特許第6380767号(P6380767)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6380767
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】ベアリングオイル除去型ロータ構造
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/18 20060101AFI20180820BHJP
   F16J 15/447 20060101ALI20180820BHJP
   F16J 15/54 20060101ALI20180820BHJP
   F16J 15/42 20060101ALI20180820BHJP
   F01D 25/16 20060101ALI20180820BHJP
   F02C 7/06 20060101ALI20180820BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20180820BHJP
   F16J 15/3288 20160101ALN20180820BHJP
【FI】
   F01D25/18 A
   F16J15/447
   F16J15/54
   F16J15/42
   F01D25/16 E
   F02C7/06 D
   F01D25/00 F
   !F16J15/3288
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-220564(P2016-220564)
(22)【出願日】2016年11月11日
(65)【公開番号】特開2017-110636(P2017-110636A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2016年11月11日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0178518
(32)【優先日】2015年12月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】507002918
【氏名又は名称】ドゥサン ヘヴィー インダストリーズ アンド コンストラクション カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アン、ジュン ホ
【審査官】 北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−152406(JP,U)
【文献】 特開2005−307982(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0196140(US,A1)
【文献】 実開昭61−164402(JP,U)
【文献】 特表2003−526062(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/138617(WO,A1)
【文献】 特開2006−153013(JP,A)
【文献】 実開昭54−034853(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/18
F01D 25/00
F01D 25/16
F02C 7/06
F16J 15/42
F16J 15/447
F16J 15/54
F16J 15/3288
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンのケーシング内部に配置されるロータシャフトと、
前記ロータシャフトの表面に沿ってベアリング支持体からオイルデフレクタ方向に流れるベアリングオイルを飛散させるように、前記ロータシャフト上で前記オイルデフレクタと前記ベアリング支持体との間に円周方向に形成される環状のオイル飛散手段であり、前記オイル飛散手段は、前記ロータシャフト上に加工される複数の飛散溝の形態で提供され、前記複数の飛散溝は、前記ベアリング支持体方向に傾斜する、オイル飛散手段と、
前記ベアリング支持体から前記オイルデフレクタ方向に流れるベアリングオイルの流れを妨げるように、前記複数の飛散溝の間に形成される第1微細溝の形態で提供される第1インタラプション部と、
を含む、ベアリングオイル除去型ロータ構造。
【請求項2】
前記オイル飛散手段によるベアリングオイルの飛散方向は、前記ベアリング支持体と前記ケーシングとの間である、請求項1に記載のベアリングオイル除去型ロータ構造。
【請求項3】
前記複数の飛散溝は、前記ベアリング支持体に隣接した面が多段に傾斜して提供される、請求項1または2に記載のベアリングオイル除去型ロータ構造。
【請求項4】
前記複数の飛散溝は、前記ロータシャフト上で複数個形成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のベアリングオイル除去型ロータ構造。
【請求項5】
タービンのケーシング内部に配置されるロータシャフトと、
前記ロータシャフトの表面に沿ってベアリング支持体からオイルデフレクタ方向に流れるベアリングオイルを飛散させるように、前記ロータシャフト上で前記オイルデフレクタと前記ベアリング支持体との間に円周方向に形成される環状のオイル飛散手段と、
を含み、前記オイル飛散手段は、前記ロータシャフト上に加工される飛散溝の形態で提供され、前記飛散溝は、前記ベアリング支持体方向に傾斜し且つ前記ベアリング支持体に隣接した面が多段に傾斜して提供される、ベアリングオイル除去型ロータ構造。
【請求項6】
タービンのケーシング内部に配置されるロータシャフトと、
ベアリング支持体からオイルデフレクタ方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ロータシャフト上で前記オイルデフレクタと前記ベアリング支持体との間に円周方向に形成される環状のオイル遮断手段と、
前記オイル遮断手段上に円周方向に形成され、前記オイル遮断手段に沿って流れるベアリングオイルが飛散するように提供される環状のオイル飛散手段と、
前記ベアリング支持体から前記オイルデフレクタ方向に流れるベアリングオイルの流れを妨げるように、前記ロータシャフト上で前記オイル遮断手段と前記ベアリング支持体との間に配置される第2インタラプション部と、
を含み、前記オイル飛散手段は、前記ロータシャフト上で前記オイル遮断手段の内部に加工される飛散溝の形態で提供され、前記飛散溝は、前記ベアリング支持体方向に傾斜し
前記第2インタラプション部は、前記オイル遮断手段と前記ベアリング支持体との間に形成される第2微細溝の形態で提供される、ベアリングオイル除去型ロータ構造。
【請求項7】
前記オイル遮断手段は、前記ベアリング支持体から前記オイルデフレクタ方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ベアリング支持体に隣接した面は傾斜し、前記オイルデフレクタに隣接した面は段付きである、請求項に記載のベアリングオイル除去型ロータ構造。
【請求項8】
前記オイル遮断手段は、前記ベアリング支持体から前記オイルデフレクタ方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ベアリング支持体に隣接した面および前記オイルデフレクタに隣接した面は、前記ベアリング支持体方向に傾斜している、請求項に記載のベアリングオイル除去型ロータ構造。
【請求項9】
前記オイル飛散手段によるベアリングオイルの飛散方向は、前記ベアリング支持体と前記ケーシングとの間である、請求項からのいずれか一項に記載のベアリングオイル除去型ロータ構造。
【請求項10】
前記飛散溝は、前記ロータシャフト上で複数個形成される、請求項からのいずれか一項に記載のベアリングオイル除去型ロータ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベアリングオイル除去型ロータ構造に関し、より詳細には、ベアリングとオイルデフレクタとの間でロータのシャフトに沿って流れるベアリングオイルを除去することにより、オイルデフレクタにおける高温の作動流体との反応による炭化作用を抑制することができるロータ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、タービン(turbine)は、ガス(gas)、スチーム(steam)などの流体の熱エネルギーを機械エネルギーの回転力に変換する動力発生装置で、流体によって軸回転するように複数の回転翼(bucket)を含むロータ(rotor)と、ロータの周りを囲んで設けられ、複数の固定翼(diaphram)が備えられたケーシング(casing)とを含む。
【0003】
ここで、ガスタービンは、圧縮機と燃焼器とタービンとを含んで構成され、圧縮機の回転によって外部空気が吸入、圧縮された後に燃焼器に送られ、燃焼器で圧縮空気と燃料との混合によって燃焼が行われる。燃焼器で発生した高温・高圧のガスは、タービンを通過しながらタービンのロータを回転させて発電機を駆動させる。
【0004】
スチームタービンの場合、高圧タービンと中圧タービンおよび低圧タービンを直列または並列に連結してロータを回転させるが、直列構造からなる場合には、高圧タービンと中圧タービンおよび低圧タービンが1つのロータを共有する。
【0005】
スチームタービンにおいて、それぞれのタービンは、ケーシング内部のロータを中心として固定翼と回転翼とを備えており、スチームが固定翼と回転翼を通過しながらロータを回転させて発電機を駆動させることができる。
【0006】
このようなロータの回転中心にはシャフトが配置される。そして、シャフトの円滑な回転のために、シャフトの両側端部にはベアリングが接触して配置される。図1を参照すれば、シャフト4の端部にベアリング6が接触してシャフトの回転を円滑にし、このようなベアリング6はベアリング支持体5が固定支持する。
【0007】
シャフト4の回転を補助するベアリングの寿命延長および正常作動のためには、ベアリングオイルが供給されなければならない。ところが、ベアリングに投入されたオイルがベアリングを通してシャフト4に流入し、シャフト4に沿って流れるとタービン1の内側に流入する問題が発生する(図面符号A)。これを防止するために、従来は、ベアリング支持体5にブラシシール7を装着してその流れを遮断した。また、ブラシシール7を通過する場合に備えて、オイルデフレクタ(deflector)2を配置し、オイルデフレクタ2上にはラビリンスシール3を装着して、タービン1の中心方向へのベアリングオイルの流れを遮断した。
【0008】
ところが、作動環境でロータは軸方向または円周方向の動きが不可避に発生し、この時、オイルデフレクタ2のラビリンスシール3とベアリング支持体5のブラシシール7が本来の機能を発揮できない場合が発生する。
【0009】
この場合、ベアリングオイルはオイルデフレクタ2を通過し、高温・高圧のガスまたはスチームと反応して炭化する問題をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4350345号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記の従来技術の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ロータのシャフト上に一定の形状を実現することで、ベアリングとオイルデフレクタとの間でロータのシャフトに沿って流れるベアリングオイルを除去して、オイルデフレクタにおける高温の作動流体との反応による炭化作用を抑制することができるロータ構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための本発明は、ベアリングオイル除去型ロータ構造に関し、圧縮機セクションとタービンセクションとを連結し、タービンのケーシング内部に配置されるロータシャフトと、前記ロータシャフトの表面に沿ってベアリング支持体からオイルデフレクタ方向に流れるベアリングオイルを飛散させるように、前記ロータシャフト上で前記オイルデフレクタと前記ベアリング支持体との間に円周方向に形成される環状のオイル飛散手段とを含むことができる。
【0013】
本発明の実施形態では、前記オイル飛散手段によるベアリングオイルの飛散方向は、前記ベアリング支持体と前記ケーシングとの間であるとよい。
【0014】
本発明の実施形態では、前記オイル飛散手段は、前記ロータシャフト上に加工される飛散溝の形態で提供されるが、前記飛散溝は、前記ベアリング支持体方向に傾斜するように構成される。
【0015】
本発明の実施形態では、前記飛散溝は、前記ベアリング支持体に隣接した面が多段に傾斜して提供される。
【0016】
本発明の実施形態では、前記飛散溝は、前記ロータシャフト上で複数個形成される。
【0017】
本発明の実施形態では、前記ベアリング支持体から前記オイルデフレクタ方向に流れるベアリングオイルの流れを妨げるように、前記複数の飛散溝の間に配置される第1インタラプション部をさらに含むことができる。
【0018】
本発明の実施形態では、前記第1インタラプション部は、前記複数の飛散溝の間に形成される第1微細溝の形態で提供される。
【0019】
本発明の実施形態では、前記第1インタラプション部は、前記複数の飛散溝の間に形成される第1微細突起の形態で提供される。
【0020】
上記の目的を達成するための本発明は、ベアリングオイル除去型ロータ構造に関し、タービンのケーシング内部に配置されるロータシャフトと、ベアリング支持体からオイルデフレクタ方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ロータシャフト上で前記オイルデフレクタと前記ベアリング支持体との間に円周方向に形成される環状のオイル遮断手段と、前記オイル遮断手段上に円周方向に形成され、前記オイル遮断手段に沿って流れるベアリングオイルが飛散するように提供される環状のオイル飛散手段とを含むことができる。
【0021】
本発明の実施形態では、前記オイル遮断手段は、前記ベアリング支持体から前記オイルデフレクタ方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ベアリング支持体に隣接した面は傾斜するが、前記オイルデフレクタに隣接した面は段付きであるとよい。
【0022】
本発明の実施形態では、前記オイル遮断手段は、前記ベアリング支持体から前記オイルデフレクタ方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ベアリング支持体に隣接した面および前記オイルデフレクタに隣接した面は、前記ベアリング支持体方向に傾斜する。
【0023】
本発明の実施形態では、前記オイル飛散手段によるベアリングオイルの飛散方向は、前記ベアリング支持体と前記ケーシングとの間であるとよい。
【0024】
本発明の実施形態では、前記オイル飛散手段は、前記ロータシャフト上で前記オイル遮断手段の内部に加工される飛散溝の形態で提供されるが、前記飛散溝は、前記ベアリング支持体方向に傾斜する。
【0025】
本発明の実施形態では、前記飛散溝は、前記ロータシャフト上で複数個形成される。
【0026】
本発明の実施形態では、前記ベアリング支持体から前記オイルデフレクタ方向に流れるベアリングオイルの流れを妨げるように、前記ロータシャフト上で前記オイル遮断手段と前記ベアリング支持体との間に配置される第2インタラプション部をさらに含むことができる。
【0027】
本発明の実施形態では、前記第2インタラプション部は、前記オイル遮断手段と前記ベアリング支持体との間に形成される第2微細溝の形態で提供される。
【0028】
本発明の実施形態では、前記第2インタラプション部は、前記オイル遮断手段と前記ベアリング支持体との間に形成される第2微細突起の形態で提供される。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ロータのベアリングとオイルデフレクタとの間に位置するシャフト上に一定形態の溝を加工することにより、ベアリングからオイルデフレクタ方向に流れるベアリングオイルの流れを遮断することができる。
【0030】
また、加工された溝にベアリング方向への傾斜度をおいて加工された溝に流入するベアリングオイルが残留せず、シャフトの回転時にベアリング方向に飛散するようにして、ベアリングオイルを除去することができる。
【0031】
さらに、このような加工された溝をロータのシャフト上に複数個配置するか、または多段に構成して、ベアリングオイルの流れをより効果的に遮断することができる。
【0032】
また、加工された溝に隣接して微細突起部または微細陥没部を実現して、ベアリングオイルの遮断および飛散を強化することができる。
【0033】
これは、窮極的にベアリングからオイルデフレクタ方向へのベアリングオイルの流れを遮断して、オイルデフレクタにおける高温の作動流体との反応による炭化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】従来のタービンのロータシャフトに沿ってベアリングオイルが流れる状態を示す図である。
図2】本発明であるロータ構造の第1実施形態を示す図である。
図3】本発明であるロータ構造の第2実施形態を示す図である。
図4】本発明であるロータ構造の第3実施形態を示す図である。
図5】本発明であるロータ構造の第4実施形態を示す図である。
図6】本発明であるロータ構造の第5実施形態を示す図である。
図7】本発明であるロータ構造の第6実施形態を示す図である。
図8】本発明であるロータ構造の第7実施形態を示す図である。
図9】本発明であるロータ構造の第8実施形態を示す図である。
図10】本発明であるロータ構造の第9実施形態を示す図である。
図11】本発明であるロータ構造の第10実施形態を示す図である。
図12】本発明であるロータ構造の第11実施形態を示す図である。
図13】本発明であるロータ構造の第12実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付した図面を参照して、本発明に係るベアリングオイル除去型ロータ構造の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0036】
図2は、本発明であるロータ構造の第1実施形態を示す図である。図2を参照すれば、本発明の第1実施形態は、ロータシャフト30と、オイル飛散手段50とを含んで構成される。
【0037】
まず、前記ロータシャフト30は、タービン10の構成要素である圧縮機セクションとタービンセクションとを連結し共に回転させる部品として提供され、タービン10のケーシング12内部に配置される。このような前記ロータシャフト30の両側は、ベアリング支持体40によってそれぞれ支持されて円滑に回転するように装着され、それぞれのベアリング支持体40に隣接してオイルデフレクタ20が配置される。前記オイルデフレクタ20は、歯形部21により、ベアリングの円滑な作動のために投入されるベアリングオイルがロータシャフト30に沿って圧縮機セクションまたはタービンセクションに流れるのを防止する。
【0038】
次に、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30の表面に沿ってベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルを飛散させるように、前記ロータシャフト30上で前記オイルデフレクタ20と前記ベアリング支持体40との間に円周方向に形成される。図2には前記ロータシャフト30の側断面図を示しており、前記ロータシャフト30上に前記オイル飛散手段50が加工された形態を確認することができる。
【0039】
このような前記オイル飛散手段50によるベアリングオイルの飛散方向は、前記ベアリング支持体40と前記ケーシング12との間であるとよい。このために、本発明の第1実施形態では、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30上に加工される飛散溝51の形態で提供される。そして、このような前記飛散溝51は、前記ベアリング支持体40方向に傾斜して形成される。
【0040】
再び図2を参照すれば、前記飛散溝51は、傾斜度Φに傾斜した一側傾斜部51aおよび他側傾斜部51bと、溝端部51cとで構成される。前記傾斜度Φは、タービン10の作動環境によって適切に選択可能である。例えば、前記ベアリング支持体40と前記ケーシング12との間の方向にベアリングオイルを飛散させようとすれば、前記ベアリング支持体40の上端部を眺める角度値と90゜未満の傾斜度を有するように実現することができる。
【0041】
ベアリング41の円滑な作動のために投入されたベアリングオイルは、前記ベアリング支持体40に装着されたブラシシール42を通過して、前記ロータシャフト30に乗って前記飛散溝51に到達する(図面符号B)。前記飛散溝51の一側傾斜部51aに乗って流れるベアリングオイルは、前記ロータシャフト30の回転によって遠心力を受けることになる。放射方向に作用する遠心力は、ベアリングオイルを前記ロータシャフト30の外側に飛散させる力として作用する。これによって、ベアリングオイルは前記飛散溝51でその流れが遮断され、前記オイルデフレクタ20方向に流れなくなる。
【0042】
仮に、ベアリングオイルが前記一側傾斜部51aを通して流れ続けるとしても、前記溝端部51cにおける流れ方向の折れによってもう一度その流れは妨げられる。そして、前記他側傾斜部51bを流れている間、もう一度遠心力を受けて、ベアリングオイルは前記ケーシング12と前記ベアリング支持体40方向に飛散する(図面符号H)。
【0043】
すなわち、前記ロータシャフト30上に1つの飛散溝51が形成されただけでも、前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルの流れは効果的に遮断することができる。
【0044】
次に、図3は、本発明であるロータ構造の第2実施形態を示す図である。図3を参照すれば、本発明の第2実施形態は、ロータシャフト30と、オイル飛散手段50とを含んで構成される。前記ロータシャフト30に関する説明は、本発明の第1実施形態と同一であるので、省略する。
【0045】
前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30の表面に沿ってベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルを飛散させるように、前記ロータシャフト30上で前記オイルデフレクタ20と前記ベアリング支持体40との間に円周方向に形成される。図3には前記ロータシャフト30の側断面図を示しており、前記ロータシャフト30上に前記オイル飛散手段50が加工された形態を確認することができる。
【0046】
このような前記オイル飛散手段50によるベアリングオイルの飛散方向は、前記ベアリング支持体40と前記ケーシング12との間であるとよい。このために、本発明の第2実施形態では、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30上に加工される飛散溝51、52、53の形態で提供される。そして、このような前記飛散溝51、52、53は、前記ベアリング支持体40方向に傾斜して形成される。
【0047】
ただし、本発明の第2実施形態では、本発明の第1実施形態とは異なり、前記飛散溝51、52、53が複数個提供される。この場合、段階的にベアリングオイルの流れを遮断することができる。作動環境によって多様な個数で実現できるが、本発明の第2実施形態では3つで構成した。
【0048】
すなわち、ベアリング41の円滑な作動のために投入されたベアリングオイルは、前記ベアリング支持体40に装着されたブラシシール42を通過して、前記ロータシャフト30に乗って前記飛散溝51、52、53に到達すると、まず、最も前記ベアリング支持体40に隣接して配置された飛散溝51にベアリングオイルの流れが一次的に妨げられる。そして、タービン10の作動過程中、前記ロータシャフト30の軸方向または円周方向の動きによってベアリングオイルが第1飛散溝51を乗り越えて流れ続ける場合には、中央に配置された第2飛散溝52によってもう一度その流れは妨げられる。ここで、第3飛散溝53は、第2飛散溝52を通過したベアリングオイルを最終的に遮断するために予備的に加工される。
【0049】
このようなそれぞれの飛散溝51、52、53によって除去されるベアリングオイルの定量的表現は矢印の大きさで比較した。すなわち、第1飛散溝51で最も多いベアリングオイルが除去され、第2飛散溝52と第3飛散溝53では順次的な流れの遮断によって次第に小くなるはずである。
【0050】
すなわち、前記ロータシャフト30上に複数の飛散溝51、52、53を形成して、前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルの流れは段階的に遮断することができる。
【0051】
次に、図4は、本発明であるロータ構造の第3実施形態を示す図である。図4を参照すれば、本発明の第3実施形態は、ロータシャフト30と、オイル飛散手段50とを含んで構成される。前記ロータシャフト30に関する説明は、本発明の第1実施形態と同一であるので、省略する。
【0052】
前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30の表面に沿ってベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルを飛散させるように、前記ロータシャフト30上で前記オイルデフレクタ20と前記ベアリング支持体40との間に円周方向に形成される。図4には前記ロータシャフト30の側断面図を示しており、前記ロータシャフト30上に前記オイル飛散手段50が加工された形態を確認することができる。
【0053】
このような前記オイル飛散手段50によるベアリングオイルの飛散方向は、前記ベアリング支持体40と前記ケーシング12との間であるとよい。このために、本発明の第3実施形態では、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30上に加工される飛散溝51の形態で提供される。そして、このような前記飛散溝51は、前記ベアリング支持体40方向に傾斜して形成される。
【0054】
また、本発明の第3実施形態では、本発明の第1実施形態とは異なり、前記飛散溝51において前記ベアリング支持体40に隣接した前記一側傾斜部51a上に多段に傾斜した多段溝54に形成される。
【0055】
再び図4を参照すれば、前記飛散溝51は、傾斜度Φに傾斜した一側傾斜部51aおよび他側傾斜部51bと、溝端部51cとで構成される。そして、前記多段溝54は、Φに傾斜した多段傾斜部54aおよび多段溝端部54bで構成される。
【0056】
前記傾斜度Φ、Φは、タービン10の作動環境によって適切に選択可能である。例えば、前記ベアリング支持体40と前記ケーシング12との間の方向にベアリングオイルを飛散させようとすれば、垂直線を基準として前記ベアリング支持体40の上端部を眺める角度値と90゜未満の傾斜度を有するように実現することができる。
【0057】
また、傾斜度Φ、Φは、同一の角度だけでなく、互いに異なる角度で構成されてもよい。例えば、垂直線を基準としてΦの角度よりΦの角度を相対的に大きくして、遠心力によって飛散力を調節してもよい。
【0058】
すなわち、前記ロータシャフト30上に前記飛散溝51以外に前記多段溝54を形成することにより、同一の傾斜度または互いに異なる傾斜度により前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルの飛散程度を調節することができる。
【0059】
次に、図5は、本発明であるロータ構造の第4実施形態を示す図である。図5を参照すれば、本発明の第4実施形態は、ロータシャフト30と、オイル飛散手段50とを含んで構成される。前記ロータシャフト30に関する説明は、本発明の第1実施形態と同一であるので、省略する。
【0060】
前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30の表面に沿ってベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルを飛散させるように、前記ロータシャフト30上で前記オイルデフレクタ20と前記ベアリング支持体40との間に円周方向に形成される。図5には前記ロータシャフト30の側断面図を示しており、前記ロータシャフト30上に前記オイル飛散手段50が加工された形態を確認することができる。
【0061】
このような前記オイル飛散手段50によるベアリングオイルの飛散方向は、前記ベアリング支持体40と前記ケーシング12との間であるとよい。このために、本発明の第4実施形態では、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30上に加工される飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56の形態で提供される。そして、このような前記飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56は、前記ベアリング支持体40方向に傾斜して形成される。
【0062】
ただし、本発明の第4実施形態では、本発明の第3実施形態とは異なり、前記飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56が複数個提供される。この場合、段階的にベアリングオイルの流れを遮断することができる。作動環境によって多様な個数で実現できるが、本発明の第4実施形態では3つで構成した。
【0063】
すなわち、ベアリング41の円滑な作動のために投入されたベアリングオイルは、前記ベアリング支持体40に装着されたブラシシール42を通過して、前記ロータシャフト30に乗って前記飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56に到達すると、まず、最も前記ベアリング支持体40に隣接して配置された飛散溝51および多段溝54にベアリングオイルの流れが一次的に妨げられる。そして、タービン10の作動過程中、前記ロータシャフト30の軸方向または円周方向の動きによってベアリングオイルが第1の飛散溝51および多段溝54を乗り越えて流れ続ける場合には、中央に配置された第2の飛散溝52および多段溝55によってもう一度その流れは妨げられる。ここで、第3の飛散溝53および多段溝56は、第2の飛散溝52および多段溝55を通過したベアリングオイルを最終的に遮断するために予備的に加工される。
【0064】
このようなそれぞれの飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56によって除去されるベアリングオイルの定量的表現は矢印の大きさで比較した。すなわち、第1の飛散溝51および多段溝54で最も多いベアリングオイルが除去され、第2の飛散溝52および多段溝55と第3の飛散溝53および多段溝56では順次的な流れの遮断によって次第に小くなるはずである。
【0065】
すなわち、前記ロータシャフト30上に複数の飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56を形成して、前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルの流れは段階的に遮断することができる。もちろん、作動環境によって、前記飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56の傾斜度Φ1、Φ2は、前記のように同一または互いに異なって実現できる。
【0066】
次に、図6は、本発明であるロータ構造の第5実施形態を示す図である。図6を参照すれば、本発明の第5実施形態は、ロータシャフト30と、オイル飛散手段50と、第1インタラプション部とを含んで構成される。前記ロータシャフト30に関する説明は、本発明の第1実施形態と同一であるので、省略する。
【0067】
前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30の表面に沿ってベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルを飛散させるように、前記ロータシャフト30上で前記オイルデフレクタ20と前記ベアリング支持体40との間に円周方向に形成される。図6には前記ロータシャフト30の側断面図を示しており、前記ロータシャフト30上に前記オイル飛散手段50が加工された形態を確認することができる。
【0068】
このような前記オイル飛散手段50によるベアリングオイルの飛散方向は、前記ベアリング支持体40と前記ケーシング12との間であるとよい。このために、本発明の第5実施形態では、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30上に加工される飛散溝51、52、53の形態で提供される。そして、このような前記飛散溝51、52、53は、前記ベアリング支持体40方向に傾斜して形成される。
【0069】
ここで、前記飛散溝51、52、53が複数個提供される。この場合、段階的にベアリングオイルの流れを遮断することができる。作動環境によって多様な個数で実現できるが、本発明の第5実施形態では3つで構成した。
【0070】
また、前記第1インタラプション部は、前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルの流れを妨げるように、前記複数の飛散溝51、52、53の間に配置される。
【0071】
本発明の第5実施形態では、前記第1インタラプション部は、前記複数の飛散溝51、52、53の間に形成される第1微細溝57の形態で加工される。図6を参照すれば、3つの飛散溝51、52、53の間に2つの第1微細溝57が形成されて、ベアリングオイルの各飛散溝51、52、53の間を移動する時、その流れを妨げることになる。この時も、同じく前記ロータシャフト30の回転によって遠心力が作用するので、前記第1微細溝57でもベアリングオイルの飛散が発生する。
【0072】
これによって、より段階的にベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルの流れを遮断することができる。
【0073】
図7は、本発明であるロータ構造の第6実施形態を示す図である。図7を参照すれば、本発明の第6実施形態は、ロータシャフト30と、オイル飛散手段50と、第1インタラプション部とを含んで構成される。前記ロータシャフト30およびオイル飛散手段50に関する説明は、本発明の第5実施形態と同一であるので、省略する。
【0074】
前記第1インタラプション部は、前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルの流れを妨げるように、前記複数の飛散溝51、52、53の間に配置される。
【0075】
本発明の第6実施形態では、前記第1インタラプション部は、前記複数の飛散溝51、52、53の間に形成される第1微細突起58の形態で加工される。図7を参照すれば、3つの飛散溝51、52、53の間に2つの第1微細突起58が形成されて、ベアリングオイルの各飛散溝51、52、53の間を移動する時、その流れを妨げることになる。この時も、同じく前記ロータシャフト30の回転によって遠心力が作用するので、前記第1微細突起58でもベアリングオイルの飛散が発生する。すなわち、ベアリングオイルは前記第1微細突起58の突出面に乗って前記ロータシャフト30の外側に飛散する。これによって、より段階的にベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルの流れを遮断することができる。
【0076】
次に、図8は、本発明であるロータ構造の第7実施形態を示す図である。図8を参照すれば、本発明の第7実施形態は、ロータシャフト30と、オイル飛散手段50と、オイル遮断手段60とを含んで構成される。
【0077】
まず、前記ロータシャフト30は、タービン10の構成要素である圧縮機セクションとタービンセクションとを連結し共に回転させる部品として提供され、タービン10のケーシング12内部に配置される。このような前記ロータシャフト30の両側は、ベアリング支持体40によってそれぞれ支持されて円滑に回転するように装着され、それぞれのベアリング支持体40に隣接してオイルデフレクタ20が配置される。前記オイルデフレクタ20は、ベアリングの円滑な作動のために投入されるベアリングオイルがロータシャフト30に沿って圧縮機セクションまたはタービンセクションに流れるのを防止する。
【0078】
次に、前記オイル遮断手段60は、ベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ロータシャフト30上で前記オイルデフレクタ20と前記ベアリング支持体40との間に円周方向に形成される。
【0079】
本発明の第7実施形態では、前記オイル遮断手段60は、前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ベアリング支持体40に隣接した面は傾斜するが、前記オイルデフレクタ20に隣接した面は段付きに実現できる。すなわち、前記オイル遮断手段60は、傾斜した流れ誘導面61および段付部62で構成される。ベアリングオイルは、傾斜した前記流れ誘導面61に沿って流れた後、ほぼ垂直方向に形成された前記段付部62でその流れが遮断される。
【0080】
そして、この時、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30の表面に沿ってベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルを飛散させるように、前記オイル遮断手段60上に円周方向に形成される。
【0081】
図8には前記ロータシャフト30の側断面図を示しており、前記ロータシャフト30上に前記オイル遮断手段60および前記オイル飛散手段50が加工された形態を確認することができる。
【0082】
このような前記オイル飛散手段50によるベアリングオイルの飛散方向は、前記ベアリング支持体40と前記ケーシング12との間であるとよい。このために、本発明の第7実施形態では、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30上に加工される複数の飛散溝51、52、53の形態で提供される。そして、このような前記飛散溝51、52、53は、前記ベアリング支持体40方向に傾斜して形成される。
【0083】
本発明の第7実施形態では、前記ロータシャフト30上に前記オイル遮断手段60が形成され、前記オイル遮断手段60上に複数の前記飛散溝51、52、53が形成されて、ベアリングオイルの流れを複合的に妨げる。これによって、ベアリングオイルの流れ遮断力および飛散力はより向上する。
【0084】
図9は、本発明であるロータ構造の第8実施形態を示す図である。図9を参照すれば、本発明の第8実施形態は、ロータシャフト30と、オイル飛散手段50と、オイル遮断手段60とを含んで構成される。前記ロータシャフト30に関する説明は、本発明の第7実施形態と同一であるので、省略する。
【0085】
前記オイル遮断手段60は、ベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ロータシャフト30上で前記オイルデフレクタ20と前記ベアリング支持体40との間に円周方向に形成される。
【0086】
本発明の第8実施形態では、前記オイル遮断手段60は、前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ベアリング支持体40に隣接した面は傾斜するが、前記オイルデフレクタ20に隣接した面は段付きに実現できる。すなわち、前記オイル遮断手段60は、傾斜した流れ誘導面61および段付部62で構成される。ベアリングオイルは、傾斜した前記流れ誘導面61に沿って流れた後、ほぼ垂直方向に形成された前記段付部62でその流れが遮断される。
【0087】
そして、この時、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30の表面に沿ってベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルを飛散させるように、前記オイル遮断手段60上に円周方向に形成される。
【0088】
図9には前記ロータシャフト30の側断面図を示しており、前記ロータシャフト30上に前記オイル遮断手段60および前記オイル飛散手段50が加工された形態を確認することができる。
【0089】
このような前記オイル飛散手段50によるベアリングオイルの飛散方向は、前記ベアリング支持体40と前記ケーシング12との間であるとよい。このために、本発明の第8実施形態では、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30上に加工される複数の飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56の形態で提供される。そして、このような前記飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56は、前記ベアリング支持体40方向に傾斜して形成される。
【0090】
この場合、段階的にベアリングオイルの流れを遮断することができる。作動環境によって多様な個数で実現できるが、本発明の第8実施形態では3つで構成した。
【0091】
すなわち、ベアリング41の円滑な作動のために投入されたベアリングオイルは、前記ベアリング支持体40に装着されたブラシシール42を通過して、前記ロータシャフト30に乗って前記飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56に到達すると、まず、最も前記ベアリング支持体40に隣接して配置された飛散溝51および多段溝54にベアリングオイルの流れが一次的に妨げられる。そして、タービン10の作動過程中、前記ロータシャフト30の軸方向または円周方向の動きによってベアリングオイルが第1の飛散溝51および多段溝54を乗り越えて流れ続ける場合には、中央に配置された第2の飛散溝52および多段溝55によってもう一度その流れは妨げられる。ここで、第3の飛散溝53および多段溝56は、第2の飛散溝52および多段溝55を通過したベアリングオイルを最終的に遮断するために予備的に加工される。
【0092】
このようなそれぞれの飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56によって除去されるベアリングオイルの定量的表現は矢印の大きさで比較した。すなわち、第1の飛散溝51および多段溝54で最も多いベアリングオイルが除去され、第2の飛散溝52および多段溝55と第3の飛散溝53および多段溝56では順次的な流れの遮断によって次第に小さくなるはずである。
【0093】
すなわち、前記ロータシャフト30上に複数の飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56を形成することにより、前記オイル遮断手段60と共に前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルの流れは段階的に遮断することができる。
【0094】
図10は、本発明であるロータ構造の第9実施形態を示す図である。図10を参照すれば、本発明の第9実施形態は、ロータシャフト30と、オイル飛散手段50と、オイル遮断手段60とを含んで構成される。前記ロータシャフト30に関する説明は、本発明の第7実施形態と同一であるので、省略する。
【0095】
前記オイル遮断手段60は、ベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ロータシャフト30上で前記オイルデフレクタ20と前記ベアリング支持体40との間に円周方向に形成される。
【0096】
本発明の第9実施形態では、前記オイル遮断手段60は、前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ベアリング支持体40に隣接した面および前記オイルデフレクタ20に隣接した面は、前記ベアリング支持体40方向に傾斜して実現できる。すなわち、前記オイル遮断手段60は、傾斜した流れ誘導面61および遮断傾斜部63で構成される。ベアリングオイルは、傾斜した前記流れ誘導面61に沿って流れた後、同一の方向に傾斜した前記遮断傾斜部63でその流れがもう一度遮断される。
【0097】
そして、この時、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30の表面に沿ってベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルを飛散させるように、前記オイル遮断手段60上に円周方向に形成される。
【0098】
図10には前記ロータシャフト30の側断面図を示しており、前記ロータシャフト30上に前記オイル遮断手段60および前記オイル飛散手段50が加工された形態を確認することができる。
【0099】
このような前記オイル飛散手段50によるベアリングオイルの飛散方向は、前記ベアリング支持体40と前記ケーシング12との間であるとよい。このために、本発明の第9実施形態では、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30上に加工される複数の飛散溝51、52、53の形態で提供される。そして、このような前記飛散溝51、52、53は、前記ベアリング支持体40方向に傾斜して形成される。
【0100】
本発明の第9実施形態では、前記ロータシャフト30上に前記オイル遮断手段60が形成され、前記オイル遮断手段60上に複数の前記飛散溝51、52、53が形成されて、ベアリングオイルの流れを複合的に妨げる。これによって、ベアリングオイルの流れ遮断力および飛散力はより向上する。
【0101】
図11は、本発明であるロータ構造の第10実施形態を示す図である。本発明の第10実施形態は、ロータシャフト30と、オイル飛散手段50と、オイル遮断手段60とを含んで構成される。前記ロータシャフト30に関する説明は、本発明の第7実施形態と同一であるので、省略する。
【0102】
前記オイル遮断手段60は、ベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ロータシャフト30上で前記オイルデフレクタ20と前記ベアリング支持体40との間に円周方向に形成される。
【0103】
本発明の第10実施形態では、前記オイル遮断手段60は、前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向へのベアリングオイルの流れが遮断されるように、前記ベアリング支持体40に隣接した面および前記オイルデフレクタ20に隣接した面は、前記ベアリング支持体40方向に傾斜して実現できる。すなわち、前記オイル遮断手段60は、傾斜した流れ誘導面61および遮断傾斜部63で構成される。ベアリングオイルは、傾斜した前記流れ誘導面61に沿って流れた後、同一の方向に傾斜した前記遮断傾斜部63でその流れが遮断される。
【0104】
そして、この時、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30の表面に沿ってベアリング支持体40からオイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルを飛散させるように、前記オイル遮断手段60上に円周方向に形成される。
【0105】
図11には前記ロータシャフト30の側断面図を示しており、前記ロータシャフト30上に前記オイル遮断手段60および前記オイル飛散手段50が加工された形態を確認することができる。
【0106】
このような前記オイル飛散手段50によるベアリングオイルの飛散方向は、前記ベアリング支持体40と前記ケーシング12との間であるとよい。このために、本発明の第10実施形態では、前記オイル飛散手段50は、前記ロータシャフト30上に加工される複数の飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56の形態で提供される。そして、このような前記飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56は、前記ベアリング支持体40方向に傾斜して形成される。
【0107】
この場合、段階的にベアリングオイルの流れを遮断することができる。作動環境によって多様な個数で実現できるが、本発明の第10実施形態では3つで構成した。
【0108】
すなわち、ベアリング41の円滑な作動のために投入されたベアリングオイルは、前記ベアリング支持体40に装着されたブラシシール42を通過して、前記ロータシャフト30に乗って前記飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56に到達すると、まず、最も前記ベアリング支持体40に隣接して配置された飛散溝51および多段溝54にベアリングオイルの流れが一次的に妨げられる。そして、タービン10の作動過程中、前記ロータシャフト30の軸方向または円周方向の動きによってベアリングオイルが第1の飛散溝51および多段溝54を乗り越えて流れ続ける場合には、中央に配置された第2の飛散溝52および多段溝55によってもう一度その流れは妨げられる。ここで、第3の飛散溝53および多段溝56は、第2の飛散溝52および多段溝55を通過したベアリングオイルを最終的に遮断するために予備的に加工される。
【0109】
このようなそれぞれの飛散溝51、52、53および多段溝54、55、56によって除去されるベアリングオイルの定量的表現は矢印の大きさで比較した。すなわち、第1の飛散溝51および多段溝54で最も多いベアリングオイルが除去され、第2の飛散溝52および多段溝55と第3の飛散溝53および多段溝56では順次的な流れの遮断によって次第に小さくなるはずである。
【0110】
すなわち、前記ロータシャフト30上に複数の飛散溝51、52、53および多段溝を形成することにより、前記オイル遮断手段60と共に前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルの流れは段階的に遮断することができる。
【0111】
図12は、本発明であるロータ構造の第11実施形態を示す図である。本発明の第11実施形態は、ロータシャフト30と、オイル飛散手段50と、オイル遮断手段60と、第2インタラプション部とを含んで構成される。前記ロータシャフト30、オイル飛散手段50およびオイル遮断手段60に関する説明は、本発明の第9実施形態と同一であるので、省略する。
【0112】
前記第2インタラプション部は、前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルの流れを妨げるように、前記ロータシャフト30上で前記オイル遮断手段60と前記ベアリング支持体40との間に加工される。
【0113】
本発明の第11実施形態では、前記第2インタラプション部は、前記オイル遮断手段60と前記ベアリング支持体40との間に形成される第2微細溝64の形態で提供される。この場合、前記オイル遮断手段60およびオイル飛散手段50への流入前に、ベアリングオイルは事前に前記第2微細溝64でその流れが妨げられ、遠心力によって前記ロータシャフト30の外側方向に飛散できる。
【0114】
この形態により、本発明の第11実施形態では、段階的にベアリングオイルの流れを遮断し飛散させることができて、さらにオイルデフレクタ20への流動を抑制することができる。
【0115】
図13は、本発明であるロータ構造の第12実施形態を示す図である。本発明の第12実施形態は、ロータシャフト30と、オイル飛散手段50と、オイル遮断手段60と、第2インタラプション部とを含んで構成される。前記ロータシャフト30、オイル飛散手段50およびオイル遮断手段60に関する説明は、本発明の第9実施形態と同一であるので、省略する。
【0116】
前記第2インタラプション部は、前記ベアリング支持体40から前記オイルデフレクタ20方向に流れるベアリングオイルの流れを妨げるように、前記ロータシャフト30上で前記オイル遮断手段60と前記ベアリング支持体40との間に加工される。
【0117】
本発明の第12実施形態では、前記第2インタラプション部は、前記オイル遮断手段60と前記ベアリング支持体40との間に形成される第2微細突起65の形態で提供される。この場合、前記オイル遮断手段60およびオイル飛散手段50への流入前に、ベアリングオイルは事前に前記第2微細突起65でその流れが妨げられ、遠心力によって前記ロータシャフト30の外側方向に飛散できる。
【0118】
この形態により、本発明の第12実施形態では、段階的にベアリングオイルの流れを遮断し飛散させることができて、さらにオイルデフレクタ20への流動を抑制することができる。
【0119】
以上の事項は、ベアリングオイル除去型ロータ構造の特定の実施形態を示したに過ぎない。
【0120】
したがって、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨を逸脱しない限度内で本発明が多様な形態に置き換え、変形可能であることを、当該技術分野における通常の知識を有する者は容易に把握できるという点を明らかにする。
【符号の説明】
【0121】
10:タービン
12:ケーシング
20:オイルデフレクタ
21:歯形部
30:ロータシャフト
40:ベアリング支持体
41:ベアリング
42:ブラシシール
50:オイル飛散手段
51、52、53:飛散溝
54、55、56:多段溝
57:第1微細溝(第1インタラプション部)
58:第1微細突起(第1インタラプション部)
60:オイル遮断手段
61:流れ誘導面
62:段付部
63:遮断傾斜部
64:第2微細溝(第2インタラプション部)
65:第2微細突起(第2インタラプション部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13