(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.スロットマシンの構造
本発明の一実施形態に係る回胴式遊技機(以下、スロットマシンともいう)について、図面に基づいて説明する。まず
図1に示す全体斜視図および
図2に示す正面図を参照しつつ、スロットマシン1の全体的な構造について説明する。スロットマシン1は、
図1に示すように、本体部2と前面扉3とを備えている。本体部2は前面を開放した箱状をなしており、前面扉3はその本体部2の前面側に開閉自在に取り付けられている。これら本体部2および前面扉3は、スロットマシン1の筐体BXをなしている。具体的に、前面扉3が閉状態である場合(つまり、
図1に示すような状態にある場合)には、前面扉3によって本体部2の前面側が閉鎖されるように構成されている。なお、本体部2および前面扉3には、図示しないロック機構が設けられている。よって、前面扉3が閉状態である場合には、本体部2が開放不可能な状態に施錠可能となっている。このため、ホール関係者(ホール管理者)以外の者(例えば遊技者)が前面扉3を開状態にして筐体BX内を触れることはできない。本形態では、ロック機構による施錠は、前面扉3に設けられたキーシリンダ18における所定のキー操作によって解除可能となっている。
【0020】
前面扉3の中央部上寄りには、樹脂製の板材からなる表示パネル4が配置されている(
図1および
図2参照)。この表示パネル4の中央には、縦長の3つの表示窓5L,5C,5Rが横並びに設けられている。具体的には、左側から順に左表示窓5L、中表示窓5C、右表示窓5Rが並んでいる。表示窓5L,5C,5Rは透明とされており、各表示窓5L,5C,5Rを通して、上記本体部2の内部を視認可能に構成されている。なお、各表示窓5L,5C,5Rの間を仕切る部位をなくして1つの表示窓としてもよい。
【0021】
本体部2の内部には、左リール6Lと、中リール6Cと、右リール6Rとが収納されている。これらリール6L,6C,6Rが複数の変動表示部に相当する。各リール6L,6C,6Rはそれぞれ円筒状に形成されている。具体的には、透光性を有する部材(本形態では透明な樹脂製の部材)で構成された円筒状のドラム部(図示しない)の外周部分に、同じく透光性を有する後述のリールテープ7L,7C,7R(
図3参照)を1周巻回してできている。よって、左リール6Lの外周面には、左リールテープ7Lに描かれた図柄が、中リール6Cの外周面には、中リールテープ7Cに描かれた図柄が、右リール6Rの外周面には、右リールテープ7Rに描かれた図柄がそれぞれ付されている。
【0022】
なお、各リール6L,6C,6Rの内側には、バックランプ49(
図5参照)がそれぞれ配設されている。このため、各バックランプ49が点灯した場合には、各リール6L,6C,6Rの外周面に付された図柄は、そのバックランプ49によってリール内から照らされることになる。
【0023】
各リール6L,6C,6Rはいずれも回転可能に支持されている。具体的には、各々の中心軸線が当該リール6L,6C,6Rの回転軸線となるように支持されている。各リール6L,6C,6Rの回転軸線は、同一軸線上に配設されており、
図1および
図2に示すように、それぞれのリール6L,6C,6Rが各表示窓5L,5C,5Rと1対1で対応している。よって、各リール6L,6C,6Rの外周面の一部が、それぞれ対応する表示窓5L,5C,5Rを通して視認可能な状態となっている。
【0024】
また、リール6L,6C,6Rが回転すると、各表示窓5L,5C,5Rを通して、リール6L,6C,6Rの外周面が上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。これにより、各リール6L,6C,6Rの外周面に付された図柄が、各表示窓5L,5C,5Rの枠内にて上から下に変動表示されることになる。各リール6L,6C,6Rは、それぞれステッピングモータ等のリール用モータ55L,55C,55R(
図4参照)に連結されており、各リール用モータ55L,55C,55Rの駆動により、各リール6L,6C,6Rがそれぞれ独立して回転駆動し得る。
【0025】
ここで、
図3を参照して、各リール6L,6C,6Rに付されている図柄について説明する。
図3は、各リール6L,6C,6Rをなす帯状のリールテープ7L,7C,7Rの概念図である。左リールテープ7Lは左リール6Lに、中リールテープ7Cは中リール6Cに、右リールテープ7Rは右リール6Rにそれぞれ用いられる。
図3に示すように、各リールテープ7L,7C,7Rには20個の図柄が長手方向(
図3中、上下方向)に沿って一列に描かれている。なお、
図3において、各リールテープ7L,7C,7Rに対応して「1」〜「20」のコマ番号を付しているが、これらのコマ番号は説明の便宜上付されたものであり、各リールテープ7L,7C,7R、さらには各リール6L,6C,6Rに実際に付されているものではない。また、各リールに付される図柄をそれぞれ20個としたが、21個等、他の個数としてもよい。
【0026】
各リールテープ7L,7C,7Rには、複数種類の図柄が描かれている。具体的には「赤セブン」図柄、「チェリー1」図柄、「チェリー2」図柄、「スイカ1」図柄、「スイカ2」図柄、「スイカ3」図柄、「ベル」図柄、「リプレイ」図柄、「ブランク1」図柄、「ブランク2」図柄、「ブランク3」図柄および「ブランク4」図柄がある(
図3参照)。
【0027】
なお本形態では、「チェリー1」図柄および「チェリー2」図柄は、見た目上、同一の図柄を用いている。但し、リール制御上では、識別可能となっている。これら「チェリー1」図柄および「チェリー2」図柄を総称して「チェリー」図柄という。「スイカ1」図柄、「スイカ2」図柄および「スイカ3」図柄もまた、見た目上、同一の図柄を用いているが、リール制御上では、識別可能となっている。これら「スイカ1」図柄、「スイカ2」図柄および「スイカ3」図柄を総称して「スイカ」図柄という。「ブランク1」図柄、「ブランク2」図柄、「ブランク3」図柄および「ブランク4」図柄もまた、見た目上、同一の図柄を用いているが、リール制御上では、識別可能となっている。これら「ブランク1」図柄、「ブランク2」図柄、「ブランク3」図柄および「ブランク4」図柄を総称して「ブランク」図柄という。
【0028】
なお、「チェリー1」図柄および「チェリー2」図柄は、見た目上、互いに異なる図柄であってもよい。また、「スイカ1」図柄および「スイカ2」図柄は、見た目上、互いに異なる図柄であってもよい。また、「ブランク1」図柄、「ブランク2」図柄、「ブランク3」図柄および「ブランク4」図柄の少なくとも1つの図柄が、他の図柄と異なる図柄であってもよい。また、リールの図柄として上記11種類の図柄を用いた形態としたが、12種類以上の図柄を用いた形態や、2〜10種類の図柄を用いた形態としてもよい。
【0029】
また、表示窓5L,5C,5Rを通して視認可能な図柄数は、主として表示窓5L,5C,5Rの上下方向の長さによって決まる。本形態では、遊技者に視認可能な図柄数は、リール6L,6C,6R毎に3個ずつとなっている(
図2中の破線で示す丸印を参照)。このため、各リール6L,6C,6Rがいずれも停止している状態では、9個の図柄が表示窓5L,5C,5Rを通じて視認可能である。
【0030】
本スロットマシン1には、
図2に示すように、各リール6L,6C,6Rの図柄が視認可能となる位置を一直線に結んだ有効ラインL1が設定されている。この有効ラインL1は、
図2の一点鎖線で示す、左リール6Lの中段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの中段図柄を結んだラインである。なお、上述の有効ラインL1をなしている位置を所定の位置ともいう。
【0031】
有効ラインL1上に、
図9に示す遊技役に応じた停止表示図柄が停止した場合に、その遊技役が成立する。遊技役が成立した場合には、遊技媒体である遊技メダル(以下、単にメダルともいう)が所定数払い出される特典や、遊技状態が移行する特典や、再遊技の特典が付与される。図柄の組み合わせおよび遊技役の成立時の特典については、後ほど詳述する。
【0032】
なお例えば、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの上段図柄,右リール6Rの上段図柄を結んだラインや、左リール6Lの下段図柄,中リール6Cの下段図柄,右リール6Rの下段図柄を結んだラインや、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの下段図柄を結んだライン等、有効ラインL1以外の一直線のラインを有効ラインとしてもよい。また例えば、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの上段図柄を結んだラインや、左リール6Lの下段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの下段図柄を結んだライン等、一直線ではなく左右対称型のラインを有効ラインとしてもよい。また例えば、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの中段図柄を結んだラインや、左リール6Lの下段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの中段図柄を結んだライン等、一直線ではなく左右非対称型のラインを有効ラインとしてもよい。また、上述した各ラインを複数用いて、有効ラインを複数設けてもよい。
【0033】
図1に戻って、表示パネル4の下方左側には、各リール6L,6C,6Rの回転を開始させるために遊技者が操作可能なスタートレバー8が設けられている。所定の数(遊技開始可能枚数)のメダルが投入されているときにスタートレバー8が操作されると、各リール6L,6C,6Rの回転が開始されて、表示窓5L,5C,5Rを通して図柄の変動表示が開始される。なお本形態では、遊技状態によらず遊技開始可能枚数は「3」である。つまり、本スロットマシン1は、3枚掛け専用機である。
【0034】
また、表示パネル4の下方中央、且つ、スタートレバー8の右方には、回転中の各リール6L,6C,6Rを個別に停止させることが可能なストップボタン(停止操作部)9L,9C,9Rが設けられている(
図1および
図2参照)。
【0035】
左ストップボタン9Lは、左リール6Lの回転駆動を停止させることが可能なものである。よって、左リール6Lの回転中に遊技者が左ストップボタン9Lを操作(押圧操作)した場合には、その操作に基づいて左リール6Lの回転が停止する。これにより、左リール6Lに付された図柄が変動表示から停止表示になる。また、中ストップボタン9Cは、中リール6Cの回転駆動を停止させることが可能なものである。よって、中リール6Cの回転中に遊技者が中ストップボタン9Cを操作(押圧操作)した場合には、その操作に基づいて中リール6Cの回転が停止する。これにより、中リール6Cに付された図柄が変動表示から停止表示になる。また、右ストップボタン9Rは、右リール6Rの回転駆動を停止させることが可能なものである。よって、右リール6Rの回転中に遊技者が右ストップボタン9Rを操作(押圧操作)した場合には、その操作に基づいて右リール6Rの回転が停止する。これにより、右リール6Rに付された図柄が変動表示から停止表示になる。
【0036】
また、表示パネル4の右下側の前方には、メダル投入口10が設けられている(
図1および
図2参照)。メダル投入口10は、単位遊技(一遊技、スロットゲーム、あるいは単に遊技ともいう)を行うためのベット操作としてメダルを本スロットマシン1に投入するためのものである。このメダル投入口10内には、投入されたメダルを検出するための投入メダル検出センサ10aが設けられている(
図4参照)。このため、メダル投入口10にメダルが投入された場合には、メダルの投入があった旨の信号が投入メダル検出センサ10aから出力される。
【0037】
また、メダル投入口10の左方には、第1ベットボタン11および第2ベットボタン12が設けられている(
図1および
図2参照)。本スロットマシン1は、余剰に投入したメダルや払い出されたメダルを、所定の最大値(具体的には50枚)になるまで仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有している。このクレジット機能が有効な場合には、RAM64の所定の記憶領域に貯留記憶されている仮想メダルの枚数が、表示パネル4内の表示窓5L,5C,5Rの下方左側に設けたクレジット数表示ランプ21に表示される(
図2参照)。RAM64については、後ほど詳述する。
【0038】
第1ベットボタン11は、一回の押下操作に伴い、遊技開始可能枚数(具体的には「3」)まで仮想メダルを追加投入するためのベットボタンである。また、第2ベットボタン12は、一回の押下操作に伴い、仮想メダルを1枚投入するためのベットボタンである。よって遊技者は、第1ベットボタン11又は第2ベットボタン12を押下操作することで、クレジット機能で記憶されている仮想メダルを単位遊技に用いることが可能となっている。つまり、第1ベットボタン11又は第2ベットボタン12の操作は、メダル(遊技媒体)の投入操作に該当する。
【0039】
なお、各ベットボタン11,12は、いずれも半透明の樹脂製の部材からなり、その内部側(内側)には、図示しないベットボタン用ランプがそれぞれ配置されている。このため、ベットボタン用ランプを点灯させたベットボタンに遊技者の注意を引くことが可能となっている。
【0040】
また、スタートレバー8の左方には、精算スイッチ14が設けられている(
図1および
図2参照)。精算スイッチ14は、上記クレジット機能を有効又は無効にするためのスイッチである。このため例えば、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ14を操作した場合には、クレジット数表示ランプ21に表示されていた枚数のメダルとなって、後述のメダル払出口30から払い出される。
【0041】
また、表示パネル4のうち各表示窓5L,5C,5Rの下方には、LEDからなるストップ報知ランプ20L,20C,20Rがそれぞれ設けられている(
図2参照)。具体的には、左表示窓5Lのすぐ下方に左ストップ報知ランプ20Lが、中表示窓5Cのすぐ下方に中ストップ報知ランプ20Cが、右表示窓5Rのすぐ下方に右ストップ報知ランプ20Rがそれぞれ配置されている。つまり、ストップ報知ランプ20L,20C,20Rは、リール6L,6C,6Rの各々の近傍にそれぞれある(
図1および
図2参照)。
【0042】
これらストップ報知ランプ20L,20C,20Rは、遊技状態がRT遊技状態又はBB遊技状態のときに、当選した小役3,小役4又は小役5の「正解押し順」の第1停止操作がストップボタン9L,9C,9Rのどのストップボタンの操作であるかを遊技者に報知するためのランプである。なお、遊技状態(RT遊技状態,BB遊技状態)、小役3〜小役5、正解押し順および第1停止操作については、後ほど詳述する。
【0043】
具体的に例えば、RT遊技状態又はBB遊技状態のときに小役3に当選した場合には、左ストップ報知ランプ20Lのみが点灯している発光態様、すなわち、左ストップ報知ランプ20Lが点灯して、中ストップ報知ランプ20Cおよび右ストップ報知ランプ20Rが消灯している発光態様で、ストップ報知ランプ20L,20C,20Rが発光する。これにより、点灯している左ストップ報知ランプ20Lのすぐ上の左リール6Lに遊技者の注目を集めることができ、その左リール6Lの停止操作部である左ストップボタン9Lの操作が、当選した小役3の正解押し順の第1停止操作であることを遊技者に報知可能となっている。
【0044】
また、RT遊技状態又はBB遊技状態のときに小役4に当選した場合には、中ストップ報知ランプ20Cのみが点灯している発光態様、すなわち、中ストップ報知ランプ20Cが点灯して、左ストップ報知ランプ20Lおよび右ストップ報知ランプ20Rが消灯している発光態様で、ストップ報知ランプ20L,20C,20Rが発光する。これにより、点灯している中ストップ報知ランプ20Cのすぐ上の中リール6Cに遊技者の注目を集めることができ、その中リール6Cの停止操作部である中ストップボタン9Cの操作が、当選した小役4の正解押し順の第1停止操作であることを遊技者に報知可能となっている。
【0045】
また、RT遊技状態又はBB遊技状態のときに小役5に当選した場合には、右ストップ報知ランプ20Rのみが点灯している発光態様、すなわち、右ストップ報知ランプ20Rが点灯して、左ストップ報知ランプ20Lおよび中ストップ報知ランプ20Cが消灯している発光態様で、ストップ報知ランプ20L,20C,20Rが発光する。これにより、点灯している右ストップ報知ランプ20Rのすぐ上の右リール6Rに遊技者の注目を集めることができ、その右リール6Rの停止操作部である右ストップボタン9Rの操作が、当選した小役5の正解押し順の第1停止操作であることを遊技者に報知可能となっている。
【0046】
また、表示パネル4のうち右表示窓5Rの下方には、投入可能表示ランプ22、再遊技表示ランプ23および獲得枚数表示ランプ24が設けられている(
図2参照)。投入可能表示ランプ22は、点灯により、メダルの投入が可能な状態であることを報知する。再遊技表示ランプ23は、点灯により、前回の単位遊技にて再遊技役が成立して、後述の自動ベット処理が行われたことを報知する。また、獲得枚数表示ランプ24は、2個の7セグメント表示器によって構成されており、遊技役の入賞に伴う払い出しの際にその枚数に応じたメダルの払出枚数を表示したり、遊技中に生じたエラーの情報(エラーコード)を表示したりする。
【0047】
また、上記クレジット数表示ランプ21の左方には、遊技開始表示ランプ25および投入枚数表示ランプ26が設けられている(
図2参照)。遊技開始表示ランプ25は、点灯により、遊技の開始が可能であること、すなわち、スタートレバー8の操作が可能な状態であることを報知する。投入枚数表示ランプ26は3つのランプからなり、ベット操作(メダル投入口10へのメダル投入、自動ベット処理、第1ベットボタン11又は第2ベットボタン12の操作)によって、メダル投入に相当する数に応じた数のランプが点灯する。
【0048】
また、表示パネル4のうち右表示窓5Rの右方下側の位置には、特殊役報知ランプ27が設けられている(
図2参照)。2つのランプからなる特殊役報知ランプ27は、遊技状態が後述のAT設定時に「小役1(チェリー小役)」又は「小役2(スイカ小役)」に当選した場合に、上記遊技役に対応したランプが点灯するようになっている。よって、AT設定時に小役1に当選した場合(本形態では、BB遊技状態のとき、又は、RT遊技状態のときに小役1に当選した場合)には、特殊役報知ランプ27のうち小役1に対応したランプがリールの回転中に点灯する。また、AT設定時に小役2に当選した場合(本形態では、BB遊技状態のとき、又は、RT遊技状態のときに小役2に当選した場合)には、特殊役報知ランプ27のうち小役2に対応したランプがリールの回転中に点灯する。このため、点灯する特殊役報知ランプ27によって、遊技役の当選を遊技者に把握させることが可能となっている。これにより遊技者が、小役1又は小役2の入賞の成立を狙って回転中の各リール6L,6C,6Rを停止させることが可能となっている。
【0049】
また、前面扉3の下部には、メダルを遊技者に払い出すためのメダル払出口30と、そのメダル払出口30によって払い出されたメダルを一定量まで貯留する下皿31とが配設されている(
図1および
図2参照)。
【0050】
一方、前面扉3の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする複数の演出用ランプ40と、遊技の進行に伴い種々の効果音などの音声を出力可能な左右一対のスピーカ41と、遊技者に各種情報を表示可能な画像表示装置(演出手段,画像表示手段に相当)42の表示画面42aとが設けられている。画像表示装置42は、遊技の進行に伴って各種画像演出を実行するためのものである。各種画像演出には、例えば、非RT遊技状態の演出モード(Aモード,Bモード)に応じた背景画像演出や、第1示唆演出の画像演出(
図44参照)や、第2示唆演出の画像演出(
図45参照)や、入賞操作報知演出(
図43(A)参照)や、入賞操作成功演出(
図43(B)参照)や、入賞操作失敗演出(
図43(C)参照)が挙げられる。なお、背景画像演出、第1示唆演出、第2示唆演出、入賞操作報知演出、入賞操作成功演出および入賞操作失敗演出については、後ほど詳述する。
【0051】
また、筐体BXの内側にあたる前面扉3の裏側には、前面扉3の開閉を検知する開閉検知センサ53a、リセット/設定ボタン15および設定表示ランプ28が設けられている(
図4参照)。リセット/設定ボタン15は、前面扉3が開状態のときに所定の操作が可能なものである。通常時には、エラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能する。すなわち、通常時にリセット/設定ボタンを操作(押圧操作)すると、RAM64に記憶されたデータが消去されて、RAM64の作業領域が初期化される。一方、設定変更時には、設定値を変更するための設定スイッチとして機能する。なおこのとき、リセット/設定ボタン15の操作に伴って設定表示ランプ28には、設定された設定値(「1」〜「6」のうちのいずれかの値)が点灯表示される。
【0052】
また、本スロットマシン1の本体部2の内部には、メダル投入口10から投入されたメダルを貯留するメダル金庫(図示しない)、このメダル金庫に貯留されたメダルをメダル払出口30から払い出すためのホッパー54(
図4参照)、ホッパー54の駆動により払い出されたメダルを検出する払出メダル検出センサ52a(
図4参照)、および、電源ボックス(図示しない)が設けられている。電源ボックスには、本スロットマシン1への電源投入および電源断時の操作のための電源スイッチ59(
図4参照)、および、設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ16(
図4参照)が設けられている。
【0053】
2.スロットマシンが備える回路の構成
次に、
図4および
図5を参照しつつ、本スロットマシン1の回路の構成(電気的な接続構成)について説明する。
図4に示す主制御基板60は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ(遊技制御用マイコン)61を主たる構成要素とした基板(電子回路基板)である。遊技制御用マイコン61は、CPU62、ROM63、RAM64およびI/O(入出力回路)69によって構成されている。
【0054】
CPU62は、ROM63に記憶された、例えば
図13〜
図26に示す制御プログラムに基づいて、遊技に関する制御を行う。CPU62には、クロックパルスを発生させるためのクロックパルス発生回路(図示しない)や、所定範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生させるための乱数発生器(図示しない)や、発生させた乱数の中から用途に応じて少なくとも1つの値を抽出するサンプリング回路(図示しない)が接続されている。CPU62は、上記クロックパルス発生回路により発生するクロックパルスに基づいて制御プログラムを実行する。また、サンプリング回路によって抽出した乱数値を用いて、例えば遊技役の決定(抽選)や、RT遊技状態における後述の上乗せ回数の抽選などを行う。
【0055】
ROM63は、上記制御プログラムのほかに、後述の遊技役抽選テーブル(
図10)、上乗せ回数抽選テーブル(
図11)、示唆演出用演出態様抽選テーブル(
図12)等のテーブルデータや、後述のサブ制御基板70に送信するための各種コマンド等を記憶している。RAM64は、制御プログラムの実行により決定された各種データを格納する格納領域を備えている。
【0056】
上述の遊技制御用マイコン61には、下記に示す各種センサ類、スイッチ類および基板類が接続されている。すなわち、
図4に示すスタート検出センサ8a、投入メダル検出センサ10a、第1ベット検出センサ11aおよび第2ベット検出センサ12aが接続されている。スタート検出センサ8aは、スタートレバー8の操作を検出して信号を出力する。また、投入メダル検出センサ10aは、上述のメダル投入口10に投入されたメダルを検出して信号を出力する。すなわち、投入メダル検出センサ10aは、メダル投入口10へのメダルの投入操作を検出して主制御基板60に検出信号を出力する。第1ベット検出センサ11aは、第1ベットボタン11の操作(押下操作)を検出して信号を出力する。また、第2ベット検出センサ12aは、第2ベットボタン12の操作(押下操作)を検出して信号を出力する。すなわち、第1ベット検出センサ11aおよび第2ベット検出センサ12aはいずれも、仮想メダルを用いた投入操作を検知して遊技制御用マイコン61(主制御基板60)に検出信号を出力する。
【0057】
また、遊技制御用マイコン61には、回胴検出センサ50a、リール位置検出センサ51a、払出メダル検出センサ52aおよび3つのSB検出センサ9LA,9CA,9RAが接続されている(
図4参照)。回胴検出センサ50aは、各リール6L,6C,6Rの回転速度が所定の設定速度に達した場合に信号を出力する。リール位置検出センサ51aは、各リール6L,6C,6Rのリール基準位置(例えば、
図3に示すコマ番号「1」の位置)がどこに停止しているかをそれぞれ検出して信号を出力する。払出メダル検出センサ52aは、ホッパー54の駆動により外部に払い出されたメダルを検出して信号を出力する。
【0058】
また、3つのSB検出センサ9LA,9CA,9RAは、各ストップボタン9L,9C,9Rの操作(押圧操作)をそれぞれ検出して信号を出力する。具体的に、左SB検出センサ9LAは、左ストップボタン9Lの操作を検出して操作信号を出力する。また、中SB検出センサ9CAは、中ストップボタン9Cの操作を検出して操作信号を出力する。また、右SB検出センサ9RAは、右ストップボタン9Rの操作を検出して操作信号を出力する。よって、いずれか1つのストップボタンが操作された場合には、その操作されたストップボタンに対応したSB検出センサから遊技制御用マイコン61(主制御基板60)に操作信号が出力される。
【0059】
また、上述の開閉検知センサ53a、精算スイッチ14および設定キースイッチ16に加えて、リセット検出センサ15aが接続されている(
図4参照)。リセット検出センサ15aは、上述のリセット/設定ボタン15の操作(押圧操作)を検出して信号を出力する。
【0060】
また、遊技制御用マイコン61には、上述の各種表示用ランプ(具体的には、ストップ報知ランプ20L,20C,20R、クレジット数表示ランプ21、投入可能表示ランプ22、再遊技表示ランプ23、獲得枚数表示ランプ24、遊技開始表示ランプ25、投入枚数表示ランプ26、特殊役報知ランプ27および設定表示ランプ28)が接続されている(
図4参照)。このため、遊技制御用マイコン61は、各種表示用ランプの制御(例えば、点灯や消灯や数値の表示の制御)が可能となっている。
【0061】
また、遊技制御用マイコン61には、上述のホッパー54、および、各リール6L,6C,6Rを回転駆動させるためのリール用モータ55L,55C,55Rが接続されている。このため、遊技制御用マイコン61は、ホッパー54によるメダルの払い出しについての制御、および、リール用モータ55L,55C,55Rによる各リール6L,6C,6Rの駆動制御が可能となっている。
【0062】
また、遊技制御用マイコン61には、電源基板92が接続されている(
図4参照)。電源基板92は、主制御基板60に加えて、後述のサブ制御基板70および画像制御基板80に電力を供給するための基板である。なお、この電源基板92上には上述の電源スイッチ59が設置されている。
【0063】
また、遊技制御用マイコン61には、
図5に示すサブ制御基板70が接続されている。サブ制御基板70は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ(演出制御用マイコン)71を主たる構成要素とした基板である。この演出制御用マイコン71は、上記遊技制御用マイコン61と同じように、CPU72、ROM73、RAM74およびI/O79によって構成されている。
【0064】
CPU72は、主制御基板60から送信されたコマンドに応じて、ROM73に記憶された、例えば
図27〜
図37に示す制御プログラムに基づいて、画像を用いた演出やランプを用いた演出や音声を用いた演出に関する制御を行う。このCPU72には、主制御基板60の上記CPU62と同じように、図示しない乱数発生器およびサンプリング回路が接続されており、そのサンプリング回路によって抽出した乱数値を用いて、例えば演出パターンの選定などを行う。ROM73は、上記制御プログラムや各種データ等を記憶している。
【0065】
RAM74は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御基板60から送信される各種データを格納する格納領域を備えている。本形態のRAM74には、
図42(B)に示すように、音声出力データを格納するための音声出力データ格納領域74Yがある。この音声出力データ格納領域74Yは、Aモードの第1示唆演出の音声出力データ専用の格納領域であるAモード用音声出力データ格納領域74YAと、Bモードの第2示唆演出の音声出力データ専用の格納領域であるBモード用音声出力データ格納領域74YBとを備えている。
【0066】
また本形態では、サブ制御基板70から主制御基板60への情報伝達(信号の伝送)は不可能となっている。つまり、サブ制御基板70からの信号が主制御基板60へ出力されることはない。
【0067】
また、演出制御用マイコン71には、スピーカ41が接続されており(
図5参照)、演出制御用マイコン71が、スピーカ41からの音声、楽曲、効果音等の音声出力を制御する。なお、スピーカ41から出力する音声等の音響データ(要素データの一例)は、サブ制御基板70のROM73に格納されている。
【0068】
また、演出制御用マイコン71には、上述の演出用ランプ40やバックランプ49等のランプが接続されており(
図5参照)、演出制御用マイコン71が、それらランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン71は、演出用ランプ40やバックランプ49のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従ってランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板70のROM73に格納されているデータを用いる。
【0069】
なお、サブ制御基板70には、上記遊技制御用マイコン61と同様、上述の電源基板92が接続されている(
図4および
図5参照)。
【0070】
また、演出制御用マイコン71には、
図5に示す画像制御基板80が接続されている。画像制御基板80は、CPU82、制御用ROM83、制御用RAM84、VDP(Video Display Processor)85、CGROM(要素データ記憶手段に相当、画像データROMともいう)86、VRAM(ビデオRAMともいう)87およびI/O89を備えている(
図5参照)。
【0071】
CPU82は、主に画像表示装置42の表示制御を行う。制御用ROM83は、このCPU82が実行するプログラムを格納している。制御用RAM84は、CPU82の処理時にそのワークメモリとして機能する。
【0072】
また、VDP85は、画像表示装置42に表示する画像(主に動画像(映像))を出力する。CGROM86は、画像表示装置42に表示する画像の画像要素データ(要素データの一例)を格納している。すなわち、画像表示装置42に表示する各種演出画像に用いるための各画像(具体的には、キャラクタ(例えば、人物やマスコットや人物、マスコットを模した(デフォルメした)もの)の画像であるキャラクタ画像や、このキャラクタ画像に用いられるキャラクタ以外の物体、図形等の画像であるオブジェクト画像や、数字や記号等を含む文字画像や、背景画像など)の画像要素データを格納している。VRAM87は、VDP85と接続されており、画像要素データを画像出力データに展開するためのメモリとして機能する。つまり、VDP85が画像要素データを画像出力データに展開するためのフレームバッファメモリである。
【0073】
本形態のVRAM87には、
図42(A)に示すように、画像出力データを格納するための画像出力データ格納領域87Xがある。この画像出力データ格納領域87Xは、Aモードの第1示唆演出の画像出力データ専用の格納領域であるAモード用画像出力データ格納領域87XAと、Bモードの第2示唆演出の画像出力データ専用の格納領域であるBモード用画像出力データ格納領域87XBとを備えている。
【0074】
画像制御基板80のCPU82は、サブ制御基板70から画像演出に関するコマンド(例えば、後述するモード開始コマンドや演出態様コマンド等)を受信すると、上記VDP85、CGROM86およびVRAM87を用いて、受信した上記コマンドに基づき画像表示装置42における画像演出の表示制御を行う。すなわち、VDP85に、CGROM86から読み出した画像要素データをVRAM87に展開させて、画像表示装置42の表示画面42aに表示し得る画像出力データ(フレーム画像データ)を作成させる。そして、その画像出力データを、I/O89を通じて画像信号(ビデオ信号)で画像表示装置42に出力させる。
【0075】
なお、画像制御基板80には、上記主制御基板60および上記サブ制御基板70と同様、上述の電源基板92が接続されている(
図4および
図5参照)。
【0076】
上述したように、サブ制御基板70が音声演出とランプ演出とを制御して、画像制御基板80が画像演出を制御している。そこで本形態では、サブ制御基板70と画像制御基板80とをまとめて、遊技に伴う演出を制御可能な演出制御部(演出制御手段に相当)DKという。
【0077】
3.機能ブロックの説明
次いで、
図6を参照して本スロットマシン1の機能ブロックについて説明する。
図6に示すように本スロットマシン1は、操作信号出力手段99と主制御手段100と副制御手段(サブ制御手段)200とを備えている。操作信号出力手段99は、主に遊技者によってなされる各遊技操作に対応した信号を出力する。各遊技操作とは、例えば、メダルをベットするためのベット操作や、当選役決定処理を開始させるための開始操作(スタートレバー8の操作)や、各リール6L,6C,6Rを回転停止させるための停止操作(ストップボタン9L,9C,9Rの操作)等である。
【0078】
操作信号出力手段99から出力される信号としては、ストップボタン操作信号(左ストップボタン操作信号,中ストップボタン操作信号,右ストップボタン操作信号)、投入メダル信号、第1ベット信号、第2ベット信号およびスタート信号が挙げられる。ストップボタン操作信号は、各ストップボタン9L,9C,9Rのいずれかが操作(押圧操作)された場合に、そのストップボタンに対応したSB検出センサから出力される信号である。具体的に、左ストップボタン9Lが操作された場合には、左SB検出センサ9LAから左ストップボタン操作信号が出力される。また、中ストップボタン9Cが操作された場合には、中SB検出センサ9CAから中ストップボタン操作信号が出力される。また、右ストップボタン9Rが操作された場合には、右SB検出センサ9RAから右ストップボタン操作信号が出力される。
【0079】
投入メダル信号は、メダル投入口10にメダルが投入された場合に上述の投入メダル検出センサ10aから出力される信号である。第1ベット信号は、第1ベットボタン11が操作(押下操作)された場合に上述の第1ベット検出センサ11aから出力される信号である。また、第2ベット信号は、第2ベットボタン12が操作(押下操作)された場合に上述の第2ベット検出センサ12aから出力される信号である。また、スタート信号は、スタートレバー8が操作された場合に上述のスタート検出センサ8aから出力される信号である。
【0080】
図6に示す主制御手段100は、各リール6L,6C,6Rを用いた遊技の進行に関する主要な制御を行うものである。主制御手段100は、ベット管理手段101、当選役決定手段102、変動表示開始手段103、変動表示停止手段104、停止表示図柄判定手段105、特典付与手段106、遊技状態設定手段107、設定変更手段108、第1情報記憶手段109およびコマンド送信手段110を備えている。さらに、遊技上乗せ抽選手段112、役情報報知手段113およびランプ点灯手段114を備えている。なお、主制御手段100における上述の各手段は、
図4に示す主制御基板60上に配された遊技制御用マイコン61をなすCPU62、ROM63、RAM64等のハードウエア、および、ROM63等に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。つまり本形態では、主制御基板60は主制御手段100を含んだ構成となっている。
【0081】
ベット管理手段101は、ベット操作(具体的には、メダル投入口10へのメダル投入操作、或いは、第1ベットボタン11又は第2ベットボタン12の押下操作)により設定されたベット数(賭数)が、遊技開始可能枚数(「3」)に達したか否かを判定する処理を行うように構成されている。また、再遊技役の成立に伴って、次回の単位遊技において自動ベット処理を行うように構成されている。また、ベット数が上記遊技開始可能枚数に達している場合には、スタートレバー8の操作に伴うスタート検出センサ8aからのスタート信号を受信可能となるように構成されている。なお、自動ベット処理とは、遊技者が保有するメダルの数を減らすことなく、直前の単位遊技におけるベット数と同数のメダルがベットされた状態に自動的に設定する処理である。本形態でこれらの処理は、後述のステップS203のベット・開始操作受付処理に相当する。
【0082】
なお、このベット管理手段101は、賭数設定手段101Aを備えている。賭数設定手段101Aは、上記ベット操作により設定されたベット数(賭数)を所定の記憶領域にセットする処理を行うように構成されている。本形態でこの処理は、後述のステップS411の処理に相当する。
【0083】
当選役決定手段102は、スタートレバー8の操作に伴うスタート検出センサ8aからのスタート信号の受信を契機として、所定の当選確率に基づき、後述のBB役を含む複数種類の遊技役の抽選(当否判定)を実行し得る当選役決定処理を行うように構成されている。本形態でその処理は、後述のステップS204の当選役決定処理に相当する。この当選役決定処理は、図示しない乱数発生器により生成された乱数の中から、サンプリング回路(図示しない)によって1つの乱数(数値)を取得した後、その乱数が、遊技役抽選テーブル(
図10)に設定されている遊技役(およびハズレ)のどれに属するのかを判定するように構成されている。
【0084】
変動表示開始手段103は、当選役決定処理により遊技役が選出された後に、各リール6L,6C,6Rを一斉に回転開始させる処理を行うように構成されている。本形態でその処理は、後述のステップS205のリール回転開始処理に相当する。また、変動表示停止手段104は、ストップボタン9L,9C,9Rの操作(押圧操作)に伴うストップボタン操作信号の入力に基づいて、当該ストップボタン9L,9C,9Rにそれぞれ対応するリール6L,6C,6Rを回転停止させる処理を行えるように構成されている。本形態でその処理は、後述のステップS206のリール回転停止処理に相当する。なお、変動表示開始手段103と変動表示停止手段104とをあわせてリール制御手段としてもよい。このような場合にリール制御手段は、リール回転開始処理とリール回転停止処理とを実行可能な構成になっている。
【0085】
停止表示図柄判定手段105は、各リール6L,6C,6Rによって有効ラインL1上に停止表示された図柄がどのような組み合わせであるかを認識して、その図柄の組み合わせから、遊技役(BB役や小役1〜8や再遊技役)の成立の有無を判定する処理を行うように構成されている。本形態でその処理は、後述のステップS207の停止表示図柄判定処理に相当する。
【0086】
特典付与手段106は、上記停止表示図柄判定手段105によって遊技役が成立していると判定された場合には、成立している遊技役に応じた特典を付与し得る処理を行うように構成されている。この特典付与手段106は、払出手段106Aを備えている。払出手段106Aは、各リール6L,6C,6Rによって有効ラインL1上に停止表示された図柄の組み合わせが、メダルの払い出しに係る図柄の組み合わせである場合には、メダルを払い出す処理を行うように構成されている。本形態で、メダルの払い出しに係る図柄の組み合わせで停止表示された場合にメダルを払い出す処理は、後述のステップS208のメダル払出処理に相当する。
【0087】
遊技状態設定手段107は、後述する条件A、条件B又は条件Cの成立を契機として、後述する非RT遊技状態、BB遊技状態およびRT遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行する処理を行えるように構成されている。本形態で条件Aの成立を契機としたBB遊技状態への移行処理は、後述のステップS1603の処理に相当する。また、本形態で条件Bの成立を契機としたRT遊技状態への移行処理は、後述のステップS1611の処理に相当する。また、本形態で条件Cの成立を契機とした非RT遊技状態への移行処理は、後述のステップS1405の処理に相当する。
【0088】
設定変更手段108は、上述の設定キースイッチ16で設定変更モードに変更した後に、リセット/設定ボタン15の操作によって遊技役の当選確率等の設定を、6段階(設定値1〜設定値6)で変更する設定変更処理を行うように構成されている。本形態でその処理は、後述のステップS304の設定値変更処理に相当する。
【0089】
第1情報記憶手段109は、上記当選役決定手段102による処理によって選出された遊技役に関する情報や、上記遊技状態設定手段107により設定された遊技状態に関する情報などを記憶するように構成されており、各情報を記憶する所定の記憶領域を備えている。本形態では、上述の遊技制御用マイコン61のRAM64に相当する。
【0090】
コマンド送信手段110は、遊技に関する各種コマンドを副制御手段200に送信する処理を行うように構成されている。本形態でこの処理は、後述のステップS106の処理に相当する。
【0091】
遊技上乗せ抽選手段112は、後述のRT遊技状態を延長させる特典(RT遊技状態にて実行可能な単位遊技の遊技回数の上乗せ)を抽選によって決定する処理を行うように構成されている。本形態でその処理は、後述のステップS2002のRT上乗せ処理に相当する。
【0092】
役情報報知手段113は、遊技状態が後述のBB遊技状態又はRT遊技状態のときに当選した小役1又は小役2に応じた特殊役報知ランプ27を点灯させる処理を行うように構成されている。本形態でその処理は、後述のステップS602の処理に相当する。
【0093】
ランプ点灯手段114は、BB遊技状態又はRT遊技状態のときに小役3、小役4又は小役5に当選した場合に、当選した小役3、小役4又は小役5の正解押し順に基づいて、ストップ報知ランプ20L,20C,20Rを発光させる処理を行うように構成されている。本形態でその処理は、後述のステップS603〜S608の処理に相当する。
【0094】
図6に示す副制御手段200は、遊技の状況に応じた所定の演出制御を行うものである。副制御手段200は、コマンド受信手段201、演出実行処理手段202および第2情報記憶手段203を備えている。さらに、役報知演出実行手段204および示唆演出実行手段205を備えている。なお、副制御手段200における上述の各手段は、
図5に示すサブ制御基板70上に配された演出制御用マイコン71をなすCPU72、ROM73、RAM74等のハードウエア、および、ROM73に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。つまり、本形態のサブ制御基板70は、副制御手段200を含んだ構成となっている。
【0095】
コマンド受信手段201は、遊技に関する各種コマンドを主制御手段100から受信して、そのコマンドに基づき各種演出の実行を制御する処理を行うように構成されている。本形態でこの処理は、後述のステップS2002およびステップS2003の処理に相当する。
【0096】
演出実行処理手段202は、画像表示装置42を用いた画像演出を実行する処理、演出用ランプ40やバックランプ49を用いたランプ演出を実行する処理、および、スピーカ41を用いた音声演出を実行する処理を行えるように構成されている。本形態でこれらの処理は、後述のステップS4004〜S4006の各処理に相当する。
【0097】
第2情報記憶手段203は、主制御手段100から送信された情報やその情報に基づいて作成した遊技情報や演出制御に関する情報などを記憶するように構成されており、各情報を記憶する所定の記憶領域を備えている。本形態では、上述した演出制御用マイコン71のRAM74に相当する。
【0098】
4.遊技状態
本スロットマシン1には、
図7に示す非RT遊技状態、BB遊技状態およびRT遊技状態がある。
【0099】
非RT遊技状態は、本形態では標準となる通常の遊技状態である。本形態では、遊技状態が非RT遊技状態のときに条件Aが成立した場合には、非RT遊技状態からBB遊技状態に遊技状態が移行される(
図7参照)。条件Aとは、遊技役の抽選にてBB役に当選して、BB役が成立(BB役の入賞が成立)することであり、非RT遊技状態の終了条件である。なお、BB役が成立する有効ラインL1上の停止表示図柄については、後ほど詳述する。
【0100】
また、遊技状態がRT遊技状態のときに条件Cが成立した場合には、RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態が移行される(
図7参照)。条件Cとは、RT遊技状態中の単位遊技の回数が所定回数(本形態では、「30回」に後述するRT上乗せ処理で獲得した上乗せ回数を加えた回数)に達することであり、非RT遊技状態の開始条件である。
【0101】
また、遊技状態が非RT遊技状態のときにはAT(アシストタイム)が設定されない。ATとは、当選している遊技役についての当選の報知や押し順に関する報知を行う機能のことである。このため例えば、非RT遊技状態中に小役3、小役7および小役8に重複当選しても、小役3の正解押し順の第1停止操作についての報知はなされない。また例えば、非RT遊技状態中に小役4、小役6および小役8に重複当選しても、小役4の正解押し順の第1停止操作についての報知はなされない。また例えば、非RT遊技状態中に小役5、小役6および小役7に重複当選しても、小役5の正解押し順の第1停止操作についての報知はなされない。
【0102】
但し、本形態で、非RT遊技状態のときには、2種類の演出モード(AモードおよびBモード)のうちの一方が遊技に伴って実行される。AモードでもBモードでも、演出モード中の示唆演出の演出態様を通じて、BB役の当否を示唆している。演出モード(Aモード,Bモード)および示唆演出については、後ほど詳述する。
【0103】
BB遊技状態は、遊技者にとって通常の遊技状態(上記非RT遊技状態)よりも有利な遊技条件が設定される特別な遊技状態である。具体的には
図10に示すように、小役3,小役7,小役8の重複当選、小役4,小役6,小役8の重複当選、ならびに、小役5,小役6,小役7の重複当選に割り当てられている乱数値の数(総数)について、上記非RT遊技状態よりもBB遊技状態の方が多くなっている。よって、遊技状態がBB遊技状態のときには、遊技状態が非RT遊技状態のときよりも小役3〜小役8に当選し易くなっている。なお、重複当選については後ほど詳述する。
【0104】
本形態では、遊技状態がBB遊技状態のときに条件Bが成立した場合には、BB遊技状態からRT遊技状態に遊技状態が移行される(
図7参照)。条件Bとは、BB遊技状態中の複数の単位遊技で払い出されたメダルの総数が所定の閾値(本形態では「300」)以上に達することであり、BB遊技状態の終了条件である。
【0105】
また、遊技状態が非RT遊技状態又はRT遊技状態のときに、上述の条件Aが成立した場合には、非RT遊技状態又はRT遊技状態からBB遊技状態に遊技状態が移行される(
図7参照)。条件Aとは、BB遊技状態の開始条件でもある。
【0106】
また、遊技状態がBB遊技状態のときにはATが設定される。このため例えば、BB遊技状態中に小役3、小役7および小役8に重複当選した場合には、小役3の正解押し順の第1停止操作についての報知がなされる。具体的には、左ストップ報知ランプ20Lを用いた左ストップボタン9Lの押圧操作に関する報知がなされたり、画像表示装置42を用いた入賞操作報知演出(
図43(A)参照)がなされたりする。
【0107】
また例えば、小役4、小役6および小役8に重複当選した場合には、小役4の正解押し順の第1停止操作についての報知がなされる。また例えば、小役5、小役6および小役7に重複当選した場合には、小役5の正解押し順の第1停止操作についての報知がなされる。かくして、BB遊技状態で小役3〜小役8に当選した場合には、遊技者が、小役3、小役4又は小役5を成立(小役3、小役4又は小役5の入賞を成立)させ易くなっている。
【0108】
しかも、
図8に示すように、小役3〜小役5の成立時の払出枚数(具体的には「9」)を小役6〜小役8の払出枚数(具体的には「1」)よりも相対的に多く設定している。よってBB遊技状態では、小役3〜小役8に当選し易い上、それらに当選した場合、小役3、小役4又は小役5が成立し易く、一回の単位遊技でより多くのメダルを遊技者に獲得させ易い。そのような点で、本形態のBB遊技状態には、非RT遊技状態よりも遊技者に有利な遊技条件が設定されているといえる。
【0109】
また例えば、BB遊技状態中に小役1又は小役2に当選した場合には、その当選の報知がなされる。具体的には、特殊役報知ランプ27を用いた小役1又は小役2の当選に関する報知がなされたり、画像表示装置42を用いた遊技役報知演出がなされたりする。よって、BB遊技状態で小役1又は小役2に当選した場合には、遊技者にその当選を把握させることが可能であり、停止操作によって小役1又は小役2の成立(小役1又は小役2の入賞の成立)を遊技者に狙わせることが可能となっている。
【0110】
RT遊技状態は、再遊技役に当選する確率が上記非RT遊技状態よりも高く設定されている遊技状態である。具体的には
図10に示すように、再遊技役に割り当てられている乱数値の数について、上述の非RT遊技状態よりもRT遊技状態の方が多くなっている。よって、遊技状態がRT遊技状態のときには、非RT遊技状態のときよりも再遊技役に当選し易く、複数回の単位遊技にわたってメダルの減りを抑えることが可能となっている。
【0111】
本形態では、遊技状態がBB遊技状態のときに上述の条件Bが成立した場合には、BB遊技状態からRT遊技状態に遊技状態が移行される(
図7参照)。条件Bとは、RT遊技状態の開始条件でもある。また、遊技状態がRT遊技状態のときに、上述の条件Cが成立した場合には、RT遊技状態から非RT遊技状態に遊技状態が移行される(
図7参照)。条件Cとは、RT遊技状態の終了条件でもある。
【0112】
また、遊技状態がRT遊技状態のときには、上述のBB遊技状態と同じく、ATが設定される。このため例えば、RT遊技状態中に小役3、小役7および小役8に重複当選した場合には、小役3の正解押し順の第1停止操作についての報知がなされる。また例えば、小役4、小役6および小役8に重複当選した場合には、小役4の正解押し順の第1停止操作についての報知がなされる。また例えば、小役5、小役6および小役7に重複当選した場合には、小役5の正解押し順の第1停止操作についての報知がなされる。以上により、RT遊技状態で小役3〜小役8に当選した場合には、BB遊技状態と同様、小役3、小役4又は小役5が成立し易くなっている。
【0113】
また例えば、小役1又は小役2に当選した場合には、その当選の報知がなされる。具体的には、特殊役報知ランプ27を用いた小役1又は小役2の当選に関する報知がなされたり、画像表示装置42を用いた遊技役報知演出がなされたりする。よって、RT遊技状態で小役1又は小役2に当選した場合には、遊技者にその当選を把握させることが可能であり、停止操作によって小役1又は小役2の成立を遊技者に狙わせることが可能となっている。
【0114】
5.遊技役
次に、本形態の遊技役について説明する。単位遊技における各遊技役の当否(当選か否か)は、遊技開始表示ランプ25の点灯中にスタートレバー8が操作された時に、後述の当選役決定処理(ステップS204)にて決定可能となっている。具体的には、単位遊技毎に毎回取得する乱数(数値)と、設定された設定値に応じた遊技役抽選テーブル(
図10)とを用いて遊技役の抽選が実行可能となっている。抽選でいずれかの遊技役に当選すると、当選した遊技役に応じた当選フラグがONされる。
【0115】
有効ラインL1上に停止表示された各リール6L,6C,6Rの3つの図柄の組み合わせ(停止表示図柄)が、当選フラグがONである遊技役に対応する図柄の組み合わせと一致した場合には、遊技役が成立したとして、遊技者に有利な特典(例えば、所定枚数のメダルの払い出しや遊技状態の移行など)が付与されることとなる。なお、メダルの払い出しとは、メダルがメダル払出口30から払い出されることや、クレジット機能が有効である場合にクレジット数表示ランプ21に表示される数値(仮想メダルの数)が増えることをいう。
【0116】
図8には本形態の遊技役の種類と、遊技役の成立に伴って払い出されるメダルの払出枚数を示す。また、
図9には遊技役に応じた有効ライン上の停止表示図柄を示す。本形態では、1種類のBB役と、小役1〜小役8の8種類の小役と、再遊技役との計10種類の遊技役が設定されている。
【0117】
BB役(特別役、特定役ともいう)は、役の成立によって、次回の単位遊技から上記BB遊技状態に遊技状態が移行される遊技役である。つまり、BB役の成立がBB遊技状態への移行契機となっている。このため、BB役が成立した単位遊技の次の単位遊技から上記条件Bが成立するまでの間、遊技状態がBB遊技状態に制御される。なお本形態では、BB役の成立によるメダルの払い出しはない(
図8参照)。また、上述したように、BB役の成立がATの設定契機となっている。
【0118】
図9に示すように、有効ラインL1上に「赤セブン」図柄の3つ揃いが停止表示された場合にBB役が成立する。なお、この場合のBB役を「BB役01」ともいう(
図9参照)。
【0119】
なお本形態では、有効ラインL1とは異なるライン(以下、疑似ラインともいう)上に「赤セブン」図柄の3つ揃いが停止表示された場合でもBB役が成立する。具体的には、有効ラインL1上に左から「スイカ2」図柄,「赤セブン」図柄,「チェリー2」図柄が停止表示された場合や、有効ラインL1上に左から「ブランク3」図柄,「赤セブン」図柄,「ブランク2」図柄が停止表示された場合に、BB役が成立する。なお、有効ラインL1上に左から「スイカ2」図柄,「赤セブン」図柄,「チェリー2」図柄が停止表示された場合のBB役を「BB役02」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク3」図柄,「赤セブン」図柄,「ブランク2」図柄が停止表示された場合のBB役を「BB役03」ともいう(
図9参照)。
【0120】
「BB役02」について、
図3に示すように、左リール6Lの「スイカ2」図柄の1コマ上には「赤セブン」図柄がある。また、右リール6Rの「チェリー2」図柄の1コマ下には「赤セブン」図柄がある。よって、「BB役02」が成立した場合には、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの下段図柄にそれぞれ「赤セブン」図柄が停止している。すなわち、そのような場合には、一直線をなす疑似ライン上に「赤セブン」図柄の3つ揃いが停止表示されている。
【0121】
また、「BB役03」について、左リール6Lの「ブランク3」図柄の1コマ下には「赤セブン」図柄があり、右リール6Rの「ブランク2」図柄の1コマ上には「赤セブン」図柄がある。よって、有効ラインL1上に「BB役03」が成立した場合には、左リール6Lの下段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの上段図柄にそれぞれ「赤セブン」図柄が停止している。すなわち、そのような場合には、上記「BB役02」の成立時の疑似ラインとは異なる疑似ライン上に「赤セブン」図柄の3つ揃いが停止表示されている。
【0122】
小役1は、役の成立によってメダルの払い出しを伴う遊技役(払出役)である。なお、この小役1について「チェリー小役」ともいう。
【0123】
図9に示すように、有効ラインL1上に上記「チェリー」図柄の3つ揃いが停止表示された場合に小役1(チェリー小役)が成立する。すなわち、有効ラインL1上に左から「チェリー1」図柄,「チェリー」図柄(「チェリー1」図柄又は「チェリー2」図柄),「チェリー」図柄(「チェリー1」図柄又は「チェリー2」図柄)が停止表示された場合に小役1が成立する。なお、有効ラインL1上に左から「チェリー1」図柄,「チェリー1」図柄,「チェリー1」図柄が停止表示された場合の小役1を「チェリー役01」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「チェリー1」図柄,「チェリー1」図柄,「チェリー2」図柄が停止表示された場合の小役1を「チェリー役02」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「チェリー1」図柄,「チェリー2」図柄,「チェリー1」図柄が停止表示された場合の小役1を「チェリー役03」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「チェリー1」図柄,「チェリー2」図柄,「チェリー2」図柄が停止表示された場合の小役1を「チェリー役04」ともいう(
図9参照)。
【0124】
なお本形態では、疑似ライン上に「チェリー」図柄の3つ揃いが停止表示された場合でも小役1が成立する。具体的には、有効ラインL1上に左から「スイカ3」図柄,「チェリー」図柄(「チェリー1」図柄又は「チェリー2」図柄),「リプレイ」図柄が停止表示された場合や、有効ラインL1上に左から「ブランク4」図柄,「チェリー1」図柄,「スイカ1」図柄(又は「赤セブン」図柄)が停止表示された場合に、小役1が成立する。また、有効ラインL1上に左から「ブランク4」図柄,「チェリー2」図柄,「スイカ1」図柄が停止表示された場合や、有効ラインL1上に左から「ブランク4」図柄,「チェリー2」図柄,「赤セブン」図柄が停止表示された場合に、小役1が成立する。
【0125】
なお、有効ラインL1上に左から「スイカ3」図柄,「チェリー1」図柄,「リプレイ」図柄が停止表示された場合の小役1を「チェリー役05」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「スイカ3」図柄,「チェリー2」図柄,「リプレイ」図柄が停止表示された場合の小役1を「チェリー役06」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク4」図柄,「チェリー1」図柄,「スイカ1」図柄が停止表示された場合の小役1を「チェリー役07」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク4」図柄,「チェリー1」図柄,「赤セブン」図柄が停止表示された場合の小役1を「チェリー役08」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク4」図柄,「チェリー2」図柄,「スイカ1」図柄が停止表示された場合の小役1を「チェリー役09」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク4」図柄,「チェリー2」図柄,「赤セブン」図柄が停止表示された場合の小役1を「チェリー役10」ともいう(
図9参照)。
【0126】
「チェリー役05」および「チェリー役06」について、
図3に示すように、左リール6Lの「スイカ3」図柄の1コマ上には「チェリー1」図柄があり、右リール6Rの「リプレイ」図柄の1コマ下には「チェリー」図柄(「チェリー1」図柄又は「チェリー2」図柄)がある。よって、「チェリー役05」又は「チェリー役06」が成立した場合には、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの下段図柄にそれぞれ「チェリー」図柄が停止している。すなわち、そのような場合には、一直線をなす疑似ライン上に「チェリー」図柄の3つ揃いが停止表示されている。
【0127】
また、「チェリー役07」および「チェリー役09」について、左リール6Lの「ブランク4」図柄の1コマ下には「チェリー1」図柄があり、右リール6Rの「スイカ1」図柄の1コマ上には「チェリー1」図柄があることになる。また、「チェリー役08」および「チェリー役10」について、左リール6Lの「ブランク4」図柄の1コマ下には「チェリー1」図柄があり、右リール6Rの「赤セブン」図柄の1コマ上には「チェリー2」図柄があることになる。よって、「チェリー役07」、「チェリー役08」、「チェリー役09」又は「チェリー役10」が成立した場合には、左リール6Lの下段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの上段図柄にそれぞれ「チェリー」図柄が停止している。すなわち、そのような場合には、上記「チェリー役05」等の成立時の疑似ラインとは異なる疑似ライン上に「チェリー」図柄の3つ揃いが停止表示されている。
【0128】
なお本形態では、上記有効ラインL1上や疑似ライン上に「チェリー」図柄の3つ揃いが停止表示された場合を小役1の成立とした。しかしながら例えば、上記ラインをなす左リール6Lの図柄が「チェリー」図柄で、そのラインをなしている中リール6Cおよび右リール6Rの図柄がそれぞれ「チェリー」図柄以外の図柄の場合に、小役1の成立としてもよい。また例えば、上記ラインをなす左リール6Lおよび中リール6Cの図柄がそれぞれ「チェリー」図柄で、そのラインをなしている右リール6Rの図柄が「チェリー」図柄以外の図柄の場合に、小役1の成立としてもよい。
【0129】
小役2は、役の成立によってメダルの払い出しを伴う遊技役(払出役)である。なお、この小役2について「スイカ小役」ともいう。
【0130】
図9に示すように、有効ラインL1上に上記「スイカ」図柄の3つ揃いが停止表示された場合に小役2(スイカ小役)が成立する。即ち、有効ラインL1上に左から「スイカ」図柄(「スイカ1」図柄、「スイカ2」図柄又は「スイカ3」図柄),「スイカ」図柄(「スイカ1」図柄又は「スイカ2」図柄),「スイカ1」図柄が停止表示された場合に小役2が成立する。なお、有効ラインL1上に左から「スイカ1」図柄,「スイカ1」図柄,「スイカ1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役01」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「スイカ1」図柄,「スイカ2」図柄,「スイカ1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役02」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「スイカ2」図柄,「スイカ1」図柄,「スイカ1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役03」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「スイカ2」図柄,「スイカ2」図柄,「スイカ1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役04」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「スイカ3」図柄,「スイカ1」図柄,「スイカ1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役05」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「スイカ3」図柄,「スイカ2」図柄,「スイカ1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役06」ともいう(
図9参照)。
【0131】
なお本形態では、疑似ライン上に「スイカ」図柄の3つ揃いが停止表示された場合でも小役2が成立する。具体的には、有効ラインL1上に左から「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄(「スイカ1」図柄又は「スイカ2」図柄),「チェリー1」図柄が停止表示された場合に、小役2が成立する。また、有効ラインL1上に左から「ブランク2」図柄,「スイカ」図柄(「スイカ1」図柄又は「スイカ2」図柄),「ブランク1」図柄が停止表示された場合や、有効ラインL1上に左から「赤セブン」図柄,「スイカ」図柄(「スイカ1」図柄又は「スイカ2」図柄),「ブランク1」図柄が停止表示された場合や、有効ラインL1上に左から「チェリー1」図柄,「スイカ」図柄(「スイカ1」図柄又は「スイカ2」図柄),「ブランク1」図柄が停止表示された場合に、小役2が成立する。
【0132】
なお、有効ラインL1上に左から「リプレイ」図柄,「スイカ1」図柄,「チェリー1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役07」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「リプレイ」図柄,「スイカ2」図柄,「チェリー1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役08」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク2」図柄,「スイカ1」図柄,「ブランク1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役09」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク2」図柄,「スイカ2」図柄,「ブランク1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役10」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「赤セブン」図柄,「スイカ1」図柄,「ブランク1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役11」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「赤セブン」図柄,「スイカ2」図柄,「ブランク1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役12」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「チェリー1」図柄,「スイカ1」図柄,「ブランク1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役13」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「チェリー1」図柄,「スイカ2」図柄,「ブランク1」図柄が停止表示された場合の小役2を「スイカ役14」ともいう(
図9参照)。
【0133】
「スイカ役07」および「スイカ役08」について、
図3に示すように、左リール6Lの「リプレイ」図柄の1コマ上には「スイカ」図柄(「スイカ1」図柄、「スイカ2」図柄又は「スイカ3」図柄)があり、右リール6Rの「チェリー1」図柄の1コマ下には「スイカ1」図柄がある。よって、「スイカ役07」又は「スイカ役08」が成立した場合には、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの下段図柄にそれぞれ「スイカ」図柄が停止している。即ち、そのような場合には、一直線をなす疑似ライン上に「スイカ」図柄の3つ揃いが停止表示されている。
【0134】
また、「スイカ役09」および「スイカ役10」について、左リール6Lの「ブランク2」図柄の1コマ下には「スイカ1」図柄があり、右リール6Rの「ブランク1」図柄の1コマ上には「スイカ1」図柄があることになる。また、「スイカ役11」および「スイカ役12」について、左リール6Lの「赤セブン」図柄の1コマ下には「スイカ2」図柄があり、右リール6Rの「ブランク1」図柄の1コマ上には「スイカ1」図柄があることになる。また、「スイカ役13」および「スイカ役14」について、左リール6Lの「チェリー1」図柄の1コマ下には「スイカ3」図柄があり、右リール6Rの「ブランク1」図柄の1コマ上には「スイカ1」図柄があることになる。よって、「スイカ役09」、「スイカ役10」、「スイカ役11」、「スイカ役12」、「スイカ役13」又は「スイカ役14」が成立した場合には、左リール6Lの下段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの上段図柄にそれぞれ「スイカ」図柄が停止している。即ち、そのような場合には、上記「スイカ役07」等の成立時の疑似ラインとは異なる疑似ライン上に「スイカ」図柄の3つ揃いが停止表示されている。
【0135】
小役3、小役4および小役5は、役の成立によってメダルの払い出しを伴う遊技役(払出役)である。これら小役3〜小役5について「第1ベル小役」ともいう。
【0136】
図9に示すように、有効ラインL1上に上記「ベル」図柄の3つ揃いが停止表示された場合に小役3、小役4又は小役5が成立する。この場合の小役3、小役4又は小役5を「第1ベル役01」ともいう(
図9参照)。
【0137】
なお本形態では、疑似ライン上に「ベル」図柄の3つ揃いが停止表示された場合でも小役3、小役4又は小役5が成立する。具体的には、有効ラインL1上に左から「ブランク」図柄(「ブランク1」図柄又は「ブランク3」図柄),「ベル」図柄,「ブランク」図柄(「ブランク1」図柄又は「ブランク2」図柄)が停止表示された場合に、小役3、小役4又は小役5が成立する。
【0138】
なお、有効ラインL1上に左から「ブランク1」図柄,「ベル」図柄,「ブランク1」図柄が停止表示された場合の小役3、小役4又は小役5を「第1ベル役02」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク1」図柄,「ベル」図柄,「ブランク2」図柄が停止表示された場合の小役3、小役4又は小役5を「第1ベル役03」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク3」図柄,「ベル」図柄,「ブランク1」図柄が停止表示された場合の小役3、小役4又は小役5を「第1ベル役04」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク3」図柄,「ベル」図柄,「ブランク2」図柄が停止表示された場合の小役3、小役4又は小役5を「第1ベル役05」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「リプレイ」図柄,「ベル」図柄,「リプレイ」図柄が停止表示された場合の小役3、小役4又は小役5を「第1ベル役06」ともいう(
図9参照)。
【0139】
「第1ベル役02」、「第1ベル役03」、「第1ベル役04」および「第1ベル役05」について、
図3に示すように、左リール6Lの「ブランク1」図柄の1コマ上には「ベル」図柄があり、右リール6Rの「ブランク1」図柄の1コマ下には「ベル」図柄がある。また、左リール6Lの「ブランク3」図柄の1コマ上にも「ベル」図柄があり、右リール6Rの「ブランク2」図柄の1コマ下にも「ベル」図柄がある。よって「第1ベル役02」、「第1ベル役03」、「第1ベル役04」又は「第1ベル役05」が成立した場合には、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの下段図柄にそれぞれ「ベル」図柄が停止している。即ち、そのような場合には、一直線をなす疑似ライン上に「ベル」図柄の3つ揃いが停止表示されている。
【0140】
また、「第1ベル役06」について、
図3に示すように、左リール6Lの「リプレイ」図柄の1コマ下には「ベル」図柄があり、右リール6Rの「リプレイ」図柄の1コマ上には「ベル」図柄がある。よって「第1ベル役06」が成立した場合には、左リール6Lの下段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの上段図柄にそれぞれ「ベル」図柄が停止している。即ち、そのような場合には、上記「第1ベル役02」等の成立時の疑似ラインとは異なる疑似ライン上に「ベル」図柄の3つ揃いが停止表示されている。
【0141】
また、小役3、小役4および小役5には、リール6L,6C,6Rを停止させる際のストップボタン9L,9C,9Rの「正解押し順」(所定の操作順)が設定されている。このため、小役3の当選時に、小役3に設定されている正解押し順の通りにストップボタン9L,9C,9Rが押圧操作された場合には、有効ラインL1、又は、上述の疑似ライン上に「ベル」図柄の3つ揃いが停止表示されて、小役3が成立する。なお、小役3に当選しても、小役3に設定されている正解押し順の通りにストップボタン9L,9C,9Rが操作されなければ、有効ラインL1上にも疑似ライン上にも「ベル」図柄の3つ揃いが停止表示されず、小役3は成立しない。
【0142】
小役4および小役5についても同様である。小役4の当選時に、小役4に設定されている正解押し順の通りにストップボタン9L,9C,9Rが押圧操作された場合には、有効ラインL1、又は、疑似ライン上に「ベル」図柄の3つ揃いが停止表示されて、小役4が成立する。また、小役5の当選時に、小役5に設定されている正解押し順の通りにストップボタン9L,9C,9Rが押圧操作された場合には、有効ラインL1、又は、疑似ライン上に「ベル」図柄の3つ揃いが停止表示されて、小役5が成立する。
【0143】
また、小役3に設定されている正解押し順、小役4に設定されている正解押し順、および、小役5に設定されている正解押し順は、互いに異なっている。
【0144】
小役3に設定されている正解押し順は、左ストップボタン9Lを1番目に、残りの2つのストップボタン(中ストップボタン9C,右ストップボタン9R)のいずれか一方を2番目に押圧操作する操作順である。小役4に設定されている正解押し順は、中ストップボタン9Cを1番目に、残りの2つのストップボタン(左ストップボタン9L,右ストップボタン9R)のいずれか一方を2番目に押圧操作する操作順である。小役5に設定されている正解押し順は、右ストップボタン9Rを1番目に、残りの2つのストップボタン(左ストップボタン9L,中ストップボタン9C)のいずれか一方を2番目に押圧操作する操作順である。
【0145】
なお、小役3、小役4および小役5のいずれの正解押し順も、1番目に押圧操作するストップボタンだけが特定されており、2番目以降に操作するストップボタンが特定されていない。つまり、小役3、小役4および小役5の正解押し順は、3つのストップボタン9L,9C,9Rから1番目に停止させるストップボタンのみを遊技者に選択させる「3択」方式である。
【0146】
なお本形態では、全てのリール6L、6C、6Rが回転しているときに最初に行われるストップボタンの押圧操作(リールの停止操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
【0147】
小役6、小役7および小役8は、役の成立によってメダルの払い出しを伴う遊技役である。なお、これら小役6〜小役8について「第2ベル小役」ともいう。また、上述の第1ベル小役とともに、単に「ベル小役」ともいう。
【0148】
図9に示すように、有効ラインL1上に左から「ベル」図柄,「チェリー」図柄,「ベル」図柄が停止表示された場合に小役6、小役7又は小役8が成立する。すなわち、有効ラインL1上に左から「ベル」図柄,「チェリー」図柄(「チェリー1」図柄又は「チェリー2」図柄),「ベル」図柄が停止表示された場合に小役6、小役7又は小役8が成立する。なお、有効ラインL1上に左から「ベル」図柄,「チェリー1」図柄,「ベル」図柄が停止表示された場合の小役6、小役7又は小役8を「第2ベル役01」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ベル」図柄,「チェリー2」図柄,「ベル」図柄が停止表示された場合の小役6、小役7又は小役8を「第2ベル役02」ともいう(
図9参照)。
【0149】
本形態では、疑似ライン上に左から「ベル」図柄,「チェリー」図柄,「ベル」図柄が停止表示された場合でも小役6、小役7又は小役8が成立する。具体的には、有効ラインL1上に左から「ブランク」図柄(「ブランク1」図柄又は「ブランク3」図柄),「チェリー」図柄(「チェリー1」図柄又は「チェリー2」図柄),「ブランク」図柄(「ブランク1」図柄又は「ブランク2」図柄)が停止表示された場合に、小役6、小役7又は小役8が成立する。また、有効ラインL1上に左から「リプレイ」図柄,「チェリー」図柄(「チェリー1」図柄又は「チェリー2」図柄),「リプレイ」図柄が停止表示された場合に、小役6、小役7又は小役8が成立する。
【0150】
なお、有効ラインL1上に左から「ブランク1」図柄,「チェリー1」図柄,「ブランク1」図柄が停止表示された場合の小役6、小役7又は小役8を「第2ベル役03」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク1」図柄,「チェリー1」図柄,「ブランク2」図柄が停止表示された場合の小役6、小役7又は小役8を「第2ベル役04」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク1」図柄,「チェリー2」図柄,「ブランク1」図柄が停止表示された場合の小役6、小役7又は小役8を「第2ベル役05」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク1」図柄,「チェリー2」図柄,「ブランク2」図柄が停止表示された場合の小役6、小役7又は小役8を「第2ベル役06」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク3」図柄,「チェリー1」図柄,「ブランク1」図柄が停止表示された場合の小役6、小役7又は小役8を「第2ベル役07」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク3」図柄,「チェリー1」図柄,「ブランク2」図柄が停止表示された場合の小役6、小役7又は小役8を「第2ベル役08」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク3」図柄,「チェリー2」図柄,「ブランク1」図柄が停止表示された場合の小役6、小役7又は小役8を「第2ベル役09」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「ブランク3」図柄,「チェリー2」図柄,「ブランク2」図柄が停止表示された場合の小役6、小役7又は小役8を「第2ベル役10」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「リプレイ」図柄,「チェリー1」図柄,「リプレイ」図柄が停止表示された場合の小役6、小役7又は小役8を「第2ベル役11」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「リプレイ」図柄,「チェリー2」図柄,「リプレイ」図柄が停止表示された場合の小役6、小役7又は小役8を「第2ベル役12」ともいう(
図9参照)。
【0151】
「第2ベル役03」〜「第2ベル役10」について、
図3に示すように、左リール6Lの「ブランク1」図柄の1コマ上には「ベル」図柄があり、右リール6Rの「ブランク1」図柄の1コマ下には「ベル」図柄がある。また、左リール6Lの「ブランク3」図柄の1コマ上にも「ベル」図柄があり、右リール6Rの「ブランク2」図柄の1コマ下にも「ベル」図柄がある。よって「第2ベル役03」〜「第2ベル役10」のいずれか1つの第2ベル役が成立した場合には、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの下段図柄にそれぞれ「ベル」図柄が停止している。即ち、そのような場合には、一直線をなす疑似ライン上に左から「ベル」図柄,「チェリー」図柄,「ベル」図柄が停止表示されている。
【0152】
また、「第2ベル役11」および「第2ベル役12」について、
図3に示すように、左リール6Lの「リプレイ」図柄の1コマ下には「ベル」図柄があり、右リール6Rの「リプレイ」図柄の1コマ上には「ベル」図柄がある。よって「第2ベル役11」又は「第2ベル役12」が成立した場合には、左リール6Lの下段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの上段図柄にそれぞれ「ベル」図柄が停止している。即ち、そのような場合には、上記「第2ベル役03」等の成立時の疑似ラインとは異なる疑似ライン上に左から「ベル」図柄,「チェリー」図柄,「ベル」図柄が停止表示されている。
【0153】
また、小役6、小役7および小役8は、上述の小役3〜小役5と同じように、リール6L,6C,6Rを停止させる際のストップボタン9L,9C,9Rの押し順(操作順)が設定されている。このため、小役6の当選時に、小役6に設定されている押し順の通りにストップボタン9L,9C,9Rが押圧操作された場合には、有効ラインL1、又は、疑似ライン上に左から「ベル」図柄,「チェリー」図柄,「ベル」図柄が停止表示されて、小役6が成立する。
【0154】
小役7および小役8についても同様である。小役7の当選時に、小役7に設定されている押し順の通りにストップボタン9L,9C,9Rが押圧操作された場合には、有効ラインL1、又は、疑似ライン上に左から「ベル」図柄,「チェリー」図柄,「ベル」図柄が停止表示されて、小役7が成立する。また、小役8の当選時に、小役8に設定されている押し順の通りにストップボタン9L,9C,9Rが押圧操作された場合には、有効ラインL1、又は、疑似ライン上に左から「ベル」図柄,「チェリー」図柄,「ベル」図柄が停止表示されて、小役8が成立する。
【0155】
また、小役6に設定されている押し順、小役7に設定されている押し順、および、小役8に設定されている押し順は、互いに異なっている。小役6に設定されている押し順は、第1停止操作として左ストップボタン9Lを、第2停止操作として残りの2つのストップボタンのいずれか一方を押圧操作する操作順である。小役7に設定されている押し順は、第1停止操作として中ストップボタン9Cを、第2停止操作として残りの2つのストップボタンのいずれか一方を押圧操作する操作順である。小役8に設定されている押し順は、第1停止操作として右ストップボタン9Rを、第2停止操作として残りの2つのストップボタンのいずれか一方を押圧操作する操作順である。
【0156】
なお本形態では、遊技役の抽選によって小役3とともに小役7および小役8が重複して当選する。同様に、小役4とともに小役6および小役8が重複して当選し、小役5とともに小役6および小役7が重複して当選する。
【0157】
よって例えば、小役3、小役7および小役8の重複当選時に、第1停止操作として左ストップボタン9Lが押圧操作された場合には、その押圧操作は小役3の正解押し順の第1停止操作と一致するので、小役3が成立することになる。これに対し、第1停止操作として左ストップボタン9Lではなく中ストップボタン9Cが押圧操作された場合には、重複当選している小役7が成立することになる。また、第1停止操作として右ストップボタン9Rが押圧操作された場合には、重複当選している小役8が成立することになる。小役4、小役6および小役8の重複当選の場合、並びに、小役5、小役6および小役7の重複当選の場合についても同様である。
【0158】
かくして、小役3〜小役8の当選時、小役3、小役4又は小役5の正解押し順に各ストップボタン9L,9C,9Rが押圧操作された場合には、小役3、小役4又は小役5が成立することになる。一方、小役3、小役4又は小役5の正解押し順に各ストップボタン9L,9C,9Rが押圧操作されなかった場合には、小役3、小役4および小役5が成立しない代わりに小役6、小役7又は小役8が成立することになる。
【0159】
再遊技役は、役の成立によってメダルの払い出しを伴わないけれども、遊技者がメダルを投入することなく次回の単位遊技を行うことが可能となる遊技役である。即ち、上述の自動ベット処理の実行契機となる遊技役である。
【0160】
図9に示すように、有効ラインL1上に上記「リプレイ」図柄の3つ揃いが停止表示された場合に再遊技役が成立する。なお、この場合の再遊技役を「リプレイ役01」ともいう(
図9参照)。
【0161】
本形態では、有効ラインL1とは異なるライン上に「リプレイ」図柄の3つ揃いが停止表示された場合でも再遊技役が成立する。具体的には、有効ラインL1上に左から「ベル」図柄,「リプレイ」図柄,「ベル」図柄が停止表示された場合に、再遊技役が成立する。また、有効ラインL1上に左から「スイカ」図柄(「スイカ1」図柄又は「スイカ2」図柄),「リプレイ」図柄,「チェリー」図柄(「チェリー1」図柄又は「チェリー2」図柄)が停止表示された場合に、再遊技役が成立する。
【0162】
なお、有効ラインL1上に左から「ベル」図柄,「リプレイ」図柄,「ベル」図柄が停止表示された場合の再遊技役を「リプレイ役02」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「スイカ1」図柄,「リプレイ」図柄,「チェリー1」図柄が停止表示された場合の再遊技役を「リプレイ役03」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「スイカ1」図柄,「リプレイ」図柄,「チェリー2」図柄が停止表示された場合の再遊技役を「リプレイ役04」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「スイカ2」図柄,「リプレイ」図柄,「チェリー1」図柄が停止表示された場合の再遊技役を「リプレイ役05」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「スイカ2」図柄,「リプレイ」図柄,「チェリー2」図柄が停止表示された場合の再遊技役を「リプレイ役06」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「スイカ3」図柄,「リプレイ」図柄,「チェリー1」図柄が停止表示された場合の再遊技役を「リプレイ役07」ともいう(
図9参照)。また、有効ラインL1上に左から「スイカ3」図柄,「リプレイ」図柄,「チェリー2」図柄が停止表示された場合の再遊技役を「リプレイ役08」ともいう(
図9参照)。
【0163】
「リプレイ役02」について、
図3に示すように、左リール6Lの「ベル」図柄の1コマ上には「リプレイ」図柄があり、右リール6Rの「ベル」図柄の1コマ下には「リプレイ」図柄がある。よって「リプレイ役02」が成立した場合には、左リール6Lの上段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの下段図柄にそれぞれ「リプレイ」図柄が停止している。即ち、そのような場合には、一直線をなす疑似ライン上に「リプレイ」図柄の3つ揃いが停止表示されている。
【0164】
また、上記「リプレイ役03」〜「リプレイ役08」について、
図3に示すように、左リール6Lの「スイカ1」図柄の1コマ下には「リプレイ」図柄があり、右リール6Rの「チェリー1」図柄の1コマ上には「リプレイ」図柄がある。また、左リール6Lの「スイカ2」図柄の1コマ下にも「リプレイ」図柄があり、右リール6Rの「チェリー2」図柄の1コマ上にも「リプレイ」図柄がある。よって「リプレイ役03」〜「リプレイ役08」のいずれか1つのリプレイ役が成立した場合には、左リール6Lの下段図柄,中リール6Cの中段図柄,右リール6Rの上段図柄にそれぞれ「リプレイ」図柄が停止している。即ち、そのような場合には、上記「リプレイ役02」の成立時の疑似ラインとは異なる疑似ライン上に「リプレイ」図柄の3つ揃いが停止表示されている。
【0165】
本スロットマシン1では、ストップボタン9L,9C,9Rの操作から、対応するリール6L,6C,6Rの回転が停止するまでの制動時間を0〜190ms(ミリ秒)の範囲で変更して、有効ラインL1上に、当選した遊技役に応じた図柄の組み合わせが停止表示され得るような制御がなされている。具体的には、最短の制動時間(つまり0ms)で停止させた場合に表示窓5L,5C,5Rを通じて表示される図柄から、所定の引込数分(本形態では、最大で「4」コマ分)、リールの回転方向とは逆方向に位置する図柄までの複数の図柄のうち、任意の図柄を表示窓5L,5C,5Rの枠内に引き込んで停止表示させる引込制御が実行可能となっている。
【0166】
具体的に例えば、
図3に示す左リールテープ7Lからなる左リール6Lに関し、左表示窓5Lの上段を「スイカ3」図柄(左リールテープ7Lのコマ番号「12」)が通過するタイミングで、左ストップボタン9Lが押圧操作されると、該「スイカ3」図柄が左表示窓5Lの上段に停止する可能性がある。或いは、引込制御によって、「スイカ3」図柄よりも
図3中、上方にあたる「チェリー1」図柄(コマ番号「11」)、「ブランク4」図柄(コマ番号「10」)、「ベル」図柄(コマ番号「9」)又は「リプレイ」図柄(コマ番号「8」)が左表示窓5Lの上段に停止する可能性がある。
【0167】
なお本形態では、上述したリールテープ7L,7C,7R(
図3参照)の両端をつないでリールテープ7L,7C,7Rをそれぞれ円筒状にした場合、いずれのリールテープ7L,7C,7Rでも複数の「リプレイ」図柄が5個(「5」コマ)おきに配される。よって、各リール6L,6C,6Rの外周面には、上記所定の引込数の最大値である「4」コマよりも大きな間隔を空けずに、「リプレイ」図柄が複数付されていることになる。このため、リール回転中に各ストップボタン9L,9C,9Rがどのタイミングで操作されても、引込制御によって、各表示窓5L,5C,5R内の任意の位置に「リプレイ」図柄を停止表示させることが可能である。従って、再遊技役に当選している単位遊技では、引込制御によって取りこぼすことなく再遊技役を成立させることが可能である。
【0168】
複数の「ベル」図柄もまた、「リプレイ」図柄と同じように、いずれのリールテープ7L,7C,7Rでも「5」コマおきに配される。よって、各リール6L,6C,6Rの外周面には、上記所定の引込数の最大値(「4」コマ)よりも大きな間隔を空けずに、「ベル」図柄が複数個付されていることになる。このため、リール回転中に各ストップボタン9L,9C,9Rがどのタイミングで操作されても、引込制御によって、各表示窓5L,5C,5R内の任意の位置に「ベル」図柄を停止表示させることが可能である。従って、小役3(小役4又は小役5)に当選している単位遊技では、引込制御によって取りこぼすことなくその当選役(小役3、小役4又は小役5)を成立させることが可能である。
【0169】
但し本形態では、上述したように、ストップボタン9L,9C,9Rが上記正解押し順に操作された場合に限り、引込制御によってその当選役(小役3、小役4又は小役5)を成立させることが可能である。よって、各ストップボタン9L,9C,9Rの操作が正解押し順の第1停止操作と一致する第1停止操作であれば、小役3、小役4又は小役5に当選している単位遊技で、引込制御によってその当選役(小役3、小役4又は小役5)が成立することになる。
【0170】
「チェリー」図柄(「チェリー1」図柄および「チェリー2」図柄)は、
図3に示すように、中リールテープ7Cおよび右リールテープ7Rには複数の「チェリー」図柄が「5」コマおきに配置されているが、左リールテープ7Lには1個しかない。よって、左リール6Lの外周面には、上記所定の引込数の最大値である「4」コマよりも大きな間隔が空いた状態で「チェリー」図柄が付されていることになる。このため、リール回転中に左ストップボタン9Lを操作するタイミング次第では、引込制御によっても、左表示窓5L内の任意の位置に「チェリー」図柄を停止表示できない場合がある。従って、チェリー小役(小役1)に当選した単位遊技で、そのチェリー小役を成立できずに取りこぼしてしまうことがある。
【0171】
但し、中リール6Cおよび右リール6Rの外周面には、上記所定の引込数の最大値(「4」コマ)よりも大きな間隔を空けずに、「チェリー」図柄が複数個付されていることになる。このため、リール回転中に中ストップボタン9Cがどのタイミングで操作されても、引込制御によって、中表示窓5C内の任意の位置に「チェリー」図柄を停止表示させることが可能である。また、右リール6Rについても同じく、リール回転中に右ストップボタン9Rがどのタイミングで操作されても、引込制御によって、右表示窓5R内の任意の位置に「チェリー」図柄を停止表示させることが可能である。
【0172】
かくして、中リール6Cの「チェリー」図柄を停止表示図柄に用いる小役6、小役7又は小役8に当選している単位遊技では、引込制御によって取りこぼすことなくその当選役(小役6、小役7又は小役8)を成立させることが可能である。なお本形態では、小役3〜小役5の正解押し順の第1停止操作とは異なる第1停止操作がなされた場合に、引込制御によってその当選役(小役6、小役7又は小役8)が成立することになる。
【0173】
また、「スイカ」図柄(「スイカ1」図柄、「スイカ2」図柄および「スイカ3」図柄)は、
図3に示すように、左リールテープ7Lには複数の「スイカ」図柄が「5」コマおきに配置されているが、中リールテープ7Cには2個、右リールテープ7Rには3個しかない。よって、中リール6Cの外周面にも右リール6Rの外周面にも、上記所定の引込数の最大値である「4」コマよりも大きな間隔が空いた状態で「スイカ」図柄が付されていることになる。このため、リール回転中に中ストップボタン9Cを操作するタイミング次第では、引込制御によっても、中表示窓5C内の任意の位置に「スイカ」図柄を停止表示できない場合がある。また、リール回転中に右ストップボタン9Rを操作するタイミング次第では、引込制御によっても、右表示窓5R内の任意の位置に「スイカ」図柄を停止表示できない場合がある。従って、スイカ小役(小役2)に当選した単位遊技で、そのスイカ小役を成立できずに取りこぼしてしまうことがある。
【0174】
また、「赤セブン」図柄は、
図3に示すように、各リールテープ7L,7C,7Rに1個ずつ配置されている。従って、BB役に当選した場合に、各ストップボタン9L,9C,9Rを操作するタイミング次第では、引込制御によっても、各表示窓5L,5C,5R内の任意の位置に「赤セブン」図柄を停止表示できない場合がある。従って、BB役に当選した単位遊技で、そのBB役を成立できないことがある。但し、本形態でBB役だけは、一旦当選するとBB役の成立まで当選が持ち越される。
【0175】
また、抽選によって上述の遊技役のいずれにも当選しなかった場合には「ハズレ」となり、各ストップボタン9L,9C,9Rをどのタイミングで操作しても、引込制御によって、各遊技役(BB役,小役1〜小役8,再遊技役)に係る図柄の組み合わせ(加えて、チェリー小役又はスイカ小役の取りこぼしに伴う図柄の組み合わせやBB役の入賞の非成立に伴う図柄の組み合わせ)以外の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に停止表示される。なお、
図3に示すように、各リールテープ7L,7C,7Rには、任意の「ブランク」図柄(「ブランク1」図柄、「ブランク2」図柄、「ブランク3」図柄および「ブランク4」図柄)が複数設けられている。このため、抽選の結果がハズレの場合には、上述の「赤セブン」図柄、「チェリー」図柄、「スイカ」図柄、「ベル」図柄および「リプレイ」図柄に「ブランク」図柄を加えた複数種類の図柄を用いてできる、上記各停止表示図柄を除いた任意の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に停止表示される。
【0176】
なお本形態では、RT遊技状態中の抽選結果がハズレの場合には、後述するRT上乗せ処理において上乗せ回数の抽選が行われる。つまり、RT遊技状態中のハズレは、そのRT遊技状態中の単位遊技の回数を上乗せする抽選の契機となっている。
【0177】
スタートレバー8の操作により行われる各種遊技役の抽選には、
図10に示す遊技役抽選テーブルが用いられる。この遊技役抽選テーブルには、上述した各種遊技役の当選に該当する乱数値の数を遊技状態別にそれぞれ示している。なお、
図10に示す遊技役抽選テーブルは、複数ある設定値のうちの1つ(例えば、設定値6)の場合に用いるものを例示しており、その他の設定値に用いる遊技役抽選テーブルについては、記載を省略する。
【0178】
図10に示すように、遊技状態が非RT遊技状態の場合には、抽選結果が、BB役、小役1、小役2又は再遊技役の当選、小役3と小役7と小役8、小役4と小役6と小役8、又は、小役5と小役6と小役7との重複当選、或いは、ハズレとなる。
【0179】
また、遊技状態がRT遊技状態の場合には、抽選結果が、BB役、小役1、小役2、再遊技役の当選、小役3と小役7と小役8、小役4と小役6と小役8、又は、小役5と小役6と小役7との重複当選、或いは、ハズレとなる(
図10参照)。
【0180】
なお、
図10に示すように、RT遊技状態での再遊技役の乱数値の数が、他の遊技状態(非RT遊技状態,BB遊技状態)のものよりも多い。よって、3つの遊技状態のうちでRT遊技状態の場合が最も再遊技役に当選し易い。また、ハズレの乱数値の数について、RT遊技状態の方が非RT遊技状態よりも少ないので、RT遊技状態の場合には非RT遊技状態の場合よりもハズレになりづらい。
【0181】
遊技状態がBB遊技状態の場合には、抽選結果が小役1、小役2又は再遊技役の当選、小役3と小役7と小役8、小役4と小役6と小役8、又は、小役5と小役6と小役7の重複当選、或いは、ハズレとなる(
図10参照)。
【0182】
なお、
図10に示すように、BB遊技状態でのハズレの乱数値の数が、他の遊技状態(非RT遊技状態,RT遊技状態)のものよりも少ない。よって、3つの遊技状態のうちでBB遊技状態の場合が最もハズレになりづらい。
【0183】
また、BB遊技状態での、小役3、小役7および小役8の重複当選となる乱数値の数、小役4、小役6および小役8の重複当選となる乱数値の数、ならびに、小役5、小役6および小役7の重複当選となる乱数値の数が、他の遊技状態(非RT遊技状態,RT遊技状態)のものよりも多い。よって、3つの遊技状態のうちでBB遊技状態の場合が最も上記重複当選になり易い。
【0184】
6.主制御基板の動作
以下、本スロットマシン1において行われる主要な制御処理について、
図13〜
図41を参照しながら説明する。以下では、まず
図13〜
図26を用いて、主制御基板60において行われる制御処理のうち、特に主制御基板タイマ割り込み処理とメイン制御処理について説明する。
【0185】
[主制御基板タイマ割り込み処理]まず、
図13に示す主制御基板タイマ割り込み処理について説明する。主制御基板タイマ割り込み処理では、遊技制御用マイコン61は、遊技者による遊技操作に応じて出力される信号の読み込みや信号レベルの検出や確認、各種コマンドの送信等の処理を、予め設定された一定の時間(例えば1.49ms)毎に実行する。具体的には、
図13に示すように、レジスタを退避させる処理(S101)を行って、入力ポート読込処理(S102)を行う。入力ポート読込処理(S102)では、各種センサ類やスイッチ類や基板類から入力された信号の読み込みおよび格納や信号レベルの判定等が行われる。
【0186】
次いで、タイマ計測を行う(S103)。このタイマ計測では、後述するメイン制御処理において任意のタイマがセットされた場合に、そのタイマの経過時間等を計測する。次に、リール用モータ55L,55C,55Rを用いて各リール6L,6C,6Rの回転駆動を制御するリール回転駆動制御の処理(S104)を行う。具体的には、各リール用モータ55L,55C,55Rの作動制御によって、各リール6L,6C,6Rの回転を始動させたり、回転を加速させたり、回転を一定の速度に維持させたり、回転を停止させたりする。
【0187】
次いで、上述した各種表示用ランプ(ストップ報知ランプ20L,20C,20R、クレジット数表示ランプ21、投入可能表示ランプ22、再遊技表示ランプ23、獲得枚数表示ランプ24、遊技開始表示ランプ25、投入枚数表示ランプ26、特殊役報知ランプ27および設定表示ランプ28)の表示管理を行い(S105)、各処理でRAM64の出力バッファにセットしたコマンドをサブ制御基板70に送信する(S106)。次に、ホッパー54等の駆動制御を行うためのポート出力を行い(S107)、退避させていたレジスタを復帰させて(S108)、本処理を終える。
【0188】
[メイン制御処理]
図14に示すメイン制御処理では、遊技制御用マイコン61は、まず後述の電源投入時処理(S201)を行う。その後、遊技開始準備処理(S202)を行う。遊技開始準備処理(S202)では、スタックポインタをセットしたり、RAM64の領域の一部を初期化したりする。また、設定値に関するコマンド、および、遊技状態に関するコマンドをRAM64にセットする処理を行う。RAM64の領域の一部における初期化とは、具体的に例えば、獲得枚数表示ランプ24が点灯している場合にはそれを消灯したり、特殊役報知ランプ27が点灯している場合にはそれを消灯したり、後述の当選役決定処理(
図16)のステップS511でONした上乗せ抽選フラグがONであれば、それをOFFしたりすることである。また、後述の停止表示図柄判定処理(
図22)のステップS1203でセットした表示図柄フラグをゼロクリアしたり、ステップS1207でONした払出フラグがONであれば、それをOFFしたりすることである。
【0189】
次いで、後述のベット・開始操作受付処理(S203)を行う。そして、いずれも後述する当選役決定処理(S204)、リール回転開始処理(S205)、リール回転停止処理(S206)、停止表示図柄判定処理(S207)、メダル払出処理(S208)、RT状態処理(S209)およびBB状態処理(S210)を順に行う。なお、メイン制御処理では、電源投入時処理(S201)を初回に行った後、ステップS202〜S210をループさせる。
【0190】
[電源投入時処理]
図15に示す電源投入時処理(S201)では、遊技制御用マイコン61は、まずチェックサム値を用いてバックアップが正常であるか否かを判定する(S301)。具体的には、読み出された設定値等から算出したチェックサムと、バックアップされていたチェックサムとを比較して、比較結果が一致していればバックアップが正常であると判定する。
【0191】
ステップS301でバックアップが正常でないと判定した場合には(S301でNO)、後述するステップS303にスキップするが、ステップS301でバックアップが正常であると判定した場合には(S301でYES)、バックアップされていた設定値をセットする(S302)。これにより、バックアップが正常であった場合には電源断前の設定値がセットされることになる。
【0192】
次いでステップS303では、スロットマシン1内にある設定キースイッチ16(
図4参照)がONであるか否かを判定する。設定キースイッチ16がONであれば(S303でYES)、続いて設定値変更処理(S304)を行う。設定値変更処理(S304)では、設定値を変更したり現在の設定値を確認したりする。具体的に、設定キースイッチ16がONの場合には(S303でYES)、設定表示ランプ28にて現在の設定値の値(1〜6)が点灯表示される。この表示により現在の設定値を確認することができる。また、現在の設定値から値を変更する場合には、リセット/設定ボタン15を押圧操作する。リセット/設定ボタン15を1回押圧操作する毎に、設定表示ランプ28が表示する設定値の値は1ずつ増加していく。なお、表示中の値が「6」のときにリセット/設定ボタン15を1回操作すると、その値が「1」に戻る。設定表示ランプ28に表示された値が所望の設定値の値となったところで、スタートレバー8を操作する。すると、その値が新たな設定値としてRAM64に記憶される。かくして設定値が変更される。その後、設定キースイッチ16がOFFになり次第(S305でYES)、本処理を終える。
【0193】
ステップS303において、設定キースイッチ16がONでなければ(S303でNO)、バックアップが正常であるか否かを判定する(S306)。バックアップが正常であると判定したら(S306でYES)、RAM64に格納されているバックアップデータに基づいて、スロットマシン1の状態を電源断前の状態に復帰させる復帰処理を行い(S307)、本処理を終了する。一方、バックアップが正常でないと判定した場合には(S306でNO)、電源投入時エラー処理を行う(S308)。この電源投入時エラー処理では、バックアップが正常ではないことを、上記獲得枚数表示ランプ24を用いて表示する。
【0194】
[ベット・開始操作受付処理]
図16に示すベット・開始操作受付処理(S203)では、遊技制御用マイコン61は、現在の遊技状態に応じて遊技開始可能枚数を設定する(S401)。なお本形態では、上述したように遊技状態によらず遊技開始可能枚数を「3」に設定する。これにより、ベット数が「3」に設定された場合にのみ、スタートレバー8の操作が有効になる。
【0195】
次に、自動ベットフラグがONであるか否かを判定する(S402)。自動ベットフラグは、上述の自動ベット処理を実行させるためのフラグである。この自動ベットフラグは、後述する停止表示図柄判定処理(
図22)のステップS1206の処理でONされる。
【0196】
自動ベットフラグがONの場合には(S402でYES)、上述した自動ベット処理(S403)を行う。具体的にはベット数に「3」が設定される。
【0197】
その後、ベット数に関するベットコマンドをRAM64の出力バッファにセットし(S404)、自動ベットフラグをOFFして(S405)、ステップS410に進む。
【0198】
一方、自動ベットフラグがONでない場合(S402でNO)、つまり自動ベットフラグがOFFの場合には、ベットの受付を許可していることを示すベット受付フラグをONする(S406)。これにより、メダル投入口10へのメダルの投入や、第1ベットボタン11又は第2ベットボタン12の操作に基づくベット操作が可能となる。
【0199】
次いで、ベット受付フラグがONかどうかを判定する(S407)。ベット受付フラグがONでない場合(S407でNO)、つまり、ベット受付フラグがOFFの場合には、ステップS410に進む。一方、ベット受付フラグがONの場合には(S407でYES)、メダル投入口10へのメダルの投入操作、又は、各ベットボタン(第1ベットボタン11,第2ベットボタン12)の押下操作があったかどうかを判定する(S408)。メダル投入口10へのメダルの投入操作も各ベットボタンの押下操作もない場合には(S408でNO)、ステップS410に進む。一方、メダル投入口10へのメダルの投入操作、又は、各ベットボタンの押下操作があった場合には(S408でYES)、投入操作や押下操作に関するベットコマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S409)、ステップS410に進む。
【0200】
ステップS410では、現時点のベット数(賭数)が上記遊技開始可能枚数(「3」)に達しているか否かを判定する。遊技開始可能枚数に達していなければ(S410でNO)、上記ステップS407に戻る。すなわち、現時点のベット数が遊技開始可能枚数に達していない場合には、スタートレバー8の操作が有効にならない構成になっている。
【0201】
一方、現時点のベット数が遊技開始可能枚数に達していれば(S410でYES)、そのときのベット数を、RAM64の所定の記憶領域にセットする(S411)。これにより、その後のステップS412の処理でスタートレバー8の操作があった場合に、記憶領域にセットした値(具体的には「3」)がベット数(賭数)に設定されることになる。
【0202】
次いで、スタートレバー8の操作があったかどうかの判定を行う(S412)。スタートレバー8の操作がない場合には(S412でNO)、上記ステップS407に戻る。一方、スタートレバー8の操作があった場合には(S412でYES)、ベット受付フラグをOFFにして(S413)、スタートレバー8が操作されたことを示すスタートコマンドを出力バッファにセットする(S414)。
【0203】
[当選役決定処理]
図17に示す当選役決定処理(S204)では、遊技制御用マイコン61は、まず図示しない乱数発生器により生成される乱数の中から1つの乱数(数値)を選出する乱数ラッチを行う(S501)。そして、ラッチされた乱数(以下、「ラッチ乱数」ともいう)を読み込む(S502)。
【0204】
次に、遊技状態フラグの値に応じた遊技役抽選テーブル(
図10)を参照する(S503)。なお、上記ステップS304で設定した設定値に対応した遊技役抽選テーブルを参照する。そして、ラッチ乱数と遊技役抽選テーブルに基づいて、いずれかの遊技役に当選したか否かを判定する(S504)。
【0205】
遊技役に当選した場合には(S504でYES)、当選した遊技役に応じた当選フラグをONにして(S505)、ステップS507に進む。一方、遊技役に当選していない場合(S504でNO)、つまり、ハズレの場合には、BB役の当選フラグがONか否かを判定する(S506)。本形態では、BB役の当選フラグがONの単位遊技でBB役の入賞が成立しなかった場合には、次の単位遊技でも当該当選フラグがONのまま持ち越される。このため、上記ステップS504で遊技役に当選しなくても、BB役の当選フラグがONの場合がある。そこで、BB役の当選フラグがONであれば(S506でYES)、ステップS507に進む。
【0206】
ステップS507では、遊技状態フラグの値が「1」又は「2」かどうかを判定する。遊技状態フラグは、現在の遊技状態を示すためのものである。図中の表に示すように、遊技状態フラグが「0」とは、現在の遊技状態が非RT遊技状態であることを示す。また、遊技状態フラグが「1」とは、現在の遊技状態がBB遊技状態であることを示す。また、遊技状態フラグが「2」とは、現在の遊技状態がRT遊技状態であることを示す。
【0207】
遊技状態フラグの値が「1」でも「2」でもない場合(S507でNO)、つまり遊技状態フラグの値が「0」の場合には、ステップS509に進むが、遊技状態フラグの値が「1」又は「2」の場合には(S507でYES)、後述のメイン報知処理(S508)を行って、ステップS509に進む。
【0208】
ステップS509では、上記ステップS505でONに設定された当選フラグや、先回の単位遊技から持ち越されている場合のBB役の当選フラグに基づいて、当選フラグがONの遊技役に関するコマンド(役決定結果コマンド)をセットする。その後、本処理を終える。
【0209】
なお、上記ステップS506でNOの判定の場合には、遊技状態フラグの値が「2」かどうかを判定する(S510)。遊技状態フラグの値が「2」でない場合(S510でNO)、すなわち、遊技状態フラグの値が「0」又は「1」の場合には、そのまま本処理を終える。一方、遊技状態フラグの値が「2」の場合(S510でYES)、すなわち、遊技状態がRT遊技状態の場合には、上乗せ抽選フラグをONして(S511)、本処理を終了する。上乗せ抽選フラグは、遊技役の抽選結果がハズレであったことを示すためのフラグである。本形態では、RT遊技状態中のハズレは、上述したように上乗せ抽選の実行契機となっている。よって、上乗せ抽選フラグがONの場合には、後述のRT上乗せ処理(
図25)にて上乗せ抽選が実行されることになる。
【0210】
[メイン報知処理]
図18に示すメイン報知処理(S508)では、遊技制御用マイコン61は、まず小役1又は小役2の当選フラグがONかどうかを判定する(S601)。小役1の当選フラグも小役2の当選フラグもONでなければ(S601でNO)、ステップS603に進むが、小役1又は小役2の当選フラグがONであれば(S601でYES)、特殊役報知ランプ27のうち、ONの当選フラグに応じた遊技役のランプを点灯させる(S602)。
【0211】
次いで、ステップS603では、小役3、小役7および小役8の当選フラグがONかどうかを判定する。小役3、小役7および小役8の当選フラグがONであれば(S603でYES)、3つのストップ報知ランプ20L,20C,20Rのうちの左ストップ報知ランプ20Lを点灯させる(S604)。これにより、全リール6L,6C,6Rの変動表示中に、3つのストップ報知ランプ20L,20C,20Rのうちの左ストップ報知ランプ20Lだけが点灯することになる。
【0212】
なお、小役3、小役7および小役8の当選フラグがONでなければ(S603でNO)、次に、小役4、小役6および小役8の当選フラグがONかどうかを判定する(S605)。小役4、小役6および小役8の当選フラグがONであれば(S605でYES)、3つのストップ報知ランプ20L,20C,20Rのうちの中ストップ報知ランプ20Cを点灯させる(S606)。これにより、全リール6L,6C,6Rの変動表示中に、3つのストップ報知ランプ20L,20C,20Rのうちの中ストップ報知ランプ20Cだけが点灯することになる。
【0213】
小役4、小役6および小役8の当選フラグがONでなければ(S605でNO)、小役5、小役6および小役7の当選フラグがONであることになり、3つのストップ報知ランプ20L,20C,20Rのうちの右ストップ報知ランプ20Rを点灯させる(S607)。これにより、全リール6L,6C,6Rの変動表示中に、3つのストップ報知ランプ20L,20C,20Rのうちの右ストップ報知ランプ20Rだけが点灯することになる。
【0214】
[リール回転開始処理]
図19に示すリール回転開始処理(S205)では、遊技制御用マイコン61は、まず全リール6L,6C,6Rの回転を開始させる(S701)。これにより全リール6L,6C,6Rの変動表示が開始される。なお本形態では、前回の単位遊技時の全リール6L,6C,6Rの回転開始から所定の期間(具体的には4.1秒間)が経過した後、当該単位遊技において全リール6L,6C,6Rの回転を開始させる。
【0215】
次に、右リール6Rが既に回転しているか否かを判定する(S702)。右リール6Rが既に回転している場合には(S702でYES)、右リール6Rの回転開始を示す右リール回転開始フラグがONかどうかを判定する(S703)。ONでない場合(S703でNO)、つまり、右リール回転開始フラグがOFFの場合には、その右リール回転開始フラグをONして(S704)、右リール6Rの回転開始を示す右リール回転開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S705)、ステップS706に進む。
【0216】
なお、上記ステップS702において、右リール6Rが未だ回転していない場合には(S702でNO)、上記ステップS703〜S705の処理をスキップしてステップS706に進む。また、上記ステップS703において、右リール回転開始フラグがONの場合には(S703でYES)、上記ステップS704,S705の処理をスキップしてステップS706に進む。
【0217】
ステップS706〜S709では中リール6Cに関して、また、ステップS710〜S713では左リール6Lに関して、上述のステップS702〜S705とほぼ同じような処理を行う。
【0218】
すなわち、ステップS706では中リール6Cが既に回転しているか否かを判定し、中リール6Cが既に回転している場合には(S706でYES)、中リール6Cの回転開始を示す中リール回転開始フラグがONかどうかを判定する(S707)。ONでない場合(S707でNO)、つまり、中リール回転開始フラグがOFFの場合には、その中リール回転開始フラグをONし(S708)、中リール6Cの回転開始を示す中リール回転開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S709)、ステップS710に進む。
【0219】
なお、上記ステップS706において、中リール6Cが未だ回転していない場合には(S706でNO)、上記ステップS707〜S709の処理をスキップしてステップS710に進む。また、上記ステップS706において、中リール回転開始フラグがONの場合には(S707でYES)、上記ステップS708,S709の処理をスキップしてステップS710に進む。
【0220】
また、ステップS710では左リール6Lが既に回転しているか否かを判定し、左リール6Lが既に回転している場合には(S710でYES)、左リール6Lの回転開始を示す左リール回転開始フラグがONかどうかを判定する(S711)。ONでない場合(S711でNO)、つまり、左リール回転開始フラグがOFFの場合には、その左リール回転開始フラグをONし(S712)、左リール6Lの回転開始を示す左リール回転開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S713)、ステップS714に進む。
【0221】
なお、上記ステップS710において、左リール6Lが未だ回転していない場合には(S710でNO)、上記ステップS711〜S713の処理をスキップしてステップS714に進む。また、上記ステップS711において、左リール回転開始フラグがONの場合には(S711でYES)、上記ステップS712,S713の処理をスキップしてステップS714に進む。
【0222】
ステップS714では、全リール6L,6C,6Rが既に回転しているかどうかを判定する。具体的には、各リール6L,6C,6Rの回転開始フラグがいずれもONかどうかを判定する。全リール6L,6C,6Rが既に回転していれば(S714でYES)、全リール6L,6C,6Rについてのリール回転開始フラグをOFFして(S715)、本処理を終える。一方、各リール6L,6C,6Rのいずれかが未だ回転していない場合(S714でNO)、すなわち、各回転開始フラグの少なくとも1つがONでなければ、上記ステップS702に戻る。
【0223】
[リール回転停止処理]
図20に示すリール回転停止処理(S206)では、遊技制御用マイコン61は、まず回転開始した各リール6L,6C,6Rについて、所定の回転速度に達するように加速する加速処理(S801)を行う。次いで、全リール6L,6C,6Rが所定の速度で定速回転しているか否かを判定し(S802)、定速回転していないと判定した場合には(S802でNO)、上記ステップS801に戻って、再び加速処理を行う。一方、全リール6L,6C,6Rが定速回転していると判定した場合には(S802でYES)、全リール6L,6C,6Rが停止受付待ちの状態(具体的には、ストップボタン9L,9C,9Rが操作された場合に、それに対応して回転停止することが可能な状態)にあるか否かを判定する(S803)。全リール6L,6C,6Rが停止受付待ちの状態になり次第(S803でYES)、ステップS804に進む。
【0224】
次に、ステップS804では、ストップボタン9L,9C,9Rが操作されたか否かを判定する。ストップボタンの押圧操作があった場合には(S804でYES)、後述の停止制御処理(S805)に進み、操作されたストップボタンに対応したリールが回転駆動中の場合には、そのリールの停止制御を行う。
【0225】
ステップS806では、ストップ報知ランプ20L,20C,20Rが点灯しているかどうかを判定する。本形態では上述したように、第1ベル小役の正解押し順の第1停止操作に関し、ストップ報知ランプ20L,20C,20Rを用いて、その第1停止操作で操作すべきストップボタンがどれなのかを報知する構成となっている。よって、第1停止操作が行われた後には、点灯しているストップ報知ランプ20L,20C,20Rを消灯して正解押し順の第1停止操作に関する報知を終了させる。そこで、ストップ報知ランプ20L,20C,20Rがいずれも消灯している場合には(S806でNO)、そのままステップS808に進むが、点灯している場合には(S806でYES)、点灯しているストップ報知ランプ20L,20C,20Rを消灯して(S807)、ステップS808に進む。
【0226】
ステップS808では、全リール6L,6C,6Rの回転が停止しているかどうかを判定する。全リール6L,6C,6Rの回転が停止していない場合(S808でNO)、つまり、3つのリール6L,6C,6Rの1つでも回転中の場合には、上記ステップS804に戻る。一方、全リール6L,6C,6Rの回転が停止している場合には(S808でYES)、後述の停止制御処理(
図20)のステップS903,S910,S916でONしたSB操作フラグをいずれもOFFして(S809)、本処理を終える。
【0227】
[停止制御処理]
図21に示す停止制御処理(S805)は、3つのストップボタン9L,9C,9Rのうち、押圧操作があったストップボタンについて行われる処理である。遊技制御用マイコン61は、まず本処理の直前で押圧操作があったストップボタンが左ストップボタン9Lであるかどうかを判定する(S901)。左ストップボタン9Lであれば(S901でYES)、左SB操作フラグがONかどうかを判定する(S902)。左SB操作フラグがONとは、左リール6Lの変動停止のために左ストップボタン9Lの操作が既に行われたことを示す。左SB操作フラグがONの場合には(S902でYES)、本処理を終えるが、ONでない場合(S902でNO)、つまり、左SB操作フラグがOFFの場合には、その左SB操作フラグをONし(S903)、左ストップボタン9Lの操作が行われたことに関する左SB操作コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S904)、ステップS905に進む。
【0228】
ステップS905では、左リール6Lの図柄組み合わせ回転停止制御を行う。具体的には、当選フラグがONの遊技役、および、左ストップボタン9Lの操作タイミング(操作が受け付けられたタイミング)に基づいて左リール6Lを停止させる。そして、必要であれば、上述した引込制御を行いつつ、左リール6Lの駆動を制御して左リール6Lを停止させる。なお、各遊技役に分けて、以下に詳述する。
【0229】
まず、当選フラグがONの遊技役が小役3〜8(小役3,小役7および小役8、小役4,小役6および小役8、又は、小役5,小役6および小役7)の場合について説明する。本形態では、
図9に示す6種類の第1ベル役(「第1ベル役01」〜「第1ベル役06」)のいずれかの停止表示図柄が有効ラインL1上に停止することで、第1ベル小役の成立となる。また、
図9に示す12種類の第2ベル役(「第2ベル役01」〜「第2ベル役12」)のいずれかの停止表示図柄が有効ラインL1上に停止することで、第2ベル小役の成立となる。よって、第1ベル小役を成立させる場合でも、第2ベル小役を成立させる場合でも、左表示窓5Lの枠内に「ベル」図柄を停止表示させる必要がある。
【0230】
但し、本形態では上述したように、引込制御によって、左ストップボタン9Lの操作タイミングによらず、左表示窓5Lの枠内に「ベル」図柄を停止表示させることが可能となっている。よって、遊技制御用マイコン61は、第1停止操作であれば左表示窓5Lの枠内に、第2停止操作又は第3停止操作であれば他のリールの停止図柄に応じて、「ベル」図柄を停止表示させるように左リール6Lを停止させることが可能である。
【0231】
なお上述したように、第1ベル役には正解押し順が、第2ベル役には押し順が設けられている。よって、第1停止操作に関し、左ストップ報知ランプ20Lの点灯中に、第1停止操作として左ストップボタン9Lが操作された場合には、小役3を成立させる図柄組み合わせ回転停止制御が行われる。また、左ストップ報知ランプ20L以外のストップ報知ランプ20C,20Rの点灯中に、第1停止操作として左ストップボタン9Lが操作された場合には、小役6を成立させる図柄組み合わせ回転停止制御が行われる。
【0232】
次に、当選フラグがONの遊技役がBB役の場合について説明する。本形態では上述したように、
図9に示す3種類のBB役(「BB役01」〜「BB役03」)のいずれかの停止表示図柄が有効ラインL1上に停止することで、BB役の成立となる。よって、BB役を成立させるには、左表示窓5Lの枠内に「赤セブン」図柄を停止表示させる必要がある。
【0233】
しかしながら、左リール6Lには「赤セブン」図柄が1個しかない(
図3参照)。このため、引込制御が働いたとしても、左ストップボタン9Lの操作タイミングによっては、左表示窓5Lの枠内に「赤セブン」図柄を停止表示させることができない場合がある。
【0234】
次に、当選フラグがONの遊技役が小役1の場合について説明する。本形態では上述したように、
図9に示す10種類の小役1(「チェリー役01」〜「チェリー役10」)のいずれかの停止表示図柄が有効ラインL1上に停止することで、小役1の成立となる。よって、小役1を成立させるには、左表示窓5Lの枠内に「チェリー」図柄を停止表示させる必要がある。
【0235】
しかしながら、左リール6Lには「チェリー」図柄が1個しかない(
図3参照)。このため、引込制御が働いたとしても、左ストップボタン9Lの操作タイミングによっては、左表示窓5Lの枠内に「チェリー」図柄を停止表示させることができない場合がある。
【0236】
次に、当選フラグがONの遊技役が小役2の場合について説明する。本形態では上述したように、
図9に示す14種類の小役2(「スイカ役01」〜「スイカ役14」)のいずれかの停止表示図柄が有効ラインL1上に停止することで、小役2の成立となる。よって、小役2を成立させるには、左表示窓5Lの枠内に「スイカ」図柄を停止表示させる必要がある。
【0237】
但し、本形態では引込制御によって、左ストップボタン9Lの操作タイミングによらず、左表示窓5Lの枠内に「スイカ」図柄を停止表示させることが可能となっている。よって、第1停止操作であれば左表示窓5Lの枠内に、第2停止操作又は第3停止操作であれば他のリールの停止図柄に応じて、「スイカ」図柄を停止表示させるように左リール6Lを停止させることが可能である。
【0238】
次に、当選フラグがONの遊技役が再遊技役の場合について説明する。本形態では、
図9に示す8種類の再遊技役(「リプレイ役01」〜「リプレイ役08」)のいずれかの停止表示図柄が有効ラインL1上に停止することで、再遊技役の成立となる。よって、再遊技役の成立では、左表示窓5Lの枠内に「リプレイ」図柄を停止表示させる必要がある。
【0239】
但し、本形態では上述したように、引込制御によって、左ストップボタン9Lの操作タイミングによらず左表示窓5Lの枠内に「リプレイ」図柄を停止表示させることが可能となっている。よって、第1停止操作であれば左表示窓5Lの枠内に、第2停止操作又は第3停止操作であれば他のリールの停止図柄に応じて、「リプレイ」図柄を停止表示させるように左リール6Lを停止させることが可能である。
【0240】
かくして、左リール6Lの図柄組み合わせ回転停止制御を行い(S905)、停止制御処理の左リール6Lの回転が停止次第(S906でYES)、左リール6Lが回転停止したことに関する左リール回転停止コマンドをセットして(S907)、本処理を終える。
【0241】
一方、上記ステップS901で、操作があったストップボタンが左ストップボタン9Lでない場合には(S901でNO)、ステップS908に進む。
【0242】
ステップS908〜S914の処理は、中リール6Cの中ストップボタン9Cに関する処理である。すなわち、まずステップS908では、本処理の直前で押圧操作があったストップボタンが中ストップボタン9Cであるかどうかを判定する。中ストップボタン9Cであれば(S908でYES)、中SB操作フラグがONかどうかを判定する(S909)。中SB操作フラグがONとは、中リール6Cの変動停止のために中ストップボタン9Cの操作が既に行われたことを示す。中SB操作フラグがONの場合には(S909でYES)、本処理を終えるが、ONでない場合(S909でNO)、つまり、中SB操作フラグがOFFの場合には、その中SB操作フラグをONし(S910)、中ストップボタン9Cの操作が行われたことに関する中SB操作コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S911)、ステップS912に進む。
【0243】
ステップS912では、中リール6Cの図柄組み合わせ回転停止制御を行う。具体的には、当選フラグがONの遊技役、および、中ストップボタン9Cの操作タイミングに基づいて中リール6Cを停止させる。そして、必要であれば、引込制御を行いつつ、中リール6Cの駆動を制御して中リール6Cを停止させる。なお、各遊技役に分けて、以下に詳述する。
【0244】
まず、当選フラグがONの遊技役がベル小役の場合について説明する。本形態で、第1ベル小役を成立させるためには、中表示窓5C内の中リール6Cの中段位置に「ベル」図柄を、第2ベル小役を成立させるためには、その中リール6Cの中段位置に「チェリー」図柄を、それぞれ停止表示させる必要がある。
【0245】
但し、本形態では上述したように、引込制御によって、中ストップボタン9Cの操作タイミングによらず、中表示窓5C内の中リール6Cの中段位置に「ベル」図柄も「チェリー」図柄も停止表示させることが可能となっている。よって、第1ベル小役を成立させるために、中表示窓5C内の中リール6Cの中段位置に「ベル」図柄を停止表示させることが可能である。また、第2ベル小役を成立させるために、中表示窓5C内の中リール6Cの中段位置に「チェリー」図柄を停止表示させることが可能である。
【0246】
なお、第1ベル役には正解押し順が、第2ベル役には押し順が設けられているので、中ストップ報知ランプ20Cの点灯中に、第1停止操作として中ストップボタン9Cが操作された場合には、小役4を成立させる図柄組み合わせ回転停止制御が行われる。また、中ストップ報知ランプ20C以外のストップ報知ランプ20L,20Rの点灯中に、第1停止操作として中ストップボタン9Cが操作された場合には、小役7を成立させる図柄組み合わせ回転停止制御が行われる。
【0247】
次に、当選フラグがONの遊技役がBB役の場合について説明する。本形態でBB役を成立させるには、中表示窓5C内の中リール6Cの中段位置に「赤セブン」図柄を停止表示させる必要がある。しかしながら、中リール6Cには「赤セブン」図柄が1個しかない(
図3参照)。このため、引込制御が働いたとしても、中ストップボタン9Cの操作タイミングによっては、中表示窓5Cの枠内に「赤セブン」図柄を停止表示させることができない場合がある。
【0248】
次に、当選フラグがONの遊技役が小役1の場合について説明する。本形態で小役1を成立させるには、その中リール6Cの中段位置に「チェリー」図柄を停止表示させる必要がある。但し、本形態では引込制御によって、中ストップボタン9Cの操作タイミングによらず、中表示窓5Cの枠内に「チェリー」図柄を停止表示させることが可能となっている。よって、中表示窓5C内の中リール6Cの中段位置に「チェリー」図柄を停止表示させることが可能である。
【0249】
次に、当選フラグがONの遊技役が小役2の場合について説明する。本形態で小役2を成立させるには、その中リール6Cの中段位置に「スイカ」図柄を停止表示させる必要がある。しかしながら、中リール6Cには「スイカ」図柄が2個しかなく、次の同一図柄との間に5コマ以上の間隔があいている(
図3参照)。このため、引込制御が働いたとしても、中ストップボタン9Cの操作タイミングによっては、中表示窓5Cの枠内に「スイカ」図柄を停止表示させることができない場合がある。
【0250】
次に、当選フラグがONの遊技役が再遊技役の場合について説明する。本形態で再遊技役を成立させるためには、中表示窓5C内の中リール6Cの中段位置に「リプレイ」図柄を停止表示させる必要がある。但し、本形態では上述したように、引込制御によって、中ストップボタン9Cの操作タイミングによらず、中表示窓5C内の中リール6Cの中段位置に「リプレイ」図柄を停止表示させることが可能となっている。
【0251】
かくして、中リール6Cの図柄組み合わせ回転停止制御を行い(S912)、停止制御処理の中リール6Cの回転が停止次第(S913でYES)、中リール6Cが回転停止したことに関する中リール回転停止コマンドをセットして(S914)、本処理を終える。
【0252】
一方、上記ステップS908で、操作があったストップボタンが中ストップボタン9Cでない場合には(S908でNO)、右ストップボタン9Rに関する処理を行うべくステップS915に進む。
【0253】
ステップS915〜S920の処理は、右リール6Rの右ストップボタン9Rに関する処理である。すなわち、まずステップS915では、右リール6Rを停止させるために右ストップボタン9Rの操作が既に行われたことを示す右SB操作フラグがONかどうかを判定する。右SB操作フラグがONの場合には(S915でYES)、本処理を終えるが、ONでない場合(S915でNO)、つまり、右SB操作フラグがOFFの場合には、その右SB操作フラグをONし(S916)、右ストップボタン9Rの操作が行われたことに関する右SB操作コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S917)、ステップS918に進む。
【0254】
ステップS918では、右リール6Rの図柄組み合わせ回転停止制御を行う。具体的には、当選フラグがONの遊技役、および、右ストップボタン9Rの操作タイミングに基づいて右リール6Rを停止させる。そして、必要であれば、引込制御を行いつつ、右リール6Rの駆動を制御して右リール6Rを停止させる。なお、各遊技役に分けて、以下に詳述する。
【0255】
まず、当選フラグがONの遊技役がベル小役の場合について説明する。本形態では、左リール6Lの場合と同じく、第1ベル小役を成立させる場合でも、第2ベル小役を成立させる場合でも、右表示窓5Rの枠内に「ベル」図柄を停止表示させる必要がある。
【0256】
但し、本形態では上述したように、引込制御によって、右ストップボタン9Rの操作タイミングによらず、右表示窓5Rの枠内に「ベル」図柄を停止表示させることが可能となっている。よって、第1停止操作であれば右表示窓5Rの枠内に、第2停止操作又は第3停止操作であれば他のリールの停止図柄に応じて、「ベル」図柄を停止表示させるように右リール6Rを停止させることが可能である。
【0257】
なお、第1ベル役には正解押し順が、第2ベル役には押し順が設けられているので、右ストップ報知ランプ20Rの点灯中に、第1停止操作として右ストップボタン9Rが操作された場合には、小役5を成立させる図柄組み合わせ回転停止制御が行われる。また、右ストップ報知ランプ20R以外のストップ報知ランプ20L,20Cの点灯中に、第1停止操作として右ストップボタン9Rが操作された場合には、小役8を成立させる図柄組み合わせ回転停止制御が行われる。
【0258】
次に、当選フラグがONの遊技役がBB役の場合について説明する。本形態では、左リール6Lの場合と同じく、BB役を成立させるには、右表示窓5Rの枠内に「赤セブン」図柄を停止表示させる必要がある。しかし、右リール6Rには「赤セブン」図柄が1個しかない(
図3参照)。このため、引込制御が働いたとしても、右ストップボタン9Rの操作タイミングによっては、右表示窓5Rの枠内に「赤セブン」図柄を停止表示させることができない場合がある。
【0259】
次に、当選フラグがONの遊技役が小役1の場合について説明する。本形態では、左リール6Lの場合と同じく、小役1を成立させるには、右表示窓5Rの枠内に「チェリー」図柄を停止表示させる必要がある。但し、引込制御によって、右ストップボタン9Rの操作タイミングによらず、右表示窓5Rの枠内に「チェリー」図柄を停止表示させることが可能となっている。よって、第1停止操作であれば右表示窓5Rの枠内に、第2停止操作又は第3停止操作であれば他のリールの停止図柄に応じて、「チェリー」図柄を停止表示させるように右リール6Rを停止させることが可能である。
【0260】
次に、当選フラグがONの遊技役が小役2の場合について説明する。本形態では、左リール6Lの場合と同じく、小役2を成立させるには、右表示窓5Rの枠内に「スイカ」図柄を停止表示させる必要がある。しかし、右リール6Rには「スイカ」図柄が3個しかなく、次の同一図柄との間に5コマ以上の間隔があいているところがある(
図3参照)。このため、引込制御が働いたとしても、右ストップボタン9Rの操作タイミングによっては、右表示窓5Rの枠内に「スイカ」図柄を停止表示させることができない場合がある。
【0261】
次に、当選フラグがONの遊技役が再遊技役の場合について説明する。本形態では、左リール6Lの場合と同じく、再遊技役を成立させるには、右表示窓5Rの枠内に「リプレイ」図柄を停止表示させる必要がある。但し、本形態では上述したように、引込制御によって、右ストップボタン9Rの操作タイミングによらず右表示窓5Rの枠内に「リプレイ」図柄を停止表示させることが可能となっている。よって、第1停止操作であれば右表示窓5Rの枠内に、第2停止操作又は第3停止操作であれば他のリールの停止図柄に応じて、「リプレイ」図柄を停止表示させるように右リール6Rを停止させることが可能である。
【0262】
かくして、右リール6Rの図柄組み合わせ回転停止制御を行い(S918)、右リール6Rの回転が停止次第(S919でYES)、右リール6Rが回転停止したことに関する右リール回転停止コマンドをセットして(S920)、本処理を終える。
【0263】
[停止表示図柄判定処理]
図22に示す停止表示図柄判定処理(S207)では、遊技制御用マイコン61は、まず表示窓5L,5C,5Rの枠内に停止表示されている停止表示図柄を確認して、その情報をRAM64に格納する(S1201)。次に、停止表示図柄に基づいて、有効ラインL1上に遊技役に応じた図柄の組み合わせがあるかどうかを判定する(S1202)。
【0264】
有効ラインL1上に遊技役に応じた図柄の組み合わせがある場合には(S1202でYES)、その図柄に応じた遊技役が成立していることになるので、成立している遊技役の種類を示すための表示図柄フラグをセットする(S1203)。遊技役に応じた表示図柄フラグの値は、
図8に示す通りである。なお、表示図柄フラグは、上述したようにメイン制御処理(
図14)の遊技開始準備処理(S202)でゼロクリアされる。
【0265】
次いで、上記表示図柄フラグの値が「01」か否かを判定する(S1204)。つまり、成立した遊技役がBB役かどうかを判定する。表示図柄フラグの値が「01」でなければ(S1204でNO)、続いて表示図柄フラグの値が「10」か否かを判定する(S1205)。つまり、成立した遊技役が再遊技役かどうかを判定する。
【0266】
なお、再遊技役が成立している場合には、次回の単位遊技において自動ベット処理を行う。そこで、表示図柄フラグの値が「10」であれば(S1205でYES)、上記自動ベットフラグをONして(S1206)、ステップS1209に進む。一方、表示図柄フラグの値が「10」でない場合には(S1205でNO)、成立している遊技役は、払い出しを伴う遊技役(小役1〜小役8のいずれか)に該当することになるため、払出フラグをONして(S1207)、ステップS1209に進む。
【0267】
なお、有効ラインL1上に、遊技役に応じた図柄の組み合わせがない場合には(S1202でNO)、表示図柄フラグはセットされずに(つまり「0」のままで)、いずれかの遊技役の当選フラグがONかどうかを判定する(S1208)。いずれの遊技役の当選フラグもONでない場合(S1208でNO)、即ち、全ての遊技役の当選フラグがOFFの場合には、当選フラグをOFFする必要がないため、そのまま後述のステップS1214に進む。一方、いずれかの遊技役の当選フラグがONの場合には(S1208でYES)、ステップS1209に進む。
【0268】
ステップS1209では、BB役の当選フラグがONかどうかを判定する。本形態では上述したように、遊技役のうちのBB役だけは、一旦当選すると入賞が成立するまで当選が持ち越される。言い換えると、BB役以外の遊技役に関し、当選した単位遊技で、対応した停止表示図柄が有効ラインL1上に停止表示されなかった場合には、その遊技役の当選は持ち越されない。そこで、BB役の当選フラグがONでなければ(S1209でNO)、ONになっている当選フラグをOFFして(S1210)、ステップS1214に進む。これにより、全ての遊技役に対応した当選フラグがOFFになる。一方、BB役の当選フラグがONであれば(S1209でYES)、BB役以外の遊技役の当選フラグをOFFして(S1211)、ステップS1214に進む。これにより、BB役の当選フラグのみがONとなり、BB役の当選のみが次回の単位遊技に持ち越される。
【0269】
上記ステップS1204で表示図柄フラグの値が「01」の場合(S1204でYES)、つまり、成立した遊技役がBB役の場合には、BB役の成立を示すBBフラグをOFFからONにして(S1212)、BB役を含む全ての遊技役に対応した当選フラグをOFFにして(S1213)、ステップS1214に進む。
【0270】
ステップS1214では、停止表示図柄に関する停止表示図柄コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、本処理を終える。
【0271】
[メダル払出処理]
図23に示すメダル払出処理(S208)では、遊技制御用マイコン61は、まず上記払出フラグがONか否かを判定する(S1301)。払出フラグがONでなければ(S1301でNO)、本処理を終えるが、ONであれば(S1301でYES)、表示図柄フラグの値に基づいて、払い出すメダルの枚数に関する払出枚数コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S1302)。次いで、上記クレジット機能が有効になっているかどうかを判定する(S1303)。
【0272】
クレジット機能が有効になっていない場合(S1303でNO)、つまり、クレジット機能が無効になっている場合には、ステップS1307に進むが、有効になっている場合には(S1303でYES)、上記仮想メダルの枚数とメダルの払出枚数との和が、クレジット可能な上限値(本形態では「50」)を超えているかどうかを判定する(S1304)。上限値を超えていない場合(S1304でNO)、即ち、仮想メダルの枚数とメダルの払出枚数との和が上限値以下の場合には、メダルの払出枚数をクレジット数表示ランプ21に示す仮想メダルの枚数に加算して(S1305)、ステップS1309に進む。
【0273】
一方、仮想メダルの枚数とメダルの払出枚数との和が上限値(「50」)を超えている場合には(S1304でYES)、クレジット数表示ランプ21に示す仮想メダルの枚数をその上限値まで加算表示して(S1306)、ステップS1307に進む。
【0274】
ステップS1307では、メダル払出口30からメダルを払い出す。クレジット機能が無効である場合には、メダルの払出枚数と同数のメダルを払い出す。一方、クレジット機能が有効の場合には、仮想メダルの枚数とメダルの払出枚数との和のうち「50」を超える分のメダルを払い出す。払い出しが終了次第(S1308でYES)、メダルの払い出しが終了したことを示す払出終了コマンドをセットして(S1309)、本処理を終了する。
【0275】
[RT状態処理]
図24に示すRT状態処理(S209)では、遊技制御用マイコン61は、まず遊技状態フラグの値が「2」であるかどうかを判定する(S1401)。遊技状態フラグの値が「2」でない場合 (S1401でNO)、つまり、遊技状態フラグの値が「0」又は「1」である場合には、本処理を終える。一方、遊技状態フラグの値が「2」の場合(S1401でYES)、すなわち、遊技状態がRT遊技状態の場合には、RT上乗せ処理を行う(S1402)。
【0276】
[RT上乗せ処理]RT上乗せ処理(S1402)は、RT遊技状態において、遊技役の非当選、つまり「ハズレ」を契機として、RT遊技状態を延長するための抽選を行う処理である。
図25に示すRT上乗せ処理(S1402)では、遊技制御用マイコン61は、まず上乗せ抽選フラグがONかどうかを判定する(S1501)。上乗せ抽選フラグがONでない場合には(S1501でNO)、そのまま本処理を終えるが、上乗せ抽選フラグがONの場合には(S1501でYES)、上乗せ抽選フラグをOFFして(S1502)、上乗せ回数(ゲーム数)の抽選を行う(S1503)。具体的には、
図11に示す上乗せ回数抽選テーブルを用いて、4種類の上乗せ回数(本形態では「0回」、「10回」、「20回」および「30回」)から1つの上乗せ回数を決める。なお、「ハズレ」を契機とする以外に、所定の遊技役(例えば、小役1〜小役8のいずれか1又は複数の遊技役)の当選を契機として上記抽選を実行するように構成してもよい。また、複数の遊技役の当選を契機として抽選を実行する場合には、遊技役毎にそれぞれ異なる上乗せ回数抽選テーブルを設けてもよい。
【0277】
ステップS1504では、上記ステップS1503の抽選の結果、「0回」以外の上乗せ回数に決まったかどうかを判定する。「0回」以外の上乗せ回数に決まらなかった場合(S1504でNO)、つまり、「0回」の上乗せ回数に決まった場合には、そのまま本処理を終了する。一方、「0回」以外の上乗せ回数に決まった場合には(S1504でYES)、ステップS1505に進み、決定した上乗せ回数をRT回数カウンタの値に加算する。RT回数カウンタとは、RT遊技状態が続くゲーム数の値をカウントするためのものである。後述のBB状態処理(
図26)のステップS1613の処理を行うことで、そのRT回数カウンタを用いたカウントが開始される。
【0278】
その後、決定した上乗せ回数に関する上乗せ回数コマンドをRAM64にセットして(S1506)、本処理を終了する。
【0279】
図24に戻って、上記RT上乗せ処理(S1402)の後、上記RT回数カウンタの値を「1」減じる(S1403)。そして、減算したRT回数カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1404)。RT回数カウンタの値が「0」でない場合には(S1404でNO)、本処理を終えるが、RT回数カウンタの値が「0」の場合には(S1404でYES)、遊技状態フラグの値を「0」に変更して(S1405)、遊技状態を、RT遊技状態から非RT遊技状態に移行させる。これにより、次回の単位遊技は非RT遊技状態での遊技となる。次いで、RT遊技状態の終了に関するRT終了コマンドをセットして(S1406)、本処理を終える。
【0280】
[BB状態処理]
図26に示すBB状態処理(S210)では、遊技制御用マイコン61は、まず遊技状態フラグの値が「1」であるかどうかを判定する(S1601)。上述したように遊技状態フラグが「1」とは、遊技状態がBB遊技状態であることを示している。遊技状態フラグの値が「1」でない場合(S1601でNO)、つまり、遊技状態フラグの値が「0」又は「2」の場合には、続いてBBフラグがONかどうかを判定する(S1602)。すなわち、当該単位遊技にてBB役が成立したかどうかを判定する。
【0281】
BBフラグがONではない場合には(S1602でNO)、そのまま本処理を終えるが、BBフラグがONの場合(S1602でYES)、すなわち、当該単位遊技にてBB役の入賞が成立した場合には、遊技状態フラグの値を「1」に更新して、遊技状態をBB遊技状態に移行させる(S1603)。これにより、次回の単位遊技はBB遊技状態での遊技となる。次いで、BB払出カウンタ値N(BB払出カウンタの値)に「0」をセットし(S1604)、BB遊技状態の開始に関するBB開始コマンドをセットする(S1605)。BB払出カウンタは、BB遊技状態中における遊技役の成立(本形態では、小役1〜小役8の成立)に伴って払い出される払出枚数を積算してカウントするためのものである。また、BB払出カウンタ値Nは、そのBB払出カウンタが積算した払出枚数を示す値である。上記ステップS1605の後、BBフラグをOFFして(S1606)、本処理を終える。
【0282】
上記ステップS1601で遊技状態フラグの値が「1」の場合(S1601でYES)、つまり、遊技状態が既にBB遊技状態である場合には、上記払出フラグがONかどうかを判定する(S1607)。払出フラグがONでない場合には(S1607でNO)、本処理を終了する。一方、払出フラグがONの場合には(S1607でYES)、BB遊技状態中に、上記メダル払出処理(
図23)にて遊技役の成立に伴うメダルの払い出しがあったことになるので、払い出した払出枚数を上記BB払出カウンタ値Nに加算する(S1608)。その後、そのBB払出カウンタ値Nが所定の閾値(「300」)以上かどうかを判定する(S1609)。本形態では上述したように、BB遊技状態中に払い出されたメダルの総数が上記閾値以上の場合が、BB遊技状態が終了してBB遊技状態からRT遊技状態に移行される条件Bの成立に該当する。よって、ステップS1609では、条件Bが成立したかどうかを判定する。
【0283】
BB払出カウンタ値Nが上記閾値(「300」)未満の場合には(S1609でNO)、そのまま本処理を終える。一方、BB払出カウンタの値が閾値以上の場合には(S1609でYES)、BB遊技状態の終了に関するBB終了コマンドをRAM64にセットする(S1610)。次いで、遊技状態フラグの値を「1」から「2」に変更して、遊技状態をBB遊技状態からRT遊技状態に移行させる(S1611)。これにより、次回の単位遊技の遊技状態がRT遊技状態に制御される。次に、RT遊技状態の開始に関するRT開始コマンドをセットして(S1612)、RT回数カウンタの値に「30」をセットする(S1613)。これにより、次回の単位遊技を含む少なくとも30回の連続する単位遊技にわたって、遊技状態がRT遊技状態に制御されることになる。
【0284】
7.サブ制御基板の動作
次いで、
図27〜
図37を用いて、サブ制御基板70において行われる制御処理のうち、特にサブ制御処理について説明する。
【0285】
[サブ制御処理]
図27に示すサブ制御処理では、演出制御用マイコン71は、まず電源投入時処理(S2001)を行う。具体的には、CPU72がRAM74等のエラーチェックや初期化(例えば、遊技情報の初期化)を行う。続いて、主制御基板60から各種コマンドを受信して、受信したコマンドに基づいて遊技情報を作成する(S2002)。遊技情報の作成では、例えばRT開始コマンドやRT終了コマンドやBB開始コマンドやBB終了コマンドに基づいて遊技状態に関する情報を変更する。
【0286】
次いで、後述するコマンド解析処理(S2003)を行う。その後、後述のスイッチ処理(S2004)を行い、画像制御基板80にコマンドを送信する(S2005)。次に、演出用ランプ40等を用いたランプ演出を実行するランプ演出実行処理(S2006)を行う。
【0287】
本形態のランプ演出実行処理(S2006)では、非RT遊技状態中に演出用ランプ40を用いて示唆演出(第1示唆演出,第2示唆演出)のランプ演出を実行する。また、ランプ演出の実行中に演出用ボタン43の操作がなされると、示唆演出の変更に伴ってランプ演出も切り替える。すなわち例えば、演出用ランプ40を用いて第2示唆演出のランプ演出を実行しているときに演出用ボタン43の操作がなされた場合には、その操作時点で第1示唆演出のランプ演出に切り替える。そして、その第1示唆演出のランプ演出として、最初からの演出ではなく、演出用ボタン43の操作時点に応じた途中からの演出を実行する。
【0288】
具体的には、切り替えて実行する示唆演出のランプ演出用データをROM73から読み出して、演出用ボタン43の操作タイミングに基づいて、演出全体のうち、その操作までの内容をスキップして、操作以降の途中の内容からランプ演出を実行する。なお、後述する示唆演出の画像演出および音声演出と同じく、2つの示唆演出の各ランプ演出用データをそれぞれ読み出して、2つのランプ演出用の出力データをRAM74の所定の領域にそれぞれ作成しておく。そして、作成した出力データのうち、演出用ランプ40を用いて実行する方の出力データに基づいて、ランプ演出を実行するようにしてもよい。
【0289】
次いで、スピーカ41を用いた音声演出を実行する音声演出実行処理(S2007)を行う。なお、サブ制御処理では、電源投入時処理(S2001)を初回に行った後、ステップS2002〜S2007をループさせる。
【0290】
[コマンド解析処理]
図28に示すコマンド解析処理(S2003)では、演出制御用マイコン71は、まずベットコマンドを受信したか否かを判定する(S2101)。ベットコマンドを受信していれば(S2101でYES)、後述のベットコマンド受信処理(S2102)を行って、本処理を終了する。
【0291】
一方、ベットコマンドを受信していなければ(S2101でNO)、役決定結果コマンドを受信したか否かを判定する(S2103)。役決定結果コマンドを受信していれば(S2103でYES)、後述の役決定結果コマンド受信処理(S2104)を行って、本処理を終了する。
【0292】
一方、役決定結果コマンドを受信していなければ(S2103でNO)、SB操作コマンドを受信したか否かを判定する(S2105)。SB操作コマンドを受信していれば(S2105でYES)、後述のSB操作コマンド受信処理(S2106)を行って、本処理を終了する。
【0293】
一方、SB操作コマンドを受信していなければ(S2105でNO)、BB開始コマンドを受信したか否かを判定する(S2107)。BB開始コマンドを受信していれば(S2107でYES)、BB開始コマンド受信処理(S2108)を行って、本処理を終える。このBB開始コマンド受信処理(S2108)では、BB開始コマンドが示す情報に基づいた演出データ(例えば、画像制御基板80に出力される、BB遊技状態のオープニング画像演出やBB遊技状態中の画像演出に関するコマンド)がセットされる。
【0294】
一方、BB開始コマンドを受信していなければ(S2107でNO)、RT終了コマンドを受信したか否かを判定する(S2109)。RT終了コマンドを受信していれば(S2109でYES)、後述のRT終了コマンド受信処理(S2110)を行って、本処理を終える。
【0295】
一方、RT終了コマンドを受信していなければ(S2109でNO)、ステップS2111に進み、上記以外のコマンドの受信に伴って実行する処理(その他のコマンド受信処理)を行って、本処理を終える。
【0296】
[ベットコマンド受信処理]
図29に示すベットコマンド受信処理(S2102)では、演出制御用マイコン71は、まずベットコマンドを解析する(S2201)。そして、サブ側モードフラグが「0」でないかどうかを判定する(S2202)。サブ側モードフラグは、演出制御用マイコン71が管理している、演出モードの実行の有無を示すためのフラグである。図中の表に示すように、サブ側モードフラグが「1」とは、演出モードを実行していて、その演出モードが「Aモード」であることを示す。また、サブ側モードフラグが「2」とは、演出モードを実行していて、その演出モードが「Bモード」であることを示す。なお、サブ側モードフラグが「0」とは、演出モードを実行していないことを示す。すなわち、遊技状態が非RT遊技状態以外の遊技状態(つまり、BB遊技状態又はRT遊技状態)であることを示す。
【0297】
ステップS2202でNOの判定の場合、つまり、サブ側モードフラグが「0」の場合には、スキップしてステップS2205に進む。一方、サブ側モードフラグが「0」でない場合(S2202でYES)、すなわち、サブ側モードフラグが「1」又は「2」の場合には、Aモードで第1示唆演出を、あるいは、Bモードで第2示唆演出を実行していることになるので、実行中の示唆演出(第1示唆演出,第2示唆演出)の音声出力データの出力を停止する(S2203)。これにより、スピーカ41からの示唆演出の音声が止まる。
【0298】
次に、実行中の示唆演出の終了を画像制御基板80に知らせるための示唆演出終了コマンドをRAM74にセットする(S2204)。そして、ステップS2205では、ベットコマンドの受信に伴って実行する、上記以外の処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。その他の処理として、例えば、ベットの操作に合わせて効果音を出力する処理が挙げられる。
【0299】
[役決定結果コマンド受信処理]
図30に示す役決定結果コマンド受信処理(S2104)では、演出制御用マイコン71は、まず役決定結果コマンドを解析する(S2301)。そして、その解析によって得られた情報(当選した遊技役に関する情報)をRAM74に記憶する。これにより、演出制御用マイコン71が行う各処理でその情報を用いることが可能である。次に、遊技状態が非RT遊技状態であるかどうかを判定する(S2302)。具体的には、上記ステップS2002で作成した遊技情報に基づいて判定する。
【0300】
遊技状態が非RT遊技状態でない場合(S2302でNO)、すなわち、RT遊技状態又はBB遊技状態の場合には、受信した役決定結果コマンドが小役3、小役4又は小役5の当選に関するものかどうかを判定する(S2303)。受信した役決定結果コマンドが小役3、小役4又は小役5の当選に関するものであれば(S2303でYES)、ステップS2304に進み、正解押し順に応じた入賞操作を特定する。
【0301】
具体的に、役決定結果コマンドが小役3の当選に関するものであれば、その小役3の正解押し順の第1停止操作である左ストップボタン9Lの押圧操作を入賞操作とする。また、役決定結果コマンドが小役4の当選に関するものであれば、その小役4の正解押し順の第1停止操作である中ストップボタン9Cの押圧操作を入賞操作とする。また、役決定結果コマンドが小役5の当選に関するものであれば、その小役5の正解押し順の第1停止操作である右ストップボタン9Rの押圧操作を入賞操作とする。特定した入賞操作は、RAM74に記憶する。
【0302】
その後、特定した入賞操作に応じた入賞操作報知演出(画像演出)を選定する(S2305)。具体的には、選定した入賞操作報知演出に関するコマンドをRAM74の所定の領域にセットして、上述のステップS2005の処理でそのコマンドを画像制御基板80に送信する。これにより、画像制御基板80に入賞操作報知演出を実行させる。
【0303】
入賞操作報知演出とは、当選した小役3、小役4又は小役5の正解押し順に基づき、第1停止操作として操作すべきストップボタンについての報知とを行う画像演出である。具体的には、
図43(A)に示すような、画像表示装置42の表示画面42aの下部左、下部中央又は下部右に数字「1」を表示する画像P1を用いた画像演出である。
【0304】
例えば、小役3、小役7および小役8に重複当選している場合の入賞操作報知演出では、表示画面42aの下部左に数字「1」を配置した画像P1を用いる。また、小役4、小役6および小役8に重複当選している場合の入賞操作報知演出では、その文字列の下方に数字「1」を配置した画像P1を用いる。なお、
図43(A)に示す画像P1は、この場合の入賞操作報知演出に用いるためのものである。また、小役5、小役6および小役7に重複当選している場合の入賞操作報知演出では、表示画面42aの下部右に数字「1」を配置した画像P1を用いる。
【0305】
なお本形態では、BB遊技状態又はRT遊技状態のときに小役3、小役4又は小役5に当選した場合には、上述したストップ報知ランプ20L,20C,20Rの発光に加えて、上記入賞操作報知演出を実行する。よって、全リールの回転中に上記画像P1を用いた入賞操作報知演出を実行することで、ストップ報知ランプの発光だけの場合よりも確実に、小役3、小役4又は小役5の当選を遊技者に把握させるとともに、正解押し順の通りに各リールを停止させることを遊技者に促すことが可能となっている。
【0306】
図30に戻り、上記ステップS2303でNOの判定、すなわち、受信した役決定結果コマンドが小役3、小役4および小役5以外の遊技役(つまり、BB役、小役1、小役2又は再遊技役)の当選に関するものであれば、受信した役決定結果コマンドが小役1又は小役2の当選に関するものかどうかを判定する(S2306)。受信した役決定結果コマンドが、小役1および小役2の当選に関するものでない場合(S2306でNO)、つまり、BB役又は再遊技役の当選に関するものである場合には、ステップS2309に進むが、小役1又は小役2の当選に関するものであれば(S2306でYES)、小役1又は小役2に応じた遊技役報知演出(画像演出)を選定する(S2307)。具体的には、選定した遊技役報知演出に関するコマンドをRAM74の所定の領域にセットして、上述のステップS2005の処理でそのコマンドを画像制御基板80に送信する。これにより、画像制御基板80に遊技役報知演出を実行させる。
【0307】
遊技役報知演出とは、小役1又は小役2の当選を報知するための画像演出である。具体的に例えば、画像表示装置42の表示画面42a上に、当選した小役1又は小役2の図柄(リール6L,6C,6Rの外周面に付された図柄)を含む画像を表示する画像演出である。この遊技役報知演出を実行することで、特殊遊技役報知ランプ27の点灯のみで小役1又は小役2の当選に関する報知を行う場合に比して、遊技者に小役1又は小役2の当選を容易に認識させることが可能となっている。
【0308】
上記ステップS2302でYESの判定、すなわち、遊技状態が非RT遊技状態の場合には、後述の演出態様抽選処理(S2308)を行って、ステップS2309に進む。ステップS2309では、役決定結果コマンドの受信に伴って実行する、上記以外の処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。
【0309】
[演出態様抽選処理]
図31に示す演出態様抽選処理(S2308)では、演出制御用マイコン71は、まず第1示唆演出の演出態様を抽選する(S2401)。具体的には、CPU72が抽出した乱数値、および、
図12(A)に示すAモードの第1示唆演出用演出態様抽選テーブルを参照して、第1示唆演出の演出態様を決定する。
【0310】
本形態の第1示唆演出は、遊技状態が非RT遊技状態で演出モードが「Aモード」のときに、BB役に当選しているかどうかを遊技者に示唆する演出である。この第1示唆演出は、
図44に示すように、「熊」をモチーフにしたキャラクタのアニメーション画像を用いた画像演出と、その画像演出に伴って行う音声演出、および、ランプ演出とを組み合わせた演出である。なお「Aモード」のときには、第1示唆演出の画像演出の背景に、森林をイメージしたアニメーション画像が表示される。第1示唆演出は、非RT遊技状態中の単位遊技の開始操作を契機に実行が開始される。そして、次ゲームのベット操作を契機に実行が終了する。
【0311】
第1示唆演出には、オープニング演出(OP演出)と実演出とがある。OP演出とは、実行の開始時に所定の期間(2秒間)だけ行われる演出である。具体的には、
図44に示すように、直立した格好の「熊」と、その「熊」の頭上に文字「!」とを示す画像演出と、効果音を出力する音声演出と、演出ランプ40を全点灯させるランプ演出とを組み合わせた演出である。なお、OP演出は、後述の演出態様にかかわらず、同じ内容になっている。
【0312】
一方、実演出とは、上述のOP演出に続いて実行される演出である。この実演出の内容は、
図44に示すように、4種類の演出態様によってそれぞれ異なる。
【0313】
具体的に、「演出態様A」の実演出とは、右向きに歩いている「熊」を示す画像演出と、「足音」を出力する音声演出と、複数の演出ランプ40を右から左に流れるように点滅させるランプ演出とを組み合わせた演出である。また、「演出態様B」の実演出とは、両腕を挙げて吠えている「熊」を示す画像演出と、「吠える声」を出力する音声演出と、複数の演出ランプ40を全点灯させるランプ演出とを組み合わせた演出である。また、「演出態様C」の実演出とは、右向きに走っている「熊」を示す画像演出と、「足音」を出力する音声演出と、複数の演出ランプ40を、上記「演出態様A」よりも右から左に高速に流れるように点滅させるランプ演出とを組み合わせた演出である。また、「演出態様D」の実演出とは、魚をくわえながら右向きに歩いている「熊」を示す画像演出と、「足音」と「効果音(ファンファーレ音)」を出力する音声演出と、複数の演出ランプ40を全点灯させるランプ演出とを組み合わせた演出である。
【0314】
なお、本形態の第1示唆演出用演出態様抽選テーブル(
図12(A))では、BB役に当選している場合と、BB役に当選していない場合とで、上述した各種演出態様の振分率が異なっている。
【0315】
すなわち、BB役に当選しているときに第1示唆演出の演出態様が「演出態様A」に振り分けられる振分率は「20%」である(
図12(A)参照)。また、「演出態様B」の振分率は「30%」であり、「演出態様C」の振分率は「45%」であり、「演出態様D」の振分率は「5%」である。一方、BB役に当選していないときに第1示唆演出の演出態様が「演出態様A」に振り分けられる振分率は「60%」である。また、「演出態様B」の振分率は「25%」であり、「演出態様C」の振分率は「15%」であり、「演出態様D」の振分率は「0%」である。
【0316】
よって、BB役に当選しているときの第1示唆演出の演出態様として、4種類の演出態様のうちの「演出態様C」が最も選ばれ易い。逆に、BB役に当選していないときの第1示唆演出の演出態様として、4種類の演出態様のうちの「演出態様A」が最も選ばれ易い。しかも、BB役に当選していないときの「演出態様A」および「演出態様B」の振分率の合計が「85%」もあり、「演出態様C」の振分率は残りの「15%」となっている。このため、第1示唆演出の演出態様が「演出態様C」の場合には、BB役に当選しているのではないかと遊技者に期待させることが可能となっている。
【0317】
また、「演出態様D」は、BB役に当選しているときには選択され得るが、BB役に当選していないときには選択されない(
図12(A)参照)。従って、第1示唆演出の演出態様が「演出態様D」の場合には、BB役に当選していることを遊技者に示唆可能となっている。
【0318】
図31に戻り、ステップS2402では、第2示唆演出の演出態様を抽選する。具体的には、CPU72が抽出した乱数値、および、
図12(B)に示すBモードの第2示唆演出用演出態様抽選テーブルを参照して、第2示唆演出の演出態様を決定する。
【0319】
本形態の第2示唆演出は、第1示唆演出と同様、遊技状態が非RT遊技状態で演出モードが「Bモード」のときに、BB役に当選しているかどうかを遊技者に示唆する演出である。この第2示唆演出は、
図45に示すように、「イルカ」をモチーフにしたキャラクタのアニメーション画像を用いた画像演出と、その画像演出に伴って行う音声演出およびランプ演出とを組み合わせた演出である。なお「Bモード」のときには、第2示唆演出の画像演出の背景に、海中をイメージしたアニメーション画像が表示される。第2示唆演出は、第1示唆演出と同様、非RT遊技状態中の単位遊技の開始操作を契機に実行が開始される。そして、次ゲームのベット操作を契機に実行が終了する。
【0320】
第2示唆演出にもOP演出と実演出とがある。第2示唆演出のOP演出とは、
図45に示すように、左を向いて水中に浮かんでいる「イルカ」と、その「イルカ」の上方に文字「!」とを示す画像演出と、効果音を出力する音声演出と、演出ランプ40を全点灯させるランプ演出とを組み合わせた演出である。なお、OP演出は、演出態様にかかわらず、同じ内容になっている。
【0321】
第2示唆演出の実演出は、
図45に示すように、4種類の演出態様によってそれぞれ異なった演出になっている。具体的に、「演出態様A」の実演出とは、右向きに泳いでいる「イルカ」を示す画像演出と、「水切り音」を出力する音声演出と、複数の演出ランプ40を右から左に流れるように点滅させるランプ演出とを組み合わせた演出である。また、「演出態様B」の実演出とは、鳴き声をあげながら旋回する「イルカ」を示す画像演出と、「水切り音」と「鳴き声」とを出力する音声演出と、複数の演出ランプ40を全点灯させるランプ演出とを組み合わせた演出である。また、「演出態様C」の実演出とは、右向きに高速で泳いでいる「イルカ」を示す画像演出と、「水切り音」を出力する音声演出と、複数の演出ランプ40を、上記「演出態様A」よりも右から左に高速に流れるように点滅させるランプ演出とを組み合わせた演出である。また、「演出態様D」の実演出とは、右向きに仰向けで泳いでいる「イルカ」を示す画像演出と、「水切り音」と「効果音(ファンファーレ音)」を出力する音声演出と、複数の演出ランプ40を全点灯させるランプ演出とを組み合わせた演出である。
【0322】
なお、本形態の第2示唆演出用演出態様抽選テーブル(
図12(B))では、上述の第2示唆演出用演出態様抽選テーブルと同じく、BB役に当選している場合と、BB役に当選していない場合とで、各種演出態様の振分率が異なっている。
【0323】
すなわち、BB役に当選しているときに第2示唆演出の演出態様が「演出態様A」に振り分けられる振分率は「20%」である(
図12(B)参照)。また、「演出態様B」の振分率は「30%」であり、「演出態様C」の振分率は「45%」であり、「演出態様D」の振分率は「5%」である。一方、BB役に当選していないときに第2示唆演出の演出態様が「演出態様A」に振り分けられる振分率は「60%」である。また、「演出態様B」の振分率は「25%」であり、「演出態様C」の振分率は「15%」であり、「演出態様D」の振分率は「0%」である。
【0324】
よって、BB役に当選しているときの第2示唆演出の演出態様として、第1示唆演出と同じく、「演出態様C」が最も選ばれ易い。また、BB役に当選していないときの第1示唆演出の演出態様として、第1示唆演出と同じく、「演出態様A」が最も選ばれ易い。しかも、BB役に当選していないときの「演出態様C」の振分率は「15%」となっているため、第2示唆演出の演出態様が「演出態様C」の場合には、第1示唆演出と同じく、BB役に当選しているのではないかと遊技者に期待させることが可能となっている。
【0325】
また、「演出態様D」は、第1示唆演出と同じく、BB役に当選しているときには選択され得るが、BB役に当選していないときには選択されない(
図12(B)参照)。従って、第2示唆演出の演出態様が「演出態様D」の場合には、BB役に当選していることを遊技者に示唆可能となっている。
【0326】
また本形態では、第1示唆演出用演出態様抽選テーブル(
図12(A))と第2示唆演出用演出態様抽選テーブル(
図12(B))との間で、各種演出態様に対する乱数値が異なる。例えば、BB役に当選しているときに、抽出された乱数値が「95」の場合、第1示唆演出の演出態様として「演出態様D」に決まるのに対し、第2示唆演出の演出態様として「演出態様B」に決まる。よって、複数の情報(第1示唆演出の演出態様、および、第2示唆演出の演出態様)を手がかりとして、BB役に当選しているかどうかを遊技者に推察させることが可能となっている。
【0327】
図31に戻り、ステップS2403では、上記ステップS2401およびS2402で決定した、第1示唆演出の演出態様、および、第2示唆演出の演出態様の2つの演出態様についての情報を、RAM74の所定の記憶領域に記憶させる。そして、それら2つの演出態様に応じた演出態様コマンドをRAM74の所定の領域にセットして(S2404)、本処理を終える。
【0328】
[SB操作コマンド受信処理]
図32に示すSB操作コマンド受信処理(S2106)では、演出制御用マイコン71は、まずSB操作コマンドを解析する(S2501)。そして、その解析によって得られた情報(押圧操作されたストップボタン9L,9C,9Rに関する情報)をRAM74に記憶する。次に、上述の入賞操作報知演出が実行中かどうかを判定する(S2502)。
【0329】
入賞操作報知演出が実行中でなければ(S2502でNO)、ステップS2506に進むが、入賞操作報知演出が実行中であれば(S2502でYES)、上記ステップS2501で得られた情報に基づき、ストップボタンの操作が、上記役決定結果コマンド受信処理(
図30)のステップS2304で特定した入賞操作と一致しているかを判定する(S2503)。ストップボタンの操作が入賞操作と一致している場合には(S2503でYES)、当該ストップボタンの操作が正解押し順の第1停止操作と一致していることを示す入賞操作成功演出(画像演出)を選定して(S2504)、ステップS2506に進む。具体的には、選定した入賞操作成功演出に関するコマンドをRAM74の所定の領域にセットして、上述のステップS2005の処理でそのコマンドを画像制御基板80に送信する。これにより、画像制御基板80に入賞操作成功演出を実行させる。この入賞操作成功演出は、
図43(B)に示す、画像表示装置42の表示画面42aの中央に「OK!」の文字列を配置した画像P2を用いた画像演出である。
【0330】
図32に戻り、特定したストップボタンが入賞操作の押し順に係る操作と一致していない場合には(S2503でNO)、当該ストップボタンの操作が正解押し順ではないことを示す入賞操作失敗演出(画像演出)を選定して(S2505)、ステップS2506に進む。具体的には、選定した入賞操作失敗演出に関するコマンドをRAM74の所定の領域にセットして、上述のステップS2005の処理でそのコマンドを画像制御基板80に送信する。これにより、画像制御基板80に入賞操作失敗演出を実行させる。この入賞操作失敗演出は、
図43(C)に示す、画像表示装置42の表示画面42aの中央に「失敗!」の文字列を配置した画像P3を用いた画像演出である。
【0331】
ステップS2506では、SB操作コマンドの受信に伴って実行する、上記以外の処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。
【0332】
[BB開始コマンド受信処理]
図33に示すBB開始コマンド受信処理(S2108)では、演出制御用マイコン71は、まずBB開始コマンドを解析する(S2601)。そして、上述のサブ側モードフラグが「0」でないかどうかを判定する(S2602)。ステップS2202でNOの判定の場合、つまり、サブ側モードフラグが「0」の場合には、スキップしてステップS2604に進むが、サブ側モードフラグが「0」でない場合(S2602でYES)、すなわち、サブ側モードフラグが「1」又は「2」の場合には、サブ側モードフラグの値を「0」に変更して(S2603)、ステップS2604に進む。これにより、BB遊技状態の開始とともに、非RT遊技状態に実行する演出モード(Aモード,Bモード)を終了させることが可能である。
【0333】
ステップS2604では、BB開始コマンドの受信に伴って実行する、上記以外の処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。その他の処理として、例えば、BB遊技状態の開始を示すオープニング演出を実行する処理が挙げられる。
【0334】
[RT終了コマンド受信処理]
図34に示すRT終了コマンド受信処理(S2110)では、演出制御用マイコン71は、まずRT終了コマンドを解析する(S2651)。次いで、上述のサブ側モードフラグの値を「1」に変更する(S2652)。これにより、RT遊技状態の終了に伴い、非RT遊技状態を「Aモード」で開始させることが可能である。次に、演出モードの開始を示すモード開始コマンドをRAM74の所定の領域にセットする(S2653)。
【0335】
ステップS2654では、RT終了コマンドの受信に伴って実行する、上記以外の処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。その他の処理として、例えば、RT遊技状態の終了を示すエンディング演出を実行する処理が挙げられる。
【0336】
[スイッチ処理]
図35に示すスイッチ処理(S2004)では、演出制御用マイコン71は、まず演出用ボタン43が押圧操作されたかどうかを判定する(S2701)。演出用ボタン43が押圧操作されていない場合(S2701でNO)、つまり、演出用ボタン検出センサ43aから信号の出力がない場合には、そのまま本処理を終えるが、演出用ボタン43が押圧操作された場合には(S2701でYES)、演出用ボタン43の操作があったことを示す演出ボタン操作フラグをONする(S2702)。そして、演出用ボタン43の操作があったことを示す演出ボタン操作コマンドをRAM74の所定の領域にセットして(S2703)、本処理を終える。
【0337】
[音声演出実行処理]
図36に示す音声演出実行処理(S2007)では、演出制御用マイコン71は、上記演出態様抽選処理(
図31)のステップS2403で、第1示唆演出の演出態様、および、第2示唆演出の演出態様の2つの演出態様についての情報を、RAM74の所定の記憶領域に記憶しているかどうかを判定する(S2801)。2つの演出態様の情報をRAM74に記憶していない場合には(S2801でNO)、スキップしてステップS2804に進むが、2つの演出態様の情報をRAM74に記憶している場合には(S2801でYES)、それら演出態様に応じた音響データをROM73から読み出す(S2802)。
【0338】
次に、読み出した音響データを用いて、RAM74の音声出力データ格納領域74Yに展開する(S2803)。具体的には、第1示唆演出の音響データを用いて、Aモード用音声出力データ格納領域74YAに音声出力データを展開するとともに、第2示唆演出の音響データを用いて、Bモード用音声出力データ格納領域74YBに音声出力データを展開する(
図42(B)参照)。Aモード用音声出力データ格納領域74YAでの音声出力データの展開と、Bモード用音声出力データ格納領域74YBでの音声出力データの展開とは、同時に行っている。
【0339】
次いで、演出ボタン操作フラグがONかどうかを判定する(S2804)。演出ボタン操作フラグがONでない場合(S2804でNO)、つまり演出ボタン操作フラグがOFFの場合には、ステップS2810に進むが、演出ボタン操作フラグがONの場合には(S2804でYES)、サブ側モードフラグの値が「1」かどうかを判定する(S2805)。
【0340】
サブ側モードフラグの値が「1」の場合には(S2805でYES)、サブ側モードフラグの値を「2」に変更する(S2806)。すなわち、演出用ボタンの押圧操作に伴って、サブ側モードフラグの値を「1」から「2」に変更する。
【0341】
なお、サブ側モードフラグの値が「1」でない場合には(S2805でNO)、サブ側モードフラグの値が「2」かどうかを判定する(S2807)。サブ側モードフラグの値が「2」でない場合には(S2807でNO)、サブ側モードフラグの値が「0」であるため、サブ側モードフラグの値を変更することなくステップS2809に進む。一方、サブ側モードフラグの値が「2」の場合には(S2807でYES)、サブ側モードフラグの値を「1」に変更する(S2808)。すなわち、演出用ボタンの押圧操作に伴って、サブ側モードフラグの値を「2」から「1」に変更する。
【0342】
ステップS2809では、演出ボタン操作フラグをOFFにする。そして、後述の音声演出処理(S2810)を行って本処理を終える。
【0343】
[音声出力処理]音声出力処理(S2810)は、サブ側モードフラグの値に応じて、RAM74の音声出力データ格納領域74Yの2つの格納領域(Aモード用音声出力データ格納領域74YA,Bモード用音声出力データ格納領域74YB)に展開している音声出力データのいずれか一方をスピーカ41に出力する処理である。
図37に示す音声出力処理(S2810)では、演出制御用マイコン71は、サブ側モードフラグの値が「1」かどうかを判定する(S2901)。
【0344】
サブ側モードフラグの値が「1」であれば(S2901でYES)、2つの格納領域のうちのAモード用音声出力データ格納領域74YAに展開している音声出力データを出力する(S2902)。これにより、その音声出力データが、I/O79の出力ポート79Tを通じて、スピーカ41に出力されることになる。
【0345】
なお、サブ側モードフラグの値が「1」でなければ(S2901でNO)、続いてサブ側モードフラグの値が「2」かどうかを判定する(S2903)。「2」でなければ(S2903でNO)、ステップS2905に進むが、サブ側モードフラグの値が「2」であれば(S2903でYES)、2つの格納領域のうちのBモード用音声出力データ格納領域74YBに展開している音声出力データを出力する(S2904)。これにより、その音声出力データが、I/O79の出力ポート79Tを通じて、スピーカ41に出力されることになる。
【0346】
なお本形態では、演出用ボタン43の操作に伴って、格納領域に展開している音声出力データをすぐに出力する。具体的に例えば、スピーカ41を用いてBモードの第2示唆演出の音声演出がなされているときに演出用ボタン43が操作された場合には、上述の音声演出実行処理(
図36)のステップS2808でサブ側モードフラグを「2」から「1」に変更して、その操作時点でAモードの第1示唆演出の音声演出に切り替える。そして、その第1示唆演出の音声演出として、最初からの演出ではなく、演出用ボタン43の操作時点に応じた途中からの演出を実行することになっている。
【0347】
また例えば、スピーカ41を用いてAモードの第1示唆演出の音声演出がなされているときに演出用ボタン43が操作された場合には、音声演出実行処理(
図36)のステップS2806でサブ側モードフラグを「1」から「2」に変更して、その操作時点でBモードの第2示唆演出の音声演出に切り替える。そして、その第2示唆演出の音声演出として、最初からの演出ではなく、演出用ボタン43の操作時点に応じた途中からの演出を実行することになっている。
【0348】
ステップS2905では、スピーカ41を用いた音声演出に関する上記以外の処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。その他の処理として、例えば、第1示唆演出,第2示唆演出以外の音声演出を実行する処理が挙げられる。
【0349】
8.画像制御基板の動作
[画像制御基板タイマ割り込み処理]次に
図38〜
図41に基づいて、演出制御部DKのうちの画像制御基板80の動作について説明する。画像制御基板80は、
図38に示す画像制御基板タイマ割り込み処理を数msecといった短時間毎に繰り返す。画像制御基板タイマ割り込み処理では、後述するコマンド受信処理(S3001)および画像出力処理(S3002)を実行して、データ送信制御処理(S3003)を行う。データ送信制御処理では、例えば画像演出に伴う画像演出以外の演出(音声演出やランプ演出など)に関するコマンドをサブ制御基板70(演出制御用マイコン71)に送信する。
【0350】
[コマンド受信処理]
図39および
図40に示すコマンド受信処理(S3001)では、画像制御基板80のCPU82は、まずモード開始コマンドを受信したかどうかを判定する(S3101)。モード開始コマンドを受信していない場合には(S3101でNO)、ステップS3104に進むが、モード開始コマンドを受信している場合には(S3101でYES)、VRAM87の所定の格納領域にAモードの背景データを展開するとともに、VRAM87の所定の格納領域にBモードの背景データを展開する(S3102)。
【0351】
次に、画像側モードフラグの値を「1」に更新する(S3103)。画像側モードフラグは、画像制御基板80が管理している、演出モードの実行の有無を示すためのフラグである。図中の表に示すように、画像側モードフラグが「1」とは、演出モードを実行していて、その演出モードが「Aモード」であることを示す。また、画像側モードフラグが「2」とは、演出モードを実行していて、その演出モードが「Bモード」であることを示す。なお、画像側モードフラグが「0」とは、演出モードを実行していないことを示す。すなわち、遊技状態が非RT遊技状態以外の遊技状態(つまり、BB遊技状態又はRT遊技状態)であることを示す。
【0352】
ステップS3104では、演出態様コマンドを受信したかどうかを判定する(S3104)。演出態様コマンドを受信していない場合には(S3104でNO)、
図40に示すステップS3107に進むが、演出態様コマンドを受信した場合には(S3104でYES)、VDP85に、その演出態様コマンドに含まれている演出態様の情報に応じた画像要素データをCGROM86から読み出させる(S3105)。
【0353】
次に、読み出した画像要素データを用いて、VRAM87の画像出力データ格納領域87Xに画像出力データをVDP85に展開させる(S3106)。具体的には、第1示唆演出の画像要素データを用いて、Aモード用画像出力データ格納領域87XAに画像出力データを展開させるとともに、第2示唆演出の画像要素データを用いて、Bモード用画像出力データ格納領域87XBに画像出力データを展開させる(
図42(A)参照)。Aモード用画像出力データ格納領域87YAでの画像出力データの展開と、Bモード用画像出力データ格納領域87XBでの画像出力データの展開とを、VDP85に同時に行わせている。
【0354】
次いで、
図40に示すステップS3107では、演出ボタン操作コマンドを受信したかどうかを判定する。演出ボタン操作コマンドを受信していない場合には(S3107でNO)、ステップS3112に進むが、演出ボタン操作コマンドを受信した場合には(S3107でYES)、続いて画像側モードフラグの値が「1」かどうかを判定する(S3108)。
【0355】
画像側モードフラグの値が「1」の場合には(S3108でYES)、画像側モードフラグの値を「2」に変更する(S3109)。すなわち、演出用ボタンの押圧操作に伴って、画像側モードフラグの値を「1」から「2」に変更する。
【0356】
なお、画像側モードフラグの値が「1」でない場合には(S3108でNO)、画像側モードフラグの値が「2」かどうかを判定する(S3110)。「2」でない場合には(S3110でNO)、画像側モードフラグの値が「0」であるため、画像側モードフラグの値を変更することなくステップS3112に進む。一方、画像側モードフラグの値が「2」の場合には(S3110でYES)、画像側モードフラグの値を「1」に変更する(S3111)。すなわち、演出用ボタンの押圧操作に伴って、画像側モードフラグの値を「2」から「1」に変更する。
【0357】
ステップS3112では、示唆演出終了コマンドを受信したかどうかを判定する。示唆演出終了コマンドを受信していない場合には(S3112でNO)、ステップS3114に進むが、示唆演出終了コマンドを受信した場合には(S3112でYES)、示唆演出の画像出力データの出力を停止する(S3113)。具体的には、VRAM87の画像出力データ格納領域87Xからの画像出力データの出力をVDP85に停止させる。これにより、画像表示装置42にて行われている示唆演出の画像演出が終了する。
【0358】
ステップS3114では、上記以外のコマンドの受信についての処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。
【0359】
[画像出力処理]画像出力処理(S3002)は、画像側モードフラグの値に応じて、VRAM87の画像出力データ格納領域87Xの2つの格納領域(Aモード用画像出力データ格納領域87XA,Bモード用画像出力データ格納領域87XB)に展開している画像出力データのいずれか一方を画像表示装置42に出力する処理である。
図41に示す画像出力処理(S3002)では、画像制御基板80は、画像側モードフラグの値が「1」かどうかを判定する(S3201)。
【0360】
画像側モードフラグの値が「1」であれば(S3201でYES)、VDP85に、VRAM87からAモードの背景データを出力させる(S3202)。これにより、そのAモードの背景データが、I/O89の出力ポート89Tを通じて、画像表示装置42に出力される。なお、Aモードの背景画像とは、具体的には、森林をイメージしたアニメーション画像である。
【0361】
次いで、2つの格納領域のうちのAモード用画像出力データ格納領域87XAに展開している画像出力データを出力させる(S3203)。これにより、Aモードの背景データに加え、画像出力データも、I/O89の出力ポート89Tを通じて、画像表示装置42に出力させる。
【0362】
なお、画像側モードフラグの値が「1」でなければ(S3201でNO)、続いて画像側モードフラグの値が「2」かどうかを判定する(S3204)。「2」でなければ(S3204でNO)、ステップS3207に進むが、画像側モードフラグの値が「2」であれば(S3204でYES)、VDP85に、VRAM87からBモードの背景データを出力させる(S3205)。これにより、そのBモードの背景データが、I/O89の出力ポート89Tを通じて、画像表示装置42に出力される。なお、Bモードの背景画像とは、具体的には、海中をイメージしたアニメーション画像である。
【0363】
次いで、2つの格納領域のうちのBモード用画像出力データ格納領域87XBに展開している画像出力データを出力させる(S3206)。これにより、Bモードの背景データに加え、画像出力データも、I/O89の出力ポート89Tを通じて、画像表示装置42に出力させる。
【0364】
なお本形態では、演出用ボタン43の操作に伴って、格納領域に展開している画像出力データをすぐに出力する。具体的に例えば、画像表示装置42を用いたBモードの第2示唆演出の画像演出の実行中に演出用ボタン43が操作されると、上述のコマンド受信処理(
図39および
図40)のステップS3111で画像側モードフラグを「2」から「1」に変更して、その操作時点でAモードの第1示唆演出の画像演出に切り替える。そして、その第1示唆演出の画像演出として、最初からの演出ではなく、演出用ボタン43の操作時点に応じた途中からの演出を実行することになっている。
【0365】
また例えば、画像表示装置42を用いたAモードの第1示唆演出の画像演出の実行中に演出用ボタン43が操作されると、コマンド受信処理(
図39および
図40)のステップS3109で画像側モードフラグを「1」から「2」に変更して、その操作時点でAモードの第1示唆演出の画像演出に切り替える。そして、その第2示唆演出の画像演出として、最初からの演出ではなく、演出用ボタン43の操作時点に応じた途中からの演出を実行することになっている。
【0366】
ステップS3207では、画像表示装置42を用いた画像演出に関する上記以外の処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。その他の処理として、例えば、第1示唆演出,第2示唆演出以外の画像演出を実行する処理が挙げられる。
【0367】
9.演出の流れ
図46には、示唆演出に関し、サブ制御基板70および画像制御基板80における各処理を時系列で並べたタイミングチャートを示す。
【0368】
上記演出態様抽選処理(
図31)で第1示唆演出の演出態様および第2示唆演出の演出態様が抽選によりそれぞれ決まると、画像制御基板80は、上記コマンド受信処理(
図39)のステップS3106の処理を行う。すなわち、
図46(B)および
図46(D)に示すように、Aモード用画像出力データ格納領域87YAでの画像出力データの展開と、Bモード用画像出力データ格納領域87XBでの画像出力データの展開とを同時に行う。つまり、画像演出に関し、第1示唆演出用の画像出力データも、第2示唆演出用の画像出力データも格納領域からすぐに出力可能な状態になっている。
【0369】
また、サブ制御基板80は、上記音声演出実行処理(
図36)のステップS2803の処理を行う。すなわち、
図46(C)および
図46(E)に示すように、Aモード用音声出力データ格納領域74YAでの音声出力データの展開と、Bモード用音声出力データ格納領域74YBでの音声出力データの展開とを同時に行う。よって、本スロットマシン1では、第1示唆演出および第2示唆演出の両方の演出を仮想的に同時進行で行っている。つまり、音声演出に関し、第1示唆演出用の音声出力データも、第2示唆演出用の音声出力データも格納領域からすぐに出力可能な状態になっている。
【0370】
本形態では、例えば遊技状態がRT遊技状態から非RT遊技状態に移行した場合には、
図46(F)に示すように、モードフラグ(サブ側モードフラグおよび画像側モードフラグ)が「0」から「1」に変更される(RT終了コマンド受信処理(
図34)のステップS2652やコマンド受信処理(
図39)のステップS3103を参照)。すると、
図46(I)に示すように演出モードとしてAモードが開始される。そして、
図46(G)に示すように、画像表示装置42を用いた第1示唆演出の画像演出が実行されるとともに、
図46(H)に示すように、スピーカ41を用いた第1示唆演出の音声演出が実行される。
【0371】
そして、Aモードでの第1示唆演出の実行中に、遊技者によって演出用ボタン43が操作されると、上記モードフラグが「1」から「2」に変更されて(音声演出実行処理(
図36)のステップS2806やコマンド受信処理(
図40)のステップS3109を参照)、演出モードがAモードからBモードに切り替わる(
図46(I)参照)。さらに、画像表示装置42を用いた画像演出が第1示唆演出のものから第2示唆演出のものに切り替わるとともに、スピーカ41を用いた音声演出が第1示唆演出のものから第2示唆演出のものに切り替わる。
【0372】
続いて
図47には、非RT遊技状態中の演出用ボタンの操作に伴うモード移行についてのタイミングチャートを示す。
【0373】
例えば、非RT遊技状態中の単位遊技(
図47中のゲーム(1))で「小役2」に内部当選し、上記演出態様抽選処理(
図31)で、第1示唆演出の演出態様が「演出態様A」に、第2示唆演出の演出態様が「演出態様A」にそれぞれ決まったとする。すると、実行中の演出モードがAモードであるため、本スロットマシン1では、画像表示装置42やスピーカ41や演出用ランプ40を用いて、演出態様Aの第1示唆演出が実行される。なお、上記ゲーム(1)中には、第1示唆演出のOP演出と第1示唆演出の実演出とが実行される。
【0374】
続いて、上記ゲーム(1)の次の単位遊技(
図47中のゲーム(2))で「ハズレ」(いずれの遊技役にも非当選)となり、第1示唆演出の演出態様が「演出態様B」に、第2示唆演出の演出態様が「演出態様A」にそれぞれ決まったとする。また、ゲーム(2)の途中で、演出用ボタン43の操作(
図47中のボタン操作(1))がなされたとする。すると、ゲーム(2)の演出モードは、ボタン操作(1)がなされるまではAモードのままであり、ボタン操作(1)後にはそのAモードからBモードに切り替わる。
【0375】
ボタン操作(1)後のBモードへの演出モードの切り替わりに伴って、第1示唆演出から第2示唆演出に切り替わることになる。具体的には、演出態様Bの第1示唆演出から演出態様Aの第2示唆演出に切り替わる。しかも、切り替わった第2示唆演出は、ボタン操作(1)の時点に応じた途中の演出から実行が開始される。すなわち、ゲーム(2)の開始操作からボタン操作(1)までの期間の第2示唆演出は、画像表示装置42やスピーカ41や演出用ランプ40を用いて実行されずに、その続きの演出から画像表示装置42やスピーカ41や演出用ランプ40を用いて実行されることになる。よって、ボタン操作(1)の操作後に、演出態様によって異なる第2示唆演出の実演出を遊技者にすぐに把握させることが可能となっている。
【0376】
続いて、上記ゲーム(2)の次の単位遊技(
図47中のゲーム(3))で「小役4」に内部当選し、第1示唆演出の演出態様が「演出態様B」に、第2示唆演出の演出態様が「演出態様B」にそれぞれ決まったとする。すると、画像表示装置42やスピーカ41や演出用ランプ40を用いて、演出態様Bの第2示唆演出が実行される。
【0377】
また、ゲーム(3)の次の単位遊技(
図47中のゲーム(4))で「ハズレ」となり、第1示唆演出の演出態様が「演出態様A」に、第2示唆演出の演出態様が「演出態様B」にそれぞれ決まったとする。すると、画像表示装置42やスピーカ41や演出用ランプ40を用いて、演出態様Bの第2示唆演出が実行される。
【0378】
続いて、上記ゲーム(4)の次の単位遊技(
図47中のゲーム(5))で「BB役」に内部当選し、第1示唆演出の演出態様が「演出態様D」に、第2示唆演出の演出態様が「演出態様C」にそれぞれ決まったとする。また、ゲーム(5)の途中で、演出用ボタン43の操作(
図47中のボタン操作(2))がなされたとする。すると、ゲーム(5)の演出モードは、ボタン操作(2)がなされるまではBモードのままであり、ボタン操作(2)後にはそのBモードからAモードに切り替わる。
【0379】
ボタン操作(2)後のAモードへの演出モードの切り替わりに伴って、第2示唆演出から第1示唆演出に切り替わることになる。具体的には、演出態様Cの第2示唆演出から演出態様Dの第1示唆演出に切り替わる。なお、切り替わった第1示唆演出は、ボタン操作(2)の時点に応じた途中の演出から実行が開始される。すなわち、ゲーム(5)の開始操作からボタン操作(2)までの期間の第1示唆演出は、画像表示装置42やスピーカ41や演出用ランプ40を用いて実行されずに、その続きの演出から画像表示装置42やスピーカ41や演出用ランプ40を用いて実行されることになる。よって、ボタン操作(1)の操作後に、演出態様によって異なる第2示唆演出の実演出を遊技者にすぐに把握させることが可能となっている。
【0380】
また、上述したように、第1示唆演出の演出態様が演出態様Dの場合には、BB役に当選していることを遊技者に示唆可能となっている。よってこの場合には、切り替え後の第1示唆演出を通じて、遊技者にBB役の当選を把握させることが可能である。かくして、ボタン操作(2)に伴って切り替えた複数の示唆演出を手がかりにして、BB役に当選しているかどうかを遊技者に把握させることが可能となっている。
【0381】
10.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態(第1形態)のスロットマシン1によれば、第1示唆演出の画像演出に用いるための画像出力データを展開するのと並行して、第2示唆演出の画像演出に用いるための画像出力データを展開する。そして、演出用ボタン43の操作に伴って、画像表示装置42を用いて実行する示唆演出の画像演出を第1示唆演出の画像演出、或いは、第2示唆演出の画像演出に切り替える。よって、遊技者の意向に応じて、画像表示装置42を用いて実行している示唆演出の画像演出を、画像表示装置42を用いて実行していない示唆演出の画像演出に速やかに変更可能となっている。
【0382】
特に、第1示唆演出の実演出および第2示唆演出の実演出は、動画像(映像)を用いた画像演出であるため、静止画像を用いた画像演出に比べて、画像要素データや画像出力データが大きなデータになっている。よって例えば、演出用ボタン43の操作後に、画像要素データを読み出してその画像要素データを画像出力データに展開するのに、時間を要してしまうおそれがある。
【0383】
これに対し、本形態では、画像表示装置42を用いて実行していない画像演出の画像出力データについても、画像表示装置42を用いて実行している画像演出の画像出力データとともにVRAM87で展開している。よって、画像表示装置42を用いて実行するのに予め処理時間が必要な大きなデータ量の画像演出の場合であっても、演出用ボタン43の操作に伴って、画像表示装置42を用いて実行していない示唆演出にすぐに変更可能となっている。
【0384】
また、示唆演出の音声演出について、第1示唆演出の音声演出に用いるための音声出力データを展開するのと並行して、第2示唆演出の音声演出に用いるための音声出力データを展開する。そして、演出用ボタン43の操作に伴って、スピーカ41を用いて実行する示唆演出の音声演出を第1示唆演出の音声演出、或いは、第2示唆演出の音声演出に切り替える。よって、遊技者の意向に応じて、スピーカ41を用いて実行している示唆演出の音声演出を、スピーカ41を用いて実行していない示唆演出の音声演出に速やかに変更可能となっている。
【0385】
また本形態では、演出用ボタン43の操作によって、第1示唆演出が行われるAモード、又は、第2示唆演出が行われるBモードに切り替えることが可能となっている。よって、好みの演出モードに応じた演出を、遊技者に速やかに楽しませることが可能となっている。
【0386】
また本形態では、BB遊技状態の制御契機となるBB役の抽選時に、第1示唆演出の演出態様も第2示唆演出の演出態様も共に決定し、両演出についての出力データ(画像出力データや音声出力データ)を作成している。よって、速やかな示唆演出の切り替えが可能となっている。
【0387】
また本形態では、第1示唆演出と第2示唆演出のうち実行していない示唆演出についても、画像要素データを読み出して画像出力データを展開している。よって、画像についてのデータといった大きな画像要素データであっても、画像表示装置42の表示画面42a上で速やかな画像演出の切り替えが可能となっている。
【0388】
また本形態では、第1示唆演出および第2示唆演出をいつでも好きなタイミングで切り替えられるため、第1示唆演出によって示される内容と、第2示唆演出によって示される内容との両方から、BB役の当否を遊技者に推測させることが可能となっている。
【0389】
11.変更例
次に、変更例(第2形態とその他の変更例)について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のスロットマシン1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0390】
〈第2形態〉
第2形態の遊技機について
図48〜
図73に基づいて説明する。第2形態の遊技機はパチンコ遊技機である。
【0391】
(パチンコ遊技機の構造)
図48に示すように、第2形態のパチンコ遊技機501は、遊技機枠550と、遊技機枠550内に取り付けられた遊技盤502とを備えている。遊技機枠550のうちの前面枠551には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作部)560、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)561、および、打球供給皿561に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)562が設けられている。また前面枠551には、装飾用の枠ランプ566、および、音を出力するスピーカ567が設けられている。また前面枠551には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(演出用操作部に相当)563が設けられている。
【0392】
次に、
図49を参照して遊技盤502について説明する。
図49に示すように、遊技盤502には、ハンドル560の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域503が、レール部材504で囲まれて形成されている。また遊技盤502には、装飾用の盤ランプ505(
図51参照)が設けられている。遊技領域503には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。
【0393】
また遊技領域503の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出手段,画像表示手段に相当)507が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置507の表示画面(表示部)507aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)508L,508C,508Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄508L,508C,508Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
【0394】
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄508Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄508Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄508Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置507は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器541aおよび第2特別図柄表示器541bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0395】
例えば、大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器541aや第2特別図柄表示器541bにより把握するのではなく、画像表示装置507にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
【0396】
画像表示装置507は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面507aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0397】
また画像表示装置507の表示画面507aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像509を表示する演出保留表示エリアがある。演出保留画像509の表示により、後述の第1特図保留表示器543aにて表示される第1特図保留の記憶数や、第2特図保留表示器543bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0398】
遊技領域503の中央付近であって画像表示装置507の前方には、センター装飾体510が配されている。センター装飾体510の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口520へと誘導可能なステージ部511が形成されている。またセンター装飾体510の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部511へ遊技球を流出させるワープ部512が設けられている。さらにセンター装飾体510の上部には、文字や図形等を表した装飾部材513が配されている。
【0399】
遊技領域503における画像表示装置507の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口や、第1始動入賞口、固定入球口ともいう)520を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や固定入球手段ともいう)519が設けられている。第1始動口520への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0400】
また遊技領域503における第1始動口520の下方には、第2始動口(第2入球口や、第2始動入賞口、可変入球口ともいう)521を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)522が設けられている。電チュー522を、可変入球手段や、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口521への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー522は、前後に進退可能な開閉部材(可動部材)523を備え、開閉部材523の作動によって第2始動口521を開閉するものである。開閉部材523は、電チューソレノイド524(
図50参照)により駆動される。開閉部材523が開状態(前方に進出した状態)にあるときには、第2始動口521への遊技球の入球が可能となり、閉状態(後方に退避した状態)にあるときには、第2始動口521への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口521は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、進退式ではない開閉部材を有するものでもよく、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
【0401】
また、遊技領域503における第1始動口520の右方には、大入賞口(特別入賞口)530を備えた大入賞装置(特別入賞手段や特別可変入賞装置ともいう)531が設けられている。大入賞装置531は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材)532を備え、開閉部材532の作動により大入賞口530を開閉するものである。開閉部材532は、大入賞口ソレノイド533(
図50参照)により駆動される。大入賞口530は、開閉部材532が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
【0402】
センター装飾体510の右方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口ともいう)528が設けられている。ゲート528への遊技球の通過は、電チュー522を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域503の下部には、複数の普通入賞口527が設けられている。また遊技領域503の最下部には、遊技領域503へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域503外へ排出するアウト口506が設けられている。
【0403】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域503には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)503Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)503Bとがある。左遊技領域503Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域503Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機501では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0404】
第1流路R1上には、第1始動口520と、電チュー522と、アウト口506とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口520への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー522が開放されることはない。
【0405】
一方、第2流路R2上には、ゲート528と、大入賞装置531と、電チュー522と、アウト口506とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート528への通過や、第2始動口521および大入賞口530への入賞を狙うことができる。
【0406】
また
図49に示すように、遊技盤502の右下部には表示器類540が配置されている。表示器類540には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器541a(第1の図柄表示手段)、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器541b(第2の図柄表示手段)、および、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器542が含まれている。また表示器類540には、第1特別図柄表示器541aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器543a、第2特別図柄表示器541bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器543b、および普通図柄表示器542の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器544が含まれている。
【0407】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口520への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口521への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器541aおよび第2特別図柄表示器541bを総称して特別図柄表示器541ということがある。また、第1特図保留表示器543aおよび第2特図保留表示器543bを総称して特図保留表示器543ということがある。
【0408】
特別図柄表示器541では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口520又は第2始動口521への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口530を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
【0409】
具体的には特別図柄表示器541は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0410】
本パチンコ遊技機501では、第1始動口520または第2始動口521への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、特図保留記憶部585(
図50参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口520への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部585a(
図50参照)に記憶され、第2始動口521への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部585b(
図50参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部585に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
【0411】
特図保留記憶部585に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機501では、第1始動口520または第2始動口521への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0412】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器543に表示される。具体的には特図保留表示器543はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0413】
普通図柄の可変表示は、ゲート528への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器542では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート528への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口521を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口521の開放パターンについては後述する。
【0414】
具体的には普通図柄表示器542は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0415】
本パチンコ遊技機501では、ゲート528への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部586(
図50参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部586に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
【0416】
普図保留記憶部586に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機501では、ゲート528への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0417】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器544に表示される。具体的には普図保留表示器544は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
【0418】
(パチンコ遊技機の電気的構成)
次に
図50および
図51に基づいて、本パチンコ遊技機501における電気的な構成を説明する。
図50および
図51に示すようにパチンコ遊技機501は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)580、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板590、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板610等を備えている。主制御基板580は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板590は、後述する画像制御基板600とともに演出制御部(演出制御手段に相当)DKを構成する。なお、演出制御部DKは、少なくともサブ制御基板590を備え、演出手段(画像表示装置507や盤ランプ505、枠ランプ566、スピーカ567、後述する盤可動体等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
【0419】
またパチンコ遊技機501は、電源基板690を備えている。電源基板690は、主制御基板580、サブ制御基板590、および、払出制御基板610に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板690には、バックアップ電源回路691が設けられている。バックアップ電源回路691は、本パチンコ遊技機501に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板580のRAM584やサブ制御基板590のRAM594に対して電力を供給する。従って、主制御基板580のRAM584やサブ制御基板590のRAM594に記憶されている情報は、パチンコ遊技機501の電断時であっても保持される。また、電源基板690には、電源スイッチ692が接続されている。電源スイッチ692のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板580のRAM584に対するバックアップ電源回路を主制御基板580に設けたり、サブ制御基板590のRAM594に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板590に設けたりしてもよい。
【0420】
図50に示すように、主制御基板580には、プログラムに従ってパチンコ遊技機501の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)581が実装されている。遊技制御用マイコン581には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM583、ワークメモリとして使用されるRAM584、ROM583に記憶されたプログラムを実行するCPU582、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)587が含まれている。RAM584には、上述した特図保留記憶部585と普図保留記憶部586とが設けられている。なお、ROM583は外付けであってもよい。
【0421】
また、主制御基板580には、中継基板588を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板580には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板580から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ520a、第2始動口センサ521a、ゲートセンサ528a、大入賞口センサ530a、および普通入賞口センサ527aが接続されている。
【0422】
第1始動口センサ520aは、第1始動口520内に設けられて、第1始動口520に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ521aは、第2始動口521内に設けられて、第2始動口521に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ528aは、ゲート528内に設けられてゲート528を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ530aは、大入賞口530内に設けられて大入賞口530に入賞した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ527aは、各普通入賞口527内に設けられて普通入賞口527に入賞した遊技球を検出するものである。
【0423】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド524および大入賞口ソレノイド533が接続されている。電チューソレノイド524は、電チュー522の開閉部材523を駆動するものである。大入賞口ソレノイド533は、大入賞装置531の開閉部材532を駆動するものである。
【0424】
さらに主制御基板580には、特別図柄表示器541、普通図柄表示器542、特図保留表示器543、および普図保留表示器544が接続されている。すなわち、これらの表示器類540の表示制御は、遊技制御用マイコン581によりなされる。
【0425】
また主制御基板580は、払出制御基板610に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板610から信号を受信する。払出制御基板610には、賞球払出装置620、貸球払出装置630およびカードユニット635(パチンコ遊技機501に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路611を介して発射装置612が接続されている。発射装置612には、ハンドル560(
図48参照)が含まれる。
【0426】
払出制御基板610は、遊技制御用マイコン581からの信号や、パチンコ遊技機501に接続されたカードユニット635からの信号に基づいて、賞球払出装置620の賞球モータ621を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置630の球貸モータ631を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ622により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ632により検知される。なお遊技者による発射装置612のハンドル560(
図48参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ614がハンドル560への接触を検知し、発射ボリューム615がハンドル560の回転量を検知する。そして、発射ボリューム615の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ613が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機501においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0427】
また主制御基板580は、サブ制御基板590に対し各種コマンドを送信する。主制御基板580とサブ制御基板590との接続は、主制御基板580からサブ制御基板590への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板580とサブ制御基板590との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0428】
図51に示すように、サブ制御基板590には、プログラムに従ってパチンコ遊技機501の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)591が実装されている。演出制御用マイコン591には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM593、ワークメモリとして使用されるRAM594、ROM593に記憶されたプログラムを実行するCPU592、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)597が含まれている。なお、ROM593は外付けであってもよい。
【0429】
また、サブ制御基板590には、画像制御基板600、サブ駆動基板640が接続されている。サブ制御基板590の演出制御用マイコン591は、主制御基板580から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板600のCPU602に画像表示装置507の表示制御を行わせる。
【0430】
画像制御基板600は、CPU602、制御用ROM603、制御用RAM604、VDP(Video Display Processor)605、CGROM(要素データ記憶手段に相当、画像データROMともいう)606、VRAM(ビデオRAMともいう)607およびI/O609を備えている(
図51参照)。
【0431】
画像制御基板600のCPU602は、主に画像表示装置507の表示制御を行う。制御用ROM603は、このCPU602が実行するプログラムを格納している。制御用RAM604は、CPU602の処理時にそのワークメモリとして機能する。
【0432】
また、VDP605は、画像表示装置507に表示する画像を出力する。CGROM606は、画像表示装置507に表示する画像の画像要素データ(要素データの一例)を格納している。すなわち、上記第1形態と同じく、画像表示装置507に表示する各種演出画像に用いるための各画像の画像要素データを格納している。VRAM607は、VDP605と接続されており、画像要素データを画像出力データに展開するためのメモリとして機能する。つまり、VDP605が画像要素データを画像出力データに展開するためのフレームバッファメモリである。
【0433】
本形態のVRAM607には、
図42(A)に示すように、画像出力データを格納するための画像出力データ格納領域607Xがある。この画像出力データ格納領域607Xは、Aモードの第1予告演出の画像出力データ専用の格納領域であるAモード用画像出力データ格納領域607XAと、Bモードの第2予告演出の画像出力データ専用の格納領域であるBモード用画像出力データ格納領域607XBとを備えている。
【0434】
画像制御基板600のCPU602は、サブ制御基板590から画像演出に関するコマンドを受信すると、上記VDP605、CGROM606およびVRAM607を用いて、受信した上記コマンドに基づき画像表示装置507における画像演出の表示制御を行う。すなわち、VDP605に、CGROM606から読み出した画像要素データをVRAM607に展開させて、画像表示装置507の表示画面507aに表示し得る画像出力データ(フレーム画像データ)を作成させる。そして、その画像出力データを、I/O609を通じて画像信号で画像表示装置507に出力させる。
【0435】
また演出制御用マイコン591は、主制御基板580から受信したコマンドに基づいて、スピーカ567から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ567から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板590のROM593に格納されている。なお、音声制御基板を設けて、その音声制御基板にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ567を画像制御基板600に接続し、画像制御基板600のCPU602に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板600の制御ROM603に音響データを格納してもよい。
【0436】
また演出制御用マイコン591は、主制御基板580から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板640を介して枠ランプ566や盤ランプ505等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン591は、枠ランプ566や盤ランプ505等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ566や盤ランプ505などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板590のROM593に格納されているデータを用いる。
【0437】
さらに演出制御用マイコン591は、主制御基板580から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板640に接続された盤可動体駆動モータ515aを駆動させる。盤可動体駆動モータ515aは、盤可動体の駆動源である。盤可動体は、
図49では図示を省略したが、センター装飾体510に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン591は、盤可動体の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板590のROM593に格納されているデータを用いる。なお、サブ駆動基板640にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や盤可動体の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板640にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0438】
またサブ制御基板590には、演出ボタン検出スイッチ(操作検知手段に相当)563aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ563aは、演出ボタン563(
図48参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン563が押されると演出ボタン検出スイッチ563aからサブ制御基板590に対して検知信号が出力される。
【0439】
なお
図50および
図51は、あくまで本パチンコ遊技機501における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、
図50および
図51に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板580を除いて、
図50および
図51に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成してもよく、
図50および
図51に示す1つの基板を複数の基板として構成してもよい。
【0440】
(大当たり等の説明)
次に、本形態のパチンコ遊技機501における大当たり等に関して説明する。本形態のパチンコ遊技機501では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器541に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器541に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口530を開放させる「大当たり遊技」が実行される。
【0441】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0442】
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は
図52に示す通りである。
図52に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。特定大当たりと通常大当たりである。「特定大当たり」は、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。「通常大当たり」は、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(非高確率状態)に制御する大当たりである。
【0443】
より詳細には、特
図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な「特定大当たり」および「通常大当たり」は、1Rから8Rまでは大入賞口530を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから16Rまでは大入賞口530を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これらの大当たりでは9Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、特
図1の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器541aに「特
図1_特定図柄」が停止表示される。また、特
図1の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器541aに「特
図1_通常図柄」が停止表示される。
【0444】
また、特
図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な「特定大当たり」および「通常大当たり」は、1Rから16Rまで大入賞口530を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。特
図2の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器541bに「特
図2_特定図柄」が停止表示される。また、特
図2の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器541bに「特
図2_通常図柄」が停止表示される。
【0445】
本形態のパチンコ遊技機501では、「特定大当たり」に当選した場合には、大当たり遊技後の遊技状態は、後述の高確率状態に制御される。また、高確率状態中は後述する時短状態にも制御される。なお、高確率状態は次の大当たりに当選するまで継続する。
【0446】
一方、「通常大当たり」に当選した場合には、大当たり遊技の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)に制御される。通常確率状態に制御された場合であっても、後述する時短状態には制御される。この場合の時短回数は100回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
【0447】
ここで本パチンコ遊技機501では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。
図53(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口520又は第2始動口521への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0448】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面507a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
【0449】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート528への通過に基づいて取得される乱数には、
図53(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー522を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
【0450】
(遊技状態の説明)
次に、本形態のパチンコ遊技機501の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機501の特別図柄表示器541および普通図柄表示器542には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器541の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(
図54(A)参照)。つまり、特別図柄表示器541の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器541による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0451】
また、特別図柄表示器541の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図55参照)。つまり、特別図柄表示器541の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0452】
特別図柄表示器541の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器542の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器541の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器542の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(
図54(D)参照)。つまり、普通図柄表示器542の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器542による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
【0453】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である(
図54(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー522の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(
図56参照)。すなわち、電チュー522の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー522の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(
図56参照)。すなわち、電チュー522の開放回数増加機能が作動している。
【0454】
普通図柄表示器542の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー522の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー522が頻繁に開放され、第2始動口521へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー522により第2始動口521への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
【0455】
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器542の確率変動機能、普通図柄表示器542の変動時間短縮機能、電チュー522の開放時間延長機能、および電チュー522の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー522が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0456】
本形態のパチンコ遊技機501では、特定大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。すなわち高確高ベース状態は、実質的には次の大当たりに当選するまで継続する。
【0457】
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0458】
なお、パチンコ遊技機501を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
【0459】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域503B(
図49参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー522が開放されやすくなっており、第1始動口520への入賞よりも第2始動口521への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート528へ遊技球を通過させつつ、第2始動口521へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機501では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0460】
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域503A(
図49参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー522が開放されにくくなっており、第2始動口521への入賞よりも第1始動口520への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口520へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0461】
(遊技制御用マイコン581の動作)
次に、
図57および
図58に基づいて遊技制御用マイコン581の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン581の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM584に設けられている。
【0462】
[主制御メイン処理]主制御基板580に備えられた遊技制御用マイコン581は、パチンコ遊技機501の電源がオンされると、ROM583から
図57に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS7001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU582の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等のリセット等を行う。なお初期設定(S7001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0463】
初期設定(S7001)に次いで、割り込みを禁止し(S7002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S7003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S7003)では、
図53に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン581に内蔵されていてもよい。
【0464】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S7003)が終了すると、割り込みを許可する(S7004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S7005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S7005)は、例えば4msec周期でCPU582に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S7005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S7005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S7003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU582に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S7005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S7004)がされてから開始される。
【0465】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S7005)について説明する。
図58に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S7005)ではまず、遊技制御用マイコン581は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、当たりの種類を決めるための当たり種別乱数、装飾図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S7101)。
【0466】
次に、遊技制御用マイコン581は、入力処理を行う(S7102)。入力処理(S7102)では、主にパチンコ遊技機501に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ520a、第2始動口センサ521a、大入賞口センサ530a、普通入賞口センサ527a等(
図50参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM584の出力バッファにセットする。
【0467】
続いて、遊技制御用マイコン581は、始動口センサ検出処理(S7103)、特別動作処理(S7104)、および普通動作処理(S7105)を実行する。始動口センサ検出処理(S7103)では、第1始動口センサ520a又は第2始動口センサ521aがONしていれば、ONした始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数(
図53(A)参照))を取得する。また、ゲートセンサ528aがONしていれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(
図53(B)参照)を取得する。
【0468】
特別動作処理(S7104)では、始動口センサ検出処理にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブル(
図54(A)(B)(C),
図55参照)を用いて判定する。具体的にはまず、大当たり乱数を大当たり判定テーブル(
図54(A)参照)を用いて判定する。この判定において大当たりに当選していれば、さらに、当たり種別乱数を当たり種別判定テーブル(
図54(B)参照)を用いて判定する。
【0469】
そして、大当たりに当選している場合もハズレの場合も、特図変動パターン判定テーブル(
図55参照)を用いて変動パターン乱数を判定する。
図55に示すように、変動パターンの判定では、時短状態であるか否かに応じて、異なるテーブルが用いられる。時短状態においても非時短状態においても、大当たりに当選している場合には、大当たり用の特図変動パターン判定テーブルに基づいて変動パターン乱数を判定する。これに対して、ハズレの場合には、リーチ乱数をリーチ判定テーブル(
図54(C)参照)を用いて判定し、この判定において「リーチ有り」と判定した場合には、リーチ有りハズレ用の特図変動パターン判定テーブルを用いて変動パターン乱数を判定し、「リーチ無し」と判定した場合には、リーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルを用いて変動パターン乱数を判定する。なお、リーチ無しハズレ用の特図変動パターン判定テーブルは、保留球数が所定数以上(非時短状態では「3」以上、時短状態では「2」以上)の場合に、変動時間の短い変動パターン(P22やP52)が選択されるようになっている。
【0470】
図55に示すように、大当たり当選時の変動パターンとしては、95%の割合で「SPリーチ」の変動パターン(P1やP31)が選択され、5%の割合で「ノーマルリーチ」の変動パターン(P2やP32)が選択される。これに対して、リーチ有りハズレ時の変動パターンとしては、35%の割合で「SPリーチ」の変動パターン(P11やP41)が選択され、65%の割合で「ノーマルリーチ」の変動パターン(P12やP42)が選択される。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されているリーチである。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
【0471】
変動パターンの判定を終えると、遊技制御用マイコン581は、選択した変動パターンの情報(
図55に示すP1等の情報)を含む変動開始コマンド(変動情報)をRAM584の出力バッファにセットする。そして、大当たり抽選の結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を特別図柄表示器541にて行う。大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たり図柄を停止表示した後に、大当たりの種類に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、
図52参照)に従って大入賞口530を開放させる大当たり遊技を行う。
【0472】
普通動作処理(S7105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブル(
図54(D)参照)を用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄の変動表示における変動時間は、時短状態であるか否かに応じて異なる時間に設定される(
図54(E)参照)。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、
図56参照)に従って電チュー522を開放させる補助遊技を行う。
【0473】
次に、遊技制御用マイコン581は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板590等に出力する出力処理(S7106)を行う。
【0474】
(演出制御用マイコン591の動作)
以上の遊技制御用マイコン581における処理と並行して、演出制御用マイコン591は
図59〜
図69に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン591の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン591の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM594に設けられている。
【0475】
[サブ制御メイン処理]サブ制御基板590に備えられた演出制御用マイコン591は、パチンコ遊技機501の電源がオンされると、ROM593から
図59に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S8001)。CPU初期化処理(S8001)では、スタックの設定、定数設定、CPU592の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0476】
続いて、電源断信号がONで且つRAM594の内容が正常であるか否かを判定する(S8002)。この判定結果がYESであれば、ステップS8004に進むが、判定結果がNOであれば、RAM594の初期化をする(S8003)。この初期化によって、RAM594内の各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値がリセットされる。
【0477】
ステップS8004で割り込みを禁止する。次いで、乱数更新処理を実行する(S8005)。乱数更新処理(S8005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板580が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板580が行う乱数更新処理においても同様である。
【0478】
乱数更新処理(S8005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S8006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板590のRAM594内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板600に送信する。コマンドを受信した画像制御基板600は、コマンドに従い画像表示装置507を用いて各種の演出(装飾図柄変動演出や、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、デモ演出等)を実行する。なお、画像制御基板600による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板590は、スピーカ567から音声を出力したり、サブ駆動基板640を介して盤ランプ505や枠ランプ566を発光させたり、盤可動体(盤可動体駆動モータ515a)を駆動させたりする。演出制御用マイコン591は続いて、割り込みを許可する(S8007)。以降、ステップS8004〜S8007をループさせる。割り込み許可中においては、サブ側タイマ割り込み処理(S8008)の実行が可能となる。
【0479】
[サブ側タイマ割り込み処理]演出制御用マイコン591は、
図60に示すサブ側タイマ割り込み処理(S8008)を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割り込み処理ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S8101)を行う。なお、受信コマンド解析処理は、主制御基板580から受信した各種のコマンドに応じて、実行すべき演出の設定等を行う処理である。
【0480】
次に演出制御用マイコン71は、演出ボタン処理(S8102)を行う。演出ボタン処理では、演出ボタン検出スイッチ563a(
図51参照)からの信号を読み込んで、演出ボタン563の操作がなされたか否かを判定する。そして、演出ボタン検出スイッチ563aからの信号に基づいて、実行すべき演出の設定等を行う。
【0481】
続いて演出制御用マイコン591は、音声制御処理(S8103)を行う。音声制御処理では、受信コマンド解析処理(S8101)や演出ボタン処理(S8102)での演出設定(受信コマンド解析処理(S8101)や演出ボタン処理(S8102)で設定される演出のデータ)に基づいて、その演出に合うタイミングで音声等をスピーカ567から出力させるべく、音声出力データの作成を行う。
【0482】
次に演出制御用マイコン591は、ランプ制御処理(S8104)を行う。ランプ制御処理では、受信コマンド解析処理(S8101)や演出ボタン処理(S8102)での演出設定に基づいて、その演出に合うタイミングで盤ランプ505や枠ランプ566を発光させるべく、ランプデータ(盤ランプ505や枠ランプ566の点灯を制御するデータ)を作成したり、そのランプデータをサブ駆動基板640に出力したりする。つまり、ランプデータに従って、盤ランプ505や枠ランプ566を所定の発光態様で発光させる。
【0483】
続いて演出制御用マイコン591は、可動体制御処理(S8105)を行う。可動体制御処理では、受信コマンド解析処理(S8101)や演出ボタン処理(S8102)での演出設定に基づいて、その演出に合うタイミングで盤可動体(盤可動体駆動モータ515a)を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体の駆動ためのデータ)を作成したり、その駆動データをサブ駆動基板640に出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体を所定の動作態様で駆動させる。
【0484】
[受信コマンド解析処理]
図61に示すように、受信コマンド解析処理(S8101)では、演出制御用マイコン591はまず、遊技制御用マイコン581から変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S8201)。受信していなければ、ステップS8203に進むが、受信していれば、変動開始コマンド受信処理(S8202)を行う。
【0485】
ステップS8203では、遊技制御用マイコン581から変動停止コマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS8205に進むが、受信していれば、変動停止コマンド受信処理(S8204)を行う。
【0486】
ステップS8205では、遊技制御用マイコン581からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS8207に進むが、受信していれば、オープニングコマンド受信処理(S8206)を行う。
【0487】
ステップS8207では、遊技制御用マイコン581からエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS8209に進むが、受信していれば、エンディングコマンド受信処理(S8208)を行う。
【0488】
ステップS8209では、上記以外のコマンドの受信に伴って実行する処理(その他のコマンド受信処理)を行って、本処理を終える。
【0489】
[変動開始コマンド受信処理]
図62に示すように、変動開始コマンド受信処理(S8202)では、演出制御用マイコン591はまず、変動開始コマンドを解析する(S8301)。そして、受信した変動開始コマンドの情報に基づいて、演出図柄を選択する(S8302)。次いで、後述の変動演出パターン選択処理(S8303)を行う。その後、選択した変動演出パターンについての情報を含む変動演出開始コマンドをRAM594の所定の領域にセットする(S8304)。そしてその他の処理(S8305)を行って、本処理を終える。
【0490】
[変動演出パターン選択処理]
図63に示す変動演出パターン選択処理(S8303)では、演出制御用マイコン591はまず、サブ側モードステータスを参照する(S8401)。モードステータスは、本パチンコ遊技機501の状態を示している。モードステータスには、サブ側モードステータスと、後述の画像側モードステータスとがある。サブ側モードステータスは、サブ制御基板590で管理しているフラグであり、画像側モードステータスは、画像制御基板600で管理しているフラグである。図中の表に示すように、サブ側モードステータスが「1」とは、非時短状態で演出モードが「Aモード」であることを示す。また、サブ側モードステータスが「2」とは、非時短状態で演出モードが「Bモード」であることを示す。また、サブ側モードステータスが「3」とは、時短状態であることを示す。なお、サブ側モードステータスが「0」とは、大当たり遊技状態、つまり大当たり遊技の実行中であることを示す。
【0491】
本形態では、サブ側モードステータスのデフォルトの値を「1」としている。よって、本パチンコ遊技機501の電源投入後には、サブ側モードステータスの値が「1」に設定される。
【0492】
ステップS8402では、サブ側モードステータスの値が「1」又は「2」かどうかを判定する。サブ側モードステータスの値が「1」でも「2」でもなければ(S8402でNO)、つまり、サブ側モードステータスの値が「0」又は「3」の場合には、ステップS8406に進む。一方、サブ側モードステータスの値が「1」又は「2」であれば(S8402でYES)、第1予告演出の演出態様を抽選する(S8403)。具体的には、CPU592が抽出した乱数値、および、
図12(A)に示すAモードの第1予告演出用演出態様抽選テーブルを参照して、第1予告演出の演出態様を決定する。
【0493】
なお、本形態の第1予告演出は、変動中の特
図1の当否判定が大当たり当選であることを示唆する演出である。但し、第1予告演出の演出態様は、上記第1形態と同じであるため、説明を省略する。
【0494】
ステップS8404では、第2予告演出の演出態様を抽選する。具体的には、CPU592が抽出した乱数値、および、
図12(B)に示すBモードの第2予告演出用演出態様抽選テーブルを参照して、第2予告演出の演出態様を決定する。
【0495】
なお、本形態の第2予告演出は、第1予告演出と同様、変動中の特
図1の当否判定が大当たり当選であることを示唆する演出である。但し、第2予告演出の演出態様は、上記第1形態と同じであるため、説明を省略する。
【0496】
ステップS8405では、上記ステップS8403およびS8404で決定した、第1予告演出の演出態様、および、第2予告演出の演出態様の2つの演出態様についての情報を、RAM593の所定の記憶領域に記憶させる。その後、その他の処理(S8406)を行って、本処理を終える。
【0497】
[変動停止コマンド受信処理]
図64に示す変動停止コマンド受信処理(S8204)では、演出制御用マイコン591はまず、変動停止コマンドを解析する(S8501)。そして、サブ側モードステータスを参照する(S8502)。
【0498】
次に、サブ側モードステータスが「3」かどうかを判定する(S8503)。ステップS8503でNOの判定の場合には、スキップしてステップS8508に進む。一方、ステップS8503でYESの判定の場合(サブ側モードステータスが「3」の場合)には、演出モードカウンタの値Mを「1」減算する(S8504)。演出モードカウンタMとは、高確高ベース状態、又は、低確高ベース状態での特別図柄の可変表示の回数をカウントためのものである。
【0499】
次いで、減算した演出モードカウンタの値Mが「0」かどうかを判定する(S8505)。値Mが「0」でなければ(S8505でNO)、ステップS8508に進むが、値Mが「0」であれば(S8505でYES)、サブ側モードステータスを「1」に更新する(S8506)。そして、演出モードの開始を示すモード開始コマンドをRAM594の所定の領域にセットする(S8507)。
【0500】
ステップS8508では、変動演出の終了についての変動演出終了コマンドをRAM594の所定の領域にセットする。その後、その他の処理(S8509)を行って、本処理を終える。
【0501】
[オープニングコマンド受信処理]
図65に示すオープニングコマンド受信処理(S8206)では、演出制御用マイコン591はまず、オープニングコマンドを解析する(S8601)。そして、上述のサブ側モードステータスの値を「0」に変更する(S8602)。これにより、大当たり遊技の開始とともに、演出モード(Aモード,Bモード)の実行を終了させる。
【0502】
ステップS8603では、BB開始コマンドの受信に伴って実行する、上記以外の処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。
【0503】
[エンディングコマンド受信処理]
図66に示すエンディングコマンド受信処理(S8208)では、演出制御用マイコン591はまず、エンディングコマンドを解析する(S8701)。そして、上述のサブ側モードステータスの値を「3」に変更する(S8702)。
【0504】
次いで、実行した大当たり遊技の大当たりが「特定大当たり」かどうかを判定する(S8703)。特定大当たりであれば(S8703でYES)、演出モードカウンタの値Mに「10000」をセットする(S8704)。一方、特定大当たりでなければ(S8703でNO)、つまり通常大当たりの場合には、演出モードカウンタの値Mに「100」をセットする(S8705)。その後、ステップS8706では、エンディングコマンドの受信に伴って実行する、上記以外の処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。
【0505】
[演出ボタン処理]
図67に示す演出ボタン処理(S8102)では、演出制御用マイコン591はまず、演出ボタン563が押圧操作されたかどうかを判定する(S8801)。演出ボタン563が押圧操作されていない場合(S8801でNO)、つまり、演出ボタン検出スイッチ563aから信号の出力がない場合には、そのまま本処理を終えるが、演出ボタン563が押圧操作された場合には(S8801でYES)、演出ボタン563の操作があったことを示す演出ボタン操作フラグをONする(S8802)。そして、演出ボタン563の操作があったことを示す演出ボタン操作コマンドをRAM594の所定の領域にセットして(S8803)、本処理を終える。
【0506】
[音声制御処理]
図68に示す音声制御処理(S8103)では、演出制御用マイコン591はまず、上記変動演出パターン選択処理(
図63)のステップS8405で、第1予告演出の演出態様、および、第2予告演出の演出態様の2つの演出態様についての情報を、RAM594の所定の記憶領域に記憶しているかどうかを判定する(S8901)。2つの演出態様の情報をRAM594に記憶していない場合には(S8901でNO)、スキップしてステップS8904に進むが、2つの演出態様の情報をRAM594に記憶している場合には(S8901でYES)、それら演出態様に応じた音響データをROM593から読み出す(S8902)。
【0507】
次に、読み出した音響データを用いて、RAM594の音声出力データ格納領域574Yに展開する(S8903)。具体的には、第1予告演出の音響データを用いて、Aモード用音声出力データ格納領域594YAに音声出力データを展開するとともに、第2予告演出の音響データを用いて、Bモード用音声出力データ格納領域594YBに音声出力データを展開する(
図42(B)参照)。Aモード用音声出力データ格納領域594YAでの音声出力データの展開と、Bモード用音声出力データ格納領域594YBでの音声出力データの展開とは、同時に行っている。
【0508】
次いで、演出ボタン操作フラグがONかどうかを判定する(S8904)。演出ボタン操作フラグがONでない場合(S8904でNO)、つまり演出ボタン操作フラグがOFFの場合には、ステップS8910に進むが、演出ボタン操作フラグがONの場合には(S8904でYES)、サブ側モードステータスの値が「1」かどうかを判定する(S8905)。
【0509】
サブ側モードステータスの値が「1」の場合には(S8905でYES)、サブ側モードステータスの値を「2」に変更する(S8906)。すなわち、演出ボタン563の押圧操作に伴って、サブ側モードステータスの値を「1」から「2」に変更する。
【0510】
なお、サブ側モードステータスの値が「1」でない場合には(S8905でNO)、サブ側モードステータスの値が「2」かどうかを判定する(S8907)。サブ側モードステータスの値が「2」でない場合には(S8907でNO)、サブ側モードステータスの値が「0」又は「3」であるため、サブ側モードステータスの値を変更することなくステップS8909に進む。一方、サブ側モードステータスの値が「2」の場合には(S8907でYES)、サブ側モードステータスの値を「1」に変更する(S8908)。すなわち、演出用ボタンの押圧操作に伴って、サブ側モードステータスの値を「2」から「1」に変更する。
【0511】
ステップS8909では、演出ボタン操作フラグをOFFにする。そして、後述の音声演出処理(S8910)を行って本処理を終える。
【0512】
[音声出力処理]音声出力処理(S8910)は、サブ側モードステータスの値に応じて、RAM594の音声出力データ格納領域594Yの2つの格納領域(Aモード用音声出力データ格納領域594YA,Bモード用音声出力データ格納領域594YB)に展開している音声出力データのいずれか一方をスピーカ567に出力する処理である。
図69に示す音声出力処理(S8910)では、演出制御用マイコン591は、サブ側モードステータスの値が「1」かどうかを判定する(S8951)。
【0513】
サブ側モードステータスの値が「1」であれば(S8951でYES)、2つの格納領域のうちのAモード用音声出力データ格納領域594YAに展開している音声出力データを出力する(S8952)。これにより、その音声出力データが、I/O599の出力ポート599Tを通じて、スピーカ567に出力されることになる。
【0514】
なお、サブ側モードステータスの値が「1」でなければ(S8951でNO)、続いてサブ側モードステータスの値が「2」かどうかを判定する(S8953)。「2」でなければ(S8953でNO)、ステップS8955に進むが、サブ側モードステータスの値が「2」であれば(S8953でYES)、2つの格納領域のうちのBモード用音声出力データ格納領域594YBに展開している音声出力データを出力する(S8954)。これにより、その音声出力データが、I/O599の出力ポート599Tを通じて、スピーカ567に出力されることになる。
【0515】
なお本形態では、演出ボタン563の操作に伴って、格納領域に展開している音声出力データをすぐに出力する。具体的に例えば、スピーカ567を用いてBモードの第2予告演出の音声演出がなされているときに演出ボタン563が操作された場合には、上述の音声演出実行処理(
図68)のステップS8908でサブ側モードステータスを「2」から「1」に変更して、その操作時点でAモードの第1予告演出の音声演出に切り替える。そして、その第1予告演出の音声演出として、最初からの演出ではなく、演出ボタン563の操作時点に応じた途中からの演出を実行することになっている。
【0516】
また例えば、スピーカ567を用いてAモードの第1予告演出の音声演出がなされているときに演出ボタン563が操作された場合には、音声演出実行処理(
図68)のステップS8906でサブ側モードステータスを「1」から「2」に変更して、その操作時点でBモードの第2予告演出の音声演出に切り替える。そして、その第2予告演出の音声演出として、最初からの演出ではなく、演出ボタン563の操作時点に応じた途中からの演出を実行することになっている。
【0517】
ステップS8955では、スピーカ567を用いた音声演出に関する上記以外の処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。
【0518】
(画像制御基板600の動作)
次に
図70〜
図73に基づいて、画像制御基板600の動作について説明する。
【0519】
[画像制御基板タイマ割り込み処理]画像制御基板600は、
図70に示す画像制御基板タイマ割り込み処理を数msecといった短時間毎に繰り返す。画像制御基板タイマ割り込み処理では、後述するコマンド受信処理(S9001)および画像出力処理(S9002)を実行して、データ送信制御処理(S9003)を行う。データ送信制御処理では、例えば画像演出に伴う画像演出以外の演出(音声演出やランプ演出など)に関するコマンドをサブ制御基板590(演出制御用マイコン591)に送信する。
【0520】
[コマンド受信処理]
図71および
図72に示すコマンド受信処理(S9001)では、画像制御基板600のCPU602は、まずモード開始コマンドを受信したかどうかを判定する(S9101)。モード開始コマンドを受信していない場合には(S9101でNO)、ステップS9104に進むが、モード開始コマンドを受信している場合には(S9101でYES)、VRAM607の所定の格納領域にAモードの背景データを展開するとともに、VRAM607の所定の格納領域にBモードの背景データを展開する(S9102)。
【0521】
次に、画像側モードステータスの値を「1」に更新する(S9103)。上述したように、画像側モードステータスが「1」とは、非時短状態で演出モードが「Aモード」であることを示す(
図63参照)。また、画像側モードステータスが「2」とは、非時短状態で演出モードが「Bモード」であることを示す。また、画像側モードステータスが「3」とは、時短状態であることを示す。なお、画像側モードステータスが「0」とは、大当たり遊技状態であることを示す。本形態では、画像側モードステータスのデフォルトの値を「1」としている。よって、本パチンコ遊技機501の電源投入後には、画像側モードステータスの値が「1」に設定される。
【0522】
ステップS9104では、変動演出開始コマンドを受信したかどうかを判定する。変動演出開始コマンドを受信していない場合には(S9104でNO)、
図72に示すステップS9108に進むが、変動演出開始コマンドを受信した場合には(S9104でYES)、予告演出の演出態様についての情報がその変動演出開始コマンドにあるかどうかを判定する(S9105)。予告演出の演出態様についての情報がなければ(S9105でNO)、ステップS9108に進むが、その情報があれば(S9105でYES)、VDP605に、その情報に応じた画像要素データをCGROM606から読み出させる(S9106)。
【0523】
次に、読み出した画像要素データを用いて、VRAM607の画像出力データ格納領域607Xに画像出力データをVDP605に展開させる(S9107)。具体的には、第1予告演出の画像要素データを用いて、Aモード用画像出力データ格納領域607XAに画像出力データを展開させるとともに、第2予告演出の画像要素データを用いて、Bモード用画像出力データ格納領域607XBに画像出力データを展開させる(
図42(A)参照)。Aモード用画像出力データ格納領域607YAでの画像出力データの展開と、Bモード用画像出力データ格納領域607XBでの画像出力データの展開とを、VDP605に同時に行わせている。
【0524】
次いで、演出ボタン操作コマンドを受信したかどうかを判定する(S9108)。演出ボタン操作コマンドを受信していない場合には(S9108でNO)、ステップS9113に進むが、演出ボタン操作コマンドを受信した場合には(S9108でYES)、続いて画像側モードステータスの値が「1」かどうかを判定する(S9109)。
【0525】
画像側モードステータスの値が「1」の場合には(S9109でYES)、画像側モードステータスの値を「2」に変更する(S9110)。すなわち、演出用ボタンの押圧操作に伴って、画像側モードステータスの値を「1」から「2」に変更する。
【0526】
なお、画像側モードステータスの値が「1」でない場合には(S9109でNO)、画像側モードステータスの値が「2」かどうかを判定する(S9111)。「2」でない場合には(S9111でNO)、画像側モードステータスの値が「0」又は「3」であるため、画像側モードステータスの値を変更することなくステップS9113に進む。一方、画像側モードステータスの値が「2」の場合には(S9111でYES)、画像側モードステータスの値を「1」に変更する(S9112)。すなわち、演出用ボタンの押圧操作に伴って、画像側モードステータスの値を「2」から「1」に変更する。
【0527】
ステップS9113では、上記以外のコマンドの受信についての処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。
【0528】
[画像出力処理]画像出力処理(S9002)は、画像側モードステータスの値に応じて、VRAM607の画像出力データ格納領域607Xの2つの格納領域(Aモード用画像出力データ格納領域607XA,Bモード用画像出力データ格納領域607XB)に展開している画像出力データのいずれか一方を画像表示装置507に出力する処理である。
図73に示す画像出力処理(S9002)では、画像制御基板600は、画像側モードステータスの値が「1」かどうかを判定する(S9201)。
【0529】
画像側モードステータスの値が「1」であれば(S9201でYES)、VDP605に、VRAM607からAモードの背景データを出力させる(S9202)。これにより、そのAモードの背景データが、I/O609の出力ポート609Tを通じて、画像表示装置507に出力される。なお、Aモードの背景画像とは、上記第1形態と同様、森林をイメージしたアニメーション画像である。
【0530】
次いで、2つの格納領域のうちのAモード用画像出力データ格納領域607XAに展開している画像出力データを出力させる(S9203)。これにより、Aモードの背景データに加え、画像出力データも、出力ポート609Tを通じて、画像表示装置507に出力させる。
【0531】
なお、画像側モードステータスの値が「1」でなければ(S9201でNO)、続いて画像側モードステータスの値が「2」かどうかを判定する(S9204)。「2」でなければ(S9204でNO)、ステップS9207に進むが、画像側モードステータスの値が「2」であれば(S9204でYES)、VDP605に、VRAM607からBモードの背景データを出力させる(S9205)。これにより、そのBモードの背景データが、出力ポート609Tを通じて、画像表示装置507に出力される。なお、Bモードの背景画像とは、上記第1形態と同様、海中をイメージしたアニメーション画像である。
【0532】
次いで、2つの格納領域のうちのBモード用画像出力データ格納領域607XBに展開している画像出力データを出力させる(S9206)。これにより、Bモードの背景データに加え、画像出力データも、出力ポート609Tを通じて、画像表示装置507に出力させる。
【0533】
なお本形態でも、上記第1形態と同様、演出ボタン563の操作に伴って、格納領域に展開している画像出力データをすぐに出力する。具体的に例えば、画像表示装置507を用いたBモードの第2予告演出の画像演出の実行中に演出ボタン563が操作されると、上述のコマンド受信処理(
図71および
図72)のステップS9112で画像側モードステータスを「2」から「1」に変更して、その操作時点でAモードの第1予告演出の画像演出に切り替える。そして、その第1予告演出の画像演出として、最初からの演出ではなく、演出ボタン563の操作時点に応じた途中からの演出を実行することになっている。
【0534】
また例えば、画像表示装置507を用いたAモードの第1予告演出の画像演出の実行中に演出ボタン563が操作されると、コマンド受信処理(
図71および
図72)のステップS9110で画像側モードステータスを「1」から「2」に変更して、その操作時点でBモードの第2予告演出の画像演出に切り替える。そして、その第2予告演出の画像演出として、最初からの演出ではなく、演出ボタン563の操作時点に応じた途中からの演出を実行することになっている。
【0535】
ステップS9207では、画像表示装置507を用いた画像演出に関する上記以外の処理(その他の処理)を行って、本処理を終える。
【0536】
以上詳細に説明したように、本形態(第2形態)のパチンコ遊技機500によれば、第1予告演出の画像演出に用いるための画像出力データを展開するのと並行して、第2予告演出の画像演出に用いるための画像出力データを展開する。そして、演出ボタン563の操作に伴って、画像表示装置507を用いて実行する予告演出の画像演出を第1予告演出の画像演出、或いは、第2予告演出の画像演出に切り替える。よって、遊技者の意向に応じて、画像表示装置507を用いて実行している予告演出の画像演出を、画像表示装置507を用いて実行していない予告演出の画像演出に速やかに変更可能となっている。
【0537】
また、上記第1形態の効果に加えて、変動演出の実行期間中における演出ボタン563の操作に伴って、画像表示装置507を用いて実行する予告演出を第1予告演出又は第2予告演出に切り替え得る。すなわち、大当たり遊技を行うか否かの抽選の結果を示す停止態様で変動演出が停止表示される前までに演出ボタン563の操作を検出し得る。よって、限られた期間に第1予告演出又は第2予告演出の実行を速やかに切り替えることが可能である。このため、限られた期間に2つの演出態様の両方を遊技者に把握させることが可能となっている。
【0538】
〈その他の変更例〉
上記第1形態では、第1示唆演出および第2示唆演出を、BB役の当否判定の結果を示唆する示唆演出としたが、BB役以外の遊技役の当否判定の結果を示唆する示唆演出としてもよい。また、遊技状態を示唆する示唆演出としてもよい。
【0539】
また、上記第1形態および上記第2形態では、第1示唆(予告)演出の演出態様を4種類としたが、「4」種類を除く複数種類の演出態様としてもよい。また、第2示唆(予告)演出の演出態様を4種類としたが、「4」種類を除く複数種類の演出態様としてもよい。また、第1示唆(予告)演出の演出態様の数と、第2示唆(予告)演出の演出態様の数とを異なる数(但し、複数に限る)としてもよい。
【0540】
また、上記第1形態および上記第2形態では、各示唆(予告)演出に登場するキャラクタの動作態様の違いで各演出態様が異なる構成としたが、上述した以外の動作態様を用いて、各演出態様を異ならせてもよい。また、登場するキャラクタが演出態様毎にそれぞれ異なるものでもよい。
【0541】
また、第1示唆演出および第2示唆演出を、1つのゲーム(単位遊技)で完結する演出としたが、複数のゲーム(単位遊技)にわたって実行される演出でもよい。例えば、ステップアップ演出や、バトル演出といった一連の演出としてもよい。
【0542】
また、上記第1形態および上記第2形態では、第1示唆(予告)演出および第2示唆(予告)演出を、画像演出、音声演出およびランプ演出を組み合わせた演出とした。しかしながら、画像演出のみ、音声演出のみ、あるいは、ランプ演出のみとしてもよい。また、画像演出、音声演出およびランプ演出のうちの2つの演出を組み合わせた演出としてもよい。また、上記演出以外に、遊技機の筐体や演出用ボタンを振動させる振動演出や、可動部材を駆動させる駆動演出としてもよい。また、上記演出に、振動演出や駆動演出を組み合わせてもよい。
【0543】
また、上記第1形態では、演出用ボタン43を演出用操作部としたが、スタートレバー8を演出用操作部としてもよい。但し、例えばリールの回転動作中など、スタートレバーを用いてリールを動作させるタイミングを除く期間に、スタートレバーを演出用操作部としてもよい。また例えば、ストップボタン9L,9C,9Rを演出用操作部としてもよい。但し、例えば演出用操作部として使用するストップボタンに対応したリールが既に止まっている期間に、ストップボタンを演出用操作部としてもよい。また例えば、ベットボタン11,12を演出用操作部としてもよい。但し、例えばリールの回転動作中など、ベットボタンを用いてベットするタイミングを除く期間に、ベットボタンを演出用操作部としてもよい。
【0544】
また、上記第1形態および上記第2形態では、演出用ボタン43(演出ボタン563)の操作に基づき、展開している第1示唆(予告)演出用の画像出力データおよび第2示唆(予告)演出用の画像出力データのうちの一方をVRAM87(607)から出力して、他方をVRAM87(607)から出力しない構成とした。しかしながら、VRAM87(607)から両方の画像出力データを出力するけれども、第1示唆(予告)演出の画像演出および第2示唆(予告)演出の画像演出のうちの一方を優先して表示画面上に表示し、他方を非表示とする構成でもよい。そのような構成として、例えば、第1示唆(予告)演出の画像演出および第2示唆(予告)演出の画像演出を重ねて表示する場合に、一方の画像を手前側(遊技者に近い側)に表示し、他方の画像を一方の画像の裏側(遊技者に遠い側)に表示する構成が挙げられる。
【0545】
また、上記第1形態および上記第2形態では、音声演出に関しても、画像演出と同じく、演出用ボタン43(演出ボタン563)の操作に基づき、展開している第1示唆(予告)演出用の音声出力データおよび第2示唆(予告)演出用の音声出力データのうちの一方をRAM74(594)から出力して、他方をRAM74(594)から出力しない構成とした。しかしながら、両方を出力するけれども、第1示唆(予告)演出の音声演出および第2示唆(予告)演出の音声演出のうちの一方を遊技者にとって聴覚可能な音量でスピーカから出力する一方で、他方を遊技者にとって聴覚困難な音量でスピーカから出力する構成でもよい。
【0546】
また、上記第1形態および上記第2形態では、第1示唆(予告)演出と第2示唆(予告)演出との2種類の示唆(予告)演出を設けた構成としたが、3種類以上の示唆(予告)演出を設けた構成でもよい。また、AモードとBモードとの2種類の演出モードを設けた構成としたが、3種類以上の演出モードを設けた構成でもよい。
【0547】
また、上記第1形態では、第1示唆演出および第2示唆演出の演出態様を非RT遊技状態の毎ゲームに抽選にて設定する構成としたが、数ゲームおきに抽選にて設定する構成でもよい。また、非RT遊技状態に限らず、所定の遊技状態のときだけ、抽選にて設定する構成でもよい。また、遊技状態によらず、所定のゲーム数だけ抽選する構成でもよい。
【0548】
また、上記第1形態では、非RT遊技状態を1種類のみとしたが、複数種類としてもよい。その場合に、複数種類の非RT遊技状態のうちの特定の非RT遊技状態のときに、第1示唆演出および第2示唆演出の演出態様を抽選にて設定する構成としてもよい。
【0549】
また、上記第1形態および上記第2形態では、第1示唆(予告)演出と第2示唆(予告)演出とで異なる示唆(予告)演出用演出抽選テーブルを用いる構成としたが、第1示唆(予告)演出も第2示唆(予告)演出も同じ示唆演出用演出抽選テーブルを用いる構成でもよい。また、第1示唆(予告)演出での演出態様Aの振分率と、第2示唆(予告)演出での演出態様Aの振分率とを等しくしたが、第1示唆(予告)演出での演出態様Aの振分率と、第2示唆(予告)演出での演出態様Aの振分率とが異なる構成としてもよい。
【0550】
また、CPU72(592)が抽出した1つの乱数値を用いて、第1示唆(予告)演出の演出態様も第2示唆(予告)演出の演出態様も抽選する構成としたが、CPU72(592)が2種類の乱数値を抽出して、一方の乱数値を用いて、第1示唆(予告)演出の演出態様を抽選し、他方の乱数値を用いて、第2示唆(予告)演出の演出態様を抽選する構成でもよい。
【0551】
また、上記第1形態および上記第2形態では、演出のうち画像演出に関する処理を画像制御基板で行い、音声演出に関する処理、および、ランプ演出に関する処理をサブ制御基板で行う構成とした。しかしながら、画像演出に関する処理とともに、音声演出に関する処理もランプ演出に関する処理も画像制御基板で行ってもよい。この場合、画像制御基板が演出制御手段に相当する。また、演出制御部DKを1つの基板にまとめた形態でもよい。
【0552】
また、上記第1形態および上記第2形態では、演出用ボタン検出センサ43a(演出ボタン検出スイッチ563a)の信号がサブ制御基板に入力する構成としたが、サブ制御基板以外の、例えば、画像制御基板や主制御基板に入力する構成でもよい。
【0553】
また、上記第1形態および上記第2形態では、第1示唆演出および第2示唆演出の音声演出について、RAM74,594で音声出力データを展開(作成)する構成とした。しかしながら、例えばサブ制御基板に音源ICを設けて、この音源ICで音声出力データを作成する構成でもよい。
【0554】
また、上記第1形態では、スタートレバー8の操作を契機に、第1示唆演出および第2示唆演出の実行を開始させる構成としたが、例えば、リールの回転開始とともに、示唆演出の実行を開始させてもよい。また例えば、第1停止操作時に、示唆演出の実行を開始させる構成でもよい。また例えば、スタートレバーの操作から所定の時間が経過したときに、示唆演出の実行を開始させる構成でもよい。
【0555】
また、上記第1形態では、投入操作を契機に、第1示唆演出および第2示唆演出の実行を終了させる構成としたが、例えば、第3停止操作を契機に、示唆演出の実行を終了させてもよい。また例えば、所定の実行期間を設けて、その期間の終期がきたら、示唆演出の実行を終了させる構成でもよい。また例えば、第3停止操作から所定の時間が経過したときに、示唆演出の実行を終了させる構成でもよい。
【0556】
また、上記第1形態では、
図10に示す遊技役抽選テーブルを設定値6のものとした。しかしながら、その他の設定値(設定値1〜設定値5)の遊技役抽選テーブルとしてもよい。
【0557】
また、上記第1形態では、サブ制御基板70と画像制御基板80とを分けた構成としたが、画像制御基板を含むサブ制御基板としてもよい。
【0558】
また、上記第1形態,第2形態では、3つのリールを設けた遊技機とした。しかしながら、複数のリール(変動表示手段)を備えた遊技機であればよく、例えば4つのリールや、2つのリールを設けた遊技機でもよい。