(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の調整手段と前記第2の調整手段とは、チャンネルが選局される毎に、前記第1の通過周波数帯と前記第2の通過周波数帯の調整を行う、ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の選局回路。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
1.第1の実施形態:
(1)受信装置の構成
(2)選局回路の構成
(3)品質改善方法
2.第2の実施形態:
3.第3の実施形態:
4.第4の実施形態:
5.その他の実施形態:
【0012】
1.第1の実施形態:
(1)受信装置の構成
図1は、一例として示す受信装置100のブロック図である。
図1に示す受信装置100は、選局回路40を備える録画装置である。選局回路40は、アンテナ200に接続されており、アンテナ200が受信したテレビジョン電波から選局チャンネルに対応する信号(TSパケット)を取り出す。TSパケットは選局チャンネルに対応する映像・音声や、SI情報で構成されている。なお、選局回路40の具体的な構成については後術する。
【0013】
選局回路40の出力側には、エンコーダ50が接続されている。エンコーダ50は、選局回路40から出力された信号を符号化する。エンコーダ50の出力側には、ストリームコントローラ51が接続されている。ストリームコントローラ51は、エンコーダ50により符号化されたTSパケットを、補助記憶装置52の記録領域に記録する。補助記憶装置52は、HDDなどの磁気記憶装置、SSD(solid state drive)等の半導体記憶装置、さらには、DVD、BD等の光ディスクである。また、ストリームコントローラ51には、デコーダ53が接続されている。補助記憶装置52に記録されたTSパケットを再生する場合、ストリームコントローラ51は、TSパケットをデコーダ53に出力する。デコーダ53は、読み出されたTSパケットをデコードし、出力端子56を通じて出力する。この出力端子56には、出力装置として機能する表示装置60を接続することができる。表示装置60は、出力端子56を通じて受信した信号を映像および音声として出力する。
【0014】
受信装置100を構成する各部は、バス54を通じてシステムコントローラ55に接続されている。システムコントローラ55は、図示しないCPU、ROM、RAMを備えており、ROMに記録されたプログラムをRAM上に展開して実行することで選局回路40による選局処理や、TSパケットの録画処理といった、受信装置100の駆動を制御することができる。また、システムコントローラ55は、リモコン装置70からの操作コマンドを受信することができる。ユーザがリモコン装置70を操作することで、システムコントローラ55からバス54を通じて選局回路40に選局処理を実行させるための制御が行われる。
【0015】
(2)選局回路の構成
次に、選局回路40の詳細な構成について説明する。
図2は、一例として示す選局回路40のブロック図である。選局回路40は、RF信号にローカル信号を合成して、選局チャンネルに対応する中間信号(TSパケット)を取り出すスーパーヘテロダイン方式の選局処理を行う。
図2に示す選局回路40は、アンテナ200で受信されたテレビジョン電波のうち、選局処理によって選局されたチャンネル(帯域)の信号を取り出すチューナー10と、チューナー10により取り出された信号を復調する復調回路30と、復調回路30で復調された信号の誤りを訂正する誤り訂正回路31と、を備えている。
また、
図3は、選局回路40の内部で生成される信号の変化を説明する図である。
図3(a)は、
図2の点Aにおける入力信号(RF信号)を示す。
図3(b)は、
図2の点Bにおける信号を示す。
図3(c)は、
図2の点Cにおける信号を示す。
図3(d)は、
図2の点Dにおける信号を示す。
【0016】
図2に示すチューナー10の構成を説明する。入力端子には、第1の可変バンドパスフィルタ11(以下、第1の可変BPFとも記載する。)が接続されている。第1の可変バンドパスフィルタ11の通過周波数帯は、例えば、中心周波数を基準として6MHzに設定されており、第1の可変BPF11を通過するRF信号(
図3(a))のうち、この通過周波数帯が通過し、他の帯域が減数する(
図3(b))。また、第1の可変BPF11は、選局処理により選局されたチャンネルの周波数に応じて、中心周波数を前後にシフトさせて、通過帯域を変化させることができる。
【0017】
第1の可変BPF11の出力側には、LNA12を介して混合回路13が接続されている。LNA12は、第1の可変BPF11を通過したRF信号を低雑音増幅する。
混合回路13は、選局チャンネルに応じた周波数帯のローカル信号を、第1の可変BPF11を通過したRF信号と混合させて中間信号を生成する。
図2に示す混合回路13は、選局チャンネルに応じたローカル信号を生成するVCO15、VCO15の周波数帯を設定するPLL16、ローカル信号をLNA12から出力されるRF信号に合成するMIX回路14と、を備える。PLL16は、後術する制御部20からの制御信号に応じて、選局チャンネルに対応する周波数帯を設定する。
図3(c)に示すように、混合回路13によりローカル信号が混合されたRF信号からは、信号の和および差に応じた中間信号が生成される。
【0018】
混合回路13の出力側には、中間信号の低周波数成分を通過させ、他の帯域を減数させる第2の可変バンドパスフィルタ17が接続されている。第2の可変BPF17の通過帯域は選局チャンネル毎に設定されている。そのため、
図3(d)に示すように、中間信号のうち、低周波成分のみが第2の可変BPF17を通過し、高周波成分は減衰する。第2の可変バンドパスフィルタ17の通過帯域の幅は、例えば、6MHzに設定されている。
【0019】
第2の可変BPF17の出力側には、AMP18が接続されており、第2の可変BPF17を通過した中間信号を増幅する。
【0020】
AMP18の出力側には復調回路30が接続されている。復調回路30は、AMP18から出力された中間信号を復調してIF信号(出力信号)を生成する。
復調回路30には誤り訂正回路31が接続されている。誤り訂正回路31は、復調回路30により復調されたIF信号の誤りを修正する。また、誤り訂正回路31は、受信状態を評価する評価値としてCN比やBERを算出する。誤り訂正回路31は制御部20に接続されており、評価値を制御部20に出力する。
【0021】
制御部20は、選局されたチャンネルに対応する通過周波数帯を混合回路13に指定する。また、制御部20は、誤り訂正回路31から出力される評価値をもとに、第1の可変バンドパスフィルタ11と第2の可変バンドパスフィルタ17とをフィードバック制御する。具体的には、制御部20は、誤り訂正回路31からの出力に応じて、第1の可変バンドパスフィルタ11や、第2の可変バンドパスフィルタ17の通過帯域を調整する。
図2に示す制御部20は、評価値として取得したCN比が最適値となるよう第1の可変BPF11の第1の通過周波数帯を調整する第1の調整手段21と、評価値として取得されたBERが最適値となるよう第2の可変BPF17の第2の通過周波数帯を調整する第2の調整手段22と、を有している。
【0022】
図4は、第1の調整手段21と第2の調整手段22によりIF信号の品質を改善する手法を説明する図である。ここで、
図4(a)は、一例として、第1のBPF11の通過周波数帯と減衰帯域との関係を示す図である。
図4(b)は、ノイズが重畳している信号(第1の可変BPF11を通過した信号)を示す図である。また、
図4(c)は、ノイズが重畳していない信号(第1の可変BPF11を通過した信号)を示す図である。
【0023】
図4(a)に示すように、第1のBPF11を通過するRF信号は、通過周波数帯が通過し、減衰帯域で信号の減衰が生じる。
図4(b)では、信号における第1のBPF11の通過帯域内にノイズが重畳している。信号にノイズが重畳すると、後段で生成されるIF信号の品質を低下させる。そのため、第1の調整手段21は、第1のBPF11の通過周波数帯を前後に調整し、ノイズが重畳する帯域を第1のBPF11の減衰帯域とすることで、ノイズを減衰させてIF信号の品質を改善させることができる。
図4(c)では、第1のBPF11の通過周波数帯を高周波側にシフトさせることで、ノイズを減衰帯域で減衰させている。
同様に、第2のBPF17においても、通過周波数帯を調整することでノイズを減衰させて、IF信号の品質を改善することが可能となる。
【0024】
(3)品質改善方法
次に選局回路40による品質改善処理を説明する。
この第1の実施形態では、制御部20は、ユーザがリモコン装置70を操作して選局処理を行うごとに、品質改善処理を行う。この品質改善処理により、IF信号のノイズ成分が低減されて、表示装置60の出力の品質を向上させることができる。
【0025】
図5は、選局回路40により実行される品質改善処理を説明するフローチャートである。
【0026】
図5のステップS1では、制御部20は、RF信号、品質改善機能をONし、ステップS2に進む。
【0027】
ステップS2では、制御部20(第1の調整手段21)は、選局チャンネルに対応する通過周波数帯を設定し、IF信号のCN比の初期値Aを取得する。例えば、制御部20は選局対象となるチャンネル毎に通過周波数帯を記録している。そして、システムコントローラ55を通してユーザが選局したチャンネルにかかる信号を受信すると、選局チャンネルに対応する通過周波数帯を混合回路13に対して設定する。
【0028】
ステップS3では、制御部20は、第1の可変BPF11の通過周波数を調整する。
図4(a)に示すように、制御部20は、通過周波数帯の中心周波数を微小に変化させて、第1の可変BPF11の通過周波数帯を変化させる。そして、ステップS4では、制御部20は、調整後の通過周波数帯により取得されたIF信号のCN比Cを取得する。
【0029】
ステップS5では、制御部20は、初期値AとCN比Cとを比較して、CN比が改善されているか否かを判断する。初期値Aが取得されたCN比Cと比べて低ければ、CN比が改善されているため、制御部20は第1のBPF11の調整を終了し、ステップS8に進む。一方、初期値AがCN比Cと比べて高ければ、CN比が改善されていないため、制御部20はステップS6に進む。
【0030】
ステップS6では、制御部20は、通過周波数帯の調整を行った回数である回数カウントaを参照する。この第1の実施形態では、制御部20は、回数カウントaが閾値T1(例えば、T1=10)以上であれば、第1の可変バンドパスフィルタ11の通過周波数帯の調整を終了する。ここでは、回数カウントaが閾値T1未満であるため、制御部20は、ステップS7に進む
ステップS7では、制御部20は、回数カウントaに1をプラスして、ステップS3に戻る。
【0031】
ステップS3に戻り、制御部20は、第1の可変BPF11の通過周波数帯を変化させる。ステップS4では、制御部20は、調整後のCN比Cを取得する。そして、初期値Aと通過周波数帯を調整した後のIF信号のCN比Cとを比較し、CN比が改善していなければ(A≧C)、ステップS6に戻る。
ステップS6では、回数カウントaが閾値以上であれば(ステップS6:a≧T1)、制御部20は、ステップS8に進む。
【0032】
ステップS8では、制御部20は、第2の可変BPF17の通過周波数帯を選局チャンネルに合わせて設定し、BER値の初期値Bを取得する。
ステップS9では、制御部20は、第2の可変BPF17の通過周波数帯を変化させる。このステップS9においても、制御部20は第2の可変BPF17の通過周波数帯の中心周波数を増減させて、通過周波数帯を変化させる。
ステップS10では、制御部20は、設定された通過周波数帯に応じてIF信号のBER値Dを取得する。
【0033】
ステップS11では、制御部20は、BER値の改善の有無を、初期値BとBER値Dとの比較をもとに判断する。BER値Dが改善されていれば(B>D)、制御部20はステップS14に進む。一方、BER値Dが改善されていなければ(B≦D)、制御部20はステップS12に進む。
【0034】
ステップS12では、制御部20は、通過周波数帯の調整を行った回数である回数カウントbを参照する。この第1の実施形態では、制御部20は、回数カウントbが閾値T2(例えば、b=10)を以上の場合、第2の可変バンドパスフィルタ17の通過周波数帯の調整を終了する。ここでは、回数カウントbが閾値T2未満であるため、ステップS13に進む。ステップS13では、制御部20は、回数カウントbに1をプラスする。
【0035】
ステップS9に戻り、制御部20は、第2の可変BPF17の通過周波数帯を変化させる。そして、ステップS10では、制御部20は、通過周波数帯の変化後のIF信号のBER値Dを取得する。BER値が改善するか(ステップS12:B>D)、または、回数カウントbが閾値T2以上(ステップS13:b≧T2)である場合、制御部20はステップS14に進む。
【0036】
ステップS14では、制御部20は、CN比とBER値の改善結果をOSD表示する。
図6は、一例として表示装置60に表示されるOSD画面を示す。
図6に示すOSD画面では、品質改善後のCN比と、BER値とがそれぞれ画面に表示される。
【0037】
以上説明したようにこの第1の実施形態では、第1の調整手段21がIF信号のCN比が最適値となるよう第1の可変バンドパスフィルタ11の第1の通過周波数帯を調整したのち、第2の調整手段22がIF信号のBERが最適値となるよう第2の可変バンドパスフィルタ17の第2の通過周波数帯を調整する。そのため、IF信号からノイズ成分を効率よく除去することが可能となり、視聴する番組の画質等の品質を高めることができる。
【0038】
第1の調整手段21は評価値としてキャリア・ノイズ比を用い、第2の調整手段22は評価値としてビットエラーレートを用いることで、別々の評価値によりIF信号の品質を評価することができるため、品質をより向上させることができる。
【0039】
第1の調整手段21と第2の調整手段22とは、チャンネルが選局される毎に、第1のBPF11と第2のBPF17の通過周波数帯の調整を行うため、チャンネルが選局される毎に適切な出力信号の品質が維持される。
【0040】
2.第2の実施形態:
図7は、第2の実施形態において、選局回路40により実行される品質改善処理を説明するフローチャートである。この第2の実施形態においても、IF信号のCN比とBER値とをもとに、第1のBPF11と第2のBPF17との通過周波数帯が調整される。
【0041】
図7のステップS21では、制御部20は、RF信号、品質改善機能をONし、ステップS22に進む。
【0042】
ステップS22では、制御部20は、選局チャンネルに対応する通過周波数帯を設定し、IF信号のCN比Ciを取得する。ここで、iは取得したCN比を識別する値である。ここでは、最初に取得されたCN比であるため、i=0となる。この第2の実施形態においても制御部20は選局チャンネル毎に通過周波数帯を記録している。
【0043】
ステップS23では、制御部20は、第1の可変BPF11の通過周波数を調整する。そして、ステップS24では、制御部20は、IF信号のCN比Ciを取得する。
【0044】
ステップS25では、制御部20は、通過周波数帯の調整を行った回数である回数カウントaを参照する。この第2の実施形態では、制御部20は、回数カウントaが閾値T1以上の場合、第1の可変BPF11の通過周波数帯の調整を終了する。
ここでは、回数カウントaが閾値T1(例えば、10回)未満であるため、制御部20は、ステップS26に進む。
【0045】
ステップS26では、制御部20は、回数カウントaに1をプラスして、ステップS23に戻る。
【0046】
ステップS23では、制御部20は、第1の可変BPF11の通過周波数帯を調整する。ステップS24では、制御部20は、調整後のCN比Ciを取得する。
【0047】
ステップS25では、回数カウントaが閾値T1以上であれば(ステップS25:a≧T1)、制御部20は、ステップS27に進む。
【0048】
ステップS27では、制御部20は取得したCN比Ciのうち、最適な値となるCN比Ciに対応する通過周波数帯を第1のBPF11の通過周波数帯に設定する。
【0049】
ステップS28では、制御部20は、IF信号のBER値Djを取得する。ここで、jは取得したBER値を識別する値である。ここでは、最初に取得されたBER値であるため、j=0となる。この第2の実施形態においても制御部20は選局チャンネル毎に通過周波数帯を記録している。
ステップS29では、制御部20は、第2の可変BPF17の通過周波数帯を変化させる。このステップS29においても、制御部20は第2の可変BPF17の通過周波数帯の中心周波数を増減させて、通過周波数帯を変化させる。
ステップS30では、制御部20は、設定された通過周波数帯に応じてIF信号のBER値Djを取得する。
【0050】
ステップS31では、制御部20は、通過周波数帯の調整を行った回数である回数カウントbを参照する。この第1の実施形態では、制御部20は、回数カウントbが閾値T2(例えば、b=10)を超える場合、第2の可変バンドパスフィルタ17の通過周波数帯の調整を終了する。ここでは、回数カウントbが閾値T2以下であるため、ステップS32に進む。ステップS32では、制御部20は、回数カウントbに1をプラスする。
【0051】
ステップS29に戻り、制御部20は、第2の可変BPF17の通過周波数帯を変化させる。そして、ステップS30では、制御部20は、通過周波数帯の変化後のIF信号のBER値Djを取得する。
回数カウントbが閾値T2以上(ステップS21:b≧T2)である場合、制御部20はステップS33に進む。
【0052】
ステップS33では、制御部20は取得したBER値Djのうち、最適な値となるBER値に対応する通過周波数帯を第2のBPF17の通過周波数帯に設定する。
【0053】
ステップS34では、制御部20は、CN比とBER値の改善結果をOSD表示する。そのため、表示装置60には、品質改善後のCN比と、BER値とがそれぞれ画面に表示される。
【0054】
以上説明したようにこの第2の実施形態では、第1の実施形態で奏する効果と同様の効果を奏することができる。
【0055】
3.第3の実施形態:
この第3の実施形態では、第1の実施形態または第2の実施形態で示した処理で取得された通過周波数帯をチャンネル毎に記録しておき、チャンネルが選局されると、選局チャンネルに対応する通過周波数帯を設定する。
【0056】
図8は、第3の実施形態における選局回路を示すブロック図である。
図8に示す選局回路40は、第1のBPF11、LNA12、混合回路13、第2のBPF17、AMP18、制御部20、復調回路30に加えて、メモリ(記録手段)19を備えている。また、制御部20は、第1の調整手段21、第2の調整手段22に加えて、設定手段23を機能的に備えている。
【0057】
メモリ19は、第1のBPF11の通過周波数帯(第1の通過周波数帯)と、第2のBPF17の通過周波数帯(第2の通過周波数帯)とをチャンネルに対応づけて記録している。
図9は、メモリ19に記録されている通過周波数帯を説明する図である。
図9では、制御部20にプリセットされた選局チャンネル毎に、第1の通過周波数帯と、第2の通過周波数帯とが対応づけて記録されている。ここで、第1の通過周波数帯は、第1の調整手段21が第1の実施形態または第2の実施形態で示す処理により第1のBPF11に対して設定した値である。第2の通過周波数帯は、第2の調整手段22が第1の実施形態または第2の実施形態で示す処理により第2のBPF17に対して設定した値である。メモリ19は、データを再書き込みできる揮発性メモリであればPROM、フラッシュメモリ等どのようなものであってもよい。
【0058】
設定手段23は、チャンネルが選局されるごとに、第1の可変BPF11をメモリ19に記録された第1の通過周波数帯に設定し、第2の可変BPF17をメモリ19に記録された第2の通過周波数帯に設定する。
すなわち、この第3の実施形態では、第1の通過周波数帯と第2の通過周波数帯の調整は、チャンネルが選局される毎には実施されず、調整を行う必要がある場合にのみ実施される。選局処理毎に設定処理が実行されないため、制御部20の負荷を低減させることができる。
【0059】
4.第4の実施形態:
受信装置100は、複数の選局回路を備えており、各選局回路が、第1の実施形態または第2の実施形態に示した品質改善機能を備えている構成としてもよい。
【0060】
図10は、第4の実施形態での受信装置100の一部を示すブロック図である。
図10では、3つのチューナー10♯1〜#3を備えている。各チューナー10♯1〜#3は、復調回路30に接続されており、アンテナ200で受信されたRF信号から設定されたチャンネルにかかるIF信号を取り出すことができる。また、チューナー10♯1〜#3は、第1の実施形態と同様、第1のBPF、混合回路、第2のBPF、AMP、制御部を備えている。復調回路30は誤り訂正回路31に接続されている。誤り訂正回路31は、制御部20に接続されており、IF信号のCN比及びBER値を制御部20に出力する。
図10では、チューナー10#1〜#3は復調回路30を共通としているが、チューナー10#1〜#3が別々の復調回路30を備えていてもよい。以上により、この第4の実施形態では、受信装置100は、選局回路40を複数有している。
【0061】
以上説明したようにこの第4の実施形態では、受信装置100が複数の選局回路を備える場合に、選局されたチャンネル毎に出力信号の品質を改善することができる。
【0062】
5.その他の実施形態:
受信装置として録画装置を説明したことは一例であり、選局を備えるものであれば、セットトップボックス、テレビジョン受像機、PC等どのようなものであってもよい。
【0063】
チューナー10は、第1のBPFの前段に、デジタルテレビジョン放送が放送されるUHF470〜578MHzの周波数帯を取得するためのバンドパスフィルタを備えていてもよい。
【0064】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。