(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
利用情報記憶手段に記憶された利用情報と適正区割配備決定手段により決定された適正区割配備の履歴とに基づき、配備の過不足が最も少なくなるように区割および/または重みを最適化する最適化手段を具備したことを特徴とする請求項1に記載の配車補助システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、客観性があり、最適なタクシー配備を可能とする配車補助システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の配車補助システムは、過去のタクシーの乗降日時と乗降場所とを含んだ情報である利用情報を記憶した利用情報記憶手段と、タクシー利用に影響を与える天候、イベント、その他の影響因子と当該影響因子の重みとを含んだ情報である因子情報を記憶した因子情報記憶手段と、タクシーの営業エリアを複数に分割した分割エリアとタクシーの待機場所とを含んだ情報であるエリア情報を記憶したエリア情報記憶手段と、日時を入力する日時入力手段と、影響因子を設定する因子設定手段と、日時入力手段により入力された日時と利用情報記憶手段により記憶された利用情報とエリア情報記憶手段に記憶されたエリア情報とに基づいて、当該日時においてどの待機場所がどこまでの分割エリアを担当するかの区割と当該待機場所または当該区割内に何台のタクシーを回すかの配備との基準区割配備を決定する基準区割配備決定手段と、因子設定手段により設定された影響因子と因子情報記憶手段により記憶された当該影響因子の重みとに基づいて、基準区割配備決定手段により決定された基準区割配備を修正して適正区割配備を決定する適正区割配備決定手段と、適正区割配備決定手段により修正された適正区割配備を出力する適正区割配備出力手段と、
日時入力手段により入力された日時以降であって、基準区割配備決定手段により決定された基準区割配備が変化する日時を判断する変化判断手段と、変化判断手段により判断された日時を出力する変化日時出力手段と、を具備したことを特徴とする。
【0009】
すなわち、請求項1にかかる発明は、その日時において妥当と想定される区割りおよびタクシー割り当て数(配車数・配備数)に、変動要因ないし外部要因である影響因子を加味して、その日時における適正と想定される区割りとタクシー割り当てをおこない、オペレータを補助する。
また、次にどのような配備にすべきか、先を見越した配車が可能となる。たとえば、区割A内の待機場所から配車したタクシーが区割Bで利用者を降ろした場合に、状況によっては、そのまま区割B内の待機場所に付けさせてもよく、更に、区割C内の待機場所に向かわせるようにすることもできる。使用の態様により、成績の低いドライバを優先的に配置し直すようにすることもできる。
【0010】
なお、重みとは区割中の分割エリアの増減やタクシー割り当て数の増減をもたらす数値である。算出式等の中の乗算係数としてもよいがこれに限定されず、加減数値としてもよい。
影響因子は、例示した天候、イベントのほか、事故、工事、特異日などを挙げることができる。使用の態様により、曜日、祝日といった、利用情報として考慮すべきものを因子としてもよい。なお、曜日や天候は営業エリア全体に影響を及ぼす一方、事故や工事は、比較的狭い範囲に影響を及ぼす。したがって、重みは必ずしも一律でなく、分割エリアや区割りに応じて異なっていてもよいものとする。
分割エリアは住所に応じて細分されたものであってもよく、また、道路網等によって細分されたものであってもよい。重複しない分割が原則であるが必ずしもこれに限定されない。エリア情報には地図情報が含まれていてもよいものとする。
タクシーの待機場所とは、そのタクシー会社のみが利用できる固有の待機場所と、駅前等の一般のタクシー待機場所(いわゆるタクシー乗り場)のいずれをも含む。
日時を入力するとは、日時の設定も含まれ、1時間毎といった予め決められた時間を用いてもよく、広義であるものとする。
当該日時においてとは、当該日時を含んでそれからの所定時間(たとえば、30分間)といった、幅を持たせてもよいものとする。
区割とは分担エリアと表現することもできる。日時によって区割が動的に変化する態様を含む(分割エリアが増減する態様も含まれる)。
適正区割配備は、係数によっては割り当て数が整数にならない場合があるが、適宜四捨五入してもよいし、オペレータが繰り上げや切り捨てをおこなうようにしてもよい。
出力は、たとえばモニタ上に地図と一緒に描画する態様が挙げられるが、印刷する態様や音声出力であっても良い。
【0013】
なお、判断に際しては、利用情報記憶手段により格納された利用情報を用いるのはいうまでもない。因子情報は、そのまま引き継いで用いるようにする。
【0014】
請求項
2に記載の配車補助システムは、請求項
1に記載の配車補助システムにおいて、タクシーを探していながら配車できなかった遺失機会について、遺失機会の日時および場所を入力する遺失機会入力手段と、遺失機会入力手段により入力された日時および場所を記憶する遺失情報記憶手段と、を具備し、基準区割配備決定手段は、遺失情報記憶手段により記憶された日時および場所にも基づいて、基準区割配備を決定することを特徴とする。
【0015】
すなわち、請求項
2にかかる発明は、実質的に利用情報を充実させていくことができ会社の利益を上げることができる。
【0016】
なお、入力の態様はタクシー無線を用いてドライバがオペレータに伝言するようにしてもよく、また、タクシー内に入力装置を設け、ドライバがボタンを押下するなどして記憶させることもできる。また、オペレータにかかってきたが最終的には配車できなかった(断られた)電話を契機として入力するようにしてもよい。
【0017】
請求項
3に記載の配車補助システムは、請求項
1に記載の配車補助システムにおいて、利用情報記憶手段に記憶された利用情報と適正区割配備決定手段により決定された適正区割配備の履歴とに基づき、配備の過不足が最も少なくなるように区割および/または重みを最適化する最適化手段を具備したことを特徴とする。
【0018】
すなわち、請求項
3にかかる発明は、システムを運用すればするほど予想を現実に近づけることができ、オペレータへの依存度を少なくし、最も効率的な配車を実現する。
【0019】
重みは、常に一定でなく、日時によって変化するようにしてもよい。
最適化は適時おこなうようにする。たとえば、負荷の分散の観点から未明の3:00に処理をスタートさせるようにする。
最適化する方法は、たとえば最小二乗法を用いることができる。補完公式を用いてもよい。
最適化された結果は因子情報に反映される。但し、最適とする評価項目は、必ずしも区割りの最適化とそれに基づいた割り当て数だけの観点でなく、運賃(会社の売り上げ)を加味してもよい。遺失機会は少なくなったが、会社全体の売り上げが伸びない場合も考慮する必要があるからである。また、評価項目には、ドライバの売り上げの差を縮めることを含めて最適をおこなうようにしてもよい。
【0020】
請求項
4に記載の配車補助プログラムは、コンピュータを、請求項1に記載の利用情報記憶手段、因子情報記憶手段、エリア情報記憶手段、日時入力手段、因子設定手段、基準区割配備決定手段、適正区割配備決定手
段、適正区割配備出力手段
、変化判定手段、および、変化日時出力手段、として機能させることを特徴とする。
【0021】
すなわち、請求項
4にかかる発明は、その日時において妥当と想定される区割りおよびタクシー割り当て数(配車数・配備数)に、変動要因ないし外部要因である影響因子を加味して、その日時における適正と想定される区割りとタクシー割り当てをおこない、オペレータを補助するコンピュータプログラムを提供できる。
【0022】
なお、コンピュータを請求項
2、3に記載の各手段として機能させることもできる。
すなわち、請求項
4に記載の配車補助プログラムにおいて、
コンピュータを、更に、
タクシーを探していながら配車できなかった遺失機会について、遺失機会の日時および場所を入力する遺失機会入力手段、および、
遺失機会入力手段により入力された日時および場所を記憶する遺失情報記憶手段、
として機能させ、
基準区割配備決定手段につき、遺失情報記憶手段により記憶された日時および場所にも基づいて、基準区割配備を決定することを特徴とする配車補助プログラムとしてもよい。
また、コンピュータを、更に、
タクシーを探していながら配車できなかった遺失機会について、遺失機会の日時および場所を入力する遺失機会入力手段、および、
遺失機会入力手段により入力された日時および場所を記憶する遺失情報記憶手段、
として機能させ、
基準区割配備決定手段につき、遺失情報記憶手段により記憶された日時および場所にも基づいて、基準区割配備を決定することを特徴とする配車補助プログラムとしてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば客観性があり、最適なタクシー配備を可能とする配車補助システムおよびプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の配車補助プログラムを導入して構築された配車補助システムの運用概念図である。
【0028】
図示したように、配車補助システム1は、オペレータOpが操作するコンピュータ装置10と、タクシーTに配置される入力装置20と、により構成される。
【0029】
次に、配車補助システム1のハードウェア構成について説明する。
図2は、配車補助システム1のハードウェア構成例を示したブロック図である。
【0030】
<配車補助システム1:コンピュータ装置10のハードウェア構成>
配車補助システム1のうち、コンピュータ装置10は、そのハードウェア構成として、CPU101と、ROM102と、RAM103と、ハードディスク(HD)104と、グラフィックスカード105と、モニタ106と、キーボード(K/B)107と、マウス(MOUSE)108と、LANカード109、を備える。
【0031】
CPU101は、OSと共にコンピュータ装置10全体を制御し、特に、動的に営業エリアの区割りとその区割りの中でのタクシー割り当て数を決定する。また、CPU101は、ハードディスク104に格納されている作業データをRAM103に一時保存する制御等もおこなう。
【0032】
ROM102は、ブートプログラム等を記憶する。使用の態様によっては、ROM102は、コンピュータ装置10の制御プログラムを格納しておいてもよい。
【0033】
RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用する。具体的には、ハードディスク104から読み出された利用情報や因子情報、エリア情報、遺失機会情報等を一時的に格納する。
【0034】
ハードディスク104は、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム、各種情報を記憶する。ハードディスクの構成については後述する。
【0035】
グラフィックスカード105は、モニタ106へ出力すべき画像信号を送出する。具体的には、営業エリアの地図と待機場所、また、賃走等のタクシーの場所等をモニタ106へ送出する。グラフィックスカード105は、出力すべき画像信号を格納するVRAMと、処理された画像信号をモニタ106へ出力する画像出力インターフェース(画像出力I/F)も備える。画像出力I/Fは、VRAMに展開されたRGB画像データをモニタ106へ出力する。
【0036】
LANカード109は、コンピュータ装置10をネットワークNに接続する。ネットワークに接続することにより、入力装置20から、遺失機会情報や乗降履歴を受け取る。このほかコンピュータ装置10はCD−ROMドライブ装置等を搭載することも可能である。
【0037】
ハードディスク104について詳述する。ハードディスク104は、アプリケーション部110とデータベース部(DB部)130とにより構成される。
アプリケーション部110は、コンピュータ装置10全体を制御するOS111と、どの待機場所がどこまでの分割エリアを担当するかの区割りと、当該待機場所または当該区割内に何台のタクシーを回すかの配備(配車数)とを決定する区割配備プログラム群112とにより構成される。
【0038】
区割配備プログラム群112は、
地図を描画し、必要に応じてその拡大・縮小をおこない、また、待機場所やタクシー位置を描画する描画プログラム121と、
区割りやタクシー配備の際の条件を入力ないし設定する入力設定プログラム122と、
区割りやタクシーの割り当て数を決定する決定プログラム123と、
入力装置20やDB部130との間でデータの入出力管理をおこなう管理プログラム124と、
区割りやタクシーの割り当て数が最適となるように、最適化処理を適時おこなう最適化プログラム125と、
を有する。
【0039】
なお、上記プログラムは、コンピュータ装置10が決定する区割りや配備の観点から集約したプログラム群を説明したものであって、実際のプログラムは多数のコンポーネントやDLLなどにより構成される。後述する機能的構成は、これらのプログラムが単体もしくは複数で、場合によってはDB部130と協働して各種実現されるものである。
【0040】
次に、DB部130について説明する。DB部130は、過去のタクシー利用者の乗降日時と乗降場所とを含んだ情報である利用情報を記憶した利用情報記憶部131と、タクシー利用に影響を与える天候、イベント、その他の影響因子と当該影響因子の重みとを含んだ情報である因子情報を記憶した因子情報記憶部132と、地図情報をベースとし、タクシーの営業エリアを複数に分割した分割エリアとタクシーの待機場所とを含んだ情報であるエリア情報を記憶したエリア情報記憶部133と、機会を逸した日時および場所の情報である遺失機会情報を記憶する遺失情報記憶部134と、を有する。
【0041】
DB部130は、タクシーからの無線またはデータロガーないし記憶装置から、適時利用情報、遺失機会情報を更新し、随時拡充されていく。
【0042】
<配車補助システム1:入力装置20のハードウェア構成>
次に、入力装置20のハードウェア構成について説明する。
配車補助システム1のうち、入力装置20は、そのハードウェア構成として、入力ボタン21と、GPSユニット22と、無線通信ユニット23、を備える。
【0043】
入力ボタン21は、運転手が操作しやすい押ボタンである。なお、入力ボタン21は、客情報も入力する。すなわち、一回押しであれば道沿いに拾い損ねた客がいたことを示し、二回押しであれば道の反対側に拾い損ねた客がいたことを示すようにしている。
【0044】
GPSユニット22は、入力ボタン21が押下されると、その日時と場所(道沿いか反対側かの情報を含む)を記憶する。すなわち、遺失機会情報を記憶する。
【0045】
無線通信ユニット23は、タクシーの現在位置および遺失機会情報をコンピュータ装置10へ送信する。この送信は、タクシーが会社に戻ったときにおこなっても良いし、随時送るようにしてもよい。
【0046】
<配車補助システム1:機能的構成>
次に、配車補助システム1の機能的構成について説明する。
図3は、配車補助システムの機能的構成の一例を示した説明図である。
【0047】
配車補助システム1は、その機能的構成として、日時入力部201と、因子設定部202と、基準区割配備決定部203と、適正区割配備決定部204と、適正区割配備出力部205と、変化判断部206と、変化日時出力部207と、遺失機会入力部208と、最適化部209と、を有する。
【0048】
日時入力部201は、日時を入力する。オペレータOpが、たとえば、現在時刻をタイプしたり、20分後の時刻を指定したりした数値等が入力される。なお、適宜、画面上に「現在時刻」ボタン、「1時間後までの10分単位」ボタン、等が描画され、これをクリックする態様も含まれる。また、オペレータOpによる操作でなく予め設定された時刻、たとえば、毎正時を含み30分毎が設定されている場合も入力に含まれる。
【0049】
日時入力部201は、たとえば、キーボード107とマウス108と入力設定プログラム122などによりその機能を実現することができる。
【0050】
因子設定部202は、影響因子を設定する。オペレータOpが、天候やイベント情報等を入力したり設定したりする。特に、雨の情報はリアルタイムの降雨マップを取り込むなど、速やかにシステムに反映されるようにしている。また、イベント情報も、たとえば、野球のナイター等、終了時刻が必ずしも一定でない場合であっても適宜設定できるようにしている。なお、因子は、小規模なイベントや事故情報など必ずしも全営業エリアに影響を及ぼさず、局所的なものも存在する。したがって、影響因子は、区割毎ないし分割エリア毎に入力できるようにしてもよい。
【0051】
因子設定部202は、たとえば、キーボード107とマウス108と入力設定プログラム122などによりその機能を実現することができる。
【0052】
基準区割配備決定部203は、日時入力部201により入力された日時と利用情報記憶部131により記憶された利用情報とエリア情報記憶部133に記憶されたエリア情報とに基づいて、当該日時においてどの待機場所がどこまでの分割エリアを担当するかの区割と当該待機場所または当該区割内に何台のタクシーを回すかの配備との基準区割配備を決定する。すなわち、これまでの営業実績ないし履歴に基づいて、当該日時において妥当と思われる区割りと配車数とを決定する。
【0053】
たとえば、平日であれば、18時から22時あたりは、繁華街においてタクシー利用が多いといえる。したがって、その時間帯は、繁華街にいくつかあるタクシーの待機場所それぞれが受け持つ区割りを決定し、それぞれ所定数のタクシーを配備する。同様に、連休初日の午前中は、駅の待合場所に多くのタクシーを配備する。なお、区割りは動的であって、たとえば、21時以降は、住宅街近辺の待機場所はそれまでの分割エリアより広いエリアを担当するようにする。区割りの動的変化について、
図4にその概念を示した。
【0054】
また、基準区割配備決定部203は、遺失情報記憶部134により記憶された遺失機会情報にも基づいて、基準区割配備を決定する。すなわち、遺失機会情報は利用情報に準じる情報であり、遺失機会情報で補完することにより、より適正な配備や区割りが可能となる。
【0055】
基準区割配備決定部203は、CPU101と、決定プログラム123と、管理プログラム124と、RAM103と、利用情報記憶部131と、遺失情報記憶部134などによりその機能を実現することができる。
【0056】
適正区割配備決定部204は、因子設定部202により設定された影響因子と因子情報記憶部132により記憶された当該影響因子の重みとに基づいて、基準区割配備決定部203により決定された基準区割配備を修正して適正区割配備を決定する。すなわち、天候やイベントなどの外的要因を加味して、基準区割配備を修正する。
【0057】
たとえば、大学やある会館にて国際会議が催されることがあるが、これは、定期開催でなくスポット開催である。したがってこのような会議がある場合などは、空港やその周辺の待機場所をより適正に組み直し、配備数(タクシー割り当て数)を増加させるようにする。また、サラリーマンの帰宅時間に大雨が降る場合は、駅やその近くの待機場所の組み直しをおこない、配備数を増加させる。このほか、夏に高温注意報が発令されている際は、観光スポット周辺の配備数を増加するようにする。個別具体的な修正が適正区割配備である。
【0058】
ここで、基準区割配備からの修正は重みが重要となってくる。あるエリアにおける配備数がHである場合に、天候因子の重みがα、気温因子の重みがβ、イベント因子の重みがγであるとき、修正された配備数H’は、たとえば、H’=α×(H+β)+γとすることができる。
【0059】
適正区割配備決定部204は、たとえば、因子情報記憶部132と、決定プログラム123と、管理プログラム124と、RAM103と、CPU101などによりその機能を実現することができる。
【0060】
適正区割配備出力部205は、適正区割配備決定部204により修正された適正区割配備を出力する。ここでは、モニタ106上に描画する。すなわち、
図5に示したように、おおよその営業エリアを網羅した地図と、待機場所の印(●)と、その待機場所がどこまでの分割エリアを担当するかの境界表示と、GPS情報に基づいた各タクシーの位置(小さい点・)と、が表示される。また、線路と駅、また、幹線道路も描画している(実際は、細かな道も地図上に描画されるが、ここでは説明の便宜上省略している)。
【0061】
各待機場所からは吹出線が延びており、たとえば(3−6)/9→10と表示されている。3は、待機場所で待機しているタクシーの数、6は、その区割り内で賃走または迎車等で出払っているタクシーの数、9は、適正区割配備決定部204により決定された配備数である。また、10は、変化判断部206で判断された次の時間帯に必要な配備数を示している。このような表示がなされることにより、オペレータは、現状を効率よく視認し、先を見越したタクシーの配置換えをすることができる。
【0062】
適正区割配備出力部205は、たとえば、モニタ106と、グラフィックスカード105と、描画プログラム121と、エリア情報記憶部133などにより、その機能を実現することができる。
【0063】
変化判断部206は、日時入力部201により入力された日時以降であって、基準区割配備決定部203により決定された基準区割配備が変化する日時を判断する。これにより、オペレータOpは、現状のままの区割や配備がどのくらいの時間続くかの、一応の目安を知ることができる。実際は、影響因子により、より早く変化が生じるのが一般的であるが、大まかな目安を知ることができ、配車をより適正化することができる。
【0064】
この目安を逆に利用することもできる。すなわち、今日はこの区割りの回転がよく、別の場所ではさほど動きがない、という状況でこのまま2時間は変化がない、というのであれば、回転のよい区割りにもう少しタクシーを回してもよい、と判断できる。
【0065】
変化日時出力部207は、変化判断部206により判断された日時を出力する。実際は、
図5に示したように、画面右上に、変動時刻までの分数が表示される。
【0066】
変化判断部206は、たとえば、利用情報記憶部131と、決定プログラム123と、CPU101と、RAM102などによりその機能を実現することができる。
変化日時出力部207は、たとえば、描画プログラム121と、モニタ106と、グラフィックスカード105などによりその機能を実現することができる。
【0067】
遺失機会入力部208は、タクシーを探していながら配車できなかった遺失機会について、遺失機会の日時および場所を入力する。本実施の形態では、入力は、タクシーの入力ボタンの押下を契機とし、GPSユニット22を介して無線通信ユニット23によりコンピュータ装置10にデータが飛ばされる。
遺失機会入力部208は、たとえば、入力ボタン21と、GPSユニット22と、無線通信ユニット23、LANカード109と、管理プログラム124と、遺失情報記憶部134などによりその機能を実現することができる。
【0068】
最適化部209は、利用情報記憶部131に記憶された利用情報と適正区割配備決定部204により決定された適正区割配備の履歴とに基づき、配備の過不足が最も少なくなるように区割および/または重みを最適化する。すなわち、予想と実績とを随時見直し、区割りと重みとを変動させ、最適な設定をおこなう。過不足なくタクシーを配備できるので、運転手は客待ちが長すぎることなく、適度な緊張感をたもち、また、適正に休暇をとることができる。ストレスが緩和される結果、反射的に運転手による乗客への対応がよくなることも期待できる。一方、会社としては、必要以上に車輌を保有する必要がなくなり、経営の効率化を図ることができる。
【0069】
最適化は、最小二乗法を用いてもまた、SOM技術、ビッグデータ技術を用いてもよい。
【0070】
最適化部209は、CPU101と、RAM102と、最適化プログラム125と、DB部130などによりその機能を実現することができる。
【0071】
以上説明したように、配車補助システム1は、客観性があり、最適なタクシー配備を実現する。
【0072】
なお、本発明の配車補助プログラムは、適宜、コンピュータ装置10にインストールし、配車補助システム中の各手段として実現させることができる。
【0073】
また、コンピュータ装置10にインストールしたプログラムの一部または全部をwebサーバ上に配置してもよい。