【実施例】
【0079】
以下、本実施形態を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0080】
<実施例1>
(リチウムイオン二次電池の作製)
本実施例1の電池の作製について説明する。正極集電体として厚み20μmのアルミニウム箔を用い、正極活物質としてLiMn
2O
4を用いた。また、負極集電体として厚み10μmの銅箔を用い、この銅箔上に負極活物質として球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm、)を95質量%用いた。なお、平均粒径は、レーザの光散乱から粒子径を検出するレーザ回折・散乱方式の粒子径・粒度分布装置にて、体積基準の粒度分布測定から求めた。そして、負極と正極とをポリエチレンからなるセパレータを介して積層し、二次電池を作製した。なお、負極の製造においては、バインダ(結着剤)は、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)を2質量%、増粘剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)を1.5質量%、導電材は、カーボンブラックを1.5質量%用いた。また、正極の製造においては、正極用結着剤としてPVdF(株式会社クレハ製KFポリマー)を用い、導電付与材としてアセチレンブラック(ティムカル・グラファイト・アンド・カーボン社製)を用いた。
【0081】
(非水電解液の作製)
非水電解液の溶媒としてECとDECの混合溶媒(体積比:EC/DEC=30/70)を用い、支持電解質としてLiPF
6を非水電解液中1Mとなるように溶解した。
【0082】
添加剤として、上記表1に記載の化合物Aを非水電解液中に0.1mol/L含まれるように加えた。この非水電解液を用いて非水二次電池を作製し、残存容量試験を行った。
【0083】
(残存容量試験)
まず、室温にて充電および放電を1回ずつ行った。この時の条件は設計値から求められるCCCV充電レート1.0C、CC放電レート1.0C、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.5Vとした。
【0084】
その後、各電池をCCCV充電レート1.0C、充電終止電圧4.2Vまで2.5時間、充電し、45℃の恒温槽中で4週間放置した。放置後に室温においてCC放電レート1.0Cにて放電を行い残存容量とした。100×(残存容量)/(放置前の充電容量)(%)を残存容量率(%)とした。結果を表2に示す。なお、表2〜表7中、負極活物質の混合比率は、負極活物質、結着剤、増粘剤および導電材の合計質量に対する各負極活物質(炭素)の質量比率を表す。
【0085】
<実施例2>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を95質量%用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表2に示す。
【0086】
<実施例3>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を95質量%用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表2に示す。
【0087】
<実施例4>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、りん片状易黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=12μm)を95質量%用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表2に示す。
【0088】
<実施例5>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を68質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を27質量%用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表2に示す。
【0089】
<実施例6>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を27質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を68質量%用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表2に示す。
【0090】
<実施例7>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を63質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を22質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を10質量%用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表2に示す。
【0091】
<実施例8>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を22質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を63質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を10質量%用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表2に示す。
【0092】
<実施例9>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)63質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を22質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を5質量%、りん片状易黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=12μm)を5質量%用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表2に示す。
【0093】
<実施例10>
負極活物質として、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を68質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を27質量%用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表2に示す。
【0094】
<実施例11>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Eを電解液中0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表3に示す。
【0095】
<実施例12>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Eを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表3に示す。
【0096】
<実施例13>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Eを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表3に示す。
【0097】
<実施例14>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、りん片状易黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=12μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Eを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表3に示す。
【0098】
<実施例15>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を68質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を27質量%と、表1に示す添加剤の化合物Eを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表3に示す。
【0099】
<実施例16>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を27質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を68質量%と、表1に示す添加剤の化合物Eを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表3に示す。
【0100】
<実施例17>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を63質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を22質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を10質量%と、表1に示す添加剤の化合物Eを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表3に示す。
【0101】
<実施例18>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を22質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を63質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を10質量%と、表1に示す添加剤の化合物Eを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表3に示す。
【0102】
<実施例19>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を63質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を22質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を5質量%、りん片状易黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=12μm)を5質量%と、表1に示す添加剤の化合物Eを電解液中0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表3に示す。
【0103】
<実施例20>
負極活物質として、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を68質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を27質量%と、表1に示す添加剤の化合物Eを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表3に示す。
【0104】
<実施例21>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Gを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表4に示す。
【0105】
<実施例22>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を95質量%、表1に示す添加剤の化合物Gを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表4に示す。
【0106】
<実施例23>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を95質量%、表1に示す添加剤の化合物Gを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表4に示す。
【0107】
<実施例24>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、りん片状易黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=12μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Gを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表4に示す。
【0108】
<実施例25>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を68質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を27質量%と、表1に示す添加剤の化合物Gを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表4に示す。
【0109】
<実施例26>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を27質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を68質量%と、表1に示す添加剤の化合物Gを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表4に示す。
【0110】
<実施例27>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を63質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を22質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を10質量%と、表1に示す添加剤の化合物Gを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表4に示す。
【0111】
<実施例28>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を22質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を63質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を10質量%と、表1に示す添加剤の化合物Gを2質量%用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表4に示す。
【0112】
<実施例29>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を63質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を22質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を5質量%、りん片状易黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=12μm)を5質量%と、表1に示す添加剤の化合物Gを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表4に示す。
【0113】
<実施例30>
負極活物質として、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を68質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を27質量%と、表1に示す添加剤の化合物Gを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表4に示す。
【0114】
<実施例31>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Hを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表5に示す。
【0115】
<実施例32>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Hを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表5に示す。
【0116】
<実施例33>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Hを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表5に示す。
【0117】
<実施例34>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、りん片状易黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=12μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Hを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表5に示す。
【0118】
<実施例35>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を68質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を27質量%と、表1に示す添加剤の化合物Hを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表5に示す。
【0119】
<実施例36>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を27質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を68質量%と、表1に示す添加剤の化合物Hを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表5に示す。
【0120】
<実施例37>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を63質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を22質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を10質量%と、表1に示す添加剤の化合物Hを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表5に示す。
【0121】
<実施例38>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を22質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を63質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を10質量%と、表1に示す添加剤の化合物Hを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表5に示す。
【0122】
<実施例39>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を63質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を22質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を5質量%、りん片状易黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=12μm)を5質量%と、表1に示す添加剤の化合物Hを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表5に示す。
【0123】
<実施例40>
負極活物質として、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を68質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を27質量%と、表1に示す添加剤の化合物Hを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表5に示す。
【0124】
<実施例41>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Iを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表6に示す。
【0125】
<実施例42>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Iを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表6に示す。
【0126】
<実施例43>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Iを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表6に示す。
【0127】
<実施例44>
負極活物質を球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)の代わりに、りん片状易黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=12μm)を95質量%と、表1に示す添加剤の化合物Iを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表6に示す。
【0128】
<実施例45>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を68質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を27質量%と、表1に示す添加剤の化合物Iを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表6に示す。
【0129】
<実施例46>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を27質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を68質量%と、表1に示す添加剤の化合物Iを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表6に示す。
【0130】
<実施例47>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を63質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を22質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を10質量%、表1に示す添加剤の化合物Iを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表6に示す。
【0131】
<実施例48>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を22質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を63質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を10質量%と、表1に示す添加剤の化合物Iを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表6に示す。
【0132】
<実施例49>
負極活物質として、球状天然黒鉛A(平均粒径D
50=20μm)を63質量%、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を22質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を5質量%、りん片状易黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=12μm)を5質量%と、表1に示す添加剤の化合物Iを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表6に示す。
【0133】
<実施例50>
負極活物質として、塊状人造黒鉛A(平均粒径D
50=10μm)を68質量%、塊状難黒鉛化炭素A(平均粒径D
50=9μm)を27質量%と、表1に示す添加剤の化合物Iを0.1mol/L用いる他は実施例1と同様に二次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の特性を調べた。結果を表6に示す。
【0134】
<比較例1>
実施例1において、化合物Aの代わりにメチレンメタンジスルホン酸エステルを用いた以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、実施例1と同様に電池の特性を測定した。結果を表7に示す。
【0135】
<比較例2>
実施例2において、化合物Aの代わりにメチレンメタンジスルホン酸エステルを用いた以外は実施例2と同様に二次電池を作製し、実施例1と同様に電池の特性を測定した。結果を表7に示す。
【0136】
<比較例3>
実施例3において、化合物Aの変わりにメチレンメタンジスルホン酸エステルを用いた以外は実施例3と同様に二次電池を作製し、実施例1と同様に電池の特性を測定した。結果を表7に示す。
【0137】
<比較例4>
実施例4において、化合物Aの代わりにメチレンメタンジスルホン酸エステルを用いた以外は実施例4と同様に二次電池を作製し、実施例1と同様に電池の特性を測定した。結果を表7に示す。
【0138】
<比較例5>
実施例5において、化合物Aの代わりにメチレンメタンジスルホン酸エステルを用いた以外は実施例5と同様に二次電池を作製し、実施例1と同様に電池の特性を測定した。結果を表7に示す。
【0139】
<比較例6>
実施例6において、化合物Aの代わりにメチレンメタンジスルホン酸エステルを用いた以外は実施例6と同様に二次電池を作製し、実施例1と同様に電池の特性を測定した。結果を表7に示す。
【0140】
<比較例7>
実施例7において、化合物Aの代わりにメチレンメタンジスルホン酸エステルを用いた以外は実施例7と同様に二次電池を作製し、実施例1と同様に電池の特性を測定した。結果を表7に示す。
【0141】
<比較例8>
実施例9において、化合物Aの代わりにメチレンメタンジスルホン酸エステルを用いた以外は実施例9と同様に二次電池を作製し、実施例1と同様に電池の特性を測定した。結果を表7に示す。
【0142】
<比較例9>
実施例1において、負極にチタン酸リチウムを用い、表1に示す「化合物A」を用いた。その他は実施例1と同様に次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の残存容量特性を調べた。結果を表7に示す。
【0143】
<比較例10>
実施例1において、負極にチタン酸リチウムを用い、且つ化合物Aの代わりに表1に示す「化合物E」を用いた。その他は実施例1と同様に次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の残存容量特性を調べた。結果を表7に示す。
【0144】
<比較例11>
実施例1において、負極にチタン酸リチウムを用い、且つ化合物Aの代わりに表1に示す「化合物G」を用いた。その他は実施例1と同様に次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の残存容量特性を調べた。結果を表7に示す。
【0145】
<比較例12>
実施例1において、負極にチタン酸リチウムを用い、且つ化合物Aの代わりに表1に示す「化合物H」を用いた。その他は実施例1と同様に次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の残存容量特性を調べた。結果を表7に示す。
【0146】
<比較例13>
実施例1において、負極にチタン酸リチウムを用い、且つ化合物Aの代わりに表1に示す「化合物I」を用いた。その他は実施例1と同様に次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の残存容量特性を調べた。結果を表7に示す。
【0147】
<比較例14>
実施例1において、負極にシリコンを用いた。その他は実施例1と同様に次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の残存容量特性を調べた。結果を表7に示す。
【0148】
<比較例15>
実施例1において、シリコンを用い、且つ化合物Aの代わりに表1に示す「化合物E」を用いた。その他は実施例1と同様に次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の残存容量特性を調べた。結果を表7に示す。
【0149】
<比較例16>
実施例1において、シリコンを用い、且つ化合物Aの代わりに表1に示す「化合物G」を用いた。その他は実施例1と同様に次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の残存容量特性を調べた。結果を表7に示す。
【0150】
<比較例17>
実施例1において、シリコンを用い、且つ化合物Aの代わりに表1に示す「化合物H」を用いた。その他は実施例1と同様に次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の残存容量特性を調べた。結果を表7に示す。
【0151】
<比較例18>
実施例1において、シリコンを用い、且つ化合物Aの代わりに表1に示す「化合物I」を用いた。その他は実施例1と同様に次電池を作製した。以下、実施例1と同様に電池の残存容量特性を調べた。結果を表7に示す。
【0152】
表2〜表7において、化合物(添加剤)それぞれの電解液中への添加量をmol/Lで示した。なお、各実施例および比較例において、溶媒はEC/DEC=3/7(体積比)、支持塩はLiPF
6(電解液中1Mの濃度)を用いた。
【0153】
各実施例および比較例において用いた負極活物質の種類、含有量(質量%)、添加剤の種類、含有量および、容量残存率を表2〜7に示す。なお、各負極活物質の含有量は、負極活物質、結着剤、増粘剤、および導電材の合計に対する質量割合を示す。
【0154】
【表2】
【0155】
【表3】
【0156】
【表4】
【0157】
【表5】
【0158】
【表6】
【0159】
【表7】
【0160】
表2〜7に示したように実施例1〜50に示した電池は、比較例1〜18と比較し、容量残存率が大幅に向上していることが確認された。特に、本案の添加剤である化合物種の中では化合物Iを用いると最も高く容量残存率が向上した。この理由は、比較例に用いたメチレンメタンジスルホン酸エステルを用いた場合よりも、第一炭素、第二炭素、第三炭素もしくは第四炭素の負極上に、低抵抗で良質な皮膜を形成できる機能を有するためと考えられる。このため、容量残存率(自己放電特性)をより改善することができることを見出した。
【0161】
第一炭素、第二炭素、第三炭素もしくは第四炭素を少なくとも一種類以上混合し、且つ本案の添加剤A〜Iを適用することで、負極に低抵抗なSEI皮膜形成しつつ、活物質間の導電パスを低抵抗な状態で保持できた。これにより、容量残存率(自己放電特性)を改善することが示された。
【0162】
さらにまた、本案に用いた表1に示す添加剤の化合物において、R
1およびR
2の1つがアルキル基で他方が水素原子である化合物が最も好ましい理由としては、R
1およびR
2の少なくとも一方が水素電子でないことにより、支持塩の分解生成物との反応性が低下することにあることに起因するという仮説を考えている。そのため、特に炭素を含む負極の表面に形成される皮膜の安定性に関わっていることから、容量残存率(自己放電特性)を大幅に改善できたと考えている。