(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に記載する実施形態によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
【0011】
光ディスク駆動装置の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る光ディスク駆動装置1は、例えばユーザに対して地点や経路に関する案内情報を提供するナビゲーション機器、ユーザに対して音声や映像を提供するオーディオ機器、又はこれらが一体化された複合機器等の電子機器に備えられる。一例として、本実施形態の光ディスク駆動装置1は、車載用のオーディオ一体型ナビゲーション機器の一部として構成されており、例えば車室のコンソールパネルやダッシュボード等である被設置部の内部に収容されて用いられる。
【0012】
なお、本明細書において、適正な向きで再生位置にセットされた光ディスク50のディスク面に直交する方向を「上下方向」と定義する。また、その状態における光ディスク50のレーベル面側を「上側」と定義し、記録面側を「下側」と定義する。よって、光ディスク50が光ディスク駆動装置1に挿入された状態でレーベル面が鉛直上方を向く水平姿勢以外の姿勢となる場合には、本明細書における上下方向及びその位置と、現実世界における上下方向及びその位置とが異なることを、ここに明記する。
【0013】
図1及び
図2に示すように、光ディスク駆動装置1は、光ディスク駆動ユニット2と、本体ケース3と、排気装置4と、制御基板7と、放熱部材8とを備えている。また、同図において外形のみを仮想線で示すように、光ディスク駆動装置1は、固定ディスク駆動ユニット9をさらに備えている。光ディスク駆動ユニット2、固定ディスク駆動ユニット9、制御基板7、及び放熱部材8は、本体ケース3の内部に収容された状態で、直接又は他の部材を介して本体ケース3に固定されている。
【0014】
光ディスク駆動ユニット2は、光ディスク50に記録されたデータを読み取るための装置である。本実施形態では、光ディスク駆動ユニット2が「ディスク駆動ユニット」に相当する。光ディスク50としては、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びBD(Blu-ray Disc)等が例示される。光ディスク50に記録されたデータは、例えば固定ディスク駆動ユニット9の固定ディスクに記録されている地図データ用の更新データ、音楽データ、及び動画データ等であって良い。これらのデータは、光ディスク50の記録部50Bに記録されている。
【0015】
図4に示すように、光ディスク駆動ユニット2は、光ディスク50を保持する保持機構21と、光ピックアップ22と、光ピックアップ22を駆動するピックアップ駆動部(図示せず)とを備えている。これらは、筐体23の内部に収容されている。
【0016】
保持機構21は、光ディスク50を載置するターンテーブル21Aと、このターンテーブル21Aとの間に光ディスク50を挟み込む固定用チャック21Bとを有する。なお、ターンテーブル21Aにはスピンドルモータ(図示せず)が一体的に固定されている。なお、本実施形態では、保持機構21には、再生位置と取出位置との間で光ディスク50を往復移動させるためのローディング機構(図示せず)がさらに含まれるものとする。なお、
図3においては、保持機構21の可動範囲を符号「A1」で示している。
【0017】
光ピックアップ22は、光ディスク50に対してレーザ光をレンズを通して照射し、当該光ディスク50によって反射された光を検出することで、光ディスク50に記録されたデータを読み取る。光ピックアップ22の光源としては、例えば半導体レーザを用いることができる。ピックアップ駆動部は、光ピックアップ22を光ディスク50の径方向に往復移動させるための駆動機構である。なお、
図3においては、光ピックアップ22の可動範囲を符号「A2」で示している。
【0018】
図1及び
図2に示すように、保持機構21及び光ピックアップ22等を収容する筐体23は、光ディスク50を収容可能な扁平な略直方体状に形成されている。「略直方体状」とは、直方体形状、又は、多少の歪み又は異形部分等があったとしても概略的には直方体とみなすことができる形状を意味する(本明細書において、「略」を用いて表現する他の形状・状態等に関しても同様である)。筐体23の前面には、光ディスク50を挿入するための挿入口(ディスク挿入口)24が形成されている。この挿入口24は、外部(本例では車室側)に露出するように設けられており、光ディスク駆動装置1の外部に向かって常時開放された開口となっている。
【0019】
光ディスク50が挿入口24から挿入されると、保持機構21(ローディング機構)が光ディスク50を再生位置まで移送する。保持機構21(ターンテーブル21A及び固定用チャック21B)が光ディスク50の中央部50Aを上下に挟み込んで保持した状態で、ターンテーブル21Aと一体化されたスピンドルモータにより、光ディスク50が回転駆動される。この状態で、ピックアップ駆動部が光ピックアップ22を光ディスク50の径方向に送り動作しながら、光ピックアップ22が光ディスク50からのデータ読み出し動作を行う。また、例えばユーザによるイジェクトボタンの押下等の取出指示操作があれば、保持機構21(ローディング機構)が光ディスク50を取出位置まで移送する。
【0020】
図4に示すように、筐体23は、再生位置にある光ディスク50の上面(レーベル面)を覆う位置に開口部23aを有する。この開口部23aをさらに覆うように、上部カバー25が光ディスク駆動ユニット2に設けられている。上部カバー25は、平面視(上下方向に見た状態)で略矩形状を呈する平板状に形成されている。なお、図示の例のように、上部カバー25の一部が屈曲形成され、筐体23の背板(再生位置にある光ディスク50の背後)をも覆うように構成されても良い。上部カバー25は、当該上部カバー25を板厚方向に貫通する貫通孔26を有する。より具体的には、上部カバー25は、筐体23の開口部23aを覆う開口部被覆部分25Cに、当該上部カバー25を上下方向に貫通する貫通孔26を有する。
図3に示すように、本実施形態では、貫通孔26は平面視で丸穴状(真円状)に形成されている。このような貫通孔26が、上部カバー25に複数(本例では計18個)形成されている。
【0021】
複数の貫通孔26は、いずれも、上部カバー25に直交する方向(本例ではおおよそ上下方向)から見て、光ピックアップ22(光ピックアップ22の可動範囲A2の全域)とは重複しないように当該可動範囲A2とは異なる位置に設けられている。さらに本実施形態では、複数の貫通孔26は、上部カバー25に直交する方向から見て、光ピックアップ22よりも挿入口24側に設けられている。複数の貫通孔26は、光ピックアップ22の可動範囲A2の全域に対して、挿入口24側に設けられている。本実施形態では、複数の貫通孔26は、再生位置における光ディスク50の回転中心(
図3において符号「X」で表示)よりもさらに挿入口24側に設けられている。また、本実施形態では、複数の貫通孔26はいずれも、破線で示された再生位置にある光ディスク50と平面視で少なくとも一部が重複するように設けられている。
【0022】
図1〜
図3から理解できるように、複数の貫通孔26は、挿入口24に対面する方向から見て、保持機構21に対して幅方向両側に分かれて設けられている。複数の貫通孔26は、保持機構21の可動範囲A1の全域に対して、幅方向両側に分かれて設けられている。本実施形態では、複数(本例では計18個)の貫通孔26が二分されて、それぞれ複数(本例では9個)の貫通孔26からなる二組の貫通孔群26Gが形成されている。各貫通孔群26Gにおいて、複数の貫通孔26は規則的な配列(本例では、3行3列の格子状配列)をなすように配置されている。そして、これら二組の貫通孔群26Gが、保持機構21に対して、幅方向両側に分かれて設けられている。
【0023】
図1及び
図2に示すように、光ディスク駆動ユニット2は、本体ケース3の内部空間のうち、上方側の空間に配置されている。例えば光ディスク駆動ユニット2は、本体ケース3の内部空間を上下に3等分した場合に最上段に位置する、上部空間に配置されている。そして、光ディスク駆動ユニット2は、
図4に示すように、筐体23の開口部23aを覆う上部カバー25が、予め定められた設定隙間Cを隔てて本体ケース3の天板部34に対向する状態に配置されている。設定隙間Cは、位置によらない一定の大きさであっても良いが、本実施形態では、挿入口24側(前面側)から奥側(背面側)に向かうに従って僅かずつ拡大するように設定隙間Cが形成されている。言い換えれば、光ディスク駆動ユニット2は、上部カバー25が天板部34に対して僅かに傾斜する非平行状態で、本体ケース3内に配置されている。
【0024】
本体ケース3内における光ディスク駆動ユニット2の下方側には、制御基板7と放熱部材8と固定ディスク駆動ユニット9とが配置されている。制御基板7は、本体ケース3の底板部31に対して一定の隙間を隔てた状態で固定されている。制御基板7には、ナビゲーション機能やオーディオ機能等を実現するための各種の回路部品が実装されている。このような回路部品としては、例えば経路探索や経路案内等のナビゲーション演算用のCPU(Central Processing Unit)、光ピックアップ22の光源としての半導体レーザの駆動用のIC(Integrated Circuit)、音声や画像等の信号処理用のIC、及び増幅用のIC等が例示される。
【0025】
これらのCPUやICチップは動作に応じて発熱するため、伝熱性に優れた材料(例えば銅やアルミニウム等の金属材料)で構成される放熱部材8に熱的に接続されている(
図1を参照)。ヒートシンクである放熱部材8は、例えば押出成形やダイキャストによって形成され、
図2に示すように互いに平行に配置される多数のフィン8aを有する。このようなフィン8aは、放熱部材8の表面積を大きくして放熱効果を高めるために設けられている。本実施形態では、放熱部材8は、そのベース板部の延在面が制御基板7に交差(本例では略直交)する状態で、本体ケース3の側板部32に対して一定の隙間を隔てて対向するように配置されている。
【0026】
光ディスク駆動ユニット2と制御基板7との間に、固定ディスク駆動ユニット9が配置されている。固定ディスク駆動ユニット9は、光ディスク50よりも高容量の固定ディスク(ハードディスクとも言う)を内蔵し、当該固定ディスクに記録されたデータを読み取るための装置である。固定ディスクに記録されたデータは、例えば道路ネットワーク情報や施設情報等を含む地図データや、音楽データ等であって良い。
【0027】
図1及び
図2に示すように、光ディスク駆動装置1の各構成要素を収容する本体ケース3は、光ディスク駆動ユニット2よりも嵩高な(例えば、3倍〜6倍程度の高さを有する)略直方体状に形成されている。本体ケース3は、光ディスク駆動装置1の底面を構成する底板部31と、光ディスク駆動装置1の両側面を構成する一対の側板部32と、光ディスク駆動装置1の背面を構成する背板部33と、光ディスク駆動装置1の天井面を構成する天板部34とを有する。また、本体ケース3は、底板部31と一対の側板部32と天板部34とで囲まれる前面側の大開口部を覆う前面パネル(図示せず)を有する。この前面パネルには、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置とタッチパネル等の入力装置とが一体となった表示入力装置が、外部(ここでは、挿入口24が露出する側でもある車室側)に露出する状態で埋め込まれていて良い。前面パネルは例えば合成樹脂等で構成され、光ディスク駆動装置1が車載されて規定位置に固定された際に車室側に露出する。
【0028】
前面パネルは、光ディスク駆動ユニット2の挿入口24に対応する位置に当該挿入口24に対応する形状の開口部を有しており、その開口部を通じて挿入口24も車室側に露出する。また、天板部34は、
図4に示すように、光ディスク駆動ユニット2の筐体23の開口部23aを覆う上部カバー25に対して設定隙間Cを隔てて対向するように配置される。このように、本体ケース3は、挿入口24が外部に露出し、且つ、上部カバー25が天板部34に対向する状態となるように、光ディスク駆動ユニット2を内部に収容する。
【0029】
本実施形態では、側板部32及び天板部34の少なくとも一方には、それらを板厚方向に貫通する吸気孔(図示せず)が形成されている。吸気孔は、本体ケース3の内部と外部(ここでは被設置部の内部空間)とを連通し、本体ケース3の内部への空気の流入口となる。また、本実施形態では、背板部33に、当該背板部33を板厚方向に貫通する排気孔36が形成され、この排気孔36に重なる状態で、排気装置4が背板部33に固定されている。排気孔36は、本体ケース3の内部と外部(ここでは被設置部の内部空間)とを連通し、本体ケース3からの空気の流出口となる。
【0030】
排気装置4は、本体ケース3内の空気を吸入口41から吸入して外部(被設置部の内部空間)に排出する。本実施形態の排気装置4は、例えばファンモータ等によって回転駆動され、本体ケース3の内部の空気を外部に排出する排気ファンで構成されている。なお、「本体ケース3の内部の空気」には、当然ながら、上部カバー25と天板部34との間の隙間空間Sに存在する空気も含まれる。排気装置4の吸入口41は、上記隙間空間Sに連通するように配置されている。排気装置4が駆動(羽根車を有する排気ファンが回転)すると、上記隙間空間Sに存在する空気を少なくとも含む本体ケース3の内部の空気が吸引され、当該吸引された空気は排気孔36を介して外部(被設置部の内部空間)に強制的に排出される。なお、その際、本体ケース3の内外に生じる気圧差に基づき、当該気圧差を解消させるように、外部(被設置部の内部空間)の空気が吸気孔を介して本体ケース3の内部に吸入される。このようにして生じる気流により、放熱部材8の表面での放熱を促進して、CPUやICチップ等の各種の発熱要素を効率的に空冷している。
【0031】
ところで、光ディスク駆動ユニット2が光ディスク50に記録されたデータを読み取る際には、上述したようにターンテーブル21Aと共に光ディスク50が回転する。この光ディスク50の回転により、光ディスク駆動ユニット2の筐体23の内部で気流が生じる。この気流は外気を吸引するポンプ的な作用を生じさせるため、光ディスク駆動ユニット2の露出した挿入口24を通って、外気(本例では車室内の空気)に含まれるたばこの煙や塵埃等が筐体23内に浸入する可能性がある。特に、車載用の光ディスク駆動装置1は、狭い車室内で比較的高濃度の副流煙に晒されたり、一般住宅の居室等にはほとんど存在しない排気ガスや粉塵等に晒されたりする可能性が高く、家庭用の光ディスク駆動装置に比べて使用環境が悪く、そのような可能性が比較的高いと言える。筐体23内へのたばこの煙等の浸入は、読み取り不良の原因となり得る光ピックアップ22(特にレンズ部分)の汚染につながるので好ましくない。
【0032】
このような懸念に対して、本実施形態では、光ディスク駆動ユニット2の筐体23の開口部23aを覆う上部カバー25に、当該上部カバー25を上下方向に貫通する貫通孔26を形成して対処している。この貫通孔26は、
図4に示すように、筐体23の内部空間と、筐体23の開口部23aを覆う上部カバー25と天板部34との間の隙間空間Sとを連通している。このため、排気装置4によって隙間空間Sの空気が吸引されると、それに伴って筐体23内の空気が貫通孔26を通って隙間空間Sに吸引され、さらに外気(本例では車室内の空気)が筐体23内に吸引される。こうして、光ディスク駆動ユニット2の筐体23の内部に、排気装置4の駆動中、おおよそ挿入口24から貫通孔26へと向かう気流が定常的に生じる。
【0033】
よって、仮に車室内のたばこの煙等が挿入口24を通って筐体23内に浸入したとしても、その浸入したたばこの煙等は上部カバー25に形成された貫通孔26を通って筐体23の外(上部カバー25と天板部34との間の隙間空間S)に排出されやすい。従って、挿入口24が外部(車室)に露出している場合でも、光ディスク駆動ユニット2の筐体23内を清浄に維持させやすく、光ピックアップ22の汚染に起因する読み取り不良等の不具合を効果的に抑制することができる。しかも、CPUやICチップ等の発熱要素を冷却するための冷却システムを部分的に利用して、上部カバー25に貫通孔26を形成するという、汎用の装置に対する軽微な改変のみによって上記の効果を得ることができる。なお、筐体23の外に排出されたたばこの煙等は、さらに排気装置4によって吸引され、隙間空間S及び排気孔36を介して本体ケース3の外に排出される。
【0034】
貫通孔26は、上部カバー25のうち、再生位置にある光ディスク50の上面(レーベル面)を覆う開口部被覆部分25Cに形成されている。つまり、貫通孔26は、上下方向において、再生位置にある光ディスク50に対して、当該光ディスク50の下面(記録面)に対向するように配置される光ピックアップ22とは反対側に設けられている。このため、筐体23の内部には、特に、上下方向において光ディスク50を挟んで光ピックアップ22の配置位置とは反対側となる上部空間に、おおよそ挿入口24から貫通孔26へと向かう定常的な気流が生じる。よって、挿入口24から侵入する場合があるたばこの煙等を、筐体23内に蓄積させることなく、光ディスク50の上側を流れる気流に乗せて筐体23の外へ効率良く排出することができる。
【0035】
また、貫通孔26は、上部カバー25に直交する方向(本例ではおおよそ上下方向)から見て、光ピックアップ22よりも挿入口24側に設けられている。このため、筐体23の内部における気流は、主に光ピックアップ22よりも挿入口24側に生じる。よって、挿入口24から侵入する場合があるたばこの煙等を、光ピックアップ22(特にレンズ部分)に到達するよりも前に、貫通孔26を通って筐体23の外に排出することができる。しかも、貫通孔26は、挿入口24に対面する方向から見て、保持機構21に対して幅方向両側に分かれて設けられているので、保持機構21の存在によって分流される気流に乗ったたばこの煙等を、適切かつ効果的に排出することができる。
【0036】
〔その他の実施形態〕
光ディスク駆動装置のその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0037】
(1)上記の実施形態では、上部カバー25に直交する方向から見て、全ての貫通孔26が光ピックアップ22(光ピックアップ22の可動範囲A2)よりも挿入口24側に設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば
図5に示すように、一部の貫通孔26が、光ピックアップ22の可動範囲A2と同じディスク挿入方向の位置に設けられても良い。この場合においても、全ての貫通孔26は、上部カバー25に直交する方向から見て、光ピックアップ22の可動範囲A2とは重複しないように当該可動範囲A2を避けて設けられると好適である。
【0038】
(2)上記の実施形態では、挿入口24に対面する方向から見て、貫通孔26が保持機構21に対して幅方向両側に分かれて設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、挿入口24に対面する方向から見て、保持機構21と同じ幅方向の位置に貫通孔26が設けられても良い。
【0039】
(3)上記の実施形態では、光ディスク駆動ユニット2の上部カバー25に、3行3列の格子状配列をなす9個の丸穴状の貫通孔26からなる二組の貫通孔群26Gが設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば
図6に示すように、互いに平行な列状配列をなす4個の直線スリット状の貫通孔26からなる二組の貫通孔群26Gが設けられても良い。或いは、例えば
図7に示すように、互いに平行な円弧状配列をなす5個の相似する円弧スリット状の貫通孔26からなる三組の貫通孔群26Gが設けられても良い。貫通孔26の数・形状・配列等は、これら以外にも、任意に設定されて良い。
【0040】
(4)上記の実施形態では、表示入力装置が本体ケース3の前面パネルに埋め込まれ、光ディスク駆動ユニット2の挿入口24が車室側に常時露出している構成を主に想定して説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば表示入力装置が本体ケース3の前面パネルに対して開閉自在に構成され、表示入力装置の開状態でのみ光ディスク駆動ユニット2の挿入口24が車室側に露出する構成であっても良い。この場合であっても、少なくとも表示入力装置の開状態ではたばこの煙等が筐体23内に浸入する可能性がある。また、表示入力装置の閉状態において本体ケース3の前面パネルと表示入力装置とが非密封状態とされる場合には、前面パネルと表示入力装置との微小隙間からたばこの煙等が筐体23内に浸入する可能性があると言える。そして、それらの場合にも、本開示に係る技術は有効な解決手段を提供する。このような観点から、挿入口24が断続的に露出するような状態や、外部から見て挿入口24が非密封状態で隠蔽されるような状態も、本明細書で言う「露出」の概念に含まれる。
【0041】
(5)上記の実施形態では、光ディスク駆動装置1が光ディスク駆動ユニット2とは別に固定ディスク駆動ユニット9を備えている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。固定ディスク駆動ユニット9は必ずしも備えられていなくても良い。この場合において、上記の実施形態のように光ディスク駆動装置1が車載用のオーディオ一体型ナビゲーション機器の一部である場合には、例えば光ディスク50には地図データが記録されていると良い。
【0042】
(6)上記の実施形態では、光ディスク駆動ユニット2が光ディスク50に記録されたデータを読み取る機能のみを有していることを主に想定して説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば光ディスク駆動ユニット2は、データ読取機能に加え、書き込み可能な光ディスク50に対してデータを記録する(書き込む)機能をさらに備えたものであっても良い。
【0043】
(7)上記の実施形態では、光ディスク駆動装置1を車載用のオーディオ一体型ナビゲーション機器に組み込んで用いる構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。光ディスク駆動装置1を組み込む対象は、例えば家庭用のオーディオ装置やレコーダー等であっても良いし、例えばデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等であっても良い。
【0044】
(8)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎないと理解されるべきである。従って、当業者は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0045】
〔実施形態の概要〕
以上をまとめると、本開示に係る光ディスク駆動装置は、好適には、以下の各構成を備える。
【0046】
[1]
光ディスク駆動装置(1)であって、
光ディスク(50)を駆動するディスク駆動ユニット(2)と、
前記ディスク駆動ユニット(2)を収容する本体ケース(3)と、
前記本体ケース(3)内の空気を吸入口(41)から吸入して外部に排出する排気装置(4)と、を備え、
前記ディスク駆動ユニット(2)は、前記光ディスク(50)が挿入される挿入口(24)が形成されているとともに上部に開口部(23a)が形成された筐体(23)と、前記開口部(23a)を覆う上部カバー(25)と、を有し、
前記本体ケース(3)は、天板部(34)を有するとともに、前記挿入口(24)が外部に露出し且つ前記上部カバー(25)が設定隙間(C)を隔てて前記天板部(34)に対向する状態で前記ディスク駆動ユニット(2)を収容し、
前記排気装置(4)の前記吸入口(41)が、前記上部カバー(25)と前記天板部(34)との間の前記設定隙間(C)により形成される隙間空間(S)に連通するように配置され、
前記上部カバー(25)が、当該上部カバー(25)を上下方向に貫通する貫通孔(26)を有する。
【0047】
この構成によれば、排気装置の駆動によって本体ケースの内部に気流を生じさせて、光ディスク駆動装置に備えられる発熱要素を冷却することができる。排気装置の駆動に伴う気流は筐体の開口部を覆う上部カバーと本体ケースの天板部との間の隙間空間にも生じるので、上記構成の如く、当該隙間空間とディスク駆動ユニットの筐体の内部空間(又は開口部)とを連通させるように上部カバーに貫通孔を形成している。このため、ディスク駆動ユニットの筐体内には、排気装置の駆動中、おおよそ挿入口から貫通孔へと向かう気流が定常的に生じることになる。よって、仮に車室内のたばこの煙等が挿入口を通って筐体内に浸入したとしても、その浸入したたばこの煙等が筐体の開口部及び上部カバーに形成された貫通孔を通って筐体の外に排出されやすくなる。従って、挿入口が外部に露出している場合でも、ディスク駆動ユニットの筐体内を清浄に維持させやすい。
【0048】
[2]
前記ディスク駆動ユニット(2)は、前記光ディスク(50)に記録されたデータを読み取る光ピックアップ(22)を前記筐体(23)内に有し、
前記上部カバー(25)に直交する方向から見て、前記貫通孔(26)が前記光ピックアップ(22)よりも前記挿入口(24)側に設けられている。
【0049】
この構成によれば、ディスク駆動ユニットの筐体の内部における気流は、主に光ピックアップよりも挿入口側に生じる。よって、挿入口から侵入する場合があるたばこの煙等を、光ピックアップに到達するよりも前に、貫通孔を通って筐体の外に排出することができる。よって、より確実にディスク駆動ユニットの筐体内を清浄に維持させることができる。
【0050】
[3]
前記ディスク駆動ユニット(2)は、前記光ディスク(50)の中央部を保持する保持機構(21)を前記筐体(23)内に有し、
前記挿入口(24)に対面する方向から見て、複数の前記貫通孔(26)が、前記保持機構(21)に対して幅方向両側に分かれて設けられている。
【0051】
この構成によれば、保持機構の存在によって分流される気流に乗ったたばこの煙等を、適切かつ効果的に排出することができる。よって、より効果的にディスク駆動ユニットの筐体内を清浄に維持させることができる。
【0052】
本開示に係る光ディスク駆動装置は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができれば良い。