(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第一方向及び前記第一方向に交差する第二方向に延び且つ互いに対向する第一及び第二主面と、前記第一及び第二主面の間を連結するように前記第二方向と前記第一及び第二主面の対向方向である第三方向とに延び且つ互いに対向する第一及び第二側面と、前記第一及び第二主面の間を連結するように前記第一方向及び前記第三方向に延び且つ互いに対向する第三及び第四側面と、を有し、誘電体からなる素体と、
前記第一主面に配置された第一端子電極及び前記第二主面に配置された第二端子電極と、
前記第一端子電極に接続され且つ前記素体内に前記第一方向で並置された第1の数の第一内部電極を有する複数の第一内部電極群と、前記第二端子電極に接続され且つ前記素体内に前記第一方向で並置された第2の数の第二内部電極を有する複数の第二内部電極群と、
を備え、
前記素体の前記第一方向での長さが、前記素体の前記第三方向での長さより長く、且つ、前記素体の前記第二方向での長さ以下であり、
各前記第一及び第二内部電極の前記第二方向での長さが、各前記第一及び第二内部電極の前記第三方向での長さより長く、
前記第1の数及び前記第2の数は、2以上の互いに異なる整数であり、
各前記第一内部電極群に含まれる前記第一内部電極同士の前記第一方向での間隔、各前記第二内部電極群に含まれる前記第二内部電極同士の前記第一方向での間隔、及び、各前記第一内部電極群に含まれる前記第一内部電極と前記第二内部電極群に含まれる前記第二内部電極との前記第一方向での間隔は、同等であり、
各前記第一内部電極群と各前記第二内部電極群とは、各前記第一内部電極群に含まれる前記第1の数の第一内部電極のうちの1つと各前記第二内部電極群に含まれる前記第2の数の第二内部電極のうちの1つとが前記第一方向で互いに対向するように、前記第一方向で交互に並んでいる、積層セラミックコンデンサ。
第一方向及び前記第一方向に交差する第二方向に延び且つ互いに対向する第一及び第二主面と、前記第一及び第二主面の間を連結するように前記第二方向と前記第一及び第二主面の対向方向である第三方向とに延び且つ互いに対向する第一及び第二側面と、前記第一及び第二主面の間を連結するように前記第一方向及び前記第三方向に延び且つ互いに対向する第三及び第四側面と、を有し、誘電体からなる素体と、
前記第一主面に配置された第一端子電極及び前記第二主面に配置された第二端子電極と、
前記第一端子電極に接続され且つ前記素体内に前記第一方向で並置された第1の数の第一内部電極を有する複数の第一内部電極群と、前記第二端子電極に接続され且つ前記素体内に前記第一方向で並置された前記第1の数の第二内部電極を有する複数の第二内部電極群と、前記第一端子電極に接続され且つ前記素体内に前記第一方向で並置された第2の数の第一内部電極を有する複数の第三内部電極群と、前記第二端子電極に接続され且つ前記素体内に前記第一方向で並置された前記第2の数の第二内部電極を有する複数の第四内部電極群と、
を備え、
前記素体の前記第一方向での長さが、前記素体の前記第三方向での長さより長く、且つ、前記素体の前記第二方向での長さ以下であり、
各前記第一及び第二内部電極の前記第二方向での長さが、各前記第一及び第二内部電極の前記第三方向での長さより長く、
前記第1の数及び前記第2の数は、2以上の互いに異なる整数であり、
前記素体は、内側部分と、前記内側部分を前記第一方向で挟むように位置する一対の外側部分とを有し、
各前記第一内部電極群に含まれる前記第一内部電極同士の前記第一方向での間隔、各前記第二内部電極群に含まれる前記第二内部電極同士の前記第一方向での間隔、各前記第一内部電極群に含まれる前記第一内部電極と前記第二内部電極群に含まれる前記第二内部電極との前記第一方向での間隔、各前記第三内部電極群に含まれる前記第一内部電極同士の前記第一方向での間隔、各前記第四内部電極群に含まれる前記第二内部電極同士の前記第一方向での間隔、及び、各前記第三内部電極群に含まれる前記第一内部電極と前記第四内部電極群に含まれる前記第二内部電極との前記第一方向での間隔は、同等であり、
各前記第一内部電極群と各前記第二内部電極群とは、前記一対の外側部分に位置していると共に、各前記第一内部電極群に含まれる前記第1の数の第一内部電極のうちの1つと各前記第二内部電極群に含まれる前記第1の数の第二内部電極のうちの1つとが前記第一方向で互いに対向するように、前記第一方向で交互に並んでおり、
各前記第三内部電極群と各前記第四内部電極群とは、前記内側部分に位置していると共に、各前記第三内部電極群に含まれる前記第2の数の第一内部電極のうちの1つと各前記第四内部電極群に含まれる前記第2の数の第二内部電極のうちの1つとが前記第一方向で互いに対向するように、前記第一方向で交互に並んでいる、積層セラミックコンデンサ。
前記第1の数の第一内部電極のうち前記第一方向で最外層に位置する前記第一内部電極に対向するように配置され、且つ、前記第二端子電極に接続されていると共に前記第一端子電極に接続されていない調整電極を更に備える、請求項1〜4の何れか一項に記載の積層セラミックコンデンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の積層セラミックコンデンサでは、所望の静電容量を確保するために必要な数の第一及び第二内部電極が、素体の内部において第一方向で中心側に偏って配置されている。すなわち、素体において、内部電極が配置された中心側の領域に比べて、内部電極が配置されていない外側の誘電体の領域が多くなっている。このような場合、素体の内部にクラックが生じる可能性がある。
【0006】
例えば、内部電極材料と誘電体材料とでは焼成工程における加熱後の熱収縮率に差があるため、上記特許文献1に記載の積層セラミックコンデンサのように、内部電極が配置された領域と内部電極が配置されていない誘電体の領域とのバランスが悪いと、この熱収縮率の差を起因とするクラックが生じる可能性がある。
【0007】
本発明は、所望の静電容量を確保しつつ、クラックを抑制することができる積層セラミック電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る積層セラミックコンデンサは、第一方向及び第一方向に交差する第二方向に延び且つ互いに対向する第一及び第二主面と、第一及び第二主面の間を連結するように第二方向と第一及び第二主面の対向方向である第三方向とに延び且つ互いに対向する第一及び第二側面と、第一及び第二主面の間を連結するように第一方向及び第三方向に延び且つ互いに対向する第三及び第四側面と、を有し、誘電体からなる素体と、第一主面に配置された第一端子電極及び第二主面に配置された第二端子電極と、第一端子電極に接続され且つ素体内に第一方向で並置された第1の数の第一内部電極を有する複数の第一内部電極群と、第二端子電極に接続され且つ素体内に第一方向で並置された第2の数の第二内部電極を有する複数の第二内部電極群と、を備え、素体の第一方向での長さが、素体の第三方向での長さより長く、且つ、素体の第二方向での長さ以下であり、各第一及び第二内部電極の第二方向での長さが、各第一及び第二内部電極の第三方向での長さより長く、第1の数及び第2の数は、2以上の互いに異なる整数であり、各第一内部電極群に含まれる第一内部電極同士の第一方向での間隔、各第二内部電極群に含まれる第二内部電極同士の第一方向での間隔、及び、各第一内部電極群に含まれる第一内部電極と各第二内部電極群に含まれる第二内部電極との第一方向での間隔は、同等であり、各第一内部電極群と各第二内部電極群とは、各第一内部電極群に含まれる第1の数の第一内部電極のうちの1つと各第二内部電極群に含まれる第2の数の第二内部電極のうちの1つとが第一方向で互いに対向するように、第一方向で交互に並んでいる。
【0009】
本発明に係る積層セラミックコンデンサでは、素体の第一方向での長さが、第三方向での長さより長く、且つ、素体の第二方向での長さ以下であるため、低背である。素体の主面は、端子電極が配置されていることにより、他の電子機器に対する実装面を構成する。この実装面を構成する素体の主面と平行な第一方向に複数の誘電体層を積層することにより素体を構成した場合には、積層数を増加させても低背の積層セラミックコンデンサが実現される。
【0010】
第一方向で交互に並んだ各第一内部電極群と各第二内部電極群との間の領域では、各第一内部電極群に含まれる第1の数の第一内部電極のうちの1つと各第二内部電極群に含まれる第2の数の第二内部電極のうちの1つとが第一方向で互いに対向する。これにより、静電容量が生じる複数の領域が素体内に形成されている。
【0011】
各第一内部電極群に含まれる第1の数の第一内部電極は全て同じ極性である。よって、第1の数の第一内部電極のうち第一方向で両端に位置する第一内部電極同士の間には、静電容量が生じない複数の領域が形成されている。
【0012】
各第二内部電極群に含まれる第2の数の第二内部電極は全て同じ極性である。よって、第2の数の第二内部電極のうち第一方向で両端に位置する第二内部電極同士の間には、静電容量が生じない複数の領域が素体内に形成されている。
【0013】
したがって、静電容量が生じる複数の領域により所望の静電容量を確保しつつ、静電容量が生じない複数の領域により、同じ大きさの従来の積層セラミックコンデンサの素体に比して、内部電極が配置されていない領域を狭くすることができる。これにより、内部電極材料と誘電体材料との熱収縮率の差を起因とするクラックを抑制することが可能となる。
【0014】
各第一内部電極群に含まれる第一内部電極同士の第一方向での間隔、各第二内部電極群に含まれる第二内部電極同士の第一方向での間隔、及び、各第一内部電極群に含まれる第一内部電極と各第二内部電極群に含まれる第二内部電極との第一方向での間隔は、同等である。第1の数及び第2の数は、2以上の互いに異なる整数である。よって、第一内部電極群に含まれる第1の数の第一内部電極により形成される静電容量が生じない領域の第一方向での幅と、第二内部電極群に含まれる第2の数の第二内部電極により形成される静電容量が生じない領域の第一方向での幅とは、少なくとも互いに対向する第一内部電極と第二内部電極とにより形成される静電容量が生じる領域の第一方向での幅以上であり、且つ、互いに異なる。
【0015】
このような異なる幅の静電容量が生じない領域により、素体における内部電極が配置されていない誘電体の領域を可能な限り狭めることができる。これにより、所望の静電容量を変えることなく、内部電極が配置された領域と内部電極が配置されていない誘電体の領域とのバランスをよりよくすることができ、内部電極材料と誘電体材料との熱収縮率の差を起因とするクラックをより抑制することが可能となる。
【0016】
以上より、所望の静電容量を確保しつつ、クラックを抑制することができる積層セラミック電子部品が提供可能となる。
【0017】
本発明に係る積層セラミックコンデンサは、第一方向及び第一方向に交差する第二方向に延び且つ互いに対向する第一及び第二主面と、第一及び第二主面の間を連結するように第二方向と第一及び第二主面の対向方向である第三方向とに延び且つ互いに対向する第一及び第二側面と、第一及び第二主面の間を連結するように第一方向及び前記第三方向に延び且つ互いに対向する第三及び第四側面と、を有し、誘電体からなる素体と、第一主面に配置された第一端子電極及び第二主面に配置された第二端子電極と、第一端子電極に接続され且つ素体内に第一方向で並置された第1の数の第一内部電極を有する複数の第一内部電極群と、第二端子電極に接続され且つ素体内に第一方向で並置された第1の数の第二内部電極を有する複数の第二内部電極群と、第一端子電極に接続され且つ素体内に第一方向で並置された第2の数の第一内部電極を有する複数の第三内部電極群と、第二端子電極に接続され且つ素体内に第一方向で並置された第2の数の第二内部電極を有する複数の第四内部電極群と、を備え、素体の第一方向での長さが、素体の第三方向での長さより長く、且つ、素体の第二方向での長さ以下であり、各第一及び第二内部電極の第二方向での長さが、各第一及び第二内部電極の第三方向での長さより長く、第1の数及び第2の数は、2以上の互いに異なる整数であり、素体は、内側部分と、内側部分を第一方向で挟むように位置する一対の外側部分とを有し、各第一内部電極群に含まれる第一内部電極同士の第一方向での間隔、各第二内部電極群に含まれる第二内部電極同士の第一方向での間隔、各第一内部電極群に含まれる第一内部電極と各第二内部電極群に含まれる第二内部電極との第一方向での間隔、各第三内部電極群に含まれる第一内部電極同士の第一方向での間隔、各第四内部電極群に含まれる第二内部電極同士の第一方向での間隔、及び、各第三内部電極群に含まれる第一内部電極と第四内部電極群に含まれる第二内部電極との第一方向での間隔は、同等であり、各第一内部電極群と各第二内部電極群とは、一対の外側部分に位置していると共に、各第一内部電極群に含まれる第1の数の第一内部電極のうちの1つと各第二内部電極群に含まれる第1の数の第二内部電極のうちの1つとが第一方向で互いに対向するように、第一方向で交互に並んでおり、各第三内部電極群と各第四内部電極群とは、内側部分に位置していると共に、各第三内部電極群に含まれる第2の数の第一内部電極のうちの1つと各第四内部電極群に含まれる第2の数の第二内部電極のうちの1つとが第一方向で互いに対向するように、第一方向で交互に並んでいる。
【0018】
本発明に係る積層セラミックコンデンサでは、素体の第一方向での長さが、第三方向での長さより長く、且つ、素体の第二方向での長さ以下であるため、低背である。素体の主面は、端子電極が配置されていることにより、他の電子機器に対する実装面を構成する。この実装面を構成する素体の主面と平行な第一方向に複数の誘電体層を積層することにより素体を構成した場合には、積層数を増加させても低背の積層セラミックコンデンサが実現される。
【0019】
第一方向で交互に並んだ各第一内部電極群と各第二内部電極群との間の領域では、各第一内部電極群に含まれる第1の数の第一内部電極のうちの1つと各第二内部電極群に含まれる第1の数の第二内部電極のうちの1つとが第一方向で互いに対向する。これにより、静電容量が生じる複数の領域が素体内に形成されている。
【0020】
各第一内部電極群に含まれる第1の数の第一内部電極は全て同じ極性であると共に、各第二内部電極群に含まれる第1の数の第二内部電極は全て同じ極性である。よって、第1の数の第一内部電極のうち第一方向で両端に位置する第一内部電極同士の間と、第1の数の第二内部電極のうち第一方向で両端に位置する第二内部電極同士の間とには、静電容量が生じない複数の領域が形成されている。
【0021】
第一方向で交互に並んだ各第三内部電極群と各第四内部電極群との間の領域では、各第一内部電極群に含まれる第2の数の第一内部電極のうちの1つと各第二内部電極群に含まれる第2の数の第二内部電極のうちの1つとが第一方向で互いに対向する。これにより、静電容量が生じる複数の領域が素体内に形成されている。
【0022】
各第三内部電極群に含まれる第2の数の第一内部電極は全て同じ極性であると共に、各第四内部電極群に含まれる第2の数の第二内部電極は全て同じ極性である。よって、第2の数の第一内部電極のうち第一方向で両端に位置する第一内部電極同士の間と、第2の数の第二内部電極のうち第一方向で両端に位置する第二内部電極同士の間とには、静電容量が生じない複数の領域が形成されている。
【0023】
したがって、静電容量が生じる複数の領域により所望の静電容量を確保しつつ、静電容量が生じない複数の領域により、同じ大きさの従来の積層セラミックコンデンサの素体に比して、内部電極が配置されていない領域を狭くすることができる。これにより、内部電極材料と誘電体材料との熱収縮率の差を起因とするクラックを抑制することが可能となる。
【0024】
各第一内部電極群に含まれる第一内部電極同士の第一方向での間隔、各第二に含まれる第二内部電極同士の第一方向での間隔、各第一内部電極群に含まれる第一内部電極と各第二内部電極群に含まれる第二内部電極との第一方向での間隔、各第三内部電極群に含まれる第一内部電極同士の第一方向での間隔、各第四内部電極群に含まれる第二内部電極同士の第一方向での間隔、及び、各第三内部電極群に含まれる第一内部電極と各第四内部電極群に含まれる第二内部電極との第一方向での間隔は、同等である。第1の数及び第2の数は、2以上の互いに異なる整数である。よって、第一内部電極群に含まれる第1の数の第一内部電極により形成される静電容量が生じない領域の第一方向での幅、及び第二内部電極群に含まれる第1の数の第二内部電極により形成される静電容量が生じない領域の第一方向での幅と、第三内部電極群に含まれる第2の数の第一内部電極により形成される静電容量が生じない領域の第一方向での幅、及び第四内部電極群に含まれる第2の数の第二内部電極により形成される静電容量が生じない領域の第一方向での幅とは、少なくとも互いに対向する第一内部電極と第二内部電極とにより形成される静電容量が生じる領域の第一方向での幅以上であり、且つ、互いに異なる。
【0025】
このような異なる幅の静電容量が生じない領域により、素体における内部電極が配置されていない誘電体の領域を可能な限り狭めることができる。これにより、所望の静電容量を変えることなく、内部電極が配置された領域と内部電極が配置されていない誘電体の領域とのバランスをよりよくすることができ、内部電極材料と誘電体材料との熱収縮率の差を起因とするクラックをより抑制することが可能となる。
【0026】
以上より、所望の静電容量を確保しつつ、クラックを抑制することができる積層セラミック電子部品が提供可能となる。
【0027】
第1の数は、第2の数よりも少なくとも1つ多くてもよい。この場合、素体の外側部分に位置する第一及び第二内部電極群に含まれる第一及び第二内部電極の数の方が、素体の内側部分に位置する第三及び第四内部電極群に含まれる第一及び第二内部電極の数よりも多い。すなわち、素体の内側部分よりも外側部分の方が、静電容量が生じない領域を形成する内部電極の数が多い。よって、例え素体の外側部分にクラックが発生したとしても、当該クラックが静電容量に寄与する異極性の内部電極に到達することを防ぐことができる。
【0028】
第2の数は、第1の数よりも少なくとも1つ多くてもよい。この場合、素体の内側部分に位置する第三及び第四内部電極群に含まれる第一及び第二内部電極の数の方が、素体の外側部分に位置する第一及び第二内部電極群に含まれる第一内部電極の数よりも多い。すなわち、素体の外側部分よりも内側部分の方が、静電容量が生じない領域を形成する内部電極の数が多い。これにより、バレル研磨され難い素体の内側部分においても、第一及び第二内部電極と第一及び第二端子電極との接続性を高めることができる。
【0029】
第1の数の第一内部電極のうち前記第一方向で最外層に位置する第一内部電極に対向するように配置され、且つ、第二端子電極に接続されていると共に第一端子電極に接続されていない調整電極を更に備えてもよい。この場合、第一方向で最外層に、静電容量に寄与する調整電極が配置されるので、当該調整電極により、積層段階において静電容量を微調整することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、所望の静電容量を確保しつつ、クラックを抑制することができる積層セラミック電子部品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0033】
(第1実施形態)
まず、
図1〜
図5を参照して、第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの構成を説明する。
図1は、第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサを示す斜視図である。
図2及び
図3は、
図1に示すII−II線に沿った断面図である。
図4及び
図5は、第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの、内部電極を含む断面図である。なお、図面においては、構成の説明のため、必要に応じてXYZ方向を記載している。
【0034】
図1〜
図5に示すように、積層セラミックコンデンサC1は、素体3と、端子電極5,6と、複数の内部電極群11,12と、を備えている。
【0035】
素体3は、略直方体形状を呈している。素体3は、X方向での長さTがZ方向での長さLより長く、且つ、X方向での長さTがY方向での長さW以下である。
【0036】
素体3は、その外表面として、X方向及びY方向に延び且つ互いに対向する第一主面3a及び第二主面3bと、Y方向及びZ方向に延び且つ互いに対向する第一側面3c及び第二側面3dと、X方向及びZ方向に延び且つ互いに対向する第三側面3e及び第四側面3fと、を有している。第一側面3c、第二側面3d、第三側面3e、及び第四側面3fは、それぞれ第一主面3aと第二主面3bとの間を連結するように延びている。
【0037】
素体3は、第一側面3c及び第二側面3dの対向方向であるX方向に、複数の誘電体層が積層された誘電体4から構成されている。素体3では、複数の誘電体層の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)が、第一及び第二側面3c,3dの対向方向(X方向)と一致する。各誘電体層は、例えば誘電体材料(BaTiO
3系、Ba(Ti,Zr)O
3系、又は(Ba,Ca)TiO
3系などの誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の素体3では、各誘電体層は、各誘電体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
【0038】
端子電極5は、第一主面3aに配置されている。端子電極5は、第一主面3aと、第一〜第四側面3c,3d,3e,3fの各縁部と、を覆うように形成されている。すなわち、端子電極5は、第一主面3a上に位置する電極部分と、第一〜第四側面3c,3d,3e,3fの一部上に位置する電極部分と、を有している。
【0039】
端子電極6は、第二主面3bに配置されている。端子電極6は、第二主面3bと、第一〜第四側面3c,3d,3e,3fの各縁部と、を覆うように形成されている。すなわち、端子電極6は、第二主面3b上に位置する電極部分と、第一〜第四側面3c,3d,3e,3fの一部上に位置する電極部分と、を有している。
【0040】
端子電極5,6は、焼付層40と、めっき層41,42とを有する。焼付層40は、例えば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを素体3の外表面に付与し、焼き付けることによって形成される。焼付層の導電性金属には、Cu又はNi等が好ましい。めっき層41,42は、焼付層40の上にめっき法により形成される。めっき層41,42は、Ni、Cu、Sn、又はAu等が好ましく、最外表面のめっき層42は、Au又はSn等が好ましい。端子電極5,6同士は、素体3の外表面上においては互いに電気的に絶縁されている。
【0041】
内部電極群11は、素体3内に積層方向で並置された2つの内部電極7を有している。2つの内部電極7は、積層方向で隣り合って互いに対向している。内部電極7の一端部は、素体3の第一主面3aに露出している。これにより、内部電極7は端子電極5に接続されている。内部電極7の他端部は、素体3内に位置しており、第二主面3bには露出していない。すなわち、内部電極7は、端子電極6に接続されていない。
【0042】
内部電極群12は、素体3内に積層方向で並置された3つの内部電極9を有している。3つの内部電極9は、積層方向で隣り合う内部電極9同士が互いに対向するように、積層方向に連続して並んでいる。内部電極9の一端部は、素体3の第二主面3bに露出している。これにより、内部電極9は端子電極6に接続されている。内部電極9の他端部は、素体3内に位置しており、第二主面3bには露出していない。すなわち、内部電極9は、端子電極5に接続されていない。
【0043】
内部電極7,9は、例えば平面視で略矩形形状を呈している。内部電極7,9は、Y方向での長さW1がZ方向での長さL1よりも大きい(
図4及び
図5参照)。内部電極7〜10は、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(例えば、Ni又はCu等)からなる。内部電極7,9は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
【0044】
内部電極群11と、内部電極群12とは、積層方向で交互に並んでいる。内部電極群11に含まれる2つの内部電極7のうちの1つの内部電極7と、内部電極群12に含まれる3つの内部電極9のうちの1つの内部電極9とが、積層方向で互いに対向している。内部電極7と内部電極9とは、互いに異なる極性の端子電極に接続されているので、互いに極性が異なる。これにより、積層方向で互いに対向する内部電極7と内部電極9との間では、静電容量が生じる。すなわち、積層方向で隣り合って対向する内部電極7と内部電極9との間に、静電容量が生じる異極性対向領域20Aが形成されている(
図3参照)。
【0045】
内部電極群11に含まれる2つの内部電極7は、何れも端子電極5に接続されているので、互いに極性が同じである。よって、内部電極群11に含まれる2つの対向する内部電極7同士の間では、静電容量が生じない。すなわち、積層方向で隣り合って対向する2つの内部電極7同士の間に、静電容量が生じない同極性対向領域20Bが形成されている(
図3参照)。
【0046】
内部電極群12に含まれる3つの内部電極9は、何れも端子電極6に接続されているので、互いに極性が同じである。よって、内部電極群12に含まれる3つの内部電極9のうち、積層方向で両端に位置する内部電極9同士の間では、静電容量が生じない。すなわち、1つの内部電極9を間に挟んで対向する内部電極9同士の間に、静電容量が生じない同極性対向領域20Cが形成されている(
図3参照)。
【0047】
内部電極群11に含まれる内部電極7同士の積層方向での間隔と、内部電極群12に含まれる内部電極9同士の積層方向での間隔と、内部電極群11に含まれる内部電極7と内部電極群12に含まれる内部電極9との積層方向での間隔とは、同等である。すなわち、素体3内に位置する全ての内部電極7,9が、積層方向に同等の間隔で並んでいる。ここで、同等とは、等しいことに加えて、予め設定した範囲での微差又は製造誤差などを含んだ値を同等としてもよい。例えば、隣り合う内部電極7,9の間隔が、当該間隔の平均値から±10%の範囲内であれば、同等の間隔であるとする。
【0048】
同極性対向領域20Bと、同極性対向領域20Cとは、異極性対向領域20Aを間に挟んで積層方向で交互に並んでいる。同極性対向領域20B、同極性対向領域20C、及び異極性対向領域20Aが、素体3内に均一に広がって分布している。
【0049】
積層方向で隣り合う2つの内部電極7同士の間に形成される同極性対向領域20Bの積層方向での幅と、1つの内部電極9を間に挟んで対向する内部電極9同士の間に形成される同極性対向領域20Cの積層方向での幅とは、互いに異なる。同極性対向領域20Bの積層方向での幅は、互いに対向する内部電極7及び内部電極9に挟まれる異極性対向領域20Aの積層方向での幅に等しい。同極性対向領域20Cの積層方向での幅は、異極性対向領域20Aの積層方向での幅よりも大きい。
【0050】
積層セラミックコンデンサC1は、不図示の電子機器(例えば、回路基板や電子部品等)に実装される。積層セラミックコンデンサC1では、素体3の第一及び第二主面3a,3bが電子機器に対する実装面とされる。例えば、第二主面3bに配置された端子電極6が、第二主面3bと電子機器とが対向する状態で導電性接着剤又はAu/Snハンダにより電子機器に接続されると共に、第一主面3aに配置された端子電極5がワイヤにより電子機器に接続されるワイヤボンディング方式によって実装される。また、第一主面3aに配置された端子電極5が、第一主面3aと電子機器とが対向する状態で導電性接着剤又はAu/Snハンダにより電子機器に接続されると共に、第二主面3bに配置された端子電極6がワイヤにより電子機器に接続されるワイヤボンディング方式によって実装されてもよい。
【0051】
以上、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1によれば、素体3のX方向での長さTが、素体3のZ方向での長さLより長く、且つ、素体3のY方向での長さW以下であるため、低背である。素体3の第一及び第二主面3a,3bは、端子電極5,6が配置されていることにより、他の電子機器に対する実装面を構成する。この実装面を構成する素体3の第一及び第二主面3a,3bと平行なX方向に複数の誘電体層を積層することにより素体3を構成した場合には、積層数を増加させても低背の積層セラミックコンデンサC1が実現される。
【0052】
積層方向で交互に並んだ各内部電極群11と各内部電極群12との間の領域では、各内部電極群11に含まれる2つの内部電極7のうちの1つと各内部電極群12に含まれる3つの内部電極9のうちの1つとが積層方向で互いに対向する。これにより、複数の異極性対向領域20Aが素体3内に形成されている。
【0053】
各内部電極群11に含まれる2つの内部電極7は全て同じ極性である。よって、2つの内部電極7のうち積層方向で両端に位置する内部電極7同士の間には、複数の同極性対向領域20Bが形成されている。
【0054】
各内部電極群12に含まれる3つの内部電極9は全て同じ極性である。よって、3つの内部電極9のうち積層方向で両端に位置する内部電極9同士の間には、複数の同極性対向領域20Cが形成されている。
【0055】
よって、静電容量が生じる複数の異極性対向領域20Aにより所望の静電容量を確保しつつ、静電容量が生じない複数の同極性対向領域20B,20Cにより、同じ大きさの従来の積層セラミックコンデンサの素体に比して、内部電極7,9が配置されていない領域を狭くすることができる。これにより、内部電極材料と誘電体材料との熱収縮率の差を起因とするクラックを抑制することが可能となる。
【0056】
各内部電極群11に含まれる内部電極7同士の積層方向での間隔、各内部電極群12に含まれる内部電極9同士の積層方向での間隔、及び、各内部電極群11に含まれる内部電極7と各内部電極群12に含まれる内部電極9との積層方向での間隔は、同等である。内部電極群11に含まれる内部電極7の数(2つ)と、内部電極群12に含まれる内部電極9の数(3つ)とは、2以上の互いに異なる整数である。よって、内部電極群11に含まれる2つの内部電極7により形成される同極性対向領域20Bの積層方向での幅と、内部電極群12に含まれる3つの第二内部電極により形成される同極性対向領域20Cの積層方向での幅とは、少なくとも互いに対向する内部電極7と内部電極9とにより形成される静電容量が生じる領域の積層方向での幅以上であり、且つ、互いに異なる。
【0057】
このような異なる幅の同極性対向領域20B,20Cにより、素体3における内部電極7,9が配置されていない誘電体4の領域を可能な限り狭めることができる。これにより、所望の静電容量を変えることなく、内部電極7,9が配置された領域と内部電極7,9が配置されていない誘電体4の領域とのバランスをよりよくすることができ、内部電極材料と誘電体材料との熱収縮率の差により素体3内で生じる内部応力を抑制することができ、当該内部応力によって生じるクラックをより抑制することが可能となる。
【0058】
以上より、所望の静電容量を確保しつつ、クラックを抑制することができる。
【0059】
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1によれば、上述したように、素体3内で生じる内部応力を抑制することができる。その結果、積層セラミックコンデサC1の実装においてハンダが固化する際に、積層セラミックコンデンサC1(素体3)に引っ張り応力が加わる場合でも、上記内部応力に起因するクラックの発生を抑制することができる。
【0060】
さらに本実施形態によれば、内部電極群11と内部電極群12とが積層方向で交互に配置されるので、2つの組の内部電極7と3つの組の内部電極9とが素体3内の全体で均一に分散して位置している。よって、素体3を均一に焼成することができ、内部電極材料と誘電体材料との熱収縮率の差を起因とするクラックをより抑制することができる。
【0061】
本実施形態によれば、内部電極群11に含まれる内部電極7の数と内部電極群12に含まれる内部電極9の数とが互いに異なるので、一方の端子電極5に接続されるために第一主面3aに引き出される内部電極7の数と他方の端子電極6に接続されるために第二主面3bに引き出される内部電極9の数とが互いに異なる。これにより、第一及び第二主面3a,3bを識別することができる。
【0062】
(第2実施形態)
次に、
図6及び
図7を参照して、第2実施形態に係る積層セラミックコンデンサの構成を説明する。
図6及び
図7は、第2実施形態に係る積層セラミックコンデンサを示すXZ断面図である。
図6は第1実施形態における
図1に対応し、
図7は第1実施形態における
図2に対応する。
【0063】
図6及び
図7に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC2は、上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1と同様、素体3と、端子電極5,6とを備えている。
【0064】
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC2が第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1と異なる点は、素体3が、内側部分13と、内側部分13を積層方向で挟むように位置する一対の外側部分14とを有しており、複数の内部電極群11,12に代えて、複数の内部電極群31,32,33,34を備えている点である。複数の内部電極群31,32は、素体3の外側部分14に位置しており、複数の内部電極群33,34は、素体3の内側部分に位置している。
【0065】
内部電極群31は、素体3内に積層方向で並置された3つの内部電極7を有している。3つの内部電極7は、積層方向で隣り合う内部電極9同士が互いに対向するように、積層方向に連続して並んでいる。
【0066】
内部電極群32は、素体3内に積層方向で並置された3つの内部電極9を有している。3つの内部電極9は、積層方向で隣り合う内部電極9同士が互いに対向するように、積層方向に連続して並んでいる。
【0067】
内部電極群33は、素体3内に積層方向で並置された2つの内部電極7を有している。2つの内部電極7は、積層方向で隣り合って互いに対向している。
【0068】
内部電極群34は、素体3内に積層方向で並置された2つの内部電極9を有している。2つの内部電極9は、積層方向で隣り合って互いに対向している。
【0069】
内部電極群31,33に含まれる内部電極7の一端部は、素体3の第一主面3aに露出している。これにより、内部電極7は端子電極5に接続されている。内部電極7の他端部は、素体3内に位置しており、第二主面3bには露出していない。すなわち、内部電極7は、端子電極6に接続されていない。
【0070】
内部電極群32,34に含まれる内部電極9の一端部は、素体3の第二主面3bに露出している。これにより、内部電極9は端子電極6に接続されている。内部電極9の他端部は、素体3内に位置しており、第二主面3bには露出していない。すなわち、内部電極9は、端子電極5に接続されていない。
【0071】
内部電極7,9は、第1実施形態同様、例えば平面視で略矩形形状を呈している。内部電極7,9は、Y方向での長さW1がZ方向での長さL1よりも大きい(
図3参照)。内部電極7〜10は、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(例えば、Ni又はCu等)からなる。内部電極7,9は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
【0072】
内部電極群31と内部電極群32とが積層方向で交互に並んでいる。内部電極群31に含まれる3つの内部電極7のうちの1つの内部電極7と、内部電極群32に含まれる3つの内部電極9のうちの1つの内部電極9とが、積層方向で互いに対向している。内部電極7と内部電極9とは、互いに異なる極性の端子電極に接続されているので、互いに極性が異なる。これにより、積層方向で隣り合って対向する内部電極7と内部電極9との間では、静電容量が生じる異極性対向領域20Aが形成されている。
【0073】
内部電極群31に含まれる3つの内部電極7は、何れも端子電極5に接続されているので、互いに極性が同じである。よって、内部電極群31に含まれる3つの内部電極7のうち、積層方向で両端に位置する内部電極7同士の間では、静電容量が生じない。すなわち、1つの内部電極7を間に挟んで対向する内部電極7同士の間に、静電容量が生じない同極性対向領域20Cが形成されている。このように、本実施形態では、3つの内部電極7により形成された同極性対向領域20Cが、素体3の外側部分14に位置している。
【0074】
内部電極群32に含まれる3つの内部電極9は、何れも端子電極6に接続されているので、互いに極性が同じである。よって、内部電極群32に含まれる3つの内部電極9のうち、積層方向で両端に位置する内部電極9同士の間では、静電容量が生じない。すなわち、1つの内部電極9を間に挟んで対向する内部電極9同士の間に、静電容量が生じない同極性対向領域20Cが形成されている。このように、本実施形態では、3つの内部電極9により形成された同極性対向領域20Cが、素体3の外側部分14に位置している。
【0075】
内部電極群33と、内部電極群34とは、積層方向で交互に並んでいる。内部電極群33に含まれる2つの内部電極7のうちの1つの内部電極7と、内部電極群34に含まれる2つの内部電極9のうちの1つの内部電極9とが、積層方向で互いに対向している。内部電極7と内部電極9とは、互いに異なる極性の端子電極に接続されているので、互いに極性が異なる。これにより、積層方向で隣り合って対向する内部電極7と内部電極9との間では、静電容量が生じる異極性対向領域20Aが形成されている。
【0076】
内部電極群33に含まれる2つの内部電極7は、何れも端子電極5に接続されているので、互いに極性が同じである。よって、内部電極群33に含まれる2つの対向する内部電極7同士の間では、静電容量が生じない。すなわち、積層方向で隣り合って対向する内部電極7同士の間に、静電容量が生じない同極性対向領域20Bが形成されている。このように、本実施形態では、2つの内部電極7により形成された同極性対向領域20Bが、素体3の内側部分13に位置している。
【0077】
内部電極群34に含まれる2つの内部電極9は、何れも端子電極6に接続されているので、互いに極性が同じである。よって、内部電極群34に含まれる2つの対向する内部電極9同士の間では、静電容量が生じない。すなわち、積層方向で隣り合って対向する内部電極9同士の間に、静電容量が生じない同極性対向領域20Bが形成されている。このように、本実施形態では、2つの内部電極7により形成された同極性対向領域20Bが、素体3の内側部分13に位置している。
【0078】
内部電極群31に含まれる内部電極7同士の積層方向での間隔と、内部電極群32に含まれる内部電極9同士の積層方向での間隔と、内部電極群31に含まれる内部電極7と内部電極群32に含まれる内部電極9との積層方向での間隔と、内部電極群33に含まれる内部電極7同士の積層方向での間隔と、内部電極群34に含まれる内部電極9同士の積層方向での間隔と、内部電極群33に含まれる内部電極7と内部電極群34に含まれる内部電極9との積層方向での間隔とは、同等である。すなわち、素体3の外側部分14及び内側部分13のそれぞれに位置する全ての内部電極7,9が、積層方向に同等の間隔で並んでいる。
【0079】
さらに、素体3の外側部分14と内側部分13との境界を挟むように位置する内部電極7,9も、素体3の外側部分14及び内側部分13のそれぞれに位置する内部電極7,9が積層方向に並ぶ間隔と同等の間隔で並んでいる。すなわち、内部電極群32に含まれる内部電極9と内部電極群33に含まれる内部電極7との積層方向での間隔と、素体3の外側部分14及び内側部分13のそれぞれに位置する内部電極7,9が積層方向に並ぶ間隔とは、同等である。すなわち、素体3内に位置する全ての内部電極7,9が、積層方向に同等の間隔で並んでいる。
【0080】
同極性対向領域20Bと、同極性対向領域20Cとは、異極性対向領域20Aを間に挟んで積層方向で交互に並んでいる。同極性対向領域20B、同極性対向領域20C、及び異極性対向領域20Aが、素体3内に均一に広がって分布している。
【0081】
積層方向で隣り合う2つの内部電極7同士の間に形成される同極性対向領域20Bの積層方向での幅と、1つの内部電極9を間に挟んで対向する内部電極9同士の間に形成される同極性対向領域20Cの積層方向での幅とは、互いに異なる。同極性対向領域20Bの積層方向での幅は、互いに対向する内部電極7及び内部電極9に挟まれる異極性対向領域20Aの積層方向での幅に等しい。同極性対向領域20Cの積層方向での幅は、異極性対向領域20Aの積層方向での幅よりも大きい。
【0082】
以上、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC2においても、積層方向で交互に並んだ各内部電極群31と各内部電極群32との間の領域では、各内部電極群31に含まれる3つの内部電極7のうちの1つと各内部電極群32に含まれる3つの内部電極9のうちの1つとが積層方向で互いに対向する。これにより、静電容量が生じる複数の異極性対向領域20Aが素体3内に形成されている。
【0083】
各内部電極群31に含まれる3つの内部電極7は全て同じ極性であると共に、各内部電極群32に含まれる3つの数の内部電極9は全て同じ極性である。よって、3つの数の内部電極7のうち積層方向で両端に位置する内部電極7同士の間と、3つの内部電極9のうち積層方向で両端に位置する内部電極9同士の間とには、静電容量が生じない複数の同極性対向領域20Cが形成されている。
【0084】
積層方向で交互に並んだ各内部電極群33と各内部電極群34との間の領域では、各内部電極群33に含まれる2つの内部電極7のうちの1つと各内部電極群34に含まれる2つの内部電極9のうちの1つとが積層方向で互いに対向する。これにより、静電容量が生じる複数の異極性対向領域20Aが素体3内に形成されている。
【0085】
各内部電極群33に含まれる2つの内部電極7は全て同じ極性であると共に、各内部電極群34に含まれる2つの内部電極9は全て同じ極性である。よって、積層方向で隣り合う2つの内部電極7同士の間と、積層方向で隣り合う2つの内部電極9同士の間とには、静電容量が生じない複数の同極性対向領域20Bが形成されている。
【0086】
したがって、静電容量が生じる複数の異極性対向領域20Aにより所望の静電容量を確保しつつ、静電容量が生じない複数の同極性対向領域20Bにより、同じ大きさの従来の積層セラミックコンデンサの素体に比して、内部電極7,9が配置されていない領域を狭くすることができる。これにより、内部電極材料と誘電体材料との熱収縮率の差を起因とするクラックを抑制することが可能となる。
【0087】
各内部電極群31に含まれる内部電極7同士の積層方向での間隔、各内部電極群32に含まれる内部電極9同士の積層方向での間隔、各内部電極群31に含まれる内部電極7と各内部電極群32に含まれる内部電極9との積層方向での間隔、各内部電極群33に含まれる内部電極7同士の積層方向での間隔、各内部電極群34に含まれる内部電極9同士の積層方向での間隔、及び、各内部電極群33に含まれる内部電極7と各内部電極群34に含まれる内部電極9との積層方向での間隔は、同等である。内部電極群31,32に含まれる内部電極7,9の数(3つ)と、内部電極群33,34に含まれる内部電極7,9の数(2つ)とは、2以上の互いに異なる整数である。よって、内部電極群31に含まれる3つの内部電極7により形成される同極性対向領域20Cの積層方向での幅、及び内部電極群32に含まれる3つの内部電極9により形成される同極性対向領域20Cの積層方向での幅と、内部電極群33に含まれる2つの内部電極7により形成される同極性対向領域20Bの積層方向での幅、及び内部電極群34に含まれる2つの内部電極9により形成される同極性対向領域20Bの積層方向での幅とは、少なくとも互いに対向する内部電極7と内部電極9とにより形成される異極性対向領域20Aの積層方向での幅以上であり、且つ、互いに異なる。
【0088】
このような異なる幅の同極性対向領域20B,20Cにより、素体3における内部電極7,9が配置されていない誘電体4の領域を可能な限り狭めることができる。これにより、所望の静電容量を変えることなく、内部電極7,9が配置された領域と内部電極7,9が配置されていない誘電体4の領域とのバランスをよりよくすることができ、内部電極材料と誘電体材料との熱収縮率の差を起因とするクラックをより抑制することが可能となる。
【0089】
以上より、所望の静電容量を確保しつつ、クラックを抑制することができる。
【0090】
さらに、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC2によれば、素体3の外側部分14には、3つの内部電極7,9により形成された同極性対向領域20Cが位置していると共に、素体3の内側部分13には、2つの内部電極7,9により形成された同極性対向領域20Bが位置している。すなわち、素体3の内側部分13よりも素体3の外側部分14の方が、静電容量を生じない領域を形成する内部電極の数が多い。よって、例え素体3の外側部分14にクラックが発生したとしても、当該クラックが静電容量に寄与する異極性の内部電極に到達することを防ぐことができる。
【0091】
(第3実施形態)
次に、
図8及び
図9を参照して、第3実施形態に係る積層セラミックコンデンサの構成を説明する。
図8及び
図9は、第3実施形態に係る積層セラミックコンデンサを示すXZ断面図である。
図8は第1実施形態における
図1に対応し、
図9は第1実施形態における
図2に対応する。
【0092】
図8及び
図9に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC3は、上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサC2と同様、素体3と、端子電極5,6と、複数の内部電極群31,32,33,34と、を備えている。
【0093】
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC3が第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサC2と異なる点は、素体3の外側部分14に位置する内部電極群31,32に含まれる内部電極7,9の数よりも、素体3の内側部分13に位置する内部電極群33,34に含まれる内部電極7,9の数の方が多い点である。
【0094】
内部電極群31と、内部電極群32とは、積層方向で交互に並んでいる。内部電極群31に含まれる2つの内部電極7のうちの1つの内部電極7と、内部電極群32に含まれる2つの内部電極9のうちの1つの内部電極9とが、積層方向で互いに対向している。これにより、積層方向で隣り合って対向する内部電極7と内部電極9との間では、静電容量が生じる異極性対向領域20Aが形成されている。
【0095】
内部電極群31は、素体3内の外側部分14に積層方向で並置された2つの内部電極7を有している。積層方向で隣り合って対向する内部電極7同士の間には、静電容量が生じない同極性対向領域20Bが形成されている。このように、本実施形態では、2つの内部電極7により形成された同極性対向領域20Bが、素体3の外側部分14に位置している。
【0096】
内部電極群32は、素体3内の外側部分14に積層方向で並置された2つの内部電極9を有している。積層方向で隣り合って対向する内部電極9同士の間には、静電容量が生じない同極性対向領域20Bが形成されている。このように、本実施形態では、2つの内部電極9により形成された同極性対向領域20Bが、素体3の外側部分14に位置している。
【0097】
内部電極群33と、内部電極群34とは、積層方向で交互に並んでいる。内部電極群33に含まれる3つの内部電極7のうちの1つの内部電極7と、内部電極群34に含まれる3つの内部電極9のうちの1つの内部電極9とが、積層方向で互いに対向している。これにより、積層方向で隣り合って対向する内部電極7と内部電極9との間では、静電容量が生じる異極性対向領域20Aが形成されている。
【0098】
内部電極群33は、素体3内の内側に積層方向で並置された3つの内部電極7を有している。1つの内部電極7を間に挟んで対向する内部電極7同士の間には、静電容量が生じない同極性対向領域20Cが形成されている。このように、本実施形態では、3つの内部電極7により形成された同極性対向領域20Cが、素体3の内側部分13に位置している。
【0099】
内部電極群34は、素体3内の内側に積層方向で並置された3つの内部電極9を有している。1つの内部電極9を間に挟んで対向する内部電極9同士の間には、静電容量が生じない同極性対向領域20Cが形成されている。このように、本実施形態では、3つの内部電極9により形成された同極性対向領域20Cが、素体3の内側部分13に位置している。
【0100】
上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサC2と同様、内部電極群31に含まれる内部電極7同士の積層方向での間隔と、内部電極群32に含まれる内部電極9同士の積層方向での間隔と、内部電極群31に含まれる内部電極7と内部電極群32に含まれる内部電極9との積層方向での間隔と、内部電極群33に含まれる内部電極7同士の積層方向での間隔と、内部電極群34に含まれる内部電極9同士の積層方向での間隔と、内部電極群33に含まれる内部電極7と内部電極群34に含まれる内部電極9との積層方向での間隔とは、同等である。すなわち、素体3の外側部分14及び内側部分13のそれぞれに位置する全ての内部電極7,9が、積層方向に同等の間隔で並んでいる。
【0101】
さらに、素体3の外側部分14と内側部分13との境界を挟むように位置する内部電極7,9も、素体3の外側部分14及び内側部分13のそれぞれに位置する内部電極7,9が積層方向に並ぶ間隔と同等の間隔で並んでいる。すなわち、内部電極群32に含まれる内部電極9と内部電極群33に含まれる内部電極7との積層方向での間隔と、素体3の外側部分14及び内側部分13のそれぞれに位置する内部電極7,9が積層方向に並ぶ間隔とは、同等である。すなわち、素体3内に位置する全ての内部電極7,9が、積層方向に同等の間隔で並んでいる。
【0102】
以上、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC3においても、上記実施形態同様、静電容量が生じる複数の異極性対向領域20Aにより所望の静電容量を確保しつつ、静電容量が生じない複数の同極性対向領域20Bにより、同じ大きさの従来の積層セラミックコンデンサの素体に比して、内部電極7,9が配置されていない領域を狭くすることができる。これにより、内部電極材料と誘電体材料との熱収縮率の差を起因とするクラックを抑制することが可能となる。
【0103】
異なる幅の同極性対向領域20B,20Cにより、素体3における内部電極7,9が配置されていない誘電体4の領域を可能な限り狭めることができる。これにより、所望の静電容量を変えることなく、内部電極7,9が配置された領域と内部電極7,9が配置されていない誘電体4の領域とのバランスをよりよくすることができ、内部電極材料と誘電体材料との熱収縮率の差を起因とするクラックをより抑制することが可能となる。
【0104】
以上より、所望の静電容量を確保しつつ、クラックを抑制することができる。
【0105】
さらに、本実施形態によれば、素体3の外側部分14には、2つの内部電極7,9により形成された同極性対向領域20Bが位置していると共に、素体3の内側部分13には、3つの内部電極7,9により形成された同極性対向領域20Cが位置している。すなわち、素体3の外側部分14よりも素体3の内側部分13の方が、静電容量を生じない領域を形成する内部電極の数が多い。これにより、バレル研磨され難い素体3の内側部分13においても、内部電極7,9と端子電極5,6との接続性を高めることができる。
【0106】
(第4実施形態)
次に、
図10を参照して、第4実施形態に係る積層セラミックコンデンサの構成を説明する。
図10は、第4実施形態に係る積層セラミックコンデンサを示す断面図であって、第1実施形態における
図2に対応するXZ断面図である。
【0107】
図10に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC4は、上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1と同様、素体3と、端子電極5,6と、複数の内部電極群11,12と、を備えている。
【0108】
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC4が上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1と異なる点は、積層方向で最外層において、調整電極17を更に備えている点である。
【0109】
調整電極17は、複数の内部電極のうち積層方向で最外層に配置された内部電極7に対向するように配置されている。すなわち、調整電極17は、積層方向で両端において、内部電極7に隣接して配置されている。調整電極17の一端部は、素体3の第二主面3bに露出している。これにより、調整電極17は、端子電極6に接続されている。調整電極17の他端部は、素体3内に位置しており、第一主面3aに露出していない。すなわち、調整電極17は、端子電極5に接続されていない。
【0110】
調整電極17は、内部電極7と極性が異なる。よって、隣接して対向する内部電極7と調整電極17との間には、静電容量が生じる。すなわち、調整電極17は、内部電極7と対向することにより、内部電極9と調整電極17との間に異極性対向領域20Aを形成する。調整電極17は、積層工程の段階において、積層セラミックコンデンサC4における静電容量を微調整する機能を有する。
【0111】
積層方向において、調整電極17と、隣接する内部電極7との間隔は、積層方向で互いに同等の間隔で並置された内部電極7,9の間隔と同等である。換言すると、素体3の内部に配置された複数の内部電極7,9、及び調整電極17は、全て積層方向で同等の間隔で並置されている。
【0112】
以上、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC4においても、第1実施形態同様、所望の静電容量を確保しつつ、クラックを抑制することができる。
【0113】
さらに、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC4によれば、積層方向で最外層に、静電容量に寄与する調整電極17が配置されているので、当該調整電極17により、積層段階において静電容量を微調整することができる。
【0114】
なお、調整電極17に代えて又は加えて、複数の内部電極のうち積層方向で最外層に配置された内部電極9に対向するように配置され、且つ、端子電極5に接続されていると共に端子電極6に接続されていない調整電極を有していてもよい。この場合、当該端子電極5に接続された調整電極は、内部電極9と隣接して対向することにより、静電容量を生じる異極性対向領域20Aを形成する。
【0115】
(第5実施形態)
次に、
図11を参照して、第5実施形態に係る積層セラミックコンデンサの構成を説明する。
図11は、第5実施形態に係る積層セラミックコンデンサを示す断面図であって、第1実施形態における
図2に対応するXZ断面図である。
【0116】
図11に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC5は、上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1と同様、素体3と、端子電極5,6と、複数の内部電極群11,12と、を備えている。
【0117】
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC5が上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1と異なる点は、積層方向で最外層において、端子電極5と端子電極6との間に直列に接続された複数の容量成分が形成されるように、誘電体4を挟んで配置された複数の調整電極30を更に備えている点である。複数の調整電極30は、複数の内部電極のうち積層方向で最外層に配置された内部電極7に対向するように配置されている。すなわち、複数の調整電極30は、積層方向で両端において、内部電極7に隣接して配置されている。
【0118】
調整電極30は、主電極25、主電極27、及び中間電極26を含んでいる。主電極25は、積層方向で最外層において、中間電極26を介して内部電極7に対向して配置されている。主電極25の一端部は、素体3の第一主面3aに露出している。これにより、主電極25は端子電極5に接続されている。主電極25の他端部は、素体3内に位置しており、第二主面3bには露出していない。すなわち、主電極25は、端子電極6に接続されていない。
【0119】
主電極27は、積層方向で主電極25と同層に配置されている。すなわち、主電極27は、積層方向で最外層において、中間電極26を介して内部電極7に対向して配置されている。主電極27の一端部は、素体3の第二主面3bに露出している。これにより、主電極27は端子電極6に接続されている。主電極27の他端部は、素体3内に位置しており、第一主面3aには露出していない。すなわち、主電極27は、端子電極5に接続されていない。
【0120】
中間電極26は、積層方向で、主電極25,27と、主電極25,27と対向する内部電極7との間に配置されている。中間電極26の両端部は、素体3内に位置しており、第一及び第二主面3a,3bには露出していない。すなわち、中間電極26は、端子電極5,6の何れにも接続されていない。
【0121】
主電極25,27と中間電極26とは、それぞれ誘電体4を挟んで対向して配置されている。主電極25と主電極27とは、中間電極26を共用している。主電極25と中間電極26とが対向する領域には、第1の容量成分C
1が形成される。主電極27と中間電極26とが対向する領域には、第2の容量成分C
2が形成される。これにより、主電極25と主電極27との間には、直列に接続された第1の容量成分C
1及び第2の容量成分C
2が形成されている。すなわち、端子電極5と端子電極6との間に直列に接続された複数の容量成分が形成されている。
【0122】
以上、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC5においても、上記実施形態同様、所望の静電容量を確保しつつ、クラックを抑制することができる。
【0123】
さらに、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC5によれば、積層方向で最外層において、直列に接続された複数の容量成分(第1の容量成分C
1及び第2の容量成分C
2)が形成されるので、積層段階における静電容量の微調整をより容易にできる。
【0124】
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0125】
上記実施形態では、素体3の内部に配置された複数の内部電極7,9、及び調整電極17は全て同等の間隔で並置されているとしたが、同等の間隔とは、全く等しい間隔には限られない。上述したように、例えば、予め設定した範囲での微差又は製造誤差などを含んだ値を同等としてもよい。
【0126】
本発明の効果を奏する限り、各内部電極の積層方向での並び方は、上記実施形態での並び方に限られない。例えば、内部電極群11,12,31,32,33,34に含まれる内部電極7,9の数は、2つまたは3つに限られない。
【0127】
上記第2及び第3実施形態に係る積層セラミックコンデンサにおいて、調整電極17,30を備えてもよい。
【0128】
なお、上記実施形態によれば、素体3のY方向での長さWの方が、素体3のX方向での長さTよりも大きい。このため、通常の積層セラミックコンデンサ、すなわち、素体のY方向での長さが素体のX方向での長さよりも大きく、且つ、端子電極がY方向で対向する第三及び第四側面に配置されているような、通常の積層セラミックコンデンサと実装面積を同じくすることができる。