(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る表示装置、表示制御方法及び表示制御プログラムを説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る表示装置を含む情報提供システムの構成を示す図である。
図1に示す情報提供システム1は、表示装置としてのスマートフォン100と、街頭に設置される大型表示装置400とを含んで構成される。スマートフォン100が大型表示装置400における光通信領域200からの光を受けることにより、光通信が行われる。
【0012】
大型表示装置400は、LED(Light Emitting Diode)等の発光体を配列して構成される。大型表示装置400の一部(
図1では左下)には、光通信時に点滅する光通信領域200が設けられる。光通信領域200は、広告等の様々な情報(コンテンツ)に対応して色変移や輝度(明滅)で変調された光を発する。
【0013】
具体的には、大型表示装置400は、コンテンツのデータをビットデータ列に符号化し、ビットデータ列に基づくデジタル変調を行う。符号化方式及び変調方式は任意であるが、変調方式として望ましくは周波数を28.8(kHz)とする搬送波を用いた4PPM(Pulse Position Modulation)が採用される。更に、大型表示装置400は、デジタル変調後の信号に対応し、多値の輝度値及び色相値で送信するために発光色(詳細にはRGBの三色)を時間的に変化させるための駆動信号を生成する。更に、大型表示装置400は、駆動信号に基づいて、光通信領域200から光を発する。
【0014】
スマートフォン100はユーザ500によって所持される。スマートフォン100は、大型表示装置400の光通信領域200からの光を受けてコンテンツを取得し、そのコンテンツの表示等を行う。
【0015】
図2は、スマートフォン100の構成を示す図である。
図2に示すように、スマートフォン100は、制御部102、メモリ104、操作部106、表示部107、無線通信部108、アンテナ110、レンズ112、撮像部114、画像処理部116、バッファ118、復号処理部120、加速度センサ121、照度センサ122、レンズ124、サブ撮像部126、画像処理部128を含む。
【0016】
制御部102は、CPU(Central Processing Unit)によって構成される。制御部102は、メモリ104に記憶されたプログラム(例えば、後述する
図3、
図5、
図7、
図9、
図10、
図12に示すスマートフォン100の動作を実現するためのプログラム)に従ってソフトウェア処理を実行することにより、スマートフォン100が具備する各種機能(撮像態様変更部132、表示態様変更部134、表示制御部136等)を制御する。メモリ104は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)である。メモリ104は、スマートフォン100における制御等に用いられる各種情報(プログラム等)を記憶する。
【0017】
操作部106は、テンキーやファンクションキー等によって構成され、ユーザの操作内容を入力するために用いられるインタフェースである。表示部107は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)ディスプレイ等によって構成される。表示部107は、制御部102から出力された画像信号に従って画像(例えば、後述するライブビュー画像)を表示する。
【0018】
無線通信部108は、例えば無線周波数(RF:Radio Frequency)回路やベースバンド(BB:Base Band)回路等を用いて構成される。無線通信部108は、アンテナ110を介して、無線信号の送信及び受信を行う。また、無線通信部108は、送信信号の符号化及び変調と、受信信号の復調及び復号とを行う。
【0019】
レンズ112は、ズームレンズ等により構成される。レンズ112は、操作部106からのズーム制御操作、及び、制御部102による合焦制御により移動する。レンズ112の移動によって撮像部114が撮像する撮像画角や光学像が制御される。
【0020】
撮像部114は、スマートフォン100の筐体において、表示部107が設置された面とは反対側の面に配置される。撮像部114は、受光面115に規則的に二次元配列された複数の受光素子により構成される。受光素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像デバイスである。撮像部114は、レンズ112を介して入光された光学像を、制御部102からの制御信号に基づいて所定範囲の撮像画角で撮像(受光)し、その撮像画角内の画像信号をデジタルデータに変換してフレームを生成する。また、撮像部114は、撮像とフレームの生成とを時間的に連続して行い、連続するフレームの画像データを画像処理部116に出力するとともに、バッファ118に逐次記憶させ、更新させる。
【0021】
制御部102内の変調領域探索部138は、フレームにおける光通信により明度変化及び色相変化の少なくとも一方が生じる箇所の探索を行う。具体的には、変調領域探索部138は、バッファ118に記憶されたフレームの画像データ内の各画素の明度及び色相を判別する。更に、変調領域探索部138は、明度が所定値以上の画素を光通信領域200からの光を受光することにより明度変化及び色相変化が生じる箇所(変化領域)の候補(候補領域)であると見なす。更に、変調領域探索部138は、直近に取得された所定数のフレームのそれぞれにおける候補領域内の同一座標において明度及び色相を判別する。判別の結果、候補領域内の座標における明度が、あるフレームでは第1の所定値以上であり、他のフレームでは第2の所定値以下となる場合や、色相を示す数値が、あるフレームでは第3の所定値であり、他のフレームでは第4の所定値である場合というように、所定のパターンで大きく変化する場合には、当該候補領域は、光通信領域200からの光を受光することにより明度変化及び色相変化の少なくとも一方が生じる箇所(変化領域)であると見なす。また、変調領域探索部138は、必要に応じて当該候補領域の各画素を明度や色相の変化に応じて二値化して白又は黒の何れか一方に分類(ラベリング)する。
【0022】
変化領域が存在する場合には、変調領域探索部138は、フレームにおけるこの変化領域の座標(以下、「変化座標」と称する)と当該変化座標における直近の所定数のフレーム間の時間的な明度変化及び色相変化の態様をビットデータ列に復号し、当該ビットデータ列をバッファ118に構成される座標データリストに記憶させ、更新させる。
【0023】
画像処理部116は、制御部102からの制御信号に基づいて、撮像部114から出力されたフレームの画像データ(デジタルデータ)について、表示部107にライブビュー画像として表示させるべく、画質や画像サイズを調整して制御部102へ出力する。また、画像処理部116は、操作部106からの記録指示操作に基づく制御信号が入力されると、記録指示された時点の撮像部114における撮像画角内、あるいは、表示部107に表示された表示範囲内の光学像を、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の圧縮符号化方式にて符号化、ファイル化する機能を有する。制御部102内の表示制御部136は、画像処理部116からのフレームの画像データに基づいて、ライブビュー画像を表示部107へ表示させる制御を行う。
【0024】
復号処理部120は、制御部102からの制御信号に基づいて、バッファ118内の座標データリストに格納された明度変化及び色相変化の態様を示すビットデータ列をデジタルデータ(コンテンツデータ)に復号する。更に、復号処理部120は、コンテンツデータと変化領域を特定するための情報とを制御部102へ出力する。復号方式は、光通信領域200における符号化方式に対応する方式が採用される。制御部102は、コンテンツデータと変化領域を特定するための情報とをメモリ104に記憶させる。また、制御部102内の表示制御部136は、入力されたコンテンツデータに基づいて、コンテンツの画像を表示部107へ表示させる制御を行う。
【0025】
加速度センサ121は、スマートフォン100の加速度を検出して加速度値を制御部102へ出力する。照度センサ122は、スマートフォン100の周辺の照度を検出して照度値を制御部102へ出力する。
【0026】
レンズ124は、レンズ112と同様、ズームレンズ等により構成される。レンズ122は、操作部106からのズーム制御操作、及び、制御部102による合焦制御により移動する。レンズ122の移動によってサブ撮像部126が撮像する撮像画角や光学像が制御される。
【0027】
サブ撮像部126は、スマートフォン100の筐体において、表示部107が設置された面に配置される。サブ撮像部126は、撮像部114と同様、受光面125に規則的に二次元配列された複数の受光素子(CCD、CMOS)等の撮像デバイスである。サブ撮像部126は、レンズ124を介して入光された光学像を、制御部102からの制御信号に基づいて所定範囲の撮像画角で撮像(受光)し、その撮像画角内の画像信号をデジタルデータに変換してフレームを生成する。
【0028】
次に、スマートフォン100の光通信時の動作を以下の第1の動作〜第6の動作により説明する。以下の第1〜第6の動作は、スマートフォン100において、光通信のアプリケーションが実行されたときに行われる。
【0029】
(第1の動作)
図3は、スマートフォン100の光通信時の第1の動作である画面全体のコントラスト(明度差)低下処理を示すフローチャートである。
【0030】
スマートフォン100の制御部102内の表示制御部136は、撮像部114による撮像によって得られたフレームの画像データを、画像処理部116を介して取得する(ステップS101)。次に、表示制御部136は、フレームの画像データについて所定の色変換処理を行い、赤、緑、青の光の三原色の組み合わせであるRGBのフレームの画像データに変換する(ステップS102)。表示制御部136は、RGBのフレーム画像データを取得する毎にメモリ104に記憶させる。
【0031】
次に、制御部102内の表示態様変更部134は、撮像部114から今回取得したRGBのフレームの画像データと、過去に取得されたRGBのフレームの画像データとの明度及び色相の差分を検出する(ステップS103)。具体的には、表示態様変更部134は、メモリ104に記憶された過去のRGBのフレーム画像データを読み出す。更に、表示制御部136は、今回取得したRGBのフレームの画像データと、メモリ104から読み出した過去のRGBのフレームの画像データとについて、フレームの同一座標における明度、色相のそれぞれの差分を数値化する。
【0032】
次に、表示態様変更部134は、各座標における明度の差分の数値が所定値以上であるか否か、及び、色相の差分の数値が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS104)。
【0033】
各座標における明度の差分の数値が所定値以上、及び、色相の差分の数値が所定値以上の少なくとも何れか一方を満たす場合(ステップS104;YES)、表示態様変更部134は、今回取得したRGBのフレームの画像データに対して、フレーム全体のコントラストを低下させるべく、ガンマ補正を行う(ステップS105)。その後、表示制御部136は、ガンマ補正後のRGBのフレームの画像データに基づいて、ライブビュー画像を表示部107へ表示させる制御を行う。一方、明度、色相の差分の数値の合計値が所定値以上でない場合(ステップS104;NO)、ステップS105の処理は実行されない。
【0034】
上述したような画面全体のコントラスト低下処理により、表示部107に表示される画像はコントラストが低下した状態で表示される。例えば、通常は、
図4(A)に示すように光通信領域200の画像602を含む全体画像600が表示されるが、画面全体のコントラスト低下処理により、
図4(B)に示すように全体画像600全体のコントラストが低下した状態で表示される。
【0035】
(第2の動作)
図5は、スマートフォン100の光通信時の第2の動作である候補領域のマスク処理を示すフローチャートである。
【0036】
ステップS151及びステップS152の動作は、
図3のステップS101及びステップS102の動作と同様である。すなわち、スマートフォン100の制御部102内の表示制御部136は、撮像部114による撮像によって得られたフレームの画像データを、画像処理部116を介して取得する(ステップS151)。次に、表示制御部136は、フレームの画像データについて所定の色変換処理を行い、赤、緑、青の光の三原色の組み合わせであるRGBのフレームの画像データに変換する(ステップS152)。表示制御部136は、RGBのフレーム画像データを取得する毎にメモリ104に記憶させる。
【0037】
次に、制御部102内の変調領域探索部138にてフレーム内の画素のラベリング処理を行う(ステップS153)。具体的には、変調領域探索部138は、フレーム内の各画素を明度に応じて二値化して白又は黒の何れか一方に分類する。更に、変調領域探索部138は、連続する白の画素又は黒の画素の領域毎に番号を付与する。
【0038】
次に、変調領域探索部138は、フレーム内の候補領域を検出する(ステップS154)。具体的には、変調領域探索部138は、フレーム内の各画素の明度を判別する。更に、変調領域探索部138は、明度が所定値以上の画素を候補領域であると見なす。
【0039】
次に、変調領域探索部138は、候補領域と、過去のフレームにおける候補領域と同一の領域とにおいて、明度及び色相の少なくとも一方が変化しているか否かを判定する(ステップS155)。具体的には、変調領域探索部138は、今回取得したフレームと過去の所定数のフレームのそれぞれにおける候補領域内の同一座標において明度及び色相の変化を判別する。判別の結果、明度が、あるフレームでは第1の所定値以上であり、他のフレームでは第2の所定値以下となる場合や、色相を示す数値が、あるフレームでは第3の所定値であり、他のフレームでは第4の所定値である場合というように、所定のパターンで大きく変化する場合には、変調領域探索部138は、候補領域と、過去のフレームにおける候補領域と同一の領域とにおいて、明度、色相が変化していると判定する。
【0040】
候補領域と、過去のフレームにおける候補領域と同一の領域とにおいて、明度及び色相の少なくとも一方が変化している場合(ステップS155;YES)、次に、変調領域探索部138は、過去の所定数のフレームにおいて明度及び色相の少なくとも一方の変化が継続しているか否かを判定する(ステップS156)。具体的には、変調領域探索部138は、ステップS155の処理の結果に基づいて、過去の所定数のフレームのそれぞれにおける候補領域内の同一座標において、明度が、あるフレームでは第1の所定値以上であり、他のフレームでは第2の所定値以下となる場合や、色相を示す数値が、あるフレームでは第3の所定値であり、他のフレームでは第4の所定値である場合というように、所定のパターンで大きく変化する場合には、過去の所定数のフレームにおいて明度及び色相の少なくとも一方の変化が継続していると判定する。
【0041】
候補領域と、過去のフレームにおける候補領域と同一の領域とにおいて、明度及び色相の少なくとも一方が変化しており、且つ、過去の所定数のフレームにおいて明度及び色相の少なくとも一方の変化が継続している場合、候補領域は変化領域となる。
【0042】
過去の所定数のフレームにおいて明度及び色相の少なくとも一方の変化が継続している場合(ステップS156;YES)、変調領域探索部138は、フレーム内の変化領域を特定する情報を制御部102へ出力する。次に、制御部102は、光通信が成功したか否かを判定する(ステップS157)。具体的には、制御部102は、復号処理部120による復号が成功し、当該復号処理部120からのコンテンツデータが取得された場合には、光通信が成功したと判定し、当該復号処理部120からのコンテンツデータが取得されない場合には、光通信が失敗したと判定する。
【0043】
光通信が成功した場合(ステップS157;YES)、表示態様変更部134は、今回取得したRGBのフレームの画像データに対して、候補領域をマスク(遮蔽)すべく、当該候補領域の画像にアイコン画像を重畳する処理を行う(ステップS158)。フレーム内の候補領域は、変調領域探索部138からのフレーム内の変化領域を特定する情報により特定される。その後、表示制御部136は、アイコン画像重畳後のRGBのフレームの画像データに基づいて、ライブビュー画像を表示部107へ表示させる制御を行う。これにより、例えば、
図6(A)に示すように、全体画像600において、候補領域の位置に「検出中」等のアイコン画像604が表示される。
【0044】
一方、光通信が失敗した場合(ステップS157;NO)、表示態様変更部134は、今回取得したRGBのフレームの画像データに対して、候補領域のコントラストを低下させる処理、例えば、ガンマ補正を行う(ステップS159)。その後、表示制御部136は、候補領域のコントラスト低下後のRGBのフレームの画像データに基づいて、ライブビュー画像を表示部107へ表示させる制御を行う。これにより、例えば、
図6(B)に示すように、全体画像600において、候補領域の画像603を含む領域の画像606が、コントラストが低下した状態で表示される。
【0045】
ステップS158において、候補領域の画像にアイコン画像を重畳する処理が行われた後、ステップS159において、候補領域のコントラストを低下させる処理が行われた後、ステップS155において、候補領域と、過去のフレームにおける候補領域と同一の領域とにおいて、明度及び色相の何れも変化していないと判定された後(ステップS155;NO)、ステップS156において、過去の所定数のフレームにおいて明度及び色相の何れも変化が継続していないと判定された後(ステップS156;NO)、制御部102は、全ての候補領域についてステップS155〜ステップS159の処理が終了したか否かを判定する(ステップS160)。全ての候補領域についてステップS155〜ステップS159の処理が終了していない場合(ステップS160;NO)、未処理の候補領域についてステップS155以降の動作が繰り返される。一方、全ての候補領域についてステップS155〜ステップS159の処理が終了した場合(ステップS160;YES)、一連の動作が終了する。
【0046】
(第3の動作)
図7は、スマートフォン100の光通信時の第3の動作である平均化による表示フレーム数低減処理を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS201〜ステップS204の動作は、
図3のステップS101〜ステップS104の動作と同様である。すなわち、スマートフォン100の制御部102内の表示制御部136は、撮像部114による撮像によって得られたフレームの画像データを、画像処理部116を介して取得する(ステップS201)。次に、表示制御部136は、フレームの画像データについて所定の色変換処理を行い、赤、緑、青の光の三原色の組み合わせであるRGBのフレームの画像データに変換する(ステップS202)。表示制御部136は、RGBのフレーム画像データを取得する毎にメモリ104に記憶させる。
【0048】
次に、制御部102内の表示態様変更部134は、撮像部114から今回取得したRGBのフレームの画像データと、過去に取得されたRGBのフレームの画像データとの明度及び色相の差分を検出する(ステップS203)。次に、表示態様変更部134は、各座標における明度の差分の数値が所定値以上であるか否か、及び、色相の差分の数値が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS204)。
【0049】
各座標における明度の差分の数値が所定値以上、及び、色相の差分の数値が所定値以上の何れでもない場合(ステップS204;NO)、一連の動作が終了する。一方、各座標における明度の差分の数値が所定値以上、及び、色相の差分の数値が所定値以上の少なくとも何れか一方を満たす場合(ステップS204;YES)、表示態様変更部134は、今回取得したRGBのフレームの画像データと、過去の所定数のRGBのフレームの画像データとの平均化を行う(ステップS205)。具体的には、表示態様変更部134は、今回取得したRGBのフレームの画像データと、過去の所定数のRGBのフレームの画像データとのそれぞれの同一座標の画素について、明度値の平均値と、色相値の平均値とを算出し、これらの平均値を当該画素の明度値及び色相値とする。その後、表示制御部136は、平均化されたRGBのフレームの画像データに基づいて、ライブビュー画像を表示部107へ表示させる制御を行う。これにより、例えば、
図8に示すように、全体画像600には、光通信領域200の画像を平均化した画像602aが含まれる。
【0050】
(第4の動作)
図9は、スマートフォン100の光通信時の第4の動作である間引きによる表示フレーム数低減処理を示すフローチャートである。
【0051】
ステップS251〜ステップS254の動作は、
図3のステップS101〜ステップS104の動作と同様である。すなわち、スマートフォン100の制御部102内の表示制御部136は、撮像部114による撮像によって得られたフレームの画像データを、画像処理部116を介して取得する(ステップS251)。次に、表示制御部136は、フレームの画像データについて所定の色変換処理を行い、赤、緑、青の光の三原色の組み合わせであるRGBのフレームの画像データに変換する(ステップS252)。表示制御部136は、RGBのフレーム画像データを取得する毎にメモリ104に記憶させる。
【0052】
次に、制御部102内の表示態様変更部134は、撮像部114から今回取得したRGBのフレームの画像データと、過去に取得されたRGBのフレームの画像データとの明度及び色相の差分を検出する(ステップS253)。次に、表示態様変更部134は、各座標における明度の差分の数値が所定値以上であるか否か、及び、色相の差分の数値が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS254)。
【0053】
各座標における明度の差分の数値が所定値以上、及び、色相の差分の数値が所定値以上の少なくとも何れか一方を満たす場合(ステップS254;YES)、表示態様変更部134は、今回取得したRGBのフレームの画像データに基づく画像表示を制限し、1つ前のRGBのフレームの画像データでの表示を継続する制御を行う(ステップS255)。一方、明度、色相の差分の数値の合計値が所定値以上でない場合(ステップS254;NO)、ステップS255の処理は実行されない。
【0054】
(第5の動作)
図10は、スマートフォン100の光通信時の第5の動作であるズーム制限処理を示すフローチャートである。
【0055】
ステップS301〜ステップS306の動作は、
図5のステップS151〜ステップS156の動作と同様である。すなわち、スマートフォン100の制御部102内の表示制御部136は、撮像部114による撮像によって得られたフレームの画像データを、画像処理部116を介して取得する(ステップS301)。次に、表示制御部136は、フレームの画像データについて所定の色変換処理を行い、赤、緑、青の光の三原色の組み合わせであるRGBのフレームの画像データに変換する(ステップS302)。表示制御部136は、RGBのフレーム画像データを取得する毎にメモリ104に記憶させる。
【0056】
次に、変調領域探索部138は、フレーム内の画素のラベリング処理を行う(ステップS303)。次に、変調領域探索部138は、フレーム内の候補領域を検出する(ステップS304)。
【0057】
次に、変調領域探索部138は、候補領域と、過去のフレームにおける候補領域と同一の領域とにおいて、明度及び色相の少なくとも一方が変化しているか否かを判定する(ステップS305)。
【0058】
候補領域と、過去のフレームにおける候補領域と同一の領域とにおいて、明度及び色相の少なくとも一方が変化している場合(ステップS305;YES)、次に、変調領域探索部138は、過去の所定数のフレームにおいて明度及び色相の少なくとも一方の変化が継続しているか否かを判定する(ステップS306)。
【0059】
過去の所定数のフレームにおいて明度及び色相の少なくとも一方の変化が継続している場合(ステップS306;YES)、変調領域探索部138は、フレーム内の変化領域を特定する情報を制御部102へ出力する。次に、制御部102は、画像(フレーム)全体に占める候補領域の割合が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS307)。具体的には、制御部102は、変調領域探索部138からのフレーム内の変化領域を特定する情報に基づいて、画像(フレーム)全体に占める候補領域の割合を特定し、その割合が所定値以上(例えば、30%以上)であるか否かを判定する。
【0060】
画像(フレーム)全体に占める候補領域の割合が所定値以上である場合(ステップS307;YES)、撮像態様変更部132及び表示態様変更部134は、候補領域の割合が所定値未満になるように、撮像部114のデジタルズーム倍率制限やレンズ112の移動による光学的ズームの倍率制限、表示部107にライブビュー画像を表示する際の拡大表示を制限する制御を行う(ステップS308)。ここでは、撮像態様変更部134によるズーム制限と、表示態様変更部134による拡大表示制限との何れか一方のみが行われてもよいし、双方が行われてもよい。
【0061】
撮像態様変更部134によるズーム制限のみが行われる場合には、撮像態様変更部132は、画像(フレーム)全体に占める候補領域の割合が例えば10%以下になるようなズーム倍率を算出し、その算出したズーム倍率をズーム倍率の上限として設定する。これにより、撮像部114は、ズーム倍率の上限以下のズーム倍率でのみ撮像が可能となる。一方、表示態様変更部134による拡大表示制限のみが行われる場合には、表示態様変更部134は、画像(フレーム)全体に占める候補領域の割合が例えば10%以下になるような拡大表示倍率を算出し、その算出した拡大表示倍率を表示部107における拡大表示倍率の上限として設定する。これにより、表示部107は、拡大表示倍率の上限以下の拡大表示倍率でのみ表示が可能となる。
【0062】
また、撮像態様変更部132によるズーム倍率制限と、表示態様変更部134による拡大表示制限との双方が行われる場合、撮像態様変更部132と表示態様変更部134とは、共同して、画像(フレーム)全体に占める候補領域の割合が例えば10%以下になるようなズーム倍率及び拡大表示倍率を算出し、算出したズーム倍率を撮像部114によるズーム倍率の上限として設定するとともに、算出した拡大表示倍率を表示部107における拡大表示倍率の上限として設定する。
【0063】
これにより、例えば、通常は、
図11(A)に示すように光通信領域200の画像602を含む全体画像600が表示されるが、ズーム倍率制限や拡大表示制限により、
図11(B)に示すように全体画像600に占める画像602の割合が低下した状態で表示される。
【0064】
ステップS308の後、ステップS305で否定判断された場合の後、ステップS306で否定判断された場合の後、ステップS307で否定判断された後、制御部102は、全ての候補領域について、ステップS305〜ステップS308の処理が終了したか否かを判定する(ステップS309)。未処理の候補領域が存在する場合(ステップS309;NO)には、ステップS305以降の動作が繰り返される。一方、未処理の候補領域が存在しない場合(ステップS309;YES)には、一連の動作が終了する。
【0065】
(第6の動作)
図12は、スマートフォン100の光通信時の第6の動作である態様変更可否判定処理を示すフローチャートである。
【0066】
スマートフォン100の制御部102内の表示制御部136は、撮像部114による撮像によって得られたフレームの画像データを、画像処理部116を介して取得する(ステップS351)。
【0067】
次に、制御部102は、照度センサ122からの照度値に基づいて、スマートフォン100の周辺の照度(環境照度)が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS352)。
【0068】
環境照度が所定値以上でない場合(ステップS352;NO)、次に、制御部102は、ユーザ500が表示部107を目視しているか否かを判定する(ステップS353)。具体的には、制御部102は、サブ撮像部126による撮像によって得られた画像データを取得し、顔検出(目の位置の検出)等の画像解析処理を行うことにより、ユーザ500が表示部107を目視しているか否かを判定する。
【0069】
ユーザ500が表示部107を目視している場合(ステップS353;YES)、制御部102は、加速度センサ121からの加速度値に基づいて、スマートフォン100の振動(加速度)が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS354)。
【0070】
スマートフォン100の振動(加速度)が所定値以上でない場合(ステップS355;NO)、制御部102は、ユーザ500による明示的な光通信モードが設定されているか否かを判定する(ステップS355)。ここで、ユーザ500による明示的な光通信モードとは、例えば、ユーザ500が表示部107の表面に対してタップ等の操作を行うことにより、画像内の光通信領域200を指定することが行われた場合等を意味する。
【0071】
ユーザ500による明示的な光通信モードでない場合(ステップS355;NO)、
図3に示すコントラスト低下処理が行われる(ステップS356)。一方、ステップS352で肯定判断された後、ステップS353で否定判断された後、ステップS354で肯定判断された後、ステップS355で肯定判断された後の場合には、一連の処理が終了する。
【0072】
このように、スマートフォン100は、光通信領域200が撮像された場合、撮像部114による撮像態様や表示部107による表示態様が通常の態様から変更される。具体的には、画像(フレーム)全体のコントラストを低下させる処理、候補領域へのアイコン画像の重畳表示処理や、候補領域のコントラストを低下させるマスク処理、画像の平均化や間引きによる表示フレーム数の低減処理、撮像部114のズーム倍率の上限や表示部107における拡大表示倍率の上限を制限するズーム制限処理が行われる。
【0073】
画像(フレーム)全体のコントラストを低下させることにより、1の画像内における明度差が小さくなり、高い周期で光通信領域200が点滅する場合でも画像が見やすくなる。また、候補領域にアイコン画像を重畳させる、または、候補領域のコントラストを低下させることにより、明度の高い光通信領域200に対応する画像がそのまま表示されず、高い周期で光通信領域200が点滅する場合でも画像が見やすくなる。また、画像の平均化や間引きによる表示フレーム数の低減処理により、高い周期で光通信領域200が点滅する場合でも、表示される画像においては光通信領域200に対応する画像が高い周期で点滅することがなく、画像が見やすくなる。また、撮像部114のズーム倍率の上限や表示部107における拡大表示倍率の上限を制限するズーム制限処理が行われることで、画像全体に占める光通信領域200に対応する画像の割合を小さくすることができ、高い周期で光通信領域200が点滅する場合でも画像が見やすくなる。
【0074】
また、撮像部114の撮像により得られたフレームの画像データは、情報復号によるコンテンツ取得のためにバッファ118に出力されるとともに、表示部107における表示のために画像処理部116に出力されており、情報復号と画像表示の双方が互いに支障を及ぼすことなく適切に行うことができる。
【0075】
また、ユーザ500が表示部107を目視している場合のみ、画像全体のコントラストの低下処理が実行されるため、ユーザ500による見やすさの向上を目的とする当該コントラストの低下処理を必要に応じて行うことができる。
【0076】
なお、本発明は、上記実施形態の説明及び図面によって限定されるものではなく、上記実施形態及び図面に適宜変更等を加えることは可能である。上述した実施形態では、ユーザ500が表示部107を目視している場合のみ、画像全体のコントラストの低下処理が実行されたが、ユーザ500が表示部107を目視している場合のみ、候補領域へのアイコン画像の重畳表示処理、候補領域のコントラストを低下させるマスク処理、画像の平均化や間引きによる表示フレーム数の低減処理、撮像部114のズーム倍率の上限や表示部107における拡大表示倍率の上限を制限するズーム制限処理が行われるようにしてもよい。
【0077】
また、上述した実施形態では、表示装置としてスマートフォン100が用いられる場合について説明したが、携帯電話機、タブレット型パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ等の撮像可能な表示装置であれば、本発明を適用することができる。
【0078】
また、例えば、コンピュータがプログラムを実行することで、スマートフォン100の機能を実現してもよい。また、スマートフォン100の機能を実現するためのプログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記憶媒体に記憶されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータにダウンロードされてもよい。
【0079】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0080】
(付記1)
撮像を行う撮像手段と、
前記撮像手段による撮像により得られた画像を表示する表示手段と、
前記撮像手段による撮像により得られた画像に情報光源からの光の像が含まれる場合に、前記撮像手段による撮像態様、及び、前記表示手段による画像の表示態様の少なくとも何れかを基準として定められた態様から変更することが可能な態様変更手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【0081】
(付記2)
前記撮像手段は、情報復号用の画像信号と、前記表示手段による表示用の画像信号とを並行して出力することを特徴とする付記1に記載の表示装置。
【0082】
(付記3)
前記態様変更手段は、前記表示装置の利用者が前記表示手段に表示される画像を目視している場合に、前記撮像手段による撮像態様、及び、前記表示手段による画像の表示態様の少なくとも何れかを基準として定められた態様から変更することを特徴とする付記1又は2に記載の表示装置。
【0083】
(付記4)
前記態様変更手段は、前記表示手段に表示される画像のコントラストを低下させることを特徴とする付記1〜3の何れか1つに記載の表示装置。
【0084】
(付記5)
前記態様変更手段は、前記撮像手段による撮像により得られた画像のうち、前記情報光源からの光の像の画像の領域に対して、コントラストを低下させる処理を行うことを特徴とする付記4に記載の表示装置。
【0085】
(付記6)
前記態様変更手段は、前記表示手段に表示される画像の数を減らすことを特徴とする付記1〜3の何れか1つに記載の表示装置。
【0086】
(付記7)
前記態様変更手段は、時系列上の複数の画像を平均化した画像を表示対象とすることを特徴とする付記6に記載の表示装置。
【0087】
(付記8)
前記態様変更手段は、時系列上の複数の画像のうち、一部の画像を表示対象として選択することを特徴とする付記6に記載の表示装置。
【0088】
(付記9)
前記態様変更手段は、前記撮像手段による撮像により得られた画像のうち、前記情報光源からの光の像の画像の領域に他の画像を重畳することを特徴とする付記1〜3の何れか1つに記載の表示装置。
【0089】
(付記10)
前記態様変更手段は、前記撮像手段による撮像により得られた画像に対する前記情報光源からの光の像の画像の領域の割合が所定値以下となるように、前記撮像手段による撮像時の拡大処理、及び、前記表示手段における表示時の拡大処理の少なくとも何れかを制限することを特徴とする付記1〜3の何れか1つに記載の表示装置。
【0090】
(付記11)
撮像を行う撮像ステップと、
前記撮像ステップにおける撮像により得られた画像を表示する表示ステップと、
前記撮像ステップにおける撮像により得られた画像に情報光源からの光の像が含まれる場合に、前記撮像ステップにおける撮像態様、及び、前記表示ステップにおける画像の表示態様の少なくとも何れかを基準として定められた態様から変更することが可能な態様変更ステップと、
を含むことを特徴とする表示制御方法。
【0091】
(付記12)
コンピュータを、
撮像を行う撮像手段、
前記撮像手段による撮像により得られた画像を表示する表示手段、
前記撮像手段による撮像により得られた画像に情報光源からの光の像が含まれる場合に、前記撮像手段による撮像態様、及び、前記表示手段による画像の表示態様の少なくとも何れかを基準として定められた態様から変更することが可能な態様変更手段、
として機能させるための表示制御プログラム。