特許第6381007号(P6381007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6381007-膜ろ過装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381007
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】膜ろ過装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20060101AFI20180820BHJP
   B01D 61/12 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   C02F1/44 A
   C02F1/44 C
   B01D61/12
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-77269(P2017-77269)
(22)【出願日】2017年4月10日
(62)【分割の表示】特願2013-92390(P2013-92390)の分割
【原出願日】2013年4月25日
(65)【公開番号】特開2017-119281(P2017-119281A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2017年4月14日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】堀内 修
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 大介
(72)【発明者】
【氏名】浅川 友二
(72)【発明者】
【氏名】田島 直幸
【審査官】 関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−106832(JP,A)
【文献】 特開2008−000658(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0134080(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/44
B01D 61/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜またはナノろ過膜を有するろ過手段と、
前記ろ過手段の上流側に接続され、前記被処理水を前記ろ過手段に供給する供給ラインと、
前記ろ過手段の下流側に接続され、前記透過水を流通させる透過水ラインと、
前記ろ過手段の下流側に接続され、前記濃縮水を流通させる濃縮水ラインと、
前記濃縮水ラインから分岐し、前記濃縮水の一部を外部へ排出する排水ラインと、
前記濃縮水ラインから分岐して前記供給ラインに接続され、前記濃縮水の残りを前記供給ラインに還流させる還流水ラインと、
前記透過水ラインを流れる前記透過水の流量を設定流量に調整する第1の流量調整手段と、
前記濃縮水ラインに設けられ、前記濃縮水ラインを流れる前記濃縮水の流量を一定に保持する定流量弁と、
前記被処理水と前記透過水と前記濃縮水とのいずれかの水温を検出する水温検出手段と、
前記排水ラインを流れる前記濃縮水の流量を設定流量に調整する第2の流量調整手段であって、前記排水ラインに設けられた流量調整弁と、前記排水ラインを流れる前記濃縮水の流量を検出する流量検出手段と、該流量検出手段により検出された前記濃縮水の流量に基づいて、前記流量調整弁の開度を調整する制御手段と、を有する第2の流量調整手段と、を有し、
前記第2の流量調整手段の前記制御手段は、前記濃縮水のシリカ濃度が前記水温検出手段により検出された前記水温でのシリカ溶解度を超えない範囲で、前記透過水ラインを流れる前記透過水の流量と前記排水ラインを流れる前記濃縮水の流量との和に対する前記透過水ラインを流れる前記透過水の流量の割合である回収率が所定の値になるように、前記排水ラインを流れる前記濃縮水の前記設定流量を決定する、膜ろ過装置。
【請求項2】
前記第1の流量調整手段が、前記供給ラインに設けられ、前記ろ過手段への前記被処理水の供給圧力を調整する圧力調整手段と、前記透過水ラインを流れる前記透過水の流量を検出する流量検出手段と、該流量検出手段により検出された前記透過水の流量に基づいて、前記圧力調整手段を制御する制御手段と、を有する、請求項1に記載の膜ろ過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆浸透膜またはナノろ過膜を有する膜ろ過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被処理水に含まれる不純物を除去する水処理装置として、逆浸透膜(RO膜)またはナノろ過膜(NF膜)を有する膜ろ過装置が知られている。この装置では、所定の供給圧力でRO膜またはNF膜に供給された被処理水(原水)が、RO膜またはNF膜により、透過水と濃縮水とに分離される。これにより、不純物が除去された処理水(透過水)が得られている。
【0003】
RO膜またはNF膜で分離される濃縮水は不純物を含んでいるが、それをすべて外部に排出してしまうことは、水の有効利用の観点から好ましくない。そこで、多くの膜ろ過装置では、濃縮水の一部のみを濃縮排水として外部に排出し、残りの濃縮水を濃縮還流水としてRO膜またはNF膜の上流側に還流させる構成が採用されている(例えば、特許文献1参照)。この構成によれば、すべての濃縮水を濃縮排水として排出する場合に比べて、回収率(透過水の流量と濃縮排水の流量との和に対する透過水の流量の割合)を向上させることができる。
【0004】
ところで、RO膜またはNF膜で分離される透過水の流量は、RO膜またはNF膜への原水の供給圧力が同じであっても、環境温度(特に水温)の変化により変化する。すなわち、水温が変化すると、水の粘性が変化するため、膜を透過する水の量も変化する。このため、通常、膜ろ過装置では、RO膜またはNF膜への原水の供給圧力を調整するために加圧ポンプの回転数を制御して、透過水の流量を一定に維持する流量制御が行われている。
【0005】
一方で、透過水の流量が一定になるように原水の供給圧力を調整すると、それに応じて、RO膜またはNF膜で分離される濃縮水の流量も変化する。例えば、濃縮水の流量が減少すると、膜面での流速が低下し、それが、膜面での濃度分極(膜面濃度が上昇する現象)を発生させたり、膜面に付着した懸濁物質を剥離しにくくしたりする場合がある。その結果、ファウリングやスケーリングによる膜の詰まりが発生し、透過水の流量の低下につながってしまう。また、濃縮水の流量が増加すると、膜における圧力損失が大きくなるが、それが極端に大きくなると、膜の破損が生じるおそれがある。したがって、透過水の流量に対して濃縮水の流量の割合を一定にする必要があり、濃縮水に対しても流量制御が要求されている。
【0006】
上述した構成においてこの要求を実現するために、例えば、特許文献1に記載の装置では、RO膜またはNF膜で分離される濃縮水のうち、膜の上流側に還流される濃縮還流水の流量を調整することにより、濃縮水の流量が変化した場合でも、透過水の流量に対する濃縮水の割合を所定の割合に維持する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−000658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した方法では、透過水の流量に対する濃縮水の流量の割合を一定に維持するための流量制御が、透過水の流量制御と干渉してハンチングを起こしてしまい、不安定な状態に陥るという問題がある。
【0009】
例えば、水温が低下し、透過水の流量が減少すると、透過水の流量を一定に維持するために、RO膜またはNF膜への原水の供給圧力は上昇する。この供給圧力の上昇により、濃縮水の流量は増加するが、この変化を打ち消すように、上述した濃縮還流水(RO膜またはNF膜の上流側に還流される濃縮水)の流量制御が行われる。すなわち、濃縮水の流量は、一旦増加した後、濃縮還流水の流量が減少することで、減少に転じる。しかしながら、この濃縮水の流量の減少は、透過水の流量を増加させる。そして、この透過水の流量増加に応答して原水の供給圧力が低下すると、それにより、濃縮水の流量はさらに減少して所定の流量を大きく下回ってしまう。
【0010】
また、所望の回収率を得るために、例えば、濃縮排水(外部に排出される濃縮水)の流量を減少させると、それに応じて、濃縮水の流量は減少するが、この変化を打ち消すように、濃縮還流水の流量制御が行われる。すなわち、濃縮水の流量は、一旦減少した後、濃縮還流水の流量が増加することで、増加に転じる。しかしながら、濃縮水の流量の一時的な減少は、透過水の流量の増加につながり、原水の供給圧力の低下につながる。これにより、濃縮水の流量はさらに減少し、それに合わせて、濃縮還流水の流量はさらに増加することになる。この濃縮還流水の増加量は、濃縮排水の流量の減少に応じた増加量よりも大きくなり、結果的に、濃縮水の流量は所定の流量を大きく上回ってしまう。
【0011】
そこで、本発明の目的は、ハンチングを回避して、安定した流量制御を実現する膜ろ過装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成するために、本発明の膜ろ過装置は、被処理水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜またはナノろ過膜を有するろ過手段と、ろ過手段の上流側に接続され、被処理水をろ過手段に供給する供給ラインと、ろ過手段の下流側に接続され、透過水を流通させる透過水ラインと、ろ過手段の下流側に接続され、濃縮水を流通させる濃縮水ラインと、濃縮水ラインから分岐し、濃縮水の一部を外部へ排出する排水ラインと、濃縮水ラインから分岐して供給ラインに接続され、濃縮水の残りを供給ラインに還流させる還流水ラインと、透過水ラインを流れる透過水の流量を設定流量に調整する第1の流量調整手段と、濃縮水ラインに設けられ、濃縮水ラインを流れる濃縮水の流量を一定に保持する定流量弁と、被処理水と透過水と濃縮水とのいずれかの水温を検出する水温検出手段と、排水ラインを流れる濃縮水の流量を設定流量に調整する第2の流量調整手段であって、排水ラインに設けられた流量調整弁と、排水ラインを流れる濃縮水の流量を検出する流量検出手段と、流量検出手段により検出された濃縮水の流量に基づいて、流量調整弁の開度を調整する制御手段と、を有する第2の流量調整手段と、を有し、第2の流量調整手段の制御手段は、濃縮水のシリカ濃度が水温検出手段により検出された水温でのシリカ溶解度を超えない範囲で、透過水ラインを流れる透過水の流量と排水ラインを流れる濃縮水の流量との和に対する透過水ラインを流れる透過水の流量の割合である回収率が所定の値になるように、排水ラインを流れる濃縮水の設定流量を決定する。
【0013】
このような膜ろ過装置では、濃縮水ラインに定流量弁を設けることで、ろ過手段で分離される濃縮水の流量を常に一定に保持することができる。これにより、透過水の流量制御が排水ラインや還流水ラインを流れる濃縮水の流量に影響を及ぼすことがなくなる。その結果、濃縮水側でどのような流量制御を行っても、それが透過水の流量制御と干渉することはなくなるため、ハンチングを回避することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上、本発明によれば、ハンチングを回避して、安定した流量制御を実現する膜ろ過装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の膜ろ過装置の一実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の膜ろ過装置の一実施形態を示す概略図である。
【0018】
本実施形態の膜ろ過装置1は、原水(被処理水)に含まれる不純物を除去して処理水を生成する装置であって、原水を、不純物を含む濃縮水と、不純物が除去された透過水とに分離するろ過手段2を有している。ろ過手段2は、逆浸透膜(RO膜)またはナノろ過膜(NF膜)を有している。
【0019】
また、膜ろ過装置1は、ろ過手段2の上流側に接続され、原水をろ過手段2に供給する供給ライン3と、ろ過手段2の下流側に接続され、ろ過手段2で分離された透過水を流通させる透過水ライン4と、を有している。供給ライン3には、ろ過手段2に供給される原水の供給圧力を調整する加圧ポンプ(圧力調整手段)11が設けられ、透過水ライン4には、透過水ライン4を流れる透過水の流量を検出する透過水流量計(流量検出手段)12が設けられている。
【0020】
本実施形態の膜ろ過装置1では、透過水の流量が一定に維持されるようになっている。そのため、膜ろ過装置1は、加圧ポンプ11と透過水流量計12と共に透過水流量調整手段(第1の流量調整手段)10を構成する透過水流量コントローラ(制御手段)13を有している。
【0021】
透過水流量コントローラ13は、加圧ポンプ11の回転数を制御するインバータ(図示せず)を有し、透過水流量計12で検出された透過水の流量が一定(設定流量)になるように、加圧ポンプ11の回転数を制御するようになっている。例えば、環境温度(特に水温)が変化すると、水の粘性が変化することで、RO膜またはNF膜で分離される透過水の流量も変化する。この変化に応じて、透過水流量コントローラ13は、加圧ポンプ11の回転数を制御するようになっている。すなわち、水温が低くなると、水の粘性は高くなり、その結果、RO膜またはNF膜で分離される透過水の流量は減少する。そのため、透過水流量コントローラ13は、この減少分を補うように、加圧ポンプ11の回転数を上げることで、原水の供給圧力を増加させる。また、水温が高くなると、水の粘性は低くなり、その結果、RO膜またはNF膜で分離される透過水の流量は増加する。そのため、透過水流量コントローラ13は、この増加分を打ち消すように、加圧ポンプ11の回転数を下げることで、原水の供給圧力を低下させる。
【0022】
また、膜ろ過装置1は、ろ過手段2の下流側に接続され、ろ過手段2で分離された濃縮水を流通させる濃縮水ライン5と、その濃縮水ライン5から分岐した2つのライン、すなわち、排水ライン6と還流水ライン7とを有している。排水ライン6は、濃縮水の一部を外部へ排出するために設けられ、還流水ライン7は、加圧ポンプ11の上流側で供給ライン3に接続され、濃縮水の残りを供給ライン3に還流させるために設けられている。
【0023】
上述したように、加圧ポンプ11の回転数、すなわち原水の供給圧力を調整することで、透過水の流量は一定に維持されている。換言すれば、原水の供給圧力は、例えば環境温度(特に水温)が変化すると、それに応じて変化するため、RO膜またはNF膜で分離される濃縮水の流量も変化することになる。特に、水温が高くなり、原水の供給圧力が低下した場合、濃縮水の流量が減少して、ファウリングやスケーリングによる膜の詰まりの発生につながる。また、水温が低くなり、原水の供給圧力が上昇した場合、濃縮水の流量が増加すると、圧力損失の増大による膜の破損につながる。
【0024】
本実施形態では、このような濃縮水の流量変化そのものを抑制するために、濃縮水ライン5に、濃縮水ライン5を流れる濃縮水の流量を一定に保持する定流量弁8が設けられている。これにより、透過水流量コントローラ13により加圧ポンプ11の回転数が変化して、ろ過手段2への原水の供給圧力が変化した場合にも、濃縮水の流量を一定に保持することができる。
【0025】
定流量弁8の規定流量は、上述したように、一方では、ファウリングやスケーリングによる膜の詰まりが発生しない程度であればよく、他方では、圧力損失の増大によって膜を破損させない程度であればよい。定流量弁8の規定流量は、一例として、直径が約20.32cm(8インチ)のRO膜を有するろ過手段2の場合、1〜15m/hの範囲である。
【0026】
このように、濃縮水ライン5に定流量弁8を設けることで、ろ過手段2で分離される濃縮水の流量を常に一定に保持することができる。これにより、透過水の流量制御が排水ライン6や還流水ライン7を流れる濃縮水の流量に影響を及ぼすことがなくなる。その結果、排水ライン6や還流水ライン7でどのような流量制御を行っても、それが透過水の流量制御と干渉することはなくなるため、ハンチングを回避することができる。
【0027】
すなわち、定流量弁8の設置は、還流水ライン6または排水ライン7の流量制御が容易になる点でも有利である。本実施形態では、排水ライン6を流れる濃縮水(以下、「濃縮排水」という)の流量を設定流量に調整するための排水流量調整手段(第2の流量調整手段)20が設けられている。この排水流量調整手段20による濃縮排水の流量制御は、透過水流量調整手段10による透過水の流量制御とは独立して行われる。
【0028】
排水流量調整手段20は、排水ライン6に設けられた流量調整弁21と、濃縮排水の流量を検出する排水流量計(流量検出手段)22と、排水流量計22により検出された濃縮排水の流量に基づいて、流量調整弁21の開度を調整する排水流量コントローラ(制御手段)23と、を有している。排水流量コントローラ23が、後述するように、回収率を考慮して濃縮排水の設定流量を決定し、排水流量計22による検出値がその設定流量となるように、流量調整弁21の開度を調整するようになっている。流量調整弁21としては、電磁比例制御弁が好適に用いられる。
【0029】
濃縮排水の流量は、透過水の流量と濃縮排水の流量との和に対する透過水の流量の割合である回収率を考慮して設定される。回収率は、水の有効利用の観点から、できるだけ高いことが好ましい。すなわち、濃縮排水の流量はできるだけ少ないことが好ましい。しかしながら、定流量弁8により濃縮水の流量が一定に保持されているため、濃縮排水の流量が少なくなると、当然のことながら、還流水ライン7から供給ライン3に還流する濃縮水の流量が増加する。それにより、原水の不純物濃度が高まると、スケーリングが起こりやすくなってしまう。したがって、濃縮排水の流量は、原水の不純物濃度が溶解度以上の濃度にならないように、できるだけ低く設定される。
【0030】
ところで、不純物の溶解度は、水温に応じて変化する。例えば、シリカの場合、その溶解度は温度に比例して増加する。そのため、水温が低い場合には、シリカの溶解度が低くなるため、濃縮排水の流量を高く設定して回収率を多少犠牲にしても、不純物濃度を低く抑えることが好ましい。一方、水温が高い場合には、シリカの溶解度が高くなるため、不純物濃度が溶解度を超えない程度に、濃縮排水の流量を低く設定することができる。このように、水温に基づいて濃縮排水の流量調整を行うことで、より最適な回収率を得ることができる。
【0031】
このために、本実施形態の膜ろ過装置1には、原水と透過水と濃縮水とのいずれかの水温を検出する温度センサ(水温検出手段)を設けられていてもよい。この場合、排水流量コントローラ23が、温度センサにより検出された水温に基づいて、濃縮排水の最適な設定流量を算出するようになっている。
【0032】
一方、濃縮排水の流量の設定は、ろ過手段2に供給される原水の水質を検出し、その検出値に基づいて行うようになっていてもよい。この場合、本実施形態の膜ろ過装置1には、原水の水質を検出する水質センサ(水質検出手段)が設けられ、排水流量コントローラ23が、水質センサの検出値に基づいて、濃縮排水の最適な設定流量を算出するようになっている。例えば、水質センサにより、不純物濃度の増加が検出された場合には、濃縮排水の流量を高く設定し、不純物濃度の減少が検出された場合には、濃縮排水の流量を低く設定する。水質の指標としては、例えば、電気伝導度、硬度成分やシリカの濃度、懸濁物質の濃度などが挙げられる。
【0033】
なお、本発明の膜ろ過装置によれば、定流量弁により濃縮水の流量が一定に維持されるため、排水ラインおよび還流水ラインの一方を流れる濃縮水の流量を規定するだけで、他方を流れる濃縮水の流量も規定することができる。そのため、上述した実施形態では、排水ラインの側に流量調整弁と流量計とが設けられていたが、それらは還流水ラインの側に設けられていてもよい。また、上述した実施形態では、透過水流量コントローラと排水流量コントローラとが別個に設けられていたが、1つの流量コントローラにより、透過水の流量調整と濃縮排水の流量調整とを行うようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 膜ろ過装置
2 ろ過手段
3 供給ライン
4 透過水ライン
5 濃縮水ライン
6 排水ライン
7 還流水ライン
8 定流量弁
10 透過水流量調整手段
11 加圧ポンプ
12 透過水流量計
13 透過水流量コントローラ
20 透過水流量調整手段
21 流量調整弁
22 排水流量計
23 排水流量コントローラ
図1