特許第6380824号(P6380824)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6380824
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】VR用ゴーグル
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20180820BHJP
   G02B 27/22 20060101ALI20180820BHJP
   H04N 13/344 20180101ALI20180820BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   G02B27/02 Z
   G02B27/22
   H04N13/344
   H04N5/64 511A
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-38959(P2018-38959)
(22)【出願日】2018年3月5日
(65)【公開番号】特開2018-93538(P2018-93538A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2018年3月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518075336
【氏名又は名称】株式会社イデアネットワーク
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125391
【弁理士】
【氏名又は名称】白川 洋一
(72)【発明者】
【氏名】湯本 勉
【審査官】 鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/033218(WO,A1)
【文献】 国際公開第2017/018274(WO,A1)
【文献】 登録実用新案第3029087(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0002059(US,A1)
【文献】 米国特許第02662442(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0349836(US,A1)
【文献】 米国特許第06069735(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01 − 27/02
G02B 27/22
H04N 13/344
H04N 5/64
G03B 35/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元平面上に折り畳まれた待機状態から3次元的な使用状態へ遷移するVR(Virtual Reality)用ゴーグルであって、
一端が基板に連結された接眼面部と、
前記接眼面部の他端に連結された天板部と、
一端が前記基板に連結されると共に、他端が前記天板部に連結された一対の支柱部と、
一対のVR用レンズを有し、前記接眼面部の裏側に設置されたレンズユニットと、を備え、
前記レンズユニットが設置された接眼面部、前記天板部および前記支柱部は、待機状態では前記基板上で2次元的に収容される一方、使用状態では前記接眼面部および前記支柱部が、前記基板から起立することを特徴とするVR用ゴーグル。
【請求項2】
前記基板は、実質的に通常ハガキの形状と大きさを有し、前記接眼面部、前記天板部および前記一対の支柱部は、待機状態では、相互に重畳することなく前記基板上で2次元的に収容されることを特徴とする請求項1記載のVR用ゴーグル。
【請求項3】
前記基板は、前記接眼面部から遠い側で、スマートフォンの画面と異なる側で前記スマートフォンの一方の長辺側に接し、前記天板部は、前記接眼面部から遠い側で、前記スマートフォンの画面側の他方の長辺側に接することにより、前記基板と前記天板部とで前記スマートフォンを挟持する状態となり、この状態で、前記VR用レンズは、前記スマートフォンの画面と対向することを特徴とする請求項2記載のVR用ゴーグル。
【請求項4】
前記基板と、前記接眼面部、前記天板部および前記一対の支柱部とは圧着ハガキを構成し、前記レンズユニットは、待機状態では、前記基板と前記接眼面部との間に挟まれていることを特徴とする請求項3記載のVR用ゴーグル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元平面上に折り畳まれた待機状態から3次元的な使用状態へ遷移するVR(Virtual Reality)用ゴーグルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像を立体視するためのゴーグルが知られている。例えば、特許文献1には、携帯用ゲーム機等の表示画面の画像を立体視するための立体表示具が開示されている。この立体表示具では、側壁と屈曲部が折り畳み可能に設けられており、使用する際には、レンズ、側壁、屈曲部によって所定の位置に位置決めされ、携帯型電子端末によってロの字形状とすることで携帯型電子端末に表示された画像を立体視できるように構成されている。
【0003】
また、特許文献2に開示されている立体視装置は、光軸上の所定位置に、左側光学素子として頂角が光軸側を向いたプリズムL2を貼り合せた凸レンズLと、右側光学素子として頂角が光軸側を向いたプリズムR2を貼り合せた凸レンズRとがそれぞれ視点側から見て左右に配置された構成が採られている。また、折り畳み可能な一対の表紙を基体としたもので、不使用時には書籍や手帳のように折り畳むことのできる書籍形式が採られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−040809号公報
【特許文献2】特開2005−222026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の立体視用のゴーグルでは、折り畳んでコンパクト化することはできても、2次元平面上に収容されるほど薄いものはない。特に、2次元平面がハガキサイズであって、通常ハガキとして郵送できるほど軽量化されたものは提案されていない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、薄く、軽量かつ小型で、通常ハガキとして郵送可能であり、2次元平面上に折り畳まれた薄い待機状態から3次元的な使用状態へ遷移するVR用ゴーグルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明のVR用ゴーグルは、2次元平面上に折り畳まれた待機状態から3次元的な使用状態へ遷移するVR(Virtual Reality)用ゴーグルであって、一端が基板に連結された接眼面部と、前記接眼面部の他端に連結された天板部と、一端が前記基板に連結されると共に、他端が前記天板部に連結された一対の支柱部と、一対のVR用レンズを有し、前記接眼面部の裏側に設置されたレンズユニットと、を備え、前記レンズユニットが設置された接眼面部、前記天板部および前記支柱部は、待機状態では前記基板上で2次元的に収容される一方、使用状態では前記接眼面部および前記支柱部が起立することを特徴とする。
【0008】
このように、レンズユニットが設置された接眼面部、天板部および支柱部は、待機状態では基板上で2次元的に収容される一方、使用状態では接眼面部および支柱部が起立するので、待機状態では、薄く、軽量かつ小型にすることができる。
【0009】
(2)また、本発明のVR用ゴーグルにおいて、前記基板は、実質的に通常ハガキの形状と大きさを有し、前記接眼面部、前記天板部および前記一対の支柱部は、待機状態では、相互に重畳することなく前記基板上で2次元的に収容されることを特徴とする。
【0010】
この構成により、VR用ゴーグルを、ハガキサイズの平面上に収容することが可能となる。特に、通常ハガキの規定重量は、2g〜6gであるが、本発明によれば、この規定重量の範囲内に収まるため、郵便で発送し、配達をすることができる。これにより、簡易な構成で立体画像を視聴することが可能となる。
【0011】
(3)また、本発明のVR用ゴーグルにおいて、前記VR用レンズは、前記基板および前記天板部がスマートフォンの画面の各長辺を挟持した状態で前記スマートフォンの画面と対向することを特徴とする。
【0012】
この構成により、使用状態でVR用レンズをスマートフォンの画面に対向させ、立体的な画像を表示することが可能となる。
【0013】
(4)また、本発明のVR用ゴーグルは、前記基板と、前記接眼面部、前記天板部および前記一対の支柱部とは圧着ハガキを構成し、前記レンズユニットは、待機状態では、前記基板と前記接眼面部との間に挟まれていることを特徴とする。
【0014】
この構成により、VR用レンズをコンパクトに収容することができる。その結果、圧着ハガキの内側に収容し、郵便で発送することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、待機状態では、薄く、軽量かつ小型で通常ハガキとして郵送可能であり、使用状態では、立体的な画像を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係るVR用ゴーグル1を、展開した圧着ハガキに施した図である。
図2】本実施形態に係るVR用ゴーグル1を圧着ハガキ内に収容したときの外観を示す図である。
図3】圧着ハガキを剥がしながら、本実施形態に係るVR用ゴーグル1を使用状態へ変化させる過程を示す図である。
図4】圧着ハガキを剥がしながら、本実施形態に係るVR用ゴーグル1を使用状態へ変化させる過程を示す図である。
図5】本実施形態に係るVR用ゴーグル1が、使用状態となった様子を示す図である。
図6】本実施形態に係るVR用ゴーグル1が、使用状態となった様子を示す図である。
図7】VR用ゴーグル1をスマートフォン10に取り付けた状態を示す図である。
図8】レンズユニットの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明者は、従来、2次元平面上に収容されるほど薄いVR用ゴーグルが提案されていなかったことに着目し、ハガキサイズであって、紙を中心として構成することによって、2次元平面上に折り畳まれた薄い待機状態から、3次元的な使用状態へ遷移するVR用ゴーグルを提供することができることを見出し、本発明に至った。
【0018】
すなわち、本発明のVR用ゴーグルは、2次元平面上に折り畳まれた待機状態から3次元的な使用状態へ遷移するVR(Virtual Reality)用ゴーグルであって、一端が基板に連結された接眼面部と、前記接眼面部の他端に連結された天板部と、一端が前記基板に連結されると共に、他端が前記天板部に連結された一対の支柱部と、一対のVR用レンズを有し、前記接眼面部の裏側に設置されたレンズユニットと、を備え、前記レンズユニットが設置された接眼面部、前記天板部および前記支柱部は、待機状態では前記基板上で2次元的に収容される一方、使用状態では前記接眼面部および前記支柱部が起立することを特徴とする。
【0019】
これにより、本発明者は、薄く、軽量かつ小型で通常ハガキとして郵送可能なVR用ゴーグルを実現することを可能とした。以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0020】
[待機状態の構成]
図1は、本実施形態に係るVR用ゴーグル1を、展開した圧着ハガキに施した図である。VR用ゴーグル1では、基板2と接眼面部3とが、屈折部3aで接続されている。接眼面部3には、レンズユニット4が設けられている。レンズユニット4には、一対のレンズ4aが設けられており、一対のレンズ4aを含む全体が矩形を有するように、透明な樹脂で一体成型されている。なお、本願発明は、レンズユニット4を矩形に限定するわけではなく、より軽量化を図るため、レンズの周囲やレンズとレンズの間を削る態様を採ることも可能である。例えば、図8は、レンズユニットの変形例を示す図であるが、図8に示すように、一対のレンズ4aを連結するレンズ連結部40を形成するように、一体成型しても良い。これにより、軽量化を図ることが可能となる。また、一対のレンズ4aは、薄型で立体視ができるように構成されており、例えば、フレネルレンズ(Fresnel lens)を用いることが可能である。このフレネルレンズは、通常のレンズを同心円状の領域に分割し、厚みを減らしたレンズであり、鋸状の断面を有する。この分割数を多くすればするほど薄くなるため、材料を減らし軽量にすることができるというメリットがある。ただし、本発明は、これに限定されるわけではない。なお、レンズユニット4は、両面テープや接着剤によって接眼面部3に設けられる。
【0021】
本実施形態に係るVR用ゴーグル1は、接眼面部3と天板部5とが、屈折部3bで接続されている。この天板部5は、一対の支柱部7で支持される。天板部5と一対の支柱部7とは、曲折部7cで接続されており、基板2と一対の支柱部7とは、屈折部7bで接続される。なお、図1では、圧着前の展開した状態を示すため、屈折部7bと基板2とは接続されていないが、一対の貼付部7aが、屈折部7dで基板2と接続され、一対の貼付部7aが基板2に貼り付けられることによって、屈折部7bと基板2とが接続される。
【0022】
接眼面部3および天板部5は、図1の紙面に向かって上下方向の幅が同一となっており、一対のスリット6によって、接眼面部3および天板部5と、一対の支柱部7および一対の貼付部7aと分割されている。なお、基板2の図1に向かって左端部に、折り返し部2aが設けられている。本実施形態に係るVR用ゴーグル1では、基板2、接眼面部3、天板部5、支柱部7、貼付部7aは、紙で形成されている。なお、薄く、軽量であり、紙に近似する機能を有する材料であれば良く、本発明では、紙に限定されるわけではない。
【0023】
図2は、本実施形態に係るVR用ゴーグル1を圧着ハガキ内に収容したときの外観を示す図である。すなわち、図2は、図1の展開状態において、左側の基板2の上に、右側の天板部5、レンズユニット4、一対の貼付部7aおよび一対の支柱部7が、屈折部3aおよび屈折部7dにおいて谷折りされることによって重畳された状態を示す。この際、圧着用シートを用いて圧着ハガキを構成するようにしても良い。レンズユニット4の反対側となる接眼面部3には、一対のレンズ4aに対応する位置に、切り取り用のミシン目が施されたレンズ対応部4bが形成されている。なお、ユーザが圧着ハガキを剥がしやすいように、スリット2bを設けても良い。このように、2次元平面上に本実施形態に係るVR用ゴーグル1を収容することができるため、圧着ハガキでVR用ゴーグル1を構成することができる。また、レンズユニット4は薄い樹脂で形成されていると共に、VR用ゴーグル1の主要部分が紙で構成されているため、非常に軽量であり、通常ハガキの規定重量内に収まることとなる。通常ハガキの規定重量は、2g〜6gであるが、本発明によれば、この規定重量の範囲内に収まるため、通常ハガキの規定料金で、郵便より発送することが可能となる。
【0024】
[待機状態から使用状態への変化]
圧着ハガキで構成されたVR用ゴーグル1は、使用状態へ変化することが可能である。図3および図4は、圧着ハガキを剥がしながら、本実施形態に係るVR用ゴーグル1を使用状態へ変化させる過程を示す図である。ユーザは、スリット2bから圧着ハガキを剥がし、スリット6によって接眼面部3および天板部5と、一対の支柱部7および一対の貼付部7aとを分割させながら、天板部5を起立させていく。その際、ミシン目が施されたレンズ対応部4bを除去する。これにより、レンズ4aが露出することとなる。
【0025】
屈折部7bにおいて、一対の支柱部7が谷折りとなって起立し、曲折部7cにおいて、一対の支柱部7が緩やかな山折りとなるように曲折することで、天板部5と基板2とが側面から見ると台形を形成するような斜めの面として立ち上がっていく。同時に、接眼面部3が、屈折部3aで山折りとなることで、基板2から立ち上がり、屈折部3bが山折りとなることで、接眼面部3と天板部5とが立ち上がる。
【0026】
図5および図6は、本実施形態に係るVR用ゴーグル1が、使用状態となった様子を示す図である。このように、2次元平面上に折り畳まれた待機状態から3次元的な使用状態へ遷移し、使用状態では接眼面部3および一対の支柱部7が起立することで、天板部5を支持する。図7は、VR用ゴーグル1をスマートフォン10に取り付けた状態を示す図である。このように、一対のレンズ4aが、スマートフォンの画面と対向し、かつ、平行となるので、ユーザに対して立体的な画像を表示することが可能となる。
【0027】
なお、圧着ハガキのいずれかの場所に、広告情報や、URLやQRコード(登録商標)を印刷することが可能である。ユーザは、スマートフォンでこれらの情報を読み取り、対応するサイトへアクセスして、アプリケーションをダウンロードすることが可能である。このアプリケーション内にも広告情報を含めることが可能である。
【0028】
本実施形態に係るVR用ゴーグル1は、汎用的な立体画像に対応することができるし、専用のアプリケーションが提供する立体画像に対応することもできる。さらに、ユーザがアプリケーションにアクセスした際に、アクセスの日時、圧着ハガキによるダイレクトメールの種類、スマートフォンの種類、ユーザによるアクション(クリック数など)、ユーザの位置などの情報を取得し、マーケティングに活用することも可能である。
【0029】
以上説明したように、本実施形態に係るVR用ゴーグル1によれば、待機状態では、薄く、軽量かつ小型で通常ハガキとして郵送可能であり、使用状態では、立体的な画像を表示することが可能となる。
【符号の説明】
【0030】
1 VR用ゴーグル
2 基板
2a 折り返し部
2b スリット
3 接眼面部
3a 屈折部
3b 屈折部
4 レンズユニット
4a レンズ
4b レンズ対応部
5 天板部
6 スリット
7 支柱部
7a 貼付部
7b 屈折部
7c 曲折部
7d 屈折部
10 スマートフォン
40 レンズ連結部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8