(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6379750
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】樹脂積層板
(51)【国際特許分類】
B32B 3/26 20060101AFI20180820BHJP
【FI】
B32B3/26 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-138581(P2014-138581)
(22)【出願日】2014年7月4日
(65)【公開番号】特開2016-16530(P2016-16530A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2017年3月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】石井 健二
【審査官】
小石 真弓
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−139893(JP,A)
【文献】
特表2003−525802(JP,A)
【文献】
実開平04−083740(JP,U)
【文献】
特開2012−045717(JP,A)
【文献】
実公昭61−028781(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を隔てて重ねた表面側シートと裏面側シートとを備え、
裏面側シートを中空部内に凹ませて多数の凹状リブを設け、これら多数の凹状リブの底を表面側シートに溶着することで、表面側シートと裏面側シートを多数の凹状リブで連結してなる樹脂積層板であって、
前記表面側シートは、第1の平坦領域と、第1の平坦領域から前記中空部とは反対側に突出する第2の平坦領域と、第1の平坦領域と第2の平坦領域を連結する傾斜面で構成される傾斜領域とを備え、
前記裏面側シートは、前記表面側シートの第1の平坦領域、第2の平坦領域、および、傾斜領域に対向する平坦形状を備え、
前記裏面側シートの多数の凹状リブの中で、平面視にて前記表面側シートの第1の平坦領域と重なる凹状リブは当該凹状リブの底において第1の平坦領域に溶着し、平面視にて前記表面側シートの第2の平坦領域と重なる凹状リブは当該凹状リブの底において第2の平坦領域に溶着し、平面視にて前記表面側シートの傾斜領域と重なる凹状リブは、前記傾斜面に溶着していることを特徴とする、
樹脂積層板。
【請求項2】
平面視にて前記表面側シートの傾斜領域と重なる凹状リブは、前記表面側シートの傾斜領域に面接触するようにして形成されている、
請求項1に記載された樹脂積層板。
【請求項3】
前記裏面側シートの凹状リブの底は、前記表面側シートの第2の平坦領域に点接触または面接触されている、
請求項1または2に記載された樹脂積層板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂積層板およびその製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車の内装材や建材、物流・包装材として、いわゆる樹脂積層板が採用されている。樹脂積層板の中には、軽量化および強度向上を目的として、下記特許文献1に示すように、樹脂製の表面材と樹脂製の裏面材とを有し、裏面材には先端部が表面材の内面に突き合わされる凹状リブが設けられたものがある。
【0003】
特許文献1によれば、樹脂積層板が以下の方法で製造されることが開示されている。
すなわち、一方の分割型のキャビティに対して、他方の分割型に向けて突出する複数の突起部を設けた分割形式の金型を用い、2枚の溶融状態の熱可塑性樹脂製シート素材を一対の分割型の間に位置決めする。そして、一方のシート素材と一方の分割型のキャビティとの間に密閉空間を形成した後、一方の分割型の側から密閉空間を吸引する。この吸引作用により、複数の突起部で複数の凹状リブをシート素材に成形し、一対の分割型を型締めすることで、凹状リブの底を他方のシート素材に溶着し、複数のリブで補強された中空構造の樹脂積層板を得る。
【0004】
このような製造技術を用いれば、2枚のシート素材それぞれの厚みを最大限に薄くすることができ、これにより製造効率及び製品品質を確保しつつ、軽量化、薄肉化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−10273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、樹脂積層板の表面側シートに意匠上の観点あるいは機能上の観点から凸形状(段差)が形成される場合がある。この段差は、立ち上がり部分あるいは立ち下がり部分が表面側シートの基準面に対して垂直ではなく傾斜している。その場合、裏面側シートに凹状リブを形成するときに、表面側シートの段差において溶着不良を起こすことがある。すなわち、平面視にて表面側シートの段差と凹状リブとが重なっている場合、当該凹状リブの表面側シートに最も近い部位が、表面側シートの段差の傾斜面と点接触することによって溶着が行われると、過溶着(つまり、過度な圧力が掛かった状態での溶着)となる。過溶着が生じた部位では、表面側シートの板厚が他の部位よりも低下し、強度が低下するのみならず見栄えも悪化する(白化現象が生ずる)。過溶着が生じた部位に表面側シートから(例えば、上から)大きな荷重が加わった場合、当該部位の溶着が剥がれてさらに強度が低下する虞もある。
また、上記傾斜面での点接触を避けるために平面視で傾斜面と重なる位置の凹状リブを設けないようにした場合、傾斜面近傍での樹脂積層板の強度が低下する虞がある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、樹脂積層板の表面側シートに段差が形成された場合であっても強度が低下しないようにした樹脂積層板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、中空部を隔てて重ねた表面側シートと裏面側シートとを備え、
裏面側シートを中空部内に凹ませて多数の凹状リブを設け、これら多数の凹状リブの底を表面側シートに溶着することで、表面側シートと裏面側シートを多数の凹状リブで連結してなる樹脂積層板であって、
前記表面側シートは、第1の平坦領域と、第1の平坦領域から前記中空部とは反対側に突出する第2の平坦領域と、第1の平坦領域と第2の平坦領域を連結する傾斜面で構成される傾斜領域とを備え、
前記裏面側シートは、前記表面側シートの第1の平坦領域、第2の平坦領域、および、傾斜領域に対向する平坦形状を備え、
前記裏面側シートの多数の凹状リブの中で、
平面視にて前記表面側シートの第1の平坦領域と重なる凹状リブは当該凹状リブの底において第1の平坦領域に溶着し、平面視にて前記表面側シートの第2の平坦領域と重なる凹状リブは当該凹状リブの底において第2の平坦領域に溶着し、平面視にて前記表面側シートの傾斜領域と重なる凹状リブは、前記傾斜面に沿って
溶着していることを特徴とする。
【0009】
ここで、凹状リブが「傾斜面に沿って形成されている」とは、凹状リブの少なくとも一部の面が、傾斜面と実質的に平行に、若しくは平行に近い状態で形成されていることを意味し、必ずしも当該一部の面と傾斜面とが接触していなくてもよい。
【0010】
平面視にて前記表面側シートの傾斜領域と重なる凹状リブは、表面側シートの傾斜領域に面接触するようにして形成されていてもよい。
【0011】
上記樹脂積層板において、裏面側シートの凹状リブの底は、表面側シートの第2の平坦領域に点接触または面接触されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態の樹脂積層板の構成を示し、(a)は、表面側シート側から見た平面図、(c)は、裏面側シート側から見た底面図、(b)は、(c)中のA−A断面図である。
【
図2】本発明の実施形態の樹脂積層板の凹状リブの形状を示す図であり、(a)は、
図1のB部拡大図、(b)は、(a)のB部拡大図において表面側シートと裏面側シートを仮想的に分離して示す図である。
【
図3】本発明の実施形態の樹脂積層板の製造方法を説明する図である。
【
図4】本発明の実施形態の樹脂積層板の製造方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)実施形態に係る樹脂積層板の構成
以下、実施形態に係る樹脂積層板1の構成について、
図1および
図2を参照して説明する。
図1は、実施形態の樹脂積層板1の構成を示し、(a)は、表面側シート3側から見た平面図、(c)は、裏面側シート5側から見た底面図、(b)は、(c)中のA−A断面図である。
図2は、実施形態の樹脂積層板1の凹状リブの形状を示す図であり、(a)は、
図1のB部拡大図、(b)は、(a)のB部拡大図において表面側シート3と裏面側シート5を、説明のために仮想的に上下に分離して示す図である。つまり、
図2(b)は、B部において表面側シート3と裏面側シート5が溶着によって連結される前の図を示している。
【0014】
図1に示すように、実施形態の樹脂積層板1は、中空部2を隔てて重ねた表面側シート3と裏面側シート5とを備える。裏面側シート5には、裏面側シート5を中空部2内に凹ませることによって、多数の凹状リブ7a,7b,7s,7tが形成されている。各凹状リブ7a,7b,7s,7tの底面は、表面側シート3に溶着されており、これによって、表面側シート3と裏面側シート5が多数の凹状リブ7a,7b,7s,7tによって連結されている。表面側シート3は、第1の平坦領域3aと、第1の平坦領域3aから中空部2とは反対側に突出する第2の平坦領域3bと、第1の平坦領域3aと第2の平坦領域3bを連結する傾斜面で構成される傾斜領域S,Tとを備える。傾斜領域Sは、
図1(b)の左から右にかけて、第1の平坦領域3aから第2の平坦領域3bへ立ち上がる段差に対応している。傾斜領域Tは、
図1(b)の右から左にかけて、第1の平坦領域3aから第2の平坦領域3bへ立ち上がる段差に対応している。
【0015】
凹状リブ7aは、表面側シート3の第1の平坦領域3aに溶着されているリブである。凹状リブ7bは、表面側シート3の第2の平坦領域3bに溶着されているリブである。凹状リブ7sおよび凹状リブ7tはそれぞれ、平面視にて表面側シート3の傾斜領域S,Tと重なる位置に形成されているリブである。
図1に示す例では、凹状リブを除く裏面側シート5の全領域が同一平面によって構成されている場合について示している。そのため、
図1(b)に示すように、表面側シート3の突出した第2の平坦領域3bに対応して設けられる凹状リブ7bは、凹状リブ7aよりもリブ高さが高くなっているが、この例に限られない。凹状リブを除く裏面側シート5の全領域が同一平面によって構成されている必要はなく、凹状リブ7a,7bのリブ高さは、表面側シート3の段差の高さ、段差の平面視における位置、あるいは裏面側シート5の形状等によって適宜設定することができる。
【0016】
図2は、
図1(b)の左から右にかけて、第1の平坦領域3aから第2の平坦領域3bへ立ち上がる段差に対応する傾斜領域Sの近傍の形状について示している。
図2に示すように、表面側シート3の第1の平坦領域3aは、中空部2と反対側の平坦面31aと、中空部2側の平坦面32aとによって構成されている。表面側シート3の第2の平坦領域3bは、中空部2と反対側の平坦面31bと、中空部2側の平坦面32bとによって構成されている。表面側シート3の傾斜領域Sは、中空部2と反対側の傾斜面S1と、中空部2側の傾斜面S2とによって構成されている。
【0017】
図2(a)に示すように、本実施形態の樹脂積層板1では、平面視にて表面側シート3の傾斜領域Sと重なる凹状リブ7sは、傾斜領域Sの傾斜面S2に沿って形成されている。より具体的には、凹状リブ7sのテーパ面72sは、表面側シート3の傾斜領域Sの傾斜面S2に沿って形成されている。また、凹状リブ7sの底面73sは、表面側シート3の第2の平坦領域3bの平坦面32bと面接触するように平坦面となっている。そのため、
図2(a)に示すように、傾斜領域Sの近傍において、凹状リブ7sのテーパ面72sと底面73sとがそれぞれ、表面側シート3の傾斜領域Sの傾斜面S2と第2の平坦領域3bの平坦面32bとに面接触するようにして溶着されている。
【0018】
裏面側シート5の多数の凹状リブの中で、平面視にて表面側シート3の傾斜領域Tと重なる凹状リブ7tは、傾斜領域Tの傾斜面に沿って形成されている。なお、
図1(b)において右から左にかけて、第1の平坦領域3aから第2の平坦領域3bへ立ち上がる段差に対応する傾斜領域Tの近傍の形状については図示しないが、
図2に示したものとは対称の形状となる。
【0019】
図1および
図2に示したように、本実施形態の樹脂積層板1では、表面側シート3に段差となる傾斜領域が設けられる場合、平面視で当該傾斜領域S,Tと重なる裏面側シート5の凹状リブ7s,7tの形状が、傾斜領域S,Tの傾斜面に沿って形成される。そのため、傾斜領域S,Tの傾斜面と凹状リブ7s,7tとが点接触で溶着されることがなく、傾斜面における過溶着等に伴う溶着不良が回避される。結果として、表面側シート3の傾斜領域S,Tにおける強度の低下や見栄えの悪化(例えば、白化現象)が防止される。また、溶着不良が回避されることで、表面側シート3の傾斜領域に大きな荷重が加わった場合に傾斜領域における凹状リブの溶着が剥がれてさらに強度が低下するということもなくなる。
【0020】
(2)実施形態に係る樹脂積層板の製造方法
次に、
図3および
図4を参照して、本実施形態の樹脂積層板1の製造方法について説明する。
図3および
図4は、それぞれ本実施形態の樹脂積層板の製造方法を説明する図である。
図3に示すように、本実施形態の樹脂積層板1を製造するには、樹脂積層板1の形状に応じた一対の金型11,12を用意する。そして、図示しない押出装置から溶融樹脂シート(パリソン)13,14を押し出して金型11,12の間に垂下させ、押し出した溶融樹脂シート13,14を金型11,12側から吸引することにより、溶融樹脂シート13,14を金型11,12に密着させる。
【0021】
次に、
図4に示すように、金型11,12を型締めし、溶融樹脂シート13,14で挟み込む。金型11,12には、金型11,12の内部に形成されるキャビティ15を取り囲むようにピンチオフ部11b,12bが設けられており、溶融樹脂シート13,14がピンチオフ部11b,12bによって挟まれて潰される。溶融樹脂シート13,14のうちキャビティ15の外側にある部分がバリ16となり、ピンチオフ部11b,12bによって挟まれた部分がバリ16の切り取り線となる。型締め後には、キャビティ15内にエアーの吹き込みを行っても行わなくてもよい。
【0022】
次に、金型11,12を開いて成形品を取り出し、ピンチオフ部11b,12bによって成形品に形成された切り取り線でバリ16を切断して除去する。
以上の工程で、
図1に示す樹脂積層板1が形成される。
【0023】
(3)樹脂積層板の変形例
次に、実施形態に係る樹脂積層板の変形例について説明する。各変形例は、上述した実施形態の樹脂積層板1において、平面視にて表面側シート3の傾斜領域S,Tと重なる裏面側シート5の凹状リブの配置あるいは形状が、上述したものと異なる。なお、各変形例は、裏面側シートの凹状リブの配置あるいは形状が異なるのみであり、変形例に係る樹脂積層板は、上述した製造方法と同様にして作製することができる。
【0024】
図5〜7はそれぞれ、
図1のB部の変形例を示す図である。
上述した実施形態において、
図2(a)では、傾斜領域Sの近傍において、凹状リブ7sのテーパ面72sと底面73sとがそれぞれ、表面側シート3の傾斜領域Sの傾斜面S2と第2の平坦領域3bの平坦面32bとに面接触するようにして溶着されている場合について例示した。この場合には、凹状リブ7sの二面で表面側シート3と溶着されるため、傾斜領域Sにおいて高い強度を確保できるという利点があるが、そのような構成に限られない。
【0025】
例えば
図5に示すように、凹状リブのテーパ面と表面側シート3の傾斜領域Sの傾斜面との間でのみ面接触するようにして、凹状リブが表面側シート3に溶着されていてもよい。
図5では、平面視にて表面側シート3の傾斜領域Sと重なる凹状リブ7uは、テーパ面71u,72uを備える。そして、テーパ面72uは、表面側シート3の傾斜領域Sの傾斜面S2に沿って形成されており、それによってテーパ面72uと傾斜面S2とが面接触するようにして溶着されている。一方、凹状リブ7uの底面73uは、表面側シート3の第2の平坦領域3bの平坦面32bとは接触していない。
図5に示した凹状リブ7uは、
図2に示した凹状リブ7aと同様に傾斜領域Sの傾斜面と点接触で溶着されないため、傾斜面における過溶着等に伴う溶着不良が回避される。そのため、凹状リブ7aが設けられる場合と同様の効果が発揮される。
【0026】
図6に示すように、凹状リブの底面と、表面側シート3の第2の平坦領域3bの平坦面32bとの間でのみ面接触するようにして、凹状リブが表面側シート3に溶着されていてもよい。
図6では、平面視にて表面側シート3の傾斜領域Sと重なる凹状リブ7wは、底面73wを備える。底面73wは、表面側シート3の第2の平坦領域3bの平坦面32bと面接触するようにして溶着されている。また、凹状リブ7wは、テーパ面71w,72wを備えている。テーパ面72wは、傾斜領域Sの傾斜面S2に沿って(つまり、テーパ面72wと傾斜面S2が実質的に平行となる、若しくは平行に近い状態となるように)形成されており、それによってテーパ面72wが傾斜面S2と接触しないように構成されている。
【0027】
図2および
図6では、平面視にて表面側シート3の傾斜領域Sと重なる凹状リブの底面が表面側シート3の第2の平坦領域3bの平坦面32bと面接触する場合について例示したが、この場合に限られない。
図7において、平面視にて表面側シート3の傾斜領域Sと重なる凹状リブ7xはテーパ面71x,72xを備えており、その頂点Pは、表面側シート3の第2の平坦領域3bの平坦面32bと点接触するようにして溶着される。この場合も、凹状リブ7xのテーパ面72xは、傾斜領域Sの傾斜面S2に沿って(つまり、テーパ面72wと傾斜面S2が実質的に平行となる、若しくは平行に近い状態となるように)形成されており、それによってテーパ面72xが傾斜面S2と接触しないように構成されている。
【0028】
図6および
図7にそれぞれ示した凹状リブ7w,7xは、傾斜領域Sの傾斜面S2と接触せず、傾斜領域Sの傾斜面S2において表面側シート3と裏面側シート5の溶着が生じないため、傾斜面における溶着不良自体が発生しない。なお、
図7に示した凹状リブ7xは、表面側シート3の第2の平坦領域3bの平坦面32bと点接触するようにして溶着されるが、当該溶着部位が平坦領域であることから強度の低下は生じ難い。つまり、仮に、傾斜領域Sの傾斜面S2に凹状リブが点接触している場合には、表面側シート3の上下方向(すなわち、表面側シート3の平坦領域と直交する方向)に加わる荷重によって、点接触している部位の溶着を剥がす方向の分力が生ずるため、溶着が剥がれやすい。一方、
図7に示すように表面側シート3の平坦領域で点接触している場合には、当該点接触している部位の溶着を剥がす方向の分力が生じないため、溶着強度が維持される。
【符号の説明】
【0029】
樹脂積層板…1、中空部…2、表面側シート…3、第1の平坦領域…3a、平坦面…31a,32a、第2の平坦領域…3b、平坦面…31b,32b、傾斜領域…S,T、傾斜面…S1,S2、裏面側シート…5、凹状リブ…7a,7b,7s,7t,7u,7w,7x、テーパ面…71s,72s,71u,72u,71w,72w,71x,72x、底面…73s,73u,73w,73x、金型…11,12、ピンチオフ部…11b,12b、溶融樹脂シート…13,14、キャビティ…15、バリ…16