(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、上記のシャッターが着脱機器に設けられているため、着脱機器の構成が複雑化してしまう。一方で、着脱機器の構成の複雑化を回避するために、上記の開口部をテープやキャップなどの別部材によって塞ぐと、着脱機器の出荷コストが上昇したり、着脱機器の出荷作業が煩雑化したりする恐れがある。
【0007】
そこで、本発明は、着脱機器の損傷を抑制すると共に、着脱機器の構成の複雑化、着脱機器の出荷コストの上昇及び着脱機器の出荷作業の煩雑化を招くことなく、着脱機器の開口部からのトナー漏れを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置用ユニットは、画像形成装置の装置本体に着脱可能に装着される着脱機器と、前記装置本体から取り外された状態の前記着脱機器を少なくとも部分的に覆う保護カバーと、を備え、前記着脱機器は、トナー補給用又はトナー排出用の開口部を有し、前記保護カバーは、前記着脱機器が前記保護カバーに装着された状態で前記開口部を覆うシャッターを備えていることを特徴とする。
【0009】
上記のように装置本体から取り外された状態の着脱機器を保護カバーによって少なくとも部分的に覆うことで、出荷時や交換時などにおける着脱機器の損傷を抑制することが可能となる。
【0010】
また、上記のように着脱機器の開口部を保護カバーのシャッターによって覆うことで、着脱機器の構成の複雑化を招くことなく開口部からのトナー漏れを防止することが可能となる。更に、テープやキャップなどの別部材によって開口部を塞ぐことなく開口部からのトナー漏れを防止することができるため、着脱機器の出荷コストの上昇及び着脱機器の出荷作業の煩雑化を抑制することが可能となる。
【0011】
前記着脱機器は、前記開口部を有する筒状部と、前記筒状部の外周に突設される鍔部と、を備え、前記シャッターは、前記開口部を覆う本体部と、前記本体部と間隔を介して対向する対向部と、を備え、前記着脱機器が前記保護カバーに装着されると、前記本体部と前記対向部によって前記鍔部が挟み込まれても良い。
【0012】
このような構成を採用することで、筒状部に対してシャッターが浮き上がるのを抑制することができるため、開口部からのトナー漏れを確実に防止することが可能となる。
【0013】
前記着脱機器は、所定の装着方向に沿って前記保護カバーに装着されるように設けられ、前記着脱機器の前記装着方向奥側の壁部には、機器側嵌合部が設けられ、前記保護カバーの前記装着方向奥側の壁部には、カバー側嵌合部が設けられ、前記着脱機器が前記保護カバーに装着されると、前記機器側嵌合部が前記カバー側嵌合部に嵌合して、前記装着方向と交差する方向における前記着脱機器の移動が規制されても良い。
【0014】
このような構成を採用することで、保護カバーに対する着脱機器の位置ずれを確実に抑制することが可能となる。これに伴って、シャッターによって開口部を確実に覆うことが可能となり、開口部からのトナー漏れを確実に防止することが可能となる。
【0015】
前記着脱機器の前記装着方向手前側の部分には、レバーが設けられ、前記保護カバーの前記装着方向手前側の部分には、係合部が設けられ、前記着脱機器が前記保護カバーに装着されると、前記レバーが前記係合部に係合して、前記装着方向における前記着脱機器の移動が規制されても良い。
【0016】
このような構成を採用することで、保護カバーに対する着脱機器の位置ずれを一層確実に抑制することが可能となる。これに伴って、シャッターによって開口部を一層確実に覆うことが可能となり、開口部からのトナー漏れを一層確実に防止することが可能となる。
【0017】
前記着脱機器は、トナーを担持する担持体と、前記担持体を回転可能に支持する筐体と、を備え、前記担持体の少なくとも一部は、前記着脱機器の外部に露出し、前記保護カバーは、前記担持体の露出部分を覆うカバー本体を備え、前記シャッターは、前記カバー本体と一体に設けられていても良い。
【0018】
上記のようにカバー本体によって担持体の露出部分を覆うことで、外部からの光が担持体の露出部分に当たるのを抑制することが可能となり、担持体の劣化を防止することができる。また、上記のようにシャッターがカバー本体と一体に設けられることで、保護カバーの構成を簡易なものとすることが可能となり、保護カバーの製造コストを安くすることが可能となる。
【0019】
前記シャッターの少なくとも一部は、前記保護カバーの外部に露出していても良い。
【0020】
このような構成を採用することで、着脱機器の開口部がシャッターによって覆われていることを目視によって確認することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、着脱機器の損傷を抑制すると共に、着脱機器の構成の複雑化、着脱機器の出荷コストの上昇及び着脱機器の出荷作業の煩雑化を招くことなく、着脱機器の開口部からのトナー漏れを防止することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
まず、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る複合機1(画像形成装置)について説明する。各図に適宜付される矢印Fr、Rr、L、R、U、Loは、それぞれ複合機1の前側、後側、左側、右側、上側、下側を示している。
【0024】
まず、複合機1の構成の概略について説明する。
【0025】
図1に示されるように、複合機1は、箱型形状の複合機本体2(装置本体)を備えている。複合機本体2の上端部には、原稿画像を読み取るための画像読取装置3が設けられている。複合機本体2の上部には、画像読取装置3の下側に排紙トレイ4が設けられている。複合機本体2の上部には、排紙トレイ4の下側に4個のトナーコンテナ5が設けられている。4個のトナーコンテナ5は、左側から順番に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーに対応している。
【0026】
複合機本体2の略中央部には、4個のトナーコンテナ5の下側に中間転写ベルト6が収容されている。複合機本体2の略中央部には、中間転写ベルト6の下側に4個の画像形成部7が収容されている。4個の画像形成部7は、左側から順番に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーに対応している。各画像形成部7は、感光体ドラム8と、帯電装置9と、現像器10と、一次転写ローラー11と、クリーニング装置12と、を備えている。一次転写ローラー11は、感光体ドラム8との間に中間転写ベルト6を挟み込んでおり、中間転写ベルト6と感光体ドラム8の間には一次転写ニップN1が形成されている。感光体ドラム8と帯電装置9とクリーニング装置12は、一体化されてドラムユニット20を構成している。
【0027】
複合機本体2の下部には、4個の画像形成部7の下側に露光装置13が収容されている。複合機本体2の下端部には、露光装置13の下側に給紙カセット14が収容されている。給紙カセット14には、用紙S(記録媒体)が収納されている。
【0028】
複合機本体2の右側部には、用紙Sの搬送経路15が設けられている。搬送経路15の下端部(上流端部)には、給紙部16が設けられている。搬送経路15の中流部には、二次転写ローラー17が設けられている。二次転写ローラー17と中間転写ベルト6の間には、二次転写ニップN2が形成されている。搬送経路15の上部(下流部)には、定着装置18が設けられている。搬送経路15の上端部(下流端部)には、排紙部19が設けられている。
【0029】
次に、このような構成を備えた複合機1の動作について説明する。
【0030】
複合機1に対して印刷開始の指示がなされると、まず、帯電装置9が感光体ドラム8の表面を帯電させる。次に、露光装置13からの光(
図1の矢印P参照)によって、感光体ドラム8の表面に静電潜像が形成される。次に、現像器10が感光体ドラム8にトナーを供給することで、感光体ドラム8の表面に形成された静電潜像が現像され、感光体ドラム8にトナー像が担持される。このトナー像は、一次転写ニップN1において中間転写ベルト6の表面に一次転写される。以上のような動作が各画像形成部7において行われることで、中間転写ベルト6上にフルカラーのトナー像が形成される。なお、感光体ドラム8上に残留したトナーは、クリーニング装置12によって除去される。
【0031】
また、給紙部16によって給紙カセット14から取り出された用紙Sは、搬送経路15を下流側へと搬送されて、二次転写ニップN2に進入する。この二次転写ニップN2において、中間転写ベルト6上に形成されたフルカラーのトナー像が用紙Sに二次転写される。トナー像を二次転写された用紙Sは、搬送経路15を更に下流側へと搬送されて、定着装置18に進入する。この定着装置18において、用紙Sにトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙Sは、排紙部19によって排紙トレイ4上に排出される。
【0032】
次に、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る複合機用ユニット21(画像形成装置用ユニット)について説明する。以下、説明の便宜上、
図2における右側を複合機用ユニット21の前側とする。なお、
図3、
図5、
図6は、後側からの図面であるため、図面上の左右関係と実際上の左右関係が逆転している。
【0033】
図2、
図3等に示されるように、複合機用ユニット21は、前述の現像器10(着脱機器)と、現像器10が着脱可能に装着される保護カバー22と、を備えている。なお、各図に適宜付される矢印Xは、保護カバー22への現像器10の装着方向(本実施形態では、前後方向)を示している。以下、単に「装着方向」と記載する場合には、保護カバー22への現像器10の装着方向を指すものとする。
【0034】
まず、複合機用ユニット21の現像器10について説明する。
【0035】
図2、
図3等に示されるように、現像器10は、筐体24と、筐体24の前端部に装着されるレバー25と、レバー25に装着されるコイルスプリング26(付勢部材)と、筐体24の後部に装着されるシール部材27と、筐体24の下部に収容される左右一対のミキサー28と、筐体24の中央部に収容される磁気ローラー29と、筐体24の右上部に収容される現像ローラー30(担持体)と、を備えている。
【0036】
図2等に示されるように、現像器10の筐体24は、前後方向に長い形状を成している。筐体24の内部には、収容空間Sが設けられている。収容空間Sには、例えば、トナーとキャリアから成る二成分現像剤が収容されている。
【0037】
図4等に示されるように、筐体24の前部には、収容空間Sよりも前側に挿入筒部32が設けられている。挿入筒部32は、上下方向に沿って延びている。筐体24の前端部には、挿入筒部32の前上側に庇部33が設けられている。庇部33は、前後方向に沿って延びている。
【0038】
図5等に示されるように、筐体24の右上部には、窓部34が設けられている。筐体24の左右両側面の下端部には、被ガイド部35が前後方向に沿って突設されている。筐体24の後壁部(装着方向奥側の壁部)には、嵌合穴42(機器側嵌合部)が設けられている。
【0039】
筐体24の後部(装着方向奥側の部分)には、筒状部36が設けられている。筒状部36は、上下方向に沿って延びている。筒状部36の下端部は、収容空間Sと連通している。筒状部36の上端部には、トナー補給口37(トナー補給用の開口部)が設けられている。筒状部36の上端部の外周には、鍔部38が突設されている。鍔部38の上部には、複数個の凹部39が設けられている。筒状部36の右側には、シャフト40が設けられている。シャフト40は、前後方向に沿って延びている。シャフト40には、駆動入力用のギア41が回転可能に支持されている。
【0040】
図4等に示されるように、現像器10のレバー25は、現像器10の前部(装着方向手前側の部分)に設けられている。レバー25は、装着筒部44と、装着筒部44から下側に向かって延出する延出部45と、装着筒部44から前側に向かって突出する把持部46と、を備えている。
【0041】
レバー25の装着筒部44は、有底筒状を成しており、上下方向に沿って延びている。装着筒部44は、筐体24の挿入筒部32に挿入されている。これにより、レバー25は、係合位置(
図4の実線参照)と離脱位置(
図4の二点鎖線参照)との間で上下方向(前後方向と交差する方向)に沿って移動可能な状態で、筐体24に支持されている。なお、
図4に付される矢印Yは、レバー25の移動方向(本実施形態では、上下方向)を示している。
【0042】
レバー25の延出部45は、上下方向に沿って延びている。延出部45の後面(装着方向奥側の面)の下端部には、後側(装着方向奥側)に向かって上側に傾斜する傾斜面48が設けられている。
【0043】
レバー25の把持部46は、前後方向に沿って延びている。把持部46は、現像器10が保護カバー22に装着された状態(
図4等参照)で、保護カバー22の前端部よりも前側(装着方向手前側)に突出している。把持部46の上側は、筐体24の庇部33によって覆われている。
【0044】
現像器10のコイルスプリング26は、レバー25の装着筒部44に装着されている。コイルスプリング26は、上下方向(レバー25の移動方向)に沿って設けられている。コイルスプリング26は、筐体24の庇部33とレバー25の装着筒部44の間に介装されている。コイルスプリング26は、レバー25を係合位置(
図4の実線参照)に付勢している。
【0045】
図3等に示されるように、現像器10のシール部材27は、筐体24の筒状部36の上面に固定されている。シール部材27には、筒状部36のトナー補給口37と対応する位置に、連通口50が設けられている。シール部材27は、弾性層51と、弾性層51の上側及び前側を覆う表面層52と、を備えている。弾性層51は、例えばスポンジによって構成されている。表面層52は、例えば合成樹脂製のシートによって構成されている。
【0046】
図2等に示されるように、現像器10の各ミキサー28及び磁気ローラー29は、前後方向に沿って延びている。各ミキサー28及び磁気ローラー29は、筐体24に回転可能に支持されている。各ミキサー28及び磁気ローラー29は、筐体24の収容空間Sに収容されている。
【0047】
図5等に示されるように、現像器10の現像ローラー30は、前後方向に沿って延びている。現像ローラー30は、筐体24に回転可能に支持されている。現像ローラー30は、筐体24の収容空間Sに収容されている。現像ローラー30の右上部は、筐体24の窓部34を介して現像器10の外部に露出している。
【0048】
次に、複合機用ユニット21の保護カバー22について説明する。
【0049】
保護カバー22は、剛体であり、例えば合成樹脂によって形成されている。保護カバー22は、前後方向に沿って延びている。
【0050】
図6等に示されるように、保護カバー22は、カバー本体60と、カバー本体60の後側に設けられるシャッター61と、カバー本体60の後側且つシャッター61の右側に設けられる保持片62と、を備えている。
【0051】
保護カバー22のカバー本体60は、略四角筒状を成している。カバー本体60の上壁部及び右壁部の外面には、複数の第1補強リブ81が前後方向に間隔をおいて列設されている。各第1補強リブ81は、前後方向と直交する方向に沿って延びている。カバー本体60の右壁部の外面には、一対の第2補強リブ82が上下方向に間隔をおいて設けられている。各第2補強リブ82は、前後方向に沿って延びており、各第1補強リブ81と交差している。カバー本体60の左側面には、切欠部65が設けられている。
【0052】
カバー本体60の底壁部の内面には、左右一対のガイドレール63が設けられている。各ガイドレール63は、前後方向に間隔をおいて設けられる複数のレール片64によって構成されており、現像器10を保護カバー22に装着する際には、各ガイドレール63の各レール片64によって現像器10の筐体24の各被ガイド部35(
図5等参照)が前後方向に沿ってガイドされるように構成されている。
【0053】
図4等に示されるように、カバー本体60の底壁部の前部(装着方向手前側の部分)には、下側に向かって係合溝66(係合部)が設けられている。係合溝66の底部には、当接面67が設けられている。当接面67は、上下方向(レバー25の移動方向)と直交するように設けられている。つまり、当接面67は、水平に設けられている。カバー本体60の底壁部の前端部には、係合溝66の前側(装着方向手前側)に押圧部68が設けられている。
【0054】
図7等に示されるように、カバー本体60の後壁部(装着方向奥側の壁部)の内面には、円柱状の嵌合突起69(カバー側嵌合部)が設けられている。嵌合突起69は、シャッター61よりも前側に位置している。
【0055】
図6等に示されるように、保護カバー22のシャッター61は、保護カバー22のカバー本体60と一体に設けられている。シャッター61の後端部は、保護カバー22の外部に露出している。
【0056】
保護カバー22のシャッター61は、水平方向に延びる本体部71と、本体部71の左右両側部から下側に向かって延びる一対の連結部72と、各連結部72の下端部から左右方向内側に向かって延びる一対の対向部73と、各対向部73の左右方向内側の端部から下側に向かって延びる一対の補強部74と、を備えている。各対向部73は、本体部71の左右両側部と間隔を介して対向している。本体部71の左右両側部と各連結部72と各対向部73によって囲まれる空間には、嵌合凹部75が設けられている。
【0057】
保護カバー22の保持片62は、保護カバー22のカバー本体60及びシャッター61と一体に設けられている。保持片62は、シャッター61と隣接して設けられている。保持片62には、円形の軸受穴76が設けられている。
【0058】
次に、現像器10を複合機本体2に対して着脱する方法について説明する。
【0059】
現像器10を複合機本体2に装着する際には、
図8に白抜き矢印Aで示されるように、複合機本体2に設けられた装着部91に現像器10を前後方向に沿って挿入する。これにより、
図9に示されるように、現像器10が複合機本体2に装着される。
【0060】
このように現像器10が複合機本体2に装着されると、コイルスプリング26の付勢力によってレバー25が係合位置(
図9の実線参照)に保持され、複合機本体2の装着部91に設けられた係合凹部92にレバー25の延出部45の下端部が係合する。これにより、複合機本体2からの現像器10の取り外しが規制される。
【0061】
一方で、現像器10を複合機本体2から取り外す際には、レバー25の把持部46の下面を上側に向かって押圧し、コイルスプリング26の付勢力に抗してレバー25を係合位置(
図9の実線参照)から離脱位置(
図9の二点鎖線参照)まで移動させる。これにより、複合機本体2の装着部91の係合凹部92からレバー25の延出部45の下端部が離脱する。この状態で、
図9に白抜き矢印Bで示されるように、複合機本体2の装着部91から現像器10を前後方向に沿って引き抜くと、現像器10が複合機本体2から取り外される。このように、現像器10は、複合機本体2に着脱可能に装着されている。
【0062】
次に、現像器10から感光体ドラム8にトナーを供給する方法について説明する。
【0063】
上記のように現像器10が複合機本体2に装着されると、現像器10がトナーコンテナ5(
図1参照)に接続される。この状態で、トナーコンテナ5から二成分現像剤が排出されると、この二成分現像剤がトナー補給口37を介して現像器10の筐体24の筒状部36に導入され、筒状部36の下端部から筐体24の収容空間Sに補給される。
【0064】
このように筐体24の収容空間Sに補給された二成分現像剤は、各ミキサー28によって撹拌される。各ミキサー28によって撹拌された二成分現像剤は、磁気ローラー29に供給され、磁気ローラー29から現像ローラー30に供給される。現像ローラー30に供給された二成分現像剤に含まれるトナーは、現像ローラー30から感光体ドラム8に供給される。
【0065】
次に、現像器10を保護カバー22に対して着脱する方法について説明する。
【0066】
現像器10を保護カバー22に装着する際には、
図10に白抜き矢印Cで示されるように、複合機本体2から取り外された状態の現像器10を保護カバー22のカバー本体60に前後方向に沿って挿入する。これにより、
図2〜
図4、
図7に示されるように、現像器10が保護カバー22に装着される。
【0067】
このように現像器10が保護カバー22に装着されると、
図3に示されるように、現像器10の上下両面及び右側面が保護カバー22によって覆われる。これに伴って、現像器10の現像ローラー30の右上部(露出部分)が保護カバー22のカバー本体60の右上部によって覆われる。なお、前述のように、保護カバー22のカバー本体60の左側面には切欠部65が設けられているため、現像器10の左側面は保護カバー22によって覆われない。
【0068】
また、上記のように現像器10が保護カバー22に装着されると、
図3に示されるように、現像器10の筐体24の筒状部36に設けられたトナー補給口37が保護カバー22のシャッター61の本体部71によって覆われる。また、筒状部36の鍔部38がシャッター61の嵌合凹部75に嵌合すると共に、シャッター61の本体部71と対向部73によって鍔部38がシール部材27と共に挟み込まれる。また、現像器10のシャフト40が保護カバー22の保持片62の軸受穴76に挿入される。
【0069】
また、上記のように現像器10が保護カバー22に装着されると、
図7に示されるように、現像器10の筐体24の嵌合穴42が保護カバー22のカバー本体60の嵌合突起69に嵌合する。これにより、上下方向や左右方向(前後方向と交差する方向)における現像器10の移動が規制される。
【0070】
また、上記のように現像器10が保護カバー22に装着されると、
図4に示されるように、コイルスプリング26の付勢力によってレバー25が係合位置(
図4の実線参照)に保持され、保護カバー22のカバー本体60に設けられた係合溝66にレバー25の延出部45の下端部が係合する。これにより、前後方向における現像器10の移動が規制され、保護カバー22からの現像器10の取り外しが規制される。また、上記のように係合溝66に延出部45の下端部が係合するのに伴って、係合溝66の当接面67に延出部45の下端部が当接する。
【0071】
一方で、現像器10を保護カバー22から取り外す際には、レバー25の把持部46の下面を上側に向かって押圧し、コイルスプリング26の付勢力に抗してレバー25を係合位置(
図4の実線参照)から離脱位置(
図4の二点鎖線参照)まで移動させる。これにより、レバー25の延出部45の下端部が保護カバー22のカバー本体60の係合溝66から離脱する。この状態で、
図4に白抜き矢印Dで示されるように、保護カバー22から現像器10を前後方向に沿って引き抜くと、現像器10が保護カバー22から取り外される。このように、現像器10は、保護カバー22に着脱可能に装着されている。
【0072】
本実施形態では上記のように、複合機本体2から取り外された状態の現像器10が保護カバー22によって部分的に覆われている。そのため、出荷時や交換時などにおける現像器10の損傷を抑制することが可能となる。また、上記のように現像器10のトナー補給口37を保護カバー22のシャッター61によって覆うことで、現像器10の構成の複雑化を招くことなくトナー補給口37からのトナー漏れを防止することが可能となる。更に、テープやキャップなどの別部材によってトナー補給口37を塞ぐことなくトナー補給口37からのトナー漏れを防止することができるため、現像器10の出荷コストの上昇及び現像器10の出荷作業の煩雑化を抑制することが可能となる。
【0073】
また、上記のようにテープやキャップなどの別部材によってトナー補給口37を塞ぐ必要が無いため、現像器10の使用時に上記の別部材を作業者が取り忘れてトナーコンテナ5から現像器10にトナーを補給できなくなるような不都合を回避することができる。
【0074】
また、現像器10が保護カバー22に装着されると、シャッター61の本体部71と対向部73によって筒状部36の鍔部38が挟み込まれるように構成されている。このような構成を採用することで、筒状部36に対してシャッター61が浮き上がるのを抑制することができるため、トナー補給口37からのトナー漏れを確実に防止することが可能となる。
【0075】
また、現像器10が保護カバー22に装着されると、現像器10の筐体24の嵌合穴42が保護カバー22のカバー本体60の嵌合突起69に嵌合して、上下方向や左右方向(前後方向と交差する方向)における現像器10の移動が規制されている。このような構成を採用することで、保護カバー22に対する現像器10の位置ずれを確実に抑制することが可能となる。これに伴って、シャッター61によってトナー補給口37を確実に覆うことが可能となり、トナー補給口37からのトナー漏れを確実に防止することが可能となる。
【0076】
また、保護カバー22のカバー本体60の係合溝66にレバー25の延出部45の下端部が係合して、前後方向における現像器10の移動が規制されている。このような構成を採用することで、保護カバー22に対する現像器10の位置ずれを一層確実に抑制することが可能となる。これに伴って、シャッター61によってトナー補給口37を一層確実に覆うことが可能となり、トナー補給口37からのトナー漏れを一層確実に防止することが可能となる。
【0077】
また、上記のように保護カバー22のカバー本体60の右上部によって現像ローラー30の右上部(露出部分)を覆うことで、外部からの光(特に、直射日光)が現像ローラー30の右上部に当たるのを抑制することが可能となり、現像ローラー30の劣化を防止することができる。また、上記のようにシャッター61がカバー本体60と一体に設けられることで、保護カバー22の構成を簡易なものとすることが可能となり、保護カバー22の製造コストを安くすることが可能となる。
【0078】
また、上記のようにシャッター61の後端部は、保護カバー22の外部に露出している。このような構成を採用することで、トナー補給口37がシャッター61によって覆われていることを目視によって確認することが可能となる。
【0079】
本実施形態では、複合機本体2から取り外された状態の現像器10が保護カバー22によって部分的に覆われる場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、複合機本体2から取り外された状態の現像器10が保護カバー22によって全体的に覆われても良い。
【0080】
本実施形態では、当接面67を有する係合溝66を係合部とする場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、当接面67を有しない貫通穴を係合部としても良い。
【0081】
本実施形態では、シャッター61によってトナー補給口37(トナー補給用の開口部)を覆う場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、シャッター61によってトナー排出口(トナー排出用の開口部)を覆っても良い。
【0082】
本実施形態では、現像器10を着脱機器とする場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、ドラムユニット20等の現像器10以外の機器を着脱機器としても良い。
【0083】
本実施形態では、トナーとキャリアから成る二成分現像剤を用いて現像処理を行う場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、トナーのみから成る一成分現像剤を用いて現像処理を行っても良い。
【0084】
本実施形態では、複合機1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、プリンター、複写機、ファクシミリ等の複合機1以外の画像形成装置に本発明の構成を適用しても良い。