(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のように広帯域音の低減のために羽根の外縁に所定の間隔をあけて切欠きを設けた構成において、羽根を長くして羽根車の数を少なくした場合には、各羽根の外縁における連続する部分が長くなるので、NZ音が大きくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、広帯域音が低減されているクロスフローファンにおいて羽根を長くして羽根車の数を少なくしてもNZ音の増大を抑えることが可能なクロスフローファンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためのものとして、本発明のクロスフローファン(3)は、複数の羽根(31)を有する羽根車(39)を備えたクロスフローファン(3)であって、前記羽根(31)の外縁(46
)において、前記羽根(31)の延びる方向に沿って所定の間隔で第1の切欠き(34)が設けられ、隣合う前記第1の切欠き(34)の間に、当該第1の切欠き(34)よりも深さが浅い
複数の第2の切欠き(35)が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明では、羽根(31)の外縁(46
)において羽根(31)の延びる方向に沿って所定の間隔で第1の切欠き(34)が設けられることによって広帯域音を低減する構成において、さらに、当該第1の切欠き(34)の間に深さが浅い
複数の第2の切欠き(35)が介在している。これによって、羽根(31)を長くして羽根車(39)の数を少なくしても、当該羽根(31)の外縁(46
)の連続する部分を
複数の第2の切欠き(35)によって減らすことが可能になり、その結果、NZ音の増大を抑えることが可能である。
【0009】
また、前記第2の切欠き(35)は、三角形形状を有するのが好ましい。
【0010】
かかる構成によれば、第2の切欠き(35)は簡単な形状であるので加工しやすい。しかも、三角形形状の第2の切欠き(35)は、開口面積が小さくても外縁(46
)の連続する部分を減らすことが可能である。そのため、NZ音を低減しながらも羽根(31)が仕事する面積を確保することが可能である。
【0011】
また、前記羽根(31)の外縁(46
)は、前記第1の切欠き(34)間において、平滑部(36)を有するのが好ましい。
【0012】
かかる構成によれば、前記羽根(31)の外縁(46
)は、前記第1の切欠き(34)間において、平滑部(36)を有するので、
複数の第2の切欠き(35)によってNZ音を低減しながらも羽根(31)が仕事する面積を確保することが可能である。また、羽根(31)の外縁(46
)の割れを低減することが可能である。
【0013】
また、前記第2の切欠き(35)の開口面積は、前記第1の切欠き(34)の開口面積よりも小さいのが好ましい。
【0014】
かかる構成によれば、第2の切欠き(35)によってNZ音を低減しながらも羽根(31)が仕事する面積を確保することが可能であり、その結果、送風圧力などのクロスフローファン(3)の性能の低減を抑えることが可能である。また、第2の切欠き(35)の開口面積が小さいので、第1の切欠き(34)による広帯域音を低減する効果に対する影響も小さい。
【0015】
また、前記第2の切欠き(35)の深さは、1mm以下であるのが好ましい。
【0016】
かかる構成によれば、前記第2の切欠き(35)の深さは、1mm以下であれば、第2の切欠き(35)によってNZ音を低減しながらも羽根(31)が仕事する面積を確保することが可能であり、その結果、送風圧力などのクロスフローファン(3)の性能の低減を抑えることが可能である。また、第2の切欠き(35)の深さが1mm以下であるので、第1の切欠き(34)による広帯域音を低減する効果に対する影響も小さい。
【0017】
本発明の空気調和機(1)は、上記のクロスフローファン(3)を備えていることを特徴とする。これによって、羽根(31)を長くして羽根車(39)の数を少なくしてもNZ音の増大を抑えることが可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、広帯域音が低減されているクロスフローファンにおいて羽根を長くして羽根車の数を少なくしてもNZ音の増大を抑えることが可能なことができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係るクロスフローファン3及びこれを備える空気調和機の室内機1について図面を参照して説明する。
【0021】
[空気調和機]
図1は、本発明の一実施形態に係るクロスフローファン3を備える空気調和機の室内機1を示す断面図である。
図1に示す断面は、クロスフローファン3の軸方向に直交する断面である。空気調和機は、室内機1と図略の室外機とを備える。
図1に示す本実施形態では、室内機1が壁掛けタイプであるが、これに限られない。室内機1は、例えば床置きタイプ、天井設置タイプなどであってもよい。室内機1は、冷媒配管によって前記室外機と接続されている。室外機は、図略の蒸発器、熱交換器、ファンなどを備える。空気調和機は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路を備える。
【0022】
[室内機]
図1に示すように、室内機1は、ケーシング10、および当該ケーシング10内に収納されたものとして、クロスフローファン3を含む送風機構2、熱交換器7、エアフィルタ8、ドレンパン11などを備える。ケーシング10は、正面パネル10F、背面パネル10R、天面パネル10T、底面パネル10Bなどを有する。ケーシング10は、空気の吸込口12と空気の吹出口13とを有する。本実施形態では、吸込口12は、正面パネル10Fと天面パネル10Tとの間に形成され、吹出口13は、正面パネル10Fと底面パネル10Bとの間に形成されているが、これに限られない。
【0023】
吸込口12の下流側には、吸込口12に対向してエアフィルタ8が配置されている。エアフィルタ8のさらに下流側には熱交換器7が配置されている。吸込口12を通過して熱交換器7に到達する室内空気は、エアフィルタ8を通過して塵埃が除去される。
【0024】
熱交換器7は、ケーシング10内において正面パネル10F側に設けられた正面側熱交換器7Aと、背面パネル10R側に設けられた背面側熱交換器7Bとを含む。これらの熱交換器7A,7Bは、ケーシング10の幅方向に沿って延びるとともに、
図1に示す断面図において逆V字状に設けられている。熱交換器7は、例えばフィンアンドチューブタイプの熱交換器を用いることができるが、これに限られない。
【0025】
フィンアンドチューブタイプの熱交換器7は、複数の伝熱管71と、伝熱管71の長手方向に沿って配列された複数のフィン72とを備えている。
図1に示す本実施形態では、正面側熱交換器7Aにおいては、複数の伝熱管71によって複数の列が形成されており、背面側熱交換器7Bにおいても、複数の伝熱管71によって複数の列が形成されている。具体的には、背面側熱交換器7Bは、伝熱管71の列が3列の部分と、2列の部分とを有する。ドレンパン11Bによって囲まれた部分は、伝熱管71の列が2列であり、この部分よりも上には、伝熱管71の列が3列の部分が設けられている。
【0026】
ドレンパン11は、正面側熱交換器7Aの下端部に沿って配置された正面側ドレンパン11Aと、背面側熱交換器7Bの下端部に沿って配置された背面側ドレンパン11Bとを含む。
【0027】
送風機構2は、
図1において矢印で示すように吸込口12、熱交換器7及び吹出口13の順に流れる気流Fを形成する。送風機構2は、クロスフロー型の複数の羽根車39を有するクロスフローファン3と、リアガイダ4(背部スクロール4)と、スタビライザ6(舌部6)とを含む。
図1に示す実施形態では、熱交換器7が送風機構2の上部を覆うように熱交換器7及び送風機構2が配置されているが、このような配置に限られない。
【0028】
図2に示すように、本実施形態では、クロスフローファン3は、略円筒形状を有している。クロスフローファン3は、ケーシング10の幅方向に沿って長く延び、ケーシング10の幅方向と平行に設けられている。
【0029】
クロスフローファン3は、互いに離間して配置された一対の端板33と、一対の端板33間に直線的に並んで配置された複数の羽根車39と、当該羽根車39の間を仕切る仕切り32とを有する。
【0030】
複数の羽根車39は、クロスフローファン3の回転軸3Aに沿って並んで配置されている。それぞれの羽根車39は、略円筒形状を有する。それぞれの羽根車39は、複数の羽根31を有する。仕切り32は、それぞれの羽根車39の間に設けられている。また、一対の端板33は、クロスフローファン3の両端に配置されている。これらの端板33は、当該両端に位置する羽根車39の軸方向外側の端部を閉じる。それぞれの羽根31の両端は、仕切り32または端板33に固定されている。羽根31は、羽根車39の軸方向に沿って延びる。
【0031】
一方の端板33は、回転軸3A上に配置された軸部38を有する。この軸部38は、例えばケーシング10に支持される。他方の端板33側にはモータ37が配置されている。クロスフローファン3は、モータ37の駆動力によって回転する。本実施形態では、クロスフローファン3は、熱交換器7に対して空気が流れる方向の下流側に配置されているが、これに限定されず、熱交換器7よりも上流側に配置されていてもよい。
【0032】
図1に示すように、各羽根車39の複数の羽根31は、クロスフローファン3の回転軸3Aを中心として周方向に沿って配列されている。隣り合う羽根31は、所定の間隔をあけて配置されている。各羽根31は、径方向外側に向かうにつれて回転方向Dに湾曲した前向き羽根である。各羽根31は、
図3〜4に示されるように、圧力面41と負圧面42とを有する。圧力面41は、クロスフローファン3の回転方向D側の表面であり、負圧面42は、クロスフローファン3の回転方向Dとは反対側の表面である。負圧面42は、回転方向Dの反対側に凸の凸曲面である。圧力面41は、回転方向Dの反対側に凹む凹曲面である。
【0033】
図3〜6に示されるように、各羽根31の外縁46には、羽根31の延びる方向Aに沿って所定の間隔X0で第1の切欠き34が設けられている。さらに、隣合う第1の切欠き34の間には、当該第1の切欠き34よりも小さい複数(
図3では3個)の第2の切欠き35が設けられている。
【0034】
第1の切欠き34および第2の切欠き35は、それぞれ三角形形状を有している。すなわち、第1の切欠き34および第2の切欠き35は、羽根31の外縁46から内縁47へ向かうにつれて幅が狭くなるような形状を有している。第1の切欠き34および第2の切欠き35の奥端における斜辺の開き角は、例えば、50〜70度(好ましくは60度前後)程度に設定されるが、本発明はこれに限定されるものではない。より具体的には、開き角を60度に設定することによって、第1の切欠き34および第2の切欠き35は、正三角形状に形成されていてもよい。なお、第1の切欠き34および第2の切欠き35の角張っている部分は、適宜面取りされていてもよい。
【0035】
第2の切欠き35の深さY2は、第1の切欠き34の深さY1より浅くなるように設定されている。例えば、深さY2は、深さY1の0.25倍〜0.75倍(好ましくは0.5倍前後)程度に設定されるが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、ここでいう「深さ」は、例えば、羽根31の外縁46からそれに直交する線の長さなどによって定義される。
【0036】
第2の切欠き35の深さY2は、1mm以下に設定されていれば、第2の切欠き35によってNZ音を低減しながらも羽根31が仕事する面積を確保することが可能である。
【0037】
同様に、外縁46の延びる方向Aにおいて、第2の切欠き35の幅X2は、第1の切欠き34の幅X1より狭くなるように設定されている。例えば、幅X2は、幅X1の0.25倍〜0.75倍(好ましくは0.5倍前後)程度に設定されるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
第2の切欠き35の開口面積S2は、第1の切欠き34の開口面積S1よりも小さくなるように設定されている。ここで、開口面積S1は、
図4に示されるように、第1の切欠き34の奥端部34aにおいて圧力面41との接線pに直交する線qの延びる方向Bから見た第1の切欠き34の開口面積をいう。第2の切欠き35の開口面積S2も、開口面積S1と同様に定義され、方向Bから見た第2の切欠き35の開口面積をいう。
【0039】
各羽根31の外縁46は、第1の切欠き34間において、平滑部36を有する。平滑部36は、外縁46の一部を形成する。平滑部36の長さX3は、羽根31が仕事する面積に影響を与えるパラメータであり、第1の切欠き34間の間隔X0、第1の切欠き34の幅X1、および第2の切欠き35の幅X2に基づいて設定される。
【0040】
また、各羽根31の負圧面42には、第1の切欠き34に連続して外縁46から内縁47へ向かう方向へ所定の長さだけ延びる溝43が形成されている。溝43の深さは、
図4に示されるように、第1の切欠き34に近いところで最も深く、外縁46から内縁47へ向かうにつれて徐々に浅くなっている。そのため、第1の切欠き34と溝43との段差が小さくなっている。これにより、気流は、第1の切欠き34から溝43へ滑らかに流れることが可能になり、第1の切欠き34と溝43との段差において気流と段差との衝突による損失を抑制し、クロスフローファン3の性能低下を抑えることが可能である。
【0041】
また、各羽根31の負圧面42における2本の溝43の間の部分には、複数のくぼみ45が形成されている。負圧面42に沿って流れる気流は、くぼみ45内に発生する二次流れによって境界層が乱されることで乱流へと遷移し、境界層における空気の流れの減速が軽減されるので、負圧面42から剥離するのを抑制され、クロスフローファン3の性能低下を抑えることが可能である。
【0042】
図1に示すように、リアガイダ4は、クロスフローファン3に対してその径方向に対向する対向面40を有する。対向面40は、クロスフローファン3によって形成される気流Fを吹出口13まで案内する案内面として機能する。対向面40は、クロスフローファン3の径方向外側に位置し、径方向外側に凹む凹曲面である。対向面40は、クロスフローファン3との間に隙間をあけて設けられている。
【0043】
スタビライザ6は、クロスフローファン3との間に隙間をあけてクロスフローファン3の径方向外側に配置されている。スタビライザ6とリアガイダ4は、クロスフローファン3を間に挟むように設けられている。スタビライザ6は、クロスフローファン3に対してリアガイダ4とは反対側(本実施形態では正面パネル10F側)において、クロスフローファン3に近接する表面6aを有する。
【0044】
モータ37によって複数の羽根車39を有するクロスフローファン3が
図1に示す実線矢印の回転方向Dに回転すると、
図1に示す気流Fが形成される。すなわち、室内の空気は、ケーシング10に設けられた吸込口12を通じてケーシング10内に吸い込まれる。吸い込まれた空気は、熱交換器7を通過する際に冷媒と熱交換して温度調節される。温度調節された空気は、送風機構2のクロスフローファン3を通過して、ケーシング10に設けられた吹出口13から室内に吹き出される。
【0045】
つぎに、本実施形態のクロスフローファン3の特性について
図7〜8のグラフを参照しながら説明する。
【0046】
図7〜8は、
図3に示される第1の切欠き34および第2の切欠き35が羽根31の外縁46に形成された本実施形態のクロスフローファン3の特性と、参考例として、これら第1の切欠き34および第2の切欠き35を有しない通常の羽根を有するクロスフローファンの特性とを比較したグラフである。
【0047】
図7は、本実施形態のクロスフローファン3と参考例のクロスフローファンにおいて、同一風量での送風音のスペクトル比較を行った結果を示している。
図7に示されるように、羽根31の外縁46に第1の切欠き34および第2の切欠き35が設けられた本実施形態に係るクロスフローファン3は、参考例に比べて、NZ音に関連する周波数(700Hzより少し小さい周波数(具体的には、
図7に示される破線の四角形で示された範囲))において騒音レベルが顕著に低減されていることがわかる。
図8は、
図7に示されるスペクトルのうち、NZ音を含む周波数における騒音レベルを比較したものである。
図8に示されるように、本実施形態のクロスフローファン3では、参考例のクロスフローファンに比べて、NZ音を含む周波数においては送風音の騒音レベルが約1.3dBA低減されていることがわかる。
【0048】
(特徴)
(1)
本実施形態のクロスフローファン3では、羽根31の外縁46において羽根31の延びる方向Aに沿って所定の間隔で第1の切欠き34が設けられることによって広帯域音を低減する構成において、さらに、当該第1の切欠き34の間に深さが浅い第2の切欠き35が介在している。これによって、
図2に示されるように羽根31の長さL1を長くして羽根車39の数を少なくしても、当該羽根31の外縁46の連続する部分を第2の切欠き35によって減らすことが可能になり、その結果、NZ音の増大を抑えることが可能である。
【0049】
(2)
本実施形態のクロスフローファン3では、第2の切欠き35は三角形形状であり、簡単な形状であるので加工しやすい。しかも、三角形形状の第2の切欠き35は、開口面積が小さくても外縁46の連続する部分を減らすことが可能である。そのため、NZ音を低減しながらも羽根31が仕事する面積を確保することが可能である。
【0050】
(3)
本実施形態のクロスフローファン3では、羽根31の外縁46は、第1の切欠き34間において、平滑部36を有するので、第2の切欠き35によってNZ音を低減しながらも羽根31が仕事する面積を確保することが可能である。また、羽根31の外縁46の割れを低減することが可能である。
【0051】
(4)
本実施形態のクロスフローファン3では、第2の切欠き35の開口面積S2が第1の切欠き34の開口面積S1よりも小さいので、第2の切欠き35によってNZ音を低減しながらも羽根31が仕事する面積を確保することが可能である。その結果、送風圧力などのクロスフローファン3の性能の低減を抑えることが可能である。また、第2の切欠き35の開口面積が小さいので、第1の切欠き34による広帯域音を低減する効果に対する影響も小さい。
【0052】
(5)
本実施形態のクロスフローファン3では、第2の切欠き35の深さY2は、1mm以下であるので、第2の切欠き35によってNZ音を低減しながらも羽根31が仕事する面積を確保することが可能であり、その結果、送風圧力などのクロスフローファン3の性能の低減を抑えることが可能である。また、第2の切欠き35の深さが1mm以下であるので、第1の切欠き34による広帯域音を低減する効果に対する影響も小さい。
【0053】
(6)
本実施形態の空気調和機1は、上記のクロスフローファン3を備えているので、羽根31の長さL1を長くして羽根車39の数を少なくしてもNZ音の増大を抑えることが可能である。
【0054】
(変形例)
(A)
上記実施形態では、第2の切欠き34が三角形形状を有している例が示されているが、本発明は第2の切欠きの形状をこれに限定するものではない。本発明の変形例として、例えば、
図9に示されるように、第1の切欠き34の間において、四角形形状の第2の切欠き51を設けてもよい。これらの第2の切欠き51の間は平滑部52を有するので、第2の切欠き51によってNZ音を低減しながらも羽根31が仕事する面積を確保することが可能である。
【0055】
さらに、
実施形態には含まれないが、第1の切欠き34の間において1個の幅広のくぼみが形成されることにより波型形状の第2の切欠き61を設けるようにしてもよい。第2の切欠き61の内壁61aは、直線状またはゆるやかな曲線状の形状を有する。第2の切欠き61の深さは、第1の切欠き34の深さよりも浅くなるように設定されている。このような1個の幅広の第2の切欠き61では、細かい凹凸がないので、NZ音を低減しながらも、第2の切欠き61の内壁61aが上記の平滑部36(
図6参照)の機能を奏することによって羽根31が仕事する面積を確保することが可能である。しかも、このような第2の切欠き61では、細かい凹凸がないので、ほこりがたまりにくいなどの利点を有する。
【0056】
(B)
なお、第2切欠き35は、すべての第1切欠き34間に形成されることに本発明は限定されない。例えば、羽根31の両端に最も近い位置では、第2切欠き35を省略してもよい。または、隣接する第1切欠き34間のうち、1つおきに第2切欠き35が形成されてもよい。
【0057】
(C)
上記の実施形態では、第1切欠き34および第2切欠き35は、羽根31の外縁46のみに形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。第1切欠き34および第2切欠き35は
、羽根31の外縁46および内縁47の両方に形成されてもよい。これらの場合も、上記実施形態と同様に、広帯域音が低減されているクロスフローファンにおいて羽根31を長くして羽根車39の数を少なくしてもNZ音の増大を抑えることが可能なことができる。
【0058】
(D)
上記の実施形態では、羽根31の外縁46は、第1の切欠き34間において、平滑部36を有しているが、本発明はこれに限定されるものではない。羽根31は、平滑部36のない形態であってもよい。
【0059】
(E)
上記の実施形態では、第2の切欠き35の開口面積S2は、第1の切欠き34の開口面積S1よりも小さくなるように設定されているが、本発明はこれに限定されるものではない。第2の切欠き35の開口面積S2は、第1の切欠き34の開口面積S1よりも大きくてもよい。