【実施例】
【0055】
以下、本発明の種々の実施例について説明する。
【0056】
<実施例1>
図1は、本発明の第1実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリヤガラスに設けるガラスアンテナの正面図である。
【0057】
第1実施例のガラスアンテナは、給電部6と、給電部6から略水平方向(左方)に延伸する第1エレメント1と、給電部6から略垂直方向(上方)に延伸する第2エレメント2と、第1エレメント1から上方に延伸する第1補助エレメント3とを有する。第1補助エレメント3は、第2エレメント2と離隔して配置され、第2エレメント2の延伸方向と同一方向(例えば、略平行)に延伸する。
【0058】
第1実施例のガラスアンテナの各エレメントの長さは、UHF帯の地上デジタルテレビ放送帯域を受信するために好適な長さに調整されており、第1エレメント1の長さが220mm、第2エレメント2の長さが75mm、第1補助エレメント3の長さが50mmである。すなわち、リヤガラス81の波長短縮率αが0.7であり、地上デジタルテレビ放送帯域の中心周波数(波長=λ)を620MHzとすると、第1エレメント1の長さは略2αλ/3となる。
【0059】
第1実施例では、第1エレメント1によって受信周波数の全帯域にわたる感度を調整し、第2エレメント2によって低域側の感度を調整することができ、全帯域で平坦な特性を得ることができる。
【0060】
また、第1補助エレメント3を、第1エレメント1及び第2エレメント2から離れた位置に設けることによって、複数の平行なエレメントを離隔して設ける。これによって、受信帯域で全体的にアンテナ感度を向上することができる。すなわち、給電部から延伸する2本のエレメント1、2だけでは、受信周波数の全帯域にわたるインピーダンスマッチングが難しいことから、第1補助エレメント3によって、広い周波数帯域におけるインピーダンスが所望の値に近くなり、アンテナ感度を向上させることができる。
【0061】
また、第2エレメント2が受信周波数の低域側でのアンテナ感度の調整に寄与し、第1補助エレメント3が高域側のアンテナ感度の調整に寄与するため、受信周波数の全帯域におけるアンテナ感度を向上することができる。
【0062】
<実施例2>
図2は、本発明の第2実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリヤガラスに設けるガラスアンテナの正面図である。
【0063】
第2実施例のガラスアンテナでは、第1補助エレメント3の延伸方向が、第1実施例と異なる。
【0064】
第2実施例のガラスアンテナは、給電部6と、第1エレメント1と、第2エレメント2と、第1補助エレメント3とを有する。第2実施例の第1補助エレメント3は、第2エレメント2と離隔して配置され、第2エレメント2の延伸方向と反対方向(例えば、略平行)に延伸する。
【0065】
第2実施例の前述以外の構成は、第1実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
【0066】
第2実施例では、前述した第1実施例と同様に、全帯域で平坦な特性を得ることができる。なお、第1実施例のアンテナの方が設置面積を小さくすることができる。
【0067】
<実施例3>
図3は、本発明の第3実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリヤガラスに設けるガラスアンテナの正面図である。
【0068】
第3実施例のガラスアンテナでは、第1補助エレメント3の配置が、第1実施例と異なる。
【0069】
第3実施例のガラスアンテナは、給電部6と、第1エレメント1と、第2エレメント2と、第1補助エレメント3とを有する。第3実施例の第1補助エレメント3は、第1エレメント1と離隔して配置され、第1エレメント1の延伸方向と同一方向(例えば、略平行)に、第2エレメント2から延伸する。
【0070】
第3実施例の前述以外の構成は、第1実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
【0071】
第3実施例では、前述した第1実施例と同様に、全帯域で平坦な特性を得ることができる。なお、第1実施例のアンテナの方が高感度を得ることができる。
【0072】
<実施例4>
図4は、本発明の第4実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリヤガラスに設けるガラスアンテナの正面図である。
【0073】
第4実施例のガラスアンテナは、第2補助エレメント4及び第3補助エレメント5を有する点が第1実施例と異なる。
【0074】
第4実施例のガラスアンテナは、給電部6と、第1エレメント1と、第2エレメント2と、第1補助エレメント3と、第2補助エレメント4と、第3補助エレメント5とを有する。第4実施例の第1補助エレメント3は、第2エレメント2と離隔して配置され、第2エレメント2の延伸方向と同一方向(例えば、略平行)に延伸する。
【0075】
第2補助エレメント4は、第1補助エレメント3に接続し、第1エレメント1と離隔して配置され、第1エレメント1の延伸方向と同一方向(例えば、略平行)に延伸する。第2補助エレメント4の長さは100mmで、第1補助エレメント3の先端から5mmの位置に接続される。第2補助エレメント4は、第1補助エレメント3の途中に接続されても、先端部に接続されてもよい。
【0076】
第3補助エレメント5は、給電部6に接続し、第1エレメント1に沿って(例えば、略平行)に延伸する。なお、第3補助エレメント5は、給電部6から延伸せず、第2エレメント2から延伸してもよい。第3補助エレメント5の長さは95mmで、第1エレメント1と8mmの間隔で平行に配置される。なお、第3補助エレメント5は、その先端が第1補助エレメント3に接触しなければ、長い方がよい。このため、第1補助エレメント3と第2エレメント2とを100mm以上離して配置すると、第3補助エレメント5を長くすることができる。
【0077】
第4実施例の前述以外の構成は、第1実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
【0078】
なお、第4実施例において、第2補助エレメント4及び第3補助エレメント5の両方を設けたが、第2補助エレメント4又は第3補助エレメント5の一方を有するガラスアンテナも本発明の範疇に含まれる。
【0079】
第4実施例では、第1補助エレメント3の途中又は先端に接続される第2補助エレメント4によって、受信帯域において高感度が得られる周波数を調整することができる。特に、第2補助エレメント4を第1補助エレメント3の途中に接続することによって、全帯域における感度を向上させつつ、特定の帯域における感度を容易に調整することができる。また、第3補助エレメント5によって、受信帯域の感度をより向上することができる。
【0080】
<実施例5>
図5は、本発明の第5実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリヤガラスに設けるガラスアンテナの正面図である。
【0081】
第5実施例のガラスアンテナは、第1補助エレメント3の先端に折曲部3Bを形成した点が第4実施例と異なる。
【0082】
第5実施例のガラスアンテナは、給電部6と、第1エレメント1と、第2エレメント2と、第1補助エレメント3と、第2補助エレメント4と、第3補助エレメント5とを有する。第5実施例の第1補助エレメント3は、第2エレメント2と離隔して配置され、第2エレメント2の延伸方向と同一方向(例えば、略平行)に延伸する本体部3Aと、本体部3Aの先端から略直角に屈曲して第2エレメント2に向かって右方向に延伸する折曲部3Bを有する。折曲部3Bは、第1エレメント1と離隔して配置され、第1エレメント1の延伸方向と反対方向(例えば、略平行)に延伸する。本体部3Aの長さは50mmであり、折曲部3Bの長さは45mmである。また、折曲部3Bは、第1補助エレメント3の先端部に接続されても、途中に接続されてもよい。
【0083】
なお、第1補助エレメント3において、第2補助エレメント4が第1補助エレメント3に接続される箇所と、折曲部3Bが本体部3Aに接続される箇所とは、異なる位置であるとよい。すなわち、第2補助エレメント4と折曲部3Bは、第1補助エレメント3の本体部3Aに対して段違いになるように接続するとよい。
【0084】
また、前述したように、折曲部3Bを右方向に延伸した第2補助エレメント4として把握した場合、第2補助エレメント4同士は、互いに段違いになるように接続するとよい。
【0085】
第5実施例の前述以外の構成は、第4実施例と同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
【0086】
第5実施例では、第1補助エレメント3の先端部を折り曲げて折曲部3Bを設けたので、狭い領域にもアンテナを配置することができる。
【0087】
<実施例6>
図6は、本発明の第6実施例のアンテナパターンを示し、自動車のリヤガラス81に設けるガラスアンテナの正面図である。
【0088】
第6実施例のガラスアンテナは、第5実施例のガラスアンテナと類似した構成のアンテナが、第4アンテナ70として実装され、さらに、第1アンテナ10、第2アンテナ50、第3アンテナ60及び第5アンテナ100によって構成される。第6実施例の第4アンテナ70は、第2補助エレメント4を複数設け、第2エレメント2の先端に折曲部2Bを形成した点が第5実施例のガラスアンテナと異なる。
【0089】
第6実施例の第4アンテナ70は、給電部6と、第1エレメント1と、第2エレメント2と、第1補助エレメント3と、第2補助エレメント4と、第3補助エレメント5とを有する。第6実施例の第2エレメント2は、給電部6から略垂直方向(上方)に延伸する本体部2Aと、本体部2Aの先端から略直角に屈曲して右方に延伸する折曲部2Bを有する。折曲部2Bは、第1エレメント1と離隔して配置され、第1エレメント1の延伸方向と同一方向(例えば、略平行)に延伸する。本体部2Aの長さは75mmであり、折曲部2Bの長さは30mmである。リヤガラス81の波長短縮率αが0.7であり、地上デジタルテレビ放送帯域の中心周波数(波長=λ)を620MHzとすると、第2エレメント2の合計の長さは略αλ/3となる。また、折曲部2Bは、第2エレメント2の先端部に接続されても、途中に接続されてもよい。折曲部2Bが第2エレメント2の途中に接続される場合、第2エレメントの長さは給電部6から折曲部2Bの先端までの長さと考えるとよい。
【0090】
第6実施例の2本の第2補助エレメント4は、第1エレメント1と離隔して平行に配置され、第1補助エレメント3に接続し、第1エレメント1の延伸方向と同一方向(例えば、略平行)に延伸する。各第2補助エレメント4の長さは100mmで、上側の第2補助エレメント4は第1補助エレメント3の本体部3Aの先端から5mmの位置に接続され、2本の第2補助エレメント4は5mmの間隔で平行に配置される。第2補助エレメント4は、2本が第1補助エレメント3の途中に接続されても、1本が先端部に接続されてもよい。
【0091】
第6実施例の第4アンテナ70の前述以外の構成は、第5実施例のガラスアンテナと同じであるため、同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
【0092】
なお、第6実施例の第4アンテナ70は、図示した構成の他、前述したいずれの実施例のガラスアンテナを用いてもよい。
【0093】
第6実施例の第4アンテナ70では、第2補助エレメント4を複数設けたので、受信帯域においてより高い感度を得ることができる。また、第2エレメント2の先端に折曲部2Bを形成したので、エレメント長を短くすることなく、狭い領域にもアンテナを配置することができる。
【0094】
次に、第6実施例のガラスアンテナにおける第4アンテナ70以外の構成について説明する。
【0095】
第1アンテナ10は、第1給電部15と、水平第1エレメント11と、水平第2エレメントと、垂直エレメント31と、補助エレメント12、13とを有する。
【0096】
水平第1エレメント11は、第1給電部15に接続され、略水平方向(図において左方向)に延伸する。前記水平第2エレメントは、第1給電部15に接続され、水平第1エレメント11の延伸方向と同一方向で(図において右方向)、水平第1エレメント11に沿って略平行に延伸する。前記水平第2エレメントは、第1給電部15から延伸する本体部21と、本体部21の端部において下方向に折り返され、本体部21に沿って略平行でかつ第1給電部15に近づく方向に延伸する折り返し部22とによって構成される。
【0097】
垂直エレメント31は、水平第1エレメント11の延伸方向及び水平第2エレメントの延伸方向と異なる方向に第1給電部15から延伸する。補助エレメント12は、第1エレメントの垂直部と水平部との交点から下方に延伸した後、水平第1エレメント11に沿って略平行に配置される。また、補助エレメント12は、デフォッガ90の最上部の加熱線条91と容量結合するように、デフォッガ90に沿って近接して(例えば、5mm離隔して平行に)配置される。補助エレメント13は、第1エレメントの垂直部から右方に延伸して、水平第1エレメント11に沿って略平行に配置される。
【0098】
第1アンテナ10の各エレメントの長さは、FMラジオ放送帯域及びDABのバンド3を好適に受信するように調整される。
【0099】
第2アンテナ50は、複数の水平線条52と、水平線条52を接続する複数の垂直線条53と、水平線条52の端部に設けられる第2給電部54と、折り返し部56、57とを有する。水平線条52の一つは、第1アンテナ10の補助エレメント13と折り返し部22との間に配置される。折り返し部56、57は、最上部の水平線条52から上方向に延伸し、横方向に折り返され、水平線条52に沿って近接して(例えば、5mm離隔して平行に)延伸する。折り返し部56、57は、車体のボディフランジ82に近接して(例えば、5mm離隔して平行に)配置され、第2アンテナ50とボディフランジ82(すなわち、アース)とが容量結合する。第2アンテナ50は、AMラジオ放送帯域(526.5〜1606.5kHz)を受信するために好適な面積に、各線条が配置される。
【0100】
第3アンテナ60はデフォッガ90の線条によって構成され、デフォッガ90が第3アンテナとして機能する。
【0101】
第3アンテナ60として機能するデフォッガ90は、リヤガラス81の左右に設けられた一対のバスバ93と、二つのバスバ93の間を接続する複数の加熱線条91(水平線条)と、複数の加熱線条91間を接続する垂直線条92とを有する。垂直線条92の数は1本でも複数でもよい。
【0102】
バスバ93には、デフォッガコイル94及び第3給電部95が設けられる。すなわち、一方のバスバ93はデフォッガコイル94を介して電源に接続し、他方のバスバ93はデフォッガコイル94を介してアースに接続する。デフォッガコイル94によって、電源及びアースから第3アンテナ60に流入する受信周波数帯のノイズを抑制する。
【0103】
デフォッガコイル94及び第3給電部95は、バスバ93の中央部に、デフォッガコイル94を上側、第3給電部95を下側に配置したが、デフォッガコイル94及び第3給電部95を配置する位置はバスバ93上であればどこでもよい。さらに、デフォッガコイル94及び第3給電部95を配置する順序(上下の位置関係)も、図示したものに限らない。
【0104】
第1アンテナ10と第3アンテナ60とによってダイバーシティアンテナを構成し、FMラジオ放送波及びDABのバンド3の放送波の少なくとも一つをダイバーシティ受信してもよい。この場合、第3アンテナ60(デフォッガ90)がFMラジオ放送波及びDABのバンド3の放送波を受信する場合、第1アンテナ10から遠い(例えば、右側の)バスバ93に給電部95を設けるとよい。
【0105】
また、第1アンテナ10と第4アンテナ70とによってダイバーシティアンテナを構成し、TV放送波をダイバーシティ受信してもよい。
【0106】
また、第3アンテナ60は、バスバ93から延伸する平行補助線条96、97、98と、第4補助エレメント89とを有する。
【0107】
各平行補助線条96、97、98の端部は、互いに離れた位置にある。また、平行補助線条96の一部と平行補助線条97の一部とは、互いに沿うように略平行に近接して配置される。さらに、平行補助線条97の一部と平行補助線条98の一部とは、互いに沿うように略平行に近接して配置される。このように、各平行補助線条96、97、98の2本をオーバーラップするように配置するので、各平行補助線条が端部で容量結合する。なお、平行補助線条の一部でなく、ほぼ全部が互いに沿うように近接して配置されてもよい。
【0108】
第4補助エレメント89は、右側の(第4アンテナ70に近い)バスバ93から上方に延伸し、左方向に屈曲して延伸する。なお、第4補助エレメント89は、最外側の水平線条91から延伸してもよい。
【0109】
第5アンテナ100は、第5給電部101、複数の垂直線条及び1本の水平線条を有する。
【0110】
各給電部15、54、95、101は、接続線(例えば、AV電線)によって受信アンプと接続され、受信アンプは高周波ケーブル(例えば、同軸ケーブル)によって受信機に接続される。受信アンプはアース(車体)に接続される。
【0111】
第6実施例では、第1アンテナ10と第4アンテナ70とでダイバーシティ受信をするので、到来波を受信しやすくなり、受信性能を向上することができる。
【0112】
<アンテナの特性>
次に、本実施例のアンテナの特性について説明する。
【0113】
以下(
図7〜
図10)は、以下に説明するエレメントの配置又は長さを変えた場合のアンテナ感度の説明であり、他のエレメントの構成は変えていない。また、アンテナ感度は、水平面内の全方向(360度)のアンテナ感度を測定し、その平均を計算した値である。
【0114】
図7は、第6実施例のアンテナにおいて第1補助エレメント3の有無による地上デジタルTV放送帯域における垂直偏波の信号に対する第4アンテナ70の利得(感度)を示す。なお、測定に使用した第4アンテナ70は、
図6に示す構成と異なり、第1補助エレメント3が折曲部3Bを有さず(本体部3Aのみを有する)、第2補助エレメント4を有さない。また、他のエレメントの長さは前述したもので一定とした。
図7では、第1補助エレメント3を設けた場合の特性を実線で示し、設けない場合の特性を破線で示す。なお、第1補助エレメント3は直線で、その長さは95mmとし、他のエレメントの長さ及び配置は
図4に示したとおりである。
図7によると、第1補助エレメント3を設けた場合が、低域側での利得の落ち込みが小さく、かつ帯域内の平均利得が高かった。
【0115】
図8は、第6実施例のアンテナにおいて第1補助エレメント3に折曲部3Bを設けた場合、本体部3Aの長さを変化させたときの地上デジタルTV放送帯域における垂直偏波の信号に対する第4アンテナ70の利得(感度)を示す。なお、測定に使用した第4アンテナ70は、
図6に示す構成と異なり、第2補助エレメント4を有さない。また、他のエレメントの長さは前述したもので一定とした(例えば、折曲部3Bの長さは45mmである。)。
図8では、本体部3Aの長さを50mmとした場合の特性を実線で示し、60mmとした場合の特性を点線で示し、70mmとした場合の特性を破線で示し、40mmとした場合の特性を一点鎖線で示す。
図8によると、本体部3Aの長さを50〜60mmとした場合が、低域側での利得の落ち込みが小さく、かつ帯域内の平均利得が最も高かった。
【0116】
また、
図7の実線と
図8の実線とを比較することによって、第1補助エレメント3の折曲部3Bの有無による地上デジタルTV放送帯域における特性の変化を知ることができる。これによると、折曲部3Bを設けた場合(
図8)が、受信帯域における平均感度はほとんど変らないが、低域側の感度が向上し、受信周波数の全域にわたって感度が平坦化した。
【0117】
図9は、第6実施例のアンテナにおいて第2補助エレメント4を本体部3Aへ接続する位置を変化させたときの地上デジタルTV放送帯域における垂直偏波の信号に対する第4アンテナ70の利得(感度)を示す。すなわち、
図9は、第2補助エレメント4を、折曲部3Bを有する第1補助エレメント3の本体部3Aに接続するか、屈曲点(本体部3Aと折曲部3Bの接続点)に接続するかによる特性の違いを示す。
図9では、上側の第2補助エレメント4を本体部3Aの先端から5mmの位置(折曲部3Bの接続位置と異なる位置)に接続した場合の特性を実線で示し、上側の第2補助エレメント4を本体部3Aの先端(折曲部3Bの接続位置と同じ位置)に接続した場合の特性を点線で示す。いずれの場合も、2本の第2補助エレメント4を設け、その間隔は5mmとした。
図9によると、上側の第2補助エレメント4を本体部3Aの先端から5mmの位置に接続した場合が、中域側での利得の落ち込みが小さく、かつ帯域内の平均利得が高かった。
【0118】
図10は、第6実施例のアンテナにおいて第4補助エレメント89の有無による地上デジタルTV放送帯域における垂直偏波の信号に対する第4アンテナ70の利得(感度)を示す。
図10では、第4補助エレメント89を設けた場合の特性を実線で示し、設けない場合の特性を破線で示す。
図10によると、第4補助エレメント89を設けた場合が、高域側での利得の落ち込みが小さく、かつ帯域内の平均利得が高かった。
【0119】
なお、
図7〜
図10を用いて、垂直偏波の信号に対するアンテナ感度を説明したが、同様に、水平偏波に対しても良好なアンテナ感度が得られた。
【0120】
以上、本発明を添付の図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこのような具体的構成に限定されるものではなく、添付した請求の範囲の趣旨内における様々な変更及び同等の構成を含むものである。