【文献】
太田 陽基 Haruki OTA,"レート分割法による多重アクセス通信の誤り指数について On Error Exponent of Rate-Splitting Multiple Accessing Scheme for Gaussian Multiple-Access Channel 基礎・境界",電子情報通信学会論文誌 (J86−A) 第3号 THE TRANSACTIONS OF THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS A (2003-03-01),2003年 3月 1日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式を含む複数の前記接続方式を利用して通信可能な無線通信システムの無線通信装置と通信を行う通信部と、
前記無線通信装置が利用する前記接続方式に関するリソースの割り当てを行う制御部と、
を備え、
前記無線通信装置に割り当てられる前記直交リソース及び前記非直交リソースに関する情報は、互いに異なる制御チャネルに含まれ、段階的に前記無線通信装置に通知される、通信制御装置。
前記直交リソースに関する情報が含まれる前記制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度は、前記データチャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度と等しい又はそれ以上である、請求項4に記載の通信制御装置。
前記直交リソースに関する情報を含む前記制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度は、前記非直交リソースに関する情報を含む前記制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度と等しいかそれ以上である、請求項4に記載の通信制御装置。
前記制御部は、前記無線通信装置が形成するひとつ以上のセルに接続するひとつ以上の他の前記無線通信装置に共通する前記リソースを割り当てる、請求項1に記載の通信制御装置。
前記リソースは、空間領域、電力領域、インタリーバ領域、データレート領域、又はスパース符号領域の少なくともいずれかひとつを含む、請求項1に記載の通信制御装置。
直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式を含む複数の前記接続方式を利用して通信可能な無線通信システムの無線通信装置と通信を行うことと、
前記無線通信装置が利用する前記接続方式に関するリソースの割り当てをプロセッサにより行うことと、
を含み、
前記無線通信装置に割り当てられる前記直交リソース及び前記非直交リソースに関する情報は、互いに異なる制御チャネルに含まれ、段階的に前記無線通信装置に通知される、通信制御方法。
前記直交リソースに関する情報が含まれる前記制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度は、前記データチャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度と等しい又はそれ以上である、請求項36に記載の通信制御方法。
前記直交リソースに関する情報を含む前記制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度は、前記非直交リソースに関する情報を含む前記制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度と等しいかそれ以上である、請求項36に記載の通信制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素を、必要に応じて基地局200A、200B及び200Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、基地局200A、200B及び200Cを特に区別する必要が無い場合には、単に基地局200と称する。
【0015】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.はじめに
2.構成例
2.1.通信システム
2.2.通信制御装置
2.3.基地局
2.4.端末装置
3.機能詳細
3.1.接続設定の割り当て処理の概要
3.2.送信機能及び受信機能
3.3.接続設定の割り当て処理の詳細
3.4.接続設定情報の通知
3.5.チャネル構成
3.6.ケイパビリティ情報
4.応用例
5.まとめ
【0016】
<1.はじめに>
まず、
図1及び
図2を参照して、SPCに関する技術について説明する。
図1及び
図2は、SPCに関する技術を説明するための説明図である。
【0017】
LTE(Long Term Evolution)/LTE−A(LTE−Advanced)に続く、5Gの無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)のひとつとして、非直交多元接続方式が注目されている。
【0018】
LTEで採用されているOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)又はSC−FDMA(Single−Carrier FDMA)においては、セル内のユーザ端末同士では重複しないようリソースが割り当てられる。なお、OFDMA又はSC−FDMAにおけるリソースとは、無線通信のための周波数リソース又は時間リソースであり、サブキャリア、サブフレーム、リソースブロック、リソースエレメント等の多様な種類がある。このような、リソースが重複しないよう割り当てられるRATは、直交多元接続方式とも称される。
【0019】
図1は、直交多元接続方式におけるリソースの割り当ての一例を説明するための図である。
図1では、横軸が周波数を示し、ユーザに割り当てられたリソースがユーザごとに異なる色で示されている。
図1に示すように、直交多元接続方式では、ユーザに例えば周波数方向で異なるリソースブロック(RB:Resource Block)が割り当てられ得る。
【0020】
これに対し、非直交多元接続方式では、セル内のユーザ端末同士に、少なくとも一部が重複するリソースが割り当てられる。非直交多元接続方式が採用される場合、無線空間においては、セル内のユーザ端末が送受信する信号が互いに干渉し得る。しかし、受信側は、所定の復号処理により、ユーザごとの情報を取得することが可能である。そして、非直交多元接続方式は、適切なリソースの割り当てが実施された場合、直交多元接続方式よりも高い通信容量(又はセル通信容量)を達成できることが理論的に知られている。
【0021】
図2は、非直交多元接続方式におけるリソースの割り当ての一例を説明するための図である。
図2では、横軸が周波数を示し、ユーザに割り当てられたリソースがユーザごとに異なる色で示されている。
図2に示すように、非直交多元接続方式では、ユーザに例えば周波数方向で重複するリソースブロックが割り当てられ得る。なお、このような割り当ては、例えばCDMA(Code Division Multiple Access)又はIDMA(Interleave Division Multiple Access)において行われる。
【0022】
非直交多元接続方式に分類されるRATの一つとして、SPCを用いた多重・多元接続方式が挙げられる。SPCでは、送信側は、多重する信号に異なる電力を割当てながら、周波数リソース又は時間リソースのうち少なくとも一部を重複させる。受信側は、SICや繰り返し検出のような仕組みを用いて、同一の周波数リソース上又は時間リソース上に多重された信号を受信及び復号する
【0023】
ここで、SPCを利用して、複数のユーザを効率的にスケジューリングしようとする場合、特に下りリンクでは、基地局と複数のユーザとの間のパスロスの関係、及び基地局と複数のユーザとの間の位置関
係に制約がかかることが想定される。例えば、2つのユーザの各々の信号をSPCで多重する場合を考えると、受信装置側のSICが効率的に動作するためには、SPC多重される2つのシンボルの各々の電力は、パスロス差に応じて設定されるべきである。この設定を守ろうとすると、パスロスがほぼ同等であるユーザに対しては、意図的に電力差をつけてSPC多重を施す必要がある。このような場合には、ユーザ間に不公平が生じる恐れがある。また、この不公平を解消するためには、より複雑なスケジューリングが行われることが望ましい。
【0024】
また、SPC及び他の非直交多重方式が採用される場合、どのような非直交多重方式やスケジューリングを行っているかといった情報が通信装置間でやり取りされることが望ましい。ここで、一般的な制御チャネル及びデータチャネルの物理的配置方法である、周波数及び時間方向で互いに直交させて配置する方法が採用される場合、効率の点で劣化が生じる可能性がある。また、非直交多重方式に対応する装置と対応しない装置(いわゆるレガシ装置)を同時に収容するためには、レガシ装置に対しても適切に復号できる制御チャネルが提供することが望ましい。
【0025】
また、一般的なセルラーシステムでは、複数の多重方式から利用される多重方式の選択を行うこと及び切り替えを行うことについては、ハンドオーバ時には考慮されていない。一方、複数の非直交多重方式から利用される多重方式を選択しながら運用するシステムでは、ハンドオーバを実施する際に、そのハンドオーバ先がどのような直交多重方式又は非直交多重方式を採用しているか、又は採用可能であるか、という情報が用いられる。このため、そのような情報を利用したハンドオーバの手続きが提供されることが、複数の非直交多重方式が採用されるシステムの効率向上のために望ましい。
【0026】
そこで、上記事情を一着眼点にして本開示の実施形態に係る通信システムを創作するに至った。本開示の一実施形態に係る通信システムは、直交リソース及び非直交リソースを選択的に用いた通信を実現することが可能である。より詳しくは、本実施形態に係る通信システムは、直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式を含む複数の接続方式を利用して通信可能である。また、本実施形態に係る通信システムは、各無線通信装置が利用する接続方式及びリソースの割り当てを適切に行うことが可能である。以下、本実施形態について詳細に説明する。
【0027】
<2.構成例>
[2.1.通信システム]
まず、
図3〜
図5を参照して、本実施形態に係る通信システムの全体構成について説明する。
【0028】
図3は、本実施形態に係る通信システムの構成の一例を説明するための図である。
図3に示すように、通信システム1は、アプリケーションサーバ10、サービスプラットフォーム11、ネットワークゲートウェイ12、デバイス13、IPネットワーク14及びコアネットワーク15を含む。
【0029】
アプリケーションサーバ10は、サービスを提供するサーバである。サービスプラットフォーム11は、アプリケーションサーバ10が提供するサービスの基盤となる環境を提供するサーバである。ネットワークゲートウェイ12は、異なるネットワーク間を仲介する機能を有する装置である。デバイス13は、無線通信装置である。ネットワークゲートウェイ12は、IPネットワーク14を介してサービスプラットフォーム11に接続される。また、デバイス13は、コアネットワーク15を介してネットワークゲートウェイ12に接続される。
【0030】
デバイス13は、端末装置、基地局、ネットワークマネージャなどを含み得る。端末装置は、例えばユーザ端末である。基地局は、例えばNodeB、eNB又はアクセスポイント等である。ネットワークマネージャは、ネットワークを管理する機能を有する。
図3では、端末装置、基地局及びネットワークマネージャをデバイス13として同一レイヤで表現しているが、それぞれ異なるレイヤに属していてもよい。異なるレイヤに属する場合、基地局及びネットワークマネージャが属するレイヤが、端末装置が属するレイヤと比較してコアネットワーク15に近いことが望ましい。
【0031】
デバイス13に属する端末装置は、アプリケーションサーバ10が提供するサービスを、ネットワークを介して利用する。このようなサービスの利用に関する論理的なセッションは、符号21に示す端末装置とアプリケーションサーバ10との通信として捉えることができる。一方で、このようなサービスの利用に関する物理的なセッションは、符号22、23及び24に示すように、多様な装置を介した通信として捉えることができる。例えば、端末装置は、基地局、コアネットワーク15、ネットワークゲートウェイ12、IPネットワーク14及びサービスプラットフォーム11を介してアプリケーションサーバ10に接続される。なお、アプリケーションサーバ10は、例えばクラウドシステムのような複数の他のサーバと共にサービスプラットフォーム11を形成してもよい。その場合、サービスプラットフォーム11は、IPネットワーク14との接続を行うゲートウェイ機能を有していてもよい。また、サービスプラットフォーム11、IPネットワーク14及びコアネットワーク15は、さらに物理的な装置として、ルータ、スイッチ、ルータ又はスイッチ等のネットワークを仮想化する仮想化装置、仮想化を制御する仮想化制御装置、ケーブル等を含み得る。
【0032】
図4は、論理的インタフェース及び物理的インタフェースについて説明するための図である。
図4に示すように、基地局13A及び13Bは、論理的なインタフェース25により接続されている。このインタフェースは、物理的に接続されているとは限らない。例えば、
図4に示すように、基地局13A及び13Bは、コアネットワーク15等の複数のエンティティを介する物理的なインタフェース26により物理的に接続され得る。なお、符号25及び26に示した基地局間のインタフェースは、X2インタフェースとも称される。
【0033】
図5は、本実施形態に係る通信システムの構成の一例を説明するための図である。
図5では、ネットワーク構成の別の例の一つである、MTC(Machine Type Communications)におけるネットワーク構成を示している。なお、図中の破線は制御プレーン(Control Plane)であり、実線はユーザプレーン(User Plane)である。また、図中のエンティティ及びパス(制御プレーン及びユーザプレーン)は、それぞれ論理エンティティ、論理パスである。
【0034】
図5に示したネットワーク構成は、HPLMN(Home Public Land Mobile Network)とVPLMN(Visited Public Land Mobile Network)」に大きく分かれており、異なる通信事業者をローミングする場合の構成が示されている。HPLMNは、対象の通信装置(例えばUE31)が本来属する通信事業者側のネットワークであり、VPLMNは通信装置のローミング先のネットワークに該当する。HPLMNとVPLMNとの間は、公衆IPネットワークにより中継されていてもよい。ローミング中の場合は、
図5に示すように、特に制御プレーンのデータは、VPLMNからHPLMN内のエンティティへ中継がされる。これは、対象となるUE31の制御情報は、ホームである通信事業者側で管理する必要があるためである。一方、ユーザプレーンのデータはVPLMN側のゲートウェイからHPLMN側のゲートウェイに中継された後に、アプリケーションサーバ(Application Server)41へと中継・転送される。なお、ユーザプレーンのデータは、公衆IPネットワークやサービスプラットフォームのエンティティを経由してもよい。ローミングが発生していない通常時でれば、HPLMN/VPLMNの境界はないこととなる。
【0035】
以下、
図5に示すネットワーク構成に含まれる各エンティティについて順に説明する。
【0036】
UE(User Equipment)31は、端末装置300の一例であり、MTC用のアプリケーションである「MTC UE Application」がインストールされている。UE31は、RAN(Radio access network)32を介して、MME33、S−GW34、SGSN36、MSC37に接続する。本実施形態では、RAN32において、直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式を含む複数の接続方式が利用され得る。基地局200は、例えばRAN32の中に存在し、UE31に接続されている。
【0037】
MME(Mobility Management Entity)33は、主に制御プレーンを取り扱うエンティティであり、UE31のモビリティ及びセキュリティを管理する。MME33は、UE31がモビリティによってハンドオーバなどエリア移動した場合に、その移動情報を管理し、コアネットワークの上位のエンティティ又は他のオペレータのエンティティに対してやり取りを実施する。
【0038】
S−GW(Serving Gateway)34は、主にユーザプレーンのデータ(IPデータ)を取り扱う。S−GW34は、RAN32とコアネットワークの間を取り次ぐエンティティであり、各UEのモビリティに対応しながら、データのルーティングを担う。
【0039】
P−GW(Packet Data Network Gateway)35は、主にユーザプレーンのデータ(IPデータ)を取り扱う。P−GW35は、コアネットワークと外部ネットワークの間を取り次ぐエンティティである。また、P−GW35は、コアネットワークおよび提供するRANのポリシー制御、課金制御、IPアドレス管理を行うこともある。S−GW34及びP−GW35は、論理的には別のエンティティであるが、物理的には同一であることもある。GGSN(Gateway GPRS Support Node)35は、P−GW35と同様に、コアネットワークと外部ネットワークの間を接続するエンティティである。
【0040】
SGSN(Serving GPRS Support Node)36は、MME33とS−GW34の両方の機能をもつようなエンティティである。SGSN36は、ネットワークの種類(GPRS(General Packet Radio Services))や、RAN32の種類(WCDMA(登録商標)/GMS)によって存在するエンティティである。SGSN36は、MME33とS−GW34の両方の機能を有するため、制御プレーン、ユーザプレーンの両方を取り扱うこととなる。
【0041】
MSC(Mobile Switching Centre)37は、主にGSM(登録商標)/WCDMAのネットワークで用いるエンティティであり、音声通話、SMS(Short Message Services)など、回線交換(CS(Circuit Switch))のサービスデリバリを担う。MSC37は、CSサービスをサポートするために、End−to−End接続の設定・リリース、UE31のモビリティ、通話中のハンドオーバなどを制御する機能をもつ。
【0042】
HSS(Home Subscriber Server)38は、オペレータが契約している契約者・ユーザ(例えば、UE31)についての加入者情報データベースである。HSS38は、例えば認証情報や現在どこに存在しているかなどの情報を管理する。UE31がローミングしているような場合、ローミング先にいることもHSS38で管理される。
【0043】
MTC−AAA(Authentication, Authorization, and Accounting)39は、認証、承認、精算などの機能を提供するエンティティである。MTC−AAA39は、HSS38にある加入者情報を利用して、加入者又はUE31の個々に対する機能・制御を取り扱う。
【0044】
CDF(Charging Data Function)40及びCGF(Charging Gateway Function)40は、オペレータの請求処理ドメイン(Billing Center/Billing Domain)に対して、課金データを送受するためのエンティティである。
【0045】
アプリケーションサーバ(Application Server)41は、サービスを提供するためのサーバである。SCS(Services Capability Server)42は、アプリケーションサーバ41により提供可能サービスを適切に選択するためのエンティティである。例えば、アプリケーションサーバ41があるサービスを提供するにあたって、事前に対象のUE31にモニタリングやセンシングを実施することが必要である場合を想定する。その場合、SCS42がそのトリガをUE31に対して要求することで、アプリケーションサーバ41は、スムーズにサービスの提供を開始することが可能となる。SCS42は、すべてのアプリケーションサーバ41に対して必要なわけではない。例えば、
図5に示すように、SCS42を伴うアプリケーションサーバ41Aと、伴わないアプリケーションサーバ4
1Bとがあってもよい。なお、SCS42を伴うアプリケーションサーバ41Aを間接モデル(Indirect Model)とも称し、SCS42を伴わないアプリケーションサーバ42Bを直接モデル(Direct Model)とも称する。そして、これらの両方を含むネットワーク構成を、ハイブリットモデル(Hybrid Model)とも称する。
【0046】
MTC−IWF(Interworking Function)43は、ひとつ又は複数のSCS42と接続するエンティティである。MTC−IWF43は、SCS42を経由して提供されるアプリケーション(サービス)が、該当するオペレータのネットワークで提供できるかどうかを判断/承認する機能を有する。また、MTC−IWFは、SCS42から送られるユーザ向けのトリガ要求を受信したり、トリガの結果をSCS42へ返したりする役割も有する。
【0047】
SME(Short Message Entity)44は、ショートメッセージの送信又は受信を行うエンティティである。
【0048】
SMS−SC(Short Message Service Switching Centre)45、SMS−GMSC(SMS−Gateway Mobile Switching Centre)45及びSMS−IWMSC(SMS−Interworking Mobile Switching Centre)45は、HPLMNでのショートメッセージのやり取りを制御するエンティティである。SMS−SC45、SMS−GMSC45及びSMS−IWMSC45は、ショートメッセージを送受信するユーザが不在の場合の設定や、ショートメッセージの送受信が成功したことを、関連するエンティティへ通知する役割を担っている。
【0049】
IP−SM−GW(IP Short Message Gateway)46は、オペレータが提供するSMS以外の、外部IPネットワーク(サービス/事業者等)のSMSを取り込むための機能をもつエンティティであり、SMSの利便性を向上させるものである。
【0050】
以上、本実施形態に係る通信システム1の全体構成を説明した。続いて、通信システム1が含む各装置の基本的な構成例を説明する。
【0051】
[2.2.通信制御装置]
本実施形態に係る通信システム1は、通信システム1内の通信を協調的に制御するための通信制御装置を含む。通信制御装置は、例えば、アプリケーションサーバ10、サービスプラットフォーム11、又はネットワークマネージャ16として実現され得る。通信制御装置は、論理的エンティティとして実現されてもよく、例えば基地局と一体的に形成されてもよい。
【0052】
図6は、本実施形態に係る通信制御装置100の論理的な構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、通信制御装置100は、通信部110、記憶部120及び制御部130を含む。
【0053】
(1)通信部110
通信部110は、通信制御装置100による他の装置との通信を仲介する通信インタフェースである。通信部110は、有線通信インタフェースであってもよく、又は無線通信インタフェースであってもよい。本実施形態に係る通信部110は、直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式を含む複数の接続方式を利用して通信可能な通信システム1の無線通信装置と通信を行う。通信部110が通信を行う無線通信装置としては、例えばデバイス13に属するひとつ以上の端末装置及びひとつ以上の基地局が挙げられる。
【0054】
本実施形態では、異なるユーザ又は信号を多重するために、直交リソース又は非直交リソースが活用される。例えば、直交リソースとしては、時間(サブフレーム、スロット、無線フレーム等)、周波数(コンポーネントキャリア、サブキャリア、サブチャネル、リソースブロック等)、符号(拡散符号、ランダム化符号等)等が挙げられる。また、非直交リソースとしては、空間(空間ストリーム、空間レイヤ、空間コードブック、アンテナ、アンテナポート等)、電力(パワー等)、インタリーバ(ビットインタリーバ、シンボルインタリーバ等)、データレート、符号(スパース符号(Sparse Code)、拡散コードブック等)等が挙げられる。本明細書では、これらのリソースを単にリソースと称するが、他にも多様に称されてもよい。例えば、これらのリソースは、無線アクセスリソース(RAR:Radio Access Resource)、無線リソース(RR:Radio Resource)、アクセスリソース(AR:Access Resource)、無線アクセス軸(RAA:Radio Access Axis)、無線アクセスコンポーネント(RAC:Radio Access Component)、無線アクセスブロック(RAB:Radio Access Block)と称されてもよい。
【0055】
通信部110は、基地局200及び端末装置300との間で、直接的に又は間接的に通信を行う。例えば、通信部110は、基地局200又は端末装置300へ、後述する接続設定情報を送信してもよい。例えば、通信部110は、基地局200又は端末装置300からケイパビリティ情報を受信する。また、通信部110は、受信したケイパビリティ情報を、他の通信制御装置100等の他の装置へ転送してもよい。ケイパビリティ情報とは、各装置がどの接続方式に対応し又は未対応であるか、またどのリソースに対応し又は未対応であるかを示す情報である。即ち、ケイパビリティ情報は、非直交リソースに関する対応可能性を示す情報を含む。また、ケイパビリティ情報は、直交リソースに関する対応可能性を示す情報を含む。
【0056】
また、通信部110は、後述する制御部130による割り当て結果を示す情報を、基地局200又は端末装置300へ送信する。制御部130による割り当て結果を示す情報は、割り当てられた接続方式又はリソースの少なくともいずれかを示す情報を含む。以下では、割り当て結果を示す情報を、接続設定情報とも称する。
【0057】
(2)記憶部120
記憶部120は、ハードディスク又は半導体メモリなどの記憶媒体を用いて、通信制御装置100の動作のためのプログラム及びデータを記憶する。記憶部120により記憶されるデータは、例えば通信システム1内の各装置(例えば、基地局200及び端末装置300等)のケイパビリティ情報を含み得る。
【0058】
(3)制御部130
制御部130は、通信制御装置100の動作全般を制御する。制御部130は、通信システム1内の通信を協調的に制御する機能を有する。
【0059】
例えば、制御部130は、通信システム1内の無線通信装置が利用する接続方式に関するリソースの割り当てを行う機能を有する。制御部130による割り当て対象のリソースは、空間領域、電力領域、インタリーバ領域、データレート領域、又はスパース符号領域の少なくともいずれかひとつを含む。他にも、割り当て対象のリソースは、時間領域又は周波数領域を含んでいてもよい。例えば、制御部130は、まず、各無線通信装置が利用する接続方式の割り当てを行う。そして、制御部130は、各無線通信装置に、割り当てた接続方式において利用される空間領域、電力領域、インタリーバ領域、データレート領域、又はスパース符号領域を割り当てる。例えば、制御部130は、通信システム1内の各装置のケイパビリティ情報に基づいて割り当てを行う。また、制御部130は、通信システム1内の基地局200のステータス情報にさらに基づいて割り当てを行ってもよい。ステータス情報とは、基地局200自身が現在どの接続方式を利用中であるかを示す情報である。以下では、接続方式及びリソースの組み合わせを接続設定とも称し、接続方式及びリソースの割り当てを接続設定の割り当てとも称する。制御部130は、ひとつ以上の基地局200又はひとつ以上の端末装置300について、それぞれ異なる接続設定を割り当ててもよいし、共通する接続設定を割り当ててもよい。
【0060】
制御部130は、ケイパビリティ情報又はステータス情報を用いた多様な処理を行い得る。例えば、制御部130は、ハンドオーバの手続き又はアドミッション制御の手続きにおいて、ケイパビリティ情報及びステータス情報を用い得る。例えば、制御部130は、ハンドオーバの手続き又はアドミッション制御の手続きにおいて、基地局200又は端末装置300に割り当てる接続設定を変更してもよい。
【0061】
[2.3.基地局]
図7は、本実施形態に係る基地局200の論理的な構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、基地局200は、無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240を含む。
【0062】
(1)無線通信部210
無線通信部210は、基地局200による他の装置との通信を仲介する通信インタフェースである。本実施形態に係る無線通信部210は、直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式を含む複数の接続方式を利用して、基地局200に接続するひとつ以上の端末装置300と無線通信を行う。例えば、無線通信部210は、通信制御装置100により割り当てられた接続設定を用いて端末装置300との間で無線通信を行う。例えば、無線通信部210は、端末装置300からケイパビリティ情報を受信する。また、無線通信部210は、ネットワーク通信部220により通信制御装置100から受信された接続設定情報を端末装置300へ送信する。
【0063】
(2)ネットワーク通信部220
ネットワーク通信部220は、基地局200をコアネットワーク15に接続するための通信インタフェースである。ネットワーク通信部220は、有線通信インタフェースであってもよく、又は無線通信インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部220は、コアネットワーク15内の様々な制御ノードとの間で、データトラフィックを送受信し、及び制御メッセージを交換する。ネットワーク通信部220は、通信システム1内の他の基地局200又は通信制御装置100との間で通信を行い得る。
【0064】
例えば、ネットワーク通信部220は、無線通信部210により端末装置300から受信されたケイパビリティ情報を、他の基地局200又は通信制御装置100等の他の装置へ転送してもよい。また、ネットワーク通信部220は、基地局200自身が現在どの接続方式を利用中であるかを示すステータス情報を、
他の基地局200又は通信制御装置100へ送信してもよい。また、ネットワーク通信部220は、通信制御装置100により割り当てられた接続設定を示す接続設定情報を、通信制御装置100から受信する。
【0065】
(3)記憶部230
記憶部230は、ハードディスク又は半導体メモリなどの記憶媒体を用いて、基地局200の動作のためのプログラム及びデータを記憶する。記憶部230により記憶されるデータは、接続設定情報、及び基地局200に接続するひとつ以上の端末装置300のケイパビリティ情報を含み得る。
【0066】
(4)制御部240
制御部240は、基地局200の動作全般を制御する。本実施形態に係る制御部240は、無線通信部210が利用する接続方式に関して割り当てられたリソースを用いた無線通信を行うよう無線通信部210を制御する機能を有する。例えば、制御部240は、通信制御装置100により割り当てられた接続方式を利用するよう無線通信部210を設定する。そして、制御部240は、無線通信部210が利用する接続方式に関して、通信制御装置100により割り当てられた空間領域、電力領域、インタリーバ領域、データレート領域、又はスパース符号領域を利用して無線通信を行うよう無線通信部210を設定する。
【0067】
制御部240は、ケイパビリティ情報又はステータス情報を用いた多様な処理を行い得る。例えば、制御部240は、ハンドオーバの手続き又はアドミッション制御の手続きにおいて、ケイパビリティ情報及びステータス情報を用い得る。例えば、制御部240は、ハンドオーバの手続き又はアドミッション制御の手続きにおいて、通信制御装置100により指示された接続設定の変更を適用してもよい。その際、制御部240は、指示された接続設定の変更を適用するか拒否するかを判定するための変更可否判定を行ってもよい。また、制御部240は、接続設定の変更可否判定の結果に応じて、端末装置300によるハンドオーバの受け入れを承諾するか拒否するかを判定してもよい。
【0068】
[2.4.端末装置]
図8は、本実施形態に係る端末装置300の論理的な構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、端末装置300は、無線通信部310、記憶部320及び制御部330を有する。
【0069】
(1)無線通信部310
無線通信部310は、端末装置300による他の装置との無線通信を仲介する無線通信インタフェースである。本実施形態に係る無線通信部310は、直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式をひとつ以上用いて無線通信を行う。例えば、無線通信部310は、通信制御装置100により割り当てられた接続設定を用いて基地局200との間で無線通信を行う。例えば、無線通信部310は、自身のケイパビリティ情報を基地局200へ送信する。
【0070】
(2)記憶部320
記憶部320は、ハードディスク又は半導体メモリなどの記憶媒体を用いて、端末装置300の動作のためのプログラム及びデータを記憶する。記憶部320により記憶されるデータは、接続設定情報を含み得る。
【0071】
(3)制御部330
制御部330は、端末装置300の動作全般を制御する。本実施形態に係る制御部330は、無線通信部310が利用する接続方式に関して割り当てられたリソースを用いた無線通信を行うよう無線通信部310を制御する機能を有する。例えば、制御部330は、通信制御装置100により割り当てられた接続方式を利用するよう無線通信部310を設定する。そして、制御部330は、無線通信部310が利用する接続方式に関して、通信制御装置100により割り当てられた空間領域、電力領域、インタリーバ領域、データレート領域、又はスパース符号領域を利用して無線通信を行うよう無線通信部310を設定する。
【0072】
以上、通信システム1に含まれる各装置の基本的な構成例を説明した。続いて、これらの装置が有する機能の詳細について説明する。
【0073】
<3.機能詳細>
[3.1.接続設定の割り当て処理の概要]
図9は、本実施形態に係る通信制御装置100において実行される接続設定の割り当て処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0074】
図9に示すように、まず、ステップS102で、制御部130は、通信システム1に含まれる各装置のケイパビリティ情報を確認する。例えば、通信部110は、通信システム1に含まれるひとつ以上の基地局200及びひとつ以上の端末装置300からケイパビリティ情報を受信する。そして、制御部130は、ケイパビリティ情報を参照することで、各装置がどの接続方式に対応し又は未対応であるか、またどのリソースに対応し又は未対応であるかを確認する。
【0075】
次いで、ステップS104で、制御部130は、所要通信品質を確認する。例えば、制御部130は、要求される又は必要とされるスループット、データレート、又は遅延量等の通信品質を確認する。そのために、基地局200又は端末装置300は、要求する通信品質を示す情報を、通信制御装置100へ送信する。
【0076】
次に、ステップS106で、制御部130は、通信路(電波伝搬路)の状況を確認する。例えば、制御部130は、パスロスの状況、MIMO(Multi-Input Multi-Output)に係る複数のアンテナ構成における各送信・受信アンテナペア間のフェージング状況、SINR(Signal-to-Interference plus Noise power Ratio)等を確認してもよい。他にも、制御部130は、SNR(signal-to-noise ratio)、送受信装置間の電波伝搬路で伝送可能な空間レイア数(MIMOチャネル行列のランクに相当)、適切なプリコーディング行列、適切な変復調方式・誤り訂正符号化率等を確認してもよい。
【0077】
次に、ステップS108で、制御部130は、接続経路を決定する。
【0078】
そして、ステップS110で、制御部130は、接続設定の割り当てを行う。例えば、制御部130は、上記ステップS102〜S108における処理結果に基づいて、接続設定の割り当てを行う。なお、制御部130は、基地局200が形成するひとつ以上のセルに接続するひとつ以上の端末装置300に共通する接続設定を割り当ててもよい。その際、制御部130は、セルごとに共通する接続設定を割り当ててもよいし、基地局200ごとに共通する接続設定を割り当ててもよい。これらの場合、セル内又は基地局200配下の端末装置300は、同一セル又は同一基地局200配下では同じ接続設定、又は少なくとも一部が同じ接続設定を利用させることが可能となる。他にも、制御部130は、端末装置300ごとに接続設定の割り当てを行ってもよい。その場合、制御部130は、端末装置300ごとに適切な接続設定を割り当てることが可能となる。セル又は基地局200は、各端末装置300が利用する接続設定を考慮して、スケジューリング等を行う。
【0079】
次いで、ステップS112で、制御部130は、ネットワークの再設定を行う。例えば、制御部130は上記ステップS110における割り当て結果を示す接続設定情報を、通信システム1内の各装置へ送信する。これにより、通信システム1内の各装置間で、接続設定情報に従った通信が開始される。
【0080】
次に、ステップS114で、制御部130は、各装置間の通信が終了されるか否かを判定する。継続されると判定された場合(S114/NO)、処理は再度ステップS104に戻り、上記説明した処理が繰り返される。所定の間隔で周期的に上記説明した処理が繰り返されてもよい。これにより、制御部130は、時間経過に応じて再度の接続設定の割り当てを行い得る。一方で、終了されると判定された場合(S114/YES)、処理は終了する。
【0081】
続いて、
図9に示した通信制御装置100における接続設定の割り当て処理に対応する、通信システム1全体での動作処理例を説明する。
【0082】
図10は、本実施形態に係る通信システム1において実行される割り当て処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、端末装置300A、基地局200A、ネットワークマネージャ16A、ネットワークゲートウェイ12A、端末装置300B、基地局200B、ネットワークマネージャ16B、ネットワークゲートウェイ12B、サービスプラットフォーム11及びアプリケーションサーバ10が関与する。なお、端末装置300A、基地局200A、ネットワークマネージャ16A及びネットワークゲートウェイ12Aと、端末装置300B、基地局200B、ネットワークマネージャ16B及びネットワークゲートウェイ12Bとは、異なるネットワークを形成している。また、本シーケンスでは、サービスプラットフォーム11が通信制御装置100として機能するものとする。
【0083】
図10に示すように、まず、ステップS202で、サービスプラットフォーム11は、ケイパビリティ情報を確認する。例えば、サービスプラットフォーム11は、ケイパビリティ情報を要求するメッセージを端末装置300A、基地局200A、端末装置300B及び基地局200Bへ送信して、各装置のケイパビリティ情報を収集する。なお、これらの情報のやり取りは、物理的には、ネットワークゲートウェイ12やネットワークマネージャ16が介される。
【0084】
次いで、ステップS204で、サービスプラットフォーム11及びアプリケーションサーバ10は、所要通信品質を確認する。例えば、サービスプラットフォーム11は、所要通信品質をアプリケーションサーバ10に問い合わせる。
【0085】
次に、ステップS206で、サービスプラットフォーム11は、通信路の状況を確認する。例えば、サービスプラットフォーム11は、ネットワークマネージャ16A及び16Bに通信路の状況を問い合わせる。
【0086】
次いで、ステップS208で、サービスプラットフォーム11は、通信経路を決定する。
【0087】
そして、ステップS210で、サービスプラットフォーム11は、接続設定の割り当てを行う。
【0088】
次に、ステップS212で、サービスプラットフォーム11は、ネットワークの再設定を行う。例えば、サービスプラットフォーム11は、ステップS210における割り当て結果を示す接続設定情報を、各基地局200及び各端末装置300に通知する。
【0089】
次いで、ステップS214で、サービスプラットフォーム11は、準備完了の通知をアプリケーションサーバ10へ行う。これにより、アプリケーションサーバ10により提供されるサービスが開始され、基地局200Aと端末装置300Aとの間で及び基地局200Bと端末装置300Bとの間で、接続設定情報に従った通信が開始される。
【0090】
なお、上記ではサービスプラットフォーム11が通信制御装置100として機能する例を説明したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、基地局200等の任意の装置が通信制御装置100として機能してもよい。その場合、基地局200は、端末装置300と直接的に通信可能であるので、ケイパビリティ情報の確認や通信路の状況の確認の際に、ネットワークマネージャ16やネットワークゲートウェイ12等の装置との通信を省略することが可能である。また、アプリケーションに関する所要品質がカテゴリ分けされているような場合等の、所要通信品質を基地局200又端末装置300が選択可能な場合、通信制御装置100は、アプリケーションサーバ10への所要品質の問い合わせを省略可能である。
【0091】
[3.2.送信機能及び受信機能]
続いて、
図11〜
図14を参照して、本実施形態に係る無線通信装置のより詳細な構成例を説明する。以下に説明する構成は、基地局200の無線通信部210及び端末装置300の無線通信部310に共通し得る。
図11及び
図12は送信装置(送信機能)の構成例を示し、
図13及び
図14は受信装置(受信機能)の構成例を示す。これらの図では、FDM(Frequency Division Multiplexing)、IDMA(Interleave Division Multiple Access)、SDMA(Space Division Multiple Access)、SPC(Superposition Coding)、RSMA(Rate Splitting Multiple Access)、SCMA(Sparse Code Multiple Access)の多重方式に対応可能な構成例を示している。
【0092】
(送信機能)
図11及び
図12は、本実施形態に係る送信装置の機能構成を示すブロック図である。
図11に示すように、送信装置400は、リソースマッパー410、シリアル/パラレル変換処理部412、FEC符号化処理部420、インタリーバ430、シリアル/パラレル変換処理部432、変調処理部440及び拡散処理部442を含む。また、
図12に示すように、送信装置400は、シリアル/パラレル変換処理部450、SPC処理部452、シリアル/パラレル変換処理部460、レート分割処理部462、SDM処理部470及びFDM処理部480をさらに含む。
【0093】
リソースマッパー410は、n個のユーザ信号を対象としたリソースマッピングを行う機能を有する。シリアル/パラレル変換処理部412、432、450及び460は、アービタ(Information Arbiter)としての機能を有し、入力された情報を適切な後続するエンティティへ出力する。FEC符号化処理部420は、誤り訂正符号化(例えば、Forward Error Correction)を行う機能を有する。インタリーバ430は、入力された系列をインタリーブすることで、IDMAを用いた多重化を行う機能を有する。変調処理部440は、ディジタル変調を行う機能を有する。拡散処理部442は、シンボル拡散を行う機能を有する。変調処理部440及び拡散処理部442は、SCMAを用いた多重化を行う。SPC処理部452は、SPCを用いた多重化を行う機能を有する。レート分割処理部462は、RSMAを用いた多重化を行う機能を有する。SDM処理部470は、SDMAを用いた多重化を行う機能を有する。FDM処理部480は、FDMを用いた多重化を行う機能を有する。
【0094】
また、
図11及び
図12に示すように、送信装置400は、上述した各エンティティを制御するための制御エンティティ405をさらに含む。制御エンティティ405は、各エンティティの動作をON/OFFさせることで各多重方式に対応する送信機能のON/OFFさせたり、各エンティティのパラメータを制御したりする。制御エンティティ405は、各多重方式に対応する送信機能及びパラメータを制御するためのインタフェースI_tx0〜I_tx9を有する。これは、例えばセルラーシステムの下りリンク、上りリンク、及びD2D(Device−to−Device)通信では、適した多重方式又はパラメータが異なり得るためである。
【0095】
例えば、制御エンティティ405は、インタフェースI_tx0を介して、同一のリソースブロックにユーザデータを多重化する。制御エンティティ405は、インタフェースI_tx1を介して、IDMAのためのインタリーブパターンを割り当てる。制御エンティティ405は、インタフェースI_tx2を介して、SCMAを用いて信号を多重化するペアを選択する。制御エンティティ405は、インタフェースI_tx3を介して、SCMAのための符号化処理及びディジタル変調処理を制御する。制御エンティティ405は、インタフェースI_tx4を介して、SPCを用いて信号を多重化するペアを選択する。制御エンティティ405は、インタフェースI_tx5を介して、SPC処理を制御する。制御エンティティ405は、インタフェースI_tx6を介して、RSMAを用いて信号を多重化するペアを選択する。制御エンティティ405は、インタフェースI_tx7を介して、レート分割処理を制御する。制御エンティティ405は、インタフェースI_tx8を介して、SDM処理を制御する。制御エンティティ405は、インタフェースI_tx9を介して、FDM処理を制御する。
【0096】
(受信機能)
図13及び
図14は、本実施形態に係る送信装置の機能構成を示すブロック図である。
図13に示すように、受信装置500は、FDM復調処理部510、空間等化処理部520、レート分割復調処理部530、シリアル/パラレル変換処理部532、SIC処理部540及びシリアル/パラレル変換処理部542を含む。また、
図14に示すように、受信装置500は、逆拡散処理部550、復調処理部552、シリアル/パラレル変換処理部560、デインタリーバ562、FEC復号化処理部570、フィードバックループ処理部580及びリソースマッパー582をさらに含む。
【0097】
FDM復調処理部510は、FDMを用いて多重化された信号を復調する機能を有する。空間等化処理部520は、SDMAを用いて多重化された信号を復調する機能を有する。レート分割復調処理部530は、RSMAを用いて多重化された信号を復調する機能を有する。シリアル/パラレル変換処理部532、542及び560は、アービタとしての機能を有し、入力された情報を適切な後続するエンティティへ出力する。SIC処理部540は、SPCを用いて多重化された信号を復調する機能を有する。逆拡散処理部550は、シンボル拡散を行われた信号の逆拡散を行う機能を有する。復調処理部552は、ディジタル変調された信号を復調する機能を有する。逆拡散処理部550及び復調処理部552は、SCMAを用いて多重化された信号の復調を行う。デインタリーバ562は、IDMAを用いて多重化された信号を復調する機能を有する。FEC復号化処理部570は、誤り訂正符号化された信号を復号する機能を有する。フィードバックループ処理部580は、空間等化処理部520からFEC復号化処理部570までの処理を繰り返し実行させる機能を有する。リソースマッパー582は、入力された信号からn個のユーザ信号を取得して出力する機能を有する。
【0098】
また、
図13及び
図14に示すように、受信装置500は、上述した各エンティティを制御するための制御エンティティ505をさらに含む。制御エンティティ505は、各エンティティの動作をON/OFFさせることで各多重方式に対応する受信機能のON/OFFさせたり、各エンティティのパラメータを制御したりする。制御エンティティ505は、各多重方式に対応する受信機能及びパラメータを制御するためのインタフェースI_rx0〜I_rx9を有する。
【0099】
例えば、制御エンティティ505は、インタフェースI_rx0を介して、同一のリソースブロックに多重化されたユーザデータを分離する。制御エンティティ505は、インタフェースI_rx1を介して、IDMAのためのデインタリーブパターンを割り当てる。制御エンティティ505は、インタフェースI_rx2を介して、SCMAを用いて多重化された信号のペアを分離する。制御エンティティ505は、インタフェースI_rx3を介して、逆拡散処理及び復調処理を制御する。制御エンティティ505は、インタフェースI_rx4を介して、SPCを用いて多重化された信号のペアを分離する。制御エンティティ505は、インタフェースI_rx5を介して、SIC処理を制御する。制御エンティティ505は、インタフェースI_rx6を介して、RSMAを用いて多重化された信号のペアを分離する。制御エンティティ505は、インタフェースI_rx7を介して、レート分割復調処理を制御する。制御エンティティ505は、インタフェースI_rx8を介して、空間等化処理を制御する。制御エンティティ505は、インタフェースI_rx9を介して、FDM復調処理を制御する。
【0100】
[3.3.接続設定の割り当て処理の詳細]
以下では、本実施形態に係る通信システム1において実行される接続設定の割り当て処理の詳細を説明する。本明細書では、接続設定のうち接続方式を対象として、通信制御装置100、基地局200及び端末装置300における処理の詳細を説明する。
【0101】
[3.3.1.通信制御装置について]
図15は、本実施形態に係る通信制御装置100において実行される接続設定の割り当て処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートでは、一例として、通信システム1が、FDM、SDMA、SPC、IDMA、RSMA、SCMAの機能を実施又は提供する可能性がある場合について示している。
【0102】
ステップS302〜S304は、FDMを割り当てるか(即ち、採用するか)否かを判定するための処理である。ステップS306〜S318は、SDMAを割り当てるか否かを判定するための処理である。ステップS310〜S312は、SPCを割り当てるか否かを判定するための処理である。ステップS314〜S316は、IDMAを割り当てるか否かを判定するための処理である。ステップS318〜S320は、RSMAを割り当てるか否かを判定するための処理である。ステップS322〜S324は、SCMAを割り当てるか否かを判定するための処理である。これらの判定処理の順序は任意である。ただし、FDMは、既存方式との互換性の制限があるため、またSDMAは空間リソースの制限があるため、他よりも先に判定されることが望ましい。
【0103】
図15に示すように、まず、FDMを割り当てるか否かを判定するための処理が行われる。具体的には、ステップS302で、制御部130は、直交リソースを利用するレガシRATによって同時に通信を実施することが必要か否かを判定する。即ち、制御部130は、レガシRATに対応する必要の有無を判定する。レガシRATは、例えば、既存の4GのRATであるOFDMA又はSC−FDMAを指すものとする。制御部130は、本判定のために各装置のケイパビリティ情報を参照してもよい。制御部130は、例えばレガシRATにのみ対応する端末装置300を含めて通信が行われる場合、レガシRATによって同時に通信を実施することが必要であると判定する(S302/YES)。この場合、FDMは採用されない。即ち、制御部130は、レガシRATを採用するよう割り当てる。一方で、制御部130は、例えばレガシRATにのみ対応する端末装置300が含まれずに通信が行われる場合、レガシRATによって同時に通信を実施することが必要ではないと判定する(S302/NO)。その場合、ステップS304で、制御部130は、FDMの採用判定処理を行う。
【0104】
次いで、SDMAを割り当てるか否かを判定するための処理が行われる。具体的には、ステップS306で、制御部130は、ビームステアリングがネットワーク/端末にとって有効に動くか否かを判定する。ビームステアリングがネットワーク/端末にとって有効に動くと判定された場合(S306/YES)、ステップS308で、制御部130は、SDMAの採用判定処理を行う。一方で、ビームステアリングがネットワーク/端末にとって有効に動かないと判定された場合(S306/NO)、制御部130は、SDMAを採用しないと判定する。SDMAでは、一つの送信装置から複数の受信装置へ、同一の周波数及び時間を用いて信号が送受信され得る。その場合、送信装置は、複数のアンテナをもっていることが望ましく、それぞれの受信装置に対する信号を異なるアンテナから送信する、又はプリコーディング技術によって配合されたそれぞれの信号を複数のアンテナから送信する。これにより送信される信号が空間的に直交又は準直交した状態となり、周波数・時間的に同一リソース上で多重された信号であっても、受信装置は、空間フィルタリングや最尤検出、又はこれらに準ずる検出方式によって分離・復調・復号することが可能となる。また、SDMAでは、複数の送信装置から一つの受信装置へ、同一の周波数及び時間を用いて信号が送受信され得る。その場合、受信装置は、複数のアンテナをもつことが望ましい。複数の送信装置は、少なくとも周波数リソース及び時間リソースの一部を共有してそれぞれの信号を送信する。ビームステアリングがネットワーク/端末にとって有効に動くか否かを判定するために、例えば、制御部130は、各通信装置のアンテナ実装状況や、基地局200とそれぞれの端末装置300との間の電波伝搬状況を把握することが望ましい。電波伝搬状況を把握することが望ましい理由としては、例えば2つの送信装置と1つの受信装置の間でSDMAを実施しようとする場合に、異なる送信装置と受信装置の間の電波伝搬状況が似ている場合(例えば、チャネル応答係数または伝達関数の相関が高い場合)には、仮に複数のアンテナをもった受信装置であっても、複数の送信装置から送られる信号を分離・復調・復号することが困難になるためである。SDMAを用いた多重方法は、空間領域での多重として捉えることもできる。
【0105】
以降のSPC、IDMA、RSMA、及びSCMAに関する判断の際には、SDMAの採用により生成される空間リソース(ビーム)を基準とされることが望ましい。これは、SPC、IDMA、RSMA、及びSCMAが、基本的に非直交多元接続方式系の技術であり、すでにSDMAの段階で異なるビームに割り振られた信号又は通信装置については、非直交リソースを用いて多重することは不要であるためである。一方で、SDMAでも割り振りができない信号又は通信装置(例えば、電波伝搬状況が似ている、チャネル応答係数の相関が高い複数の送信装置又は受信装置)がいる場合に、制御部130は、非直交リソースを用いた多重化の実施判断を行う。
【0106】
次いで、SPCを割り当てるか否かを判定するための処理が行われる。具体的には、ステップS310で、制御部130は、同一の送信ビーム内でパスロスのレベル差が異なる通信装置があるかを判定する。同一の送信ビーム内でパスロスのレベル差が異なる通信装置があると判定された場合(S310/YES)、ステップS3
12で、制御部130は、SPCの採用判定処理を行う。一方で、同一の送信ビーム内でパスロスのレベル差が異なる通信装置がないと判定された場合(S310/NO)、制御部130は、SPCを採用しないと判定する。SPCは、同一の周波数、時間、及び空間上で、電力空間で複数の信号を多重する方式である。多重する際には、それぞれの信号の電力に異なるレベルの電力が割り当てられることが望ましい。これにより、受信装置は、S
PCを検出・復調・復号する方式として容易に利用することが可能となる。制御部130は、電波伝搬状況の中でもパスロスのレベル差が異なる通信装置がいるか否かという判断基準を採用することにより、多重する信号のレベル差及びパスロスのレベル差の両方を考慮して、多重する信号の品質の制御レンジを広く取ることが可能となる。SPCを用いた多重方法は、電力領域での多重として捉えることもできる。
【0107】
次に、IDMAを割り当てるか否かを判定するための処理が行われる。具体的には、ステップS314で、制御部130は、同一の送信ビーム内で多重することが困難な通信装置がまだあるか否かを判定する。同一の送信ビーム内で多重することが困難な通信装置がまだあると判定された場合(S314/YES)、ステップS316で、制御部130は、IDMAの採用判定処理を行う。一方で、同一の送信ビーム内で
多重することが困難な通信装置がないと判定された場合(S314/NO)、制御部130は、IDMAを採用しないと判定する。IDMAも、非直交多元接続方式の一種であり、基本的には誤り訂正符号及び繰り返し(ターボ)受信信号処理を利用するものである。異なる複数の信号・通信装置を、同一の周波数、時間、空間、電力の少なくとも一部を用いつつ、送信装置は、それぞれの信号に適用するインタリーブのインタリーブパターンを異なるものにする。これにより、受信装置は、信号分離・復調・復号を容易に行うことが可能となる。この多重方法は、インタリーブ領域あるいはビット領域での多重として捉えることもできる。なお、IDMAの場合、異なる空間リソースに割当てられた通信装置又は信号に対して異なるインタリーブパターンが適用されてもよい。
【0108】
次いで、RSMAを割り当てるか否かを判定するための処理が行われる。具体的には、ステップS318で、制御部130は、同一の送信ビーム内で多重することが困難な通信装置がまだあるか否かを判定する。同一の送信ビーム内で多重することが困難な通信装置がまだあると判定された場合(S318/YES)、ステップS320で、制御部130は、RSMAの採用判定処理を行う。一方で、同一の送信ビーム内で
多重することが困難な通信装置がないと判定された場合(S318/NO)、制御部130は、RSMAを採用しないと判定する。RSMAは、SPCに似た側面もあるが、異なる通信装置の信号をそれぞれが干渉しながらも受信できるように通信レート(符号化率、変調方式等)を調整しながら多重する非直交多元接続方式である。通信装置は、符号化率・変調方式を調整することで、信号品質(例えばSINR、SNR、など)に対する耐性を制御することが可能となる。
【0109】
次に、SCMAを割り当てるか否かを判定するための処理が行われる。具体的には、ステップS322で、制御部130は、同一の送信ビーム内で多重することが困難な通信装置がまだあるか否かを判定する。同一の送信ビーム内で多重することが困難な通信装置がまだあると判定された場合(S322/YES)、ステップS324で、制御部130は、SCMAの採用判定処理を行う。一方で、同一の送信ビーム内で
多重することが困難な通信装置がないと判定された場合(S322/NO)、制御部130は、SCMAを採用しないと判定する。SCMAは、CDMAに似た方式であるが、拡散符号の代わりに、{0,1}からなる粗(1の比率が低い)な符号(シグネイチャ)を使い、異なるパターンのシグネイチャを異なる信号に割り当てることで多重する方法である。シグネイチャの採用に加えて、さらにディジタル変調方式についても、PSK、QAMの変調シンボルにユニタリ変換のような信号処理、又はコンスタレーション上の信号点間距離が不均一(Non-uniform constellation)な変調シンボルが適用されてもよい。受信装置は、メッセージ伝達法(Message Passing Algorithm)等の繰り返し信号処理又はターボ信号処理を用いて、シグネイチャ多重された信号を分離することが可能である。
【0110】
以上説明したステップS304、S308、S312、S316、S320及びS324において、各多重化方式の割り当て有無が具体的に判断される。省略されたステップに関する多重化方式は割り当てられないこととなる。このようなフローチャートの構造により、判断処理の複雑化を回避することが可能である。
【0111】
以下では、ステップS304、S308、S312、S316、S320及びS324における各種多重化方式の採用判定処理の詳細を説明する。
【0112】
(FDMの採用判定処理)
図16は、本実施形態に係る通信制御装置100において実行されるFDMの採用判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0113】
図16に示すように、まず、ステップS402で、制御部130は、直交リソースを利用するレガシRATによって同時に通信を実施することが必要か否かを判定する。本判定は、
図15におけるステップS302における判定と同様である。
【0114】
直交リソースを利用するレガシRATによって同時に通信を実施することが必要であると判定された場合(S402/YES)、ステップS404で、制御部130は、割り当てる変調方式としてOFDMを採用する。FDMを採用しないことは、OFDMを採用することと等価であると捉えてもよい。
【0115】
直交リソースを利用するレガシRATによって同時に通信を実施することが必要でないと判定された場合(S402/NO)、ステップS406で、制御部130は、送信装置及び受信装置において電力が問題になるか否かを判定する。電力の問題としては、例えばピーク対平均電力比(PAPR:Peak-to-Average Power Ratio)が挙げられる。
【0116】
電力が問題になると判定された場合(S406/YES)、ステップS408で、制御部130は、割り当てる変調方式としてシングルキャリア変調(例えば、SC−FDMA)を採用する。
【0117】
一方で、電力が問題にならないと判定された場合(S406/NO)、ステップS410で、制御部130は、割り当てる変調方式としてFBMC(Filter Bank Multi-Carrier)を採用する。なお、問題にならないとは、軽微な問題であることを含む意味である。
【0118】
このようにして、制御部130は、ステップS404、S408又はS410により、割り当てる多重化方式(変調方式)を採用し得る。制御部130は、以上をもって処理を終了させてもよいし、以降のフロー(ステップS412以降の各ステップ)を導入してもよい。以降のフローにより、異なる変調方式が採用されてもよい。また、以降のフローでステップS404、S408又はS410が再度実施され同一の変調方式が採用される場合、例えば、制御部130は、変調方式の選択に加えて、変調に利用するパラメータを調整する処理を実施してもよい。また、ステップS404、S408又はS410が所定回数実施された場合、制御部130は、所定回選択された変調方式を採用して、処理を終了させてもよい。また、所定回数選択されずに処理が終了した場合には、制御部130は、FDMを採用しないと判定してもよい。
【0119】
シングルキャリア変調が採用された場合、ステップS412で、制御部130は、達成可能なシステム容量は十分であるか否かを判定する。例えば、制御部130は、シングルキャリア変調で達成可能なシステム容量(又は、スループット、ユーザ容量、ユーザスループット等)を推定し、推定結果が目標値を満たしているか否かを判定する。
【0120】
達成可能なシステム容量は十分でないと判定された場合(S412/NO)、ステップS410で、制御部130は、割り当てる変調方式としてFBMCを採用する。FBMCの方が、シングルキャリア変調と比較して周波数利用効率が高まる可能性があるためである。
【0121】
一方で、達成可能なシステム容量は十分であると判定された場合(S412/YES)、ステップS414で、制御部130は、シングルキャリア変調を採用した場合に複数のサービス/アプリケーションのデータを効率的に扱うことができるか否かを判定する。
【0122】
効率的に扱うことができると判定された場合(S414/YES)、処理はステップS408に再度戻る。
【0123】
一方で、効率的に扱うことができないと判定された場合(S414/NO)、ステップS416で、制御部130は、シングルキャリア変調を採用した場合に複数のサービス/アプリケーションのデータを時間方向のリソースシェアリングで扱うことができるか否かを判定する。
【0124】
時間方向のリソースシェアリングで扱うことができると判定された場合(S416/YES)、処理はステップS408に再度戻る。
【0125】
一方で、時間方向のリソースシェアリングで扱うことができないと判定された場合(S416/NO)、ステップS410で、制御部130は、採用する変調方式をFBMCに変更する。
【0126】
F
BMCが採用された場合、ステップS418で、制御部130は、送信装置及び/又は受信装置の構成の複雑度が問題になるか否かを判定する。一般に、FBMCは構成の複雑度が他と比べて高くなるためである。
【0127】
複雑度が問題になると判定された場合(S418/YES)、ステップS404で、制御部130は、割り当てる変調方式としてOFDMを採用する
【0128】
一方で、複雑度が問題にならないと判定された場合(S418/NO)、ステップS420で、制御部130は、F
BMCを用いて達成可能なシステム容量は十分であるか否かを判定する。
【0129】
達成可能なシステム容量は十分であると判定された場合(S420/YES)、処理はステップS410に再度戻る。
【0130】
一方で、達成可能なシステム容量は十分でないと判定された場合(S420/NO)、ステップS422で、制御部130は、F
BMCを採用した場合に、複数のサービス/アプリケーションのデータを時間方向のリソースシェアリングで扱うことができるか否かを判定する。
【0131】
時間方向のリソースシェアリングで扱うことができると判定された場合(S422/YES)、処理はステップS410に再度戻る。
【0132】
一方で、時間方向のリソースシェアリングで扱うことができないと判定された場合(S422/NO)、処理は終了する。
【0133】
OFDMが採用された場合、ステップS424で、制御部130は、OFDMを用いて達成可能なシステム容量は十分であるか否かを判定する。
【0134】
達成可能なシステム容量は十分であると判定された場合(S424/YES)、処理はステップS404に再度戻る。
【0135】
一方で、達成可能なシステム容量は十分でないと判定された場合(S424/NO)、ステップS426で、制御部130は、OFDMを採用した場合に、複数のサービス/アプリケーションのデータを時間方向のリソースシェアリングで扱うことができるか否かを判定する。
【0136】
時間方向のリソースシェアリングで扱うことができると判定された場合(S426/YES)、処理はステップS404に再度戻る。
【0137】
一方で、時間方向のリソースシェアリングで扱うことができないと判定された場合(S426/NO)、制御部130は、処理
を終了する。
【0138】
(SDMAの採用判定処理)
図17は、本実施形態に係る通信制御装置100において実行されるSDMAの採用判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図17では、2次元(2D)空間を利用するSDMAを採用するか、又は3次元(3D)空間を利用するSDMAを採用するかを検討するためのフローチャートを示している。なお、ステップS502〜S510は、2D空間を利用するSDMAを採用するか否かの判定処理である。また、ステップS512〜S520は、3D空間を利用するSDMAを採用するか否かの判定処理である。これらの判定処理のいずれか一方が省略されてもよい。
【0139】
図17に示すように、まず、ステップS502で、制御部130は、2D空間を利用するSDMAを採用した場合に、送信装置の構成の複雑度が問題になるか否かを判定する。
【0140】
複雑度が問題になると判定された場合(S502/YES)、制御部130は、SDMAを採用しないと判定して、処理は終了する。
【0141】
一方で、複雑度が問題にならないと判定された場合(S502/NO)、ステップS504で、制御部130は、2D空間を利用するSDMAを採用した場合に、システムのオーバーヘッドが問題になるか否かを判定する。
【0142】
オーバーヘッドが問題になると判定された場合(S504/YES)、制御部130は、SDMAを採用しないと判定して、処理は終了する。
【0143】
一方で、オーバーヘッドが問題にならないと判定された場合(S504/NO)、制御部130は、割り当てる多重化方式として、2D空間を利用するSDMAを採用すると判定する。
【0144】
次いで、ステップS508で、制御部130は、2D空間を利用するSDMAを採用した場合に、達成可能なシステム容量は十分であるか否かを判定する。
【0145】
達成可能なシステム容量は十分であると判定された場合(S508/YES)、処理はステップS516に再度戻る。
【0146】
達成可能なシステム容量は十分でないと判定された場合(S508/NO)、ステップS510で、制御部130は、2D空間を利用するSDMAを採用した場合に、複数のサービス/アプリケーションのデータを時間方向のリソースシェアリングで扱うことができるか否かを判定する。
【0147】
時間方向のリソースシェアリングで扱うことができると判定された場合(S510/YES)、処理はステップS506に再度戻る。
【0148】
一方で、時間方向のリソースシェアリングで扱うことができないと判定された場合(S510/NO)、ステップS512で、制御部130は、3D空間を利用するSDMAを採用した場合に、送信装置の構成の複雑度が問題になるか否かを判定する。
【0149】
複雑度が問題になると判定された場合(S512/YES)、処理は終了する。
【0150】
一方で、複雑度が問題にならないと判定された場合(S512/NO)、ステップS514で、制御部130は、3D空間を利用するSDMAを採用した場合に、システムのオーバーヘッドが問題になるか否かを判定する。
【0151】
オーバーヘッドが問題になると判定された場合(S514/YES)、処理は終了する。
【0152】
一方で、オーバーヘッドが問題にならないと判定された場合(S514/NO)、ステップS516で、制御部130は、割り当てる多重化方式として、3D空間を利用するSDMAを採用すると判定する。
【0153】
次いで、ステップS518で、制御部130は、3D空間を利用するSDMAを採用した場合に、達成可能なシステム容量は十分であるか否かを判定する。
【0154】
達成可能なシステム容量は十分であると判定された場合(S518/YES)、処理はステップS506に再度戻る。
【0155】
一方で、達成可能なシステム容量は十分でないと判定された場合(S518/NO)、ステップS510で、制御部130は、3D空間を利用するSDMAを採用した場合に、複数のサービス/アプリケーションのデータを時間方向のリソースシェアリングで扱うことができるか否かを判定する。
【0156】
時間方向のリソースシェアリングで扱うことができると判定された場合(S520/YES)、処理はステップS516に再度戻る。
【0157】
一方で、時間方向のリソースシェアリングで扱うことができないと判定された場合(S520/NO)、処理は終了する。
【0158】
このようにして、制御部130は、ステップS506又はS516により、割り当てる多重化方式を採用し得る。
図16に関してした上記説明と同様に、ステップS506又はS516が再度実施され同一の多重化方式が採用される場合、例えば、制御部130は、2D/3Dの選択に加えて、SDMAのために利用するパラメータを調整する処理を実施してもよい。また、ステップS506又はS516が所定回数実施された場合、制御部130は、所定回選択された多重化方式を採用して、処理を終了させてもよい。また、所定回数選択されずに処理が終了した場合には、制御部130は、SDMAを採用しないと判定してもよい。
【0159】
(SPCの採用判定処理)
図18は、本実施形態に係る通信制御装置100において実行されるSPCの採用判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0160】
図18に示すように、まず、ステップS602で、制御部130は、SPCを採用した場合に、送信装置及び受信装置において処理負荷が問題になるか否かを判定する。制御部130は、処理負荷の代わりに、又は並行して送信装置及び受信装置の構成の複雑度が問題になるか否かを判定してもよい。
【0161】
処理負荷が問題になると判定された場合(S602/YES)、制御部130は、SPCを採用しないと判定して、処理は終了する。
【0162】
一方で、処理負荷が問題にならないと判定された場合(S602/NO)、ステップS604で、制御部130は、SPCを採用した場合に、受信装置において復号遅延が問題になるか否かを判定する。SPC等の非直交多重方式では、非直交リソースを用いた多重に起因する干渉を、受信装置側での信号処理でも克服することが望ましいので、その分の遅延が直交多重方式と比較して長く発生する可能性があるためである。
【0163】
復号遅延が問題になると判定された場合(S604/YES)、制御部130は、SPCを採用しないと判定して、処理は終了する。
【0164】
一方で、復号遅延が問題にならないと判定された場合(S604/NO)、ステップS606で、制御部130は、受信装置において電力が問題になるか否かを判定する。例えば、制御部130は、受信装置の消費電力が問題になるか否かを判定する。
【0165】
電力が問題になると判定された場合(S606/YES)、制御部130は、SPCを採用しないと判定して、処理は終了する。
【0166】
一方で、電力が問題にならないと判定された場合(S606/NO)、ステップS608で、制御部130は、割り当てる多重化方式として、SPCを採用する。
【0167】
次いで、ステップS610で、制御部130は、SPCを採用した場合に、達成可能なシステム容量は十分であるか否かを判定する。
【0168】
達成可能なシステム容量は十分であると判定された場合(S610/YES)、処理はステップS608に再度戻る。
【0169】
一方で、達成可能なシステム容量は十分でないと判定された場合(S610/NO)、ステップS612で、制御部130は、SPCを採用した場合に、複数のサービス/アプリケーションのデータを時間方向のリソースシェアリングで扱うことができるか否かを判定する。
【0170】
時間方向のリソースシェアリングで扱うことができると判定された場合(S612/YES)、処理はステップS608に再度戻る。
【0171】
一方で、時間方向のリソースシェアリングで扱うことができないと判定された場合(S612/NO)、処理は終了する。
【0172】
このようにして、制御部130は、ステップS608により、割り当てる多重化方式を採用し得る。
図16に関してした上記説明と同様に、ステップS608が再度実施される場合、例えば、制御部130は、SPCのために利用するパラメータを調整する処理を実施してもよい。また、ステップS608が所定回数実施された場合、制御部130は、SPCを採用して、処理を終了させてもよい。また、所定回数選択されずに処理が終了した場合には、制御部130は、SPCを採用しないと判定してもよい。
【0173】
(IDMAの採用判定処理)
図19は、本実施形態に係る通信制御装置100において実行されるIDMAの採用判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0174】
まず、ステップS702で、制御部130は、IDMAを採用した場合に、送信装置及び受信装置の構成の複雑度が問題になるか否かを判定する。
【0175】
複雑度が問題になると判定された場合(S702/YES)、制御部130は、IDMAを採用しないと判定して、処理は終了する。
【0176】
一方で、複雑度が問題にならないと判定された場合(S702/NO)、ステップS704で、制御部130は、IDMAを採用した場合に、達成可能なピークレート又はピークスループットは問題になるか否かを判定する。
【0177】
達成可能なピークレート又はピークスループットに問題があると判定された場合(S704/YES)、制御部130は、IDMAを採用しないと判定して、処理は終了する。
【0178】
一方で、達成可能なピークレート又はピークスループットに問題がないと判定された場合(S704/NO)、ステップS706で、制御部130は、IDMAを採用した場合、IDMAに対応しないレガシRATとの同時通信が問題になるか否かを判定する。IDMAの場合、SPCのように電力レベルでの調整は一般的には行われないため、IDMAの多重による干渉はSPCよりも厳しくなり得る。そのため、レガシ装置と同時に多重することは難しくなる可能性がある。よって、レガシ装置と同時に通信をする必要性がある場合には、IDMAの採用は回避されることが望ましい。
【0179】
IDMAに対応しないレガシRATとの同時通信が問題になると判定された場合(S706/YES)、制御部130は、IDMAを採用しないと判定して、処理は終了する。
【0180】
一方で、IDMAに対応しないレガシRATとの同時通信が問題にならないと判定された場合(S706/NO)、ステップS708で、制御部130は、割り当てる多重化方式として、IDMAを採用する。
【0181】
次いで、ステップS710で、制御部130は、IDMAを採用した場合に、達成可能なシステム容量は十分であるか否かを判定する。
【0182】
達成可能なシステム容量は十分であると判定された場合(S710/YES)、処理はステップS708に再度戻る。
【0183】
一方で、達成可能なシステム容量は十分でないと判定された場合(S710/NO)、ステップS712で、制御部130は、IDMAを採用した場合に、複数のサービス/アプリケーションのデータを時間方向のリソースシェアリングで扱うことができるか否かを判定する。
【0184】
時間方向のリソースシェアリングで扱うことができると判定された場合(S712/YES)、処理はステップS708に再度戻る。
【0185】
一方で、時間方向のリソースシェアリングで扱うことができないと判定された場合(S712/NO)、処理は終了する。
【0186】
このようにして、制御部130は、ステップS708により、割り当てる多重化方式を採用し得る。
図16に関してした上記説明と同様に、ステップS708が再度実施される場合、例えば、制御部130は、IDMAのために利用するパラメータを調整する処理を実施してもよい。また、ステップS708が所定回数実施された場合、制御部130は、IDMAを採用して、処理を終了させてもよい。また、所定回数選択されずに処理が終了した場合には、制御部130は、IDMAを採用しないと判定してもよい。
【0187】
(RSMAの採用判定処理)
図20は、本実施形態に係る通信制御装置100において実行されるRSMAの採用判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0188】
図20に示すように、まず、ステップS802で、制御部130は、送信装置の構成の複雑度が問題になるか否かを判定する。
【0189】
複雑度が問題になると判定された場合(S802/YES)、制御部130は、RSMAを採用しないと判定して、処理は終了する。
【0190】
一方で、複雑度が問題にならないと判定された場合(S802/NO)、ステップS804で、制御部130は、RSMAを採用した場合に、送信装置において電力が問題になるか否かを判定する。
【0191】
電力が問題になると判定された場合(S804/YES)、制御部130は、RSMAを採用しないと判定して、処理は終了する。
【0192】
電力が問題にならないと判定された場合(S804/NO)、ステップS806で、制御部130は、割り当てる多重化方式として、RSMAを採用する。
【0193】
次いで、ステップS808で、制御部130は、RSMAを採用した場合に、達成可能なシステム容量は十分であるか否かを判定する。
【0194】
達成可能なシステム容量は十分であると判定された場合(S808/YES)、処理はステップS806に再度戻る。
【0195】
一方で、達成可能なシステム容量は十分でないと判定された場合(S808/NO)、ステップS810で、制御部130は、RSMAを採用した場合に、複数のサービス/アプリケーションのデータを時間方向のリソースシェアリングで扱うことができるか否かを判定する。
【0196】
時間方向のリソースシェアリングで扱うことができると判定された場合(S810/YES)、処理はステップS806に再度戻る。
【0197】
一方で、時間方向のリソースシェアリングで扱うことができないと判定された場合(S810/NO)、処理は終了する。
【0198】
このようにして、制御部130は、ステップS806により、割り当てる多重化方式を採用し得る。
図16に関してした上記説明と同様に、ステップS806が再度実施される場合、例えば、制御部130は、RSMAのために利用するパラメータを調整する処理を実施してもよい。また、ステップS806が所定回数実施された場合、制御部130は、RSMAを採用して、処理を終了させてもよい。また、所定回数選択されずに処理が終了した場合には、制御部130は、RSMAを採用しないと判定してもよい。
【0199】
(SCMAの採用判定処理)
図21は、本実施形態に係る通信制御装置100において実行されるSCMAの採用判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0200】
まず、ステップS902で、制御部130は、SCMAを採用した場合に、受信装置において電力が問題になるか否かを判定する。
【0201】
電力が問題になると判定された場合(S902/YES)、制御部130は、SCMAを採用しないと判定して、処理は終了する。
【0202】
一方で、電力が問題にならないと判定された場合(S902/NO)、ステップS904で、制御部130は、SCMAに対応しないレガシRATとの同時通信が問題になるか否かを判定する。
【0203】
SCMAに対応しないレガシRATとの同時通信が問題になると判定された場合(S904/YES)、制御部130は、SCMAを採用しないと判定して、処理は終了する。
【0204】
一方で、SCMAに対応しないレガシRATとの同時通信が問題にならないと判定された場合(S904/NO)、ステップS906で、制御部130は、受信装置において復号遅延が問題になるか否かを判定する。
【0205】
復号遅延が問題になると判定された場合(S906/YES)、制御部130は、SCMAを採用しないと判定して、処理は終了する。
【0206】
一方で、復号遅延が問題にならないと判定された場合(S906/NO)、ステップS908で、制御部130は、割り当てる多重化方式として、SCMAを採用する。制御部130は、SCMAの採用に加えて、採用するディジタル変調方式の選択を行ってもよい。例えば、制御部130は、QPSK、16QAM、64QAM、256QAMなどについて、非一様信号点配置を採用した変調方式(NUC(Non-Uniform Constellation)又はUBM(Unbalance Modulation等)の採用可否を判定してもよい。例えば、制御部130は、SCMAを採用する場合にNUCを採用し、SCMAを採用しない場合にUC(Uniform Constellation)を採用してもよい。
【0207】
次いで、ステップS910で、制御部130は、SCMAを採用した場合に、達成可能なシステム容量は十分であるか否かを判定する。
【0208】
達成可能なシステム容量は十分であると判定された場合(S910/YES)、処理はステップS908に再度戻る。
【0209】
一方で、達成可能なシステム容量は十分でないと判定された場合(S910/NO)、ステップS912で、制御部130は、SCMAを採用した場合に、複数のサービス/アプリケーションのデータを時間方向のリソースシェアリングで扱うことができるか否かを判定する。
【0210】
時間方向のリソースシェアリングで扱うことができると判定された場合(S912/YES)、処理はステップS908に再度戻る。
【0211】
一方で、時間方向のリソースシェアリングで扱うことができないと判定された場合(S912/NO)、処理は終了する。
【0212】
このようにして、制御部130は、ステップS908により、割り当てる多重化方式を採用し得る。
図16に関してした上記説明と同様に、ステップS908が再度実施される場合、例えば、制御部130は、SCMAのために利用するパラメータを調整する処理を実施してもよい。また、ステップS908が所定回数実施された場合、制御部130は、SCMAを採用して、処理を終了させてもよい。また、所定回数選択されずに処理が終了した場合には、制御部130は、SCMAを採用しないと判定してもよい。
【0213】
[3.3.2.基地局及び端末装置について]
(送信装置側の信号処理)
以下では、通信制御装置100により割り当てられた接続設定に従った送信装置側の信号処理を説明する。ここでは、一例として、IDMA、SPC、SCMA、SDMA(又はSDM)、OFDMA(又はSC−FDMA)が割り当てられた場合の処理を説明する。なお、通信制御装置100により割り当てられなかった接続方式がある場合、以下に説明する処理のうち割り当てられなかった接続方式に関するものはスキップされてもよい。以下の説明中のベクトル表現は、言及がない限り列ベクトルであるものとする。また、特に言及がないかぎりユーザkの信号に着目して説明を行う。
【0214】
また、以下では、ダウンリンクにおける通信を想定して、基地局200が送信装置として機能するものとして説明を行う。アップリンクにおいては、端末装置300が送信装置として機能し、以下に説明する処理を同様に行う。
【0215】
(A)データサイズの決定
まず、制御部240は、ユーザkが送信するデータのデータサイズを決定する。このデータサイズの塊は、パケットデータサイズ、フレームデータサイズ又はトランスポートブロックサイズ(TBS:Transport Block Size)に相当する。このサイズは、ユーザkに割当てられた直交リソース及び非直交リソースの量、変調方式、又は符号化率等に基づいて決定されることが望ましい。データサイズN
Bit,TBS,kは、例えば下記の数式1を用いて計算される。
【0217】
ここで、I
kは、ユーザkに割当てられたインタリーバインデクス群を示す。P
kは、ユーザkに割当てられたSPC・電力レベルレイヤインデクス群を示す。C
kは、ユーザkに割当てられたSCMAの符号リソースインデクス群を示す。S
kは、ユーザkに割当てられた空間リソースインデクス群を示す。R
kは、ユーザkに割当てられたリソースブロックインデクス群を示す。N
RE,i,p,c,s,rは、インタリーバi、電力レイヤp、符号c、空間s、リソースブロックrあたりのリソースエレメント数を示す。Q
RE,i,p,c,s,rは、リソースエレメント当たりのビット効率(おおまかに、変調シンボルあたりビット数と符号化率の乗算)を示す。また、数式1におけるfloor(x)は、値x以下の最大整数を算出する関数である。
【0218】
別の例として、変調方式・符号化率は割当てられたリソース間で同一のものを利用するものとすることもできる。このようにすることで、接続設定情報の情報量を削減することが可能となる。このような場合、データサイズは下記の数式2を用いて計算される。
【0220】
さらに、データサイズの候補テーブルが通信装置間で共有されていてもよい。その場合、送受信装置間のデータサイズの通知がさらに簡略化され、低オーバーヘッド化され得る。その場合、最終的なデータサイズは、下記の数式3を用いて計算される。
【0222】
ここで、candは、データサイズの候補数を示す。N
Bit,TBS,cand,mは、m番目のデータサイズの候補を示す。
【0223】
なお、仮にデータサイズの候補テーブルが共有されない場合、最終的なデータサイズは、下記の数式4を用いて計算されてもよい。
【数4】
【0224】
なお、上記説明した処理は、
図11に示したリソースマッパー410及びシリアル/パラレル変換処理部412により行われ得る。
【0225】
(B)誤り訂正符号
制御部240は、誤り訂正符号化器を用いて誤り訂正するよう無線通信部210を制御する。送信ビットb
n,k(n=0,…,N
Bit,TBS,k−1)から構成されるベクトルをb
kとする。無線通信部210は、送信系列をまとめて一括で符号化してもよいし、無線リソース単位で符号化してもよい。なお、
図11に示した構成例は、後者の場合の構成に相当する。
【0226】
まとめて一括で符号される場合の、符号化ビットb’
m,k(m=0,…,N
CodedBit,k−1)で構成される符号化ビットベクトルb’
kは下記の数式5で表現される。
【0228】
ここで、FEC(・)は符号化を示す関数であり、Mは符号化率を示す。上記数式5に示すように、誤り訂正符号化は、ユーザkに依存し、又は可変であってもよい。
【0229】
別の例として、後続のインタリーバごとに符号化される場合を考える。まず、送信ビットをインタリーバリソースに振り分けることが望ましい。振分けのためには、例えばパーサ(Parser)又はSerial−to−Parallel変換などが用いられ得る。第i’番目のインタリーバへの振り分けルールの一例として、下記の数式6が考えられる。
【0231】
ここで、i’=0,…,N
I,k−1である。N
I,kは、ユーザkに割当てられたインタリーバの個数を示す。
【0232】
ただし、無線通信部210全体としてのインタリーバのインデクスiと、ユーザkのインタリーバ個数に対するインデクスi’は、別の意味であることに注意が必要である。以後、他のリソースのインデクスの関係についても、同様の注意が必要である。
【0233】
仮に、N
Bit,TBS,kがN
I,kで割り切れない数である場合、無線通信部210は、数合わせのためのダミービット、パッディングビット又はフィラービット等を埋め込んでもよい。例えば、無線通信部210は、i’=(N
Bit,TBS,k mod N
I,k),…,N
I,k−1のn’=N
Bit,TBS,k/N
I,k−1に対して、b
n’,i’,kをダミービットとしてもよい。無線通信部210は、振り分けた後に、振り分けた送信ビットごとに誤り訂正符号化を実施する。符号化ビットb’
m,i’,k(m=0,…,N
CodedBit,i’,k−1)のベクトルは、例えば下記の数式7で表現される。
【0235】
上記数式7に示した通り、符号化率はiに応じた可変の符号化率M
iであってもよい。
【0236】
なお、上記説明した処理は、
図11に示したFEC符号化処理部420により行われ得る。
【0237】
(C)インタリーブ
無線通信部210は、誤り訂正符号化後、符号化ビットをインタリーブする。上記数式5に示したような、誤り訂正符号化が一括して実施された場合は、無線通信部210は、符号化後にビットを各インタリーバに振り分ける。第i’番目のインタリーバへの振り分けルールの一例として、下記の数式8が考えられる。
【0239】
仮に、N
CodedBit,kがN
I,kで割り切れない数である場合、無線通信部210は、数合わせのためのダミービット、パッディングビット又はフィラービットを埋め込んでもよい。例えば、無線通信部210は、i’=(N
CodedBit,k mod N
I,k),…,N
I,k−1のn’=N
CodedBit,k/N
I,k−1に対して、b’
n’,i’,kをダミービットとしてもよい。また、無線通信部210は、後段のディジタル変調方式を考慮してさらにダミービットを挿入してもよい。例えば、N
CodedBit,i’,kが後段の変調方式のシンボル当たりビット数M
Bの整数倍になっていない場合、無線通信部210は、整数倍になるように不足分をダミービットとして挿入することとしてよい。
【0240】
その後、無線通信部210は、各符号化ビット系列に対してインタリーブを実施する。ユーザkに割当てられたインタリーバiのインタリーブパターンをπ
i(・)とし、ユーザkの第i’番目の系列をインタリーバiに対応させるとすると、インタリーブ後のビット系列のベクトルb’’
i’,kは、下記の数式9で表現される。
【0242】
なお、インタリーブ後のビット系列長は、インタリーブ前と同一であってもよい。
【0243】
なお、上記説明した処理は、
図11に示したインタリーバ430及びシリアル/パラレル変換処理部432により行われ得る。
【0244】
(D) ディジタル変調
無線通信部210は、インタリーブ後に、ビット系列を複素の変調シンボルにマッピングする。ビット系列は、変調方式にしたがって、M
Bごとに複素シンボルにマッピングされる。ここで、M
Bは複素シンボルあたりのビット数である。例えば、QPSKであればM
B=2、16QAMはM
B=4、64QAMはM
B=6、となる。無線通信部210がどの変調方式を利用するかについては、制御部240により制御される。なお、送信装置が端末装置300である場合は、基地局200により制御され得る。
【0245】
仮に、UCの変調方式が利用される場合、変調後の複素シンボルs
m,i’,k(m=0,…,N
Symbol,i’,k−1)によるベクトルs
i’,kは、下記の数式10で表現される。
【0247】
一方で、仮に、NUCの変調方式が利用される場合、変調後の複素シンボルのベクトルs
i’,kは、下記の数式11で表現される。
【0249】
変調方式(M
Bの値、及びUCであるか又はNUCであるか)は、インデクスiについて可変であってもよいし、異なっていてもよい。また、変調後複素シンボルの平均電力は1に正規化されているものとする。
【0250】
なお、上記説明した処理は、
図11に示した変調処理部440により行われ得る。
【0251】
(E)シンボル拡散
無線通信部210は、複素シンボルへのマッピング後に、拡散処理を実施する。インタリーバリソースインデクスiに対して、拡散符号系列c(拡散率SF
c)が割当てられているとする。その系列をx
c,l(l=0,…,SF
c−1)とすると、シンボルs
m,i’,kの拡散後の複素シンボル系列s’
l’,i’,k(l’=0,…,N
Symbol,i’,kSF
c−1)は下記の数式12で表現される。
【0253】
また、この拡散処理は、下記の数式13でベクトル表現される。
【0255】
ここで、0
SFx1は、長さSFのゼロベクトルを意味している。
【0256】
仮に、拡散がスキップされる場合、無線通信部210は、SF
c=1とし、x
c,0=1とすればよい。ここで用いられる拡散系列は、任意の値を取ってよいが、ゼロを含んでもよいこと、非ゼロの場合は絶対値が1であること、整数の場合は+1又は−1であること、という3つの条件が満たされることが望ましい。
【0257】
なお、上記説明した処理は、
図11に示した拡散処理部442により行われ得る。
【0258】
(F)SPCを用いた多重および電力割当て
無線通信部210は、拡散後にSPCを用いた多重を実施する。上記説明した処理により、N
I,k個の複素系列が生成されていることとなる。無線通信部210は、この複素系列を、ユーザkに割当てられている電力リソースインデクス数N
P,kに再度振り分ける。この振り分けのルールとしては、例えば下記の数式14が考えられる。
【0260】
無線通信部210は、振り分けた後、各系列s’’
p’,kに、第p’番目の電力リソースに対応する電力レベルA
pを振り分ける。その場合、各系列は、次式のように表現される。
【0262】
ここで、割り当てられる電力レベルA
pの値は、pによって異なることが望ましい。無線通信部210は、電力を割り当てた後に、同一ユーザkの信号において、SPCで多重(加算)してもよい。この場合、多重後の複素ベクトルをv
kは、次式で表現される。
【0264】
なお、上記説明した処理は、
図12に示したシリアル/パラレル変換処理部450及びSPC処理部452により行われ得る。
【0265】
(G)SDMA
無線通信部210は、SPCを用いた多重および電力割当てを実施した後、OFDMA及びSDMAのために、直交周波数及び空間方向へ多重化を実施する。無線通信部210が周波数及び空間方向へ複素シンボルを割り振る手段として、第1に周波数、第2に空間という順番に割り振る方法と、第1に空間、第2に周波数という順番に割り振る方法とが考えられる。
【0266】
第1に周波数、第2に空間という順番に割り振る方法の場合、無線通信部210は、まず周波数方向へ複素シンボルを割り振る。ユーザkに、N
R,k個のリソースブロックが割り振られる場合、r’番目のリソースブロックの複素シンボルu
q,r’,kは、次式で表現される。
【0268】
次に、無線通信部210は、各リソースブロックに割り振られた系列をさらに空間方向に振り分ける。振り分けられた後の系列u’
q’,s’,r’,kは、次式で表現される。
【0270】
一方で、第1に空間、第2に周波数という順番に割り振る方法の場合、無線通信部210は、まず空間方向へSPC多重信号を割り振る。ユーザkにN
S,k個の空間リソースが割り振られる場合、s’番目の空間リソースの複素シンボルu
q,s’,kは、次式で表現される。
【0272】
次に、無線通信部210は、各空間リソースに割り振られた系列をさらに空間方向に振り分ける。振り分けられた後の系列u’
q’,s’,r’,kは、次式で表現される。
【0274】
以上、無線通信部210が周波数及び空間方向へ複素シンボルを割り振る手段について説明した。
【0275】
さらに、無線通信部210は、系列u’
q’,s’,r’,kを、リソースブロックごとにサブキャリアf’に割り振る。
【0277】
ここで、N
F,kは、リソースブロックあたりのサブキャリア数である。
【0278】
その後、無線通信部210は、空間リソースに割り振られた複素シンボルに対して、SDMAのためのプリコーディングを実施する。プリコーディング後の空間シンボルベクトルy
q’’,r’,f’,kは、次式で表現される。
【0280】
ここで、W
r’,f’,kは、ユーザkに割当てられたプリコーダ行列を示す。W
r’,f’,kのサイズは、N
TX×N
S,kであり、N
TXは送信アンテナ数を示す。u’’
q’’,r’,f’,kは、プリコーディングされるシンボルu’’
q’’,s’,r’,f’,k(s’=0,…,N
S,k−1)のベクトルを示す。
【0281】
無線通信部210は、プリコーディングをした後に、同時に送受信するユーザの信号を多重(加算)してもよい。その場合、多重するユーザ数をKとすると、多重後の信号は次式で表現される。
【0283】
無線通信部210が、仮に上記数式23に示した多重を行わない場合、送信信号は、ユーザインデクスkに対して、異なるアンテナポートへ割り振られることが望ましい。
【0284】
なお、上記説明した処理は、
図12に示したSDM処理部470により行われ得る。
【0285】
(H)リファレンス信号
無線通信部210は、送信信号にリファレンス信号(RS:Reference Signals)を格納する。RSは、受信装置側でチャネル推定等に利用される。RSの配置は、OFDMAが採用される場合には、帯域内の所定のサブキャリア、及びサブフレーム内の所定のシンボルに配置されることが望ましい。
【0286】
(I)OFDMA
無線通信部210は、OFDMAのために、離散逆フーリエ変換(IDFT)、又は高速逆フーリエ変換(IFFT)を実施する。無線通信部210は、変換後、必要であればサイクリックプリフィクス(CP:Cyclic Prefix)又はガードインターバル(GI:Guard Interval)を付加して、各アンテナから信号を送信する。
【0287】
なお、上記説明した処理は、
図12に示したFDM処理部480により行われ得る。
【0288】
(受信装置側の信号処理)
以下では、通信制御装置100により割り当てられた接続設定に従った受信装置側の信号処理を説明するここでは、一例として、IDMA、SPC、SCMA、SDMA(又はSDM)、OFDMA(又はSC−FDMA)が割り当てられた場合の処理を説明する。なお、通信制御装置100により割り当てられなかった接続方式がある場合、以下に説明する処理のうち割り当てられなかった接続方式に関するものはスキップされてもよい。受信装置の目的は、自身に送信されたビット系列b
kを復号することである。
【0289】
また、以下では、ダウンリンクにおける通信を想定して、端末装置300が受信装置として機能するものとして説明を行う。アップリンクにおいては、基地局200が受信装置として機能し、以下に説明する処理を同様に行う。
【0290】
(A)受信シンボル
受信シンボルは、上述した送信装置おける送信処理の末、送信アンテナから送信され、無線伝搬路を通過して、受信装置である端末装置300へと到達する。以下では、受信シンボルも、ベクトル形式で表現するものとする。
【0291】
送信装置においてOFDMAが採用された場合、無線通信部310は、受信アンテナで受信された信号からCP又はGIを削除し、FFT又はDFTを実施することで、周波数領域の各サブキャリアのシンボルを得る。周波数領域に変換後の受信シンボルは、次式のベクトルで表現される。
【0293】
ここで、H
q’,r’,f’は、送信装置と端末装置300のチャネル応答行列を示す。ここでのチャネル応答とは、サブキャリアごとの応答を意味する。H
q’,r’,f’のサイズN
RX×N
TXであり、N
RXは無線通信部310の受信アンテナ数を示す。n
q’,r’,f’は、雑音と他セル干渉成分とを含むベクトルである。n
q’,r’,f’のサイズは、N
RX×1である。
【0294】
(B)チャネル推定
端末装置300は、信号を等化、分離、復号等するために、信号が通過した伝搬路の応答(即ち、チャネル応答行列H)を推定する。このチャネル推定のためには、送信側で挿入されたRSが利用されることが望ましい。無線通信部310は、RSを利用することにより、H
q’,r’,f’の推定値である
【数25】
を取得する。
【0295】
(C) 空間等化(空間フィルタリング)
無線通信部310は、チャネル推定を行った後、SDMAに対応する空間等化のための受信重み行列
【数26】
を生成する。
【0296】
ここで、受信重み行列のサイズは、N
S,k×N
RXである。無線通信部310は、この受信重み行列を受信シンボルに乗算することで、空間分離を行う。空間分離出力は、サイズがN
S,k×1のベクトルとして、次式で表現される、
【0298】
なお、上記数式27では、重み行列による線形処理が利用される例を示したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、繰り返し分離処理等の非線形処理が利用されてもよい。また、次に説明する(D)における処理と同時に行われる処理が採用されてもよい。そのような処理としては、例えばJoint Spatial and Power Filtering、及びJoint Spatial and Power Decompositionが考えらえる。
【0299】
なお、上記説明した処理は、
図13に示した空間等化処理部520により行われ得る。
【0300】
(D)SIC、シンボル逆拡散、ディジタルシンボル復調(又は対数尤度比生成)
無線通信部310は、空間等化後、ディジタル変調、シンボル拡散及びSPC多重されたシンボルから、インタリーブされた符号ビット系列b’’
i’,kに相当するビットあたりの対数尤度比(LLR:Log Likelihood Ratio)
【数28】
を生成する。
【0301】
無線通信部310は、干渉キャンセラとして、例えば並列干渉キャンセラ(PIC:Parallel Interference Canceller)等のSIC以外のキャンセラを採用してもよい。ただし、SPCのように電力割り当てが行われ電力レベル差が生じている場合には、SICの採用が望ましい。また、無線通信部310は、SICを実行する際には、SPCの電力割当てApの大きさに応じて、Apが大きい順に対応するs’’
p’,kを復号することが望ましい。
【0302】
なお、上記説明した処理は、
図13に示したシリアル/パラレル変換処理部532、SIC処理部540及びシリアル/パラレル変換処理部542、並びに
図14に示した逆拡散処理部550、復調処理部552及びシリアル/パラレル変換処理部560により行われ得る。
【0303】
(E)デインタリーブ
無線通信部310は、LLRを生成し終えた後、送信側で適用されたインタリーブに対応するデインタリーブを実施することで、系列内のビットの順序を元に戻す。デインタリーブ後の系列は、次式で表現される。
【0305】
なお、上記説明した処理は、
図14に示したデインタリーバ562により行われ得る。
【0306】
(F)誤り訂正復号
無線通信部310は、デインタリーブ後、送信側で適用された符号化に対応する復号を実施することで、元の送信ビット系列を取得する。元の送信ビット系列は次式で表現される。
【0308】
ここで、DEC(・)は復号化を示す関数である。
【0309】
なお、上記説明した処理は、
図14に示したFEC復号化処理部570により行われ得る。
【0310】
(G)繰り返し処理
無線通信部310は、上述した(C)〜(F)に係る処理を繰り返し実施してもよい。その場合、受信・復号性能が向上し得る。特に、SPC多重及びその他の非直交リソース上で多重された信号の分離のためには、繰り返し処理が採用されることが望ましい。
【0311】
なお、上記説明した処理は、
図14に示したフィードバックループ処理部580により行われ得る。
【0312】
[3.4.接続設定情報の通知]
(動作処理)
通信制御装置100による割り当て結果を示す接続設定情報は、送信装置及び受信装置に通知される。以下では、セルラーシステムにおける基地局200及び端末装置300を対象として、接続設定情報の通知処理について説明する。
【0313】
図22は、本実施形態に係る通信システム1における接続設定情報の通知処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、セルラーシステムにおけるダウンリンク通信を想定している。
【0314】
図22に示すように、まず、ステップS1002で、基地局200は端末装置300へ接続設定情報が格納されたDL制御チャネルを送信する。DL制御チャネルの送信には、例えばPDCCH(Physical Downlink Control Channel)が用いられる。また、基地局200は、事前に通信制御装置100から接続設定情報を受信していてもよいし、基地局200と通信制御装置100とが一体的に形成されていてもよい。DL制御チャネルを受信した端末装置300の制御部330は、接続設定情報が示す割り当てられたリソースを利用してデータチャネルを受信するよう無線通信部310を制御する。これにより、端末装置300は、基地局200から送信されるDLデータチャネルを受信可能になる。なお、データチャネルは、共有データチャネルであってもよい。
【0315】
次いで、ステップS1004で、基地局200は端末装置300へDLデータチャネルを送信する。その際、基地局200は、上記ステップS1002で送信した接続設定情報に従って、上述した送信信号処理を行う。また、端末装置300は、上記ステップS1002で受信した接続設定情報に従って、上述した受信信号処理を行う。
【0316】
次に、ステップS1006で、端末装置300は基地局200へ肯定応答(ACK)又は否定応答(NACK)を送信する。
【0317】
次いで、ステップS1008〜S1012で、基地局200及び端末装置300は、上述したステップS1002〜S1006と同様の処理を行う。なお、上記ステップS1006でNACKが送信された場合、ステップS1008〜S1012は再送処理となる。
【0318】
図23は、本実施形態に係る通信システム1における接続設定情報の通知処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、セルラーシステムにおけるアップ通信を想定している。
【0319】
図23に示すように、まず、ステップS1102で、基地局200は端末装置300へ接続設定情報が格納されたDL制御チャネルを送信する。DL制御チャネルの送信には、例えばPDCCHが用いられる。また、基地局200は、事前に通信制御装置100から接続設定情報を受信していてもよい。DL制御チャネルを受信した端末装置300の制御部330は、接続設定情報が示す割り当てられたリソースを利用してデータチャネル又は制御チャネルを送信するよう無線通信部310を制御する。これにより、端末装置300は、基地局200へULデータチャネルを送信可能になる。
【0320】
次いで、ステップS1104で、端末装置300は基地局200へULデータチャネルを送信する。その際、端末装置300は、上記ステップS1102で受信した接続設定情報に従って、上述した送信信号処理を行う。また、基地局200は、上記ステップS1102で送信した接続設定情報に従って、上述した受信信号処理を行う。
【0321】
次に、ステップS1106で、基地局200は端末装置300へ肯定応答(ACK)又は否定応答(NACK)を送信する。
【0322】
次いで、ステップS1108〜S1112で、基地局200及び端末装置300は、上述したステップS1102〜S1106と同様の処理を行う。なお、上記ステップS1106でNACKが送信された場合、ステップS1108〜S1112は再送処理となる。また、上記ステップS1106及び上記ステップS1108は、1回の通信で同時に行われてもよい。
【0323】
なお、上記ではセルラーシステムを想定した処理例を説明したが、本技術はセルラーシステム以外にも適用されてもよい。その場合、例えば、送信装置が通信制御装置100としての機能を有し、送信装置から受信装置へ接続設定情報が通知されてもよい。
【0324】
(接続設定情報の内容)
下記の表1に、接続設定情報として含まれ得る情報の一覧を示す。接続設定情報は、表1に示した情報のうち少なくともいずれかを含む。
【0326】
(接続設定情報の通知方法)
接続設定情報を基地局200及び端末装置300へ通知するための通知方法は多様に考えられる。そこで、接続設定情報の通知方法のバリエーションを説明する。以下では、接続設定情報の通知元は基地局200であるとし、通知先は端末装置300として説明するが、通知元及び通知先は任意の装置であってもよい。
【0327】
(1)接続設定情報を装置ごとに一括通知
本通知法では、基地局200は、接続設定情報を装置ごとに一括で送信する。端末装置300は、自身宛てに一括で送信された接続設定情報を、
図24に示す処理により受信する。
図24は、本実施形態に係る端末装置300において実行される接続設定情報の受信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0328】
図24に示すように、まず、ステップS1202で、制御部330は、制御チャネル上に自装置(端末装置300自身)宛ての情報が送られているか探索する。
【0329】
自装置宛ての情報が発見されなかった場合(S1204/NO)、ステップS1206で、制御部330は、探索期間が経過したか否かを判定する。探索期間が経過したと判定された場合(S1206/YES)、処理は終了する。一方で、探索期間が経過していないと判定された場合(S1206/NO)、処理は再度ステップS1202へ戻る。なお、制御チャネルは、一般的には周期的に送信されるので、本フロー自体がその周期に応じて実行されてもよい。
【0330】
自装置宛ての情報が発見された場合(S1204/YES)、ステップS1208で、制御部330は、発見した自装置宛ての情報を読み取る。例えば、制御部330は、制御チャネルのうち自装置宛ての情報が格納された部分を最後まで復号し、格納されている接続設定情報を読み取る。制御部330が読み取った接続設定情報は、例えば上記表1に示した情報の少なくともいずれかを含む。
【0331】
次いで、ステップS1210で、制御部330は、他装置宛ての情報も読む必要があるか否かを判定する。本判定は、例えば自身宛の接続設定情報内の、「非直交リソースで多重されている他の装置に関する情報」を参照することで行われ得る。例えば、制御部330は、他に非直交多重されている装置が有る場合に、他装置宛ての情報も読む必要があると判定する。本判定がより容易かつ必要最小限に行われるためには、多重されている装置に関する具体的なID又はRNTIが、接続設定情報に含まれていることが望ましい。本実施形態では、非直交リソース上で、複数の端末装置300宛ての信号が多重されている可能性がある。このような信号が送受信される場合には、受信装置は、非直交リソース上で多重される他の受信装置を対象とした接続設定情報を知得しておくことが望ましい。これは特に、端末装置300が非直交多重された信号を受信するために有益である。
【0332】
他装置宛ての情報を読む必要がないと判定された場合(S1210/NO)、処理は終了する。
【0333】
一方で、他装置宛ての情報も読む必要があると判定された場合(S1210/YES)、ステップS1212で、制御部330は、制御チャネル上に他装置(他の端末装置300)宛ての情報が送られているか探索する。
【0334】
他装置宛ての情報が発見されなかった場合(S1214/NO)、ステップS1216で、制御部330は、探索期間が経過したか否かを判定する。探索期間が経過したと判定された場合(S1216/YES)、処理は終了する。一方で、探索期間が経過していないと判定された場合(S1216/NO)、処理は再度ステップS1212へ戻る。本探索期間は、上記ステップS1206の探索期間と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0335】
他装置宛ての情報が発見された場合(S1204/YES)、ステップS1218で、制御部330は、発見した他装置宛ての情報を読み取る。例えば、制御部330は、制御チャネルのうち他装置宛ての情報が格納された部分を最後まで復号し、中身の情報を読み取る。制御部330が読み取った情報は、例えば上記表1に示した情報の少なくともいずれかを含む。
【0336】
(2)接続設定情報を装置ごとに段階的通知
本通知法では、接続設定情報が装置ごとに複数段階に分かれて通知される。例えば、直交リソース(例えば周波数リソース又は時間リソース)に関する情報を含む接続設定情報と、非直交リソース(拡散符号、アンテナ、空間ストリーム、電力レベル、インタリーブ、周波数ホッピング又は誤り訂正符号等)に関する情報を含む接続設定情報とが、別々に通知され得る。
【0337】
本通知法によれば、非直交リソースを用いた多元接続方式に対応する装置は、非直交リソースに関する情報の読み取りが可能であるし、非直交リソースを用いた多元接続方式に対応しない装置は、非直交リソースに関する情報の読み取りを省略可能である。そのため、本通知法は、非直交リソースを用いた多元接続方式に対応する装置と対応しない装置とが混在する場合に、互換性の維持のために有用である。
【0338】
基地局200は、接続設定情報を装置ごとに複数段階に分けて送信する。端末装置300は、複数段階に分けて自身宛てに送信された接続設定情報を段階的に受信する。例えば、端末装置300は、接続設定情報を上記
図24に示したフローチャートに従って受信しつつ、ステップS1208及びS1218において
図25に示すフローチャートに従った処理を行う。
図25は、本実施形態に係る端末装置300において実行される接続設定情報の受信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0339】
図25に示すように、まず、ステップS1302で、制御部330は、情報を読む。ここで読まれる情報は、例えば直交リソースに関する情報その他の情報を含む。
【0340】
次いで、ステップS1304で、制御部330はさらに読むべき情報があるか否かを判定する。さらに読むべき情報は、例えば非直交リソースに関する情報その他の情報を含む。例えば、制御部330は、自端末が非直交リソースを用いた多元接続方式に対応しており、「非直交リソースの割当て有無を示すフラグ」が割り当て有りを示すフラグである場合に、さらに読むべき情報があると判定する。
【0341】
さらに読むべき情報がないと判定された場合(S1304/NO)、処理は終了する。
【0342】
一方で、さらに読むべき情報があると判定された場合(S1304/YES)、ステップS1306で、制御部330は、制御チャネル上にさらに読むべき情報が送られているか探索する。
【0343】
さらに読むべき情報が発見されなかった場合(S1308/NO)、ステップS1310で、制御部330は、探索期間が経過したか否かを判定する。探索期間が経過したと判定された場合(S1310/YES)、処理は終了する。一方で、探索期間が経過していないと判定された場合(S1310/NO)、処理は再度ステップS1306へ戻る。
【0344】
一方、さらに読むべき情報が発見された場合(S1308/YES)、ステップS1312で、制御部330は、発見したさらに読むべき情報を読み取る。例えば、制御部330は、制御チャネルのうちさらに読むべき情報が格納された部分を最後まで復号し、中身の情報を読み取る。
【0345】
(3)接続設定情報を全装置宛てに一括通知
本通知法では、接続設定情報が全装置宛てに一括して通知される。例えば、各装置に割り当てられた接続設定を示す接続設定情報の一覧が、全装置宛てに一括して通知される。一例として、
図26を参照して本通知法について説明する。
【0346】
図26は、本実施形態に係る接続設定情報の通知処理を説明するための説明図である。
図26に示した例では、ひとつの時間リソース及びひとつの周波数リソースから成る領域(例えば、リソースエレメント又はリソースブロックとも称される)にひとつの接続設定情報が格納されている。また、制御チャネル上に全ての接続設定情報が格納される。各装置は、これらの領域のうち、自身の識別情報(ユーザID)が書き込まれた領域の接続設定情報を用いて信号処理を行う。なお、
図26に示した例では、接続設定情報は、ユーザID、時間インデクス、周波数インデクス、空間インデクス、電力インデクス、及びインタリーバインデクスを含む。これらのインデクスは、表1に示した割当てられた直交リソースを示す情報又は割り当てられた非直交リソースを示す情報に対応する。接続設定情報は、上記表1に示した他の情報も含み得る。
【0347】
本通知法の利点は、直交リソース及び非直交のリソースの総数が決まれば、それらの情報を運ぶための制御チャネルの量もほぼ確定できることである。即ち、本通知法は、他の通知法とは異なりユーザ数の増加に伴う制御チャネルの量の増加を抑制することができる。ただし、各ユーザ間の接続設定情報が重複し得るので、特にユーザ数が少ない場合にオーバーヘッドが相対的に多くなる可能性がある。また、読み取る側の装置は、自身又は他の装置にどのリソースが割当てられているかを知るために、すべての接続設定情報を読んでユーザIDを参照することが要される。以下、
図27を参照して、本通知法に係る接続設定情報の通知処理の一例を説明する。
【0348】
図27は、本実施形態に係る端末装置300において実行される接続設定情報の受信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0349】
図27に示すように、まず、ステップS1402で、制御部330は、自身のユーザIDが書き込まれた接続設定情報を発見する。これにより、自身向けの接続設定情報を優先して読み取ることが可能となる。もちろん、制御部330は、他の端末装置300のユーザIDが書き込まれた接続設定情報を発見し、読み取りの対象としてもよい。以降のステップは順不同であってもよい。
【0350】
次に、ステップS1404で、制御部330は、接続設定情報に含まれる時間インデクス、周波数インデクス、空間インデクス、電力インデクス、及びインタリーバインデクスを読む。
【0351】
次いで、ステップS1406で、制御部330は、接続設定情報に含まれる変調方式及び符号化率についての情報を読む。
【0352】
次に、ステップS1408で、制御部330は、接続設定情報に含まれるHARQに関する情報を読む。
【0353】
次いで、ステップS1410で、制御部330は、接続設定情報に含まれるデータサイズに関する情報を読む。
【0354】
次に、ステップS1412で、制御部330は、接続設定情報に含まれる通信リンク方向を示す情報を読む。
【0355】
次いで、ステップS1414で、制御部330は、接続設定情報に含まれる送信電力制御コマンドを示す情報を読む。
【0356】
[3.5.チャネル構成]
以下、
図28〜
図32を参照して、本実施形態に係るチャネル構成の一例について説明する。各図の横軸は直交リソース(例えば周波数、時間等)を示し、縦軸は非直交リソースを意味している。直交リソースとして周波数を考えた場合、直交リソースは、サブキャリア又はリソースブロックであってもよいし、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)が適用されるときのコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)であってもよい。
図28〜
図32では、各装置(基地局200又は端末装置300)に割り当てられる直交リソース及び
非直交リソースに関する情報が、制御チャネルにどのような配置で格納されるかを示している。なお、直交リソースに関する情報は、直交リソースを用いた接続方式、及び当該接続方式において用いられる直交リソースを示す情報を含む情報である。また、非直交リソースに関する情報は、非直交リソースを用いた接続方式、及び当該接続方式において用いられる非直交リソースを示す情報を含む情報である。
【0357】
図28は、本実施形態に係る制御チャネル及びデータチャネルの配置の一例について説明するための図である。
図28に示した例では、直交リソースに関する情報と非直交リソースに関する情報とが同じ制御チャネル610に含まれている。また、制御チャネル610とデータチャネル611とは互いに直交するリソースを用いて多重されている。本配置例は、制御チャネルの配置が例えば一般的なLTEと似た形式となる。
【0358】
以下、
図29〜
図32を参照して説明するように、直交リソースに関する情報と非直交リソースに関する情報とが互いに異なる制御チャネルに含まれていてもよい。その場合に、互いに異なる制御チャネルは、時間又は周波数の少なくともいずれかが異なり、以下に説明するようにデータチャネルとの間に所定の関係を有する。
【0359】
図29は、本実施形態に係る制御チャネル及びデータチャネルの配置の一例について説明するための図である。
図29に示した例では、直交リソースに関する情報が含まれる制御チャネル620と非直交リソースに関する情報が含まれる制御チャネル621とが、互いに直交するリソースを用いて多重されている。また、制御チャネル620及び621とデータチャネル622とは互いに直交するリソースを用いて多重されている。本配置例は、接続設定情報を装置ごとに段階的通知する場合に有用である。本配置例によれば、チャネル間の干渉は基本的に存在しないため、復号の精度が低下することを回避することができる。また、本配置例によれば、通信システム1は非直交リソースを用いた多元接続方式に対応しないレガシ装置を収容することが可能である。また、本配置例によれば、制御チャネル620と制御チャネル621とが直交関係にあるため、非直交リソースを用いた多元接続方式に対応しないレガシ装置は、直交リソースに関する情報を支障なく読み取ることが可能である。
【0360】
図30は、本実施形態に係る制御チャネル及びデータチャネルの配置の一例について説明するための図である。
図30に示した例では、直交リソースに関する情報が含まれる制御チャネル630と非直交リソースに関する情報が含まれる制御チャネル631とが、互いに直交するリソースを用いて多重されている。また、制御チャネル630とデータチャネル632とは互いに直交するリソースを用いて多重されている。また、制御チャネル631とデータチャネル632とは少なくとも直交する又は非直交するリソースを用いて多重されている。非直交リソースに関する情報が含まれる制御チャネル630は、非直交リソースを用いた多元接続方式に対応可能な装置が読み取る情報であるため、制御チャネル630とデータチャネル632とが非直交多重されていてもよい。また、本配置例によれば、制御チャネル630と制御チャネル631とが直交関係にあるため、非直交リソースを用いた多元接続方式に対応しないレガシ装置は、直交リソースに関する情報を支障なく読み取ることが可能である。
【0361】
図31は、本実施形態に係る制御チャネル及びデータチャネルの配置の一例について説明するための図である。
図31に示した例では、直交リソースに関する情報が含まれる制御チャネル640と非直交リソースに関する情報が含まれる制御チャネル641とが、同一の直交リソース上で互いに非直交するリソースを用いて多重されている。また、制御チャネル640及び641とデータチャネル642とは互いに直交するリソースを用いて多重されている。本配置例によれば、制御チャネル640と制御チャネル641とが干渉し得る。そのため、非直交リソースを用いた多元接続方式に対応しないレガシ装置による制御チャネル640の読み取り結果に劣化が生じ得るが、復号手段に変更が不要である。
【0362】
図32は、本実施形態に係る制御チャネル及びデータチャネルの配置の一例について説明するための図である。
図32に示した例では、直交リソースに関する情報が含まれる制御チャネル650とデータチャネル652とは互いに直交するリソースを用いて多重されている。また、非直交リソースに関する情報が含まれる制御チャネル651と制御チャネル650とは、少なくとも直交する又は非直交するリソースを用いて多重されている。また、制御チャネル651とデータチャネル652とは、少なくとも直交する又は非直交するリソースを用いて多重されている。
【0363】
図28〜
図32における縦軸の非直交リソースの例としては、電力レベルが挙げられる。その場合、直交リソースに関する情報を含む制御チャネル、非直交リソースに関する情報を含む制御チャネル及びデータチャネルに、それぞれ異なる電力レベルが割り当てられ得る。制御チャネルは、後続(なお、直後である必要はない)するデータチャネルを正確に復号するために重要であるため、制御チャネルをまず適切に復号できるようにするための電力レベルの調整が行われ得る。なお、各チャネルに割り当てられる電力レベルの大小関係は、
図28〜
図32に示される大小関係と一致していてもよいし、異なっていてもよい。
【0364】
ここで、制御チャネルの各々及びデータチャネルの各々の送信のために割当てられる電力又は単位あたり電力密度は、以下に説明するように互いに所定の大小関係を有していてもよい。P
CCH0は、直交リソースに関する情報及び非直交リソースに関する情報を含む制御チャネルの単位あたりの電力又は電力密度を示す。P
CCH1は、直交リソースに関する情報を含む制御チャネルの単位あたりの電力又は電力密度を示す。P
CCH2は、非直交リソースに関する情報を含む制御チャネルの単位あたりの電力又は電力密度を示す。また、P
SCHは単位あたりのデータチャネルの電力又は電力密度を示し、複数のデータが非直交多重される場合はその和の電力又は電力密度を示す。システムの安定動作の観点では、制御チャネルが復号可能であることが望ましいので、それぞれの大小関係として、次式の条件が満たされることが望ましい。
【0366】
上記数式31に示したように、直交リソースに関する情報が含まれる制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度は、データチャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度と等しい又はそれ以上であることが望ましい。また、上記数式31に示したように、直交リソースに関する情報を含む制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度は、非直交リソースに関する情報を含む制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度と等しいかそれ以上であることが望ましい。
【0367】
さらに、図中にはないが、データチャネルの電力又は電力密度を、直交リソースを用いて送信されるデータチャネルの電力P
SCH,Oと非直交リソースを用いて送信されるデータチャネルの電力P
SCH,NOとに分けて考える場合、次式の条件も満たされることが望ましい。
【0369】
[3.6.ケイパビリティ情報]
(ケイパビリティ情報の内容)
下記の表2に、ケイパビリティ情報の一例を示す。
【表2】
【0370】
上記の表2に示すように、ケイパビリティ情報は、直交リソース及び非直交リソースの各々について対応可能であるか否かを示す情報を含む。例えば、ケイパビリティ情報は、各接続方式について対応しているか(OK)、非対応であるか(NG)を示す情報を含み得る。これらの情報は、ビットフラグとして実現されてもよい。また、ケイパビリティ情報は、装置自身の識別情報として、User IDを含み得る。端末装置300は、User IDにより各基地局200又は端末装置300を特定し、特定した装置がどの接続方式に対応するかを知得する。なお、上記表2における「3G」及び「4G」は、レガシRATとも捉えることができる。
【0371】
(ケイパビリティ情報の通知)
以下では、
図33を参照して、ケイパビリティ情報の通知手続の一例を説明する。
【0372】
図33は、本実施形態に係る通信システム1において実行されるケイパビリティ情報の通知処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図33に示すように、本シーケンスには、端末装置300、基地局200、及び通信制御装置100が関与する。
【0373】
図33に示す、ステップS1502〜S1510に係る処理は、RRC(Radio Resource Control)接続を確立するための手続きである。具体的には、ステップS1502で、端末装置300は、ランダムアクセスプリアンブルを基地局200へ送信する。ランダムアクセスプリアンブルの受信に成功した基地局200は、ステップS1504で、ランダムアクセスレスポンスを端末装置300へ送信する。本手続により、基地局200は端末装置300を認識する。次いで、ステップS1506で、端末装置300は、RRC接続要求メッセージを基地局200へ送信する。RRC接続要求メッセージの受信に成功した基地局200は、ステップS1508で、RRC接続立ち上げメッセージを端末装置300へ送信する。端末装置300は、基地局200から受信したRRC接続立ち上げメッセージに含まれるセットアップ情報に従ってパラメータを設定し、ステップS1510で、RRC接続立ち上げ完了メッセージを基地局200へ送信する。
【0374】
上述したランダムアクセスの手続き又はRRCコネクションの手続きにおいて、ケイパビリティ情報が端末装置300により送信され、基地局200により受信されもよい。例えば、端末装置300は、ケイパビリティ情報を基地局200へ通知するための専用のメッセージを送信してもよい。また、端末装置300は、上記ステップS1502〜S1510にかかる手続きにおいて基地局200に送信するメッセージの少なくともいずれかに、ケイパビリティ情報を含めてもよい。詳しくは、端末装置300は、ランダムアクセスプリアンブル、RRC接続要求メッセージ又はRRC接続立ち上げメッセージの少なくともいずれかに、ケイパビリティ情報を含めてもよい。この場合、専用のメッセージで送信する場合と比較して、オーバーヘッドを削減することが可能である。なぜならば、ケイパビリティ情報は、上記表2に示したように数ビットで収まる可能性があるためである。
【0375】
次いで、ステップS1512で、基地局200はケイパビリティ情報を通信制御装置100へ送信する。このとき、基地局200は、端末装置300から受信したケイパビリティ情報を送信する。他にも、基地局200は、自身のケイパビリティ情報を通信制御装置100へ送信してもよい。
【0376】
次に、ステップS1514で、通信制御装置100は、受信完了応答を基地局200へ送信する。通信制御装置100は、上記ステップS1512において収集したケイパビリティ情報を、コアネットワーク又はその他のネットワークにある通信制御装置との間で共有してもよい。この場合、後述するセル選択及びハンドオーバの手続きにおいて、ケイパビリティ情報がより有効に利用され得る。
【0377】
下記の表3に、複数の装置から収集されたケイパビリティ情報の一例を示す。
【表3】
【0378】
端末装置300は、上記ステップS1512において収集したケイパビリティ情報を、User IDと共にまとめて記憶しておくことが望ましい。ここで、コアネットワーク内で端末装置300として機能するエンティティとしては、例えばMME(Mobility Management Entity)が挙げられる。MMEは端末装置300によるセル選択及びハンドオーバを制御する機能を有するので、表3に示した複数の装置のケイパビリティ情報を保持することは有効である。他にも、基地局200が、自身が運用するセルに所属する端末装置300のケイパビリティ情報を保持していてもよい。
【0379】
上述したように、基地局200は、自身のケイパビリティ情報を通信制御装置100へ通知してもよい。下記の表4に、基地局200のケイパビリティ情報の一例を示す。
【表4】
【0380】
上記表4に示すように、基地局200のケイパビリティ情報は、上記表3に示した端末装置300のケイパビリティ情報と同様の形式であってもよく、セルID(Cell ID)が識別情報として用いられる。
【0381】
また、基地局200は、自身のケイパビリティ情報の他に、現在どの接続方式を利用中であるかを示すステータス情報を通信制御装置100へ通知してもよい。下記の表5に、基地局200のステータス情報の一例を示す。
【表5】
【0382】
上記表5では、現在使用中である接続方式には「Enabled」、現在使用していない接続方式には「Disabled」上記の表5に示すように、ステータス情報は、各接続方式について使用中であるか(Enabled)、使用していないか(Disabled)を示す情報を含み得る。これらの情報は、ビットフラグとして実現されてもよい。
【0383】
(ケイパビリティ情報を利用した手続)
続いて、ケイパビリティ情報を利用した手続について説明する。そのような手続きの一例として、ケイパビリティ情報を利用したハンドオーバの手続き及びアドミッション制御の手続きについて説明する。以下に説明するように、通信制御装置100又は基地局200は、端末装置300によるハンドオーバの手続き又はアドミッション制御の手続きにおいて、端末装置300のケイパビリティ情報を用いる。また、通信制御装置100又は基地局200は、端末装置300によるハンドオーバの手続き又はアドミッション制御の手続きにおいて、ハンドオーバ先候補の基地局200のケイパビリティ情報をさらに用いる。
【0384】
図34は、本実施形態に係る通信システム1において実行されるハンドオーバ処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図34に示すように、本シーケンスには、端末装置300、基地局200A、200B、及び
通信制御装置100が関与する。なお、基地局200Aは、ハンドオーバ元の基地局(例えば、ソースeNB)であり、基地局200Bは、ハンドオーバ先候補の基地局(例えば、ターゲットeNB)である。
【0385】
まず、ステップS1602で、端末装置300は、メジャメントを行う。例えば、端末装置300は、例えば基地局200から周期的に送信される所定のリファレンス信号、ブロードキャスト信号、又は同期信号などを受信する。その際に、端末装置300は、信号強度(例えばRSRP(Reference Signal Received Power)又はRSSI(Received Signal Strength Indicator)等)及び信号品質(例えばRSRQ(Reference Signal Received Quality)等)等を測定する。
【0386】
次いで、ステップS1604で、端末装置300は、メジャメント情報を、自身が接続又は所属しているセルを運用する基地局200Aへ送信する。端末装置300は、定期的に又は基地局200Aからの指示に応じて送信する。
【0387】
次に、ステップS1606で、基地局200Aは、メジャメント情報の確認を行う。例えば、基地局200Aは、メジャメント情報が所定の条件を満たす場合に、以降に説明するハンドオーバの実施可能性を確認する処理を開始する。
【0388】
次いで、ステップS1608で、基地局200Aは、ハンドオーバトリガ(Handover Required)を通信制御装置100へ送信する。
【0389】
次に、ステップS1610で、通信制御装置100は、ケイパビリティ情報の確認を行う。例えば、通信制御装置100は、端末装置300及び端末装置300によるハンドオーバに関連する基地局200のケイパビリティ情報を照らし合わせて、所定の条件を満たす場合に、以降に説明するハンドオーバを実行に移す処理を開始する。通信制御装置100は、ケイパビリティ情報に加えて、ハンドオーバに関連する基地局200のステータス情報を参照してもよい。ハンドオーバに関連する基地局200としては、端末装置300が現在所属するハンドオーバ元の基地局200A、及びハンドオーバ先の候補のセルを運用する基地局200Bが挙げられる。なお、本ステップにおける詳細な処理内容については後述する。
【0390】
次いで、ステップS1612で、通信制御装置100は、ハンドオーバリクエスト(Handover Request)をハンドオーバ先候補の基地局200Bへ送信する。さらに、通信制御装置100は、基地局200Bに割り当てる接続設定を変更する場合に、接続設定の割り当ての変更を示すメッセージである、接続設定変更リクエストを基地局200Bへ送信する。例えば、通信制御装置100は、端末装置300が利用可能であるが、基地局200Bでは現在利用されていない接続方式が新たに利用されるよう、接続設定を変更し得る。接続設定変更リクエストには、例えば変更後の接続設定情報が含まれ得る。基地局200Bは、接続設定変更リクエストを参照することで、利用を開始すべき接続方式及びリソース、並びに利用を停止すべき接続方式及びリソースを知得する。
【0391】
次に、ステップS1614で、基地局200Bは、アドミッション制御(Admission Control)を行う。例えば、基地局200Bは、ハンドオーバの受け入れ及び接続設定の変更が可能か否かを判定する。このとき、基地局200Bは、接続設定の変更可否判定の結果に応じて、ハンドオーバ可否を判定し得る。なお、本ステップにおける詳細な処理内容については後述する。例えば、基地局200Bは、ハンドオーバの受け入れ及び接続設定の変更が可能であると判定した場合、以降に説明するハンドオーバを実施する処理を開始する。
【0392】
通信制御装置100は、接続設定変更リクエストに応じた、基地局200Bにおける接続設定の変更可否判定の結果を示すメッセージを受信する。例えば、ハンドオーバの受け入れ及び接続設定の変更が可能であると判定された場合、ステップS1616で、基地局200Bは、ハンドオーバリクエストの承諾を示すメッセージを通信制御装置100へ送信する。このハンドオーバリクエストの承諾を示すメッセージは、接続設定変更リクエスト
の承諾を示すメッセージを兼ねていてもよい。
【0393】
次いで、ステップS1618で、通信制御装置100は、ハンドオーバコマンド(Handover Command)を基地局200Aへ送信する。
【0394】
次に、ステップS1620で、基地局200
Aは、ハンドオーバコマンド及びRRC接続の再設定コマンド(RRC connection reconfiguration)を端末装置300へ送信する。
【0395】
ここで、仮に基地局200Aがいわゆるシームレスハンドオーバをサポートしており、送受信途中のデータが残存する場合、ステップS1622で、基地局200Aは基地局200Bへ残りのデータを転送する。
【0396】
次いで、ステップS1624で、端末装置300は、ランダムアクセスプリアンブルを基地局200Bへ送信する。ランダムアクセスプリアンブルの受信に成功した基地局200Bは、ステップS1626で、ランダムアクセスレスポンスを端末装置300へ送信する。次いで、ステップS1628で、端末装置300は、RRC接続の再設定(RRC connection reconfiguration)を行って、RRC接続の再設定完了メッセージ(RRC connection reconfiguration complete)を基地局200Bへ送信する。これにより、ハンドオーバが完了し、通信サービスの続きが開始される。
【0397】
上述したように、端末装置300は、ケイパビリティ情報を基地局200Bへ通知するための専用のメッセージを送信してもよい。また、端末装置300は、ランダムアクセスプリアンブル、又はRRC接続の再設定完了メッセージの少なくともいずれかに、ケイパビリティ情報を含めてもよい。なお、基地局200がケイパビリティ情報を管理する場合には、端末装置300の接続先が変わるごとに、即ちハンドオーバが起こるごとに、ケイパビリティ情報が通知されることが望ましい。
【0398】
次いで、ステップS1630で、基地局200Bは端末装置300から受信したケイパビリティ情報を通信制御装置100へ送信する。他にも、基地局200
Bは、自身のケイパビリティ情報及びステータス情報を通信制御装置100へ送信してもよい。
【0399】
次に、ステップS1632で、通信制御装置100は、受信完了応答を基地局200
Bへ送信する。
【0400】
上記では、通信制御装置100が、ステップS1610においてケイパビリティ情報の確認を行う例を説明したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、基地局200
Bがケイパビリティ情報の確認を行ってもよい。また、上記では、基地局200
Bが、ステップS1614においてアドミッション制御を行う例を説明したが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、通信制御装置100がアドミッション制御を行ってもよい。一例として、
図35を参照して、基地局200
Bがケイパビリティ情報の確認を行う場合について説明する。
【0401】
図35は、本実施形態に係る通信システム1において実行されるハンドオーバ処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図35に示すように、本シーケンスには、端末装置300、基地局200A、200B、及び端末装置300が関与する。なお、基地局200Aは、ハンドオーバ元の基地局(例えば、ソースeNB)であり、基地局200Bは、ハンドオーバ先候補の基地局(例えば、ターゲットeNB)である。
【0402】
まず、ステップS1702で、端末装置300は、メジャメントを行う。次いで、ステップS1704で、端末装置300は、メジャメント情報を基地局200Aへ送信する。次に、ステップS1706で、基地局200Aは、メジャメント情報の確認を行う。
【0403】
そして、ステップS1708で、基地局200Aは、ケイパビリティ情報の確認を行う。基地局200Aは、ケイパビリティ情報に加えて、ハンドオーバに関連する基地局200のステータス情報を参照してもよい。
【0404】
次いで、ステップS1710で、基地局200Aは、ハンドオーバリクエストをハンドオーバ先候補の基地局200Bへ送信する。さらに、基地局200Aは、接続設定の変更を要求する場合に、接続設定変更リクエストを基地局200Bへ送信する。
【0405】
次に、ステップS1712で、基地局200Bは、アドミッション制御を行う。基地局200Bは、ハンドオーバの受け入れ及び接続設定の変更が可能であると判定した場合、ステップS1714で、ハンドオーバリクエストの承諾を示すメッセージを基地局200Aへ送信する。以降のステップS1716〜S1724、S1728及びS1730にかかる処理は、
図34を参照して説明したステップS1620〜S1632にかかる処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。基地局200Bは、
図34を参照して説明したステップS1620〜S1632にかかる処理に加えて、ステップS1726で、ハンドオーバ結果を示すハンドオーバステータスレポートを通信制御装置100へ送信する。
【0406】
上記
図34及び
図35では、ケイパビリティ情報の確認により所定の条件を満たすと判定され、ハンドオーバを実行に移す処理が開始される例を説明したが、その逆の例を以下に説明する。
【0407】
図36は、本実施形態に係る通信システム1において実行されるハンドオーバ処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図36に示すように、本シーケンスには、端末装置300、基地局200A、200B、及び
通信制御装置100が関与する。本シーケンスは、
図34に示したシーケンスに対応する。
【0408】
ステップS1802〜S1810にかかる処理は、
図34を参照して説明したステップS1602〜S1610にかかる処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。通信制御装置100は、ステップS1810におけるケイパビリティ情報の確認の結果、所定の条件を満たさないと判定した場合に、以降に説明するハンドオーバを拒否する処理を開始する。例えば、通信制御装置100は、端末装置300が対応する接続方式及びリソースと基地局200Bが対応する接続方式及びリソースに重複がない場合に、ハンドオーバを拒否する処理を開始する。
【0409】
まず、ステップS1812で、通信制御装置100は、ハンドオーバを拒否することを示すメッセージを基地局200Aへ送信する。本メッセージを受信した基地局200Aは、ハンドオーバコマンドを端末装置300へ送信しない。その代わりに、例えば、基地局200Aは、ステップS1814で、ハンドオーバを拒否することを示すメッセージを端末装置300へ送信してもよい。
【0410】
図37は、本実施形態に係る通信システム1において実行されるハンドオーバ処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図37に示すように、本シーケンスには、端末装置300、及び基地局200Aが関与する。本シーケンスは、
図35に示したシーケンスに対応する。
【0411】
ステップS1902〜S1908にかかる処理は、
図35を参照して説明したステップS1702〜S1708にかかる処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。基地局200Aは、ステップS1908におけるケイパビリティ情報の確認の結果、所定の条件を満たさないと判定した場合に、ハンドオーバを拒否する。例えば、基地局200Aは、ハンドオーバコマンドを端末装置300へ送信しない。その代わりに、例えば、基地局200Aは、ステップS1910で、ハンドオーバを拒否することを示すメッセージを端末装置300へ送信してもよい。
【0412】
また、上記
図34及び
図35では、アドミッション制御においてハンドオーバの受け入れ及び接続設定の変更が可能であると判定され、ハンドオーバを実施する処理が開始される例を説明したが、その逆の例を以下に説明する。
【0413】
図38は、本実施形態に係る通信システム1において実行されるハンドオーバ処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図38に示すように、本シーケンスには、端末装置300、基地局200A、200B、及び
通信制御装置100が関与する。本シーケンスは、
図34に示したシーケンスに対応する。
【0414】
ステップS2002〜S2014にかかる処理は、
図34を参照して説明したステップS1602〜S1614にかかる処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。基地局200Bは、ステップS2014におけるアドミッション制御において、ハンドオーバの受け入れ及び接続設定の変更が不可能であると判定した場合、以降に説明するハンドオーバを拒否する処理を開始する。
【0415】
まず、ステップS2016で、基地局200Bは、ハンドオーバリクエストを拒否することを示すメッセージを通信制御装置100へ送信する。このハンドオーバリクエストを拒否することを示すメッセージは、接続設定変更リクエス
トを拒否することを示すメッセージを兼ねる。その後、ステップS2018及びS2020において、
図36を参照して説明したステップS1812及びS1814にかかる処理と同様の処理が行われる。
【0416】
図39は、本実施形態に係る通信システム1において実行されるハンドオーバ処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図39に示すように、本シーケンスには、端末装置300、基地局200A及び200Bが関与する。本シーケンスは、
図35に示したシーケンスに対応する。
【0417】
ステップS2102〜S2112にかかる処理は、
図35を参照して説明したステップS1702〜S1712にかかる処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。基地局200Bは、ステップS2112におけるアドミッション制御において、ハンドオーバの受け入れ及び接続設定の変更が不可能であると判定した場合、以降に説明するハンドオーバを拒否する処理を開始する。
【0418】
まず、ステップS2114で、基地局200Bは、ハンドオーバリクエストを拒否することを示すメッセージを基地局200Aへ送信する。その後、ステップS2116において、
図37を参照して説明したステップS1910にかかる処理と同様の処理が行われる。
【0419】
以下では、
図34〜
図39において述べた、ケイパビリティ情報の確認、及びアドミッション制御における処理の詳細を説明する。
【0420】
図40は、本実施形態に係る通信制御装置100において実行されるケイパビリティ情報の確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、上述したように、基地局200もケイパビリティ情報の確認を行い得る。その場合、基地局200は、下記に説明する処理と同様の処理を行うものとする。
【0421】
図40に示すように、まず、ステップS2202で、制御部130は、端末装置300及びハンドオーバ先候補の基地局200のケイパビリティ情報を確認する。
【0422】
端末装置300がレガシRATのみをサポートしている場合(S2204/YES)、ステップS2206で、制御部130は、ハンドオーバ先候補の基地局200がレガシRATをサポートしているか否かを判定する。端末装置300がレガシRAT以外をサポートしていても(S2204/NO)、端末装置300とハンドオーバ先候補の基地局200との間で、レガシRAT以外に共通してサポートするRATがない場合(S2216/NO)も、制御部130は同様の判定を行う。
【0423】
ハンドオーバ先候補の基地局200がレガシRATをサポートしている場合(S2206/YES)、ステップS2208で、制御部130は、ハンドオーバを承諾すると判定する。そして、ステップS2210で、制御部130は、ハンドオーバ先の基地局200へハンドオーバリクエストを通知すると決定する。
【0424】
一方で、ハンドオーバ先候補の基地局200がレガシRATをサポートしていない場合(S2206/NO)、ステップS2212で、制御部130は、ハンドオーバを拒否すると判定する。そして、ステップS2214で、制御部130は、ハンドオーバ元の基地局200へハンドオーバを拒否することを示すメッセージを通知すると決定する。
【0425】
また、端末装置300がレガシRAT以外をサポートして
おり(S2204/NO)、端末装置300とハンドオーバ先候補の基地局200との間で、レガシRAT以外に共通してサポートするRATがある場合(S2216/YES)、ステップS2218で、制御部130は、ハンドオーバを承諾すると判定する。そして、ステップS2220で、制御部130は、ハンドオーバ先の基地局200は端末装置300がサポートするRATを現在動作させているか否かを、当該基地局200のステータス情報を参照して判定する。
【0426】
現在動作させていると判定された場合(S2220/YES)、制御部130は、ハンドオーバ先の基地局200へ、ハンドオーバリクエストを通知すると決定する。
【0427】
一方で、現在動作させていないと判定された場合(S2220/NO)、制御部130は、ハンドオーバ先の基地局200へ、ハンドオーバリクエスト及び接続設定変更リクエストを通知すると決定する。
【0428】
図41は、本実施形態に係る基地局200において実行されるアドミッション制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0429】
図41に示すように、まず、制御部240は、自身が運用するセルに収容可能な端末数に空きがあるか否かを判定する。
【0430】
空きがあると判定された場合(S2302/YES)、ステップS2304で、制御部240は、ハンドオーバリクエストを承諾すると判定する。
【0431】
次いで、ステップS2306で、制御部240は、接続設定変更リクエストは承諾可能であるか否かを判定する。例えば、制御部240は、接続設定変更リクエストに従って自セルで利用する接続方式を変更し、及び自セルで利用する接続方式において用いるリソースを変更した場合の、すでに自セルに接続している他の端末装置300への影響を考慮して、承諾可能であるか否かを判定する。なお、基地局200が接続設定変更リクエストを受信していない場合、本ステップは省略されてもよい。
【0432】
承諾可能であると判定された場合(S2306/YES)、ステップS2308で、制御部240は、接続設定変更リクエストを承諾すると判定する。そして、ステップS2310で、制御部240は、ハンドオーバリクエストの承諾及び接続設定変更リクエストの承諾を示すメッセージを通知すると決定する。制御部240は、ハンドオーバリクエストの承諾及び接続設定変更リクエストの承諾をひとつのメッセージに含めて通知してもよいし、別々のメッセージを用いて通知してもよい。
【0433】
一方で、承諾可能ではないと判定された場合(S2306/NO)、ステップS2312で、制御部240は、接続設定変更リクエストを拒否すると判定する。そして、ステップS231
4で、制御部240は、ハンドオーバリクエストの承諾及び接続設定変更リクエストの拒否を示すメッセージを通知すると決定する。制御部240は、ハンドオーバリクエストの承諾及び接続設定変更リクエストの拒否をひとつのメッセージに含めて通知してもよいし、別々のメッセージを用いて通知してもよい。
【0434】
また、自身が運用するセルに収容可能な端末数に空きがないと判定された場合(S2302/NO)、ステップS2316で、制御部240は、ハンドオーバリクエストを拒否すると判定する。そして、ステップS2318で、制御部240は、ハンドオーバリクエストの拒否を示すメッセージを通知すると決定する。
【0435】
<4.応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、通信制御装置100は、タワーサーバ、ラックサーバ、又はブレードサーバなどのいずれかの種類のサーバとして実現されてもよい。また、通信制御装置100の少なくとも一部の構成要素は、サーバに搭載されるモジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール、又はブレードサーバのスロットに挿入されるカード若しくはブレード)において実現されてもよい。
【0436】
また、例えば、基地局200は、マクロeNB又はスモールeNBなどのいずれかの種類のeNB(evolved Node B)として実現されてもよい。スモールeNBは、ピコeNB、マイクロeNB又はホーム(フェムト)eNBなどの、マクロセルよりも小さいセルをカバーするeNBであってよい。その代わりに、基地局200は、NodeB又はBTS(Base Transceiver Station)などの他の種類の基地局として実現されてもよい。基地局200は、無線通信を制御する本体(基地局装置ともいう)と、本体とは別の場所に配置される1つ以上のRRH(Remote Radio Head)とを含んでもよい。また、後述する様々な種類の端末が一時的に又は半永続的に基地局機能を実行することにより、基地局200として動作してもよい。さらに、基地局200の少なくとも一部の構成要素は、基地局装置又は基地局装置のためのモジュールにおいて実現されてもよい。
【0437】
また、例えば、端末装置300は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末、携帯型/ドングル型のモバイルルータ若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、端末装置300は、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、端末装置300の少なくとも一部の構成要素は、これら端末に搭載されるモジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)において実現されてもよい。
【0438】
[4.1.通信制御装置に関する応用例]
図42は、本開示に係る技術が適用され得るサーバ700の概略的な構成の一例を示すブロック図である。サーバ700は、プロセッサ701、メモリ702、ストレージ703、ネットワークインタフェース704及びバス706を備える。
【0439】
プロセッサ701は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)であってよく、サーバ700の各種機能を制御する。メモリ702は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、プロセッサ701により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ703は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。
【0440】
ネットワークインタフェース704は、サーバ700を有線通信ネットワーク705に接続するための有線通信インタフェースである。有線通信ネットワーク705は、EPC(Evolved Packet Core)などのコアネットワークであってもよく、又はインターネットなどのPDN(Packet Data Network)であってもよい。
【0441】
バス706は、プロセッサ701、メモリ702、ストレージ703及びネットワークインタフェース704を互いに接続する。バス706は、速度の異なる2つ以上のバス(例えば、高速バス及び低速バス)を含んでもよい。
【0442】
図42に示したサーバ700において、
図6を参照して説明した通信部110、記憶部120及び制御部130は、プロセッサ701において実装されてもよい。一例として、プロセッサを通信部110、記憶部120及び制御部130として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに通信部110、記憶部120及び制御部130の動作を実行させるためのプログラム)がサーバ700にインストールされ、プロセッサ701が当該プログラムを実行してもよい。別の例として、サーバ700は、プロセッサ701及びメモリ702を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて通信部110、記憶部120及び制御部130が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを通信部110、記憶部120及び制御部130として機能させるためのプログラムをメモリ702に記憶し、当該プログラムをプロセッサ701により実行してもよい。以上のように、通信部110、記憶部120及び制御部130を備える装置としてサーバ700又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを通信部110、記憶部120及び制御部130として機能させるための上記プログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
【0443】
[4.2.基地局に関する応用例]
(第1の応用例)
図43は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第1の例を示すブロック図である。eNB800は、1つ以上のアンテナ810、及び基地局装置820を有する。各アンテナ810及び基地局装置820は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。
【0444】
アンテナ810の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、基地局装置820による無線信号の送受信のために使用される。eNB800は、
図43に示したように複数のアンテナ810を有し、複数のアンテナ810は、例えばeNB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、
図43にはeNB800が複数のアンテナ810を有する例を示したが、eNB800は単一のアンテナ810を有してもよい。
【0445】
基地局装置820は、コントローラ821、メモリ822、ネットワークインタフェース823及び無線通信インタフェース825を備える。
【0446】
コントローラ821は、例えばCPU又はDSPであってよく、基地局装置820の上位レイヤの様々な機能を動作させる。例えば、コントローラ821は、無線通信インタフェース825により処理された信号内のデータからデータパケットを生成し、生成したパケットをネットワークインタフェース823を介して転送する。コントローラ821は、複数のベースバンドプロセッサからのデータをバンドリングすることによりバンドルドパケットを生成し、生成したバンドルドパケットを転送してもよい。また、コントローラ821は、無線リソース管理(Radio Resource Control)、無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、移動性管理(Mobility Management)、流入制御(Admission Control)又はスケジューリング(Scheduling)などの制御を実行する論理的な機能を有してもよい。また、当該制御は、周辺のeNB又はコアネットワークノードと連携して実行されてもよい。メモリ822は、RAM及びROMを含み、コントローラ821により実行されるプログラム、及び様々な制御データ(例えば、端末リスト、送信電力データ及びスケジューリングデータなど)を記憶する。
【0447】
ネットワークインタフェース823は、基地局装置820をコアネットワーク824に接続するための通信インタフェースである。コントローラ821は、ネットワークインタフェース823を介して、コアネットワークノード又は他のeNBと通信してもよい。その場合に、eNB800と、コアネットワークノード又は他のeNBとは、論理的なインタフェース(例えば、S1インタフェース又はX2インタフェース)により互いに接続されてもよい。ネットワークインタフェース823は、有線通信インタフェースであってもよく、又は無線バックホールのための無線通信インタフェースであってもよい。ネットワークインタフェース823が無線通信インタフェースである場合、ネットワークインタフェース823は、無線通信インタフェース825により使用される周波数帯域よりもより高い周波数帯域を無線通信に使用してもよい。
【0448】
無線通信インタフェース825は、LTE(Long Term Evolution)又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、アンテナ810を介して、eNB800のセル内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース825は、典型的には、ベースバンド(BB)プロセッサ826及びRF回路827などを含み得る。BBプロセッサ826は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、各レイヤ(例えば、L1、MAC(Medium Access Control)、RLC(Radio Link Control)及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol))の様々な信号処理を実行する。BBプロセッサ826は、コントローラ821の代わりに、上述した論理的な機能の一部又は全部を有してもよい。BBプロセッサ826は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を含むモジュールであってもよく、BBプロセッサ826の機能は、上記プログラムのアップデートにより変更可能であってもよい。また、上記モジュールは、基地局装置820のスロットに挿入されるカード若しくはブレードであってもよく、又は上記カード若しくは上記ブレードに搭載されるチップであってもよい。一方、RF回路827は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ810を介して無線信号を送受信する。
【0449】
無線通信インタフェース825は、
図43に示したように複数のBBプロセッサ826を含み、複数のBBプロセッサ826は、例えばeNB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。また、無線通信インタフェース825は、
図43に示したように複数のRF回路827を含み、複数のRF回路827は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、
図43には無線通信インタフェース825が複数のBBプロセッサ826及び複数のRF回路827を含む例を示したが、無線通信インタフェース825は単一のBBプロセッサ826又は単一のRF回路827を含んでもよい。
【0450】
図43に示したeNB800において、
図7を参照して説明した無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240は、無線通信インタフェース825において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、コントローラ821において実装されてもよい。一例として、eNB800は、無線通信インタフェース825の一部(例えば、BBプロセッサ826)若しくは全部、及び/又はコントローラ821を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240として機能させるためのプログラムがeNB800にインストールされ、無線通信インタフェース825(例えば、BBプロセッサ826)及び/又はコントローラ821が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240を備える装置としてeNB800、基地局装置820又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
【0451】
また、
図43に示したeNB800において、
図7を参照して説明した無線通信部210は、無線通信インタフェース825(例えば、RF回路827)において実装されてもよい。また、ネットワーク通信部220は、コントローラ821及び/又はネットワークインタフェース823において実装されてもよい。
【0452】
(第2の応用例)
図44は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第2の例を示すブロック図である。eNB830は、1つ以上のアンテナ840、基地局装置850、及びRRH860を有する。各アンテナ840及びRRH860は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。また、基地局装置850及びRRH860は、光ファイバケーブルなどの高速回線で互いに接続され得る。
【0453】
アンテナ840の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、RRH860による無線信号の送受信のために使用される。eNB830は、
図44に示したように複数のアンテナ840を有し、複数のアンテナ840は、例えばeNB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、
図44にはeNB830が複数のアンテナ840を有する例を示したが、eNB830は単一のアンテナ840を有してもよい。
【0454】
基地局装置850は、コントローラ851、メモリ852、ネットワークインタフェース853、無線通信インタフェース855及び接続インタフェース857を備える。コントローラ851、メモリ852及びネットワークインタフェース853は、
図43を参照して説明したコントローラ821、メモリ822及びネットワークインタフェース823と同様のものである。
【0455】
無線通信インタフェース855は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、RRH860及びアンテナ840を介して、RRH860に対応するセクタ内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース855は、典型的には、BBプロセッサ856などを含み得る。BBプロセッサ856は、接続インタフェース857を介してRRH860のRF回路864と接続されることを除き、
図43を参照して説明したBBプロセッサ826と同様のものである。無線通信インタフェース855は、
図44に示したように複数のBBプロセッサ856を含み、複数のBBプロセッサ856は、例えばeNB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、
図44には無線通信インタフェース855が複数のBBプロセッサ856を含む例を示したが、無線通信インタフェース855は単一のBBプロセッサ856を含んでもよい。
【0456】
接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)をRRH860と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)とRRH860とを接続する上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
【0457】
また、RRH860は、接続インタフェース861及び無線通信インタフェース863を備える。
【0458】
接続インタフェース861は、RRH860(無線通信インタフェース863)を基地局装置850と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース861は、上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
【0459】
無線通信インタフェース863は、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、典型的には、RF回路864などを含み得る。RF回路864は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、
図44に示したように複数のRF回路864を含み、複数のRF回路864は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、
図44には無線通信インタフェース863が複数のRF回路864を含む例を示したが、無線通信インタフェース863は単一のRF回路864を含んでもよい。
【0460】
図44に示したeNB830において、
図7を参照して説明した無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240は、無線通信インタフェース855及び/又は無線通信インタフェース863において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、コントローラ851において実装されてもよい。一例として、eNB830は、無線通信インタフェース855の一部(例えば、BBプロセッサ856)若しくは全部、及び/又はコントローラ851を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240として機能させるためのプログラムがeNB830にインストールされ、無線通信インタフェース855(例えば、BBプロセッサ856)及び/又はコントローラ851が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240を備える装置としてeNB830、基地局装置850又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230及び制御部240として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
【0461】
また、
図44に示したeNB830において、例えば、
図7を参照して説明した無線通信部210は、無線通信インタフェース863(例えば、RF回路864)において実装されてもよい。また、ネットワーク通信部220は、コントローラ851及び/又はネットワークインタフェース853において実装されてもよい。
【0462】
[4.3.端末装置に関する応用例]
(第1の応用例)
図45は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912、1つ以上のアンテナスイッチ915、1つ以上のアンテナ916、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
【0463】
プロセッサ901は、例えばCPU又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM及びROMを含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
【0464】
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
【0465】
無線通信インタフェース912は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース912は、典型的には、BBプロセッサ913及びRF回路914などを含み得る。BBプロセッサ913は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路914は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ916を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース912は、BBプロセッサ913及びRF回路914を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース912は、
図45に示したように複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含んでもよい。なお、
図45には無線通信インタフェース912が複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含む例を示したが、無線通信インタフェース912は単一のBBプロセッサ913又は単一のRF回路914を含んでもよい。
【0466】
さらに、無線通信インタフェース912は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN(Local Area Network)方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ913及びRF回路914を含んでもよい。
【0467】
アンテナスイッチ915の各々は、無線通信インタフェース912に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ916の接続先を切り替える。
【0468】
アンテナ916の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース912による無線信号の送受信のために使用される。スマートフォン900は、
図45に示したように複数のアンテナ916を有してもよい。なお、
図45にはスマートフォン900が複数のアンテナ916を有する例を示したが、スマートフォン900は単一のアンテナ916を有してもよい。
【0469】
さらに、スマートフォン900は、無線通信方式ごとにアンテナ916を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ915は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
【0470】
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、
図45に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
【0471】
図45に示したスマートフォン900において、
図8を参照して説明した無線通信部310、記憶部320及び制御部330は、無線通信インタフェース912において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実装されてもよい。一例として、スマートフォン900は、無線通信インタフェース912の一部(例えば、BBプロセッサ913)若しくは全部、プロセッサ901、及び/又は補助コントローラ919を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて無線通信部310、記憶部320及び制御部330が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを無線通信部310、記憶部320及び制御部330として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに無線通信部310、記憶部320及び制御部330の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを無線通信部310、記憶部320及び制御部330として機能させるためのプログラムがスマートフォン900にインストールされ、無線通信インタフェース912(例えば、BBプロセッサ913)、プロセッサ901、及び/又は補助コントローラ919が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、無線通信部310、記憶部320及び制御部330を備える装置としてスマートフォン900又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを無線通信部310、記憶部320及び制御部330として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
【0472】
また、
図45に示したスマートフォン900において、例えば、
図8を参照して説明した無線通信部310は、無線通信インタフェース912(例えば、RF回路914)において実装されてもよい。
【0473】
(第2の応用例)
図46は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、1つ以上のアンテナスイッチ936、1つ以上のアンテナ937及びバッテリー938を備える。
【0474】
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
【0475】
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
【0476】
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
【0477】
無線通信インタフェース933は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、典型的には、BBプロセッサ934及びRF回路935などを含み得る。BBプロセッサ934は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路935は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ937を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース933は、BBプロセッサ934及びRF回路935を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、
図46に示したように複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含んでもよい。なお、
図46には無線通信インタフェース933が複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含む例を示したが、無線通信インタフェース933は単一のBBプロセッサ934又は単一のRF回路935を含んでもよい。
【0478】
さらに、無線通信インタフェース933は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ934及びRF回路935を含んでもよい。
【0479】
アンテナスイッチ936の各々は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ937の接続先を切り替える。
【0480】
アンテナ937の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送受信のために使用される。カーナビゲーション装置920は、
図46に示したように複数のアンテナ937を有してもよい。なお、
図46にはカーナビゲーション装置920が複数のアンテナ937を有する例を示したが、カーナビゲーション装置920は単一のアンテナ937を有してもよい。
【0481】
さらに、カーナビゲーション装置920は、無線通信方式ごとにアンテナ937を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ936は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
【0482】
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、
図46に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
【0483】
図46に示したカーナビゲーション装置920において、
図8を参照して説明した無線通信部310、記憶部320及び制御部330は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。一例として、カーナビゲーション装置920は、無線通信インタフェース933の一部(例えば、BBプロセッサ934)若しくは全部及び/又はプロセッサ921を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて無線通信部310、記憶部320及び制御部330が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを無線通信部310、記憶部320及び制御部330として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに無線通信部310、記憶部320及び制御部330の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを無線通信部310、記憶部320及び制御部330として機能させるためのプログラムがカーナビゲーション装置920にインストールされ、無線通信インタフェース933(例えば、BBプロセッサ934)及び/又はプロセッサ921が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、無線通信部310、記憶部320及び制御部330を備える装置としてカーナビゲーション装置920又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを無線通信部310、記憶部320及び制御部330として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
【0484】
また、
図46に示したカーナビゲーション装置920において、例えば、
図8を参照して説明した無線通信部310は、無線通信インタフェース933(例えば、RF回路935)において実装されてもよい。
【0485】
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。即ち、無線通信部310、記憶部320及び制御部330を備える装置として車載システム(又は車両)940が提供されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
【0486】
<5.まとめ>
上記、
図1〜
図46を参照して、本開示の一実施形態について詳細に説明した。上記説明したように、通信制御装置100は、直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式を含む複数の接続方式を利用して通信可能な無線通信システム1の基地局200又は端末装置300と通信を行い、基地局200又は端末装置300が利用する接続方式に関するリソースの割り当てを行う。通信制御装置100による制御により、基地局200及び端末装置300は、直交リソース及び非直交リソースを選択的に用いた通信を行うことが可能となる。これにより、単一の非直交リソースのみを利用したRATでは電波伝搬又はユーザの位置等の事情により制限がかかってしまう環境においても、高いユーザスループット、及びエリアスループットを達成することが可能となる。
【0487】
また、通信制御装置100は、基地局200又は端末装置300が利用する接続方式の割り当てを行ってもよい。これにより、基地局200及び端末装置300は、さらに柔軟な通信を行うことが可能となる。
【0488】
また、通信制御装置100は、基地局200又は端末装置300からケイパビリティ情報を受信してもよい。これにより、通信制御装置100は、ケイパビリティ情報に応じた割り当てを行うことが可能となる。
【0489】
また、通信制御装置100は、基地局200又は端末装置300のケイパビリティ情報を、他の装置へ転送してもよい。これにより、通信システム1全体で各装置のケイパビリティ情報を共有することが可能となる。
【0490】
また、通信制御装置100は、端末装置300によるハンドオーバの手続き又はアドミッション制御の手続きにおいて、基地局200及び端末装置300のケイパビリティ情報を用いてもよい。その際、通信制御装置100は、端末装置300によるハンドオーバ先候補の基地局200のケイパビリティ情報をさらに用いてもよい。これにより、通信制御装置100は、ケイパビリティ情報に応じた接続設定の割り当て結果に応じたハンドオーバを実現することが可能となる。
【0491】
また、通信制御装置100は、接続設定の割り当ての変更を示すメッセージを基地局200又は端末装置300へ送信してもよい。また、通信制御装置100は、時間経過に応じて再度の接続設定の割り当てを行ってもよい。これにより、通信制御装置100は、基地局200又は端末装置300において利用される接続設定を自由に変更することが可能となる。
【0492】
また、上記説明したように、端末装置300は、直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式を含む、通信制御装置100により割り当てられた接続設定に従って無線通信を行う。これにより、端末装置300は、基地局200との間で、直交リソース及び非直交リソースを選択的に用いた通信を行うことが可能となる。
【0493】
また、端末装置300は、非直交リソースに関する対応可能性を示す情報又は直交リソースに関する対応可能性を示す情報の少なくともいずれかを含むケイパビリティ情報を、基地局200を介して通信制御装置100へ送信してもよい。これにより、通信制御装置100において、端末装置300が対応可能な接続方式及びリソースの割り当てを行うことが可能となる。
【0494】
また、端末装置300は、ランダムアクセスの手続き又はRRCコネクションの手続きにおいて、ケイパビリティ情報を送信してもよい。これにより、端末装置300は、ケイパビリティ情報の送信にかかるオーバーヘッドを削減することが可能となる。
【0495】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0496】
なお、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0497】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0498】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式を含む複数の前記接続方式を利用して通信可能な無線通信システムの無線通信装置と通信を行う通信部と、
前記無線通信装置が利用する前記接続方式に関するリソースの割り当てを行う制御部と、
を備える通信制御装置。
(2)
前記制御部は、前記無線通信装置が利用する前記接続方式の割り当てを行う、前記(1)に記載の通信制御装置。
(3)
前記無線通信装置に割り当てられる前記直交リソース及び前記非直交リソースに関する情報は、同じ又は互いに異なる制御チャネルに含まれる、前記(1)又は(2)に記載の通信制御装置。
(4)
前記互いに異なる制御チャネルは、時間又は周波数の少なくともいずれかが異なり、データチャネルとの間に所定の関係を有する、前記(3)に記載の通信制御装置。
(5)
前記制御チャネルの各々及び前記データチャネルの各々の送信のために割当てられる電力又は単位あたり電力密度は、互いに所定の大小関係を有する、前記(4)に記載の通信制御装置。
(6)
前記直交リソースに関する情報が含まれる前記制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度は、前記データチャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度と等しい又はそれ以上である、前記(5)に記載の通信制御装置。
(7)
前記直交リソースに関する情報を含む前記制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度は、前記非直交リソースに関する情報を含む前記制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度と等しいかそれ以上である、前記(5)又は(6)に記載の通信制御装置。
(8)
前記通信部は、前記無線通信装置からケイパビリティ情報を受信する、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(9)
前記通信部は、ランダムアクセスの手続き又はRRCコネクションの手続きにおいて、前記ケイパビリティ情報を受信する、前記(8)に記載の通信制御装置。
(10)
前記通信部は、前記無線通信装置の前記ケイパビリティ情報を他の装置へ転送する、前記(8)又は(9)に記載の通信制御装置。
(11)
前記制御部は、前記無線通信装置によるハンドオーバの手続き又はアドミッション制御の手続きにおいて、前記無線通信装置の前記ケイパビリティ情報を用いる、前記(8)〜(10)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(12)
前記制御部は、前記無線通信装置によるハンドオーバ先候補の基地局の前記ケイパビリティ情報をさらに用いる、前記(11)に記載の通信制御装置。
(13)
前記ケイパビリティ情報は、前記直交リソース及び前記非直交リソースの各々について対応可能であるか否かを示すビットフラグを含む、前記(8)〜(12)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(14)
前記通信部は、割り当ての変更を示すメッセージを前記無線通信装置へ送信する、前記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(15)
前記通信部は、前記割り当ての変更を示すメッセージに応じた前記無線通信装置における変更可否判定の結果を示すメッセージを受信する、前記(14)に記載の通信制御装置。
(16)
前記制御部は、前記変更可否判定の結果に応じてハンドオーバ可否を判定する、前記(15)に記載の通信制御装置。
(17)
前記通信部は、前記制御部による割り当て結果を示す情報を前記無線通信装置へ送信する、前記(1)〜(16)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(18)
前記制御部は、ひとつ以上の前記無線通信装置についてそれぞれ異なる又は共通する前記リソースを割り当てる、前記(1)〜(17)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(19)
前記制御部は、前記無線通信装置が形成するひとつ以上のセルに接続するひとつ以上の他の前記無線通信装置に共通する前記リソースを割り当てる、前記(1)〜(18)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(20)
前記制御部は、時間経過に応じて再度の前記リソースの割り当てを行う、前記(1)〜(19)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(21)
前記リソースは、空間領域、電力領域、インタリーバ領域、データレート領域、又はスパース符号領域の少なくともいずれかひとつを含む、前記(1)〜(20)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(22)
直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式をひとつ以上用いて無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部が利用する前記接続方式に関して割り当てられたリソースを用いた無線通信を行うよう前記無線通信部を制御する制御部と、
を備える無線通信装置。
(23)
前記無線通信部は、前記無線通信装置のケイパビリティ情報を送信する、前記(22)に記載の無線通信装置。
(24)
前記ケイパビリティ情報は、前記非直交リソースに関する対応可能性を示す情報を含む、前記(23)に記載の無線通信装置。
(25)
前記ケイパビリティ情報は、直交リソースに関する対応可能性を示す情報を含む、前記(23)又は(24)に記載の無線通信装置。
(26)
前記無線通信部は、ランダムアクセスの手続き又はRRCコネクションの手続きにおいて、前記ケイパビリティ情報を送信する、前記(23)〜(25)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(27)
前記リソースは、空間領域、電力領域、インタリーバ領域、データレート領域、又はスパース符号領域の少なくともいずれかひとつを含む、前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(28)
前記無線通信部は、要求する通信品質を示す情報を送信する、前記(22)〜(27)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(29)
前記制御部は、割り当てられた前記リソースを利用してデータチャネルを受信するよう前記無線通信部を制御する、前記(22)〜(28)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(30)
前記制御部は、割り当てられた前記リソースを利用してデータチャネル又は制御チャネルを送信するよう前記無線通信部を制御する、前記(22)〜(29)のいずれか一項に記載の無線通信装置。
(31)
直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式を含む複数の前記接続方式を利用して通信可能な無線通信システムの無線通信装置と通信を行うことと、
前記無線通信装置が利用する前記接続方式に関するリソースの割り当てをプロセッサにより行うことと、
を含む通信制御方法。
(32)
前記リソースの割り当てを行うことは、前記無線通信装置が利用する前記接続方式の割り当てを行うことを含む、前記(31)に記載の通信制御方法。
(33)
前記無線通信装置に割り当てられる前記直交リソース及び前記非直交リソースに関する情報は、同じ又は互いに異なる制御チャネルに含まれる、前記(31)又は(32)に記載の通信制御方法。
(34)
前記互いに異なる制御チャネルは、時間又は周波数の少なくともいずれかが異なり、データチャネルとの間に所定の関係を有する、前記(33)に記載の通信制御方法。
(35)
前記制御チャネルの各々及び前記データチャネルの各々の送信のために割当てられる電力又は単位あたり電力密度は、互いに所定の大小関係を有する、前記(34)に記載の通信制御方法。
(36)
前記直交リソースに関する情報が含まれる前記制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度は、前記データチャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度と等しい又はそれ以上である、前記(35)に記載の通信制御方法。
(37)
前記直交リソースに関する情報を含む前記制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度は、前記非直交リソースに関する情報を含む前記制御チャネルの送信に割当てられる電力又は単位あたり電力密度と等しいかそれ以上である、前記(35)又は(36)に記載の通信制御方法。
(38)
直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式をひとつ以上用いて無線通信を行うことと、
前記無線通信を行う際に利用する前記接続方式に関して割り当てられたリソースを用いた前記無線通信を行うようプロセッサにより制御することと、
を含む無線通信方法。
(39)
前記無線通信を行うことは、ケイパビリティ情報を送信することを含む、前記(38)に記載の無線通信方法。
(40)
前記ケイパビリティ情報は、前記非直交リソースに関する対応可能性を示す情報を含む、前記(39)に記載の無線通信方法。
(41)
前記ケイパビリティ情報は、直交リソースに関する対応可能性を示す情報を含む、前記(39)又は(40)に記載の無線通信方法。
(42)
前記無線通信を行うことは、ランダムアクセスの手続き又はRRCコネクションの手続きにおいて、前記ケイパビリティ情報を送信することを含む、前記(39)〜(41)のいずれか一項に記載の無線通信方法。
(43)
前記リソースは、空間領域、電力領域、インタリーバ領域、データレート領域、又はスパース符号領域の少なくともいずれかひとつを含む、前記(38)〜(42)のいずれか一項に記載の無線通信方法。
(44)
コンピュータを、
直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式を含む複数の前記接続方式を利用して通信可能な無線通信システムの無線通信装置と通信を行う通信部と、
前記無線通信装置が利用する前記接続方式に関するリソースの割り当てを行う制御部と、
として機能させるためのプログラム。
(45)
コンピュータを、
直交リソースを用いた多元接続方式又は非直交リソースを用いた多元接続方式の少なくともいずれかの接続方式をひとつ以上用いて無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部が利用する前記接続方式に関して割り当てられたリソースを用いた無線通信を行うよう前記無線通信部を制御する制御部と、
として機能させるためのプログラム。