的に実行される。
【0113】
要約すると、この実施形態では、切替えの指示情報は、3GPP LTEリリース11のダウンリンク制御情報(DCI)メッセージの中のリソース割当てヘッダフィールドにおいて受信され、この場合、タイプ0の割当てが適用されるものと想定する。さらに、リソース割当てヘッダの解釈は、物理層より上位の層によって半静的に設定され、この場合にリソース割当てヘッダは、タイプ0またはタイプ1の割当てを示すものとして、または、切替えの指示情報を示すものとして、解釈することができる。上位層シグナリングは、MACまたはRRCとすることができる。
【0114】
図13は、
図11および
図12に示した方法とは別の代替方法を示している。具体的には、
図13は、リリース11のLTEのDCIフォーマット2,2A,2B,2C,2Dの中のリソース割当てヘッダのビットの解釈を変更することによって、干渉情報が提供されるか否かを動的に切り替える変形形態を示している。この代替方法では、干渉情報の提供と組み合わせた場合にも、2つのトランスポートブロックをスケジューリングすることが可能である。
図13において理解できるように、この実施形態においても動的な切替えを適用することができる。しかしながら、
図13に示した第2のフィールド1350,1370のフォーマットを、動的な切替えなしでも適用できることに留意されたい。その場合の切替えは、上位層プロトコルによって半静的に行うことができる。
【0115】
図13において、ダウンリンク制御情報の第1のフィールドから抽出されるスケジューリング情報は、データの第1のトランスポートブロックの送信パラメータを示す第1のスケジューリング情報1330である。ダウンリンク制御情報の第2のフィールドは、干渉情報1350と、データの第2のトランスポートブロックの送信パラメータを示す短縮された第2のスケジューリング情報1370との組合せ、または、データの第2のトランスポートブロックの送信パラメータを示す完全な第2のスケジューリング情報、のいずれかを含む。
【0116】
好ましくは、第1のフィールドと第2のフィールドが同じサイズを有し、第1のフィールドおよび第2のフィールドそれぞれが、変調・符号化方式(MCS)を示す変調・符号化方式サブフィールドを含み、第1のフィールドの変調・符号化方式サブフィールドの方が第2のフィールドの変調・符号化方式サブフィールドよりも大きい。このように、干渉パラメータと、第2のトランスポートブロックに関する情報の両方を同じDCIの中で伝えることを可能にする目的で、MCSフィールドを短縮する。なお、MCSフィールドを短縮することは、一例にすぎないことに留意されたい。一般的には、MCSフィールドに代えて、またはMCSフィールドに加えて、RVなどの任意の情報を短縮することができる。
【0117】
しかしながら、この実施形態では、トランスポートブロック2のスケジューリング上の柔軟性が低下する。変調・符号化方式(MCS)を示すためにもともと5個のビットが割り当てられていたが、これらの5個のビットの一部分(例えば
図13に示した例では2個のビット)に短縮される。変調・符号化方式(MCS)を示すためのビットのうち減らされた数のビットを使用することで、例えば、LTE仕様書である非特許文献12の7.1.7節に定義されているようにトランスポートブロック1およびトランスポートブロック2に対して同じMCSテーブルを想定するとき、トランスポートブロック1のMCSレベルと比較しての差を示す(differential indication)ことによって、MCSレベルを示すことができる。MCSの差を示すためのビットが2個である場合、4つのレベルがサポートされ、3個のビットでは8つのレベルがサポートされる。差を示すためのビットがさらに多ければ、さらに高い柔軟性が提供されるが、その恩恵はごく小さいものと予測される。
【0118】
図10〜
図12を参照しながら説明した方式と比較したときのこの方法の欠点として、干渉情報を提供するために使用できるビット数が減少する。このことがシステムの性能に影響する程度は、ユーザ機器の受信機に要求される干渉情報量に依存する。要求される干渉情報が多いほど、対応するDCIの中に多くのビットが必要となり、指定できるMCSの範囲が減少する。
【0119】
図14は、DCIフォーマット2,2A,2B,2C,2Dの中で干渉情報を動的に提供するための別の変形形態を示している。
図10〜
図13を参照しながら上述した方式とは異なり、DCIフォーマットの解釈の切替えは、リソース割当てヘッダのビットの解釈を変更することによってではなく、トランスポートブロック2のための冗長バージョン(RV)フィールドの特定のコードポイントによって示される。
図14の上段は、第1のトランスポートブロックのスケジューリング情報1410と第2のトランスポートブロックのスケジューリング情報1420とを含むDCIの送信を示している。スケジューリング情報1420の最後の2個のビットは、冗長バージョンによって形成されており、したがって値00,01,10,11をとりうる。このフィールド1420の中のRVは、所定の値(
図14の例ではコードポイント01)とは異なる値を有するため、フィールド1420は、第2のトランスポートブロックのスケジューリング情報と解釈される。
図14の下段では、第2のフィールド1450の冗長バージョン1480は値01を有し、この値は所定の値に一致し、この実施形態では、第2のフィールド1450が、第2のトランスポートブロックのスケジューリング情報ではなく干渉情報と解釈されるべきことを示す。
【0120】
言い換えれば、この実施形態では、切替えの指示情報が第2のフィールドの中でシグナリングされ、具体的には、第2のフィールドのビットのサブセットによって定義することのできるすべての値のうち少なくとも1つのコードポイントが、第2のフィールドにおいて干渉情報が送信されることを示し、その少なくとも1つのコードポイント以外のすべてのコードポイントが、第2のフィールドにおいて干渉情報が送信されないことを示す。
図14に示したように、ビットのサブセット1480は、この少なくとも1つのコードポイントの値(例えば1450における01)、または第2のトランスポートブロックの冗長バージョンを示す別の値(例えば1420におけるRV)のいずれかをとることができる。しかしながら、冗長バージョンを使用することは一例にすぎないことに留意されたい。一般的には、干渉情報が存在することをシグナリングする目的に、第2のフィールド1450の別のビットのサブセットのコードポイントを利用することができる。例えば、変調・符号化方式フィールドMCSにおける1つまたは複数のコードポイントを、この目的のために予約することができる。このことは、
図13を参照しながら説明した、MCSフィールドを短縮する実施形態にもあてはまる。このような場合、
図13におけるリソース割当てヘッダの解釈を変更する必要はなく、あらゆる干渉条件においてリソース割当てヘッダをその通常の意味において使用することができる。さらには、当業者には明らかであるように、これら2つの実施形態を組み合わせることも可能である。
【0121】
RVフィールドは、LTEリリース11では、HARQ送信においてコードワードの異なる冗長バージョンを選択する目的に使用される。4つの異なる冗長バージョンがサポートされており、この実施形態におけるように使用することができる。DCIの中で2つのトランスポートブロックを割り当てかつ干渉情報を提供する場合と、DCIの中で1つのトランスポートブロックを割り当てかつ干渉情報も提供する場合を、動的に切り替えることができるようにする目的で、トランスポートブロック2のRVフィールドの特定のコードポイント(例えば
図14における01、一般的にはコードポイント00,10,01,11のいずれか)を使用して、トランスポートブロック2のスケジューリング情報ではなく干渉情報が提供されることを示すことができる。
【0122】
この方法の利点として、リソース割当てをタイプ0およびタイプ1の両方に基づいて実行することができる。暗黙的な制約としては、トランスポートブロック2に対して特定の冗長バージョンをスケジューリングすることができない。
図10〜
図12を参照しながら説明した解決策と比較すると、干渉情報を提供するために使用できるビット数が、8ビットから6ビットに減少する。
【0123】
図15は、本発明の別の変形形態を示している。この場合、トランスポートブロック2のためのビットフィールドの中で提供される干渉パラメータ情報に対応する干渉リソース割当てを示す目的に、DCIのリソースブロック割当て(RBA)フィールドの一部を再利用する。なお、「切替え指示情報」という用語は、必ずしもフォーマットの変更を示さないことに留意されたい。ここまでの例に示したように、切替え指示情報は、現在のDCIに適用される(切り替えた後の)フォーマットを示すことができる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、切替え指示情報は、フォーマットが変更されるか否かを示すこともできる。同じことは、上位層によって送信される上述した切替えメッセージについてもあてはまる。
【0124】
LTEリリース11では、リソース割当てがタイプ0に基づくと想定したとき、DCIのリソースブロック割当て(RBA)フィールドは、そのDCIの中で示されるPDSCH送信のために割り当てられるリソースブロックグループ(RBG)のセットを示すビットマップを表す。リソースブロックグループ(RBG)は、連続する物理リソースブロック(PRB)のセットから構成され、リソースブロックグループ(RBG)のサイズ(1個、2個、3個、または4個の物理リソースブロック(PRB))は、次の表1に示したようにダウンリンク帯域幅によって決まる。
【0126】
さらに表1は、NAICSがサポートされるように設定されているユーザ機器へのリソース割当てにおいて、リソース割当ての粒度がどのように減少するかを示している。割当ての粒度が減少すると、現在のDCIの中の元のリソースブロック割当て(RBA)フィールドのサイズの半分のビットマップを使用して、PDSCH送信のための物理リソースブロック(PRB)を割り当てることが可能となる。リソースブロック割当て(RBA)フィールドの残りの半分は、提供される干渉パラメータ情報に対応する干渉送信(interference transmission)のリソースブロック割当てを、干渉リソース割当てビットマップ(interference resource allocation bitmap)によって示す目的に使用される。
【0127】
図15には、特に、上述したリソース割当てヘッダの解釈を変更することによって、現在のDCIによって干渉情報が送信されるか否かを区別する方法を示してある。しかしながら、この実施形態は、リソース割当てヘッダが通常の意味として解釈されるように、リソース割当てヘッダの動的な指示情報を使用せずに、上位層による設定によって適用することもできる。さらには、この実施形態を、
図13および
図14に関して説明した前の実施形態と組み合わせることもできる。したがって、切替えの指示情報を第2のフィールドの中で送信する、もしくは、第2のフィールドが干渉情報とスケジューリング情報の両方を含む、またはその両方とすることができる。
図15によると、1ビットの長さを有するリソース割当てヘッダの後ろにリソースブロック割当て(RBA)フィールドが続く。
図15の上段は、LTEにおいて現在使用されているリソースブロック割当て(RBA)フィールドを示している。
図15の下段は、リソースブロック割当て(RBA)フィールドが、第1のフィールド(この図では「トランスポートブロック1の情報」)に定義されている送信のためのリソースブロック割当てを伝える第1のサブフィールド1580と、干渉リソースブロック割当て(Interference Resource Block Assignment)を伝える第2のサブフィールド1590とを含む例を示している。第2のサブフィールド1590はビットマップであり、リソースブロックグループのペアそれぞれについて(粒度がリソースブロックグループのペア、すなわち2個、4個、6個、または8個の物理リソースブロック(PRB)であることを示した上の表1を参照)、対応するビットが、第2のフィールドの中で送信される干渉情報が適用されるか否かを示す。例えば、干渉リソースブロック割当て1590の最初のビットは、リソースブロック割当て1580のビットマップの最初のビットに関連するリソースと同じリソースを指す。1590の最初のビットは値0をとることができ、この値0は、リソースブロック割当て1580の対応する最初のビットによって割り当てられるリソースに対して干渉除去のために干渉情報が適用されないことを示すことができる。1590の最初のビットは値1をとることもでき、この値1は、それぞれのリソースに対して干渉情報が使用されることを示す。
【0128】
一般的には、リソースブロック割当てフィールドは、スケジューリング情報が送信される対象の送信のためのリソース割当てを示す第1のサブフィールド1580と、第1のサブフィールド1580において指定されるそれぞれのリソースに対して干渉除去のために第2のフィールドの中の干渉情報が適用されるか否かを示す第2のサブフィールド1590と、を含む。したがって、DCIを受信する装置の送受信機の中の干渉除去ユニットが、第1のサブフィールドのビットによって割り当てられるそれぞれのリソースに対して干渉除去を適用する、または適用しないように、干渉リソースブロック割当て1590によって(すなわち第2のサブフィールドによって)、干渉除去ユニットを制御することができる。
【0129】
別のオプションとして、干渉リソース割当てビットマップを使用して、リソース割当て単位での干渉セルにおける2つの異なる干渉パラメータセットを識別する。リソース割当て単位は、表1に示されているNAICSの場合のリソース割当ての粒度に基づいて決まる。
【0130】
この場合、トランスポートブロック2のためのビットフィールドを2つの部分に分けることができ、1つは第1のセットの干渉パラメータを示し、もう1つは第2のセットの干渉パラメータを示す。
図16はこのコンセプトを示している。具体的には、
図16の上段は、
図15の上段と同じである。下段は、2つのサブフィールド1680,1690を含むリソースブロック割当てフィールドを示している。第1のサブフィールド1680は、
図15を参照しながら説明したサブフィールド1580と同じであり、リソースブロック割当てを示す。具体的には、第1のサブフィールド1680はビットマップを伝え、各ビットが、それぞれのリソース部分が割り当てられるか否かを示す。1個のビットによって割り当てられるリソース部分のサイズは、リソースブロックグループ(RBG)のサイズと、NAICSモードにおいて適用される粒度とによって決まる。表1の場合、例えば2行目では、各ビットが2つのリソースブロックグループ(RBG)を指し、リソースブロックグループ(RBG)それぞれが2個の物理リソースブロック(PRB)からなる。
【0131】
リソースブロック割当てフィールドの第2のサブフィールド1690は、干渉情報識別子(Interference Information Distinguisher)であり、割り当てられるそれぞれのリソースについて、それぞれの割り当てられるリソースに対して、第2のフィールドに含まれている第1の干渉情報または第2の干渉情報が適用されるのかを示す。さらに、スケジューリング情報の第2のフィールドは、2組の干渉情報(「干渉情報1」および「干渉情報2」)を伝える。干渉除去ユニット(DCIを受信する装置の送受信機の一部)は、DCIの中で受信した干渉情報識別子1690に基づいて、干渉を推定する目的に干渉情報1または干渉情報2のいずれかを適用する。
【0132】
例えば、第1の干渉情報が、セル固有基準信号(CRS)に基づく(干渉源の)送信に適用可能な干渉パラメータの第1のセットを含むことができ、第2の干渉情報が、DMRSに基づく送信に適用可能な干渉パラメータの第2のセットを含むことができる。セル固有基準信号(CRS)および復調基準信号(DMRS)は、LTEにおいて使用される基準信号である。CRSに基づく送信では、CRSは単なる基準信号であり、したがってプリコーディングに関する情報をCRSに基づいて取得することはできない。したがって、プリコーディング情報(プリコーディング行列やランクインジケータなど)は個別に送信される。干渉源(eNB Bなど)に関連するプリコーディング情報によっても干渉の推定が向上するため、第1の干渉パラメータセットにプリコーディング情報も含まれることは合理的である。DMRSは、基準信号であり、さらに、プリコーディングに関する情報と、特に、送信されるデータにプリコーディング行列を適用した結果としての位相を伝える。したがって、DMRSに基づく送信の場合、プリコーディングに関する情報は必要ない。したがって、干渉パラメータの第2のセットはプリコーディングパラメータを含まないことが有利である。
【0133】
しかしながら、干渉源によるDMRSに基づく送信およびCRSに基づく送信を使用する上の例は、本発明の可能な実施形態の1つにすぎないことに留意されたい。干渉情報のセットは、別の方法で構築することもできる。
【0134】
上の実施形態におけるリソースブロック割当て(RBA)フィールドの構造においては、DCIの中で干渉情報が送信されるときリソースは必ずペアで割り当てられるものと想定する。したがって、このようなシナリオにおいては、割当てを示すために必要であるのは、リソースブロック割当て(RBA)用にもともと利用可能な範囲の半分のみである。具体的には、表1によると、リソースブロックグループ(RBG)は1個、2個、3個、または4個の物理リソースブロック(PRB)を有するが、リソースは必ず物理リソースブロック(PRB)の2倍(すなわち2個、4個、6個、または8個の物理リソースブロック(PRB))を単位として割り当てる。このことは、1/2に低下した粒度に相当する。一般的には、リソース割当ての粒度を、表1の制約よりもさらに制約することができる。例えば、粒度を1/3に下げることができる。この場合、表1の右列の値は、3個、6個、9個、12個の物理リソースブロック(PRB)となる。
【0135】
したがって、
図16を参照しながら説明した実施形態は、第2のフィールドのさらに多くのサブフィールドの中に、さらに多くの干渉パラメータセットを提供することによって、さらに拡張することができる。これは、より大きい粒度の場合に可能となる。したがって、リソースブロック割当てフィールドは、リソース割当てのための第1のサブフィールドと、適用される干渉パラメータセットを示す2個以上のビットを有する第2のサブフィールドとを含む。
【0136】
なお、リソース割当ての粒度が低下することは、性能にマイナスに影響しないものと予測される。この想定の理由として、次の表2に示すように、eNBによって設定されるサブバンドのCQI報告の粒度が、非周期的な報告の場合には割当て粒度よりもすでに低い。
【0138】
図15および
図16を参照しながら説明した上記のコンセプトを適用すると、割当ての粒度が報告の粒度に基本的に一致する。
図15および
図16に示した、切替え指示情報をシグナリングするこの変形形態を適用するための前提条件は、干渉セルにおけるリソース割当てがタイプ0に基づき、かつ割当て粒度が低いことである。
【0139】
リソース割当てヘッダの解釈を変更することによってDCIフォーマットの状態を切り替える方法に代えて、変形形態Cを、
図14を参照しながら上述した、RVフィールドの解釈に基づいて状態を切り替える方法と組み合わせることもできる。さらには、変形形態Cを、
図13を参照しながら説明した、MCSを短縮する方法と組み合わせることもできる。
【0140】
干渉情報を提供するための提案するシグナリング方法では、上述した設計目標すべてに効果的に対処する。
− DCIフォーマット2,2A,2B,2C,2Dに共通するビットを再利用することにより、干渉情報の提供を、多岐にわたる送信方式と組み合わせて行うことができる。したがって、NAICSのサポートを利用するユーザ機器に対して送信方式の大きな自由度が得られる。
− 誤り率の観点でのDCI送信の信頼性は、干渉情報を提供することによって影響されることはなく、なぜならDCIフォーマットのサイズが拡張されないためである。
− PDCCHの追加のブラインド復号は必要なく、なぜなら干渉情報がPDSCHスケジューリング情報と一緒に同じDCIフォーマットの中で提供されるためである。
− DCIフォーマットの中のビットのうち、干渉の除去または抑制の恩恵を受けるユーザ機器を対象とするPDSCHをスケジューリングする目的に使用される可能性がほとんどないビットを再利用することによって、干渉情報が提供される。
− 提案するシグナリング方法では、NAICSのサポートが半静的に設定されることに加えて、干渉情報を提供する場合と、2つのトランスポートブロックをスケジューリングする場合とを高速に切り替えることができる。
【0141】
DCIフォーマットの中でユーザ機器に提供することのできる干渉パラメータは、上述したパラメータのサブセットとすることができる。例えば、干渉eNBにおけるDMRSまたはCRSに基づく受信のためにPDSCH送信がスケジューリングされるのかを単純に示すことができる。CRSに基づく送信の場合、対応するPMI(プリコーディング行列インジケータ)およびRI(ランクインジケータ)も干渉情報の中で示すことができ、なぜなら、PDSCHのプリコーディングは、PMIおよびRIによって与えられるコードブックエントリと、プリコーディングの基準としてのCRSとによって与えられるためである。DMRSに基づくPDSCH受信では、(例えばコードブックに基づく)プリコーダの指示情報は必要なく、なぜならユーザ機器は、DMRSを測定することによってプリコーダを直接求めるためである。さらには、干渉するPRBに対して使用される変調次数を示すことも適切であり得る。
【0142】
PMIやRIなど、干渉元の特定の送信パラメータを明示的に示すことに加えて、事前定義された干渉パラメータを組み合わせた特定のセットを示すことも可能である。この場合、正確な干渉パラメータは、限定されたリソース候補を対象とするブラインド検出によって求められる。利点として、ブラインド検出の複雑さが減少する。
【0143】
さらには、(例えばユーザ機器側でのRSRP測定値に基づいて決定される)1基の隣接するeNBのみから、または一連の隣接するeNBから、干渉情報を提供することが可能である。
【0144】
ブラインド検出によって求めることができる干渉パラメータと、ダウンリンク制御シグナリングによる指示情報の形でネットワーク側から行う必要のあるサポートについては、依然として3GPP RAN1およびRAN4において検討されている。現在の検討状況の詳細については、上に引用したNAICS技術報告書およびNAICS作業項目に記載されている。
【0145】
干渉被害を受けるユーザ機器に、同じDCIの中で、干渉の物理リソースブロック(PRB)割当てに関する追加の情報なしに、そのユーザ機器へのPDSCH割当てとともに干渉パラメータを示すための前提条件は、割り当てられる物理リソースブロック(PRB)の数において、干渉割当て(interference allocation)が、干渉されるPDSCHの物理リソースブロック(PRB)割当てと一致することである。この条件は、例えばNAICSの範囲内で3GPP RAN1において現在検討されているようにスケジューリングを制約することにより、隣接する複数のeNBの間でリソース割当てを調整することによって達成することができる。干渉セルのリソース割当てにおけるより高い柔軟性は、
図15および
図16を参照しながら説明したコンセプトを利用することによって促進することができる。
【0146】
なお、本発明は、リリース11のLTEに限定されないことに留意されたい。本発明は、基地局によってサーブされる端末が別の送信機から干渉を受けうる任意の通信システムに適用することができる。しかしながら本発明は、3GPP LTEにただちに適用することができる。したがって以下では、本発明を標準規格の既存の一部に組み込むための詳細についてさらに説明する。標準規格の既存の設備の中に本発明を具体化する目的で、リリース11に定義されている送信モード(Transmission Modes)を使用することができる。
【0147】
図17は、2つのトランスポートブロックのスケジューリングをサポートするリリース11の送信モードを考慮したとき、干渉情報を提供することと組み合わせてPDSCHを割り当てる方法を記述した流れ図を示しており、この場合の送信モードは、非特許文献12の7.1節に記載されているように、TM3、TM4、TM8、TM9、およびTM10である。LTEにおいては、ユーザ機器にはセルあたり1つの送信モードが設定される。送信モードそれぞれは2つの送信方式をサポートし、これらの送信方式は、PDSCHスケジューリング情報を受信側ユーザ機器に提供するために使用されるDCIフォーマットのブラインド検出によって区別される。2つのトランスポートブロックをスケジューリングするために使用されるDCIフォーマットは、DCIフォーマット2,2A,2B,2C,2Dであり、これらはそれぞれTM4、TM3、TM8、TM9、TM10に対応する。送信モードは、ユーザ機器がRRC接続を確立するときに(LTEネットワークに最初に接続するとき、またはRRC接続を再確立するときに)RRCメッセージにおいてユーザ機器に示される。
【0148】
考慮されるすべての送信モードの2番目のサポートされるDCIフォーマットは、DCIフォーマット1Aであり、このフォーマット1Aは、非特許文献12の7.1節に記載されているように送信ダイバーシチ方式によるPDSCH送信をスケジューリングするために使用される。干渉情報の提供(NAICSのサポート)は、DCIフォーマット2,2A,2B,2C,2Dにおいてのみサポートされる。これらのDCIフォーマットのうちの1つに干渉情報が含まれるかについて、上位層シグナリングに基づく半静的な設定によって、またはDCIフォーマット自体の中の動的な指示情報によって、受信側ユーザ機器に示される。
図17は、DCIを生成/解析するための規則を示している。送信モードがTM3、TM4、TM8、TM9、またはTM10(すなわち2つのトランスポートブロックを送信するためのDCIフォーマットをサポートする送信モード)である場合、このようなDCIフォーマットを含めるかを判定する。送信モードがTM3、TM4、TM8、TM9、TM10以外である場合、干渉情報を含めることは不可能である。さらに、DCIフォーマットがフォーマット2,2A,2B,2C,または2D(すなわち2つのトランスポートブロックの送信に関連する第1および第2のフィールドを有するフォーマット)ではない場合、干渉パラメータを含めることは不可能である。しかしながら、DCIフォーマットがフォーマット2,2A,2B,2C,2Dのうちのいずれかである場合、NAICSのサポートが有効にされているかを判定する。有効にされていない場合、そのDCIに干渉情報を含めることは不可能である。NAICSがサポートされている場合、DCIの中に干渉情報を含めるための上述した可能な方法のうち事前定義される任意の方法を適用することができる。
【0149】
図18は、干渉情報を提供するための新規の送信モード(すなわちTM11)を定義することを考慮した代替の流れ図を示している。この新規の送信モードは、リリース11の送信モードTM3、TM4、TM8、TM9、およびTM10と同様に、ここまでのさまざまな実施形態において説明したように、2つのトランスポートブロックをスケジューリングしかつ干渉情報を提供する、または、干渉情報を提供することと組み合わせて1つのトランスポートブロックをスケジューリングする目的に使用することができる。両方の状態の間での動的な切替えは、新規のDCIフォーマット(すなわちDCIフォーマット2E)の中の特定のビット(例えばNAICSフラグ)によって示すことができる。
【0150】
要約すると、すべてのユーザ機器には、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)で受信したデータ送信の処理方法を決定することを支援する送信モードが設定される。本発明の一実施形態によると、送信モード(干渉送信モード)が定義され、端末は、この送信モードに従ってDCIから干渉情報を抽出するように構成される。この抽出は、切替え指示情報によって条件付けすることができ、すなわちユーザ機器は、いったん干渉送信モードに入ると、DCIから干渉情報を抽出するように切替え指示情報が示しているか否かをチェックし、結果に応じて処理する。
【0151】
本発明の実施形態に対応する別のオプションとして、新規のDCIフォーマット(すなわちDCIフォーマット2E)の中に、干渉情報のための新規のビットフィールドを導入する。このようなDCIフォーマットでは、干渉情報を提供することと組み合わせて2つのトランスポートブロックを割り当てることがつねに可能である。
図20Aおよび
図20Bは、本発明の一実施形態による新規のDCIフォーマットの例を示している。
【0152】
図20Aは、
図3Eを参照しながら上述したフォーマット2Dに基づくDCIフォーマット2Eを示している。フォーマット2Eは、フォーマット2Dと特に異なる点として、干渉情報フィールドを追加的に含む。したがって、この例示的なフォーマット2Eはフォーマット2Dよりも長い。フォーマット2Eは、干渉情報を送信する(伝える)ときにつねに使用することができる。したがって、フォーマット2Eが適用されていることは、干渉情報が送信されていることを必ず示す。干渉情報を提供せずに制御情報を送信する場合、2Dなど別のフォーマットを使用する。
【0153】
図20Bは、別の可能な新規のDCIフォーマット2Fを示しており、このフォーマットは、上述したフォーマット2Eに代えて、またはフォーマット2Eに加えて定義することができる。フォーマット2Fも、
図3Eを参照しながら上述したフォーマット2Dに基づいている。しかしながらフォーマット2Fは、フォーマット2Dに加えて新規のNAICSフラグを含み、このフラグは、第2のフィールド(「トランスポートブロック2のMCS、NDI、およびRV、または干渉情報」)が干渉情報を伝えるのか、第2のトランスポートブロックのスケジューリング情報を伝えるのかを示す。したがってこのフラグは、DCIの受信機において、ネットワーク支援型の干渉の除去および抑制が適用可能であるかを示す。
【0154】
上に例示した新規のDCIフォーマット2Eおよび2Fのいずれも、既存のフォーマット2Dに基づいていることに留意されたい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、
図3を参照しながら説明したフォーマット2,2A,2B,2C,2Dのうちの任意のフォーマットを同様に適合させることができる。新規のDCIの利点として、干渉状況にかかわらず、リソース割当てヘッダをその元の目的、すなわちタイプ0またはタイプ1のリソース割当てをシグナリングする目的に使用することができ、さらに、このDCIの他のフィールド(冗長バージョンやMCSなど)もそれらの通常の目的を果たすことができる。しかしながら、新規のDCIフォーマットはわずかに長い(フォーマット2Eは、2つのトランスポートブロックのスケジューリング情報に加えて干渉情報を含み、フォーマット2Fは、NAICSフラグのための少なくとも1個のさらなるビットを含む)。なお、これら新規のDCIフォーマット、特にフォーマット2Eの中の干渉情報の長さは、スケジューリング情報の長さに一致させなくてもよいことに留意されたい。上述した干渉パラメータまたはそのサブセットをシグナリングするのに必要な任意の長さを適用することができる。
【0155】
受信側ユーザ機器に干渉情報を提供するために新規の送信モード(TM11など)を定義する利点として、要求されるビット数と、サービングセルにおけるPDSCH割当て時にサポートされる自由度の観点において、干渉情報を提供する目的に最適化することのできる新規のDCIフォーマットを定義することが可能である。新規のDCIフォーマットでは、
図13〜
図16を参照しながら説明した方法とは異なり、例えば、タイプ0およびタイプ1両方のリソース割当てによって2つのトランスポートブロックを割り当てることに加えて干渉情報を示すことがつねに可能である。
【0156】
このような方法の欠点としては、DCIフォーマットのサイズが大きくなり、結果として堅牢性が低下し、必要な制御チャネルリソースが増す。別の問題点として、干渉情報を送信することのできるモードを個別の新規の送信モードに限定しない方法(複数の送信モードがサポートされる)とは異なり、PDSCHをスケジューリングする対象のユーザ機器に干渉情報を提供することに関連するNAICSのサポートが、1つの送信モード(TM11など)においてのみ可能である。
【0157】
一般的には、1つのDCIフォーマットの中でPDSCHスケジューリング情報と一緒に干渉情報を提供する機会を、単一の新規の送信モードおよび対応するDCIフォーマットに限定する必要はない。サービングeNBがスケジューリングするときの高い柔軟性を確保する目的で、NAICSがサポートされる複数の送信モードおよび対応するDCIフォーマットを定義することができる。
【0158】
図19は、上述した機能性を具体化するための制御情報受信機1902および制御情報送信機1901を図解したブロック図である。具体的には、セルラー通信システムにおいてサービング基地局から制御データを受信する装置1902は、サービング基地局1901によって送信されるダウンリンク制御情報(DCI)を識別および復号するブラインド復号ユニット1910と、復号されたダウンリンク制御情報の第1のフィールドからスケジューリング制御情報を抽出し、ダウンリンク制御情報の第2のフィールドから干渉情報を抽出する抽出ユニット1920と、サービング基地局以外の送信機に起因する干渉を(干渉除去ユニット1935において)低減するため、干渉情報を考慮しながら、スケジューリング情報によって指定されるリソース上でデータを受信または送信する送受信機1930と、を備えている。さらに、制御ユニット1940は、第2のフィールドから、干渉情報、または第2のトランスポートブロックのスケジューリング情報を抽出するように、抽出ユニットを制御する役割を果たすことができる。装置1902は、移動端末などの端末、または無線を通じてサービング基地局1901を介してネットワークに接続されている任意の他のデバイスとすることができる。
【0159】
セルラー通信システムにおいて受信装置1902に制御データを送信する装置1901は、受信装置1902のサービング基地局(eNB A)とすることができ、この装置1901は、サービング基地局(eNB A)以外の送信機に起因する受信装置1902が受ける干渉、を判定する干渉情報判定ユニット1970と、スケジューリング制御情報を含む第1のフィールドと干渉情報を含む第2のフィールドとを含むダウンリンク制御情報、を生成する制御情報生成ユニット1960と、生成されたダウンリンク制御情報を、ブラインド復号できるように受信装置に送信し、スケジューリング情報によって指定されるリソース上で、データを受信装置送信する、または受信装置からデータを受信する、送受信機(1950)と、を備えている。さらに、この装置は、干渉情報を生成してダウンリンク制御情報に含めるか否かに関する決定を実行することのできる制御ユニット1980、を含むことができる。この決定は、基地局1901によって受信される端末1902からの測定値、もしくは、干渉が別の基地局に起因する場合にはその干渉基地局の負荷、またはその両方、に基づくことができる。負荷情報は、サービング基地局と干渉基地局との間のバックホールリンクによって、サービング基地局に伝えることができる。
【0160】
背景技術のセクションにおける説明は、本明細書に記載した特定の例示的な実施形態を深く理解することを目的としており、移動通信ネットワーク(3GPP標準規格に準拠したネットワークなど)におけるプロセスおよび機能の、説明した特定の実施形態に本発明を制限するものではないことを理解されたい。しかしながら、本明細書に提案した改良は、背景技術のセクションに記載したアーキテクチャ/システムにおいてただちに適用することができ、本発明のいくつかの実施形態においては、これらのアーキテクチャ/システムの標準的な手順および改良された手順を利用することができる。特定の実施形態において示した本発明には、広義に記載されている本発明の概念または範囲から逸脱することなく、さまざまな変更もしくは修正またはその両方を行うことができることが、当業者には理解されるであろう。
【0161】
本発明の別の実施形態は、上述したさまざまな実施形態を、ハードウェアおよびソフトウェアを使用して実装することに関する。本発明のさまざまな実施形態は、コンピューティングデバイス(プロセッサ)を使用して実施または実行できることを理解されたい。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他プログラマブルロジックデバイスなどとすることができる。本発明のさまざまな実施形態は、これらのデバイスの組合せによって実行または具体化することもできる。
【0162】
さらに、本発明のさまざまな実施形態は、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施する、あるいはハードウェアに直接実装することができる。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装の組合せも可能である。ソフトウェアモジュールは、例えばRAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなど、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体に格納することができる。
【0163】
本発明は、通信システムにおいてダウンリンク制御情報を送信および受信することに関する。具体的には、サービング基地局が、スケジューリング情報を含む第1のフィールドと干渉パラメータ(干渉情報)を含む第2のフィールドとを含むダウンリンク制御情報を、端末に送信する。受信機は、干渉の除去および抑制において使用される干渉の推定にその干渉パラメータを使用する。