特許第6381098号(P6381098)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381098
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】支持装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20180820BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   G09F9/00 351
   G09F9/00 312
   H04N5/64 581E
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-212067(P2013-212067)
(22)【出願日】2013年10月9日
(65)【公開番号】特開2015-75647(P2015-75647A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 秀幸
【審査官】 小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0313294(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0178312(US,A1)
【文献】 特開平07−023361(JP,A)
【文献】 特開平07−036389(JP,A)
【文献】 特開2011−104186(JP,A)
【文献】 特開昭59−230538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−46
H04N 5/66−5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置とカメラとを共に支持するための支持装置であって、
前記ディスプレイ装置の表示面の外周部の一部に前記カメラが位置するように前記カメラを取り付け可能で前記ディスプレイ装置に固定可能である連結部と、
先端に前記連結部が固定されるとともに基端が被取付部材に取り付け可能であり前記先端と前記基端との間に直動軸線と回動軸線と搖動中心との少なくともいずれかを有し前記基端に対して前記先端が移動可能なディスプレイ支持部と、
を備え、
前記連結部は、
前記ディスプレイ装置を前記表示面に向かって見たときの前記ディスプレイ装置の輪郭の外側から、前記ディスプレイ装置における前記表示面の前方へ向かって延出し前記カメラを取り付け可能なカメラ取付部と、
前記カメラ取付部と繋がっており前記ディスプレイ装置の背面に沿って延び前記ディスプレイ支持部の先端に固定された連結体部と、
前記連結体部と繋がっており前記ディスプレイ装置の背面に設けられたディスプレイアーム取付用のねじ穴に対応する複数の貫通孔が形成されたディスプレイ取付部と、
を備え、
前記カメラ取付部、前記連結体部及び前記ディスプレイ取付部は、前記ディスプレイ支持部の移動によって一体的に移動可能に構成され
前記カメラ取付部は、前記表示面に表示される画像の上下軸における前記ディスプレイ取付部の下方に配され、前記ディスプレイ装置の背面側から前記ディスプレイ装置の前記下方の端を通って前記表示面の前方側まで延び、
前記カメラ取付部は、前記カメラ取付部において前記表示面よりも前方側にあり前記下方と反対方向に向けられたカメラ取付面を有している支持装置。
【請求項2】
請求項に記載の支持装置であって、
前記カメラ取付部は、前記カメラ取付面に前記カメラが取り付けられた状態で、前記ディスプレイ装置の表示面に向かって見たときの前記表示面の輪郭の内側に前記カメラの前記反対方向側の端が位置するように、前記カメラを支持する支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置とカメラとを共に支持する支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遠隔地の映像を表示するディスプレイ装置と、ディスプレイ装置の所在地において映像を取得して遠隔地に送るためのカメラとを備えたテレビ会議システムが知られている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−039195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ディスプレイ装置の使用者にとって使用しやすい位置にディスプレイ装置を移動可能とするモニターアームが知られている。テレビ会議システムにおいても、ディスプレイ装置を移動させることによりディスプレイ装置を好適な位置及び姿勢で使用することが求められる場合がある。しかしながら、特許文献1に開示された技術では、モニターアームによってディスプレイ装置を移動させるようにすると、ディスプレイ装置がカメラに対して移動してしまうので、ディスプレイ装置の表示面に表示された映像に向かって会話をする使用者の目線がカメラに合わなくなる。ディスプレイ装置の表示面を見ている状態にある発話者の映像がこのカメラにより取得されると、この映像が伝送される先における映像表示が、テレビ会議における会話としては目線に違和感のあるものとなる。
【0005】
また、近年、ディスプレイ装置の筐体にクリップにより留めることが可能なWebカメラが知られている。しかしながら、ディスプレイ装置にクリップ留め可能なWebカメラは、ディスプレイ装置から脱落しないような極めて軽量なものに限られる。このため、高機能なカメラのディスプレイ装置への取り付け手段としては、カメラの脱落や位置ずれの可能性があることからクリップ留めの採用が難しい。
【0006】
また、近年、スマートフォンやタブレット端末等において、液晶表示装置の表示面と同一面側にフロントカメラを内蔵することが広く行われている。しかしながら、一般的なテレビ会議システムにおいては、ディスプレイ装置に求められる仕様とカメラに求められる仕様との組み合わせが多様であることから、ディスプレイ装置とカメラとは別体である。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ディスプレイ装置が移動されても目線の違和感がない映像を取得することができるようにディスプレイ装置とカメラとを共に支持する支持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、ディスプレイ装置とカメラとを共に支持するための支持装置であって、前記ディスプレイ装置の表示面の外周部の一部に前記カメラが位置するように前記カメラを取り付け可能で前記ディスプレイ装置に固定可能である連結部と、先端に前記連結部が固定されるとともに基端が被取付部材に取り付け可能であり前記先端と前記基端との間に直動軸線と回動軸線と搖動中心との少なくともいずれかを有し前記基端に対して前記先端が移動可能なディスプレイ支持部と、を備え、前記連結部は、前記ディスプレイ装置を前記表示面に向かって見たときの前記ディスプレイ装置の輪郭の外側から、前記ディスプレイ装置における前記表示面の前方へ向かって延出し前記カメラを取り付け可能なカメラ取付部と、前記カメラ取付部と繋がっており前記ディスプレイ装置の背面に沿って延び前記ディスプレイ支持部の先端に固定された連結体部と、前記連結体部と繋がっており前記ディスプレイ装置の背面に設けられたディスプレイアーム取付用のねじ穴に対応する複数の貫通孔が形成されたディスプレイ取付部と、を備え、前記カメラ取付部、前記連結体部及び前記ディスプレイ取付部は、前記ディスプレイ支持部の移動によって一体的に移動可能に構成され、前記カメラ取付部は、前記表示面に表示される画像の上下軸における前記ディスプレイ取付部の下方に配され、前記ディスプレイ装置の背面側から前記ディスプレイ装置の前記下方の端を通って前記表示面の前方側まで延び、前記カメラ取付部は、前記カメラ取付部において前記表示面よりも前方側にあり前記下方と反対方向に向けられたカメラ取付面を有した支持装置である。
【0010】
記カメラ取付部は、前記カメラ取付面に前記カメラが取り付けられた状態で、前記ディスプレイ装置の表示面に向かって見たときの前記表示面の輪郭の内側に前記カメラの前記反対方向側の端が位置するように、前記カメラを支持してよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ディスプレイ装置が移動されても目線の違和感がない映像を取得することができるようにディスプレイ装置とカメラとを共に支持する支持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態におけるテレビ会議用什器の全体図である。
図2】同テレビ会議用什器の正面図である。
図3】同テレビ会議用什器の側面図である。
図4図3の拡大図である。
図5】同テレビ会議用什器の平面図である。
図6】同テレビ会議用什器の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態におけるテレビ会議用什器の全体図である。図2は、同テレビ会議用什器の正面図である。図3は、同テレビ会議用什器の側面図である。図4は、図3の拡大図である。図5は、同テレビ会議用什器の平面図である。図6は、同テレビ会議用什器の背面図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の支持装置25は、テレビ会議に用いられる什器であるテレビ会議用什器1に組み込まれている。
テレビ会議用什器1は、公知のテレビ会議システム100の構成機器の一部が収容されたケース2と、ケース2が固定された什器本体5と、什器本体5に取り付けられテレビ会議システム100のディスプレイ装置101及びカメラ103が共に支持された支持装置25とを備える。
【0017】
ケース2は、公知のテレビ会議システム100の構成機器であるたとえばコンピューター105等を収容するための什器である。ケース2は、什器本体5の脚部14に連結可能な筐体部3と、筐体部3に連結された蓋部4とを有する。また、本実施形態では、ケース2は、ケース2を什器本体5に連結するための図示しないブラケットを有する。
【0018】
図1及び図2に示すように、什器本体5は、テレビ会議用什器1のユーザー等の作業台として利用可能な平板状の天板部6と、天板部6の下面に固定された脚部14と、物品等を収容可能な引出部21とを有する。
【0019】
天板部6は、天板部6の上面であり水平に延びる作業平面7と、天板部6の前部に配された机移動用ハンドル部8と、天板部6の後端近傍において天板部6上の物の落下を防止するガード部11とを有する。
【0020】
机移動用ハンドル部8は、天板部6の前部において天板部6から前方に離間して水平方向に直線状に延びる棒状部9と、棒状部9の中心軸線方向の両端から天板部6へ向かって延び天板部6の下面に固定された延出部10とを有する。
【0021】
ガード部11は、天板部6の上面から上方向に離間した位置において、天板部6の後端に沿って水平方向に延び天板部6の後端における左右端から天板部6の前方へ向かって所定長さだけ延びるように屈曲する棒部材12と、この棒部材12が天板部6の上方に天板部6から離間した状態で天板部6を支持するように天板部6に固定されたアタッチメント13とを有する。アタッチメント13は、少なくとも、棒部材12の両端と、天板部6の後端における棒部材12の中間部とにおいて、棒部材12に固定されている。
【0022】
脚部14は、天板部6の下面から下方に延びる一対の脚本体部15,16と、一対の脚本体部15,16の各々の下端において天板部6の前後方向に延びる水平脚部18と、水平脚部18の前後端の各々に固定されたキャスター部19と、各脚本体部15,16の下部において一対の脚本体部15,16を連結する梁部20とを有する。
【0023】
一対の脚本体部15,16において互いに向かい合わされた面には、垂直方向に延びるスリットが形成されている(図1参照)。一対の脚本体部15,16に形成されたスリットは、ケース2と一対の脚本体部15,16とを連結するための連結ブラケットを取り付けることができるようになっている。すなわち、本実施形態では、一対の脚本体部15,16とケース2とは、一対の脚本体部15,16のスリットに取り付けられた連結ブラケットを介して連結されている。
【0024】
また、本実施形態では、ケース2を取り付けるための連結ブラケットと同様にスリットに取り付け可能なブラケットを介して、引出部21が一対の脚本体部15,16に連結されている。
【0025】
梁部20にはケース2が載置され、梁部20とケース2とは連結される。
【0026】
図2及び図3に示すように、一対の脚部14に連結される引出部21は、ブラケットを介して一対の脚本体部15,16に固定され天板部6の前後方向に延びる一対のレール22と、一対のレール22に連結され一対のレール22に沿って天板部6の前後方向に進退可能な物品収容部であるトレー23とを有する。トレー23の前端部には、トレー23を引き出すときにユーザーがトレー23を掴みやすくするための取手部24が、水平方向に延ばして設けられている。
本実施形態では、トレー23には、テレビ会議システム100に接続されるマイク104が置かれている。なお、トレー23に置くことができる物はマイク104には限られない。
【0027】
図1に示すように、支持装置25は、テレビ会議システム100のディスプレイ装置101とカメラ103とを共に支持するための装置である。
支持装置25は、天板部6の上面から上方へ延びるように天板部6に基端が取り付けられたディスプレイ支持部26と、ディスプレイ支持部26の先端に固定されテレビ会議システム100のカメラ103を取り付け可能且つテレビ会議システム100のディスプレイ装置101を固定可能な連結部32とを備える。
【0028】
ディスプレイ支持部26は、先端と基端との間に1以上の関節を有する。すなわち、本実施形態のディスプレイ支持部26は、先端と基端との間に、直動軸線と回動軸線と搖動中心との少なくともいずれかを有する。このため、ディスプレイ支持部26の先端はディスプレイ支持部26の基端に対して移動可能である。
ディスプレイ支持部26の具体的な一例としては、図3及び図4に示すように、ディスプレイ支持部26は、ディスプレイ支持部26を天板部6に連結するための連結具27と、連結具27に連結され天板部6から鉛直上方へ延びさらに鉛直軸に対して傾斜してさらに上方へ延びるように屈曲された棒状形状を有し天板部6に対して鉛直軸回りに回転可能な基端アーム28と、基端アーム28の上端に連結され基端アーム28の上端において水平軸回りに基端アーム28に対して回動可能な平行リンク部29と、平行リンク部29における基端アーム28と反対側の端に連結され平行リンク部29に対して鉛直軸回りに回動可能な回動関節部30と、回動関節部30に対して表示面102の法線回りに回動可能に回動関節部30に連結された固定ブラケット31とを有する。固定ブラケット31は、後述する連結体部35に固定される。
【0029】
図1図4及び図5に示す連結部32は、ディスプレイ装置101の表示面102の外周部の一部に前記カメラ103が位置するように前記カメラ103を取り付け可能でディスプレイ装置101に固定可能である
連結部32は、カメラ103を取り付け可能なカメラ取付部33と、連結体部35と、ディスプレイ装置101を固定可能なディスプレイ取付部38とを有する。
【0030】
カメラ取付部33は、ディスプレイ装置101をその表示面102に向かって見たときのディスプレイ装置101の輪郭の外側から、ディスプレイ装置101における表示面102の前方へ向かって延出された部材である。本実施形態では、カメラ取付部33は、ディスプレイ装置101の輪郭をなす4辺のうちディスプレイ装置101の下端にある部分に配されている。
なお、本実施形態では、ディスプレイ装置101の下端側は、ディスプレイ装置101の表示面102に表示される画像における下端と一致する。すなわち、本実施形態におけるカメラ取付部33は、表示面102に表示される画像の上下軸におけるディスプレイ取付部38の下方に配され、前記ディスプレイ装置101の背面側から前記ディスプレイ装置101の前記下方の端を通って前記表示面102の前方側まで延びていてよい。
【0031】
カメラ取付部33において、表示面102よりも前方側にあり表示面102の上記上下軸における上方向に向けられた面は、カメラ103を取り付けるための取付面34となっている。カメラ取付部33は、取付面34にカメラ103が取り付けられた状態で、ディスプレイ装置101の表示面102に向かって見たときの表示面102の輪郭の内側にカメラ103の上端が位置するように、カメラ103を支持する。すなわち、本実施形態において、カメラ取付部33は、カメラ103の一部が表示面102の輪郭の内側領域に入り込む程度に表示面102に近接した状態でカメラ103を支持している。特に、本実施形態では、カメラ103の光学系の一部が表示面102の輪郭の内側領域に入り込む程度に表示面102に近接した状態でカメラ103を支持している。このため、本実施形態では、表示面102に向かって話しかけるユーザーの目線は、ユーザーがカメラ103に向かって話しかける場合の目線に近い状態となる。
【0032】
なお、カメラ取付部33は、カメラ103を表示面102に対して上下に移動させる移動手段を有していてもよい。当該移動手段は、カメラ103の背後に隠れてしまう表示面102上の領域の大きさを調整するために利用できる。
【0033】
なお、カメラ取付部33に取り付け可能な取付対象物は必ずしもカメラ103でなくてもよい。たとえば、ディスプレイ装置101あるいはテレビ会議システム100を操作するためのリモコンがこれら装置あるいはシステムに付属している場合に、リモコン置き場としてカメラ取付部33が利用されてもよい。
【0034】
連結体部35は、カメラ取付部33と繋がっており、ディスプレイ装置101の背面に沿って上方へ延び、ディスプレイ支持部26の先端の固定ブラケット31に固定されている。図6に示すように、連結体部35は、ディスプレイ取付部38が間に位置するように離間して配された一対の枠体36と、一対の枠体36を繋ぐように一対の枠体36の各々に固定された平板部37とを有する。
【0035】
図4に示すように、ディスプレイ取付部38は、連結体部35における平板部37に設けられており、連結体部35と繋がっている。ディスプレイ取付部38には、ディスプレイ装置101の背面に設けられたディスプレイアーム取付用のねじ穴に対応する複数の貫通孔39が形成されている。本実施形態では、ディスプレイ取付部38は、VESA(Video Electronics Standards Association)にて制定されたVESA FPMPMI Standardに適合した位置及び寸法のねじ穴に対応して、少なくとも4つの貫通孔39が形成されている。なお、ディスプレイ取付部38に取り付けられる対象となるディスプレイ装置101がVESAマウント以外の規格に基づくマウント方法に適合している場合には、ディスプレイ取付部38に好適な貫通孔を適宜設けることもできる。
【0036】
次に、本実施形態のテレビ会議用什器1の作用について、支持装置25の作用を中心に説明する。本実施形態では、ディスプレイ取付部38、連結体部35、及びカメラ取付部33は、一体的に構成されており、カメラ取付部33において、ディスプレイ装置101の輪郭の一辺に沿う方向に延びる直線部分は、ユーザーによって把持されるハンドルとして利用できる。すなわち、ユーザーがカメラ取付部33のハンドル部分を移動させることにより、カメラ103とディスプレイ装置101とは一体的に移動する。
【0037】
このため、カメラ103とディスプレイ装置101との相対位置は常に一定であり、表示面102に向かって話しかけるユーザーの目線が、ユーザーがカメラ103に向かって話しかける場合の目線に近い状態となる位置関係は、ユーザーによるハンドル部分の移動に関係なく維持される。
【0038】
本実施形態のテレビ会議用什器1は、ディスプレイ装置101の表示面102に向かって会話する発話者の映像がカメラ103に取得されるとき、発話者の目線がほぼカメラ103に向けられた状態となる。その結果、カメラ103によって取得された映像は、本実施形態のテレビ会議システム100に接続された相手方となる映像伝送先において、テレビ会議における会話として目線に違和感の少ない状態で表示される。
【0039】
さらに、ディスプレイ装置101の表示面102に表示される映像の上下軸における下方にカメラ103が位置するようにカメラ取付部33がカメラ103を支持しているので、表示面102に向かって会話するユーザーの目線は、カメラ103が表示面102の上側に位置する場合よりも自然な状態でカメラ103に撮影され、映像伝送先へ伝送される。
【0040】
また、ディスプレイ支持部26が先端と基端との間に複数の関節を有しているので、ディスプレイ装置101を什器本体5に対して移動させる際の自由度が高く、たとえばベッドに寝た状態の患者と遠隔地の医師とのテレビ会議(遠隔医療)において、患者と医師との双方が、映像上の目線が合った状態で会話可能である。
【0041】
また、ディスプレイ支持部26が先端と基端との間に複数の関節を有しているので、什器本体5自体を移動させなくても、ディスプレイ支持部26を変形させてディスプレイ装置101を移動させることができる。このため、什器本体5が入り込めない場所であってもディスプレイ装置101及びカメラ103を入り込ませることができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
たとえば、カメラ取付部の構成は、上記実施形態で説明した構成には限られない。例を挙げると、カメラ取付部は、ディスプレイ支持部の先端から延びる一本の棒状をなす連結体部と、この連結体部におけるディスプレイ支持部と反対側の端に取り付けあるいは形成された平板状の取付面とを有していてもよい。
また、上記実施形態で説明した取付面34は、平面状であってもよい。また、上記実施形態で説明した取付面34は、カメラを取付面34に固定するための手段を有していてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 テレビ会議用什器
2 ケース
3 筐体部
4 蓋部
5 什器本体
6 天板部
7 作業平面
8 移動用ハンドル部
9 棒状部
10 延出部
11 ガード部
12 棒部材
13 アタッチメント
14 脚部
15,16 一対の脚本体部
18 水平脚部
19 キャスター部
20 梁部
21 引出部
22 一対のレール
23 トレー
24 取手部
25 支持装置
26 ディスプレイ支持部
27 連結具
28 基端アーム
29 平行リンク部
30 回動関節部
31 固定ブラケット
32 連結部
33 カメラ取付部
34 取付面
35 連結体部
36 一対の枠体
37 平板部
38 ディスプレイ取付部
39 貫通孔
100 テレビ会議システム
101 ディスプレイ装置
102 表示面
103 カメラ
104 マイク
105 コンピューター
図1
図2
図3
図4
図5
図6