【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明のインターフェース装置は、マイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータにオーディオデータをシリアル出力する、前記マイクロコンピュータと対応可能なビットスロットが異なるオーディオ機器と、を接続するインターフェース装置であって、前記マイクロコンピュータが出力したLRクロック信号を分周して分周LRクロック信号を出力する分周回路と、前記分周回路と前記オーディオ機器とを接続する分周LRクロックラインと、前記マイクロコンピュータと前記オーディオ機器とを接続し、前記マイクロコンピュータがビットクロック信号を出力するビットクロックラインと、前記マイクロコンピュータと前記オーディオ機器とを接続し、前記オーディオ機器が前記オーディオデータをシリアル出力するデータラインと、を備えることを特徴とする。
【0009】
例えば、マイクロコンピュータが、32ビットスロット対応であるとする。また、例えば、オーディオ機器が、64ビットスロット対応であるとする。本発明では、分周回路は、マイクロコンピュータが出力したLRクロック信号を分周して分周LRクロック信号を出力する。ここで、マイクロコンピュータは、所望の2倍のサンプリング周波数のLRクロック信号を出力するとする。また、マイクロコンピュータは、所望の2倍のサンプリング周波数の、32ビットスロットのビットクロック信号を出力するとする。
【0010】
2倍のサンプリング周波数のLRクロック信号は、分周回路によって分周される。このため、オーディオ機器には、オーディオ機器が対応可能なLRクロック信号として、分周回路によって分周されたLRクロック信号(分周LRクロック信号)が入力される。ここで、オーディオ機器には、LRクロック信号の1周期あたり32ビットのビットクロック信号が入力される。従って、オーディオ機器には、分周LRクロック信号の1周期に64ビットのビットクロック信号が入力されることとなる。このため、オーディオ機器は、マイクロコンピュータがインターフェース装置を介して出力した、LRクロック信号、ビットクロック信号に対応して、マイクロコンピュータにオーディオデータを出力することができる。
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、対応可能なビットスロットが異なるマイクロコンピュータとオーディオ機器との間で通信を行わせることができる。
【0012】
第2の発明のインターフェース装置は、第1の発明のインターフェース装置において、前記分周LRクロックラインと前記データラインとを接続する抵抗をさらに備える。
【0013】
上述したように、マイクロコンピュータは、所望の2倍のサンプリング周波数のLRクロック信号を出力する。このため、マイクロコンピュータには、出力した1周期のLRクロック信号に同期して、Lチャンネルのオーディオデータが入力されることとなる。また、マイクロコンピュータには、出力した1周期のLRクロック信号に同期して、Rチャンネルのオーディオデータが入力されることとなる。従って、マイクロコンピュータは、Lチャンネル、Rチャンネルのオーディオデータを判別することができないという問題がある。そこで、本発明では、分周回路とオーディオ機器とを接続する分周LRクロックラインと、データラインと、を抵抗で接続している。
【0014】
オーディオ機器は、Lチャンネル24ビット(有効データ)、Rチャンネル24ビット(有効データ)のオーディオデータを出力するとする。オーディオ機器は、24ビットのオーディオデータを出力した後、データラインをハイインピーダンスにして開放する。ここで、分周LRクロックラインとデータラインとは、抵抗により接続されている。このため、データラインには、例えば、左詰フォーマットでは、Lチャンネル24ビットのオーディオデータが出力された後、Rチャンネルのオーディオデータが出力されるまで、分周LRクロックラインに出力される分周LRクロック信号により、「11111111b」が出力される。8ビットすべて、ハイレベルの分周LRクロック信号により、「1」となる。
【0015】
また、データラインには、例えば、左詰フォーマットでは、Rチャンネル24ビットのオーディオデータが出力された後、Lチャンネルのオーディオデータが出力されるまで、分周LRクロックラインに出力される分周LRクロック信号により、「00000000b」が出力される。8ビットすべて、ローレベルの分周LRクロック信号により、「0」となる。
【0016】
上述したように、データラインには、Lチャンネル24ビットのオーディオデータが出力された後、Rチャンネルのオーディオデータが出力されるまで、分周LRクロックラインに出力される分周LRクロック信号により、「11111111b」が出力される。従って、マイクロコンピュータは、Lチャンネルのオーディオデータ(有効データ24ビット)+「11111111b」(8ビット)を取り込む。また、データラインには、Rチャンネル24ビットのオーディオデータが出力された後、Lチャンネルのオーディオデータが出力されるまで、分周LRクロックラインに出力される分周LRクロック信号により、「00000000b」が出力される。従って、マイクロコンピュータは、Rチャンネルのオーディオデータ(有効データ24ビット)+「00000000b」(8ビット)を取り込む。マイクロコンピュータは、取り込んだ32ビットのデータにおいて、オーディオデータのLSBから8ビットのパターン(「11111111b」、「00000000b」)から、Lチャンネル、Rチャンネルいずれのオーディオデータであるかを判定することができる。また、マイクロコンピュータは、取り込んだデータから、8ビット右ビットシフトすることにより、有効データとして、Lチャンネル、又は、Rチャンネル24ビットのオーディオデータを取得することができる。
【0017】
オーディオデータは、Lチャンネル、Rチャンネルの順にデータラインに出力される。従って、マイクロコンピュータは、Lチャンネル、Rチャンネルのいずれのオーディオデータであるかを判定すれば、連続するデータが、Lチャンネル、Rチャンネルのいずれのオーディオデータであるかを判定することができる。
【0018】
第3の発明のインターフェース装置は、第1又は第2の発明のインターフェース装置において、前記マイクロコンピュータが出力したLRクロック信号を反転して反転LRクロック信号を出力する反転回路をさらに備え、前記分周回路は、前記マイクロコンピュータが出力した前記LRクロック信号に替えて、前記反転回路が出力した前記反転LRクロック信号を分周して前記分周LRクロック信号を出力することを特徴とする。
【0019】
I2Sに従った通信では、オーディオ機器は、LRクロック信号のローレベルに同期して、Lチャンネルのオーディオデータをマイクロコンピュータに出力する。また、オーディオ機器は、LRクロック信号のハイレベルに同期して、Rチャンネルのオーディオデータをマイクロコンピュータに出力する。マイクロコンピュータは、通常、Lチャンネル、Rチャンネルの順に、LチャンネルとRチャンネルとのペアで、オーディオデータを取り込むようになっている。D型フリップフロップを用いた分周回路は、信号の立ち上がり時に、反転出力端子の論理を取り込み、出力端子及び反転出力端子の論理が反転するため、LRクロック信号をそのまま分周すると、分周されたLRクロック信号のLチャンネル、Rチャンネルに相当する期間は、LRクロック信号のハイレベル、ローレベルの順となる期間に相当し、LRクロック信号の論理が反転するタイミングは、マイクロコンピュータの32ビットスロットの中間で発生することになる。オーディオ機器が、これに同期して、Rチャンネル、Lチャンネルの順にオーディオデータを出力すると、マイクロコンピュータは32ビットスロットの後半から始まる24ビットデータを受け取ることになる。つまり、最初の16ビットをRチャンネル、後の8ビットを次のサンプルのLチャンネルとして受け取るため、プログラムが煩雑となり、バグを引き起こす原因となりかねない。
【0020】
そこで、本発明では、反転回路により、LRクロック信号を反転し、分周回路により、反転LRクロック信号を分周している。これにより、分周回路から出力される分周LRクロック信号は、LRクロック信号の立ち下がり時に論理が変化し、そのローレベル期間およびハイレベル期間のどちらもマイクロコンピュータの32ビットスロットの期間に相当する。これに従い、オーディオ機器が、オーディオデータを出力すると、マイクロコンピュータは、LチャンネルとRチャンネルにまたがるオーディオデータを受け取るが、サンプル期間をまたいで一つのオーディオデータを受け取ることはないため、プログラムが煩雑となることがない。
【0021】
第4の発明のインターフェース装置は、第3の発明のインターフェース装置において、前記反転回路は、第1D型フリップフロップであり、クリア端子に前記LRクロック信号が入力され、プリセット端子が接地電位に接続され、反転出力端子が前記反転回路の出力であることを特徴とする。
【0022】
本発明では、反転回路である第1D型フリップフロップにおいて、クリア端子にLRクロック信号が入力される。また、プリセット端子が接地電位に接続されている。また、反転出力端子が反転回路の出力である。従って、LRクロック信号がローレベルである場合、プリセット端子が接地電位に接続されているため、反転出力端子からは、ハイレベルの信号が出力される。また、LRクロック信号がハイレベルである場合、プリセット端子が接地電位に接続されているため、反転出力端子からは、ローレベルの信号が出力される。このように、本発明では、反転出力端子から、LRクロック信号が反転された反転LRクロック信号が出力される。
【0023】
第5の発明のインターフェース装置は、第3の発明のインターフェース装置において、前記反転回路は、第1D型フリップフロップであり、クリア端子が接地電位に接続され、プリセット端子に前記LRクロック信号が入力され、出力端子が前記反転回路の出力であることを特徴とする。
【0024】
本発明では、反転回路である第1D型フリップフロップにおいて、クリア端子が接地電位に接続されている。また、クリア端子にLRクロック信号が入力される。また、出力端子が反転回路の出力である。従って、LRクロック信号がローレベルである場合、クリア端子が接地電位に接続されているため、出力端子からは、ハイレベルの信号が出力される。また、LRクロック信号がハイレベルである場合、クリア端子が接地電位に接続されているため、出力端子からは、ローレベルの信号が出力される。このように、本発明では、出力端子から、LRクロック信号が反転された反転LRクロック信号が出力される。
【0025】
第6の発明のインターフェース装置は、第3〜第5の発明のインターフェース装置において、前記分周回路は、第2D型フリップフロップであり、クロック端子に前記反転LRクロック信号が入力され、入力端子に反転出力端子からの信号が入力され、出力端子が前記分周回路の出力であることを特徴とする。
【0026】
本発明では、分周回路である第2D型フリップフロップにおいて、クロック端子に反転LRクロック信号が入力される。また、入力端子に反転出力端子からの信号が入力される。また、出力端子が分周回路の出力である。従って、反転LRクロック信号の立ち上がり時に、反転出力端子からの信号がローレベルである場合、次に、反転LRクロック信号が立ち上がるまで、すなわち、反転LRクロック信号の1周期、出力端子からはローレベルの信号が出力される。同様に、反転LRクロック信号の立ち上がり時に、反転出力端子からの信号がハイレベルである場合、次に、反転LRクロック信号が立ち上がるまで、すなわち、反転LRクロック信号の1周期、出力端子からはハイレベルの信号が出力される。このように、本発明では、出力端子から、反転LRクロック信号が分周された分周LRクロック信号が出力される。
【0027】
第7の発明のインターフェース装置は、第3の発明のインターフェース装置において、前記反転回路は、第1D型フリップフロップであり、クリア端子に前記LRクロック信号が入力され、プリセット端子が接地電位に接続され、反転出力端子が前記反転回路の出力であり、前記分周回路は、第2D型フリップフロップであり、クロック端子に前記反転LRクロック信号が入力され、入力端子に反転出力端子からの信号が入力され、出力端子が前記分周回路の出力であり、前記第1D型フリップフロップ及び前記第2D型フリップフロップは、1つのロジックICであることを特徴とする。
【0028】
本発明では、反転回路である第1D型フリップフロップ及び分周回路である第2D型フリップフロップは、1つのロジックICである。例えば、7474型とよばれるロジックICは、2つのD型フリップフロップを有する。従って、1つのロジックICで反転回路と分周回路とを実現することができるため、コストを削減することができる。
【0029】
第8の発明のインターフェース装置は、第3の発明のインターフェース装置において、前記反転回路は、第1D型フリップフロップであり、クリア端子が接地電位に接続され、プリセット端子に前記LRクロック信号が入力され、出力端子が前記反転回路の出力であり、前記分周回路は、第2D型フリップフロップであり、クロック端子に前記反転LRクロック信号が入力され、入力端子に反転出力端子からの信号が入力され、出力端子が前記分周回路の出力であり、前記第1D型フリップフロップ及び前記第2D型フリップフロップは、1つのロジックICであることを特徴とする。
【0030】
本発明では、反転回路である第1D型フリップフロップ及び分周回路である第2D型フリップフロップは、1つのロジックICである。例えば、7474型とよばれるロジックICは、2つのD型フリップフロップを有する。従って、1つのロジックICで反転回路と分周回路とを実現することができるため、コストを削減することができる。