特許第6380619号(P6380619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6380619
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/26 20060101AFI20180820BHJP
   B65H 31/00 20060101ALI20180820BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   B65H31/26
   B65H31/00 Z
   G03G21/16 104
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-119662(P2017-119662)
(22)【出願日】2017年6月19日
(62)【分割の表示】特願2016-513699(P2016-513699)の分割
【原出願日】2015年3月27日
(65)【公開番号】特開2017-178628(P2017-178628A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2017年6月19日
(31)【優先権主張番号】特願2014-82962(P2014-82962)
(32)【優先日】2014年4月14日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】黒木 裕文
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−87869(JP,A)
【文献】 特開2008−168977(JP,A)
【文献】 特開2009−139819(JP,A)
【文献】 特開2012−188243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H31/00−31/40
G03G13/00、15/00、21/16−21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
シート状の記録材に画像形成処理を施す画像形成部を内包する装置本体と、
前記装置本体の上部に配設される排出トレイと、を備え、
前記排出トレイは、
画像形成処理後に排出される前記記録材を受ける積載面と、
前記積載面よりも上方に位置し、前記積載面の外周を囲む状態で設けられる外縁部と、
前記積載面と前記外縁部との間に設けられる連接面と、を有し、
前記積載面は、前記記録材の排出方向上流側よりも前記排出方向下流側において前記排出方向に直交する幅方向に大きく形成されており、
前記積載面は、前記排出方向の下流側に形成される第2トレイ面を有し、画像形成処理を実行可能な最大の前記記録材を載置可能な大きさに形成されており、
前記連接面は、前記第2トレイ面の前記幅方向の両側に対向して配置される一対の第2ガイド面と、前記第2トレイ面の前記排出方向の下流端部に前記第2ガイド面に連設される第3ガイド面と、を有し
前記連接面は、前記積載面から外側に向かって上り勾配に形成され、
前記積載面と前記連接面との成す角度は、前記排出方向上流側よりも前記排出方向下流側において大きく形成されている。
【請求項2】
請求項に記載の画像形成装置であって、
前記積載面に対する前記連接面の角度は、90度以上180度未満の範囲で設定されている。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記積載面は、前記第2トレイ面よりも前記排出方向上流側に設けられ、前記第2トレイ面よりも前記幅方向に小さく形成される第1トレイ面を有し、
前記連接面は、前記第1トレイ面の前記幅方向両側に対向して配置される一対の第1ガイド面を有している。
【請求項4】
請求項に記載の画像形成装置であって、
前記各第1ガイド面は、前記排出方向上流側から前記排出方向下流側に向かって次第に高くなるように形成されている。
【請求項5】
請求項に記載の画像形成装置であって、
前記第1トレイ面と前記各第1ガイド面との成す角度は、前記排出方向上流側から前記排出方向下流側に向かって次第に大きくなるように形成されている。
【請求項6】
請求項に記載の画像形成装置であって、
前記各第1ガイド面から外側に向かって延びて前記各第2ガイド面に連接される一対の折曲面を有している。
【請求項7】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
原稿の画像情報を読み取る画像読取装置を更に備え、
前記装置本体は、前記画像読取装置の下方に設けられ、
前記排出トレイは、前記装置本体と前記画像読取装置との間に設けられている。
【請求項8】
請求項に記載の画像形成装置であって、
前記画像読取装置の前方に操作部が配置されており、前記操作部の前記幅方向の両端は前記画像読取装置の左右側面より凹んで形成されている。
【請求項9】
請求項に記載の画像形成装置であって、
前記画像読取装置は前記装置本体の後側で支持されている。
【請求項10】
請求項1ないしのいずれかに記載の画像形成装置であって、
前記積載面は、暗色で着色され、
前記装置本体の上端面および前記外縁部のうち少なくとも一方は、前記積載面よりも明度の高い色で着色される明色部を構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンターや複合機等に好適に用いられる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター等の画像形成装置は、枚葉のコピー用紙等の記録材に画像形成処理(印刷)を実行し、印刷した記録材を排出トレイ上に排出する。
【0003】
例えば、画像形成装置は、原稿の画像情報を読み取るための原稿読取部と、原稿読取部の下部に連設され、読み取った画像情報に基づき印刷処理を施す画像形成部と、原稿読取部と画像形成部との間に設けられ、印刷処理後に排出された用紙を受ける排紙部と、を備えている(特許文献1参照)。このような所謂胴内排紙型の排紙部は、原稿読取部と排紙トレイとの間に印刷済みの用紙を取り出すための開口部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−139819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような胴内排紙型の画像形成装置は、一般的に、排紙トレイを目視し難い構造であるため、ユーザーは、狭い開口部に手を差し込み、手探りで印刷済みの用紙を取り出さなければならなかった。このため、上記の画像形成装置は、容易に用紙を取り出すことができないという問題を有していた。特に、画像形成装置を小型化した場合、原稿読取部と排紙トレイとの間の距離(開口部)が小さくなるため、更に用紙の取り出しが困難になる虞もあった。
【0006】
また、例えば、印刷処理を連続して実行する場合、排紙された用紙が、後から排紙される用紙によって押し出され、排紙トレイから飛び出す虞があった。さらに、例えば、複数の用紙が排紙トレイ上に不揃いな状態で積層された場合、用紙束が崩れ落ちる虞もあった。
【0007】
本発明は上記した課題を解決すべく、排出された記録材を適切に保持するための排出トレイを含む画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、シート状の記録材に画像形成処理を施す画像形成部を内包する装置本体と、前記装置本体の上部に配設される排出トレイと、を備え、前記排出トレイは、画像形成処理後に排出される前記記録材を受ける積載面と、前記積載面よりも上方に位置し、前記積載面の外周を囲む状態で設けられる外縁部と、前記積載面と前記外縁部との間に設けられる連接面と、を有し、前記積載面は、前記記録材の排出方向上流側よりも前記排出方向下流側において前記排出方向に直交する幅方向に大きく形成されており、前記積載面は、前記排出方向の下流側に形成される第2トレイ面を有し、画像形成処理を実行可能な最大の前記記録材を載置可能な大きさに形成されており、前記連接面は、前記第2トレイ面の前記幅方向の両側に対向して配置される一対の第2ガイド面と、前記第2トレイ面の前記排出方向の下流端部に前記第2ガイド面に連設される第3ガイド面と、を有している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、排出された記録材を適切に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る複合機の内部構造を模式的に示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る複合機を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る複合機の排出トレイ等を示す平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る複合機の排出トレイ等を模式的に示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る複合機の排出トレイを示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態の変形例に係るプリンターを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0012】
図1および図2を参照して、一実施形態に係る画像形成装置としての複合機1の概要について説明する。図1は複合機1の内部構造の概略を示す模式図である。図2は複合機1を示す斜視図である。なお、説明の便宜上、各図に示す矢印Frを複合機1の正面(前側)とする。
【0013】
複合機1は、画像読取装置1Aと、プリント装置1Bと、を備えている。
【0014】
画像読取装置1Aは、原稿の画像情報を光学的に読み取るスキャナー部100と、スキャナー部100の読み取り位置に向かって原稿を搬送する自動原稿送り装置101と、を有している。スキャナー部100の前部には、液晶パネルやプッシュボタン等を含む操作部102が設けられている。ユーザーは、操作部102を操作することによって複合機1の各種機能の実行や設定変更を行う。なお、画像読取装置1Aは公知の一般的な構造であるため、詳細な説明は省略する。
【0015】
画像読取装置1A(後述する脚部103を含む)の表面は、暗色としての黒色で着色されている。なお、各図では、黒色で着色された部分をドットで表現している。
【0016】
プリント装置1Bは、装置本体2と、給紙カセット3と、画像形成部5と、定着装置6と、排出トレイ7と、制御装置8と、を含んで構成されている。
【0017】
装置本体2は、プリント装置1Bの外装部材として略立方体状に形成されている。装置本体2は、プリント装置1Bの各構成部材を内包している。上記した画像読取装置1Aは、脚部103を介して装置本体2(排出トレイ7)の後側上面に支持されている。すなわち、装置本体2は、画像読取装置1Aの下方に空間を挟んで設けられている。
【0018】
給紙カセット3は、装置本体2の下部に配設され、外部に引き出し可能に構成されている。給紙カセット3は、シート状の記録材としての枚葉の用紙Sを内部に収納する(収納枚数:最大500枚程度)。なお、記録材は、紙製の用紙Sに限らず、樹脂フィルムやOHPシート等であってもよい。
【0019】
画像形成部5は、給紙カセット3から搬送経路4に供給された用紙Sに画像形成処理を施す(トナー像を転写する)。画像形成部5は、補給用のトナーを収納したトナーコンテナ10と、軸周りに回転可能に設けられる感光体ドラム11と、を含んで構成されている。感光体ドラム11の周囲には、帯電器12と、光走査装置13と、現像装置14と、転写ローラー15と、クリーニング装置16とが、転写プロセス順に配置されている。定着装置6は、転写したトナー像を用紙Sに定着させる。
【0020】
搬送経路4の下流端部には、装置本体2の内部と外部とを連通させる排出口20が形成されている。排出口20の内側近傍には、定着処理後の用紙Sを排出トレイ7に向かって送り出す排出ローラー21が設けられている。
【0021】
排出トレイ7は、装置本体2の上部に配設されている。したがって、排出トレイ7は、装置本体2と画像読取装置1A(スキャナー部100)との間に設けられている。排出トレイ7と画像読取装置1Aとの間には、排出トレイ7から用紙Sを取り出すための取出開口Mが形成されている。
【0022】
ここで、複合機1の画像形成処理について簡単に説明する。例えば、プリント装置1B(制御装置8)は、画像読取装置1Aで読み取られて光電変換された画像データやパソコン等の外部装置から送信された画像データに基づいて、以下のように画像形成処理を実行する。
【0023】
光走査装置13は、感光体ドラム11に向かって画像データに対応したレーザー光(図1の破線矢印参照)を照射する。これにより、帯電器12によって所定電位に帯電した感光体ドラム11の表面に静電潜像が形成される。現像装置14は、トナーコンテナ10から供給されたトナーによって、静電潜像をトナー像に現像する。
【0024】
一方、給紙カセット3から供給された用紙Sは、搬送経路4を搬送されて感光体ドラム11と転写ローラー15との間を通る。そして、転写ローラー15は、印加された転写バイアスによってトナー像を用紙Sに転写する。定着装置6による定着処理後の用紙Sは、排出口20から排出トレイ7上に排出される。なお、感光体ドラム11上に残留したトナーは、クリーニング装置16によって回収される。
【0025】
次に、図2ないし図5を参照して、排出トレイ7を含む装置本体2の上面構成について詳細に説明する。図3は排出トレイ7等を示す平面図である。図4は排出トレイ7等を模式的に示す断面図である。図5は排出トレイ7を示す斜視図である。
【0026】
図2に示すように、排出トレイ7は、装置本体2のフレーム(図示せず)に取り付けられ、プリント装置1Bの上面を構成している。排出トレイ7は、例えば、合成樹脂材料を用いて、平面視で略矩形状に形成されている(図3等参照)。
【0027】
排出トレイ7は、積載面22と、外縁部23と、連接面24と、を含んで一体形成されている。積載面22は、画像形成処理後に排出される用紙Sを受けるように形成されている。外縁部23は、積載面22よりも上方に位置し、積載面22の外周を囲む状態で設けられている。連接面24は、積載面22と外縁部23との間に設けられている。
【0028】
図3ないし図5に示すように、積載面22は、排出可能(画像形成処理を実行可能)な最大の用紙Sを載置可能な大きさに形成されている。積載面22は、第1トレイ面22aと、第2トレイ面22bと、を有している。
【0029】
第1トレイ面22aは、平面視で略矩形状に形成されている。第1トレイ面22aは、排出方向上流側(後側)に設けられ、前方に向かって上り勾配に形成されている。第2トレイ面22bは、平面視で第1トレイ面22aよりも幅方向(左右方向)に大きな略矩形状に形成されている。第2トレイ面22bは、第1トレイ面22aの前端部に連設され、前方に向かって略水平に形成されている。
【0030】
第1トレイ面22aの後端部は、装置本体2の後側に位置している。第1トレイ面22aの後端部と後側外縁部23b(後述する)との間には、略垂直な段差面25が形成されている(図4参照)。上記した排出口20は、積載面22上に約250枚の用紙Sを積載できるように段差面25の上部に形成されている。なお、用紙Sの積載可能な枚数は任意に設定してもよい。
【0031】
図2および図3に示すように、外縁部23は、前側外縁部23aと、後側外縁部23bと、右側外縁部23cと、左側外縁部23dと、を有し、積載面22の外周を囲むように一体形成されている。前側外縁部23aは、第2トレイ面22bの前端部を兼ねるように一体形成されている。右側外縁部23cは、平面視で左側外縁部23dよりも僅かに幅広く形成されている。後側外縁部23bは、平面視で右側外縁部23cよりも幅広く形成されている。
【0032】
図2図3および図5に示すように、左右両外縁部23c,23dの内側には、それぞれ、内側縁面26が形成されている。各内側縁面26の前側は、各外縁部23c,23dと同一平面上に形成されている。各内側縁面26の後側は、後方に向かって下り勾配に形成されている。各内側縁面26の後端部は、第1トレイ面22aと同一平面を成している。
【0033】
図3および図5に示すように、連接面24は、積載面22から外側に向かって上り勾配に形成されている。詳細には、連接面24は、左右一対の第1ガイド面24aと、左右一対の第2ガイド面24bと、第3ガイド面24cと、を有している。左右一対の第1ガイド面24aは、第1トレイ面22aの幅方向両側に対向して配置されている。左右一対の第2ガイド面24bは、第2トレイ面22bの幅方向両側に対向して配置されている。第3ガイド面24cは、第2トレイ面22bの排出方向下流端部(前端部)に配置されている。
【0034】
左右一対の第1ガイド面24aは、左右対称に且つ略平行に配設されている。左右一対の第1ガイド面24aは、第1トレイ面22aの左右両端部と各内側縁面26の後側との間に形成されている。各第1ガイド面24aは、後方から前方に向かって次第に高くなるように形成されている。第1トレイ面22aと各第1ガイド面24aとの成す角度は、後方から前方に向かって次第に大きくなるように形成されている。つまり、第1ガイド面24aの前部での当該角度θ2は、第1ガイド面24aの後部での当該角度θ1よりも大きく形成されている(θ2>θ1)。第1トレイ面22aと各第1ガイド面24aとの成す角度θ1は100度程度、θ2は120度程度に形成されている。なお、左右一対の第1ガイド面24aの間隔W1(第1トレイ面22aの左右幅)は、排出可能な最大の用紙Sの幅よりも大きく形成されている。
【0035】
左右一対の第2ガイド面24bは、左右対称に且つ略平行に配設されている。左右一対の第2ガイド面24bは、第2トレイ面22bの左右両端部と各内側縁面26の前側との間に形成されている。第2トレイ面22bと各第2ガイド面24bとの成す角度θ3は、約135度に形成されている。第2トレイ面22bは第1トレイ面22aよりも幅広く形成されているため、左右一対の第2ガイド面24bの間隔W2は、左右一対の第1ガイド面24aの間隔W1よりも大きく形成されている(W2>W1)。
【0036】
第3ガイド面24cは、第2トレイ面22bの前端部と前側外縁部23aとの間に形成されている。第2トレイ面22bと第3ガイド面24cとの成す角度θ4は、約135度に形成されている。なお、各第2ガイド面24bおよび第3ガイド面24cの高さは、任意であるが、本実施形態では約20mmに設定されている。つまり、第2トレイ面22bは、外縁部23(内側縁面26)から約20mm下がった位置に形成されている。
【0037】
以上のように、積載面22と連接面24との成す角度θ1〜θ4は、排出方向上流側よりも排出方向下流側において大きく形成されている。なお、積載面22に対する連接面24の角度は、上記した角度に限らず、90度以上180度未満の範囲で任意に設定してもよい。
【0038】
また、各第1ガイド面24aと各第2ガイド面24bとの間には、折曲面24dが形成されている。左右一対の折曲面24dは、それぞれ、第1ガイド面24aから外側に向かって延びて第2ガイド面24bに連接されている。したがって、第1ガイド面24a、折曲面24dおよび第2ガイド面24bは、平面視でクランク状に形成されている。
【0039】
排出トレイ7の上面全体は、暗色としての黒色で着色されている。つまり、排出トレイ7は、一般的な白色の用紙S(普通紙)よりも明度の低い色で着色されている。
【0040】
図2および図3に示すように、装置本体2は、前側外装部2aと、後側外装部2bと、右側外装部2cと、左側外装部2dと、を有している。
【0041】
4つの外装部2a〜2dは、例えば、合成樹脂材料を用いて、側面視で略矩形状に形成されている。4つの外装部2a〜2dは、排出トレイ7の外周を囲むように装置本体2のフレームに取り付けられ、プリント装置1Bの前後左右の外側面を構成している。4つの外装部2a〜2dの上端面は、それぞれ対応する各外縁部23a〜23dの上面と同一平面上に形成されている。
【0042】
4つの外装部2a〜2dの下部(給紙カセット3が装着される部分)は、それぞれ黒色で着色されている。4つの外装部2a〜2dは、それぞれ、給紙カセット3が装着される下部を除いて、明色としての白色で着色されている。また、4つの外装部2a〜2dの上端面は、それぞれ白色で着色されている。これにより、装置本体2の上端面は、排出トレイ7よりも明度の高い色で着色される明色部30を構成している。
【0043】
明色部30は、排出トレイ7の周囲に帯状に連続して形成されている。つまり、画像読取装置1Aが取り外された状態において、明色部30は、平面視で矩形環状に形成されている。実際には、排出トレイ7の後側に画像読取装置1Aが載置されているため、明色部30の後側半分以上は画像読取装置1A(脚部103)に覆われている。したがって、明色部30の前部(前側外装部2aの上端面および左右一対の外装部2c,2dの前側上端面)が、取出開口Mに露出している。
【0044】
以上説明した本実施形態に係る複合機1によれば、積載面22は、外縁部23よりも下方に凹設されているため、排出された用紙Sを適切に保持することができる。例えば、画像形成処理を連続して実行する場合に、積載面22に載置された用紙Sが、後から排出される用紙Sによって押し出され、排出トレイ7から飛び出すことを防止することができる。
【0045】
また、積載面22は、用紙Sの排出方向上流側(後側)よりも排出方向下流側(前側)において排出方向に直交する幅方向(左右方向)に大きく形成されている。このため、積載面22の幅方向に対向する連接面24の間隔は、後側よりも前側で幅広く形成されている。したがって、後側に配置された左右一対の第1ガイド面24aは、排出される用紙Sの幅方向の位置を規制する。これにより、複数の用紙Sを積載面22上に揃えた状態で積層することができ、用紙Sの束の崩れ落ちを防止することができる。また、前側(取出開口M)に配置された第2トレイ面22b(左右一対の第2ガイド面24bの間隔W2)は幅広く形成されているため、ユーザーは、積載面22上に載置(積層)された用紙Sを容易に取り出すことができる。
【0046】
また、本実施形態に係る複合機1によれば、各第1ガイド面24aを略起立姿勢にすることで、排出される用紙Sの位置規制を有効に行うことができる。すなわち、用紙Sは、一対の第1ガイド面24aに整えられながら装置本体2内から排出され、各トレイ面22a,22b上に載置される。また、各第2ガイド面24bおよび第3ガイド面24cを大きく外側に傾ける(寝かせる)ことで、積載面22(第2トレイ面22b)が上方に向かって大きく開放される。これにより、ユーザーは、更に容易に用紙Sを取り出すことができる。
【0047】
所謂胴内排出型の複合機1は、排出トレイ7を目視し難い構造を有しているが、積載面22が外縁部23の下方に位置するため、積載面22と画像読取装置1A(正確には、操作部102の前端部)との間の距離H(図1参照)を大きく確保することができる。また、第2トレイ面22bの前端部に第3ガイド面24cを設けることで、取出開口Mを大きく形成することができる。これにより、ユーザーは、取出開口Mから幅広い第2トレイ面22b上の用紙Sを容易に取り出すことができる。
【0048】
排出トレイ7の積載面22が暗色に着色されているため、積載面22と用紙S(例えば白い普通紙)との間の明度差が大きくなる。これにより、ユーザーは、排出トレイ7に排出された用紙Sの確認を容易に行うことができる。一方、排出トレイ7の積載面22の外側には、積載面22よりも明るい色で着色された明色部30が形成されている。したがって、明色部30は、積載面22を強調して用紙Sの排出領域を明確にする。これにより、ユーザーは、明色部30を目印にして積載面22上の用紙Sを取り出すことができる。また、所謂胴内排出型の複合機1は、排出トレイ7を目視し難い構造を有しているが、ユーザーは、明色部30によって排出トレイ7の所在を明確に視認することができる。
【0049】
なお、以上説明した本実施形態では、一例として、胴内排出型の複合機1に本発明を適用した場合を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図6に示すように、画像読取装置1Aを省略したプリンター40に、上記した排出トレイ7を適用してもよい。なお、プリンター40は、上記したプリント装置1Bと同様の構成を有しているため、詳細な説明は省略する。
【0050】
なお、本実施形態に係る複合機1等は、積載面22を左右幅の異なる2つのトレイ面22a,22bで構成し、左右両側の連接面24をクランク状に形成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、積載面の平面形状を、後側から前側に向かって左右方向に広がる台形状に形成してもよい。この場合、各折曲面24dを省略して、各第1ガイド面24aと各第2ガイド面24bとを直線的に繋げてもよい。
【0051】
なお、本実施形態に係る複合機1等は、排出トレイ7全体を暗色で着色していたが、本発明はこれに限定されない。排出トレイ7のうち少なくとも積載面22および段差面25(排出口20の周囲)が、暗色で着色されていればよい。
【0052】
なお、本実施形態に係る複合機1等は、装置本体2の上端面に明色部30を構成したが、本発明はこれに限定されない。明色部30は、装置本体2の上端面および排出トレイ7の外縁部23(23a〜23d)のうち少なくとも一方に形成されていればよい。なお、明色部30は、連続した帯状に形成されていたが、これに限らず、不連続に形成されていてもよい。
【0053】
なお、本実施形態に係る複合機1等は、排出トレイ7を黒色で着色し、装置本体2(明色部30)を白色で着色したが、本発明はこれに限定されない。例えば、排出トレイ7を明度の低い灰色や濃紺色で着色してもよいし、明色部30を明度の高い灰色やクリーム色で着色してもよい。なお、排出トレイ7の色と用紙Sの色(白色)との明度差は、マンセル表色系で3以上になるように設定することが好ましい。また、明色部30の色の明度は、マンセル表色系で7以上になるように設定することが好ましい。
【0054】
なお、装置本体2や排出トレイ7の着色方法は任意であり、例えば、着色済みの樹脂原料を用いてもよいし、塗装によって着色してもよい。
【0055】
なお、各実施形態では、一例として、本発明を単色の複合機等に適用した場合を説明したが、これに限らず、例えば、フルカラープリンターやファクシミリ等に本発明を適用してもよい。
【0056】
なお、上記した本発明の実施の形態の説明は、本発明に係る画像形成装置における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。さらに、上記した本発明の実施の形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6