特許第6379741号(P6379741)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6379741
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】給電装置、および、電子機器
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/10 20160101AFI20180820BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20180820BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   H02J50/10
   H02J50/90
   H02J7/00 301A
   H02J7/00 301D
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-134480(P2014-134480)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-13032(P2016-13032A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2017年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】井上 宏和
【審査官】 早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0024238(US,A1)
【文献】 実開昭50−052435(JP,U)
【文献】 特開平10−243069(JP,A)
【文献】 特開平07−087689(JP,A)
【文献】 特開2011−234514(JP,A)
【文献】 特表2003−510870(JP,A)
【文献】 特開2006−066780(JP,A)
【文献】 特開2011−072123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J50/00−50/90
H02J7/00−7/12
H02J7/34−7/36
H01M10/42−10/48
H04M1/02−1/23
H05K5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受電コイルを有する被給電装置に対し電力を供給する給電装置であって、
被取付部材に取り付けられた状態において鉛直面に沿って配置される背面部を有する基体と、
前記基体から前方に突出した状態で前記基体の上部に設けられ、前記被給電装置を吊り下げる吊り下げ部と、
前記吊り下げ部に設けられ、吊り下げられた被給電装置の上部が前記基体に対し所定の距離以上には移動しないように規制する規制部と、
前記基体の下部に設けられ、前記被給電装置が吊り下げられた部分を通過する鉛直線よりも前記被給電装置の重心が前方側に位置するように前記被給電装置の下部に接触して押し出す接触面部と、
前記接触面部の内側に配置され、前記受電コイルに対して給電を行う給電コイルと
前記被給電装置が吊り下げられた状態において前記被給電装置よりも下方に配置され、前記基体から前方突出状に設けられる底受け部と
を備える給電装置。
【請求項2】
前記基体と、前記吊り下げ部とは樹脂の一体成型により形成される
請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
さらに、
前記基体と前記吊り下げ部とにまたがって配置される金属製の補強部材を備える
請求項2に記載の給電装置。
【請求項4】
前記底受け部は、上下方向に貫通する孔、または、切り欠きである通過部を備える
請求項1〜3のいずれか一項に記載の給電装置。
【請求項5】
前記底受け部の上面部は、前方先端部から前記基体に向かって下降するように傾斜している
請求項4に記載の給電装置。
【請求項6】
前記底受け部の先端部には、上方に向かって突出する揺れ止め部が設けられている
請求項4または5に記載の給電装置。
【請求項7】
給電コイルを有する給電装置から電力を受電する電子機器であって、
筐体と、
前記筐体の上部に設けられ、前記給電装置が上部に備える吊り下げ部に掛かる環部と、
前記給電装置に吊り下げられた状態において、下部に設けられ、前記環部を通過する鉛直線よりも重心が前記給電装置から離れた位置に配置されるように前記給電装置に接触する傾斜部と、
前記傾斜部の内側に配置され、前記給電コイルから受電する受電コイルと
を備える電子機器。
【請求項8】
前記筐体と、前記環部とは樹脂の一体成型により形成される
請求項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、非接触で給電する給電装置、および、非接触で受電する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、スマートフォンやタブレット端末などの電子機器は、端子などを接触させることなく電力を受電する非接触受電機能を備える場合があり、この機器に電力を非接触で供給する給電装置も登場している。
【0003】
たとえば、特許文献1には、給電回路を備えた給電装置を壁面に取り付け、電子機器を磁力により給電装置に取り付ける技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、傾斜面を有し当該傾斜面に電子機器を載置することで非接触給電を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−97770号公報
【特許文献2】特開2011−234514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、給電装置の設置環境が悪い場合、例えば、工作機械の近辺であって切り子(切削屑)が飛散しているような環境である場合、給電装置の電子機器を保持するための磁石に切り子が付着して、取り除くことが困難であったり、電子機器が載置される給電装置の傾斜面と電子機器との間に切り子が挟まり、効果的な給電が困難な場合がある。
【0007】
本願発明は上記課題に鑑みなされたものであり、設置環境に左右されることなく有効な給電を可能とする給電装置、および、電子機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願発明にかかる給電装置は、受電コイルを有する被給電装置に対し電力を供給する給電装置であって、被取付部材に取り付けられた状態において鉛直面に沿って配置される背面部を有する基体と、前記基体から前方に突出した状態で前記基体の上部に設けられ、前記被給電装置を吊り下げる吊り下げ部と、前記吊り下げ部に設けられ、吊り下げられた被給電装置の上部が前記基体に対し所定の距離以上には移動しないように規制する規制部と、前記基体の下部に設けられ、前記被給電装置が吊り下げられた部分を通過する鉛直線よりも前記被給電装置の重心が前方側に位置するように前記被給電装置の下部に接触して押し出す接触面部と、前記接触面部の内側に配置され、前記受電コイルに対して給電を行う給電コイルとを備えることを特徴とする。
【0009】
これによれば、機械の側面などの被取付部材に取り付けられた給電装置に被給電装置を吊り下げると、吊り下げ部に設けられた規制部と被給電装置の下部に接触して押し出す接触面部とにより、被給電装置は傾いた状態となる。従って、重力により被給電装置が給電装置に押し付けられ、給電コイルと受電コイルとの位置関係が安定する。従って、被取付部材に多少の振動が発生しても安定して被給電装置を充電することが可能となる。
【0010】
また、被給電装置が取り付けられていない状態では、切り子やゴミが付着しにくい構造となっているため、被給電装置を吊り下げた際に切り子などが障害となる状況を回避することが可能となる。
【0011】
また、前記基体と、前記吊り下げ部とは樹脂の一体成型により形成される。
【0012】
これによれば、吊り下げ部の強度を向上させることができ、被給電装置の吊り下げを繰り返すことによる吊り下げ部の破損を抑制することが可能となる。
【0013】
さらに、前記基体と前記吊り下げ部とにまたがって配置される金属製の補強部材を備えるものでもよい。
【0014】
これによれば、吊り下げ部を補強することにより、被給電装置の吊り下げを乱雑に行われるなどした場合でも、十分に抗することができる。従って、吊り下げ部の耐久性を向上させることが可能となる。
【0015】
さらに、前記被給電装置が取り付けられた状態において前記被給電装置よりも下方に配置され、前記基体から前方突出状に設けられる底受け部を備えるものでもよい。
【0016】
これによれば、万一、吊り下げ部が破損しても底受け部が被給電装置の落下を防止することができる。さらに、底受け部に被給電装置を載置することで、被給電装置への給電を行うことも可能となる。
【0017】
前記底受け部は、上下方向に貫通する孔、または、切り欠きである通過部を備えるものでもよい。
【0018】
これによれば、切り子やゴミなどが貫通する孔、または、切り欠きである通過部から落下するため、底受け部に切り子やゴミなどが堆積することを抑制できる。
【0019】
また、前記底受け部の上面部は、前方先端部から前記基体に向かって下降するように傾斜しているものでもよい。
【0020】
これによれば、吊り下げ部が破損したために、底受け部に被給電装置を載置して給電を行う際に、重力により被給電装置を給電装置に押し付けて、給電コイルと受電コイルとの関係を安定させることが可能となる。
【0021】
また、前記底受け部の先端部には、上方に向かって突出する揺れ止め部が設けられているものでもよい。
【0022】
これによれば、吊り下げ部に吊り下げられた状態の被給電装置が被取付部材の振動などにより揺れた場合でも、当該揺れが大きくなることを防止できる。
【0023】
また、上記目的を達成するために、本願発明にかかる電子機器は、給電コイルを有する給電装置から電力を受電する電子機器であって、筐体と、前記筐体の上部に設けられ、前記給電装置が上部に備える吊り下げ部に掛かる環部と、前記給電装置に吊り下げられた状態において、下部に設けられ、前記環部を通過する鉛直線よりも重心が前記給電装置から離れた位置に配置されるように前記給電装置に接触する傾斜部と、前記傾斜部の内側に配置され、前記給電コイルから受電する受電コイルとを備える。
【0024】
これによれば、機械の側面などの被取付部材に取り付けられた給電装置に対し電子機器を吊り下げると、給電装置と係合する環部を通過する鉛直線よりも電子機器の重心が給電装置から離れた位置に配置されるように給電装置に接触する傾斜部により、電子機器は傾いた状態となる。従って、重力により電子機器が給電装置に押し付けられ、給電コイルと受電コイルとの位置関係が安定する。従って、被取付部材に多少の振動が発生しても安定して電子機器を充電することが可能となる。
【0025】
また、前記筐体と、前記環部とは樹脂の一体成型により形成される。
【0026】
これによれば、環部の強度を向上させることができ、電子機器を繰り返し吊り下げることによる環部の破損を抑制することが可能となる。また、電子機器が吊り下げられた安定した位置においては、給電コイルの中心に対して、受電コイルの中心を所定の範囲内に収めることが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本願発明によれば、非接触給電を安定して実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、給電装置と被給電装置とからなる給電システムを示す斜視図である。
図2図2は、給電装置と給電装置に吊り下げられた状態の被給電装置を模式的な断面で示す側面図である。
図3図3は、本実施の形態にかかる給電装置と被給電装置とからなる給電システムを示す斜視図である。
図4図4は、給電装置と給電装置に吊り下げられた状態の被給電装置を模式的な断面で示す側面図である。
図5図5は、給電装置の上部を背面部から見た斜視図である。
図6図6は、給電装置と給電装置に吊り下げられた状態の被給電装置との吊り下げ部分を模式的な断面で示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本願発明に係る給電装置、および、電子機器の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本願発明に係る給電装置、および、電子機器の一例を示したものに過ぎない。従って本願発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、給電装置と被給電装置とからなる給電システムを示す斜視図である。
【0031】
同図に示すように、給電システム100は、受電コイル121を有する被給電装置102に対し電力を供給する給電装置101とを備えている。給電装置101は、基体112と、吊り下げ部113と、規制部114と、接触面部115と、給電コイル111とを備えている。本実施の形態の場合、給電装置101はさらに、底受け部116と、通過部117と、揺れ止め部118とを備えている。
【0032】
基体112は、被取付部材200に取り付けられた状態において鉛直面(図中XZ面に沿う面)に沿って配置される背面部119を有する部材である。本実施の形態の場合基体112は、給電用の回路や給電コイル111を収容するケースであり、樹脂で成形された上カバー112a及び下カバー112bから構成されている。基体112はネジなどにより被取付部材200に取り付けられている。
【0033】
ここで、被取付部材200とは、特に限定されるものではないが、例えば壁や、柱、工作機器などの一部であり、鉛直面またはそれに近い傾きの面を備える部材である。
【0034】
吊り下げ部113は、基体112から被取付部材200とは反対の前方(図中Y軸方向正の側)に突出した状態で基体112の上部に設けられ、被給電装置102を吊り下げるための部材である。本実施の形態の場合吊り下げ部113は、基体112の上カバー112aとともに樹脂の一体成型により形成されており、機械的強度の向上が図られている。また、吊り下げ部113は、基体112の幅方向(図中X軸方向)の中央部分に設けられ、基体112の幅の三分の一程度の幅を備えている。これにより、被給電装置102を吊り下げた際の幅方向のバランスを保ち易くするとともに、吊り下げ部113の機械的強度の向上を図っている。
【0035】
規制部114は、吊り下げ部113に設けられ、吊り下げられた被給電装置102の上部が基体112に対し所定の距離以上には移動しないように規制する部分である。本実施の形態の場合、規制部114は、吊り下げ部113の先端から斜め上方に突出するように吊り下げ部113と一体に設けられている。また、規制部114の先端部分にはアールが設けられており、被給電装置102の環部123を抜き差しする際の抵抗を緩和している。
【0036】
図2は、給電装置と給電装置に吊り下げられた状態の被給電装置を模式的な断面で示す側面図である。
【0037】
これらの図に示すように、接触面部115は、基体112の下部に設けられ、被給電装置102が吊り下げ部113に吊り下げられた状態において、吊り下げ部分(例えば規制部114の近傍)を通過する鉛直線Vよりも被給電装置102の重心Gが前方側(図中Y軸方向正の側)に位置するように被給電装置102の下部に接触して押し出す部分である。本実施の形態の場合、接触面部115は、斜めに吊り下げられた被給電装置102の裏面と沿うように斜めに設けられている。また、接触面部115は、基体112の上カバー112aとともに、樹脂の一体成型により形成されている。
【0038】
なお、基体112、接触面部115等は、電線103が配線され回路基板などが配置される空洞であり、強度確保のためのリブが多数設けられている。
【0039】
また、吊り下げ部113の規制部114と接触面部115とにより被給電装置102が傾く傾きは3度以上10度以下程度が好ましい。
【0040】
給電コイル111は、接触面部115の内側に配置され、受電コイル121に対して電磁誘導により非接触で給電を行うコイルである。給電コイル111は、被給電装置102が吊り下げられた状態において受電コイル121と対向する位置に配置されている。
【0041】
底受け部116は、被給電装置102が取り付けられた状態において被給電装置102よりも下方に配置され、基体112(接触面部115)から前方突出状に設けられる部分である。本実施の形態の場合、底受け部116は壁状の部材であり、基体112の上カバー112aとともに樹脂の一体成型により形成されている。通常、被給電装置102が吊り下げ部113に吊り下げられた状態では、被給電装置102と底受け部116とは接触していない。例えば、底受け部116は被給電装置102が吊り下げられた状態の吊り下げ部113が破損した場合に、被給電装置102が給電装置101から落下することを防止する。また、吊り下げ部113が破損している状況においても、底受け部116に被給電装置102を載置することで、給電コイル111と受電コイル121とを対向させることができ、被給電装置102に給電することが可能となる。特に本実施の形態の場合、底受け部116は、基体112が被取付部材200に取り付けられた状態で底受け部116の上面部が、前方先端部から基体112に向かって下降するように傾斜している。さらに、被給電装置102も給電装置101に取り付けられた状態において、被給電装置102の下面部も同様に、前方先端部から基体112に向かって下降するように傾斜している。これらにより、底受け部116に被給電装置102が載置された状態で重力により給電装置101と被給電装置102とが密着する方向に力が発生する。従って、効率の良い給電を行うことが可能となる。一方、底受け部116に形成された左右揺れ止め部116aにより、被給電装置102に左右方向(X方向)の振動が加わっても、給電コイル111の中心と受電コイル121の中心とが左右にずれないよう構成される。
【0042】
通過部117は、底受け部116に設けられる空間部分であって、上下方向に貫通する孔、または、切り欠きである。本実施の形態の場合、通過部117は、底受け部116の先端から基体112(接触面部115)まで底受け部116の中央部が切り欠かれた部分である。通過部117は、被取付部材200に給電装置101が取り付けられた状態において、切り子やゴミなどが底受け部116に降り積もろうとした場合でも、給電装置101から下方に落下させることが可能となる。
【0043】
揺れ止め部118は、底受け部116の先端部に上方に向かって突出するように設けられた板状の部分である。揺れ止め部118は、被給電装置102が吊り下げ部113に吊り下げられた状態で給電装置101が振動し規制部114を軸として揺動した場合に、被給電装置102の下端前面部と揺れ止め部118の上端縁とが干渉して、被給電装置102の揺れを抑制する部分である。また、揺れ止め部118は、給電装置101に対して被給電装置102を着脱するために被給電装置102を僅かに持ち上げると、被給電装置102とはほとんど干渉しない高さに設定されている。
【0044】
以上のような給電装置101を備えた給電システム100であれば、壁や工作機械の筐体の壁面に給電装置101を取り付けて運用することができる。従って、給電システム100に必要なスペースを省スペース化することができる。また、給電装置101が鉛直面に沿って配置されるため、給電装置101の前面に切り子やゴミが降り積もることを回避できる。さらに、吊り下げ部113に被給電装置102をつり下げた状態で、規制部114と接触面部115とにより、被給電装置102を斜めに維持することができるため、重力により接触面部115と被給電装置102の下部とが密着する力が発生する。従って、給電コイル111と受電コイル121とを安定した状態で対向させることができ、安定した充電状態を確保することが可能となる。
【0045】
(実施の形態2)
次に、他の態様の給電システム100について説明する。なお、上記実施の形態と同じ機能を備える部分などは同じ符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0046】
図3は、本実施の形態にかかる給電装置と被給電装置とからなる給電システムを示す斜視図である。
【0047】
同図に示すように、給電システム100は、受電コイル121を有する被給電装置102に対し電力を供給する給電装置101とを備えている。給電装置101は、基体112と、吊り下げ部113と、規制部114と、給電コイル111とを備えている。本実施の形態の場合、被給電装置102は、給電コイル111を有する給電装置101から電力を受電する電子機器であって、例えば、工作機器を無線通信を用いて操作するためのリモートコントローラーなどである。被給電装置102は、筐体122と、環部123と、傾斜部124と、受電コイル121とを備えている。
【0048】
筐体122は、電子回路や受電コイル121を収容するケースであり、樹脂で成形されている。
【0049】
環部123は、筐体122の上部に設けられ、給電装置101が上部に備える吊り下げ部113に掛かる環状の部分である。本実施の形態の場合、筐体122とともに樹脂の一体成型により形成され、機械的強度の向上が図られている。環部123は、幅方向(図中X軸方向)に長い矩形の環状であり、筐体122の上面部の幅方向(図中X軸方向)の中央部分に設けられている。これにより、被給電装置102を吊り下げた際の幅方向のバランスを保つことができるものとなっている。
【0050】
なお、環部123は、金属などで形成されても良く、金属などからなる補強金具で補強されていてもよい。
【0051】
図4は、給電装置と給電装置に吊り下げられた状態の被給電装置を模式的な断面で示す側面図である。
【0052】
これらの図に示すように傾斜部124は、給電装置101の吊り下げ部113に吊り下げられた状態において、筐体122の下部に設けられ、環部123を通過する鉛直線Vよりも被給電装置102全体の重心Gが給電装置101から離れた位置(図中Y軸方向正の側)に配置されるように給電装置101に接触する部分である。本実施の形態の場合、傾斜部124は、斜めに吊り下げられた状態において給電装置101の前面と沿うように斜めに設けられている。また、傾斜部124は、筐体122とともに、樹脂の一体成型により形成されている。
【0053】
なお、筐体122、傾斜部124等は、回路基板などが配置される空洞であり、強度確保のためのリブが多数設けられている。
【0054】
また、傾斜部124の傾斜面は、鉛直面に対し3度以上10度以下程度が好ましい。
【0055】
受電コイル121は、傾斜部124の内側に配置され、電力を供給する給電コイル111と対向する位置に配置されている。
【0056】
以上のような被給電装置102を備えた給電システム100であれば、壁や工作機械の筐体の壁面に取り付けられた給電装置101に対し斜めに維持された状態で吊り下げられる。これにより、重力により傾斜部124と給電装置101の下部とが密着する力が発生する。従って、給電コイル111と受電コイル121とを安定した状態で対向させることができ、安定した充電状態を確保することが可能となる。
【0057】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本願発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本願発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本願発明に含まれる。
【0058】
例えば、図5に示すように、基体112と吊り下げ部113とにまたがって配置される金属製の補強部材110を備えてもかまわない。さらに、補強部材110は、規制部114にまで達するものでもかまわない。これによれば、被給電装置102の着脱を乱雑に行っても樹脂製の吊り下げ部113や規制部114が容易に破損することを回避できる。
【0059】
また、給電装置101が備える、吊り下げ部113、規制部114、および、被給電装置102が備える環部123などの被吊り下げ部129は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば図6に示すように、被給電装置102に鍵状の被吊り下げ部129を設け、規制部114としても機能する吊り下げ部113の先端に引っ掛けることにより給電装置101に被給電装置102を吊り下げるものでもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本願発明は、非接触で給電する給電システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0061】
100 給電システム
101 給電装置
102 被給電装置
103 電線
110 補強部材
111 給電コイル
112 基体
112a 上カバー
112b 下カバー
113 吊り下げ部
114 規制部
115 接触面部
116 底受け部
116a左右揺れ止め部
117 通過部
118 揺れ止め部
119 背面部
121 受電コイル
122 筐体
123 環部
124 傾斜部
129 被吊り下げ部
200 被取付部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6