(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6379802
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】溶融金属めっき用浴中ロール
(51)【国際特許分類】
C23C 2/00 20060101AFI20180820BHJP
【FI】
C23C2/00
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-152862(P2014-152862)
(22)【出願日】2014年7月28日
(65)【公開番号】特開2016-30842(P2016-30842A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2017年3月3日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日鐵住金株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】森 靖洋
(72)【発明者】
【氏名】内田 智史
【審査官】
萩原 周治
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/152764(WO,A1)
【文献】
特許第2592106(JP,B2)
【文献】
実開平01−149459(JP,U)
【文献】
特開平07−173593(JP,A)
【文献】
特開2001−335905(JP,A)
【文献】
特開2005−029831(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0064968(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 2/00−2/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属めっき浴内に浸漬されて使用される溶融金属めっき用浴中ロールであって、
軸線を中心に回転されるロール本体と、このロール本体の端部から前記軸線に沿って延出する軸部と、を有し、
前記軸部は、軸受部材の軸受孔に挿入される小径部と、この小径部に連接された大径部と、を有し、前記大径部には、前記軸受部材に対向配置される環状端面が形成されており、
前記大径部の端面には、セラミックスからなり、合金層の成長を抑制するリング状部材が、ボルトによって着脱可能に取り付けられており、前記リング状部材と前記大径部との隙間及び前記ボルトが挿入されたボルト穴に樹脂が埋められており、
前記リング状部材が、前記環状端面及び前記大径部の外周面に露出されていることを特徴とする溶融金属めっき用浴中ロール。
【請求項2】
前記リング状部材のうち前記大径部の外周面に露出した領域の前記軸線方向長さが10mm以上とされていることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属めっき用浴中ロール。
【請求項3】
前記環状端面のうち面積率で50%以上の領域に、前記リング状部材が露出されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶融金属めっき用浴中ロール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融金属めっき浴中に浸漬されて使用される溶融金属めっき用浴中ロールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、鋼板の表面に溶融亜鉛めっきを施した溶融亜鉛めっき鋼板、及び、これを合金化処理した合金化亜鉛めっき鋼板は、耐食性に優れていることから、家電用、建材用、土木用、機械用、自動車用、家具用、容器用等の各種用途において広く利用されている。
このような溶融亜鉛めっき鋼板は、例えば、めっき浴として溶融亜鉛が貯留されるめっき槽と、このめっき槽の内部に配置されたシンクロール及びサポートロールと、を備えた溶融亜鉛めっき設備によって製造される。この溶融亜鉛めっき設備においては、めっき浴中に鋼板を連続的に侵入させ、この鋼板をシンクロールに周回させて鋼板の走行方向を上方に向かうように変更し、この鋼板をサポートロールによって案内し、めっき浴中から引き出すように構成されている。
【0003】
ここで、めっき浴中に浸漬されて使用されるシンクロールやサポートロール等の溶融金属めっき用浴中ロールとしては、例えば特許文献1,2に開示されているように、鋼材からなるロール本体と、このロール本体の表面に形成された溶射皮膜と、を備えた構造のものが提供されている。この溶射皮膜は、溶融金属によるロール本体の溶損を防止するために設けられるものであり、例えばサーメット合金等で構成されている。
【0004】
また、例えば特許文献3には、案内する鋼板が溶融金属によってスリップすることを防止するために、溶融金属めっき用浴中ロールのロール表面に凹凸が設けられたものが提案されている。この溶融金属めっき用浴中ロールにおいても、表面にサーメット溶射膜又はセラミックス溶射膜が形成されている。
さらに、例えば特許文献4には、ロール全体をセラミックスによって構成した溶融金属めっき用浴中ロールが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−218057号公報
【特許文献2】特開2009−161847号公報
【特許文献3】特開平05−339689号公報
【特許文献4】特開2011−047031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述の溶融金属めっき用浴中ロールにおいては、溶融金属からなるめっき浴中に浸漬されて使用されることから、ロール表面に溶融金属を起因とした合金層が経時的に形成される。この合金層がロールの軸部近傍で厚く成長した場合には、合金層が軸受部材と干渉してロールの回転が阻害される。特に、駆動源を持たない無駆動ロールにおいては、ロールの回転が不能となり、ロール表面で鋼板がスリップしてしまい、鋼板の表面品質が大幅に劣化するおそれがあった。
【0007】
ここで、例えば特許文献1−3に記載されたように、ロール表面にサーメット溶射膜が形成された溶融金属めっき用浴中ロールにおいては、溶射膜の表面粗さが比較的粗いため、合金層の形成を十分に抑制することはできなかった。また、特許文献3に記載されたように、ロール表面にセラミックス溶射膜を形成した場合には、使用過程においてセラミックス溶射膜が剥離してしまい、剥離した箇所で合金層が厚く形成されてしまうといった問題があった。
【0008】
一方、特許文献4に記載されたように、ロール全体をセラミックスによって構成した溶融金属めっき用浴中ロールにおいては、溶融金属とセラミックスとの濡れ性が良くないため、ロール表面に合金層が形成することを抑制することが可能である。しかしながら、ロール全体をセラミックスで構成した溶融金属めっき用浴中ロールは、耐衝撃性が不十分であることから、運搬時やロールの取り付け時において他部材と衝突した際に破損しやすく、取扱いが困難であった。また、非常に高価なため、使用コストが大幅に増加してしまうといった問題があった。このような状況から、実操業において、ロール全体をセラミックスで構成した溶融金属めっき用浴中ロールを使用することはできなかった。
【0009】
本発明は、前述した状況に鑑みてなされたものであって、ロールの軸部に合金層が形成されることを抑制でき、めっき浴中において使用しても円滑に回転することが可能な溶融金属めっき用浴中ロールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る溶融金属めっき用浴中ロールは、溶融金属めっき浴内に浸漬されて使用される溶融金属めっき用浴中ロールであって、軸線を中心に回転されるロール本体と、このロール本体の端部から前記軸線に沿って延出する軸部と、を有し、前記軸部は、軸受部材の軸受孔に挿入される小径部と、この小径部に連接された大径部と、を有し、前記大径部には、前記軸受部材に対向配置される環状端面が形成されており、前記大径部の端面には、セラミックスからな
り、合金層の成長を抑制するリング状部材が
、ボルトによって着脱可能に取り付けられており
、前記リング状部材と前記大径部との隙間及び前記ボルトが挿入されたボルト穴に樹脂が埋められており、前記リング状部材が、前記環状端面及び前記大径部の外周面に露出されていることを特徴としている。
【0011】
上述の構成とされた本発明の溶融金属めっき用浴中ロールによれば、軸部のうち軸受部材と対向配置される環状端面が形成された大径部に、セラミックスからなるリング状部材が配設されており、前記リング状部材が、前記環状端面及び前記大径部の外周面に露出されているので、軸受部材の近傍において軸部に合金層が形成されることを抑制でき、合金層が軸受部材と干渉することを防止できる。よって、合金層によってめっき浴中における回転が阻害されることがなく、金属板がロール表面でスリップすることを抑制でき、表面品質に優れた溶融金属めっき金属板を製造することが可能となる。
また、大径部の端部にのみセラミックスからなるリング状部材を配設しているので、溶融金属めっき用浴中ロール全体の製造コストを抑えることができるとともに、取扱い性を大幅に向上することができる。
【0012】
ここで、本発明の溶融金属めっき用浴中ロールにおいては、前記リング状部材のうち前記大径部の外周面に露出した領域の前記軸線方向長さが10mm以上とされていることが好ましい。
この場合、セラミックスからなるリング状部材のうち大径部の外周面に露出した領域の軸線方向長さが十分に確保されることになり、軸受部材側に向けて合金層が成長することを抑制でき、合金層と軸受部材との干渉を確実に抑制することができる。
【0013】
また、本発明の溶融金属めっき用浴中ロールにおいては、前記環状端面のうち面積率で50%以上の領域に、前記リング状部材が露出されていることが好ましい。
この場合、軸受部材と対向配置される前記環状端面のうち面積率が50%以上の領域にセラミックスからなるリング状部材が露出されているので、環状端面において合金層が成長することを抑制することができ、合金層と軸受部材との干渉を確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ロールの軸部に合金層が形成されることを抑制でき、めっき浴中において使用しても円滑に回転することが可能な溶融金属めっき用浴中ロールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態である溶融金属めっき用浴中ロールを備えた溶融金属めっき設備を示す概略説明図である。
【
図2】本発明の実施形態である溶融金属めっき用浴中ロールの概略説明図である。
【
図3】本発明の実施形態である溶融金属めっき用浴中ロールの軸部近傍の断面説明図である。
【
図4】本発明の実施形態である溶融金属めっき用浴中ロールを軸線方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール30について、添付した図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
まず、本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール30を備えた溶融金属めっき設備10について説明する。本実施形態における溶融金属めっき設備10は、鋼板Sの表面に、溶融亜鉛めっき層、または、Zn−Al合金めっき層を形成する溶融亜鉛めっき設備10とされている。
【0017】
図1に本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール30を備えた溶融金属めっき設備10を示す。
この溶融金属めっき設備10は、めっき浴を構成する溶融亜鉛Mが貯留されるめっき槽11と、このめっき槽11中に浸漬されたシンクロール15と、めっき浴中において走行する鋼帯Sを案内する第1サポートロール16及び第2サポートロール17と、めっき浴へ鋼板Sを連続的に侵入させる鋼帯供給装置18と、を備えている。なお、鋼帯供給装置18は、焼鈍炉(図示なし)を通過してきた鋼帯Sを冷却する冷却部19を備えている。
【0018】
ここで、本実施形態では、シンクロール15及び第1サポートロール16が駆動源の無い無駆動ロールとされ、第2サポートロール17が駆動源に接続された駆動ロールとされている。
そして、無駆動ロールとされたシンクロール15及び第1サポートロール16として、本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール30が用いられている。
【0019】
本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール30は、
図2に示すように、軸線Oに沿って延在するロール面31Aを備えたロール本体31と、このロール本体31の軸線O方向端部から軸線Oに沿って延出する軸部32と、を有している。
ロール本体31及び軸部32は、例えば、マルテンサイト系ステンレス鋼等の鋼材で構成されており、その表面に、サーメット等の硬質材料からなる溶射被膜(図示無し)が形成されている。
【0020】
軸部32は、
図1及び
図2に示すように、軸線Oに沿って延在する多段円柱状をなしており、軸線O方向先端側に位置する小径部33と、この小径部33に連接された大径部34と、を備えている。この大径部34には、
図3及び
図4に示すように、小径部33と大径部34との直径の違いから、環状端面34Aが画成されている。
ここで、
図3に示すように、小径部33は、軸受部材50の軸受孔51に挿入される構成とされており、大径部34の環状端面34Aは、軸受部材50と対向配置される構成とされている。
【0021】
そして、大径部34の端部には、セラミックスからなるリング状部材40が配設されており、大径部34の環状端面34A及び外周面34Bにこのリング状部材40が露出されている。
このリング状部材40は、例えばSi
3N
4、Al
2O
3、SiO
2等、及び、これらの複合体からなるセラミックス材料で構成されている。
また、本実施形態では、リング状部材40の表面粗さが算術平均粗さRaで0.4μm以下とされている。
【0022】
また、本実施形態では、
図3及び
図4に示すように、リング状部材40は、軸線O方向に挿入されたボルト41によって、大径部34の環状端面34Aに着脱可能に取り付けられている。なお、リング状部材40と大径部34とのすき間やボルト41が挿入されたボルト穴は、樹脂等によって埋められている。
【0023】
ここで、
図3に示すように、リング状部材40のうち大径部34の外周面34Bに露出した領域の軸線O方向長さL1は10mm以上とされている。なお、本実施形態では、リング状部材40の軸線O方向長さL1は、軸受部材50の端面と大径部34の環状端面34Aとの間の軸線O方向距離L2に対して、1.0×L2≦L1≦2.0×L2の範囲内とされている。
また、
図4に示すように、リング状部材40は、大径部34の環状端面34Aのうち面積率で50%以上の領域に露出するように配置されている。なお、
図4において、太線で囲まれた円環領域が環状端面34Aである。
【0024】
以上のような構成とされた本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロール30によれば、軸部32の大径部34にセラミックスからなるリング状部材40が配設されており、このリング状部材40が大径部34の環状端面34A及び外周面34Bに露出されているので、軸受部材50の近傍において軸部32に合金層が形成されることを抑制でき、合金層が軸受部材50と干渉することを防止できる。
【0025】
また、大径部34の端部にのみセラミックスからなるリング状部材40を配設しているので、溶融金属めっき用浴中ロール10全体の製造コストを抑えることができるとともに、取扱い性を大幅に向上することができる。
特に、本実施形態では、リング状部材40がボルト41によって着脱可能に装着されているので、必要に応じてリング部材40を着脱することができ、さらに取扱い性を向上させることができる。また、リング状部材40が破損しても、このリング状部材40のみを交換すればよく、溶融金属めっき用浴中ロール30の使用コストを低減することが可能となる。
【0026】
さらに、本実施形態では、リング状部材40のうち大径部34の外周面34Bに露出した領域の軸線O方向長さL1が20mm以上とされているので、リング状部材40のうち大径部34の外周面34Bに露出した領域の軸線O方向長さが十分に確保されることになり、軸受部材50側に向けて合金層が成長することを抑制でき、合金層と軸受部材50との干渉を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、リング状部材40のうち大径部34の外周面34Bに露出した領域の軸線O方向長さL1が、軸受部材50の端面と大径部34の環状端面34Aとの間の軸線O方向距離L2に対してL1≧1.0×L2とされているので、合金層が軸受部材50と干渉することを確実に抑制することができる。また、L1≦2.0×L2とされているので、リング状部材40が必要以上に大きくならず、破損等のおそれが少なくなり、取扱いが容易となる。また、溶融金属めっき用浴中ロール30の使用コストが大幅に増加することがなく、実操業に適用することができる。
【0027】
また、本実施形態では、軸受部材50と対向配置される大径部34の環状端面34Aのうち面積率で50%以上の領域に、リング状部材40が露出されているので、環状端面34Aにおいて合金層が成長することを抑制することができ、合金層と軸受部材50との干渉を確実に抑制することができる。
【0028】
さらに、本実施形態においては、リング状部材40の表面粗さが算術平均粗さRaで0.4μm以下と、溶射膜に比べて平滑に形成されているので、リング状部材40の表面に合金層が付着することを確実に抑制することができる。
以上のように、本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロールによれば、合金層の成長によってロールの回転が阻害されることがなくなり、表面品質に優れた溶融金属めっき鋼板を製造することが可能となる。
【0029】
以上、本実施形態である溶融金属めっき用浴中ロールについて説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、
図1に示す構成の溶融金属めっき設備に適用するものとして説明したが、これに限定されることはなく、他の構成の溶融金属めっき設備に適用してもよい。
【0030】
また、本実施形態では、円環状をなすリング状部材を用いるものとして説明したが、これに限定されることはなく、例えばリング状部材が周方向に分割されたものであってもよい。
さらに、本実施形態では、リング状部材をボルトによって着脱可能に装着する構成として説明したが、これに限定されることはなく、他の手段によってリング状部材を装着してもよい。
【実施例】
【0031】
本発明の効果を確認すべく実施した実験結果について説明する。
上述の実施形態において説明した溶融金属めっき設備において無駆動のサポートロールに表1に示す溶融金属めっき用浴中ロールを用いて、鋼板の表面に溶融亜鉛めっきを形成した。このとき、めっき浴温度を450〜470℃の範囲とし、めっき浴組成を、Al濃度;0.12〜0.16mass%、Fe濃度;0.02〜0.04mass%、残部;Znとした。なお、リング状部材を構成するセラミックスとしてサイアロン(SiAlON)を用いた。
【0032】
20日間の操業後に、溶融金属めっき用浴中ロールを外観観察し、合金層の成長度合い(厚さ)を以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
評価○:合金層の厚さが10mm未満
評価△:合金層の厚みが10mm以上20mm未満
評価×:合金層の厚みが20mm以上
【0033】
【表1】
【0034】
鋼材からなる溶融金属めっき用浴中ロールを用いた従来例1では、合金層が非常に厚く形成された。
サーメット溶射膜を形成した溶融金属めっき用浴中ロールを用いた従来例2では、表面に合金層が厚く形成された。
セラミックス溶射膜を形成した溶融金属メッキめっき用浴中ロールを用いた従来例3では、セラミックス溶射膜の剥離が生じており、主に剥離部分において合金層が厚く形成された。
【0035】
これに対して、大径部にセラミックスからなるリング状部材を配置した本発明例1−4においては、合金層の厚さが10mm未満とされており、合金層の成長が十分に抑制されていることが確認された。
【符号の説明】
【0036】
30 溶融金属めっき用浴中ロール
31 ロール本体
32 軸部
33 小径部
34 大径部
34A 環状端面
34B 外周面