(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6379498
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】真空断熱材
(51)【国際特許分類】
F16L 59/06 20060101AFI20180820BHJP
F16L 59/02 20060101ALI20180820BHJP
B32B 3/04 20060101ALI20180820BHJP
B32B 7/08 20060101ALI20180820BHJP
F25D 23/06 20060101ALN20180820BHJP
【FI】
F16L59/06
F16L59/02
B32B3/04
B32B7/08 Z
!F25D23/06 V
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-13237(P2014-13237)
(22)【出願日】2014年1月28日
(65)【公開番号】特開2015-140835(P2015-140835A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2016年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 朋子
(72)【発明者】
【氏名】小河原 賢次
(72)【発明者】
【氏名】栄 賢治
【審査官】
渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−104889(JP,A)
【文献】
実開昭62−181795(JP,U)
【文献】
実開平04−064089(JP,U)
【文献】
特開2006−077790(JP,A)
【文献】
特開平11−141796(JP,A)
【文献】
特開2011−247534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 59/06
B32B 3/04
B32B 7/08
F16L 59/02
F25D 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装体内部にコア材を封入し、内部を真空排気した真空断熱材であって、
前記外装体を形成する外装材が、基材層とシーラント層とが積層された積層フィルムからなり、前記基材層が前記シーラント層よりガスバリア性が高く、2枚の前記外装材の前記シーラント層面どうしが対向され、重ねあわされて周縁部がシールされたシール部の端部において、少なくとも一方の積層フィルムの端部においてそのシーラント面が対向し接触するように折り曲げて重ねることで、前記シーラント層が外部に露出しないように、前記基材層で囲まれていることを特徴とする真空断熱材。
【請求項2】
前記シール部の端部において、一方の前記外装材が長く、その長い方の外装材が折り返されることでシーラント面が対向し接触するように折り曲げて重ねられており、前記外装材どうしの端面が接触するように、シール部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
【請求項3】
請求項2に記載の真空断熱材において、前記外装材どうしの端面が接触した領域は、前記基材層の表側が長く、前記シーラント層の裏側が短くなるように斜めに切断されている前記外装材どうしの端部の隙間にシーラント層の融けた熱融着樹脂が埋め込まれていることで構成されていることを特徴とする真空断熱材である。
【請求項4】
外装材が重ねあわされてシールされたシール部の前記端部において、それぞれの前記外装材の先端部分が重なり合わせた内側になるように折り返され、折り返された状態で、2枚の前記外装材が重ねあわされてシール部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
【請求項5】
外装体内部にコア材を封入し、内部を真空排気した真空断熱材であって、
前記外装体を形成する外装材が、基材層とシーラント層とが積層された積層フィルムからなり、前記基材層が前記シーラント層よりガスバリア性が高く、2枚の前記外装材の前記シーラント層面どうしが対向され、重ねあわされて、周縁部がシールされたシール部の端部において、一方の前記外装材で、前記基材層が前記シーラント層より長く設けられ、前記長く設けられた基材層が、2枚の前記外装材の前記シーラント層の端面をともに覆うように曲げられ、シール部が形成されていることにより前記シーラント層が外部に露出しないように、前記基材層で囲まれていることを特徴とする真空断熱材。
【請求項6】
外装体内部にコア材を封入し、内部を真空排気した真空断熱材であって、
前記外装体を形成する外装材が、基材層とシーラント層とが積層された積層フィルムから
なり、前記基材層が前記シーラント層よりガスバリア性が高く、2枚の前記外装材の前記シーラント層面どうしが対向され、重ねあわされて、周縁部がシールされたシール部の端部において、それぞれの外装材の前記基材層が前記シーラント層より長く設けられ、前記長く設けられた基材層の先端部分が、それぞれの前記シーラント層の端面を覆い、さらに重なり合わせた内側になるように折り返され、シール部が形成されていることにより前記シーラント層が外部に露出しないように、前記基材層で囲まれていることを特徴とする真空断熱材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空断熱材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫や低温コンテナ、あるいは建物の壁などには、従来から種々の断熱材が用いられており、特に、断熱性能の優れた断熱材として、断熱性のコア材を外装体内に封入し、外装体内部を真空排気した構成の真空断熱材が使用されている。
【0003】
この外装体は、内部を長期間真空状態に保持するために、外部からのガス(空気)の侵入を防ぐガスバリア性に優れたものである必要がある。一般的には、基材層とシーラント層が積層された積層フィルムの外装材からなる袋などの容器形状になっていて、基材層にガスバリア性の高い素材を用いている。
【0004】
例えば、コア材が充填され、内部が脱気された真空断熱材に用いる真空断熱材用外装材であって、基材層にアルミニウム箔をガスバリア性素材として用いて、シーラント層を積層した真空断熱材用外装材がある(特許文献1)。
【0005】
この真空断熱材用外装材を2枚、シーラント層どうしが対向するように重ね合わせ、コア材を充填して、内部を脱気し、その周縁部を熱シールして、真空断熱材を作成することができる。
【0006】
このような真空断熱材は、外装材11で平袋が形成されていて、外装材11がシールされた端部は、
図9の拡大した断面図のように、基材層12に挟まれたシーラント層13が外気に露出している。基材層12にはガスバリア性の高い層を設けているが、シール性を重視したシーラント層13のガスバリア性は、基材層12と比較して極端に低い。
【0007】
このため、この露出したシーラント層13の端部から、空気などの気体が真空断熱材の内部に透過して、真空が甘くなってしまい、真空断熱材の断熱性が低下してしまう。真空断熱材の断熱性を長期間保持するためには、外装体に高度なガスバリア性が要求され、このシーラント層の露出した端部を改善する必要がある。
【0008】
液体用紙容器においては、胴部に一方の側縁部を他方の側縁部に重ね合わせて、封筒貼りした胴部貼り合わせ部が設けられているが、液体の内容物が、胴部貼り合わせ部の紙容器内部に露出した端部から、容器の構成材料の紙層に浸透しないように、さらには、ガスバリア性が損なわれないように、端面保護されているものがある。
【0009】
端面保護の方法として、スカイブへミング法や、保護テープで端面を覆うように貼る方法がある。また、これらの他にも、紙層の少なくとも内側の樹脂層を延設させて、樹脂層で紙層の端部を保護する方法がある(特許文献2)。
【0010】
この方法においても、樹脂層あるいは樹脂層の内のシーラント層の端面は外側に露出していて、樹脂層にガスバリア性の高い層を設けておいても、シーラント層の端部から気体が透過してしまう。
【0011】
公知文献を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2013−103343号公報
【特許文献2】特開2008−222244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、コア材を外装体内に封入し、外装体内部を真空排気した構成の真空断熱材において、外装体のガスバリア性を高め、外部からの空気などのガスの透過を抑え、断熱性を長期間保持できる真空断熱材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、請求項1の発明は、外装体内部にコア材を封入し、内部を真空排気した真空断熱材であって、
前記外装体を形成する外装材が、基材層とシーラント層とが積層された積層フィルムからなり、前記基材層が前記シーラント層よりガスバリア性が高く、2枚の前記外装材の前記シーラント層面どうしが対向され、重ねあわされ
て周縁部がシールされたシール部の端部において、
少なくとも一方の積層フィルムの端部においてそのシーラント面が対向し接触するように折り曲げて重ねることで、前記シーラント層が外部に露出しないように、前記基材層で囲まれていることを特徴とする真空断熱材である。
【0015】
本発明の請求項2の発明は、外装材が重ねあわされてシールされたシール部の前記端部
が、一方の前記外装材
が長く
、その長い
方の外装材
が折り返
されることでシーラント面が対向し接触するように折り曲げて重ねられており、前記外装材どうしの端面が接触するように
、シール部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材である。
【0016】
本発明の請求項3の発明は、
前記外装材どうしの端面が接触した領域は、前記基材層の表側が長く、前記シーラント層の裏側が短くなるよう
に斜めに切断されている前記外装材どうしの端部の隙間にシーラント層の融けた熱融着樹脂が埋め込まれていることで構成されていることを特徴とする真空断熱材されていることを特徴とする真空断熱材である。
【0017】
本発明の請求項4の発明は、外装材が重ねあわされてシールされたシール部の前記端部において、
それぞれの前記外装材の先端部分が重なり合わせた内側になるように折り返され、折り返された状態で、2枚の前記外装材が重ねあわされてシール部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材である。
【0019】
本発明の請求項
5の発明は、
外装体内部にコア材を封入し、内部を真空排気した真空断熱材であって、
前記外装体を形成する外装材が、基材層とシーラント層とが積層された積層フィルムからなり、前記基材層が前記シーラント層よりガスバリア性が高く、2枚の前記外装材の前記シーラント層面どうしが対向され、重ねあわされて、周縁部がシールされたシール部の端部において、一方の前記外装材で、前記基材層が前記シーラント層より長く設けられ、前記長く設けられた基材層が、2枚の前記外装材の前記シーラント層の端面をともに覆うように曲げられ、シール部が形成されていること
により前記シーラント層が外部に露出しないように、前記基材層で囲まれていることを特徴とする真空断熱材である。
【0020】
本発明の請求項
6の発明は、
外装体内部にコア材を封入し、内部を真空排気した真空断熱材であって、
前記外装体を形成する外装材が、基材層とシーラント層とが積層された積層フィルムからなり、前記基材層が前記シーラント層よりガスバリア性が高く、2枚の前記外装材の前記シーラント層面どうしが対向され、重ねあわされて、周縁部がシールされたシール部の端部において、それぞれの外装材の前記基材層が前記シーラント層より長く設けられ、前記長く設けられた基材層の先端部分が、それぞれの前記シーラント層の端面を覆い、さらに重なり合わせた内側になるように折り返され、シール部が形成されていること
により前記シーラント層が外部に露出しないように、前記基材層で囲まれていることを特徴とする真空断熱材である。
【発明の効果】
【0021】
本発明のコア材を外装体内に封入し、外装体内部を真空排気した構成の真空断熱材は、外装体を形成する外装材のシーラント層が外部に露出しないように、基材層で囲まれているので、外部からの空気などのガスの透過を抑えることができ、断熱性を長期間保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の真空断熱材の第1の実施形態を模式的に断面で示した説明図である。
【
図2】(a)(b)本発明の真空断熱材の第1の実施形態のシール部の端部を拡大し断面で示した説明図である。
【
図3】(a)(b)本発明の真空断熱材の第1の実施形態のシール部の端部の他の形状を拡大し断面で示した説明図である。
【
図4】(a)(b)本発明の真空断熱材の第2の実施形態のシール部の端部を拡大し断面で示した説明図である。
【
図5】(a)(b)本発明の真空断熱材の第3の実施形態のシール部の端部を拡大し断面で示した説明図である。
【
図6】(a)(b)本発明の真空断熱材の第4の実施形態のシール部の端部を拡大し断面で示した説明図である。
【
図7】本発明の真空断熱材の第4の実施形態のシール部の端部の他の形状を拡大し断面で示した説明図である。
【
図8】(a)(b)本発明の真空断熱材の第5の実施形態のシール部の端部を拡大し断面で示した説明図である。
【
図9】従来の真空断熱材のシール部の端部を拡大し断面で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1の実施形態>
以下、本発明を実施するための第1の実施形態につき説明する。
図1は、本発明の真空断熱材の第1の実施形態を模式的に断面で示した説明図、
図2(a)(b)は、本発明の真空断熱材の第1の実施形態のシール部の端部を拡大し断面で示した説明図、
図3(a)(b)は、本発明の真空断熱材の第1の実施形態のシール部の端部の他の形状を拡大し断面で示した説明図である。
【0024】
第1の実施形態の真空断熱材は、外装体1を形成する外装材11が、基材層12と、該基材層12よりガスバリア性の低いシーラント層13とが積層された積層フィルムからなり、2枚の外装材11が、シーラント層13どうしを対向し重ねあわされて、周縁部がシールされて外装体1を形成している。
【0025】
そして、
図1のように、外装体1の内部にコア材2が封入され、外装体1の内部が真空排気されて、周縁部が熱シールされ密封されて真空断熱材を形成している。
【0026】
外装材11の基材層12には、耐熱性とガスバリア性の高い材質のものが好ましく用いられる。基材層12は単層ではなく、多層になっていてもかまわない。
【0027】
ガスバリア性の高い材質のものとしては、アルミニウム箔、あるいは、ポリエステルやナイロン、エチレンビニルアルコール共重合体などの蒸着基材フィルムに、アルミニウム
などの金属や、酸化ケイ素や酸化アルミニウムなどの無機酸化物を蒸着した蒸着フィルム、更には、樹脂自体がバリア性の高い、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂、ポリビニルアルコールや、メタキシレンジアミン/アジピン酸からなるいわゆるMXDナイロンなどのフィルムが好ましく用いられる。
【0028】
また、比較的ガスバリア性があって、耐熱性のある、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルの二軸延伸フィルムや、6ナイロンなどのナイロンの二軸延伸フィルム、あるいは、ポリプロピレンの二軸延伸フィルムも基材層12として、用いられ、これらを組み合わせて積層した多層フィルムが、基材層12に用いられる。
【0029】
シーラント層13には、シール性の良い熱溶融性樹脂が用いられる。ポリプロピレンや、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、あるいは、酸変性ポリエチレンなどのキャストのフィルムが用いられる。このため、ガスバリア性の高い材質を用いた基材層12が、シーラント層13よりガスバリア性が高くなっている。
【0030】
外装材11の基材層12とシーラント層13との貼り合わせは、接着剤を介してドライラミネーションにより行ってもよいし、溶融樹脂を介してサンドイッチラミネーションにより行ってもよい。また、シーラント層13の樹脂を溶融して押出し、押出しラミネーションによって行ってもよい。
【0031】
また、多層の基材層12の場合、各層の間の貼り合わせを、接着剤を介したドライラミネーションにより行ってもよいし、溶融樹脂を介したサンドイッチラミネーションにより行ってもよい。
【0032】
コア材2としては、ガラスウールやシリカなどが、内部空間を真空化し易く、好ましく用いられる。
【0033】
第1の実施形態の真空断熱材では、2枚の外装材11が重ねあわされてシールされたシール部の端部は、
図2(a)のように、一方の外装材11を長くしておいて、長くした外装材11を折り返して、外装材11どうしの端面が接触するようにして、
図2(b)のように、シール部を形成する。折返し部は周縁部をシールする前にあらかじめ熱溶融させて形成させておいてもよい。
【0034】
このようにすることによって、重ねあわされてシールされたシール部の端部において、シーラント層13が外部に露出せず、基材層12で囲まれている。そのため、ガスバリア性の低いシーラント層13を通り、外部から外装体1の内部に空気などのガスが浸透することを抑え、真空断熱材の断熱性を長期間保持することができる。
【0035】
2枚の外装材11が重ねあわされたシール部のそれぞれの端部は、
図3(a)のように、基材層12の表側が長く、シーラント層13の裏側が短くなるように斜めにしておくことができる。
【0036】
このようにしておいて、長くした外装材11を折り返して、基材層12の表側どうしが接触するように、あるいは、基材層12どうしの先端部分が重なるようにして、シール部を形成すると、シーラント層13の融けた熱溶融性樹脂が、端面を斜めにしてできた隙間に流れ込み埋める。
【0037】
このようにすると、シール時にシーラント層13の融けた熱溶融性樹脂が、基材層12の間を通って、外にはみ出すことがない。そして、ガスバリア性の低いシーラント層13を通り、外部から外装体1の内部に空気などのガスが浸透することを抑え、真空断熱材の
断熱性を長期間保持することができる。
【0038】
<第2の実施形態>
以下本発明を実施するための第2の実施形態につき説明する。
図4(a)(b)は、本発明の真空断熱材の第2の実施形態のシール部の端部を拡大し断面で示した説明図である。
【0039】
第2の実施形態の真空断熱材は、第1の実施形態の真空断熱材とほぼ同様な形状で、同様な材料で形成されている。そして、2枚の外装材11が重ねあわされてシールされたシール部の端部の形状が異なる。
【0040】
第2の実施形態の真空断熱材では、2枚の外装材11が重ねあわされてシールされたシール部の端部は、
図4(a)のように、外装材11の先端部分が、重なり合わせた内側になるように折り返されている。そして、
図4(b)のように、それぞれ折り返された状態で、2枚の外装材11が重ねあわされてシールされている。
【0041】
このようにすることによって、重ねあわされてシールされたシール部の端部において、2枚の外装材11の基材層12どうしが密着していて、基材層12で囲まれてシーラント層13が外部に露出していない。そのため、ガスバリア性の低いシーラント層13を通り、外部から外装体1の内部に空気などのガスが浸透することが抑えられ、真空断熱材の断熱性を長期間保持することができる。
【0042】
<第3の実施形態>
以下本発明を実施するための第3の実施形態につき説明する。
図5(a)(b)は、本発明の真空断熱材の第3の実施形態のシール部の端部を拡大し断面で示した説明図である。
【0043】
第3の実施形態の真空断熱材は、第1の実施形態の真空断熱材とほぼ同様な形状で、同様な材料で形成されている。そして、2枚の外装材11が重ねあわされてシールされたシール部の端部の形状が異なる。
【0044】
第3の実施形態の真空断熱材では、2枚の外装材11が重ねあわされてシールされたシール部の端部は、
図5(a)のように、それぞれの外装材11で、基材層12がシーラント層13より長く設けられている。
【0045】
そして、それぞれの長く設けられ基材層12をシーラント層13の端面を覆うように曲げられている。シール部を形成した状態で、基材層12のそれぞれの先端部分は、突き合わせるようになっている。尚、先端部分の基材層12が重なるようにしてもよい。折り曲げた基材層12は、接着剤によって、シーラント層13に接着させておくことができる。
【0046】
このようにすることによって、重ねあわされてシールされたシール部の端部において、2枚の外装材11の基材層12によってシーラント層13が囲まれて、シーラント層13が外部に露出していない。そのため、ガスバリア性の低いシーラント層13を通り、外部から外装体1の内部に空気などのガスが浸透することが抑えられ、真空断熱材の断熱性を長期間保持することができる。
【0047】
<第4の実施形態>
以下本発明を実施するための第4の実施形態につき説明する。
図6(a)(b)は、本発明の真空断熱材の第4の実施形態のシール部の端部を拡大し断面で示した説明図である。
図7は、本発明の真空断熱材の第4の実施形態のシール部の端部の他の形状を拡大し断面で示した説明図である。
【0048】
第4の実施形態の真空断熱材は、第1の実施形態の真空断熱材とほぼ同様な形状で、同様な材料で形成されている。そして、2枚の外装材11が重ねあわされてシールされたシール部の端部の形状が異なる。
【0049】
第4の実施形態の真空断熱材では、2枚の外装材11が重ねあわされてシールされたシール部の端部は、
図6(a)のように、一方の外装材11で、基材層12がシーラント層13より長く設けられている。
【0050】
そして、一方の外装材11の長く設けられ基材層12を、2枚の外装材11のシーラント層13の端面をともに覆うように曲げられている。シール部を形成した状態で、一方の外装材11の長く設けられ基材層12の先端部分は、他方の外装材11の基材層12に届くように設けられている。
【0051】
尚、一方の外装材11の長く設けられ基材層12の先端部分は、
図7のように、さらに曲げられて、他方の外装材11の基材層12の外面に重なるようにしてもよい。折り曲げた基材層12は、接着剤によって、シーラント層13および他方の外装材11の基材層12に接着させておくことができる。
【0052】
このようにすることによって、重ねあわされてシールされたシール部の端部において、一方の外装材11の長く設けられ基材層12によって、2枚の外装材11のシーラント層13がともに囲まれて、シーラント層13が外部に露出していない。そのため、ガスバリア性の低いシーラント層13を通り、外部から外装体1の内部に空気などのガスが浸透することが抑えられ、真空断熱材の断熱性を長期間保持することができる。
【0053】
<第5の実施形態>
以下本発明を実施するための第5の実施形態につき説明する。
図8(a)(b)は、本発明の真空断熱材の第5の実施形態のシール部の端部を拡大し断面で示した説明図である。
【0054】
第5の実施形態の真空断熱材は、第1の実施形態の真空断熱材とほぼ同様な形状で、同様な材料で形成されている。そして、2枚の外装材11が重ねあわされてシールされたシール部の端部の形状が異なる。
【0055】
第5の実施形態の真空断熱材では、2枚の外装材11が重ねあわされてシールされたシール部の端部は、
図8(a)のように、それぞれの外装材11で、基材層12がシーラント層13より長く設けられている。
【0056】
そして、長く設けられ基材層12の先端部分が、それぞれのシーラント層13の端面を覆い、さらに重なり合わせた内側になるように折り返されている。そして、
図8(b)のように、それぞれの外装材11の基材層12の先端部分が折り返された状態で、2枚の外装材11が重ねあわされてシールされている。
【0057】
このようにすることによって、重ねあわされてシールされたシール部の端部において、2枚の外装材11の基材層12どうしが密着していて、基材層12で囲まれてシーラント層13が外部に露出していない。そのため、ガスバリア性の低いシーラント層13を通り、外部から外装体1の内部に空気などのガスが浸透することが抑えられ、真空断熱材の断熱性を長期間保持することができる。
【符号の説明】
【0058】
1・・・外装体
11・・・外装材
12・・・基材層
13・・・シーラント層
2・・・コア材