特許第6380293号(P6380293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6380293
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】車両の表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 23/00 20060101AFI20180820BHJP
   F16H 61/02 20060101ALI20180820BHJP
   F16H 59/04 20060101ALI20180820BHJP
   B60K 20/02 20060101ALI20180820BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20180820BHJP
   G06T 13/80 20110101ALI20180820BHJP
【FI】
   B60K23/00 H
   F16H61/02
   F16H59/04
   B60K20/02 Z
   B60K35/00 Z
   G06T13/80 A
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-162573(P2015-162573)
(22)【出願日】2015年8月20日
(65)【公開番号】特開2017-39394(P2017-39394A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2017年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】久田 晴士
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 繁行
(72)【発明者】
【氏名】諸川 波動
(72)【発明者】
【氏名】北村 遥
(72)【発明者】
【氏名】早田 英彦
(72)【発明者】
【氏名】新村 達矢
【審査官】 岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−129025(JP,A)
【文献】 特開2009−073217(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/203888(WO,A1)
【文献】 特開2014−044211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 23/00
B60K 20/02
B60K 35/00
F16H 59/04
F16H 61/02
G06T 13/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車両の表示装置であって、
前記車両に関する情報を表示するディスプレイパネルと、
変速機の変速段を示す記号を前記車両に関する情報として前記ディスプレイパネルの所定の表示位置に表示する表示制御部と、
を備え、
前記車両は、走行モードとして、自動的に前記変速機の前記変速段をシフトするノーマルモードと、運転者がセレクトレバーに対して行うシフト操作に応じて前記変速機の前記変速段をシフトするスポーツモードとに切替可能に構成され、
前記シフト操作は、前記運転者が前記セレクトレバーを手前に引く第1操作と、前記運転者が前記セレクトレバーを奥側に押す第2操作とを含み、
前記表示制御部は、前記変速段のシフトアップが行われると、第1表示態様と第2表示態様との一方の表示態様により、前記変速段のシフトダウンが行われると、前記第1表示態様と前記第2表示態様との他方の表示態様により、それぞれ前記ディスプレイパネルに表示されている前記変速段を示す記号を切り替え、
前記表示制御部は、前記走行モードが前記スポーツモードの場合に、前記運転者が前記第1操作を行うと前記第1表示態様により、前記運転者が前記第2操作を行うと前記第2表示態様により、それぞれ前記ディスプレイパネルに表示されている前記第1記号を前記第2記号に切り替え、
前記第1表示態様は、前記ディスプレイパネルに表示されている現在の変速段を示す第1記号を前記表示位置から手前側に向けて前進移動させつつフェードアウトさせるとともに、次の変速段を示す第2記号を奥側から前記表示位置に向けて前進移動させつつフェードインさせる表示態様であり、
前記第2表示態様は、前記ディスプレイパネルに表示されている前記第1記号を前記表示位置から奥側に向けて後退移動させつつフェードアウトさせるとともに、前記第2記号を手前側から前記表示位置に向けて後退移動させつつフェードインさせる表示態様である車両の表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第1表示態様では、前記第1記号より小さいサイズかつ高い透過度で前記第2記号を前記第1記号の上方に表示し、前記第1記号及び前記第2記号を下方に移動させつつ、前記第1記号及び前記第2記号のサイズを漸次拡大し、前記第1記号の透過度を漸次増加させ、かつ、前記第2記号の透過度を漸次減少させ、
前記表示制御部は、前記第2表示態様では、前記第1記号より大きいサイズかつ高い透過度で前記第2記号を前記第1記号の下方に表示し、前記第1記号及び前記第2記号を上方に移動させつつ、前記第1記号及び前記第2記号のサイズを漸次縮小し、前記第1記号の透過度を漸次増加させ、かつ、前記第2記号の透過度を漸次減少させる請求項に記載の車両の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、リング状に設けられた複数の指標画像を含むリング式アナログメータを前記ディスプレイパネルに表示し、前記表示位置を前記リング式アナログメータの領域内に配置する請求項又はに記載の車両の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記スポーツモードでは、前記複数の指標画像及び前記変速段を示す記号の少なくとも一方を赤色系で表示し、前記ノーマルモードでは、前記複数の指標画像を前記スポーツモードより低い彩度で表示する請求項に記載の車両の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動的に変速機の変速段がシフトされるノーマルモードと、運転者が行うセレクトレバーに対するシフト操作に応じて変速機の変速段がシフトされるスポーツモードとに切り替え可能に構成された車両が知られている。このような車両では、現在の変速段を運転者に分かり易く表示することが望まれる。
【0003】
例えば、特許文献1には、ノーマルモードとスポーツモードとで、異なる表示態様で変速段を表示する表示装置が開示されている。この表示装置では、ノーマルモードのときは、セレクトレバーの各位置に対応する表示部が縦に配列して表示され、現在のセレクトレバーの位置に対応する表示部の輝度が増大される一方、スポーツモードのときは、現在の変速段を示す数字のみが表示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−58522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
変速段のシフトには、減速比を増大させるシフトダウンと、逆に減速比を減少させるシフトアップとがある。しかしながら、特許文献1の表示装置では、ノーマルモードでもスポーツモードでも、単に、現在の変速段を表示しているに過ぎない。これに対して、変速段のシフトの表示態様に更なる工夫が求められている。
【0006】
本発明は、変速段のシフト時の表示を立体的に動きのある表示として好適に表示することができる車両の表示装置を提供することを第1の目的とする。
【0007】
また、本発明は、特にスポーツモードでの操作を楽しめるように、またシフトアップとシフトダウンとの操作の認識を高めるようにすることができる車両の表示装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、車両に搭載される車両の表示装置であって、前記車両に関する情報を表示するディスプレイパネルと、変速機の変速段を示す記号を前記車両に関する情報として前記ディスプレイパネルの所定の表示位置に表示する表示制御部と、を備え、前記車両は、走行モードとして、自動的に前記変速機の前記変速段をシフトするノーマルモードと、運転者がセレクトレバーに対して行うシフト操作に応じて前記変速機の前記変速段をシフトするスポーツモードとに切替可能に構成され、前記シフト操作は、前記運転者が前記セレクトレバーを手前に引く第1操作と、前記運転者が前記セレクトレバーを奥側に押す第2操作とを含み、前記表示制御部は、前記変速段のシフトアップが行われると、第1表示態様と第2表示態様との一方の表示態様により、前記変速段のシフトダウンが行われると、前記第1表示態様と前記第2表示態様との他方の表示態様により、それぞれ前記ディスプレイパネルに表示されている前記変速段を示す記号を切り替え、前記表示制御部は、前記走行モードが前記スポーツモードの場合に、前記運転者が前記第1操作を行うと前記第1表示態様により、前記運転者が前記第2操作を行うと前記第2表示態様により、それぞれ前記ディスプレイパネルに表示されている前記第1記号を前記第2記号に切り替え、前記第1表示態様は、前記ディスプレイパネルに表示されている現在の変速段を示す第1記号を前記表示位置から手前側に向けて前進移動させつつフェードアウトさせるとともに、次の変速段を示す第2記号を奥側から前記表示位置に向けて前進移動させつつフェードインさせる表示態様であり、前記第2表示態様は、前記ディスプレイパネルに表示されている前記第1記号を前記表示位置から奥側に向けて後退移動させつつフェードアウトさせるとともに、前記第2記号を手前側から前記表示位置に向けて後退移動させつつフェードインさせる表示態様である。
【0009】
この構成によれば、変速段のシフトアップ及びシフトダウンの少なくとも一方が行われると、第1表示態様と第2表示態様との少なくとも一方の表示態様により、ディスプレイパネルに表示されている変速段を示す記号が切り替えられる。第1表示態様では、ディスプレイパネルに表示されている現在の変速段を示す第1記号を表示位置から手前側に向けて前進移動させつつフェードアウトさせるとともに、次の変速段を示す第2記号を奥側から表示位置に向けて前進移動させつつフェードインさせている。また、第2表示態様では、ディスプレイパネルに表示されている現在の変速段を示す第1記号を表示位置から奥側に向けて後退移動させつつフェードアウトさせるとともに、次の変速段を示す第2記号を手前側から表示位置に向けて後退移動させつつフェードインさせている。このように、表示する変速段を示す記号を、前進移動又は後退移動させつつ第1記号から第2記号に切り替えている。したがって、変速段のシフトアップ及びシフトダウンの少なくとも一方を運転者に対して好適に表示することができる。
【0011】
また、この構成によれば、変速段のシフトアップが行われると、第1表示態様と第2表示態様との一方の表示態様により、変速段のシフトダウンが行われると、第1表示態様と第2表示態様との他方の表示態様により、それぞれディスプレイパネルに表示されている変速段を示す記号が切り替えられる。したがって、シフトアップとシフトダウンとで変速段を示す記号の切替えの表示態様が異なる。このため、変速段のシフトアップとシフトダウンとを区別して好適にディスプレイパネルに表示することができる。
また、この構成によれば、車両の走行モードがスポーツモードの場合に、運転者がシフト操作を行うと、第1表示態様又は第2表示態様により、ディスプレイパネルに表示されている現在の変速段を示す第1記号が次の変速段を示す第2記号に切り替えられる。したがって、前進移動又は後退移動する第1記号及び第2記号によって、運転者が行うシフト操作の動きを表現することができる。
また、この構成によれば、運転者がセレクトレバーを手前に引く第1操作を行うと、第1表示態様により、ディスプレイパネルに表示されている現在の変速段を示す第1記号が次の変速段を示す第2記号に切り替えられる。したがって、運転者がセレクトレバーを手前に引く第1操作によるシフト操作の向きと、ディスプレイパネルに表示される第1記号及び第2記号の前進移動の向きとを一致させることができる。
また、運転者がセレクトレバーを奥側に押す第2操作を行うと、第2表示態様により、ディスプレイパネルに表示されている現在の変速段を示す第1記号が次の変速段を示す第2記号に切り替えられる。したがって、運転者がセレクトレバーを奥側に押す第2操作によるシフト操作の向きと、ディスプレイパネルに表示される第1記号及び第2記号の後退移動の向きとを一致させることができる。その結果、運転者により行われるセレクトレバーに対するシフト操作の動きを、第1記号及び第2記号の動きとして、ディスプレイパネルに好適に表現することができる。
【0012】
また、上記一態様において、前記表示制御部は、前記第1表示態様では、前記第1記号より小さいサイズかつ高い透過度で前記第2記号を前記第1記号の上方に表示し、前記第1記号及び前記第2記号を下方に移動させつつ、前記第1記号及び前記第2記号のサイズを漸次拡大し、前記第1記号の透過度を漸次増加させ、かつ、前記第2記号の透過度を漸次減少させてもよく、前記表示制御部は、前記第2表示態様では、前記第1記号より大きいサイズかつ高い透過度で前記第2記号を前記第1記号の下方に表示し、前記第1記号及び前記第2記号を上方に移動させつつ、前記第1記号及び前記第2記号のサイズを漸次縮小し、前記第1記号の透過度を漸次増加させ、かつ、前記第2記号の透過度を漸次減少させてもよい。
【0013】
この構成によれば、第1表示態様では、第1記号より小さいサイズかつ高い透過度で第2記号を第1記号の上方に表示し、第1記号及び第2記号を下方に移動させつつ、第1記号及び第2記号のサイズを漸次拡大し、第1記号の透過度を漸次増加させ、かつ、第2記号の透過度を漸次減少させている。これによって、第1記号及び第2記号が、擬似的に前進移動するように表示することができる。また、第1記号の透過度を漸次増加させることにより、第1記号をフェードアウトさせることができる。また、第2記号の透過度を漸次減少させることにより、第2記号をフェードインさせることができる。
【0014】
また、第2表示態様では、第1記号より大きいサイズかつ高い透過度で第2記号を第1記号の下方に表示し、第1記号及び第2記号を上方に移動させつつ、第1記号及び第2記号のサイズを漸次縮小し、第1記号の透過度を漸次増加させ、かつ、第2記号の透過度を漸次減少させている。これによって、第1記号及び第2記号が、擬似的に後退移動するように表示することができる。また、第1記号の透過度を漸次増加させることにより、第1記号をフェードアウトさせることができる。また、第2記号の透過度を漸次減少させることにより、第2記号をフェードインさせることができる。
【0020】
また、上記一態様において、前記表示制御部は、リング状に設けられた複数の指標画像を含むリング式アナログメータを前記ディスプレイパネルに表示し、前記表示位置を前記リング式アナログメータの領域内に配置してもよい。
【0021】
この構成によれば、現在の変速段を示す表示位置がリング式アナログメータの領域内に配置されている。したがって、限りのあるディスプレイパネルの表示面積を有効に利用することができる。
【0022】
また、上記一態様において、前記表示制御部は、前記スポーツモードでは、前記複数の指標画像及び前記変速段を示す記号の少なくとも一方を赤色系で表示し、前記ノーマルモードでは、前記複数の指標画像を前記スポーツモードより低い彩度で表示してもよい。
【0023】
この構成によれば、スポーツモードでは、リング式アナログメータに含まれる複数の指標画像及び変速段を示す記号の少なくとも一方が赤色系で表示される。また、ノーマルモードでは、複数の指標画像がスポーツモードより低い彩度で表示される。したがって、運転者がセレクトレバーに対してシフト操作を行うスポーツモードでは、ノーマルモードに比べて、赤色系で表示される複数の指標画像又は変速段を示す記号と、より高い彩度で表示される複数の指標画像とに対して、乗車している人の注意を引くことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、表示する変速段を示す記号を、前進移動又は後退移動させつつ現在の変速段を示す第1記号から次の変速段を示す第2記号に切り替えているため、変速段のシフトアップ及びシフトダウンの少なくとも一方を好適に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】車両の表示装置の概略的な展開斜視図である。
図2】表示装置の概略的な側面図である。
図3】表示装置の構成の一例を示す図である。
図4】表示装置を含む車両における信号の流れを概念的に表すブロック図である。
図5】セレクトレバーのシフト操作と変速段を示す記号の切替えとの関係を概略的に示す図である。
図6】現在の変速段を示す記号が表示装置に表示されている状態を概略的に示す図である。
図7】運転者がシフトアップ操作を行った直後の表示装置の表示状態を概略的に示す図である。
図8図7より時間的に後の表示装置の表示状態を概略的に示す図である。
図9】変速段を示す記号の表示の切替えが完了したときの表示装置の表示状態を概略的に示す図である。
図10】運転者がシフトダウン操作を行った直後の表示装置の表示状態を概略的に示す図である。
図11図10より時間的に後の表示装置の表示状態を概略的に示す図である。
図12】変速段を示す記号の表示の切替えが完了したときの表示装置の表示状態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[全体構成]
図1は、車両の表示装置(以下、表示装置100と称される)の概略的な展開斜視図である。図1を参照して、表示装置100が説明される。
【0027】
表示装置100は、ディスプレイパネル200と、アナログメータ300,500と、を備える。ディスプレイパネル200は、表示面210を含む。ディスプレイパネル200は、画像を、表示面210に表示する。ディスプレイパネル200は、液晶を駆動し、画像を表示する液晶ディスプレイであってもよい。代替的に、ディスプレイパネル200は、プラズマ発光を利用したプラズマディスプレイであってもよい。更に代替的に、ディスプレイパネル200は、有機EL(エレクトロルミネセンス)素子を利用した有機ELディスプレイであってもよい。本実施形態の原理は、ディスプレイパネル200の特定の種類に限定されない。
【0028】
画像は、表示装置100が搭載される車両に関する情報を含んでもよい。車両に関する情報としては、例えば、車両の状態を示す車両状態情報、車両の走行状態に関する走行情報、及び車両が走行する環境に関する環境情報の少なくとも1つが採用できる。状態情報としては、例えば、燃料の残量や、ラジエータの水温や、ヘッドライトの点灯状態などを示す情報が採用できる。走行情報としては、例えば、車両の走行速度や、エンジンの回転数などが採用できる。環境情報としては、例えば、車両が走行する道路に対して定められた法定速度や、外気温や天候に関する情報が採用できる。
【0029】
既知の車両に搭載されたアナログメータと同様に、アナログメータ300,500は、表示装置100が搭載される車両に関する情報(たとえば、車両の速度、エンジンの回転数、ラジエータの水温や燃料の残量)を、ドライバに与えてもよい。
【0030】
アナログメータ300は、ディスプレイパネル200の左側に配置され、C型リング310と、指示針320と、を含む。
【0031】
指示針320は、C型リング310によって囲まれた領域内で回転する。C型リング310によって囲まれた領域内には、表示装置100が搭載される車両の走行状態に関する物理量を表す指標(たとえば、目盛線や数字)が表示される。指標の提示は、既知の車両に搭載されたアナログメータに用いられる様々な手法に依存してもよい。
【0032】
アナログメータ500は、ディスプレイパネル200の右側に配置され、アナログメータ300と同様に、表示装置100が搭載される車両の走行状態を表す情報(たとえば、車両の速度、エンジンの回転数、ラジエータの水温や燃料の残量)であって、アナログメータ300とは異なる情報を、ドライバに与える。
【0033】
アナログメータ500は、C型リング510と、指示針520,530と、を含む。
【0034】
指示針520,530は、それぞれ、C型リング510によって囲まれた領域内で回転する。C型リング510によって囲まれた領域内において、表示板400には、表示装置100が搭載される車両の走行状態に関する物理量を表す指標(たとえば、目盛線や数字)が描かれてもよい。
【0035】
表示装置100は、表示板400を更に備える。表示板400は、ディスプレイパネル200とアナログメータ300,500との間に配置される。表示板400は、平坦な第1面411と、平坦な第2面412と、を含む。第1面411は、ディスプレイパネル200に対向する。アナログメータ300,500は、第1面411とは反対側の第2面412に取り付けられる。
【0036】
表示板400には、大きさ及び形状において、ディスプレイパネル200の表示面210に略一致する表示領域421と、表示領域421外の領域である周囲領域422とが設けられている。
【0037】
表示領域421は、例えば、周囲領域422よりも光学的に高い透過率を有していてもよい。ディスプレイパネル200の表示面210から出射された映像光は、第1面411から第2面412へ伝搬する。映像光は、その後、第2面412の表示領域421から出射される。
【0038】
表示装置100は、リング体600を更に備える。リング体600は、リング部材610及び透光リング620を含む。透光リング620は、リング部材610内に配置される。ディスプレイパネル200はリング体600内にメータ画像を表示するので、透光リング620はメータ画像に重なる。ドライバは、透光リング620を通じて、メータ画像を見ることができる。透光リング620は、リング部材610と協働して、ドライバに、立体的な視覚的印象を与えることに貢献する。
【0039】
表示装置100は、駆動ユニット700と、メータベセル810と、保護板820と、を更に備える。アナログメータ300の指示針320及びアナログメータ500の指示針520,530は、表示板400を通じて、駆動ユニット700に機械的に接続される。
【0040】
駆動ユニット700は、指示針320,520,530を回転させる。駆動ユニット700と指示針320,520,530との接続に対して、既知の車両に用いられる様々な技術が用いられてもよい。したがって、本実施形態の原理は、駆動ユニット700と指示針320,520,530との間の特定の接続技術に限定されない。
【0041】
駆動ユニット700は、ディスプレイパネル200を駆動するための画像信号を生成する表示制御部730(後述の図4)を含んでもよい。画像信号は、駆動ユニット700からディスプレイパネル200へ出力される。ディスプレイパネル200は、画像信号に応じて、メータ画像を表示してもよい。
【0042】
駆動ユニット700は、指示針320,520,530を駆動する駆動モータ721,722,723(後述の図4)を含んでもよい。駆動ユニット700は、表示装置100を動作させるための様々な電気回路、駆動機器や光学機器を含むことができる。本実施形態の原理は、駆動ユニット700の特定の構造に限定されない。
【0043】
メータベセル810は、ディスプレイパネル200、リング体600、アナログメータ300、アナログメータ500、表示板400、及び駆動ユニット700が収容される空間を規定する筒体である。保護板820は、メータベセル810の開口部を閉塞する。ディスプレイパネル200、リング体600、アナログメータ300,500及び表示板400は、メータベセル810内で、駆動ユニット700と保護板820との間に配置される。
【0044】
保護板820は、全体的に透明である。したがって、ディスプレイパネル200によって生成された映像光は、表示板400を通じて、保護板820に到達し、その後、ドライバの眼に入射することができる。保護板820には、反射を抑制するための光学的処理が施されてもよい。この場合、ドライバは、保護板820上での反射に妨げられることなく、ディスプレイパネル200が映し出す画像を良好に視認することができる。
【0045】
図2は、表示装置100の概略的な側面図である。
【0046】
図2に示される如く、ディスプレイパネル200は、第1面411に密接されてもよい。代替的に、ディスプレイパネル200と第1面411との間に僅かな隙間が形成されてもよい。ディスプレイパネル200は、第1面411に非常に近接しているので、ドライバは、ディスプレイパネル200が表示する画像が、映像光が出射される第2面412の表示領域421に映し出されていると知覚しやすくなる。
【0047】
ドライバは、画像が映し出されている第2面412にアナログメータ300,500が取り付けられていると視認するので、表示装置100は、アナログメータ300,500とディスプレイパネル200との間での視覚的な一体性を保つことができる。
【0048】
[画面構成]
図3は、表示装置100の構成の一例を示す図である。表示装置100は、表示板400によって領域が区画され、横方向に長い長円形状の表示板領域410を持ち、表示板領域410が車両のダッシュボードに位置するように取り付けられている。具体的には、表示板領域410は、ウインドシールドから入射する外光を遮るように突出するフードHODの下部に取り付けられている。
【0049】
表示板領域410の中央部にはディスプレイパネル200の表示面210が配置されている。表示面210は、横方向に長い矩形形状を持つ。リング体600は、例えば、中心が表示面210の中心に位置するように取り付けられている。
【0050】
表示面210は、リング体600内にメータ画像SCI(リング式アナログメータの一例)を表示する。図3の例では、メータ画像SCIとして車両の走行速度を示すスピードメータの画像が採用されている。リング体600は、円形のリング部材610と、リング部材610の内周に沿って取り付けられたドーナツ状の透光リング620とを備える。
【0051】
透光リング620には、走行速度を示す複数の目盛線が放射状に等間隔で配置されている。図3の例では、走行速度「0」を示す目盛線が透光リング620の最下部610aに配置され、走行速度「0」から走行速度「280」までを20km/h刻みで示す15本の目盛線がリング体600の中心を取り囲むように配置されている。なお、目盛線は透光リング620が図略の光源によってライトアップされることで、視認可能に表示される。そのため、ディスプレイパネル200のオフ状態では、透光リング620のライトアップが停止されるので、目盛線は非表示となる。
【0052】
メータ画像SCIは、透光リング620内に嵌め込まれるように表示面210に表示され、指標画像211と、指示針画像212とを備える。指標画像211は、透光リング620に配置された15本の目盛線に対応する走行速度を示す15個の数値の画像を含む。指示針画像212は、メータ画像SCIの中心を回転中心とし、メータ画像SCIの径方向に延びる針状の形状を持つ。指示針画像212は、走行速度「0」〜走行速度「280」の範囲内で回転表示される。
【0053】
なお、図3の例では、目盛線は透光リング620に配置されたが、メータ画像SCIに含まれても良い。
【0054】
表示面210の左側には、アナログメータ300が配置され、表示面210の右側にはアナログメータ500が配置されている。
【0055】
アナログメータ300はアナログメータ300の外縁を規定する円弧形状を持つC型リング310を備え、アナログメータ500はアナログメータ500の外縁を規定する円弧形状を持つC型リング510を備える。C型リング310とC型リング510とは、サイズ及び形状が同じであり、リング部材610の中心から水平方向に等距離に配置されている。また、C型リング310は上端311及び下端312がリング部材610側を向くように配置され、C型リング510も上端511及び下端512がリング部材610側を向くように配置されている。これにより、アナログメータ300とアナログメータ500とは、リング部材610を中心に線対称に配置される。
【0056】
アナログメータ300は、C型リング310の内周に沿って指標部313が配置されている。指標部313は、C型リング310の内周に沿って放射状に配置された複数の目盛線と、各目盛線に対応する数値とを備える。図3では、アナログメータ300としてエンジンの回転数を示すタコメータが採用されているので、指標部313には、0000rpmから9000rpmまでのエンジンの回転数を1000rpm刻みで示す「0」〜「9」の数値と、各数値に対応する10本の目盛線とがC型リング310の内周のほぼ全域に亘って等間隔で配置されている。図3の例では、数値「0」に対応する最小目盛線が下端312側に配置され、数値「9」に対応する最高目盛線が上端311側に配置されている。
【0057】
指示針320は、アナログメータ300の中心を回転中心とし、C型リング310の径方向に直線状に延びる針状の部材で構成されている。指示針320は、数値「0」の目盛線から数値「9」の目盛線の範囲内で回転される。
【0058】
アナログメータ500は、C型リング510を共用する上下に配置された2つのメータで構成される。図3の例では、上側のメータは水温計が採用され、下側のメータは燃料計が採用されている。
【0059】
アナログメータ500は、C型リング510の内周に沿って燃料計の指標部513aと水温計の指標部513bとが配置されている。指標部513aは、C型リング510の下半部の内周に沿って放射状に等間隔で配置された複数の目盛線を備える。指標部513bは、C型リング510の上半部の内周に沿って等間隔で配置された複数の目盛線を備える。指標部513bは、最低温度を示す目盛線がC型リング510の垂直方向の真ん中よりもやや上側に配置され、最高温度を示す目盛線が上端511側に配置されている。また、指標部513aは、燃料が満タンであることを示す目盛線がC型リング510の垂直方向の真ん中よりもやや下側に配置され、燃料が空であることを示す目盛線が下端512側に配置されている。
【0060】
アナログメータ500において、指示針530の右側には上側のメータが水温計であることを示すインジケータINが配置され、指示針520の右側には下側のメータが燃料計であることを示すインジケータINが配置されている。
【0061】
指示針520は、アナログメータ300の中心よりもやや下側を回転中心として、C型リング510の径方向に直線状に延びる針状の部材で構成される。指示針520は、燃料が空であることを示す目盛線から燃料が満タンであることを示す目盛線の範囲内で回転される。
【0062】
指示針530は、アナログメータ300の中心よりもやや上側を回転中心として、C型リング510の径方向に直線状に延びる針状の部材で構成される。指示針530は、最低温度を示す目盛線から最高温度を示す目盛線の範囲内で回転される。
【0063】
C型リング310は、表示面210の左下のコーナ部C1を回り込む半円以上の円弧形状を持ち、上端311が表示面210の左縁H2から表示面210内に侵入することで左縁H2に近接配置され、下端312が表示面210の下縁H1に接することで下縁H1に近接配置されている。
【0064】
C型リング510は、表示面210の右下のコーナ部C2を回り込む半円以上の円弧形状を持ち、上端511が表示面210の右縁H4から表示面210内に侵入することで、右縁H4に近接配置され、下端512が表示面210の下縁H1に接することで下縁H1に近接配置されている。
【0065】
すなわち、C型リング310,510は、表示面210の下側から下縁H1に向けて回り込んでいる。これにより、表示装置100の横幅を広げなくても、アナログメータ300,500の領域を確保することができる。
【0066】
指標部313,513aは、コーナ部C1,C2を回り込むようにC型リング310,510の内周に沿って配置されている。具体的には、指標部313は、C型リング310の最下部314からC型リング310の下端312までの回り込み領域315に延設されている。また、指標部513aは、C型リング510の最下部514からC型リング310の下端512までの回り込み領域515に延設されている。これにより、指標部313,513aの領域を広げることができ、目盛線同士の間隔を十分に確保することができる。
【0067】
表示面210の上縁H3は、C型リング310,510の最上部316,516よりも上方に位置されている。また、リング体600は、C型リング310,510よりも大径であり、最下部610aが表示面210の下縁H1よりも下方に位置している。そのため、リング体の領域を十分に確保でき、リング体600の内部に表示されるメータ画像SCIの視認性を向上させることができる。
【0068】
更に、C型リング310,510の最下部314,514とリング体600の最下部610aとは同じ高さ位置である。これにより、アナログメータ300,500とリング体600との下端が揃い、表示装置100全体の審美性を高めることができる。
【0069】
表示装置100には、表示領域421(ディスプレイパネル200)の下方に、車両の現在のレンジを示すためのP,R,N,DのインジケータINが配置されている。
【0070】
図4は、表示装置100を含む車両における信号の流れを概念的に表すブロック図である。車両には、電子制御ユニット(ECU)750が搭載されている。
【0071】
ECU750は、車両の各部の動作を制御する。ECU750は、駆動ユニット700を含む。ECU750は、マイクロコンピュータ及びメモリを含んでもよい。ECU750は、メモリに保存されたプログラムを含んでもよい。ECU750は、図4では、駆動ユニット700の全体を含んでいるが、本実施形態は、この構成に限られない。ECU750は、駆動ユニット700を含まない構成でもよく、駆動ユニット700の一部を含む構成でもよい。
【0072】
駆動ユニット700は、第1駆動信号生成部711と、第2駆動信号生成部712と、第3駆動信号生成部713と、第1駆動モータ721と、第2駆動モータ722と、第3駆動モータ723と、表示制御部730と、点灯制御部740とを含む。
【0073】
第1駆動信号生成部711は、第1駆動モータ721に電気的に接続される。第1駆動モータ721は、指示針320に機械的に接続される。第2駆動信号生成部712は、第2駆動モータ722に電気的に接続される。第2駆動モータ722は、指示針520に機械的に接続される。第3駆動信号生成部713は、第3駆動モータ723に電気的に接続される。第3駆動モータ723は、指示針530に機械的に接続される。表示制御部730は、ディスプレイパネル200に電気的に接続される。点灯制御部740は、インジケータINに電気的に接続される。
【0074】
車両には、車両の走行状態に応じて変化する物理量を検出する様々なセンサ機器(図示せず)が配置される。センサ群SSGは、これらのセンサ機器を含む。センサ群SSGは、様々な物理量を表す様々な検出信号を生成する。図3の例では、センサ群SSGとしては、エンジンの回転数を検出するセンサ、車両の走行速度を検出するセンサ、燃料の残量を検出するセンサ、ラジエータの水温を検出するセンサが含まれる。これらの検出信号は、センサ群SSGから第1駆動信号生成部711、第2駆動信号生成部712、第3駆動信号生成部713、及び表示制御部730のそれぞれへ出力される。センサ群SSGを構成するセンサは、既知の車両に利用されるセンサであってもよい。したがって、本実施形態の原理は、センサ群SSGの特定のセンサに限定されない。
【0075】
第1駆動信号生成部711は、指示針320が指し示す指標に対応する物理量(本実施形態ではエンジンの回転数)を表す検出信号を受ける。第1駆動信号生成部711は、検出信号に応じて、駆動信号を生成する。駆動信号は、第1駆動信号生成部711から第1駆動モータ721へ出力される。第1駆動モータ721は、駆動信号に応じて、回転する。この結果、指示針320は、表示板400上で回転することができる。
【0076】
第2駆動信号生成部712は、指示針520が指し示す指標に対応する物理量(本実施形態では燃料の残量)を表す検出信号を受ける。第2駆動信号生成部712は、検出信号に応じて、駆動信号を生成する。駆動信号は、第2駆動信号生成部712から第2駆動モータ722へ出力される。第2駆動モータ722は、駆動信号に応じて、回転する。この結果、指示針520は、表示板400上で回転することができる。
【0077】
第3駆動信号生成部713は、指示針530が指し示す指標に対応する物理量(本実施形態ではラジエータの水温)を表す検出信号を受ける。第3駆動信号生成部713は、検出信号に応じて、駆動信号を生成する。駆動信号は、第3駆動信号生成部713から第3駆動モータ723へ出力される。第3駆動モータ723は、駆動信号に応じて、回転する。この結果、指示針530は、表示板400上で回転することができる。
【0078】
検出信号から駆動信号への変換は、既知のアナログメータに用いられる様々な信号処理技術に依存してもよい。したがって、本実施形態の原理は、検出信号から駆動信号へ変換するための特定の信号処理技術に限定されない。
【0079】
表示制御部730は、ディスプレイパネル200が表示するメータ画像SCI(図3)に対応する物理量(本実施形態では車両の走行速度)を表す検出信号を受ける。表示制御部730は、検出信号に応じて、画像信号を生成する。画像信号は、表示制御部730からディスプレイパネル200へ出力される。ディスプレイパネル200は、画像信号に応じて、メータ画像SCIを表示面210に表示する。
【0080】
検出信号から画像表示までの信号処理技術は、既知の様々な画像生成技術に依存してもよい。したがって、本実施形態の原理は、画像を表示するための特定の信号処理技術に限定されない。
【0081】
車両には、さらに、変速機751、セレクトレバー752、及びドライブ選択スイッチ753が搭載される。変速機751は、変速比が複数段にシフト可能に構成された既知の装置である。セレクトレバー752は、運転者により操作されると車両をパーキング(P)、リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)の各レンジに移行させる既知の操作部である。
【0082】
ドライブ選択スイッチ753は、運転者により操作され、車両の走行モードをノーマルモードとスポーツモードとに切り替えるためのスイッチである。ノーマルモードでは、ECU750は、自動的に変速機751の変速段をシフトする。スポーツモードでは、ECU750は、運転者がセレクトレバー752に対して行うシフト操作に応じて変速機751の変速段をシフトする。
【0083】
セレクトレバー752及びドライブ選択スイッチ753は、運転席の近くに備えられたレバー、ボタンやダイヤルであってもよい。本実施形態の原理は、セレクトレバー752及びドライブ選択スイッチ753の特定の構造に限定されない。
【0084】
点灯制御部740は、センサ群SSGから出力される検出信号に応じて、インジケータINを点灯又は消灯させる。点灯制御部740は、車両の走行モードに関係なく(つまりノーマルモードのときもスポーツモードのときも)、運転者により操作されるセレクトレバー752の位置に応じて、P,R,N又はDのインジケータINを点灯させる。
【0085】
表示制御部730は、スポーツモードのときに、メータ画像SCIの指標画像211と指示針画像212とを赤色系で表示する。また、表示制御部730は、ノーマルモードのときに、メータ画像SCIの指標画像211と指示針画像212とを、スポーツモードのときより低い彩度で表示する。したがって、スポーツモードでは、ノーマルモードに比べて、赤色系で表示される指標画像211及び変速段を示す記号と、より高い彩度で表示される指標画像211とに対して、乗車している人の注意を引くことができる。なお、上記赤色系は、例えばマンセルシステムでの色相環において、5R〜10Rの範囲でもよく、より広い5RP〜5YRの範囲でもよい。
【0086】
[変速段を示す記号の表示]
さらに、表示制御部730は、スポーツモードのときに、現在の変速段を示す記号をメータ画像SCIの領域内の中央よりやや下方の表示位置に表示する。表示制御部730は、運転者がセレクトレバー752に対して行うシフト操作に応じて変速機751の変速段がシフトされると、表示中の現在の変速段を示す記号を次の変速段を示す記号に切り替える。以下、変速段を示す記号の切替えの表示態様が詳述される。なお、運転者によりドライブ選択スイッチ753が操作されて車両の走行モードはスポーツモードに切り替えられている。
【0087】
図5は、セレクトレバー752のシフト操作と変速段を示す記号の切替えとの関係を概略的に示す図である。図5のセクション(A)は、変速段を示す記号の切替えの概念を概略的に示す。図5のセクション(B)は、セレクトレバー752のシフト操作を概略的に示す。
【0088】
図5のセクション(B)において、運転者がセレクトレバー752をDレンジから右方に操作して「M」ポジションにセットする。この状態で、運転者がセレクトレバー752を「+」側に引くシフトアップ操作を行うと、ECU750は、変速機751の変速段を1段シフトアップする。一方、セレクトレバー752が「M」ポジションにセットされた状態で、運転者がセレクトレバー752を「−」側に押すシフトダウン操作を行うと、ECU750は、変速機751の変速段を1段シフトダウンする。
【0089】
図5のセクション(A)において、変速機751の変速段を示す記号が予め準備されている。本実施形態では、変速機751は、変速比が1段から5段まで変速可能に構成されている。したがって、1段を示す記号(本実施形態ではM1)761、2段を示す記号(本実施形態ではM2)762、3段を示す記号(本実施形態ではM3)763、4段を示す記号(本実施形態ではM4)764、及び5段を示す記号(本実施形態ではM5)765の5種類の記号が準備されている。また、変速段を示す記号は、1段を示す記号761から5段を示す記号765まで、概念的に、手前側から奥側に向かって順に配置されている。
【0090】
現在の変速機751の変速段は、3段であるとする。この場合、表示制御部730は、図5のセクション(A)に示されるように、3段を示す記号763を表示装置100に表示する。
【0091】
このように3段を示す記号763がディスプレイパネル200に表示された状態で、運転者がセレクトレバー752を「+」側に引いてシフトアップ操作を行うと、表示制御部730は、ディスプレイパネル200に表示されている現在の変速段を示す記号763を表示位置から手前側に向けて前進移動させつつフェードアウトさせるとともに、次の変速段を示す記号764を奥側から表示位置に向けて前進移動させつつフェードインさせる。
【0092】
一方、3段を示す記号763がディスプレイパネル200に表示された状態で、運転者がセレクトレバー752を「−」側に押してシフトダウン操作を行うと、表示制御部730は、ディスプレイパネル200に表示されている現在の変速段を示す記号763を表示位置から奥側に向けて後退移動させつつフェードアウトさせるとともに、次の変速段を示す記号762を手前側から表示位置に向けて後退移動させつつフェードインさせる。以下、図面を参照して、変速段を示す記号の切替えの具体的な表示態様が説明される。
【0093】
図6は、現在の変速段を示す記号が表示装置100に表示されている状態を概略的に示す図である。図7は、運転者がシフトアップ操作を行った直後の表示装置100の表示状態を概略的に示す図である。図8は、図7より時間的に後の表示装置100の表示状態を概略的に示す図である。図9は、変速段を示す記号の表示の切替えが完了したときの表示装置100の表示状態を概略的に示す図である。図6図9を参照して、運転者がシフトアップ操作を行ったときの変速段を示す記号の表示の切替えの態様が説明される。
【0094】
表示制御部730は、図6に示されるように、現在の変速段を示す記号763(第1記号の一例)を、所定サイズでメータ画像SCIの中央よりやや下方の表示位置770に表示する。ここでは、変速機751の現在の変速段は3段であるとする。
【0095】
このように現在の変速段を示す記号763が表示装置100(ディスプレイパネル200)に表示された状態で、運転者がセレクトレバー752を「M」ポジションから「+」側に引いてシフトアップ操作を行うと、表示制御部730は、まず、現在の変速段を示す記号763の上方に、次の変速段を示す記号を表示する。現在の変速段は3段であるので、表示制御部730は、図7に示されるように、現在の変速段を示す記号763の上方に、次の変速段を示す記号として、記号764(第2記号の一例)を表示する。表示制御部730は、次の変速段を示す記号764を、現在の変速段を示す記号763より小さいサイズかつ高い透過度で表示する。
【0096】
次に、表示制御部730は、図8に示されるように、記号764及び記号763を下方に略同じ速度で移動させつつ、記号764及び記号763のサイズを漸次拡大し、記号763の透過度を漸次増加させ、かつ、記号764の透過度を漸次減少させる。その後、表示制御部730は、図9に示されるように、記号764を所定サイズで表示位置770に現在の変速段を示す記号として表示する一方、記号763を消去する。
【0097】
なお、運転者がセレクトレバー752に対してさらにシフトアップ操作を行うと、表示制御部730は、同様にして、現在の変速段を示す記号を、4段を示す記号764から5段を示す記号765に切り替える。
【0098】
このように、本実施形態では、運転者によりシフトアップ操作が行われると、表示制御部730は、現在の変速段を示す記号763を下方に移動させつつ、記号763のサイズを漸次拡大し、かつ記号763の透過度を漸次増加させる。これによって、表示制御部730は、現在の変速段を示す記号763が手前に向かって前進移動するように擬似的に3次元表示し、現在の変速段を示す記号763をフェードアウトさせる。
【0099】
また、表示制御部730は、現在の変速段を示す記号763の上方に、次の変速段を示す記号764を、現在の変速段を示す記号763より小さいサイズかつ高い透過度で表示する。その後、表示制御部730は、次の変速段を示す記号764を下方に移動させつつ、記号764のサイズを漸次拡大し、かつ記号764の透過度を漸次減少させる。これによって、表示制御部730は、次の変速段を示す記号764が手前に向かって前進移動するように擬似的に3次元表示し、次の変速段を示す記号764をフェードインさせる。
【0100】
図10は、運転者がシフトダウン操作を行った直後の表示装置100の表示状態を概略的に示す図である。図11は、図10より時間的に後の表示装置100の表示状態を概略的に示す図である。図12は、変速段を示す記号の表示の切替えが完了したときの表示装置の表示状態を概略的に示す図である。図6図10図12を参照して、運転者がシフトアップ操作を行ったときの変速段を示す記号の表示の切替えの態様が説明される。
【0101】
図6に示されるように、現在の変速段(3段)を示す記号763が表示装置100に表示された状態で、運転者がセレクトレバー752を「M」ポジションから「−」側に押してシフトダウン操作を行うと、表示制御部730は、まず、現在の変速段を示す記号763の下方に、次の変速段を示す記号を表示する。現在の変速段は3段であるので、表示制御部730は、図10に示されるように、現在の変速段を示す記号763の下方に、次の変速段を示す記号として、記号762(第2記号の一例)を表示する。表示制御部730は、次の変速段を示す記号762を、現在の変速段を示す記号763より大きいサイズかつ高い透過度で表示する。
【0102】
次に、表示制御部730は、図11に示されるように、記号762及び記号763を上方に略同じ速度で移動させつつ、記号762及び記号763のサイズを漸次拡大し、記号763の透過度を漸次増加させ、かつ、記号762の透過度を漸次減少させる。その後、表示制御部730は、図12に示されるように、記号762を所定サイズで表示位置770に現在の変速段を示す記号として表示する一方、記号763を消去する。
【0103】
なお、運転者がセレクトレバー752に対してさらにシフトダウン操作を行うと、表示制御部730は、同様にして、現在の変速段を示す記号を、2段を示す記号762から1段を示す記号761に切り替える。
【0104】
このように、本実施形態では、運転者によりシフトダウン操作が行われると、表示制御部730は、現在の変速段を示す記号763を上方に移動させつつ、記号763のサイズを漸次縮小し、かつ記号763の透過度を漸次増加させる。これによって、表示制御部730は、現在の変速段を示す記号763が奥側に向かって後退移動するように擬似的に3次元表示し、現在の変速段を示す記号763をフェードアウトさせる。
【0105】
また、表示制御部730は、現在の変速段を示す記号763の下方に、次の変速段を示す記号762を、現在の変速段を示す記号763より大きいサイズかつ高い透過度で表示する。その後、表示制御部730は、次の変速段を示す記号762を上方に移動させつつ、記号762のサイズを漸次縮小し、かつ記号762の透過度を漸次減少させる。これによって、表示制御部730は、次の変速段を示す記号762が奥側に向かって後退移動するように擬似的に3次元表示し、現在の変速段を示す記号762をフェードインさせる。
【0106】
以上説明されたように、本実施形態では、運転者は、セレクトレバー752を「M」ポジションから「+」側に引いてシフトアップ操作を行う。したがって、現在の変速段を示す記号763及び次の変速段を示す記号764が手前に向かって擬似的に前進移動する向きと、セレクトレバー752を「M」ポジションから「+」側に引く向きとが一致している。このため、本実施形態によれば、運転者により行われるセレクトレバー752に対するシフトアップ操作の動きを、変速段を示す記号763,764の動きとして、表示装置100(ディスプレイパネル200)に好適に表現することができる。
【0107】
また、本実施形態では、運転者は、セレクトレバー752を「M」ポジションから「−」側に押してシフトダウン操作を行う。したがって、現在の変速段を示す記号763及び次の変速段を示す記号762が奥側に向かって後退移動する向きと、セレクトレバー752を「M」ポジションから「−」側に押す向きとが一致している。このため、本実施形態によれば、運転者により行われるセレクトレバー752に対するシフトダウン操作の動きを、変速段を示す記号763,762の動きとして、表示装置100(ディスプレイパネル200)に好適に表現することができる。
【0108】
車両の走行モードをスポーツモードに設定するのはスポーティな走行で車両の運転を楽しむ運転者であることが多い。しかしながら、上記特許文献1では、上述のように、スポーツモードの場合でも、表示されている現在の変速段を示す数字が静的に切り替えられるに過ぎない。これに対して、本実施形態によれば、運転者がセレクトレバー752に対して行うシフト操作を、変速段を示す記号の動きとして、ディスプレイパネル200に一層好適に表現することができる。
【0109】
また、本実施形態では、表示制御部730は、現在の変速段を示す記号を表示する表示位置770を、メータ画像SCIの領域内に配置している。これによって、限りのあるディスプレイパネル200の表示面積を有効に利用することができる。
【0110】
また、本実施形態では、車両の走行モードがノーマルモードの場合には、表示制御部730は、現在の変速段を示す記号を表示しない。これによって、不要な表示を行わないようにすることができる。
【0111】
[変形例]
(1)上記実施形態では、運転者がセレクトレバー752を「M」ポジションから「+」側に引くと、ECU750は、変速機751の変速段をシフトアップし、運転者がセレクトレバー752を「M」ポジションから「−」側に押すと、ECU750は、変速機751の変速段をシフトダウンしているが、この方向は逆でもよい。
【0112】
すなわち、運転者がセレクトレバー752を「M」ポジションから「+」側に引くと、ECU750は、変速機751の変速段をシフトダウンし、運転者がセレクトレバー752を「M」ポジションから「−」側に押すと、ECU750は、変速機751の変速段をシフトアップしてもよい。
【0113】
要は、運転者がセレクトレバー752を「M」ポジションから「+」側に引くと、表示制御部730は、現在の変速段を示す記号及び次の変速段を示す記号を擬似的に前進移動させ、運転者がセレクトレバー752を「M」ポジションから「−」側に押すと、表示制御部730は、現在の変速段を示す記号及び次の変速段を示す記号を擬似的に後退移動させればよい。すなわち、現在の変速段を示す記号及び次の変速段を示す記号が擬似的に移動する向きと、運転者がセレクトレバー752を「M」ポジションから「+」側又は「−」側に操作する向きとが一致していればよい。
【0114】
(2)上記実施形態では、表示制御部730は、変速段を示す記号761〜765のサイズ及び透過度の調整により変速段を示す記号761〜765を擬似的に3次元表示しているが、上記実施形態は、これに限られない。表示制御部730は、3次元画像処理の手法を用いて、変速段を示す記号761〜765を3次元で表示してもよい。
【0115】
(3)図6図12では、表示制御部730は、現在の変速段を示す記号763等を表示しているときは、メータ画像SCIの指示針画像212を非表示としているが、これに限られない。表示制御部730は、例えば指示針画像212の先端部分(つまり指標画像211と重なる部分)のみを表示してもよい。これによって、変速段を示す記号763等を表示している間も、運転者に車両の走行速度を報知することができる。
【0116】
(4)図3の例では、リング体600内にはメータ画像SCIとしてスピードメータの画像が採用されているが、これは一例であり、他の画像(例えば、タコメータの画像、水温計の画像、燃料計の画像)が採用されてもよい。
【符号の説明】
【0117】
100 表示装置
200 ディスプレイパネル
730 表示制御部
761〜765 変速段を示す記号
770 表示位置
SCI メータ画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12