(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係るファクシミリ保守システム10を示す図である。ファクシミリ保守システム10は、ファクシミリ装置100(100−1,100−2,…100−n)、管理サーバ200、及び保守サーバ300を有する。ファクシミリ装置100と管理サーバ200、及びファクシミリ装置100同士は、ファクシミリ通信回線400を介して接続され、更にファクシミリ装置100と管理サーバ200はデータ通信回線500を介して接続される。管理サーバ200と保守サーバ300は、データ通信回線600を介して接続される。ファクシミリ装置100は、ファクシミリ機能及びデータ通信機能を有する複合機等の情報処理装置であり、管理サーバ200及び保守サーバ300は、パソコン等の情報処理装置である。
【0025】
ファクシミリ装置100は、ファクシミリ通信回線400を介して他のファクシミリ装置100及び管理サーバ200とファクシミリ通信を行う。またファクシミリ装置100は、動作不良の発生時に、動作不良が発生した旨及び該動作不良に関する設定情報をデータ通信回線500を介して管理サーバ200に通知する。また、ファクシミリ装置100は、管理サーバ200から、動作不良に対応するための処理(動作不良の解消処理、詳細確認処理等)を示すリクエスト情報をデータ通信回線500を介して受信し、当該リクエスト情報に基づく処理を実行する。
【0026】
管理サーバ200は、ファクシミリ装置100の管理を行う。管理サーバ200はファクシミリ装置100から動作不良が発生した旨の通知を受けると、その旨を保守サーバ300に通知する。また、管理サーバ200は、保守サーバ300から送信される、ファクシミリ装置100の動作不良に対応するためのリクエスト情報を保持し、ファクシミリ装置100からの要求に応じてリクエスト情報をファクシミリ装置100に送信する。
【0027】
保守サーバ300は、管理サーバ200から、ファクシミリ装置100において動作不良が発生した旨の通知を受けると動作不良の原因を判断してリクエスト情報を生成し、管理サーバ200に送信する。
【0028】
以下に、ファクシミリ保守システム10の各装置の構成を示す。
図2は、本発明の一実施形態に係るファクシミリ装置100のハードウエア構成を示すブロック図である。ファクシミリ装置100は、互いにバス110により接続される操作部120、表示部130、CPU140、記憶部150を有する。操作部120はファクシミリ番号入力キー、送信キー等であり、ファクシミリ装置100の操作者による操作を受け付ける。表示部130は液晶ディスプレイ等の表示装置である。CPU140は、記憶部150に記憶されるプログラムにより動作し、後述する各機能を実現する。記憶部150はハードディスク、メモリー等の記憶素子からなる。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態に係るファクシミリ装置100の機能を示す機能ブロック図である。ファクシミリ装置100は、動作不良検知部101、判定部102、通知出力部103、リクエスト適用部104、比較部105、ファックス通信部106、及びデータ通信部107を有する。これらは、記憶部150に記憶されるプログラムにより動作するCPU140の機能として実現される。
【0030】
動作不良検知部101は、ファクシミリ装置100で発生する予め定められた種類の動作不良を検知する。ここで、予め定められた種類の動作不良とは、ファクシミリ装置100の設置時の設定ミス、回線の抜け、電話番号の入力ミス、通信不良等によりファックスが正常に送受信されない現象等が挙げられる。
【0031】
判定部102は、動作不良検知部101において動作不良が検出された場合に管理サーバ200に通知するか否かの判定を行う。まず判定部102は、動作不良検知部101における当該動作不良の検出が何度目か確認し、所定の回数以上か否かを判定する。検出が所定の回数以上であった場合、さらに判定部102は、当該検出についての管理サーバ200に対する前回の通知からの経過時間が所定の時間以上か確認し、所定の時間以上経過している場合には管理サーバ200へ通知を行うことを決定する。一方、検出回数が所定の回数未満である場合及び前回の通知から所定の時間が経過していない場合には、判定部102は管理サーバ200への通知を行わないことを決定する。これは、既に通知がされている場合には管理サーバ200及び保守サーバ300において対応中である可能性があること、及び同様の通知を短期間に複数回行うと管理サーバ200及び保守サーバ300の負担が必要以上に増加するおそれがあること、による。
【0032】
通知出力部103は、判定部102が管理サーバ200へ通知を行うことを決定した場合に、検出されている動作不良に関連する設定情報を取得し、動作不良があった旨を示す情報及び取得された設定情報をデータ通信部107に出力する。ここで取得される設定情報とは、例えば動作不良が設定ミスによるものであれば現状の設定内容を示す情報であり、回線抜けによるものである場合には回線の接続状態を示す情報であり、電話番号の入力ミスである場合には入力されている電話番号や、入力方法(データベースからの自動入力、手入力等)を示す情報、通信不良である場合には通信状態や通知されている通信エラーの内容を示す情報である。これらの情報は、後述するデータ通信部107により管理サーバ200へ送信される。
【0033】
リクエスト適用部104は、管理サーバ200から受信されるリクエスト情報に基づく処理を実行する。ここでリクエスト情報とは、ファクシミリ装置100において動作不良に対応するために実行される処理を示す情報であり、ファクシミリ装置100から管理サーバ200を介して動作不良の通知を受け取った保守サーバ300において生成される。リクエスト情報の内容は、例えば動作不良が設定ミスによるものであれば設定内容の少なくとも一部を変更する処理であり、回線抜けによるものである場合には回線の接続の確認をユーザに促す処理であり、電話番号の入力ミスである場合には電話番号の確認や、入力方法の確認を促す処理であり、通信不良である場合には通信事業者への確認を促す処理である。リクエスト情報は例えば実行形式のファイルが圧縮された形式で管理サーバ200から受信され、リクエスト適用部104が受信したファイルを解凍して実行する。
【0034】
比較部105は、予めデータ通信回線500を介して受信される画像データにより示される動作確認用画像と、実際にファクシミリ通信回線400を介して受信される動作確認用画像と、を例えば既知の画像認識処理およびその結果の比較処理によって比較する。比較部105は、ファクシミリ装置100においてファックス受信エラーの動作不良が検出された場合に、リクエスト適用部104におけるリクエスト情報の適用後、動作不良が解消されたか確認するために上述の比較処理を行い、比較結果はデータ通信部107及びデータ通信回線500を介して管理サーバ200に通知される。
【0035】
ファックス通信部106は、ファクシミリ通信回線400を介して管理サーバ200とファックス通信を行う。ファクシミリ装置100においてファックス受信エラーの動作不良が検出された場合、ファックス通信部106は、リクエスト情報の適用後、管理サーバ200から動作確認用画像をファクシミリ通信回線400を介して受信し、比較部105に出力する。ファクシミリ装置100においてファックス送信エラーの動作不良が検出された場合、ファックス通信部106は、リクエスト情報の適用後、管理サーバ200からデータ通信回線500を介して受信される画像データにより示される動作確認用画像を、ファクシミリ通信回線400を介して管理サーバ200に送信する。
【0036】
データ通信部107は、データ通信回線500を介して管理サーバ200とデータ通信を行い、ファクシミリ装置100の各部から入力されるデータを管理サーバ200に送信するとともに、管理サーバ200から受信されるデータをファクシミリ装置100の各部に出力する。リクエスト適用部104に出力されるリクエスト情報については、データ通信部107は所定のタイミングでポーリングを行い、管理サーバ200にリクエスト情報が蓄積されていた場合には当該リクエスト情報を受信してリクエスト適用部104に出力する。これによりデータ通信回線500上にファイアウォールが存在する場合にも、ファクシミリ装置100においてリクエスト情報が受信される。
【0037】
図4は、本発明の一実施形態に係る管理サーバ200のハードウエア構成を示すブロック図である。管理サーバ200は、互いにバス210により接続される操作部220、表示部230、CPU240、記憶部250を有する。操作部220はキーボード、マウス等であり、管理サーバ200の操作者による操作を受け付ける。表示部230は液晶ディスプレイ等の表示装置である。CPU240は、記憶部250に記憶されるプログラムにより動作し、後述する各機能を実現する。記憶部250はハードディスク、メモリー等の記憶素子からなる。
【0038】
図5は、本発明の一実施形態に係る管理サーバ200の機能を示す機能ブロック図である。管理サーバ200は、検知信号判定部201、判断結果出力部202、リクエスト情報管理部203、リクエスト情報保持部204、動作確認用画像生成部205、比較部206、ファックス通信部207、及びデータ通信部208を有する。検知信号判定部201、判断結果出力部202、リクエスト情報管理部203、動作確認用画像生成部205、比較部206、ファックス通信部207、及びデータ通信部208は、記憶部250に記憶されるプログラムにより動作するCPU240の機能として実現される。リクエスト情報保持部204は、記憶部250を構成するハードディスク、メモリー等の記憶素子により構成される。
【0039】
検知信号判定部201は、ファクシミリ装置100から受信される情報について、動作不良があった旨を示す情報及び設定情報であるか否かの判定を行い、動作不良があった旨を示す情報及び取得された設定情報である場合にはこれらをデータ通信部208を介して保守サーバ300に送信する。
【0040】
判断結果出力部202は、保守サーバ300から受信される、動作不良の原因に関して保守サーバ300において行われた判断の結果を、例えば管理サーバ200の表示部230に表示し、管理サーバ200を使用する管理者に対して情報を提示する。
【0041】
リクエスト情報管理部203は、保守サーバ300から受信されるリクエスト情報をリクエスト情報保持部204に保存するとともに、ファクシミリ装置100からのポーリングに応じて該当するリクエスト情報をデータ通信部208を介してファクシミリ装置100に送信する。
【0042】
リクエスト情報保持部204は、保守サーバ300から受信されるリクエスト情報を保持する。
【0043】
動作確認用画像生成部205は、リクエスト情報保持部204に保持されてリクエスト情報管理部203により取得される(ファクシミリ装置100において実行される)リクエスト情報に基づいて、動作確認用画像を生成する。動作確認用画像は、バーコード等、当該画像に一意に付与された情報を含んで表すよう生成され、他の画像と区別して認証される。ファクシミリ装置100において発生している動作不良が受信エラーである場合、生成された動作確認用画像を示す画像データがデータ通信回線500を介してファクシミリ装置100に送信されるとともに、動作確認用画像がファックス通信部207によりファクシミリ通信回線400を介してファクシミリ装置100に送信される。ファクシミリ装置100において発生している動作不良が送信エラーである場合、生成された動作確認用画像を示す画像データがデータ通信回線500を介してファクシミリ装置100に送信されるとともに、動作確認用画像が比較部206に出力される。
【0044】
比較部206は、動作確認用画像生成部205により生成される動作確認用画像と、実際にファクシミリ通信回線400を介してファクシミリ装置100から受信される動作確認用画像と、を例えば既知の画像認識処理およびその結果の比較処理によって比較する。比較部206は、ファクシミリ装置100においてファックス送信エラーの動作不良が検出された場合に、リクエスト情報の適用後、動作不良が解消されたか確認するために上述の比較処理を行う。
【0045】
ファックス通信部207は、ファクシミリ通信回線400を介してファクシミリ装置100とファックス通信を行う。ファクシミリ装置100においてファックス受信エラーの動作不良が検出された場合、ファックス通信部207は、リクエスト情報の適用後、動作確認用画像をファクシミリ装置100に送信する。ファクシミリ装置100においてファックス送信エラーの動作不良が検出された場合、ファックス通信部207は、リクエスト情報の適用後、ファクシミリ装置100からファクシミリ通信回線400を介して動作確認用画像を受信し、比較部206に出力する。
【0046】
データ通信部208は、データ通信回線500を介してファクシミリ装置100とデータ通信を行うとともに、データ通信回線600を介して保守サーバ300とデータ通信を行う。データ通信部208は、ファクシミリ装置100において動作不良が発生した場合に動作不良があった旨を示す情報及び設定情報をデータ通信回線500を介して受信する。また、データ通信部208は、ファクシミリ装置100からのポーリングに応じて、リクエスト情報管理部203から入力されるリクエスト情報を、データ通信回線500を介してファクシミリ装置100に送信する。また、データ通信部208は、動作確認用画像生成部205において生成された動作確認用画像を示す画像データを、データ通信回線500を介してファクシミリ装置100に送信する。
【0047】
図6は、本発明の一実施形態に係る保守サーバ300のハードウエア構成を示すブロック図である。保守サーバ300は、互いにバス310により接続される操作部320、表示部330、CPU340、記憶部350を有する。操作部320はキーボード、マウス等であり、保守サーバ300の操作者による操作を受け付ける。表示部330は液晶ディスプレイ等の表示装置である。CPU340は、記憶部350に記憶されるプログラムにより動作し、後述する各機能を実現する。記憶部350はハードディスク、メモリー等の記憶素子からなる。
【0048】
図7は、本発明の一実施形態に係る保守サーバ300の機能を示す機能ブロック図である。保守サーバ300は、検知信号取得部301、原因判断部302、リクエスト情報蓄積部303、リクエスト情報取得部304、及びデータ通信部305を有する。検知信号取得部301、原因判断部302、リクエスト情報取得部304、及びデータ通信部305は、記憶部350に記憶されるプログラムにより動作するCPU340の機能として実現される。リクエスト情報蓄積部303は、記憶部350を構成するハードディスク、メモリー等の記憶素子により構成される。
【0049】
検知信号取得部301は、管理サーバ200から受信される信号から、ファクシミリ装置100において動作不良があった旨を示す情報及び取得された設定情報を取得し、原因判断部302に出力する。
【0050】
原因判断部302は、検知信号取得部301から入力された動作不良があった旨を示す情報及び取得された設定情報に基づいて、ファクシミリ装置100において発生している動作不良の原因を判断し、判断結果を示す情報をリクエスト情報取得部304及びデータ通信部305に出力する。
【0051】
リクエスト情報蓄積部303には、ファクシミリ装置100において発生し得る動作不良について、それらに対応するためのリクエスト情報が、動作不良の原因を示す情報と関連づけて予め蓄積されている。
【0052】
リクエスト情報取得部304は、原因判断部302から入力される判断結果を示す情報に基づいて、判断された原因に対応するためのリクエスト情報をリクエスト情報蓄積部303から取得し、データ通信部305に出力する。
【0053】
データ通信部305は、データ通信回線600を介して管理サーバ200とデータ通信を行う。データ通信部305は、原因判断部302から入力される判断結果を示す情報及びリクエスト情報取得部304から入力されるリクエスト情報を管理サーバ200に送信する。
【0054】
次に、本発明の一実施形態に係るファクシミリ保守システム10の動作を、フローチャートを用いて説明する。まず、ファクシミリ装置100における動作不良検知時の動作について説明する。
【0055】
図8は、本発明の一実施形態に係るファクシミリ装置100における、ファクシミリ通信チャネルの回線断の検知時の動作を示すフローチャートである。まず、ファクシミリ装置100の動作不良検知部101がチャネルの回線断を検知すると(S801)、判定部102は自身が有する回線断検知回数のカウンタの数値を1つ増加させる(S802)。
【0056】
次に判定部102は、カウンタの数値が所定の閾値以上であるか判定を行い(S803)、カウンタの数値が所定の閾値より小さければ処理は終了する。
【0057】
一方、カウンタの数値が所定の閾値以上である場合(S803)、判定部102は前回の回線断の通知からの経過時間が所定の閾値以上であるか判定を行い(S804)、経過時間が所定の閾値より小さければ処理は終了する。
【0058】
一方、経過時間が所定の閾値以上である場合(S804)、通知出力部103は回線断に関連する設定情報を取得し(S805)、動作不良(回線断)があった旨の情報とS805で取得された設定情報と、をデータ通信部107に出力する(S806)。
【0059】
データ通信部107は、通知出力部103から入力された、動作不良があった旨の情報と設定情報を、データ通信回線500を介して管理サーバ200に送信する(S807)。
【0060】
そして判定部102は、カウンタの数値を0にリセットして(S808)、ファクシミリ装置100における、ファクシミリ通信チャネルの回線断の検知時の動作は終了する。
【0061】
図9は、本発明の一実施形態に係るファクシミリ装置100における、ファクシミリ通信の回線種別検知エラーの検知時の動作を示すフローチャートである。まず、ファクシミリ装置100の動作不良検知部101が回線種別検知エラーを検知すると(S901)、判定部102は自身が有する回線種別検知エラー検知回数のカウンタの数値を1つ増加させる(S902)。
【0062】
次に判定部102は、カウンタの数値が所定の閾値以上であるか判定を行い(S903)、カウンタの数値が所定の閾値より小さければ処理は終了する。
【0063】
一方、カウンタの数値が所定の閾値以上である場合(S903)、判定部102は前回の回線断の通知からの経過時間が所定の閾値以上であるか判定を行い(S904)、経過時間が所定の閾値より小さければ処理は終了する。
【0064】
一方、経過時間が所定の閾値以上である場合(S904)、通知出力部103は回線種別検知エラーに関連する設定情報を取得し(S905)、動作不良(回線種別検知エラー)があった旨の情報とS905で取得された設定情報と、をデータ通信部107に出力する(S906)。
【0065】
データ通信部107は、通知出力部103から入力された、動作不良があった旨の情報と設定情報を、データ通信回線500を介して管理サーバ200に送信する(S907)。
【0066】
そして判定部102は、カウンタの数値を0にリセットして(S908)、ファクシミリ装置100における、ファクシミリ通信の回線種別検知エラーの検知時の動作は終了する。
【0067】
図10は、本発明の一実施形態に係るファクシミリ装置100における、電話番号エラーの検知時の動作を示すフローチャートである。まず、ファクシミリ装置100の動作不良検知部101が電話番号エラーを検知すると(S1001)、判定部102は自身が有する電話番号エラー検知回数のカウンタの数値を1つ増加させる(S1002)。
【0068】
次に判定部102は、カウンタの数値が所定の閾値以上であるか判定を行い(S1003)、カウンタの数値が所定の閾値より小さければ処理は終了する。
【0069】
一方、カウンタの数値が所定の閾値以上である場合(S1003)、判定部102は前回の回線断の通知からの経過時間が所定の閾値以上であるか判定を行い(S1004)、経過時間が所定の閾値より小さければ処理は終了する。
【0070】
一方、経過時間が所定の閾値以上である場合(S1004)、通知出力部103は電話番号エラーに関連する設定情報を取得し(S1005)、動作不良(電話番号エラー)があった旨の情報とS1005で取得された設定情報と、をデータ通信部107に出力する(S1006)。
【0071】
データ通信部107は、通知出力部103から入力された、動作不良があった旨の情報と設定情報を、データ通信回線500を介して管理サーバ200に送信する(S1007)。
【0072】
そして判定部102は、カウンタの数値を0にリセットして(S1008)、ファクシミリ装置100における、電話番号エラーの検知時の動作は終了する。
【0073】
図11は、本発明の一実施形態に係るファクシミリ装置100における、タイムアウトの検知時の動作を示すフローチャートである。まず、ファクシミリ装置100の動作不良検知部101がタイムアウトを検知すると(S1101)、直近の所定回数の通信ログからタイムアウトに関連するエラーの発生回数を取得する(S1102)。
【0074】
次に判定部102は、取得された発生回数が所定の閾値以上であるか判定を行い(S1103)、発生回数が所定の閾値より小さければ処理は終了する。
【0075】
一方、発生回数が所定の閾値以上である場合(S1103)、判定部102は前回の回線断の通知からの経過時間が所定の閾値以上であるか判定を行い(S1104)、経過時間が所定の閾値より小さければ処理は終了する。
【0076】
一方、経過時間が所定の閾値以上である場合(S1104)、通知出力部103はタイムアウトに関連する設定情報を取得し(S1105)、動作不良(タイムアウト)があった旨の情報とS1105で取得された設定情報と、をデータ通信部107に出力する(S1106)。
【0077】
データ通信部107は、通知出力部103から入力された、動作不良があった旨の情報と設定情報を、データ通信回線500を介して管理サーバ200に送信して(S1107)、ファクシミリ装置100における、タイムアウトの検知時の動作は終了する。
【0078】
次に、ファクシミリ装置100における動作不良の検知が管理サーバ200から通知された場合の、保守サーバ300における動作について説明する。
【0079】
図12は、本発明の一実施形態に係る保守サーバ300における、ファクシミリ通信チャネルの回線断の検知時の動作を示すフローチャートである。まず管理サーバ200からチャネルの回線断が通知されると(S1201)、保守サーバ300の原因判断部302は通知の内容を参照して回線断が発生したチャネルを特定する(S1202)。
【0080】
次に原因判断部302は、ファクシミリ装置100から送信された設定情報を参照して特定されたチャネルに対応するFAXカードが装着されているか確認し(S1203)、装着されていなければFAXカードのライザーの故障と判断し(S1209)、管理サーバ200に対しライザーの交換を求める通知を送信する(S1210)。通知の受信に応じて、管理サーバ200は、表示部230にその旨のメッセージを表示する。
【0081】
一方、FAXカードが装着されていることが確認された場合(S1203)、原因判断部302は設定情報を参照してファクシミリ装置100において発信が規制されていないか確認する(S1204)。発信が規制されている場合(S1204)、原因判断部302はソフトウエアのトラブルと判断し(S1205)、S1202で特定されたチャネルにおける通信ログを収集して、ソフトウエアのトラブルの可能性がある旨の通知と併せて管理サーバ200へ送信する(S1206)。通知の受信に応じて、管理サーバ200は、表示部230にその旨のメッセージを表示する。
【0082】
一方、S1204において発信が規制されていないことが確認された場合(S1204)、原因判断部302はチャネルの回線抜けと判断し(S1207)、管理サーバ200に対しチャネルの回線の確認を求める通知を送信する(S1208)。通知の受信に応じて、管理サーバ200は、表示部230にその旨のメッセージを表示する。以上で本発明の一実施形態に係る保守サーバ300における、ファクシミリ通信チャネルの回線断の検知時の動作は終了する。
【0083】
図13は、本発明の一実施形態に係る保守サーバ300における、電話番号のエラー検知時の動作を示すフローチャートである。まず管理サーバ200から電話番号エラーが通知されると(S1301)、保守サーバ300の原因判断部302は通知の内容を参照してエラーと判定された電話番号が短縮番号であるか確認する(S1302)。
【0084】
エラーと判定された電話番号が短縮番号でない場合(S1302)、原因判断部302は想定されている原因に該当しないと判断し、動作不良状況を示す情報を管理サーバ200に送信する(S1308)。情報の受信に応じて、管理サーバ200は、表示部230にその旨のメッセージを表示する。
【0085】
エラーと判定された番号が短縮番号である場合(S1302)、原因判断部302は、不正と判断された文字が“,”であるか確認し(S1303)、不正と判断された文字が“,”である場合には原因判断部302はエラーを、電話番号が記載されたデータベース(CSVファイル)におけるものと判断し(S1304)、判断結果を示す情報を管理サーバ200に送信する(S1305)。情報の受信に応じて、管理サーバ200は、表示部230にその旨のメッセージを表示する。
【0086】
不正と判断された文字が“,”でない場合(S1303)、原因判断部302はエラーを、電話番号の登録ミスと判断し(S1306)、判断結果を示す情報を管理サーバ200に送信する(S1307)。情報の受信に応じて、管理サーバ200は、表示部230にその旨のメッセージを表示する。以上で本発明の一実施形態に係る保守サーバ300における、電話番号のエラー検知時の動作は終了する。
【0087】
次に、リクエスト情報のファクシミリ装置100に対する適用及び適用結果の確認動作について説明する。
【0088】
図14は、本発明の一実施形態に係る、リクエスト情報のファクシミリ装置100に対する適用動作及び適用結果の確認動作を示すフローチャートである。まず、ファクシミリ装置100は、所定のタイミングで管理サーバ200に対しポーリングを行う(S1401)。
【0089】
管理サーバ200は、S1401のポーリングに応じて、ファクシミリ装置100に適用されるリクエスト情報がリクエスト情報保持部204に保持されていないか確認し(S1402)、リクエスト情報が保持されていればデータ通信部208を介して該リクエスト情報をファクシミリ装置100に送信する(S1403)。リクエスト情報が保持されていなければ、例えばリクエスト情報が保持されていないことを管理サーバ200がファクシミリ装置100に通知して、処理は終了する。
【0090】
ファクシミリ装置100のリクエスト適用部104は、リクエスト情報を受信すると該リクエスト情報の内容を参照し、設定変更を要求するものか、ユーザに対し何らかの情報(機器の交換、確認の要求等)を提示することを求めるものか判断する(S1404)。
【0091】
設定変更を要求するものである場合、リクエスト適用部104はリクエスト情報に従って設定内容を変更し(S1405)、ユーザに対して情報を提示することを求めるものである場合、リクエスト適用部104はリクエスト情報に基づく情報を、表示部130における表示によってユーザに対して提示する(S1413)。
【0092】
次にリクエスト適用部104は、自身で発生している動作不良の内容を確認し、ファクス受信処理に関するものか、ファクス送信処理に関するものか判断する(S1406)。
【0093】
ファクス受信処理に関するものである場合(S1406)、リクエスト適用部104はリクエスト情報の適用が終了した旨を管理サーバ200に通知する。通知に応じて、管理サーバ200のデータ通信部208は、動作確認用画像生成部205で生成された動作確認用画像の画像データをファクシミリ装置100にデータ送信し(S1407)、管理サーバ200のファックス通信部207は動作確認用画像をファクシミリ装置100にファックス送信する(S1408)。
【0094】
ファクシミリ装置100の比較部105は、画像データ及び動作確認用画像を受信するとこれらに付されている認証コードを確認のうえ(S1409)、これらの画像を比較する(S1410)。画像データと動作確認用画像が一致すれば(S1411)、動作不良が解消された旨を管理サーバ200に対して通知して処理は終了し、一致しなければ(S1411)例えばその旨を管理サーバ200に対して通知し、他の対策方法の抽出を行う(S1412)。
【0095】
動作不良がファクス送信処理に関するものである場合(S1406)、リクエスト適用部104はリクエスト情報の適用が終了した旨を管理サーバ200に通知する。通知に応じて、管理サーバ200のデータ通信部208は、動作確認用画像生成部205で生成された動作確認用画像の画像データをファクシミリ装置100にデータ送信する(S1414)。ファクシミリ装置100のファックス通信部106は、受信された画像データに基づく動作確認用画像を管理サーバ200にファックス送信する(S1415)。
【0096】
管理サーバ200の比較部206は、動作確認用画像を受信するとこれに付されている認証コードを確認のうえ(S1416)、動作確認用画像生成部205で生成された動作確認用画像と、受信された動作確認用画像と、を比較する(S1417)。これらの動作確認用画像が一致すれば(S1418)処理は終了し、一致しなければ(S1418)他の対策方法の抽出を行う(S1419)。以上で、管理サーバ200においてリクエスト情報が保持されている状態における、リクエスト情報のファクシミリ装置100に対する適用及び適用結果の確認動作は終了する。
【0097】
以上の構成によれば、予め定められた種類の動作不良が発生した場合に、当該動作不良があった旨を示す情報、及び該動作不良に関連する設定情報を出力するファクシミリ装置100を有することにより、ユーザが保守センターに連絡をしていた従来のシステムに比較して、より迅速に保守が行われるファクシミリ保守システム10が提供される。
【0098】
なお、本発明における動作不良の確認及びその対応処理は上記の内容に限定されず、例えば、回線契約、接続状況に対するファクシミリ装置100の設定ミスに起因してダイヤルトーンが検知できない動作不良が生じた場合に、保守サーバ300の原因判断部302が回線種別を判定したうえで、リクエスト情報の生成及び送信、又は保守サーバ300からの直接の設定変更により、ファクシミリ装置100の回線種別を変更する処理を行ったうえで、上述の動作確認用画像の送受信により動作不良の解消を確認する構成としてもよい。
【0099】
また、特定の相手とのファックス通信でタイムアウトや再送オーバー等が発生している場合に保守サーバ300の原因判断部302が、通信に使用されている網が不適切と判断し、リクエスト情報の生成及び送信、又は保守サーバ300からの直接の変更により通信に使用される網を変更する処理を行ったうえで、上述の動作確認用画像の送受信により動作不良の解消を確認する構成としてもよい。
【0100】
また、上述した実施形態ではファクシミリ装置100、管理サーバ200、及び保守サーバ300からなるファクシミリ保守システム10が示されたが、本発明はこのような構成に限定されず、例えば上述した管理サーバ200及び保守サーバ300の機能を単一の情報処理装置が備える構成としてもよいし、さらにファクシミリ装置100が、上述した管理サーバ200及び保守サーバ300の機能を備える構成としてもよい。
【0101】
なお、ここで述べたファクシミリ装置100、管理サーバ200、及び保守サーバ300の動作は、それぞれの記憶部に記憶されるプログラムを動作させることで実現される。このプログラムは通信によって提供されてもよいし、コンピュータによる読み取りが可能な、CD−ROM等の記憶媒体に格納されて提供されてもよい。