特許第6380851号(P6380851)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

特許6380851画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム
<>
  • 特許6380851-画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム 図000002
  • 特許6380851-画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム 図000003
  • 特許6380851-画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム 図000004
  • 特許6380851-画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム 図000005
  • 特許6380851-画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム 図000006
  • 特許6380851-画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム 図000007
  • 特許6380851-画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6380851
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/043 20060101AFI20180820BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20180820BHJP
   B41J 2/47 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   G03G15/043
   G03G15/00 303
   B41J2/47 101M
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-231831(P2015-231831)
(22)【出願日】2015年11月27日
(65)【公開番号】特開2017-97278(P2017-97278A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2017年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115831
【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】中野 潤
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−233224(JP,A)
【文献】 特開2009−163103(JP,A)
【文献】 特開2015−007713(JP,A)
【文献】 特開2002−086805(JP,A)
【文献】 特開平09−321990(JP,A)
【文献】 特開2004−309662(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0120748(US,A1)
【文献】 特開平07−254986(JP,A)
【文献】 特開2009−152766(JP,A)
【文献】 特開2011−088385(JP,A)
【文献】 特開2014−087030(JP,A)
【文献】 特開2014−120870(JP,A)
【文献】 特開2004−358966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/043
B41J 2/47
G03G 15/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
ラスターデータに基づいてベタ領域を検出するベタ検出部と、
前記ベタ領域において予め設定された画素数以上の画素が2次元方向の双方に連続する領域において、露光パルス幅の制限量を変動させる露光パルス幅制限部と、を備え
前記露光パルス幅制限部は、2次元方向のいずれかに連続する画素が予め設定されている比率で前記露光パルス幅の制限量が相違するように前記露光パルス幅を設定する画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置であって、
前記露光パルス幅制限部は、前記ベタ領域において端部を形成する画素の前記露光パルス幅の制限量を一定とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置であって、
前記露光パルス幅制限部は、前記予め設定された画素数未満の画素で2次元方向の少なくとも一方に連続する領域の画素は、前記露光パルス幅の制限量を一定とする画像形成装置。
【請求項4】
スターデータに基づいてベタ領域を検出するベタ検出工程と、
前記ベタ領域において予め設定された画素数以上の画素が2次元方向の双方に連続する領域において、露光パルス幅の制限量を変動させる露光パルス幅制限工程と、を備え、
前記露光パルス幅制限工程は、2次元方向のいずれかに連続する画素が予め設定されている比率で前記露光パルス幅の制限量が相違するように前記露光パルス幅を設定する工程を含む画像形成方法
【請求項5】
画像形成装置を制御する画像形成プログラムであって、
ラスターデータに基づいてベタ領域を検出するベタ検出部、及び
前記ベタ領域において予め設定された画素数以上の画素が2次元方向の双方に連続する領域において、露光パルス幅の制限量を変動させる露光パルス幅制限部として前記画像形成装置を機能させ、
前記露光パルス幅制限部は、2次元方向のいずれかに連続する画素が予め設定されている比率で前記露光パルス幅の制限量が相違するように前記露光パルス幅を設定する画像形成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラムに関し、詳しくは、トナーの無駄な使用を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置(たとえばプリンター、多機能プリンター、又は複合機(Multifunction Peripheral))は、トナーを使用して印刷媒体上に画像を形成する。電子写真プロセスにおいては、ベタ領域においてはトナーが重畳して余剰にドラムに付着するので、画質を維持しつつ余剰のトナーの付着を抑制するための様々な技術が提案されている。具体的には、たとえば特許文献2は、文字/線画領域で、かつ、エッジ部分についてトナーの消費量を低減させるトナーセーブ処理を制限し、文字や線画のエッジ部分の濃度を濃くして画質劣化を抑制する技術を提案している。一方、たとえば特許文献1は、電子写真プロセスを実行するプリントエンジンの個体差や状態変化、経年変化といった要因によるトナーの付着量の変動を吸収するために濃度センサでフィードバックする校正技術を提案している。これらの技術は、いずれも露光パルス幅の間引きやドット自体の間引きによってトナーの消費量を低減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−108772号公報
【特許文献2】特開平11−151833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、本願発明者は、露光パルス幅の間引きが特定の画像において顕著な画像劣化を生じさせることを新規に見いだした。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、露光パルス幅の間引きを行う画像形成において画質劣化を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、ラスターデータに基づいてベタ領域を検出するベタ検出部と、前記ベタ領域において予め設定された画素数以上の画素が2次元方向の双方に連続する領域において、露光パルス幅の制限量を変動させる露光パルス幅制限部とを備える
【0007】
本発明の画像形成方法は、ラスターデータに基づいてベタ領域を検出するベタ検出工程と、前記ベタ領域において予め設定された画素数以上の画素が2次元方向の双方に連続する領域において、露光パルス幅の制限量を変動させる露光パルス幅制限工程とを備える。
【0008】
本発明の画像形成プログラムは、画像形成装置を制御する。前記画像形成プログラムは、ラスターデータに基づいてベタ領域を検出するベタ検出部、及び前記ベタ領域において予め設定された画素数以上の画素が2次元方向の双方に連続する領域において、露光パルス幅の制限量を変動させる露光パルス幅制限部として前記画像形成装置を機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、露光パルス幅の間引きを行う画像形成において画質劣化を抑制する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す概略構成図である。
図2】一実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す断面図である。
図3】一実施形態に係る画像形成装置1の露光校正処理手順の内容を示すフローチャートである。
図4】一実施形態に係る露光校正処理において中間転写ベルト27aに形成されるパッチP1〜P4を示す説明図である。
図5】一実施形態に係る露光パルス幅と濃度センサの出力値の関係を示すグラフである。
図6】一実施形態に係るトナー消費削減処理の内容を示すフローチャートである。
図7】比較例と一実施形態に係るドットパターンを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示すブロックダイアグラムである。図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す断面図である。画像形成装置1は、制御部10と、画像形成部20と、操作表示部30と、通信インターフェース部40と、記憶部50と、給紙カセット60と、筐体70とを備えている。
【0013】
画像形成部20は、画像読取部21aと、色変換処理部21bと、ハーフトーン処理部21cと、校正用濃度センサ22と、露光部23と、現像部24c〜24k、帯電部25c〜25kとを有している。画像読取部21aは、原稿から画像を読み取って画像データを生成する。色変換処理部21bは、RGBデータである画像データをCMYKに色変換する。ハーフトーン処理部21cは、ハーフトーン処理を実行してCMYKのラスターデータを生成する。校正用濃度センサ22は、露光部23による露光パルス幅の校正に使用される。
【0014】
制御部10は、RAMやROM等の主記憶手段、及びMPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、制御部10は、各種I/O、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、バス、その他ハードウェア等のインターフェースに関連するコントローラ機能を備え、画像形成装置1全体を制御する。
【0015】
記憶部50は、非一時的な記録媒体であるハードディスクドライブやフラッシュメモリー等からなる記憶装置で、制御部10が実行する処理の制御プログラムやデータを記憶する。
【0016】
本実施形態の画像形成装置1は、タンデム型のカラープリンターである。画像形成装置1は、その筐体70内に、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックの各色に対応させて感光体ドラム(像担持体)26m、26c、26y及び26kが一列に配置されている。感光体ドラム26m、26c、26y及び26kのそれぞれに隣接して、現像部24m、24c、24y及び24kが配置されている。
【0017】
感光体ドラム26m、26c、26y及び26kには、露光部23から各色用のレーザー光Lm、Lc、Ly及びLkが照射される。この照射によって、感光体ドラム26m、26c、26y及び26kに静電潜像が形成される。現像部24m、24c、24y及び24kは、トナーを攪拌しながら、感光体ドラム26m、26c、26y及び26kの表面に形成された静電潜像にトナーを付着させる。これにより、現像工程が完了し、感光体ドラム26m、26c、26y及び26kの表面に各色のトナー像が形成される。
【0018】
画像形成装置1は、無端状の中間転写ベルト27aを有している。中間転写ベルト27aは、テンションローラー27c、駆動ローラー27b及び従動ローラー27dに張架されている。中間転写ベルト27aは、駆動ローラー27bの回転によって循環駆動させられる。
【0019】
たとえば感光体ドラム26k上のブラックのトナー像は、感光体ドラム26kと一次転写ローラー29kとで中間転写ベルト27aを挟み、中間転写ベルト27aが循環駆動させられることによって中間転写ベルト27aに一次転写される。この点は、シアン、イエロー、ブラックの3色についても同様である。中間転写ベルト27aの表面には、所定のタイミングで相互に重ね合わせられるように一次転写が行われることによってフルカラートナー像が形成される。フルカラートナー像は、その後、給紙カセット60から供給された印刷用紙Pに二次転写され、周知の定着工程で印刷用紙Pに定着される。
【0020】
図3は、一実施形態に係る画像形成装置1の露光校正処理手順の内容を示すフローチャートである。図4は、一実施形態に係る露光校正処理において中間転写ベルト27aに形成されるパッチP1〜P4を示す説明図である。本校正処理は、たとえば個体差の抑制のために製造時に実行され、あるいは経年変化の抑制のために一定の期間毎に実行される。本校正処理は、さらに、ユーザーによって操作表示部30を介して要請された場合に実行してもよい。
【0021】
ステップS11では、画像形成装置1は、中間転写ベルト27aに校正用のパッチP1〜P4を形成する。パッチP1〜P4は、たとえばブラックトナーで形成される。パッチP1〜P4は、予め設定されている4種類の露光パルス幅制限のいずれかを適用したドットで形成されて主走査方向に延びている黒帯領域と、白画素で構成された領域が主走査方向に延びている白帯領域とが副走査方向に交互に並んで形成されている。黒帯領域及び白帯領域の副走査方向の画素数は、校正用に予め設定されている。
【0022】
ステップS12では、画像形成装置1の校正用濃度センサ22は、4個のパッチP1〜P4の濃度を計測する。4個のパッチP1〜P4の濃度は、中間転写ベルト27aを回転駆動させつつ校正用濃度センサ22が照射する光の反射光量に基づいて計測される。この計測された反射光量に対しては、予め目標値が実験その他の方法で設定されている。
【0023】
図5は、一実施形態に係る露光パルス幅と濃度センサの出力値の関係を示すグラフである。図5(a)において、横軸は露光パルス幅Epであり、縦軸は校正用濃度センサ22の出力値(濃度値)である。目標値は、ベタとして隙間無くドットが形成されるための出力値である。目標値を超えている場合には、ドットが余剰に重畳的に付着していることを意味する。
【0024】
図5(b)は、4個のパッチP1〜P4において設定されている4種類のパルス幅制限値を示している。本実施形態では、4個のパッチP1〜P4は、露光のパルス幅の割合が相違する露光で形成されるベタ領域(黒帯領域とも呼ばれる。)を有するパッチである。具体的には、パッチP3は、主走査時において1画素を通過する時間である画素通過期間Wpのうちの露光パルス幅Epの割合が80%である80%露光で形成されるドットで構成されているパッチである。パッチP1,P2及びP4は、画素通過期間Wpのうちの露光パルス幅Epの割合がそれぞれ40%、60%及び100%である40%露光、60%露光及び100%露光で形成されるドットで構成されているパッチである。
【0025】
図5(a)の例では、画像形成装置1の個体差を表す3つのケースC1〜C3の状態が示されている。ケースC1は、3つのケースC1〜C3の中で最も出力値(すなわち濃度が高い)が大きなケースである。ケースC1では、60%露光と80%露光の間の点R1で目標値に到達している。ケースC2では、ケースC1と同様に60%露光と80%露光の間の点R2で目標値に到達している。ケースC3では、80%露光と100%露光の間の点R3で目標値に到達している。
【0026】
ステップS13では、画像形成装置1は、露光パルス幅を決定する。露光パルス幅の決定は、本実施形態では、4種類のパルス幅制限のうちで目標値に到達している最小の露光パルス幅として決定される。具体的には、ケースC1,C2では、80%露光が露光パルス幅として決定され、ケースC3では、100%露光が露光パルス幅として決定されることになる。この例では、ケースC1の80%露光が露光パルス幅として決定された例について説明する。
【0027】
なお、パルス幅制限は、必ずしも4種類のパルス幅制限のうちのいずれかに決定する必要はなく、内挿計算によって決定してもよい。具体的には、たとえばケースC1については65%露光とし、ケースC2については76%露光とし、ケースC3については88%露光としてもよい。
【0028】
図6は、一実施形態に係るトナー消費削減処理の内容を示すフローチャートである。図7は、比較例と一実施形態に係るドットパターンDPc、DPeを示す説明図である。本トナー消費削減処理は、発明者によって新たに発見された以下の知見に基づくものである。
【0029】
本発明者は、文字の画像領域の露光パルス幅を全画素一律に間引くと実験によって以下の問題を生じさせることを見いだした。すなわち、図7(a)に示される比較例のドットパターンDPcのように、文字の線幅が太い場合においては静電潜像状態が不安定になるため、トナー帯電量変化など環境変動以外のノイズによるベタ文字の急激な濃度低下を引き起こす可能性があるというものである。
【0030】
本発明者は、このような知見に基づき、露光パルス幅を一律に間引きかないようにすることでベタ文字の急激な濃度低下を抑制できることを見いだした。本実施例は、露光パルス幅の一律の間引きが4画素以上連続しなければ急激な濃度低下が生じないことが確認されている場合のドットパターンを形成する方法である。
【0031】
ステップS21では、画像形成装置1の制御部10は、単色ベタ領域検出処理を行う。単色ベタ領域検出処理は、単色(一般的にはブラック)のベタ領域を検出する処理である。ステップS22では、制御部10は、単色ベタ領域の端部を検出する。端部でない場合には、処理がステップS23に進められ、端部である場合には、処理がステップS24に進められる。このように、制御部10は、ベタ検出部として機能している。
【0032】
ステップS24では、制御部10は、露光部23に対して端部の全画素について一律に80%露光を適用する。露光パルス幅を一律に間引くことによるベタ文字の急激な濃度低下は、2次元的に連続する場合に発生することが発明者によって見いだされているからである。さらに、端部は、間引かないことによって明確な輪郭を実現することができるからである。したがって、端部については露光パルス幅制限をしないように構成してもよい。このように、制御部10は、露光パルス幅制限部として機能している。
【0033】
ステップS23では、制御部10は、線幅が予め設定されている4ドット以上連続するか否かを決定する。線幅が4ドット以上連続する場合には、処理がステップS25に進められ、線幅が4ドット以上連続しない場合には、処理がステップS26に進められる。このように、ステップS23は、線幅が4ドット以上連続する場合、すなわち線幅(線領域の短い方向)の画素数が4ドット以上連続するか否かを判断している。よって、ステップS23は、少なくとも2次元方向の双方に4ドット以上連続するか否かを判断していることになる。
【0034】
ステップS25では、露光部23は、線幅が4ドット以上連続する領域の特定画素における露光パルス幅を段階的に制限する。具体的には、露光部23は、図7(b)に示される実施例のドットパターンDPeが形成されように露光パルス幅を段階的に制限する。ドットパターンDPeは、図6(b)に示される96%(A画素)、80%(B画素)及び64%(C画素)の3種類の露光パルス幅を使用している。3種類の露光パルス幅で形成されるドットパターンDPeは、図7(c)に示されるドット配列ルールDprに従って形成される。
【0035】
ステップS26では、露光部23は、図6(b)の下段に示されるように、ベタ領域の全画素について一律に80%露光を適用する。露光パルス幅を一律に間引くことによるベタ文字の急激な濃度低下は、4画素以上連続しなければ生じないことが確認されているケースだからである。
【0036】
このように、本実施形態に係る画像形成装置1は、予め設定されている画素数以上の線幅を有するベタ領域においては、同一の間引き率(すなわち同一の露光パルス幅制限)が連続しないようにドットパターンが構成されているので、露光パルス幅を一律に間引くことによるベタ文字の急激な濃度低下を抑制することができる。この結果、画像の劣化を抑制しつつ余剰のトナーの使用を抑制してベタ領域を形成することができる。
【0037】
本発明は、上記実施形態だけでなく、以下のような変形例でも実施することができる。
【0038】
変形例1:上記実施形態では、ベタ領域の画素が予め設定された数以上連続する場合には、隣接する画素の露光パルス幅制限が相互に相違するように設定されているが、隣接する画素の露光パルス幅制限が全て相違する必要はない。具体的には、たとえば80%露光、80%露光、64%露光、80%露光、80%露光、64%露光・・・といったようにN個(ここでは3個)に1個の割合で、すなわち予め設定された周期で相違する露光パルス幅制限が使用されるようにしてもよい。本発明の露光パルス幅制限部は、一般に、所定の領域において露光パルス幅の制限量を一律とせず、露光パルス幅の制限量を変動させるものであればよい。さらに、露光パルス幅の制限量の変動は、予め設定されている周期で変動するように構成されていてもよいし、非周期的でもよい。
【0039】
変形例2:上記実施形態では、4画素以上連続するベタ領域に対して露光パルス幅の制限量を変動させているが、4画素に限られず、たとえば5画素以上連続するベタ領域に対して露光パルス幅の制限量を変動させるようにしてもよい。
【0040】
変形例3:上記実施形態では、ベタ領域を構成する画素に対して露光パルス幅の制限量の走査が行われているが、ベタ領域には、文字や線画といった画像を形成する領域が含まれる。さらに、必ずしもブラックトナーで形成される領域に限られず、複数の色のトナーで形成されるベタ領域に本発明を適用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 画像形成装置
10 制御部
20 画像形成部
21a 画像読取部
21b 色変換処理部
21c ハーフトーン処理部
22 校正用濃度センサ
23 露光部
24c〜24k 現像部
25c〜25k 帯電部
50 記憶部
60 給紙カセット
70 筐体

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7