特許第6379880号(P6379880)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6379880プロジェクタ−カメラシステム又はディスプレイ−カメラシステムに対する微細なユーザインタラクションを可能とするシステム、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6379880
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】プロジェクタ−カメラシステム又はディスプレイ−カメラシステムに対する微細なユーザインタラクションを可能とするシステム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20130101AFI20180820BHJP
   G06F 3/03 20060101ALI20180820BHJP
   G06F 3/042 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   G06F3/0488 130
   G06F3/03 400Z
   G06F3/042 473
【請求項の数】24
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-178022(P2014-178022)
(22)【出願日】2014年9月2日
(65)【公開番号】特開2015-225652(P2015-225652A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2017年8月25日
(31)【優先権主張番号】14/288,370
(32)【優先日】2014年5月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パトリック チィーウ
(72)【発明者】
【氏名】ハオ タン
(72)【発明者】
【氏名】チョン リュウ
(72)【発明者】
【氏名】スベン クラッツ
【審査官】 星野 昌幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−159274(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0249762(US,A1)
【文献】 特開2011−204047(JP,A)
【文献】 特開2008−117083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0488
G06F 3/03
G06F 3/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理ユニットとカメラとメモリとを備える計算処理システムが実行するユーザインタラクションを可能とする方法であって、
a.前記処理ユニットが、ユーザに保持されマーカパターンを表示するモバイルコンピューティング装置の複数の画像をカメラを用いて取得し、
b.前記処理ユニットが、前記取得された複数の画像内の前記マーカパターンを検出し、
c.前記処理ユニットが、前記取得された複数の画像内の前記検出されたマーカパターンに基づいて、前記モバイルコンピューティング装置の複数の位置を判定し、
d.前記処理ユニットが、前記モバイルコンピューティング装置の前記判定された複数の位置に基づいてインクストロークを描画する
方法。
【請求項2】
前記処理ユニットがコンテンツを表示し、
前記処理ユニットが、前記コンテンツに関連させて、前記インクストロークを描画することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処理ユニットが、前記取得された複数の画像内の前記検出されたマーカパターンの少なくとも1つの特徴を判定することを更に含み、前記マーカパターンの前記判定された少なくとも1つの特徴に基づいて、前記インクストロークを描画することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記マーカパターンの前記特徴は、前記マーカパターンの色であることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記処理ユニットにより描画される前記インクストロークの色が、前記マーカパターンの色に基づいていることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記マーカパターンの前記特徴は、前記マーカパターンのサイズであることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記インクストロークのサイズが、前記マーカパターンのサイズに基づいていることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記マーカパターンの前記少なくとも1つの特徴は、前記マーカパターン内における所定の図形要素の存在または欠如であり、
前記処理ユニットが、前記所定の図形要素の存在または欠如に基づいて、前記インクストロークの描画のオンとオフとを切り替えることを特徴とする請求項3ないしのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記マーカパターンの前記特徴は、前記マーカパターンの回転角であることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記インクストロークの幅が、前記マーカパターンの前記回転角に基づくことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
処理ユニットとカメラとメモリとを備える計算処理システムが実行するユーザインタラクションを可能とする方法であって、
a.前記処理ユニットがコンテンツを表示し、
b.前記処理ユニットが、前記コンテンツ上でユーザに保持されて、マーカパターンを表示するモバイルコンピューティング装置の画像をカメラを用いて取得し、
c.前記処理ユニットが、取得された前記画像内の前記マーカパターンを検出し、
d.前記処理ユニットが、複数の前記画像から検出された複数の前記マーカパターンに基づいて、前記モバイルコンピューティング装置の複数の位置を判定し、
e.前記処理ユニットが、前記モバイルコンピューティング装置の複数の前記位置に基づいて、前記コンテンツに関連させてインクストロークを描画する、
方法。
【請求項12】
a.ユーザに保持され、マーカパターンを表示するモバイルコンピューティング装置の画像をカメラを用いて取得し、
b.取得された前記画像内の前記マーカパターンを処理ユニットを用いて検出し、
c.複数の前記画像から検出された複数の前記マーカパターンに基づいて、前記モバイルコンピューティング装置の複数の位置を、前記処理ユニットを用いて判定し、
d.前記モバイルコンピューティング装置の前記複数の位置に基づいて、インクストロークを描画する、
ことをコンピュータに実行させるプログラム
【請求項13】
前記処理ユニットがコンテンツを表示し、
前記処理ユニットが、前記コンテンツに関連させて、前記インクストロークを描画することを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
検出されたマーカパターンの少なくとも1つの特徴を判定することを更に含み、判定された少なくとも1つの前記特徴に基づいて、前記インクストロークを描画することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のプログラム
【請求項15】
前記マーカパターンの前記特徴は、前記マーカパターンの色であることを特徴とする請求項14に記載のプログラム
【請求項16】
前記インクストロークの色が、前記マーカパターンの色に基づいていることを特徴とする請求項15に記載のプログラム
【請求項17】
前記マーカパターンの前記特徴は、前記マーカパターンのサイズであることを特徴とする請求項14ないし16のいずれか一項に記載のプログラム
【請求項18】
前記インクストロークのサイズが、前記マーカパターンのサイズに基づいていることを特徴とする請求項17に記載のプログラム
【請求項19】
前記マーカパターンの前記特徴は、前記マーカパターン内における所定の図形要素の存在または欠如であり、
前記所定の図形要素の存在または欠如に基づいて、インクストロークの描画のオンとオフとを切り替えることを特徴とする請求項14ないし18のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項20】
前記マーカパターンの前記特徴は、前記マーカパターンの回転角であることを特徴とする請求項14に記載のプログラム
【請求項21】
前記インクストロークの幅が、前記マーカパターンの回転角に基づくことを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項22】
a.処理ユニットを用いて、コンテンツを表示し、
b.前記コンテンツ上でユーザに保持されて、マーカパターンを表示するモバイルコンピューティング装置の画像を、カメラを用いて取得し、
c.取得された前記画像内の前記マーカパターンを、前記処理ユニットを用いて検出し、
d.複数の前記画像から検出された複数の前記マーカパターンに基づいて、前記モバイルコンピューティング装置の複数の位置を、前記処理ユニットを用いて判定し、
e.前記モバイルコンピューティング装置の複数の前記位置に基づいて、前記コンテンツに関連させてインクストロークを、前記処理ユニットを用いて描画する、
ことをコンピュータに実行させるプログラム
【請求項23】
処理ユニットとカメラと命令セットを格納するメモリとを備える計算処理システムであって、
前記命令セットは、
a.ユーザに保持され、マーカパターンを表示するモバイルコンピューティング装置の画像をカメラを用いて取得し、
b.取得された前記画像内の前記マーカパターンを処理ユニットを用いて検出し、
c.複数の前記画像から検出された複数の前記マーカパターンに基づいて、前記モバイルコンピューティング装置の複数の位置を、前記処理ユニットを用いて判定し、
d.前記モバイルコンピューティング装置の前記複数の位置に基づいて、インクストロークを描画する、
ことを前記処理ユニットに実行させる命令を含む、計算処理システム
【請求項24】
処理ユニットとカメラと命令セットを格納するメモリとを備える計算処理システムであって、
前記命令セットは、
a.処理ユニットを用いて、コンテンツを表示し、
b.前記コンテンツ上でユーザに保持されて、マーカパターンを表示するモバイルコンピューティング装置の画像を、カメラを用いて取得し、
c.取得された前記画像内の前記マーカパターンを、前記処理ユニットを用いて検出し、
d.複数の前記画像から検出された複数の前記マーカパターンに基づいて、前記モバイルコンピューティング装置の複数の位置を、前記処理ユニットを用いて判定し
e.前記モバイルコンピューティング装置の複数の前記位置に基づいて、前記コンテンツに関連させてインクストロークを、前記処理ユニットを用いて描画する、
ことを前記処理ユニットに実行させる命令を含む、計算処理システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示する実施形態は一般にコンピュータ装置とのユーザインタラクションを可能とするシステム、方法及びプログラムに関し、より具体的には、スマートフォン又は他のモバイル装置を用いて、プロジェクタ−カメラシステム及び/又はディスプレイ−カメラシステムとの微細なユーザインタラクションを可能とするシステム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
入力機能のない会議室や公共の場所における投影面やディスプレイパネルに関しては、簡便で低価格な方法でインタラクションが可能であれば有用であろう。粗いインタラクションに関しては、手のジェスチャ入力技術が首尾よく開発されている。その例としては、当業者には周知のXbox用のKinectシステムなどのゲームプレイ用のシステム(非特許文献1)や、非特許文献2に記述されたシステム及び方法がある。
【0003】
米国特許出願13/865,990号明細書には、ボタンウィジェットによる不連続動作のためのジェスチャ並びにビューポートウィジェットによるパンとズーム用連続動作のためのジェスチャを検出するためのシステムが記載されている。
【0004】
例えば非特許文献3に記載されているように実際の指が幾何モデルを用いて近似されている。
【0005】
他方、物体のトラッキングには市販されている研究用のシステムがある。その一例としては、ビーコン移動システム(非特許文献4)や鳥群トラッキング装置(非特許文献5)や、非特許文献6に記載のiLamps、並びに非特許文献6に記載のユビキタスコード化された光(Ubiquitous Coded Light)がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Kinect for Xbox、[online]、2014年5月27日検索、インターネット<URL: http://www.xbox.com/en-US/kinect>
【非特許文献2】Wachs,J.、Stern,H.、Edan,Y.、Gillam,M.、Handler,J.、Feied,C.、Smith,M.、「放射線画像の無菌閲覧用ジェスチャベースツール(A gesture−based tool for sterile browsing of radiology images)」、J.American Medical Informatics Assoc.第15巻3号、ページ321−323、2008年
【非特許文献3】Wilson,A.D.、「タッチセンサとしてのデプスカメラの利用(Using a depth camera as a touch sensor)」、ITS2010年論文集、ページ69−72
【非特許文献4】Vicon Motion Systems、[online]、2014年5月27日検索、インターネット<URL: http://www.vicon.com>
【非特許文献5】Flock of Birds Tracker、[online]、2014年5月27日検索、インターネット<URL: http://www.ascension-tech.com/realtime/RTflockofBIRDS.php>
【非特許文献6】Raskar,R.、Baar,J.v.、Beardsley,P.、Willwacher,T.、Rao,S.及びForlines,C.、「iLamps:形状を感知して自己構成するプロジェクタ(iLamps:geometrically aware and self−configuring projectors)」、SIGGRAPH2003年論文集、ページ809−818
【非特許文献7】OpenCV Software Library、[online]、2014年5月27日検索、インターネット<URL: http://opencv.org>
【非特許文献8】Bennett,S.、Lasenby,J.、「ChESS−チェス盤特徴の高速かつ確実な検出(ChESS−Quick and robust detection of chess−board features)」、Computer Vision and Image Understanding、2014年1月、第118巻、ページ197−210
【非特許文献9】Microsoft Paintソフトウエア、[online]、2014年5月27日検索、インターネット<URL: http://www.microsoft.com/en-us/windows7/products/features/paint>
【非特許文献10】Microsoft Fresh Paintソフトウエア、[online]、2014年5月27日検索、インターネット<URL: http://www.microsoft.com/en-us/freshpaint>
【非特許文献11】Inkscapeソフトウエア、[online]、2014年5月27日検索、インターネット<URL: http://www.inkscape.org>
【非特許文献12】Microsoft Surface Proタブレット、[online]、2014年5月27日検索、インターネット<URL: http://www.microsoft.com/surface>
【非特許文献13】Wacom Technology Corporation、[online]、2014年5月27日検索、インターネット<URL: http://www.wacom.com>
【非特許文献14】Agrawal,S.ら、「空中で書くための携帯電話の利用(Using mobile phones to write in air.)」、MobiSys2011年論文集、ページ15−28
【非特許文献15】Amma,C.ら、「エアーライティング:3次元空間における手書き認識によるモバイルテキスト入力のデモンストレーション(Airwriting:Demonstrating mobile text input by 3d−space handwriting recognition.)」、IUI2012年論文集、ページ319−320
【非特許文献16】Cunningham,A.ら、「新しいマルチユーザ対応テーブルトップ・ポインティング装置(A novel multiuser tabletop pointing device.)」、OZCHI2009年論文集、ページ169−176
【非特許文献17】Takatsuka,M.ら、「パックコントロール:テーブルトップディスプレイのためのコンピュータビジョンベースの無線入力装置(Puck Control:A computer vision−based wireless input device for tabletop display.)」、TR #595、シドニー大学情報技術学部、2006年
【非特許文献18】Wilson,A.D.、「片手及び両手のジェスチャ入力のためのロバストなコンピュータビジョンベースのピンチングの検出(Robust computer vision−based detection of pinching for one and two−handed gesture input.)」、UIST2006年論文集、ページ255−258
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、投影面及びディスプレイパネルとのユーザインタラクションを可能とする従来技術における課題を実質的に取り除き、プロジェクタ−カメラシステム及び/又はディスプレイ−カメラシステムとの微細なユーザインタラクションを可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
処理ユニットとカメラとメモリとを備える計算処理システムが実行する、プロジェクタ−カメラシステム又はディスプレイ−カメラシステムに対する微細なユーザインタラクションを可能とする方法が提供される。この方法は、処理ユニットが、ユーザに保持され、マーカパターンを表示するモバイルコンピューティング装置の複数の画像をカメラを用いて取得し、取得された複数の画像内のマーカパターンを処理ユニットが検出し、取得された複数の画像内の検出されたマーカパターンに基づいて、モバイルコンピューティング装置の複数の位置を処理ユニットが判定し、モバイルコンピューティング装置の判定された複数の位置に基づいて処理ユニットがユーザイベントを処理することを含む。
【0009】
一つ又は複数の実施形態において、計算処理システムが実行する方法は、処理ユニットが、取得された複数の画像内に検出されたマーカパターンの少なくとも1つの特徴を判定することを更に含み、ユーザイベントの処理が更にマーカパターンの判定された少なくとも1つの特徴に基づく。
【0010】
一つ又は複数の実施形態において、マーカパターンの判定された少なくとも1つの特徴はマーカパターンのグリッドサイズである。
【0011】
一つ又は複数の実施形態において、マーカパターンの判定された少なくとも1つの特徴はマーカパターンの色である。
【0012】
一つ又は複数の実施形態において、マーカパターンの色を判定することが、マーカパターンの整列した複数の内部頂点を生成し、整列した複数の内部頂点の中央に2つのポイントを特定し、マーカパターンの2つの隣接する正方形の中央に2つの第2のポイントの位置を計算し、2つの第2のポイントにおいて色を判定し、判定された色の中の白以外の1つをマーカパターンの色として採用することを含む。
【0013】
一つ又は複数の実施形態において、ユーザイベントを処理することが、モバイルコンピューティング装置の判定された複数の位置に基づいてインクストロークを描画する(レンダリングする)ことを含む。ここで描画されるインクストロークの色はマーカパターンの色に基づいている。
【0014】
一つ又は複数の実施形態において、マーカパターンの少なくとも1つの特徴は、マーカパターン内における所定の図形要素の存在又は欠如である。
【0015】
一つ又は複数の実施形態において、所定の図形要素は白の円形穴である。
【0016】
一つ又は複数の実施形態において、マーカパターン内における所定の図形要素の存在は第1の状態を表し、マーカパターン内における所定の図形要素の欠如は第2の状態を表す。
【0017】
一つ又は複数の実施形態において、第1の状態はペンアップ(pen up)状態であり、第2の状態はペンダウン(pen down)状態であり、ユーザイベントを処理することは、ペンダウン状態であればモバイルコンピューティング装置の判定された複数の位置に基づいてインクストロークを描画することを含む。
【0018】
一つ又は複数の実施形態において、マーカパターンの判定された少なくとも1つの特徴はマーカパターンの回転角である。
【0019】
一つ又は複数の実施形態において、ユーザイベントを処理することがモバイルコンピューティング装置の判定された複数の位置に基づいてインクストロークを描画することを含み、インクストロークの幅はマーカパターンの回転角に基づいている。
【0020】
一つ又は複数の実施形態において、マーカパターンはチェス盤のように配列された実質的に同じ大きさの複数の正方形から成るチェス盤マーカパターンである。
【0021】
一つ又は複数の実施形態において、マーカパターンを表示するモバイルコンピューティング装置はユーザに表示されるコンテンツの上に配置される。
【0022】
一つ又は複数の実施形態において、コンテンツは投影面上にコンテンツを投影するプロジェクタを用いてユーザに表示される。
【0023】
一つ又は複数の実施形態において、コンテンツは電子ディスプレイ装置を用いてユーザに表示される。
【0024】
一つ又は複数の実施形態において、コンテンツは縁のあるキャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェットを用いてユーザに表示される。
【0025】
一つ又は複数の実施形態において、計算処理システムが実行する方法は、処理ユニットが、モバイルコンピューティング装置の判定された複数の位置を、複数の画像座標からキャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェットの座標へ変換することを更に含む。
【0026】
一つ又は複数の実施形態において、計算処理システムが実行する方法は、処理ユニットが、キャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェットの縁の色を変えることを含む較正操作を実行し、変更された色に基づいて取得された複数の画像におけるグラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェットの縁の位置を検出し、複数の画像の座標とキャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェットの座標との間のマッピングを生成する、ことを更に含む。
【0027】
一つ又は複数の実施形態において、ユーザイベントを処理することは、モバイルコンピューティング装置の判定された複数の位置に基づいてインクストロークを表示されたコンテンツに関連させて描画することを含む。
【0028】
一つ又は複数の実施形態において、モバイルコンピューティング装置の複数の位置を判定することは、取得された複数の画像のそれぞれに対するマーカパターンの整列した複数の内部頂点を生成することを含む。
【0029】
一つ又は複数の実施形態において、モバイルコンピューティング装置の複数の位置を判定することは、検出されたマーカパターンの重心を検出することを含む。
【0030】
一つ又は複数の実施形態において、計算処理システムが実行する方法は、処理ユニットが、判定されたモバイルコンピューティング装置の複数の位置をモバイルコンピューティング装置の移動経路として設定することを更に含む。
【0031】
本明細書に記載の実施形態の別の態様によれば、プログラムが提供される。このプログラムは、ユーザに保持されマーカパターンを表示するモバイルコンピューティング装置の複数の画像をカメラを用いて取得し、取得された複数の画像内のマーカパターンを処理ユニットを用いて検出し、取得された複数の画像内の検出されたマーカパターンに基づいてモバイルコンピューティング装置の複数の位置を処理ユニットを用いて判定し、モバイルコンピューティング装置の判定された複数の位置に基づいてユーザイベントを処理することを含む方法をコンピュータに実行させる。
【0032】
本明細書に記載の実施形態の更に別の態様によれば、処理ユニットとカメラと命令セットを格納するメモリとを備える計算処理システムが提供される。この命令セットは、ユーザに保持されてマーカパターンを表示するモバイルコンピューティング装置の複数の画像をカメラを用いて取得し、取得された複数の画像内のマーカパターンを処理ユニットを用いて検出し、取得された複数の画像内の検出されたマーカパターンに基づいてモバイルコンピューティング装置の複数の位置を処理ユニットを用いて判定し、モバイルコンピューティング装置の判定された複数の位置に基づいてユーザイベントを処理する、ことを処理ユニットに実行させるための命令を含む。
【0033】
本発明に関するその他の態様は、以下の説明で部分的に説明され、また説明から部分的に明白であり、又は本発明の実行により習得することができる。本発明の態様は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲において特に指摘される要素、及び種々の要素と態様との組合せによって実現及び達成することができる。
【0034】
上記及び以下の記述はいずれも単に例示及び説明を目的とするものであり、特許請求の範囲に記載の発明もしくはその適用をいかなる形であれ限定することは全く意図していないことを理解されたい。
【0035】
本明細書に組み込まれ本明細書の一部をなす添付図面は、本発明の実施形態を例示し、説明と相俟って本発明技術の原理の説明及び例示に供する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】入力装置としてスマートフォンを利用するプロジェクタ−カメラシステムに対する微細なインタラクションを可能とするシステムの例示的一実施形態を示す図である。
図2】入力装置としてスマートフォンを利用するディスプレイ−カメラシステムに対する微細なインタラクションを可能とするシステムの代替実施形態を示す図である。
図3】プロジェクタ又は電子ディスプレイを用いてユーザに表示されたキャンバスウィジット上に描画されたスライド画像に対して注釈を付加するための、図1又は図2のシステムの適用例を示す図である。
図4】プロジェクタ又は電子ディスプレイを用いてユーザに表示されたキャンバスウィジェットで構築されたホワイトボードアプリケーションへインクストロークを付加するための、図1又は図2のシステムの適用例を示す図である。
図5】(a)は、入力装置(スマートフォン)のディスプレイユニット上に表示されたウェブベースのグラフィカルユーザインターフェイスの例示的実施形態を示す図であり、例えば図3、4に示すような注釈をするためのペンの色及びストロークのサイズをユーザに選択させるアイコンのパレットを表している。(b)は、太い赤のストロークに対応するチェス盤マーカパターンを示す図である。(c)は、細い黒のストロークに対応するチェス盤マーカパターンを示す図である。
図6】キャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェットの例示的実施形態を示す図である。
図7】較正モードにおけるキャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェットの例示的実施形態を示す図である。
図8】入力装置としてスマートフォンを利用するプロジェクタ−カメラシステム又はディスプレイ−カメラシステムに対する微細なインタラクションを可能とするシステムの操作手順の例示的一実施形態を示す図である。
図9】チェス盤マーカパターンの色を決定するための操作手順の例示的一実施形態を示す図である。
図10】(a)は、第1(例えば、オン)の状態のチェス盤マーカパターンを示す図である。(b)は、第2(例えば、オフ)の状態のチェス盤マーカパターンを示す図である。
図11】(a)は、英語及びその他のいずれかのヨーロッパ言語用のニブペン先の使用を示す図である。(b)は、中国語及びその他のアジア言語用のブラシペン先の使用を示す図である。
図12】ドローイングとペインティングのために入力装置としてスマートフォンを利用する微細なユーザインタラクションを可能とする前述のシステムを利用して作製した絵の例示的一実施形態を示す図である。
図13】プロジェクタ−カメラシステム又はディスプレイ−カメラシステムに対する微細なユーザインタラクションを可能とするシステムとの関連で、ユーザ入力装置として使用されるモバイルコンピューティング装置の例示的一実施形態を示す図である。
図14】プロジェクタ−カメラシステム又はディスプレイ−カメラシステムに関連して入力装置(スマートフォン)による微細なユーザインタラクションを促進するコンピュータサーバシステムの例示的一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下の詳細な記述においては添付図面を参照する。ここで、同一の機能的要素は同様の参照番号で示される。前述の添付図面は、本発明の原理に整合する特定の実施形態および実装を例示するものであり、それに限定するためのものではない。これらの実装形態は、当業者による本発明の実行を可能とすべく詳細に記述される。また、他の実装も利用可能であること、及び本発明の範囲及び精神から逸脱することなく様々な要素の構造上の変更及び/又は代替が行われてもよいことを理解されたい。従って、以下の詳細な記述は本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。さらに、説明される本発明の様々な実施形態は、汎用コンピュータ上で実行されるソフトウェア、専用ハードウェア、あるいはソフトウェアとハードウェアの組合せ、のいずれの形態において実施されてもよい。
【0038】
本明細書に記載の実施形態の一態様によれば、任意のスマートフォンをマウスすなわちパック型入力装置として使用して、プロジェクタ−カメラシステム又はディスプレイ−カメラシステムに対する微細なインタラクションを可能とするシステム、方法及びプログラムが提供される。スマートフォンは広く利用されているユビキタスなものであるので、特定のハードウェアの使用を必要としない。したがって特定のハードウェアを公共の場において間違って配置するという問題はなくなる。一つ又は複数の実施形態において、スマートフォンのトラッキングを可能とするために、システムはスマートフォンのディスプレイを利用してチェス盤マーカパターンを表示させる。一実施形態において、このチェス盤マーカパターンはスマートフォンのウェブブラウザを利用して表示され、ウェブアプリケーションの制御によって操作することができる。代替実施形態においては、このマーカパターンはスマートフォンの本来のモバイルアプリケーションを利用して表示される。
【0039】
一実施形態において、会議室又は他の公共の場に配置されて、コンピュータプラットフォーム上で実行される画像解析ソフトウェアに関連して動作するカメラが、スマートフォン上に表示されたチェス盤マーカパターンをトラッキングする。一つ又は複数の実施形態において、チェス盤マーカパターンは静止しているが、ユーザがインタラクション中にその特性を変化させることができるという点で、このトラッキングは半受動的である。当業者には理解されるように、こうすることでシステムの設計及び展開が単純化される。表示されたチェス盤マーカパターンを使用することにより、記述されたシステムの一実施形態は、OpenCV(非特許文献7)や、より最近開発された、例えば非特許文献8に記載のアルゴリズムなどの、標準的で最新の画像パターン検出アルゴリズムを活用することが可能となる。さらには一実施形態によれば、検出が容易なマーカパターンに基づく2状態視覚マーカが提供される。スライド画像への注釈やホワイトボードキャンバスへの書き込みなどのアプリケーションにおいて、色とグリッドサイズの異なるチェス盤マーカパターンを利用して、異なるペン幅と色が示される(また、ユーザフィードバックが提供される)。記載システムの一実施形態のより先進的な制御能力は、カリグラフィのアプリケーションに使用することで明らかとなる。
【0040】
図1は、入力装置としてスマートフォンを利用するプロジェクタ−カメラシステムに対する微細なインタラクションを可能とするシステム100の例示的一実施形態を示す図である。当業者には理解されるように、図示したシステム100には柔軟な適応性があり、ハードウェアとソフトウェアの異なる構成に対しても動作可能である。図1において、システム100には、特にプロジェクタ101、カメラ105並びに入力装置として使用されるスマートフォン104が含まれている。一つ又は複数の実施形態において、プロジェクタ101、カメラ105及びスマートフォン104は、当業者には周知の、市販品として容易に入手可能な既製品であってよい。
【0041】
一つ又は複数の実施形態においてプロジェクタ101は、プロジェクタ101の視野102内にある、プロジェクタスクリーンや机の上、壁などの投影面103上にユーザインターフェイスを投影するように配置される。投影されるユーザインターフェイスは次にカメラ105によってモニタされて、投影面103の前に置かれた入力装置(スマートフォン)104の検出とトラッキングが行われてユーザインタラクションを可能とする(図1参照)。一実施形態においてカメラ105はプロジェクタ101に隣接して配置される。一つ又は複数の実施形態において、前述のユーザインターフェイスを含むコンテンツ112をプロジェクタ101に供給し、投影面103上に表示させるために、サーバ106が備えられてもよい。そのために、サーバ106と通信可能に連結され、後続の読み出しと表示のためにコンテンツを格納するコンテンツストレージ107がシステム100に含まれていてもよい。
【0042】
一つ又は複数の実施形態において、その同じサーバ106あるいは別のサーバ(図示せず)がカメラ105から画像データ110を受信し、それを処理して入力装置(スマートフォン)104の位置をトラッキングする。カメラ105によるトラッキングを容易にするために、入力装置(スマートフォン)104は、マーカパターンであってもよいパターン111をそのスクリーン上に表示するようになっている。一つ又は複数の実施形態において、チェス盤マーカパターン111は入力装置(スマートフォン)104上で実行されるウェブブラウザ・アプリケーションによって表示され、当業者には周知のHTTPプロトコルを介する適切なユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)を利用して、同じウェブサーバ106により提供される。当業者には理解されるように、ユーザはマーカパターンのあるディスプレイがカメラ105の視野から遮られないようにスマートフォン104を保持する必要がある。
【0043】
以下の説明においては例示的な入力装置104としてスマートフォンを使用するが、本明細書で説明する本発明の概念はそれに限られるものではなく、スマートフォンの代わりにディスプレイスクリーンを有する他の任意の好適な装置を利用してユーザインタラクションを可能とすることができることを理解されたい。さらに、入力装置104上に表示される上記のチェス盤マーカパターンは、入力装置トラッキングのために利用可能な好適なマーカパターンの単なる一例であり、本発明の範囲と精神から乖離することなしに図1に示すシステム100に関連して他の多くの好適なマーカパターンが利用可能である。
【0044】
図2は入力装置としてスマートフォンを利用するディスプレイ−カメラシステムに対する微細なインタラクションを可能とするシステム200の代替実施形態を示す。図2に示すように、プロジェクタ101と投影面103が、サーバ106に通信可能に接続された、1つの電子ディスプレイ201に置き換えられている。様々な実施形態において、電子ディスプレイ201はサーバ106からコンテンツ202を受信して、読み出されたコンテンツを含むユーザインターフェイスを表示するようになっている。さまざまな実施形態において、ディスプレイ201は液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイあるいは当業者に周知のその他の任意の種類の視覚ディスプレイであってよい。したがって、本発明はいかなる特定の種類のディスプレイにも限定されない。図2に示すシステム200のその他の要素は、図1に示すシステム100の対応する要素と実質的に同じように動作する。
【0045】
一つ又は複数の実施形態において、図1のシステム100又は図2のシステム200は、図3に関連して図示されているようなスライド画像への注釈に使用される。このために、図3に示すキャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェット300を利用して、スライド画像(図3においては家の間取図)などの表示された画像301の上にインクストロークを描画する。一つ又は複数の実施形態において、キャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェット300は、カメラ視野内の位置を判定するための自動較正を促進するように構成されている。ウィジェットの位置を自動又は手動で特定することが可能でさえあれば、上記のシステム100と200に関連する他のグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)ツールキットからキャンバスウィジェットを統合することも可能であることに留意されたい。
【0046】
図3に示すように、チェス盤マーカパターン111が表示された入力装置(スマートフォン)104が、画像301の上に注釈302を追加するのに利用される。このために、ユーザは画像301上で入力装置(スマートフォン)104を動かして、意図した注釈をトラッキングする。一つ又は複数の実施形態において、得られる注釈302は入力装置(スマートフォン)104の位置に対してずれて配置される。一例においては、注釈を生成する描画ツールのカーソルが入力装置(スマートフォン)104の実質的に左上コーナか右上コーナに配置される。
【0047】
図4は、プロジェクタ101又は電子ディスプレイ201を用いてユーザに表示された、キャンバスウィジット400で構築されたホワイトボードアプリケーションへ注釈401を付加するための、図1のシステム100又は図2のシステム200の適用例を示す。図3のように、ユーザはチェス盤マーカパターン111が表示された入力装置(スマートフォン)104をホワイトボードキャンバスウィジェット400上で移動させて、意図する注釈401をホワイトボードキャンバスウィジェット400上に描く。カメラ105が入力装置(スマートフォン)104の静止画像または動画像を取得し、それが入力装置(スマートフォン)104の位置のトラッキングに利用される。図3及び図4に示した利用法は例でしかなく、図1に示すシステム100又は図2に示すシステム200のその他の多くのアプリケーションが、本発明の範囲から乖離することなく可能であることに留意されたい。したがって、図示した例は限定的な意味に解釈されるべきではない。
【0048】
当業者には理解されるように、入力装置(スマートフォン)104上でアプリケーションを実行して、前述のチェス盤マーカパターンをカメラ105で検出されるように表示する方法は複数ある。一実施形態において、一つ又は複数のチェス盤マーカパターン画像が入力装置(スマートフォン)104のメモリへ電子的に転写され、入力装置(スマートフォン)104のオペレーティングシステムの標準画像ビューアを活用して、ディスプレイ装置上にチェス盤マーカパターン画像が選択、表示される。この手法の欠点の一つは、複数の所望のチェス盤画像の間のナビゲーションがユーザにとって少し扱いにくいことであろう。
【0049】
別の実施形態において、チェス盤マーカパターンは入力装置(スマートフォン)104上で実行されるウェブブラウザのアプリケーションによって生成される、ウェブベースのユーザインターフェイスを用いて表示される。当業者には理解されるように、そのようなウェブベースのユーザインターフェイスはウェブブラウザのアプリケーションを有する任意の種類のモバイル・オペレーティングシステム上で動作する。それらには、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Windows(登録商標) Mobileなどがあるが、これに限られるものではない。最後に、更に別の実施形態において、チェス盤マーカパターンは入力装置(スマートフォン)104上で実行されるネイティブモバイルアプリケーションを用いて表示される。当業者には理解されるように、この実施形態はユーザにとって最も充実したインタラクション能力を提供する。ただし、ユーザがスマートフォンにアプリケーションをインストールする必要がある。
【0050】
図5(a)は、入力装置(スマートフォン)104のディスプレイユニット上に表示されたウェブベースのグラフィカルユーザインターフェイスの例示的実施形態を示す図であり、例えば図3及び図4に示すような注釈をするためのペンの色及びストロークのサイズをユーザに選択させるアイコンのパレットを表している。図5(a)に示すように、ユーザに対して表示されたパレットには、ストロークサイズと色の異なる4つのパレットアイコン501、502、503、504が含まれている。図示した実施形態においては、アイコン501、503が大きなサイズのストロークに対応し、ブラシ502、504が小さなサイズのストロークに対応する。ブラシ501、502は1つの色(例えば、赤)であって、ブラシ503、504は違う色(例えば、黒)であってもよい。ユーザは表示されたパレットの対応するパレットアイコン501、502、503、504に触ることによって注釈用の所望のストロークサイズと色を選択することができる。
【0051】
一つ又は複数の実施形態において図5(a)に示すグラフィカルユーザインターフェイスは、入力装置(スマートフォン)104上で実行されるウェブブラウザを用いて、当業者には周知のHTTPプロトコルを介してアクセスされるウェブページとして実装される。一つ又は複数の実施形態において、上記のウェブページは当業者には周知のHTMLマークアップ言語によって実装されて、図1及び図2に示すサーバ106によって提供されていてもよい。そのために、サーバ106はウェブサーバ部品を組み込んでいてもよい。この実装においては、対応するユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)を利用して4つのアイコン501、502、503、504が、各ブラシに対応するチェス盤マーカパターンを含むウェブページへリンクされている。
【0052】
一つ又は複数の実施形態において、図5(a)に示したユーザインターフェイスパレットから特定のパレットアイコン501、502、503、504をユーザが選択すると、入力装置(スマートフォン)104上で実行しているブラウザは、対応するチェス盤マーカパターンのウェブページへの対応するURLに従う。この時点において、カメラ105がその視野内にチェス盤マーカパターンがあることを検出し、現下の注釈の開始を表す注釈開始イベントを起動させる。このイベントが起きると、入力装置(スマートフォン)104の左上コーナの近くのキャンバス上にカーソルが配置されて表示される。別の実施形態において、左利きのユーザ用にカーソルが右上コーナの近くに配置されてもよい。
【0053】
ユーザがキャンバス上で入力装置(スマートフォン)104を動かすと、チェス盤マーカパターンがカメラ105を利用してトラッキングされて、移動イベントが起動される。一つ又は複数の実施形態において、ユーザが表示されたチェス盤マーカパターンをタッピングするとブラウザが図5(a)に示すパレットページに戻る。そしてシステムが今行っている注釈の完了を意味する、注釈終了イベントを起動させる。カメラ105が検出する入力装置(スマートフォン)104の位置は、注釈している間連続的に記録され、記憶装置に格納される。例示的一実施形態において、上記のウェブベースのユーザインターフェイスアプリケーションは、当業者には周知のルビーオンレイルズ(Ruby on Rails)フレームワークと静的ウェブページとで構築される。
【0054】
一つ又は複数の実施形態において、図5(a)に示す各パレットアイコン501、502、503、504に対して対応するチェス盤マーカパターンがアイテムの性質を視覚的に示す。例えば、赤いペンの色は赤いチェス盤マーカパターンで表され、細いストローク幅はより小さい正方形のあるより大きなグリッドサイズのチェス盤で表される。チェス盤マーカパターンのこれらの視覚特性はシステムによって認識され、ユーザへのフィードバックも提供される。例えば、図5(b)は、図5(a)のアイコン501で表される太く赤いストロークに対応する、チェス盤マーカパターン505を示す。図に示した実施形態において、チェス盤マーカパターン505はチェス盤のように配列された大きな赤い正方形から成る。他方、図5(c)のチェス盤マーカパターン506はチェス盤のように配列された小さな黒い正方形から成る。このマーカパターンは、図5(a)のアイコン504によって表される、細く黒いストロークに対応する。
【0055】
図6はキャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェット600の例示的実施形態を示す図である。一つ又は複数の実施形態において、キャンバスウィジェット600はC++で実装され、当業者には周知のQt(キュート)アプリケーションフレームワークで動作する。様々な実施形態において、キャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェット600は注釈のための画像を表示することができ(図3の画像300を参照)、あるいは、ホワイトボードとして利用するための空白の背景を表示することができる(図4参照)。
【0056】
一つ又は複数の実施形態において、キャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェット600には較正モードがある。このモードでは図7に示すように外見が変化して、カメラ視野内での位置が検出できるようになっている。具体的には、上記の較正モードにおけるキャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェット700の縁701の色が、“通常”のキャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェット600に比較して変化する。こうすることで、上記の縁701の位置をカメラ105で簡単に検出することができる。上記のキャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェット600の縁の、縁位置が判定されると、画像(カメラ)座標と、キャンバス・グラフィカルユーザインターフェイス・ウィジェット600の座標との間のマッピングが行われる。キャンバスウィジェットの縁の色だけを変えることがキャンバスウィジェット全体の色を変えることよりもうまくいくことが理解されるであろう。それは、自動的な輝度と色調調整がオンされている場合において、カメラ105によりキャプチャされる画像への影響が小さいからである。一つ又は複数の実施形態において、ウィジェット較正は自動的に遂行することができ、較正データは後で再利用するためにデータストレージに保存することができる。
【0057】
一つ又は複数の実施形態において、カメラ105の視野内に置かれ、カメラ105によって検出される標準のチェス盤マーカパターンが、カメラの較正の目的で利用される。チェス盤マーカパターンの検出アルゴリズムの堅牢な実装は、例えば当業者には周知のOpenCVコンピュータビジョンライブラリの中から入手できる。その他の最新のチェス盤マーカパターンアルゴリズムが最近開発され、特許文献8に記載されている。
【0058】
図8は、入力装置としてスマートフォンを利用するプロジェクタ−カメラシステム又はディスプレイ−カメラシステムに対する微細なインタラクションを可能とするシステムの操作手順の例示的一実施形態を示す。一般的に操作手順800では、カメラ105で取得された動画フレームが処理され、アクションイベントが生成される。大部分のカメラに関しては、フレーム速度を最大30fpsまで上げることができる。新しい動画フレームは、ステップ801で取得もしくは他の方法で得られる。取得した各動画フレームに対して前述のOpenCVなどのチェス盤検出機能がステップ802で実行される。ステップ803において、特定の取得した動画フレームにおいてチェス盤マーカパターンがうまく検出されたかどうかが判定される。検出されない場合には、プロセスは新たな動画フレームを取得して(ステップ801)、プロセス自体を繰り返す。
【0059】
取得した動画フレームでチェス盤マーカパターンがうまく検出された場合には、システムは検出されたチェス盤マーカパターンの内部頂点のリストを生成する(ステップ804)。整列したリストの中央の1点または2点を見ることで重心が簡単に計算される(ステップ805)。検出された重心を用いて、入力装置(スマートフォン)104の運動の経路がマーク(設定)される(ステップ806)。経路の座標は、その後、ウィジェット較正データに基づいてカメラ画像座標からキャンバスウィジェット座標に変換される(ステップ807)。その後、検出された経路及びストロークサイズと色とに基づいて、インクストロークがキャンバス上に描画される(ステップ808)。プロセス800はステップ801で新規の動画フレームを取得して繰り返される(図8参照)。
【0060】
一つ又は複数の実施形態において、前述のカーソルが入力装置(スマートフォン)104上に表示されたチェス盤マーカパターンの重心からずれて配置されて、カーソルが入力装置で遮られないようにする。図3、4に示した実施形態において、カーソルは入力装置(スマートフォン)104の本体の左上コーナに配置される。別の実施形態においては左利きの人向けに、カーソルが右上コーナの近くに配置される。更に別の実施形態では、入力装置(スマートフォン)104のディスプレイユニットの一部を使って、入力装置で遮られたキャンバスの部分を動的に表示したり、入力装置(スマートフォン)104のカメラユニットにより取得されたリアルタイム動画を表示したりする。このようにして、ユーザが入力装置(スマートフォン)104の本体を「透過して」見ることが可能であってもよい。
【0061】
一つ又は複数の実施形態において、表示されたチェス盤マーカパターンのグリッドサイズを検出するために、ターゲットグリッドサイズをチェス盤検出アルゴリズムの入力(出力ではない)パラメータとして使用する。表示されるチェス盤マーカパターンの可能なサイズの組が前以ってわかっているので、システムは取得したカメラ画像をこれらの既知のサイズに対してチェックして、一致するサイズを判定する。一致したサイズが次にチェス盤マーカパターンのサイズとして使用される。一つ又は複数の実施形態において、チェス盤マーカパターンの色に関して同様な操作が実行されてもよい。
【0062】
図9は、チェス盤マーカパターンの色を判定するための操作手順900の例示的一実施形態を示す図である。一つ又は複数の実施形態において、チェス盤マーカパターンの色を判定するためにシステムは、まず検出されたチェス盤マーカパターンの内部頂点のリストを生成する(ステップ901)。次に、システムはチェス盤マーカパターンの整列したリストの中央から2つのポイント{P,Q}を取る(ステップ902)。ステップ903において、2つの頂点{P,Q}を共有する、2つの隣接するチェス盤正方形の中心の2つの点{C1,C2}の近似的な位置をシステムが計算する。C1とC2はチェス盤パターン内の隣接する正方形の内部にあるので、そのうちの1つは白ではなくて、その色がステップ904で判定されるチェス盤の色である。一つ又は複数の実施形態においては、チェス盤マーカパターンの他の特性の検出ないしは評価をすることができる。それには、入力装置(スマートフォン)104の姿勢や表面からの高さなどが含まれるが、これに限定されるものではない。これらの判定されたパラメータは、注釈のストローク幅のような入力特性の制御にも利用することができる。
【0063】
一つ又は複数の実施形態において、特定のアプリケーションに対しては、オンとオフのような2つの状態を示すための2つの変形を有する、チェス盤パターンに基づく視覚的なマーカがあることが望ましい。オン状態とオフ状態の例は、注釈プロセス時におけるペンアップとペンダウンの状態である。例えば、図5(a)、5(b)、5(c)に関連する上記のユーザインターフェイスの実施形態において、ユーザがチェス盤マーカパターンをタップしたときに図5(a)のパレットに戻るのではなく、良好な代替法として、ユーザがチェス盤マーカをタップしたときに、表示されたチェス盤マーカパターンのオンとオフが切り替わる。一実施形態においては、表示されたチェス盤マーカ(図5(b)又は5(c))から図5(a)のパレットへ移るためにスワイプするジェスチャが利用される。こうしてペンアップ状態とペンダウン状態があれば、ユーザはパレットからペンを再度選択しなおすことをしなくても選択したペンで作業を継続することが可能となる。
【0064】
表示されたチェス盤マーカはユーザへのフィードバックも与えるので、2状態の視覚マーカのオンパターンとオフパターンの両方とも類似の視覚上の外観を持ち、かつ状態が視覚的に示されるべきである。したがって一実施形態において、オフ状態に対して、チェス盤マーカパターンの正方形の中央に丸い穴が配置されている。そのようなチェス盤マーカパターンの実施形態が、図10(a)、(b)に関連して図示されている。具体的には、図10(a)は第1(例えば、オン)の状態のチェス盤マーカパターンを示している。この図に示すように正方形1001は全体が色で埋められている。他方、図10(b)は第2(例えば、オフ)の状態のチェス盤マーカパターンを示している。このパターンでは、正方形1002の中央に白く丸い穴1003がある。当業者には理解されるように、図10(a)、10(b)に示すチェス盤マーカパターンは例示のためだけのものであり、本明細書で記述する本発明の概念から乖離することなく、異なる状態に対するチェス盤マーカパターンの多くの更なる変形があり得る。
【0065】
上記のチェス盤マーカパターンの設計例は、チェス盤マーカパターンの検出には影響を与えないことに留意されたい。それは、検出アルゴリズムはパターンの正方形のコーナを探し、これらの正方形の中央にある円には影響されないからである。例えば、前述のOpenCV検出アルゴリズムは、正方形の中央に穴があるチェス盤パターンの検出が可能であることが確認された。一つ又は複数の実施形態において、検出されたチェス盤マーカパターンが穴を持っているかどうかを効率的に判定するために、前述したチェス盤の色を判定するのと類似の方法が適用される。すなわち、隣接する正方形の中心C1とC2が両者ともに白い場合には、チェス盤マーカパターンは穴を持っている。
【0066】
例示的一実施形態において、上記の手法がカリグラフィに適用される。カリグラフィはコンピュータに実装されたペン描画の機能であり、Microsoft Paint(非特許文献9)、Microsoft Fresh Paint(非特許文献10)やその他のオープンソースであるInkscape(非特許文献11)などのアプリケーションソフトにみられる。典型的には、アプリケーションは、ニブやブラシの効果を模倣するために、様々な種類のペン先を提供する。いくつかの人気のあるペンデジタイザは、圧力と傾斜を検出することができ、その圧力をブラシ先端のストローク幅の制御に利用することができる。
【0067】
当業者には理解されるように、物理的材料で作られた実際のペンでは、ペン先端の種類は異なる因子の影響を受ける。ニブのペン先の場合は、先端の角度に対するストロークの角度が、ストローク幅を決定する主な因子である。ペン先がブラシである場合には、ストロークの角度はストローク幅にあまり影響しない。ブラシが柔らかい毛でできている場合には、ブラシにかかる下向きの圧力がストローク幅を決定する主な因子である。他方、硬い材料(金属であることが多い)でできているニブの場合、ストローク幅は圧力の影響をほとんど受けない。ペンの傾斜がストローク幅には少し影響し得るが、それもわずかである。
【0068】
タブレットディスプレイ上で圧力に敏感なスタイラスを使用する場合、圧力とブラシのストローク幅とをうまく対応させることはできない。それは圧力範囲を変化させることが難しいからである。例えば業界でよく知られてマイクロソフト社から市販されている、Microsoft Surface Proタブレット(非特許文献12)のスタイラス(これはワコム社の技術を使用している、非特許文献13)では、ペンの先端はごくわずか(1mm未満)しか後退しないので、圧縮性の毛でできた本物のブラシとはユーザの使用感が随分違う。具体的には本物のブラシでは、より大きく上下に移動する距離により、より大きなフィードバックを指に感じることができる。
【0069】
ストローク幅を制御する別の方法は、圧力感度を持たない場合も含めて、スタイラスで書き込むときに、一対(例えば左右)の矢印キーを同時に使用することである。例えば、当業者に周知の前記Inkscapeアプリケーションはこの方法をサポートしている。ただしこの手法は、片方の手でスタイラスを使って書き込み、もう一方の手で矢印キーを使ってストローク幅を制御するというように、両手を使うことが必要であり、この調子を合わせることが多くのユーザにとって大変難しい。
【0070】
一つ又は複数の実施形態において、ユーザが入力装置(スマートフォン)104を利用してカリグラフィを遂行できるようにするために、複数のタイプのペン先が作製された。すなわちボールペン、ニブ、及びブラシである。デフォルトはボールペンチップであり、これは単純なストロークで、例えば図3、4に示すようにストローク幅が一定となる。入力装置(スマートフォン)104をブラシチップモードで使用する場合、カメラ105で取得したフレームを利用して入力装置(スマートフォン)104の回転が判定される。判定された回転を利用して、次にストローク幅を制御する。テストの結果、上記のFresh PaintやInkscapeアプリケーションを用いてSurface Proタブレットの上に圧力感応スタイラスを使用する場合よりも、特に漢字を書く場合にこの方法がより良好な結果をもたらすことが分かった(図11(a)、(b)参照)。
【0071】
一つ又は複数の実施形態において入力装置(スマートフォン)104をニブペン先モードでカリグラフィに使用する場合、入力装置(スマートフォン)104の検出された回転を利用してストローク幅を制御することに加えて、検出されたストローク角もまた利用される。一実施形態においてストローク角と装置(スマートフォン)104の回転角との差が計算されてストローク幅が判定される。極端な場合、ストローク角がパック(puck)に平行であるとすると(実際のニブペン先を思い起こされたい)、ストローク幅は最小であり、別の極端である垂直な場合には幅が最大となる。
【0072】
図11(a)、(b)は入力装置(スマートフォン)104を用いた上記のカリグラフィ技術の出力例を示す。具体的には、図11(a)は英語及びその他の特定のヨーロッパ言語に対するニブペン先の使用を示すものであり、他方、図11(b)は中国語及びその他のアジア言語に対するブラシペン先の使用を示すものである。ストロークは平滑化されていない。ここに示したカリグラフィ効果は、スタイラスの回転を検出可能な非常に特殊なシステムでない限り、タブレットコンピュータでは実現できない。このように、入力装置(スマートフォン)104を含む上記のシステムを使用することで、圧力を検出可能なタブレット上で普通のスタイラスを使用する場合よりもより良好なカリグラフィ効果を生成することができる。一実施形態においてストロークの外観を改良するために、ストロークを平滑化しかつ美化させるための自動的改良が行われる。
【0073】
当業者には理解されるように、ドローイングとペインティングをボールペン又はブラシチップで行うことが可能である。一つ又は複数の実施形態において、ペインティングをするために、入力装置としてスマートフォンを利用して微細なユーザインタラクションを可能とする上記のシステムが、例えば図5(a)に示すようなパレットにユーザがもっと多くの色を追加することができるように変更される。別の実施形態においては、色はパレット内に前以って設定されている。ドローイングとペインティングのための入力装置(スマートフォン)104を含む上記のシステムを使って生成された絵の一例が図12に示されている。
【0074】
一つ又は複数の実施形態において、遮蔽及び照明の問題を緩和するために、カメラ位置の改善と、カメラの輝度及びホワイトバランスの制御が行われる。さらに、カメラ105の解像度を向上させることで、チェス盤マーカのサイズを低減できる。一つ又は複数の実施形態において、スマートフォンを入力装置として利用して微細なユーザインタラクションを可能とする上記のシステムが、複数のユーザをサポートするように構成される。
【0075】
図13は、図1図2にそれぞれ示した微細なユーザインタラクションを可能とするシステム100又は200との関連で、ユーザ入力装置104として使用されるモバイルコンピューティング装置の例示的一実施形態を示す図である。一つ又は複数の実施形態において、モバイルコンピューティング装置104は、すべて商業的に広く入手可能であり当業者によく知られているスマートフォンやパーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレットコンピュータ、スマートウォッチなどのモバイルコンピューティング装置のフォームファクタに収まるように実装されてもよい。
【0076】
モバイルコンピューティング装置104には、モバイルコンピューティング装置104の様々なハードウェア部品の全体に亘り、又は部品同士の間で情報を交換するための、データバス1304またはそのほかの相互接続や通信機構と、そのデータバス1304に連結されて情報の処理し、その他の計算や制御タスクを実行するための処理ユニット(CPUまたは単にプロセッサ)1301とが含まれていてよい。またモバイルコンピューティング装置104には、データバス1304に連結されて様々な情報やプロセッサ1301で実行される命令を格納するための、ランダムアクセスメモリ(RAM)や他の動的記憶装置などのメモリ1312も含まれる。メモリ1312にはまた、磁気ディスク、光学ディスク、固体フラッシュメモリ装置や、その他の不揮発性固体記憶装置などの、持続性記憶装置が含まれてもよい。
【0077】
一つ又は複数の実施形態において、メモリ1312は、プロセッサ1301によって命令を実行しているときに、一時的な変数やその他の中間情報を格納するために利用されてもよい。任意選択により、モバイルコンピューティング装置104には更に、データバス1304に連結された読み出し専用メモリ(ROMまたはEPROM)1302やその他の静的記憶装置が含まれていて、モバイルコンピューティング装置104の動作に必要なファームウェアや基本入出力システム(BIOS)、またモバイルコンピューティング装置104の様々な設定パラメータなどの、プロセッサ1301のための静的な情報や命令が格納されてもよい。
【0078】
一つ又は複数の実施形態においてモバイルコンピューティング装置104にはディスプレイ装置1309が組み込まれていてもよい。これはまたデータバス1304に連結されて、モバイルコンピューティング装置104のユーザへの様々な情報を表示してもよい。代替の実施形態において、ディスプレイ装置1309はグラフィックコントローラ及び/又はグラフィックプロセッサ(図示せず)に関連付けられていてもよい。ディスプレイ装置1309は、いずれも当業者にはよく知られている、例えば薄膜トランジスタ(TFT)技術を利用して製造される液晶ディスプレイ(LCD)や、有機発光ダイオード(OLED)技術として実装されていてもよい。様々な実施形態において、ディスプレイ装置1309はモバイルコンピューティング装置104の他の部品とともに、同一の全体筐体の中に組み込まれてもよい。代替実施形態において、ディスプレイ装置1309はそのような筐体の外側に配置されてもよい。
【0079】
一つ又は複数の実施形態において、モバイルコンピューティング装置104には更に音声再生装置1325が組み込まれていてもよい。これはデータバス1304に接続され、様々な音声ファイルやストリーム、例えば当業者には周知の、MPEG−3ファイル、MPEG−4ファイルのような様々な動画ファイルの音声トラックなどを再生するように構成されている。そのために、モバイルコンピューティング装置104には波形または音声プロセッサあるいは類似の装置(表示せず)が含まれていてもよい。上記の特定の実施形態においては、音声再生装置1325がテレビ会議のライブの音声ストリームをユーザに対して再生するように構成されている。
【0080】
一つ又は複数の実施形態において、モバイルコンピューティング装置104には、触覚コマンドを受信するためのタッチスクリーン・インターフェイス1310や、様々な物体の静止画像並びに動画を取得するためのカメラ1311や、キーボード1306などの、一つ又は複数の入力装置が含まれていてもよい。これらはすべて前述のデータバス1304に連結されていて、これに限定されるものではないが、画像や動画、並びにユーザのコマンド選択を含む情報をプロセッサ1301へ通信してもよい。代替実施形態において、入力装置にはユーザの目の動きをトラッキングするシステム(図示せず)が含まれてもよい。これはユーザのコマンド選択をモバイルコンピューティング装置104に示すために使われてもよい。
【0081】
一つ又は複数の実施形態において、モバイルコンピューティング装置104は更に位置及び配向モジュール1303を含んでもよい。これは地理上の現在位置、空間配向並びにモバイルコンピューティング装置104の加速度に関するデータをデータバス1304を経由してプロセッサ1301へ供給するようになっている。地理上の位置情報は、例えば全地球測位システム(GPS)技術、及び/又は近隣の携帯電話基地局やWIFIホットスポットなどからの情報を用いるその他の測位技術を利用して、位置モジュール1303によって取得されてもよい。加速度データは、位置及び配向モジュール1303に組み込まれた一つ又は複数の加速度計によって供給される。最後に、配向に関する情報が、重力を含む3軸すべてにおける加速度計測を利用して取得されてもよい。一つ又は複数の実施形態において、位置及び配向モジュール1303によって提供される位置、配向、及び加速度のメタデータは連続的に記録されて、データストレージユニット1321内に格納される。
【0082】
一つ又は複数の実施形態において、モバイルコンピューティング装置104は更にデータバス1304に連結されたネットワークインターフェイス1305などの通信インターフェイスを追加的に含んでもよい。ネットワークインターフェイス1305は、WIFIインターフェイス1307とセルラーネットワーク(GSM(登録商標)またはCDMA)アダプタ1308の少なくとも1つを利用して、モバイルコンピューティング装置104とインターネット1324との間の接続を確立するように構成されていてもよい。ネットワークインターフェイス1305はモバイルコンピューティング装置104とインターネット1324の間の双方向データ通信を可能とするようになっていてもよい。WIFIインターフェイス1307は、当業者には周知の、802.11a、802.11b、802.11g及び/又は802.11nプロトコル並びにBluetooth(登録商標)プロトコルに準拠して動作してよい。例示的実施形態において、WIFIインターフェイス1307、セルラーネットワーク(GSM(登録商標)またはCDMA)アダプタ1308は、様々な種類の情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気信号または電磁信号を送受信する。
【0083】
一つ又は複数の実施形態において、インターネット1324は典型的には、一つ又は複数のサブネットワークを介して他のネットワークリソースへデータ通信を提供する。こうして、モバイルコンピューティング装置104はインターネット1324上の任意の場所にある種々のネットワークリソース、例えばリモートメディアサーバ、ウェブサーバ、他のコンテンツサーバ並びに他のネットワークデータストレージリソースなどへのアクセスが可能となる。一つ又は複数の実施形態において、モバイルコンピューティング装置104は、ネットワークインターフェイス1305によってインターネット1324を含む様々なネットワークを通じて、メッセージやメディアや、アプリケーションプログラムコードを含むその他のデータを送受信するように構成されている。インターネットの例では、モバイルコンピューティング装置104がネットワークのクライアントとして動作する場合に、モバイルコンピューティング装置104上で実行するアプリケーションプログラム用のコードやデータを要求してもよい。同様に、他のネットワークリソースへ様々なデータやコンピュータコードを送信してもよい。
【0084】
一つ又は複数の実施形態において、モバイルコンピューティング装置104はネットワークインターフェイス1305を利用して、HTTP要求などの要求をインターネット1324を介してサーバ106へ送信する。そしてそこから、前述したチェス盤マーカパターンを含む様々な情報を受信する。
【0085】
一つ又は複数の実施形態において本明細書で記述した機能は、メモリ1312内に保持される一つ又は複数の命令の一つ又は複数のシーケンスを実行するプロセッサ1301に応答してモバイルコンピューティング装置104によって実装される。そのような命令は、別のコンピュータ可読媒体からメモリ1312へ読み込まれてもよい。メモリ1312に保持された命令のシーケンスを実行することにより、プロセッサ1301に本明細書に記載の様々なプロセスステップを実行させる。代替の実施形態では、本発明の実施形態を実装するのに、ソフトウェアによる命令に代えて、あるいはソフトウェアによる命令と組み合わせて、配線による回路が使用されてもよい。従って本発明の実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェアのいかなる特定の組み合わせにも限定されるものではない。
【0086】
本明細書に記載の任意の方法及び/又は技術を実装するための命令またはプログラムは、コンピュータ可読媒体に保持されていてもよい。このような媒体は多様な形態を取ることができ、不揮発性媒体及び揮発性媒体が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0087】
非一時的なコンピュータ可読媒体の一般的形態には、例えばフロッピディスク(登録商標)、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、又は他の任意の磁気媒体、CD−ROM、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、その他の孔パターンを有する任意の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、フラッシュEPROM、フラッシュドライブ、メモリカード、その他の任意のメモリチップ又はメモリカートリッジ、あるいはコンピュータが読み出し可能な他の任意の媒体、が含まれる。様々な形態のコンピュータ可読媒体が、プロセッサ1301での実行のために、1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスの保持に関与し得る。例えば、最初は命令がリモートコンピュータから磁気ディスクで保持されてもよい。又は、リモートコンピュータが命令をダイナミックメモリに書込み、インターネット1324で命令を送信することもできる。具体的にはコンピュータ命令は、当分野で周知の様々なネットワークデータ通信プロトコルを利用して、インターフェイス1324を介して前述のリモートコンピュータからモバイルコンピューティング装置104のメモリ1312へダウンロードされてもよい。
【0088】
一つ又は複数の実施形態において、モバイルコンピューティング装置104のメモリ1312は、以下のソフトウェアプログラムやアプリケーション、モジュールの任意のものを格納してもよい。
【0089】
1.オペレーティングシステム(OS)1313。これは基本システムサービスを実装し、モバイルコンピューティング装置104の様々なハードウェア部品を管理するモバイルオペレーティングシステムであってもよい。オペレーティングシステム(OS)1313の例示的実施形態は当業者には周知であり、現在知られているか最新開発のモバイルオペレーティングシステムの任意のものを含んでよい。
【0090】
2.モバイルアプリケーション1314。これは、例えば、モバイルコンピューティング装置104のプロセッサ1301によって実行される一連のソフトウェアアプリケーションを含み、ディスプレイ装置1309上にチェス盤マーカパターンを表示させたりするような特定の所定機能をモバイルコンピューティング装置104に実行させてもよい。一つ又は複数の実施形態において、モバイルアプリケーション1314はウェブブラウザアプリケーション1315並びに以下で詳述する微細なユーザインタラクションアプリケーション1316を含んでよい。
【0091】
3.データストレージ1321。これは、例えばチェス盤マーカパターン1322を格納するために使用されてもよい。
【0092】
一つ又は複数の実施形態において、本発明の微細なユーザインタラクション・アプリケーション1316には、例えば図5(a)、5(b)、5(c)に示されるような本発明のグラフィカルユーザインターフェイスを生成するように構成された、グラフィカルユーザインターフェイス生成モジュール1317が含まれていてもよい。本発明の微細なユーザインタラクション・アプリケーション1316には、既に詳細を説明したストローク幅と色のユーザ選択やペンの移動などのような様々なユーザイベントを処理するための、ユーザイベント処理モジュール1318が更に含まれていてもよい。さらに、モバイルコンピューティング装置104とサーバ106との間の通信を容易にするためのウェブクライアントモジュール1319が含まれていてもよい。最後に一つ又は複数の実施形態において動画キャプチャモジュール1320が備えられていて、カメラ1311を使ってリアルタイムの動画をキャプチャし、そのキャプチャされたリアルタイム動画をディスプレイ装置1309上に表示して、ユーザがモバイルコンピューティング装置104の本体の「透過して」見ることができるようになっていてもよい。
【0093】
図14はプロジェクタ−カメラシステム又はディスプレイ−カメラシステムに関連する入力装置(スマートフォン)104により微細なユーザインタラクションを促進するコンピュータサーバシステム106の例示的一実施形態を示す図である。このサーバシステム106は上記の図1及び図2にも示されている。
【0094】
一つ又は複数の実施形態において、コンピュータサーバシステム106にはデータバス1404が含まれていてもよい。これは図13に示すモバイルコンピューティング装置104のデータバス1304と実質的に同じであって、実質的に同じ機能を果たしてもよい。様々な実施形態においてデータバス1404は、データバス1304と同一又は異なる相互接続及び/又は通信プロトコルを使用してもよい。コンピュータサーバシステム106の一つ又は複数のプロセッサ(CPU)1401、ネットワークアダプタ1405、EPROM/ファームウェアストレージ1402、ディスプレイ装置1409及びキーボード1406は、これらがサーバプラットフォーム構成として展開されていることを除けば、モバイルコンピューティング装置104のプロセッサ1301、ネットワークインターフェイス1305、EPROM/ファームウェアストレージ1302、ディスプレイ装置1309及びキーボード1306のそれぞれとまた実質的に同じであってよい。様々な実施形態において、一つ又は複数のプロセッサ1401はプロセッサ1301に比べれば実質的に大きな処理能力を持っていてもよい。
【0095】
入力装置1406(キーボード)の他にコンピュータサーバシステム106には、方向情報やコマンド選択をプロセッサ1401に通信し、またディスプレイ装置1409上のカーソル移動を制御するための、マウス又はトラックボール、カーソル方向キーのようなカーソル制御装置1410が追加で含まれていてもよい。この入力装置は一般的に、第1の軸(たとえばx軸)と第2の軸(例えばy軸)の2つの軸における自由度2を有しており、これによりこの装置で平面上の位置を特定することができる。
【0096】
コンピュータサーバシステム106のLAN/ISDNアダプタ1407は、例えば、総合デジタル通信網(ISDN)カードまたはモデムを利用して実装されて、インターネットサービスプロバイダのハードウェア(図示せず)を利用してインターネット1324に接続されている、対応する種類の電話線とのデータ通信接続を提供してもよい。別の例としては、LAN/ISDNアダプタ1407は、ローカルエリアネットワークインターフェイスカード(LAN NIC)であって、互換性のあるLAN及びインターネット1324へのデータ通信接続を提供してもよい。様々なメディアのファイルを格納するために、コンピュータサーバシステム106にはメディアストレージ1408が備えられていてもよい。これは、ストレージコントローラ1403によってデータバス1404に接続されて、注釈又はその他のためにユーザに表示される様々なコンテンツを格納する。カメラ105は画像及び/又は動画を取得して、これまでに説明したように入力装置(スマートフォン)104を検出してトラッキングするように利用されてもよい。
【0097】
一つ又は複数の実施形態において、コンピュータサーバシステム106のメモリ1412は、以下のソフトウェアプログラム、アプリケーション、モジュール及び/又はデータの任意のものを格納してもよい。
【0098】
1.サーバオペレーティングシステム(OS)1413。これは基本システムサービスを実装し、コンピュータサーバシステム106の様々なハードウェア部品を管理するオペレーティングシステムであってもよい。サーバオペレーティングシステム1413の例示的実施形態は当業者には周知であり、現在知られているか又は最新開発のモバイルオペレーティングシステムの任意のものを含んでよい。
【0099】
2.ネットワーク通信モジュール1414。これには例えば一つ又は複数のネットワーク・プロトコルスタックが含まれてもよい。これはコンピュータサーバシステム106と、モバイルコンピューティング装置104のようなインターネット1324の様々なネットワークエンティティとの間を、LAN/ISDNアダプタ1407と連結して作用するネットワークアダプタ1405を利用してネットワーク接続を確立するために利用される。
【0100】
3.サーバアプリケーション1415。これには、例えばコンピュータサーバシステム106の一つ又は複数のプロセッサ1401によって実行される一連のソフトウェアアプリケーションが含まれてもよい。これらはコンピュータサーバシステム106に特定の事前設定された機能またはタスクを遂行させる。一つ又は複数の実施形態においてサーバアプリケーション1415には、入力装置(スマートフォン)104上への本発明のウェブユーザインターフェイスの生成を促進するように構成された、ウェブサーバアプリケーション1416が含まれていてもよい。さらに、サーバアプリケーション1415には、詳細を既に説明した画像処理及びチェス盤パターン検出操作を実装するように構成された、画像/動画処理アプリケーション1417が含まれていてもよい。更にそれに加えて、較正アプリケーション1418が含まれていて、上記の較正操作を実装してもよい。最後に、サーバアプリケーション1415は、ストロークサイズと色の選択のような、様々なユーザイベントを処理するためのユーザイベント処理アプリケーション1419が含まれていてもよい。
【0101】
4.データストレージ1420。これは、本明細書で説明したマーカパターン画像ファイル1421、並びに上記のユーザ注釈情報のようなユーザインタラクションデータ1422を、例えば格納するために使用されてもよい。
【0102】
最後に、本明細書中に記載されたプロセス及び技術は特定の装置に生得的に関係するものではなく、構成要素の任意の適切な組み合わせによって実装可能であることを理解されたい。更に、種々のタイプの汎用デバイスを、本明細書に記載の教示にしたがって使用することが可能である。本明細書に記載された方法のステップを実行するための専用装置を構築することが有利であることも判明するであろう。本発明を特定の例に関連して記載したが、これらは全ての点において限定的ではなく説明的であることを意図している。ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアの多くの異なる組み合わせが本発明の実行に好適であることが、当業者には理解されるであろう。例えば、前述のソフトウェアは、アセンブラ、C/C++、オブジェクティブC、perl、shell、PHP、Java(登録商標)などの広範なプログラム言語あるいはスクリプト言語、並びに現在既知または最新開発のプログラム言語あるいはスクリプト言語によって実装することが可能である。
【0103】
さらに、ここに開示した本発明の明細書を考察し、本発明を実施すれば、本発明の他の実装が当業者には明らかとなるであろう。説明した実施形態の様々な態様、及び/又は部品は、入力装置としてスマートフォンを利用するプロジェクタ−カメラシステム又はディスプレイ−カメラシステムに対する微細なインタラクションを可能とするシステム、方法及びプログラムにおいて、単独もしくは任意の組み合わせで利用することが可能である。明細書及び実施例は例示としてのみ理解されるべきであり、本発明の真の範囲と精神は添付の特許請求の範囲によって示されるものとする。
【符号の説明】
【0104】
100 システム
101 プロジェクタ
102 視野
103 投影面
104 入力装置、モバイルコンピューティング装置
105 カメラ
106 サーバ
107 コンテンツストレージ
図1
図2
図3
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図5
図6
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