(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0019】
(第1実施形態)
まず、
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を負荷とともに示す回路構成図である。
【0020】
ワイヤレス電力伝送装置S1は、
図1に示されるように、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。
【0021】
ワイヤレス給電装置100は、電源110と、電力変換回路120と、給電部130と、を有する。電源110は、直流電力を電力変換回路120に供給する。電源110としては、直流電力を出力するものであれば特に制限されず、商用交流電源を整流・平滑した直流電源、二次電池、太陽光発電した直流電源、あるいはスイッチングコンバータ等のスイッチング電源装置などが挙げられる。
【0022】
電力変換回路120は、電力変換部121と、スイッチ駆動部122を有する。この電力変換回路120は、電源110から供給される入力直流電力を交流電力に変換する機能を有している。より具体的には、電力変換部121としては、複数のスイッチング素子がブリッジ接続されたスイッチング回路から構成される。本実施形態では、4つのスイッチング素子SW1〜SW4を用いたフルブリッジ型回路となっている。スイッチング素子SW1〜SW4としては、例えば、MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor−Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの素子が挙げられる。各スイッチング素子SW1〜SW4は、スイッチ駆動部122から供給されるSW制御信号SG1〜SG4に応じて各スイッチング素子SW1〜SW4をオン・オフ制御することにより、電源110から供給される入力直流電力を交流電力に変換する。
【0023】
給電部130は、給電コイルL1と、給電側共振コンデンサC10,C11を有する。給電コイルL1は、複数の細い導体素線を撚りあわされたリッツ線又は単線を用いて形成されている。給電コイルL1としては、平面コイルやソレノイドコイルなどが挙げられる。この給電コイルL1は、給電側共振コンデンサC10,C11とともに給電側LC共振回路を形成している。なお、本実施形態では、給電コイルL1に給電側共振コンデンサC10,C11がそれぞれ直列に接続される構成となっているがこれに限られない。例えば、給電コイルL1に給電側共振コンデンサC10のみが直列に接続されていてもよく、給電コイルL1に給電側共振コンデンサC10のみが並列に接続されていてもよく、あるいは、給電コイルL1に給電側共振コンデンサC10が直列に接続され、給電側共振コンデンサC11が並列に接続される構成としてもよい。また、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1を電気自動車などの車両への給電設備に用いた場合、給電部130は地中または地面近傍に配設される。
【0024】
ワイヤレス受電装置200は、受電部210と、整流部220と、受電側検出手段230と、切替手段240と、制御部250と、を有する。ここで、ワイヤレス給電装置100の給電部130とワイヤレス受電装置200の受電部210は、磁気的に結合しており、電力変換回路120から給電部130に供給された交流電力が近接電磁界効果によって受電部210に誘導起電力が励起される。すなわち、ワイヤレス受電装置200は、ワイヤレス給電装置100からの電力をワイヤレスにて受電することとなる。
【0025】
受電部210は、受電コイルL2を有する。受電コイルL2は、複数の細い導体素線を撚りあわされたリッツ線又は単線を用いて形成されている。受電コイルL2としては、平面コイルやソレノイドコイルなどが挙げられる。本実施形態では、受電コイルL2は、直列または並列に接続されるコンデンサを備えていない。言い換えれば、受電コイルL2は、受電側の回路要素とは共振回路を形成しない構成となっている。つまり、受電側が実質的に非共振の状態となっている。これにより、本実施形態では、受電コイルL2と共振回路を形成する回路要素を不要化しているため、装置の小型化および簡素化が可能となる。ここで、「実質的に非共振」とは、受電コイルL2がなんらかの回路要素と偶発的に共振することまでも排除する意味ではない。また、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1を電気自動車などの車両への給電設備に用いた場合、受電部210は車両下部に搭載される。
【0026】
整流部220は、受電コイルL2が受電した電力を全波整流して負荷RLに出力する。本実施形態においては、整流部220は、4つのダイオード(整流素子)D1〜D4がフルブリッジ接続されたブリッジ型回路と、このブリッジ型回路に並列に接続された平滑コンデンサC30から構成されている。これにより、整流部220を流れる交流電流の電流経路は、受電コイルL2からダイオードD3、平滑コンデンサC30及び負荷RL、ダイオードD2を経由して帰還する一方の電流経路と、受電コイルL2からダイオードD1、平滑コンデンサC30及び負荷RL、ダイオードD4を経由して帰還する他方の電流経路と、の2つの電流経路を含むこととなる。すなわち、整流部220は、受電コイルL2から供給される交流電力を全波整流する機能を備えている。平滑コンデンサC30は、整流された電圧を平滑して直流電圧を生成する。このように、整流部220は、4つのダイオードD1〜D4がフルブリッジ接続されたブリッジ型回路と、このブリッジ型回路に並列に接続された平滑コンデンサC30から構成されているため、変圧器としての利用効率を向上させることができる。
【0027】
受電側検出手段230は、出力電圧検出手段231と、出力電流検出手段232を有する。出力電圧検出手段231は、整流部220の出力電圧値を検出する。この出力電圧検出手段231により検出される電圧値を読み取ることで、電力が整流部220から負荷RLへ供給されていることを確認できる。また、出力電圧検出手段231は、予め設定された基準電圧値と検出した電圧値を比較して、検出した電圧値が基準電圧値を上回ると、出力信号SG5を後述する制御部250に送信する。このような出力電圧検出手段231としては、分圧回路や電圧検出トランスなどが挙げられる。出力電流検出手段232は、整流部220の出力電流値を検出する。この出力電流検出手段232は、予め設定された基準電流値と検出した電流値を比較して、検出した電流値が基準電流値を上回ると、出力信号SG6を後述する制御部250に送信する。このような出力電流検出手段232としては、電流センサやカレントトランスなどが挙げられる。
【0028】
切替手段240は、整流部220を流れる2つの電流経路のうち、一方の電流経路を短絡させる機能を有している。本実施形態においては、切替手段240は、FET(Field Effect Transistor)などのスイッチング素子SW5から構成され、整流部220のダイオードD4に並列に接続されている。より具体的には、ダイオードD4のカソードにスイッチング素子SW5のコレクタ端子が接続され、ダイオードD4のアノードにスイッチング素子SW5のエミッタ端子が接続されている。つまり、切替手段240は、整流部220のブリッジ型回路の4つのダイオードD1〜D4のうち、1つのダイオードD4のみに並列に接続されている。スイッチング素子SW5は、後述する制御部250からの駆動信号SG7を受けて、オン・オフする機能を備えている。つまり、スイッチング素子SW5がオンされると、ダイオードD4が短絡され、整流部220を流れる2つの電流経路のうち、一方の電流経路は、受電コイルL2からスイッチング素子SW5、ダイオードD2を経由して帰還する経路となる。言い換えれば、整流部220を流れる2つの電流経路のうち、一方の電流経路が短絡される。これにより、整流部220は、一時的に全波整流回路として機能しなくなる。逆に、スイッチング素子SW5がオフされると、整流部220は4つのダイオードD1〜D4がフルブリッジ接続されたフルブリッジ型の全波整流回路として機能することとなる。なお、本実施形態では、スイッチング素子SW5がダイオードD4に並列に接続される構成となっているがこれに限らず、スイッチング素子SW5がダイオードD2に並列に接続される構成としてもよい。
【0029】
制御部250は、切替手段240の動作を制御している。具体的には、出力電圧検出手段231からの出力信号SG5を受信すると、スイッチング素子SW5に駆動信号SG7を供給し、スイッチング素子SW5をオンするように制御する。また、出力電流検出手段232からの出力信号SG6を受信すると、スイッチング素子SW5に駆動信号SG7を供給し、スイッチング素子SW5をオンするように制御する。
【0030】
次に、
図2のフローチャートを参照して、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の異常時における保護動作について詳細に説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置の保護動作を示すフローチャートである。
【0031】
まず、ワイヤレス電力伝送装置S1において、ワイヤレス給電装置100からワイヤレス受電装置200にワイヤレスにて電力の伝送が開始されると、受電側検出手段230によって、整流部220の出力電圧値及び出力電流値が常時検出される。具体的には、出力電圧検出手段231により整流部220の出力電圧値が検出され、出力電流検出手段232により整流部220の出力電流値が検出される。(ステップS101)
【0032】
続いて、出力電圧検出手段231は、ステップS101で検出した出力電圧値を予め設定された基準値と比較する。また、出力電流検出手段232は、ステップS101で検出した出力電流値を予め設定された基準値と比較する。ここで、出力電圧検出手段231の予め設定されている基準値は、負荷などの回路素子の破損を防止できる出力電圧値の許容範囲内で任意に設定される。同様に、出力電流検出手段232の予め設定されている基準値は、負荷などの回路素子の破損を防止できる出力電流値の許容範囲内で任意に設定される。(ステップS102)
【0033】
ステップS101で検出した出力電圧値を予め設定された基準値と比較した結果、ステップS101で検出した出力電圧値が予め設定された基準値を上回る場合(ステップS102Y)、出力電圧検出手段231から出力信号SG5が制御部250に送信される。(ステップS103)同様に、ステップS101で検出した出力電流値を予め設定された基準値と比較した結果、ステップS101で検出した出力電流値が予め設定された基準値を上回る場合(ステップS102Y)、出力電流検出手段232から出力信号SG6が制御部250に送信される。(ステップS103)
【0034】
一方、ステップS101で検出した出力電圧値を予め設定された基準値と比較した結果、ステップS101で検出した出力電圧値が予め設定された基準値を下回る場合(ステップS102N)、ステップS101に戻り、ステップS101からステップS102の動作が繰り返し実行される。同様に、ステップS101で検出した出力電流値を予め設定された基準値と比較した結果、ステップS101で検出した出力電流値が予め設定された基準値を下回る場合(ステップS102N)、ステップS101に戻り、ステップS101からステップS102の動作が繰り返し実行される。ここで、ステップS102では、ステップS101で検出した出力電圧値が予め設定された基準値を上回る場合及びステップS101で検出した出力電流値が予め設定された基準値を上回る場合のいずれかが実行されるとステップS103移行の処理が実行され、逆に、ステップS101で検出した出力電圧値が予め設定された基準値を下回り、ステップS101で検出した出力電流値が予め設定された基準値を下回る場合は、ステップS101に戻り、ステップS101からステップS102の動作が繰り返し実行される。
【0035】
続いて、制御部250は、出力信号SG5あるいは出力信号SG6を受信すると、スイッチング素子SW5に駆動信号SG7を供給し、スイッチング素子SW5がオンするように制御される。(ステップS104)
【0036】
続いて、スイッチング素子SW5がオンに制御されると、ダイオードD4は短絡される。(ステップS105)
【0037】
そして、ダイオードD4が短絡されると、整流部220を流れる2つの電流経路のうち、一方の電流経路は、受電コイルL2からスイッチング素子SW5、ダイオードD2を経由して帰還する経路となる。これにより、整流部220の一方の電流経路を流れる電流が大きくなるとともに、整流部220の他方の電流経路を流れる電流が小さくなり、整流部220の出力電圧値及び出力電流値が減少し、保護動作が終了する。(ステップS106)この保護動作により、過電圧または過電流などの異常が生じた際に、負荷などの回路素子に過大電圧又は過大電流が流れることが抑制される。
【0038】
ここで、
図3及び
図4を参照して、整流部220の出力電圧波形及び出力電流波形について詳細に説明する。
図3aは、
図1における整流部が全波整流回路として機能する場合の電流経路を示す回路構成図の一部拡大図である。
図3bは、
図1における整流部の一方の電流経路を短絡させた場合の電流経路を示す回路構成図の一部拡大図である。
図4aは、整流部が全波整流回路として機能する場合の出力電圧波形及び出力電流波形を示す波形図である。
図4bは、整流部の一方の電流経路を短絡させた場合の出力電圧波形及び出力電流波形を示す波形図である。
【0039】
まず、整流部220が全波整流回路として機能する場合について説明する。
図3aに示されるように、整流部220を流れる交流電流の電流経路のうち、一方の電流経路はスイッチング素子SW5がオフのため、受電コイルL2からダイオードD3、平滑コンデンサC30及び負荷RL、ダイオードD2を経由して帰還する電流経路となり、他方の電流経路は受電コイルL2からダイオードD1、平滑コンデンサC30及び負荷RL、ダイオードD4を経由して帰還する電流経路となる。このとき、整流部220の出力電圧波形Vo及び出力電流波形Ioは、
図4aに示されるように、交流の正弦波の正の半周期に加えて負の半周期が出力される波形となる。
【0040】
続いて、整流部220の一方の電流経路を短絡させた場合について説明する。
図3bに示されるように、整流部220を流れる交流電流の電流経路のうち、一方の電流経路は、スイッチング素子SW5がオンのため、受電コイルL2からスイッチング素子SW5、ダイオードD2を経由して帰還する電流経路となり、他方の電流経路は、受電コイルL2からダイオードD1、平滑コンデンサC30及び負荷RL、ダイオードD4を経由して帰還する電流経路となる。このとき、整流部220の出力電圧波形Vo及び出力電流波形Ioは、
図4bに示されるように、交流の正弦波の正の半周期のみが出力されるとともに、振幅が小さく、デューティ比が低い波形となる。
【0041】
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1では、受電側検出手段230が検出した値が予め設定した基準値を上回ったとき、整流部220を流れる2つの電流経路のうち、一方の電流経路を短絡させる切替手段240を備えている。そのため、整流部220の一方の電流経路を流れる電流が大きくなるとともに、整流部220の他方の電流経路を流れる電流が小さくなる。つまり、整流部220から負荷RLに出力される電流も小さくなる。また、整流部220から負荷RLに出力される電流が小さくなることに伴い、負荷RLに印加される電圧も小さくなる。したがって、過電圧または過電流などの異常が生じた際に、負荷RLなどの回路素子に過大電圧又は過大電流が流れることが抑制される。その結果、過電圧や過電流などの異常時における回路素子の破損を防止することができる。また、異常時に動作する保護回路が整流部220の2つの電流経路のうち、一方の電流経路を短絡させる切替手段240から構成されているため、装置の小型化および簡素化が可能となる。
【0042】
(第1実施形態の変形例)
次に、
図5を参照して、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の変形例であるワイヤレス電力伝送装置S2の構成について説明する。
図5は、本発明の第1実施形態の変形例に係るワイヤレス電力伝送装置を負荷とともに示す回路構成図である。
【0043】
ワイヤレス電力伝送装置S2は、
図5に示されるように、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。ワイヤレス給電装置100は、電源110と、電力変換回路120と、給電部130と、を有し、ワイヤレス受電装置200は、受電部210と、整流部320と、受電側検出手段230と、切替手段340と、制御部350と、を有する。電源110、電力変換回路120、給電部130、受電部210、受電側検出手段230の構成は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と同様である。本変形例では、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の4つのダイオードD1〜D4がフルブリッジ接続されたブリッジ型回路の整流部220に代えて、センタータップ型の整流部320を備えている点、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の切替手段240及び制御部250に代えて切替手段340及び制御部350を備えている点において、第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0044】
整流部320は、2つのダイオードD5,D6から構成されるセンタータップ整流回路321と、このセンタータップ整流回路321に並列に接続された平滑コンデンサC30から構成されている。より具体的には、ダイオードD5は、受電コイルL2の一端と直列に接続されており、ダイオードD6は、受電コイルL2の他端と直列に接続されている。これにより、整流部320を流れる交流電流の電流経路は、受電コイルL2の一端からダイオードD5、平滑コンデンサC30及び負荷RL、受電コイルL2の中点に帰還する一方の電流経路と、受電コイルL2の他端からダイオードD6、平滑コンデンサC30及び負荷RL、受電コイルL2の中点に帰還する他方の電流経路と、の2つの電流経路を含むこととなる。
【0045】
切替手段340は、整流部320を流れる2つの電流経路のうち、一方の電流経路を短絡させる機能を有している。本変形例においては、切替手段340は、FET(Field Effect Transistor)などのスイッチング素子SW6から構成され、整流部320のダイオードD6に並列に接続されている。より具体的には、ダイオードD6のカソードにスイッチング素子SW6のコレクタ端子が接続され、ダイオードD6のアノードにスイッチング素子SW6のエミッタ端子が接続されている。つまり、切替手段340は、整流部320のセンタータップ整流回路321の2つのダイオードD5,D6のうち、1つのダイオードD6のみに並列に接続されている。スイッチング素子SW6は、後述する制御部350からの駆動信号SG7を受けて、オン・オフする機能を備えている。なお、本変形例では、スイッチング素子SW6がダイオードD6に並列に接続される構成となっているがこれに限らず、スイッチング素子SW6がダイオードD5に並列に接続される構成としてもよい。
【0046】
制御部350は、切替手段340の動作を制御している。具体的には、出力電圧検出手段231からの出力信号SG5を受信すると、整流部320の一方の電流経路に電流が流れるときは、スイッチング素子SW6に駆動信号SG7を供給し、スイッチング素子SW6をオンするように制御し、整流部320の他方の電流経路に電流が流れるときは、スイッチング素子SW6への駆動信号SG7の供給を停止させて、スイッチング素子SW6をオフするように制御する。また、出力電流検出手段232からの出力信号SG6を受信すると、整流部320の一方の電流経路に電流が流れるときは、スイッチング素子SW6に駆動信号SG7を供給し、スイッチング素子SW6をオンするように制御し、整流部320の他方の電流経路に電流が流れるときは、スイッチング素子SW6への駆動信号SG7の供給を停止させて、スイッチング素子SW6をオフするように制御する。
【0047】
本変形例においても、出力電圧検出手段231が検出した出力電圧値が予め設定された基準電圧値を上回る場合、あるいは、出力電流検出手段232が検出した出力電流値が予め設定された基準電流値を上回る場合、制御部350に出力信号SG5、あるいは、出力信号SG6が送信され、整流部320の一方の電流経路に電流が流れるときは、スイッチング素子SW6に駆動信号SG7を供給し、スイッチング素子SW6をオンするように制御し、整流部320の他方の電流経路に電流が流れるときは、スイッチング素子SW6への駆動信号SG7の供給を停止させて、スイッチング素子SW6をオフするように制御する。このとき、整流部320を流れる交流電流の電流経路のうち、一方の電流経路は、ダイオードD6が短絡したことにより、平滑コンデンサC30及び負荷RLを経由せず、受電コイルL2の一端からダイオードD5、スイッチング素子SW6を経由して受電コイルL2の他端に帰還する電流経路となり、他方の電流経路は、受電コイルL2の他端からダイオードD6を介して平滑コンデンサC30及び負荷RL、受電コイルL2の中点に帰還する電流経路となる。すなわち、整流部320の一方の電流経路を流れる電流が大きくなるとともに、整流部320の他方の電流経路を流れる電流が小さくなる。つまり、整流部320から負荷RLに出力される電流も小さくなる。また、整流部320から負荷RLに出力される電流が小さくなることに伴い、負荷RLに印加される電圧も小さくなる。したがって、過電圧または過電流などの異常が生じた際に、負荷RLなどの回路素子に過大電圧又は過大電流が流れることが抑制される。
【0048】
(第2実施形態)
次に、
図6を参照して、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S3の構成について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を負荷とともに示す回路構成図である。
【0049】
ワイヤレス電力伝送装置S3は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と同様に、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。ワイヤレス給電装置100は、
図6に示されるように、電源110と、電力変換回路120と、給電部130と、給電側検出手段440と、受信手段450と、給電動作制御手段460と、を有する。電源110、電力変換回路120、給電部130の構成は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と同様である。但し、第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S3は、ワイヤレス給電装置100が、給電側検出手段440と、受信手段450と、給電動作制御手段460と、を備えている点において、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0050】
給電電流検出手段440は、電力変換回路120の出力電流値を検出する。この給電側検出手段440は、予め設定された基準電流値と検出した出力電流値を比較して、検出した出力電流値が基準電流値を上回ると、出力信号SG8を後述する給電動作制御手段460に送信する。このような給電側検出手段440としては、電流センサやカレントトランスなどが挙げられる。
【0051】
受信手段450は、後述する送信手段560からの出力信号SG11を受信すると、出力信号SG9を後述する給電動作制御手段460に送信する。受信手段450としては、赤外線通信や無線通信などが挙げられる。
【0052】
給電動作制御手段460は、ワイヤレス給電装置100の給電動作を制御する機能を有している。具体的には、給電動作制御手段460は、給電側検出手段440から出力信号SG8を受信すると、ワイヤレス給電装置100の給電動作を停止と動作を繰り返すように間欠動作させる。このとき、給電動作制御手段460は、出力信号SG12を送信し、スイッチ駆動部122がスイッチング素子SW1〜SW4を一時的にオフするように制御する。その結果、ワイヤレス給電装置100の給電動作が完全に停止することなく、停止と動作を繰り返す間欠動作が行われる。
【0053】
ところで、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S3では、ワイヤレス給電装置100自体が過電流の発生を検出し、給電動作の制限を行っている。このとき、ワイヤレス給電装置100によって検知できる異常は、給電コイルL1と受電コイルL2の位置ずれ等に起因する異常やワイヤレス給電装置100あるいはワイヤレス受電装置200を構成する回路素子の破損や断線に起因する異常などが挙げられる。このうち、給電コイルL1と受電コイルL2の位置ずれ等に起因する異常は、給電コイルL1と受電コイルL2の位置ずれが解消するとワイヤレス給電装置100としては正常状態に戻る可能性がある。ところが、ワイヤレス給電装置100に異常が発生したことを検知して即刻ワイヤレス給電装置100の給電動作を停止させてしまうと、上述の給電コイルL1と受電コイルL2の位置ずれが解消し、正常状態に戻ったとしても、再度ワイヤレス給電装置100の給電動作を再開させるためには多大な時間を要してしまう不具合がある。これに対して、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S3では、ワイヤレス給電装置100自体が異常を検知したとしても、ワイヤレス給電装置100の給電動作を完全に停止させることなく、停止と動作を繰り返す間欠動作を行っているため、ワイヤレス給電装置100に発生した異常が上述の給電コイルL1と受電コイルL2の位置ずれに起因した異常であって、その後給電コイルL1と受電コイルL2の位置ずれが解消し、正常状態に戻ったときに短時間でワイヤレス給電装置100の給電動作を再開することができる。ここで、ワイヤレス給電装置100の間欠動作は、あくまでワイヤレス給電装置100の給電動作を完全に停止させないようにするための動作であって、このとき通常の給電動作における電力伝送は行われていない。
【0054】
また、給電動作制御手段460は、給電側検出手段440から出力信号SG8を受信し、且つ、受信手段450から出力信号SG9を受信すると、ワイヤレス給電装置100を停止させる。このとき、給電動作制御手段460は、出力信号SG12を送信し、スイッチ駆動部122がスイッチング素子SW1〜SW4を完全にオフするように制御する。その結果、ワイヤレス給電装置100の給電動作が完全に停止する。なお、本実施形態では、給電動作制御手段460とスイッチ駆動部122を別々の構成としているが一体化しても構わない。
【0055】
ところで、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S3では、給電側の異常に加え、受電側の異常を検知すると、ワイヤレス給電装置100の給電動作を停止させている。ここで、ワイヤレス受電装置200によって検知できる異常は、ワイヤレス受電装置200の回路素子の破損や断線などであって、これらの異常は、ワイヤレス給電装置100の給電動作を即刻停止させ、修繕して正常状態に戻す必要がある。すなわち、上述したようにワイヤレス給電装置100によって検知される異常は、電力伝送条件(給電コイルL1と受電コイルL2の位置関係)などによって正常状態に戻る可能性があるが、ワイヤレス受電装置200によって検知される異常は、そのままワイヤレス電力伝送装置S3を起動させた状態では正常状態に戻すことが困難である。本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S3では、給電側の異常に加え、受電側の異常を検知したときにワイヤレス給電装置100の給電動作を停止させているため、給電側の異常が受電側の異常に影響されたものではないときにワイヤレス給電装置100の給電動作を停止させてしまうことによる不具合を防止しつつ、ワイヤレス給電装置100の給電動作を本当に停止させる必要がある場合は、速やかにワイヤレス給電装置100の給電動作を停止させることができる。
【0056】
ワイヤレス受電装置200は、
図6に示されるように、受電部210と、整流部220と、受電側検出手段230と、切替手段240と、制御部250と、送信手段560と、有する。受電部210、整流部220、受電側検出手段230、切替手段240は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と同様である。但し、第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S3は、ワイヤレス受電装置200が、送信手段560を備えている点及び制御部250の動作の点において、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0057】
制御部250は、切替手段240の動作を制御している。具体的には、出力電圧検出手段231からの出力信号SG5を受信すると、スイッチング素子SW5に駆動信号SG7を供給し、スイッチング素子SW5をオンするように制御する。また、出力電流検出手段232からの出力信号SG6を受信すると、スイッチング素子SW5に駆動信号SG7を供給し、スイッチング素子SW5をオンするように制御する。本実施形態では、上述の動作に加えて、出力電圧検出手段231からの出力信号SG5を受信すると、後述する送信手段560に出力信号SG10を送信する。同様に、出力電流検出手段232からの出力信号SG6を受信すると、後述する送信手段560に出力信号SG10を送信する。
【0058】
送信手段560は、制御部250から出力信号SG10を受信すると、ワイヤレス受電装置200の異常状態を示す出力信号SG11を受信手段450に送信する。送信手段560としては、赤外線通信や無線通信などが挙げられる。なお、本実施形態では、制御部250と送信手段560を別々の構成としているが一体化しても構わない。例えば、制御部250に送信手段560の機能が付加された場合、制御部250は、出力電圧検出手段231からの出力信号SG5、あるいは、出力電流検出手段232からの出力信号SG6を受信すると、直接ワイヤレス受電装置200の異常状態を示す出力信号SG11を受信手段450に送信することとなる。
【0059】
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S3は、給電側検出手段440が検出した値が予め設定した基準値を上回ったとき、給電動作制御手段460によりワイヤレス給電装置100の給電動作を停止と作動を繰り返すように間欠動作させている。そのため、受電側に異常が発生し、給電側に過電流が流れたとしても、電力変換回路120などの回路素子の破損を防ぐことができる。加えて本発明に係るワイヤレス電力伝送装置S3では、ワイヤレス給電装置100自体が過電流の発生を検出し、給電動作の制限を行っているため、受電側の異常が発生してから給電動作の制限を開始するまでの時間的ロスを極力少なくすることができる。
【0060】
また、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S3では、ワイヤレス受電装置200の受電側検出手段230が検出した値が予め設定した基準値を上回ったときに異常状態を示す信号SG10をワイヤレス給電装置100に送信する送信手段560を、さらに備え、給電動作制御手段460は、給電側検出手段440が検出した値が予め設定した基準値を上回り、且つ、送信手段560から異常状態を示す信号SG11を受信したとき、ワイヤレス給電装置100の給電動作を停止させている。そのため、給電側の異常だけでなく、受電側の異常を検知してから、ワイヤレス給電装置100の給電動作を停止させるようにしているため、給電側の異常が受電側の異常に影響されたものではないときに給電動作を停止させてしまうことによる不具合を防止することができる。その結果、ワイヤレス電力伝送装置S3としての信頼性を高めることができる。
【0061】
(第3実施形態)
次に、
図7を参照して、本発明の第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S4の構成について説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を負荷とともに示す回路構成図である。
【0062】
ワイヤレス電力伝送装置S4は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と同様に、ワイヤレス給電装置100と、ワイヤレス受電装置200と、を有する。ワイヤレス給電装置100は、
図7に示されるように、電源110と、電力変換回路120と、給電部130と、を有し、ワイヤレス受電装置200は、受電部310と、整流部220と、受電側検出手段230と、切替手段240と、制御部250と、を有する。電源110、電力変換回路120、給電部130、整流部220、受電側検出手段230、切替手段240、制御部250の構成は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と同様である。本実施形態では、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の受電部210に代えて、受電部310を備えている点において、第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0063】
受電部310は、受電コイルL2と、受電側共振コンデンサC20を有する。受電コイルL2は、複数の細い導体素線を撚りあわされたリッツ線又は単線を用いて形成されている。受電コイルL2としては、平面コイルやソレノイドコイルなどが挙げられる。本実施形態では、受電側共振コンデンサC20は、受電コイルL2に並列に接続されている。これにより、受電コイルL2は、受電側共振コンデンサC20とともに受電側LC共振回路を形成している。また、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S4を電気自動車などの車両への給電設備に用いた場合、受電部310は車両下部に搭載される。
【0064】
本実施形態においても、出力電圧検出手段231が検出した出力電圧値が予め設定された基準電圧値を上回る場合、あるいは、出力電流検出手段232が検出した出力電流値が予め設定された基準電流値を上回る場合、制御部250に出力信号SG5、あるいは、出力信号SG6が送信され、制御部250はスイッチング素子SW5に駆動信号SG7を供給し、スイッチング素子SW5がオンするように制御される。これにより、整流部220を流れる交流電流の電流経路のうち、一方の電流経路は、ダイオードD4が短絡され、受電コイルL2からスイッチング素子SW5、ダイオードD2を経由して帰還する経路となる。このとき、受電側共振コンデンサC20は、受電コイルL2に並列に接続されているため、整流部220を流れる電流経路に直接影響を及ぼさないことから、整流部220の一方の電流経路を流れる電流が大きくなるとともに、整流部220の他方の電流経路を流れる電流が小さくなる。つまり、整流部220から負荷RLに出力される電流も小さくなる。また、整流部220から負荷RLに出力される電流が小さくなることに伴い、負荷RLに印加される電圧も小さくなる。したがって、過電圧または過電流などの異常が生じた際に、負荷RLなどの回路素子に過大電圧又は過大電流が流れることが抑制される。
【0065】
以上のように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S4では、受電側検出手段230が検出した値が予め設定した基準値を上回ったとき、整流部220を流れる2つの電流経路のうち、一方の電流経路を短絡させる切替手段240を備えている。そのため、整流部220の一方の電流経路を流れる電流が大きくなるとともに、整流部220の他方の電流経路を流れる電流が小さくなる。つまり、整流部220から負荷RLに出力される電流も小さくなる。また、整流部220から負荷RLに出力される電流が小さくなることに伴い、負荷RLに印加される電圧も小さくなる。したがって、過電圧または過電流などの異常が生じた際に、負荷RLなどの回路素子に過大電圧又は過大電流が流れることが抑制される。その結果、過電圧や過電流などの異常時における回路素子の破損を防止することができる。また、異常時に動作する保護回路が整流部220の2つの電流経路のうち、一方の電流経路を短絡させる切替手段240から構成されているため、装置の小型化および簡素化が可能となる。
【0066】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、様々な変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【0067】
例えば、第1実施形態においては、給電コイルL1が給電側コンデンサC10,C11とともにLC共振回路を構成しているが、これに限られない。第1実施形態では、給電コイルL1と受電コイルL2とが磁場結合(誘導結合)する電磁誘導を利用した構成にも適応できる。