(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381100
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】3次元路面下診断システムおよび3次元路面下診断方法
(51)【国際特許分類】
G01V 3/12 20060101AFI20180820BHJP
G01C 15/00 20060101ALI20180820BHJP
G01C 7/04 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
G01V3/12 B
G01C15/00 102C
G01C7/04
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-231212(P2013-231212)
(22)【出願日】2013年11月7日
(65)【公開番号】特開2015-90345(P2015-90345A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2016年4月22日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1)刊行物名 第50回 下水道研究発表会 論文予稿集 発行日 2013年 7月30日 発行所 公益社団法人 日本下水道協会 該当ページ Page.1039〜1041 2)刊行物名 第50回 下水道研究発表会 論文予稿集 発行日 2013年 7月30日 発行所 公益社団法人 日本下水道協会 該当ページ Page.1042〜1044
(73)【特許権者】
【識別番号】591151808
【氏名又は名称】株式会社環境総合テクノス
(74)【代理人】
【識別番号】110000822
【氏名又は名称】特許業務法人グローバル知財
(72)【発明者】
【氏名】片山 辰雄
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 克之
(72)【発明者】
【氏名】及川 理人
(72)【発明者】
【氏名】青野 健治
(72)【発明者】
【氏名】寺本 真司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕将
(72)【発明者】
【氏名】渡部 高広
(72)【発明者】
【氏名】細畠 直己
【審査官】
北川 創
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−138398(JP,A)
【文献】
特開2009−294128(JP,A)
【文献】
特開2005−070840(JP,A)
【文献】
特開2010−019703(JP,A)
【文献】
特開2013−092403(JP,A)
【文献】
特開2010−107259(JP,A)
【文献】
特開平10−307036(JP,A)
【文献】
特開平09−090029(JP,A)
【文献】
特開2012−137461(JP,A)
【文献】
特開平04−070588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 3/12
G01C 15/00
G01C 7/04
G01S 7/20
G01S 13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS受信機および慣性計測器を少なくとも備えた3次元位置計測手段と、
カメラおよびレーザースキャナを少なくとも備えた路面状態計測手段と、
地中レーダアンテナを備えた路面下探査手段と、
3次元位置計測手段と路面状態計測手段と路面下探査手段を搭載した移動体と、
3次元位置計測手段と路面状態計測手段と路面下探査手段の各出力データを解析するコンピュータと、を少なくとも備える3次元路面下診断システムであって、
該3次元路面下診断システム内の時計もしくはGPSから得られる時刻を用いて、3次元位置計測手段の出力データである3次元位置座標、路面状態計測手段の出力データである路面状態カメラ画像および路面状態3次元点群データ、路面下探査手段の出力データである深度方向情報、それぞれに対し時刻情報を付与し、
3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データと深度方向情報のそれぞれに対して付与した前記時刻情報が一致した場合には、深度方向情報に3次元位置座標を付加し、それぞれのデータを同期データとして抽出し、
前記時刻情報が不一致の場合には、深度方向情報の時刻情報と、所定時間差内にある時刻情報が付与された3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データが存在していれば、深度方向情報に3次元位置座標を付加し、さらに、所定時間差の間に前記移動体が走行した距離を用いて、深度方向情報の3次元位置座標を補正して、それぞれのデータを同期データとして抽出し、
GPS受信機、カメラ、レーザースキャナ、地中レーダアンテナ、それぞれの前記移動体内の相対位置関係および慣性計測器から得られる移動体姿勢に基づいて、それぞれの3次元位置座標を算出し、路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データと深度方向情報に対して3次元位置座標を付与し、路面状態計測手段が出力した路面状態カメラ画像および路面状態3次元点群データと、路面下探査手段が出力した深度方向情報を統合し、路面状態と路面下構造を一体化して可視化したことを特徴とする3次元路面下診断システム。
【請求項2】
前記GPS受信機、前記カメラ、前記レーザースキャナ、それぞれの前記移動体内の相対位置関係および前記慣性計測器から得られる移動体姿勢に基づいて算出したそれぞれの3次元位置座標を用い、路面状態計測手段の出力データの路面状態カメラ画像または路面状態3次元点群データから路面陥没個所の3次元位置座標を特定し、前記GPS受信機、前記地中レーダアンテナ、それぞれの前記移動体内の相対位置関係および前記慣性計測器から得られる移動体姿勢に基づいて算出したそれぞれの3次元位置座標を用い、路面下探査手段の出力データの深度方向情報から路面下空洞箇所の3次元位置座標を特定し、それぞれの出力データに付与された3次元位置座標に基づいて、路面陥没箇所と、路面下空洞箇所を一体化して可視化したことを特徴とする請求項1に記載の3次元路面下診断システム。
【請求項3】
路面下探査手段は、複数の地中レーダアンテナが探査方向と直交するように並列に配置されており、深度方向情報を、深度方向と探査方向とアンテナ配置方向からなる路面下3次元点群データとし、3次元位置座標に基づいて、路面状態計測手段の出力データである路面状態3次元点群データと融合させることを特徴とする請求項1又は2に記載の3次元路面下診断システム。
【請求項4】
同一の3次元位置座標の路面下探査手段の過去の出力データとの照合比較により、路面の沈下量および地下空洞位置のそれぞれの経時変化量について算出することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の3次元路面下診断システム。
【請求項5】
路面下探査手段から得られる深度方向情報について、埋設物の輪郭の連続性を用いて、路面下3次元点群データを補正することを特徴とする請求項3に記載の3次元路面下診断システム。
【請求項6】
3次元路面下診断システム内の時計もしくはGPSから得られた時刻に基づいて、前記移動体による移動計測による各々の出力データは、前記移動体がGPS測位精度の距離を移動する時間より短い間隔でサンプリング保存されることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の3次元路面下診断システム。
【請求項7】
1)GPS受信機および慣性計測器を少なくとも備えた3次元位置計測手段と、カメラおよびレーザースキャナを少なくとも備えた路面状態計測手段と、地中レーダアンテナを備えた路面下探査手段、を搭載した移動体を走行させながら、各手段がそれぞれのサンプリング周期で計測あるいは探査を行い、出力データを保存するステップと、
2)移動体に搭載される時計もしくはGPSから得られる時刻を用いて、3次元位置計測手段の出力データである3次元位置座標、路面状態計測手段の出力データである路面状態カメラ画像および路面状態3次元点群データ、路面下探査手段の出力データである深度方向情報、それぞれに対し時刻情報を付与するステップと、
3)3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データと深度方向情報のそれぞれに対して付与した前記時刻情報が一致した場合には、深度方向情報に3次元位置座標を付加し、それぞれのデータを同期データとして抽出し、前記時刻情報が不一致の場合には、深度方向情報の時刻情報と、所定時間差内にある時刻情報が付与された3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データが存在していれば、深度方向情報に3次元位置座標を付加し、さらに、所定時間差の間に前記移動体が走行した距離を用いて、深度方向情報の3次元位置座標を補正して、それぞれのデータを同期データとして抽出するステップと、
4)GPS受信機、カメラ、レーザースキャナ、地中レーダアンテナ、それぞれの前記移動体内の相対位置関係および慣性計測器から得られる移動体姿勢に基づいて、それぞれの3次元位置座標を算出して、路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データと深度方向情報に対して3次元位置座標を付与するステップと、
5)路面状態計測手段が出力した路面状態カメラ画像および路面状態3次元点群データと、路面下探査手段が出力した深度方向情報を統合し、路面状態と路面下構造を一体化して可視化するステップ、
を備えることを特徴とする3次元路面下診断方法。
【請求項8】
前記GPS受信機、前記カメラ、前記レーザースキャナ、それぞれの前記移動体内の相対位置関係および前記慣性計測器から得られる移動体姿勢に基づいて算出したそれぞれの3次元位置座標を用い、路面状態計測手段の出力データの路面状態カメラ画像または路面状態3次元点群データから路面陥没個所の3次元位置座標を特定するステップと、
前記GPS受信機、前記地中レーダアンテナ、それぞれの前記移動体内の相対位置関係および前記慣性計測器から得られる移動体姿勢に基づいて算出したそれぞれの3次元位置座標を用い、路面下探査手段の出力データの深度方向情報から路面下空洞箇所の3次元位置座標を特定するステップと、
それぞれの出力データに付与された3次元位置座標に基づいて、路面陥没箇所と、路面下空洞箇所を一体化して可視化するステップ、
を更に備えたことを特徴とする請求項7に記載の3次元路面下診断方法。
【請求項9】
路面下探査手段は、複数の地中レーダアンテナが探査方向と直交するように並列に配置されており、
深度方向情報を、深度方向と探査方向とアンテナ配置方向からなる路面下3次元点群データとし、3次元位置座標に基づいて、路面状態計測手段の出力データである路面状態3次元点群データと融合させるステップ、
を更に備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載の3次元路面下診断方法。
【請求項10】
同一の3次元位置座標の路面下探査手段の過去の出力データとの照合比較により、路面の沈下量および地下空洞位置のそれぞれの経時変化量について算出するステップ、
を更に備えたことを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の3次元路面下診断方法。
【請求項11】
路面下探査手段から得られる深度方向情報について、埋設物の輪郭の連続性を用いて、路面下3次元点群データを補正するステップ、
を更に備えたことを特徴とする請求項7〜10の何れかに記載の3次元路面下診断方法。
【請求項12】
3次元位置計測手段と路面状態計測手段と路面下探査手段を搭載した移動体を走行させながら、各手段がそれぞれのサンプリング周期で計測あるいは探査を行い、出力データを保存するステップにおいて、
サンプリング周期は、前記移動体がGPS測位精度の距離を移動する時間より短い間隔であることを特徴とする請求項7〜11の何れかに記載の3次元路面下診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の周辺形状、路面変状、路面下変状を移動体により計測し、それら計測データを一体化し、3次元表示、可視化する道路診断技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、道路行政においては安全管理や事故防止の観点から、その効果的な対応策の具体化が急がれている。特に予防保全をいかに効率的に実施するかが喫緊の課題となっている。それは単なる路面の損傷具合の確認だけではなく、路面下の実態把握も不可欠な作業となっており、道路の陥没等は車輌事故のみならず人身を巻き込む可能性もあり、極めて深刻な社会問題となりつつある。従って、財政面にも関る適切なアセットマネジメントの実行が行政にとり極めて重要なテーマとなっている。
【0003】
路面および路面下の調査は、地下埋設物の敷設状況等の所在確認も兼ねており、路面下を掘削せずに調査することが求められ、人力作業での地中レーダによる探査が一般的に行われてきた。また、それら計測情報はトータルステーションによる地形測量結果とのリンクにより地図情報に組み込まれ行政組織内の管理情報として保管運用されてきた。
しかしながら、それら一連の作業は人力に依存する部分が大きく国内の道路網の規模を想定した場合あまりにも非効率的であるといった問題がある。
このような問題を回避すべく、例えば車輌にレーダ探査装置を搭載し道路上を走行しながら路面下の状態を計測するシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特許文献1に開示された地中探査方法および地中探査装置は、計測したデータを基に探査領域内の地中状態を3次元解析し、解析データを地中深度毎に画像情報として表示するものである。
【0004】
また、地中探査計測データが探査幅の制限により確実な路面下状態の把握につながらない可能性に配慮し、それら回避策を具体化したシステムが知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
特許文献2に示された地中探査方法および地中探査装置は、走行中に地中探査と並行して前方路面を搭載カメラにて撮影し、車線間に亘る路面および路面下の損傷状況等を該映像を参照しながら複数車線の地下探査計測データの合成処理にて把握可能とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3423948号公報
【特許文献2】特許第3936472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、地中探査によるデータ収集は迅速に可能であるが、解析結果から道路の損傷状況の経時変化等の見極めは、その位置計測精度に起因し容易ではない。また地下探査データを単独に収集しているため、それらデータを地図情報とリンクさせるには多大な時間を要するものと推定できる。
【0007】
また、特許文献2に開示された方法では、路面状況をカメラ撮影により検知しているため、時間帯、天候等によってもその視認性は左右されるものであり、地下探査データとの照合情報としては信頼性を欠くものと推定できる。即ち地下探査データが地図情報に反映可能な高精度の位置情報を持つことが必要である。
【0008】
そうすれば道路該個所の損傷状態の経時変化等も過去データとの比較照合により把握可能となり、地図情報とのリンクも容易になる。また路面の状況を検知するには、カメラによる撮影だけではなく路面にもレーザを照射し、地下探査と同様手法にて計測すれば信頼性の高いデータを得ることが可能である。
【0009】
上記状況に鑑みて、本発明は、道路周辺形状、路面、路面下の状態を法定速度走行が可能な移動体により走行計測し、それらデータを解析処理することにより一体化した3次元表示にて可視化した3次元路面下診断システムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成すべく、本発明の3次元路面下診断システムは、以下の1)〜5)を少なくとも備えるシステムである。
1)GPS受信機および慣性計測器を少なくとも備えた3次元位置計測手段
2)カメラおよびレーザースキャナを少なくとも備えた路面状態計測手段
3)地中レーダアンテナを備えた路面下探査手段
4)3次元位置計測手段と路面状態計測手段と路面下探査手段を搭載した移動体
5)3次元位置計測手段と路面状態計測手段と路面下探査手段の各出力データを解析するコンピュータ
【0011】
本発明の3次元路面下診断システムは、システム内の時計もしくはGPSから得られる時刻を用いて、上記1)の3次元位置計測手段の出力データである3次元位置座標、上記2)の路面状態計測手段の出力データである路面状態カメラ画像および路面状態3次元点群データ、上記3)の路面下探査手段の出力データである深度方向情報、それぞれに対し時刻情報を付与する。
付与した時刻情報を用いて、3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データと深度方向情報を同期させる。具体的には、3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データと深度方向情報のそれぞれに対して付与した時刻情報が一致した場合には、
深度方向情報に3次元位置座標を付加し、それぞれのデータを同期データとして抽出する。一方、時刻情報が不一致の場合には、深度方向情報の時刻情報と、所定時間差内にある時刻情報が付与された3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データが存在していれば、
深度方向情報に3次元位置座標を付加し、さらに、所定時間差の間に移動体が走行した距離を用いて、深度方向情報の3次元位置座標を補正して
、それぞれのデータを同期データとして抽出する。そして、GPS受信機、カメラ、レーザースキャナ、地中レーダアンテナ、それぞれの上記4)の移動体内の相対位置関係および慣性計測器から得られる移動体姿勢に基づいて、それぞれの3次元位置座標を算出し、路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データと深度方向情報に対して3次元位置座標を付与する。
ここで、GPS受信機は、DGPS(Differential GPS)のように2つの受信機を用いて、測位した位置の差により正確な位置を求めるものでも構わない。
上記2)の路面状態計測手段が出力した路面状態カメラ画像および路面状態3次元点群データと、上記3)の路面下探査手段が出力した深度方向情報を統合し、路面状態と路面下構造を一体化して可視化する。
【0012】
上記構成によれば、路面状態計測手段が出力した路面状態カメラ画像および路面状態3次元点群データと、路面下探査手段が出力した深度方向情報を統合できることから、路面状態と路面下状態の位置関係が正確に把握でき、路面下の空洞位置を正確に把握できる。
ここで、3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データと深度方向情報を同期させるとは、3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データと深度方向情報において、付与した時刻情報が一致するものを対応付けさせる場合をいう。付与した時刻情報が不一致の場合に、後述するように、所定時間差の間に移動体が走行した距離を用いて、深度方向情報の3次元位置座標を補正して対応付けさせる。
【0013】
また、本発明の3次元路面下診断システムは、深度方向情報に付与された時刻情報に対して、所定時間差内にある時刻情報が付与された3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データが存在する場合、所定時間差の間に移動体が走行した距離を用いて、深度方向情報の3次元位置座標を補正することが好ましい。
ここで、所定時間差は、例えば100ミリ秒とすると、所定時間差に移動体が走行した距離は、移動体の走行速度が時速36km/時で1メートルになる。所定時間差の間に移動体が走行した距離を用いて、深度方向情報の3次元位置座標、特に移動体の進行方向の座標を補正する。これにより、計測データを有効活用できる。
【0014】
また、本発明の3次元路面下診断システムにおいて、路面状態計測手段の出力データの路面状態カメラ画像または路面状態3次元点群データから路面陥没個所を特定し、路面下探査手段の出力データの深度方向情報から路面下空洞箇所または路面下構造を特定し、それぞれの出力データに付与された3次元位置座標に基づいて、路面陥没箇所と、路面下空洞箇所または路面下構造とを関連付けすることが好ましい。
路面陥没箇所と、路面下空洞箇所または路面下構造とを関連付けすることにより、路面の陥没位置と路面下の空洞位置との関係を正確に把握することができる。
【0015】
また、本発明の3次元路面下診断システムにおける路面下探査手段は、複数の地中レーダアンテナが探査方向と直交するように並列に配置されており、深度方向情報を、深度方向と探査方向とアンテナ配置方向からなる路面下3次元点群データとし、3次元位置座標に基づいて、路面状態計測手段の出力データである路面状態3次元点群データと融合させることが好ましい。
路面下3次元点群データと路面状態3次元点群データと融合させることにより、路面状態と路面下構造の対応付けに基づいて、路面状態と路面下構造を一体化して可視化(画面表示や図面化)することが可能である。例えば、路面の陥没状態と路面下空洞を一体化して可視化することにより、路面の陥没位置と路面下の空洞位置との関係をより正確に把握することができる。
【0016】
また、本発明の3次元路面下診断システムにおいて、同一の3次元位置座標の路面下探査手段の過去の出力データとの照合比較により、路面の沈下量および地下空洞位置(深さ)のそれぞれの経時変化量について算出することが好ましい。
算出した経時変化量に基づいて、路面下の補修対象優先度の絞込み、補修時期の判断を行うことが可能になる。
【0017】
また、本発明の3次元路面下診断システムにおける路面下探査手段から得られる深度方向情報について、埋設物の輪郭の連続性を用いて、路面下3次元点群データを補正することが好ましい。
路面下探査の計測の誤差によって、埋設物の輪郭が不連続になる場合がある。埋設物の輪郭の連続性を用いて、路面下3次元点群データを補正することにより、路面下の実際の状態に近い可視化を可能にする。
【0018】
また、本発明の3次元路面下診断システムにおいて、3次元路面下診断システム内の時計もしくはGPSから得られた時刻に基づいて、移動体による移動計測による各々の出力データは、移動体がGPS測位精度の距離を移動する時間より短い間隔でサンプリング保存されることが好ましい。
計測時に交通規制を不要とするためには、移動体の走行速度として、通常の車両速度で走行する必要がある。移動体の走行速度が時速36km/時とした場合、1秒間に移動体が10m移動することになる。DGPS(Differential GPS)のように2つの受信機を用いて、測位した位置の差により正確な位置を求めるなど、高精度GPSを搭載する場合、例えばGPS測位精度10cm以内の位置情報を計測できるとして、10cmピッチで計測するならば、移動体が10cm移動する時間より短い間隔でサンプリングを行い保存することが好ましい。ここで、移動体が10cm移動する時間は、移動体の移動速度によって異なるが、移動体の走行速度が時速36km/時とした場合は、10ミリ秒でサンプリングすることになる。
【0019】
次に、本発明の3次元路面下診断方法について説明する。
本発明の3次元路面下診断方法は、下記1)〜5)のステップを備える。
1)GPS受信機および慣性計測器を少なくとも備えた3次元位置計測手段と、カメラおよびレーザースキャナを少なくとも備えた路面状態計測手段と、地中レーダアンテナを備えた路面下探査手段、を搭載した移動体を走行させながら、各手段がそれぞれのサンプリング周期で計測あるいは探査を行い、出力データを保存するステップ
2)移動体に搭載される時計もしくはGPSから得られる時刻を用いて、3次元位置計測手段の出力データである3次元位置座標、路面状態計測手段の出力データである路面状態カメラ画像および路面状態3次元点群データ、路面下探査手段の出力データである深度方向情報、それぞれに対し時刻情報を付与するステップ
3)付与した時刻情報を用いて、3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データと深度方向情報を同期させるステップ、具体的には、3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データと深度方向情報のそれぞれに対して付与した前記時刻情報が一致した場合には、
深度方向情報に3次元位置座標を付加し、それぞれのデータを同期データとして抽出し、前記時刻情報が不一致の場合には、深度方向情報の時刻情報と、所定時間差内にある時刻情報が付与された3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データが存在していれば、
深度方向情報に3次元位置座標を付加し、さらに、所定時間差の間に前記移動体が走行した距離を用いて、深度方向情報の3次元位置座標を補正して
、それぞれのデータを同期データとして抽出するステップ
4)GPS受信機、カメラ、レーザースキャナ、地中レーダアンテナ、それぞれの前記移動体内の相対位置関係および慣性計測器から得られる移動体姿勢に基づいて、それぞれの3次元位置座標を算出して、路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データと深度方向情報に対して3次元位置座標を付与するステップ
5)路面状態計測手段が出力した路面状態カメラ画像および路面状態3次元点群データと、路面下探査手段が出力した深度方向情報を統合し、路面状態と路面下構造を一体化して可視化するステップ
【0020】
上記構成の方法によれば、路面状態計測手段が出力した路面状態カメラ画像および路面状態3次元点群データと、路面下探査手段が出力した深度方向情報を統合できることから、路面状態と路面下状態の位置関係が正確に把握でき、路面下の空洞位置を正確に把握できる。
【0021】
ここで、本発明の3次元路面下診断方法において、深度方向情報に付与された時刻情報に対して、所定時間差内にある時刻情報が付与された3次元位置座標と路面状態カメラ画像と路面状態3次元点群データが存在する場合、所定時間差に移動体が走行した距離を用いて、深度方向情報の3次元位置座標を補正するステップ、を更に備えることが好ましい。
所定時間差の間に移動体が走行した距離を用いて、深度方向情報の3次元位置座標、特に移動体の進行方向の座標を補正することにより、計測データを有効活用できる。
【0022】
また、本発明の3次元路面下診断方法において、路面状態計測手段の出力データの路面状態カメラ画像または路面状態3次元点群データから路面陥没個所を特定するステップと、路面下探査手段の出力データの深度方向情報から路面下空洞箇所または路面下構造を特定するステップと、それぞれの出力データに付与された3次元位置座標に基づいて、路面陥没箇所と、路面下空洞箇所または路面下構造とを関連付けするステップ、を更に備えることが好ましい。
路面陥没箇所と、路面下空洞箇所または路面下構造とを関連付けすることにより、路面の陥没位置と路面下の空洞位置との関係を正確に把握することができる。
【0023】
また、本発明の3次元路面下診断方法において、路面下探査手段は、複数の地中レーダアンテナが探査方向と直交するように並列に配置されており、深度方向情報を、深度方向と探査方向とアンテナ配置方向からなる路面下3次元点群データとし、3次元位置座標に基づいて、路面状態計測手段の出力データである路面状態3次元点群データと融合させるステップ、を更に備えることが好ましい。
路面下3次元点群データと路面状態3次元点群データと融合させることにより、路面状態と路面下構造の対応付けに基づいて、路面状態と路面下構造を一体化して可視化(画面表示や図面化)できる。
【0024】
また、本発明の3次元路面下診断方法において、同一の3次元位置座標の路面下探査手段の過去の出力データとの照合比較により、路面の沈下量および地下空洞位置のそれぞれの経時変化量について算出するステップ、を更に備えることが好ましい。
算出した経時変化量に基づいて、路面下の補修対象優先度の絞込み、補修時期の判断を行うことが可能になる。
【0025】
また、本発明の3次元路面下診断方法において、路面下探査手段から得られる深度方向情報について、埋設物の輪郭の連続性を用いて、路面下3次元点群データを補正するステップ、を更に備えることが好ましい。
埋設物の輪郭の連続性を用いて、路面下3次元点群データを補正することにより、路面下の実際の状態に近い可視化を可能にする。
【0026】
また、本発明の3次元路面下診断方法において、3次元位置計測手段と路面状態計測手段と路面下探査手段を搭載した移動体を走行させながら、各手段がそれぞれのサンプリング周期で計測あるいは探査を行い、出力データを保存するステップにおいて、サンプリング周期は、移動体がGPS測位精度の距離を移動する時間より短い間隔であることが好ましい。
高精度GPSを搭載する場合、例えば絶対精度10cm以内の位置情報を計測できるとして、10cmピッチで計測するならば、移動体が10cm移動する時間より短い間隔でサンプリングを行い保存する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、路面状態計測データ、路面下探査データに高精度な3次元位置座標が付与され、道路標識や照明柱を含む道路構造物との位置関係が正確に把握でき、また路面下構造から下水管などに起因する空洞位置を正確に把握できる。このため、下水管などの埋設物の補修対象優先度の絞込みが正確且つ迅速に実施でき、補修時期の判断材料を提供でき、行政におけるアセットマネジメントを最適化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】実施例1の3次元路面下診断システムの機能ブロック図
【
図2】道路周辺・路面・路面下の3次元統合画像の一例
【
図4】実施例1の3次元路面下診断システムの解析処理フロー図
【
図6】移動体内のGPS、レーザースキャナ、地中レーダアンテナ等の配置イメージ
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更および変形が可能である。
【実施例1】
【0030】
先ず、
図1を参照して、実施例1の3次元路面下診断システムの機能ブロックについて説明する。移動体に搭載されたGPS受信機、慣性計測器により自車輌の位置を常時、3次元位置計測手段101にて計測する。また、それに並行して、移動体に搭載されたカメラ、レーザースキャナにより道路周辺の形状、路面変状が連続的に路面状態計測手段102により撮影および計測される。さらに、移動体に搭載された地中レーダアンテナにより路面下変状が連続的に路面下探査手段103により計測される。それら一連の計測データはデータベース105、106に格納される。
【0031】
ここまでが現地調査ステージであり、以下の処理が採取データに基づく解析ステージに相当する。以下に説明する解析ステージは、解析コンピュータの各機能(107,108,109,112,114,115,117)によってデータ処理が行われる。
3次元位置/道路周辺・路面変状計測値データベース105のレーザースキャナの出力データは、点群化機能109により路面状態3次元点群データに変換され、次の処理に備える。
一方、路面下変状計測値データベース106の地中レーダアンテナの出力データの場合、移動体でのデータ採取時点において、地中レーダアンテナの移動体内における搭載位置が、3次元位置計測手段101のGPS受信機および路面状態計測手段102のレーザースキャナの移動体内における搭載位置と物理的に隔たっている。そのため、各手段(101,102,103)の採取データの3次元位置座標の算出に際しては、これらの物理的隔たりを考慮して整合性をとる必要がある。そうでなければ、各手段(101,102,103)の採取データを統合し、一体データとしては扱うことはできない。従って、各手段(101,102,103)の採取データを同期データ抽出機能107により、各手段(101,102,103)の採取データの時刻情報が一致したものについて、3次元位置座標の算出(補正)を行う。その結果、各手段(101,102,103)の採取データが、3次元位置座標に関して整合性を持つことになり、3次元座標付加機能108により各手段(101,102,103)の採取データに3次元位置座標が付加される。
【0032】
さらに、それらは点群化機能109により路面下3次元点群データに変換され、上述の如く既に点群化されている3次元位置/道路周辺・路面変状計測値データと3次元情報統合機能112によりデータが統合され、3次元統合情報データベース113に格納される。これらデータは任意タイミングに活用が可能であり、可視化機能114によりモニター表示、図面化機能115により図面作成が可能である。
3次元統合情報データベース113は、採取日付単位に、過去診断3次元情報データベース116に格納される。3次元統合情報データベース113の内容と、過去診断3次元情報データベース116の内容とを照合機能117にて比較照合して、経時、経年における路面下構造の変化の様子を確認できる。
【0033】
次に、
図2を参照して、実施例1の3次元路面下診断システムによる道路周辺・路面・路面下の3次元統合画像の一例について説明する。
図2(1)は、路面状態計測手段102によるカメラ画像とレーザースキャナによる道路周辺・路面に関する3次元点群データを重ね合わせた路面状態画像の一例である。また、
図2(2)は地中レーダアンテナによるレーダ反射波の計測に基づく路面下探査画像の一例である。
図2(2)の路面下探査画像は縦断図、横断図、平面図の3つに分けて示されている。
図2(1)(2)の2つの画像を、3次元位置座標を補正して統合化したのが、
図2(3)の3次元統合画像である。
【0034】
また、
図3は、路面状態の3次元画像と路面下の3次元画像を統合した画像の一例を示している。
図3中には、路面下の埋設物である下水管などの管きょが表示されており、道路周辺物の外観、や路面のマンホール、道路のセンターラインとの位置関係も明確に把握可能である。
【0035】
次に、
図4を参照して、実施例1の3次元路面下診断システムの解析処理フローについて説明する。3次元路面下診断システムの解析コンピュータは、路面下変状計測値データベース106のデータを読込み(S01)、3次元位置/道路周辺・路面変状計測値データベース105のデータ読込む(S02)。そして、データベース105,106のデータに付加された時間情報が一致するか否かについて判断する(S03)。時間情報が一致した場合、同期データを抽出する(S04)。
抽出した路面下変状計測データに3次元位置座標を付加する。この時、地中レーダアンテナの移動体内における搭載位置が、GPS受信機およびレーザースキャナの移動体内における搭載位置と物理的に隔たりがあることを考慮する。
路面下変状計測データを点群化(S06)し、路面下3次元点群データを生成する。そして、別処理により3次元座標を付加され、かつ、点群化された3次元位置/道路周辺・路面変状計測データと統合する(S07)。
【0036】
図5は、移動体の概念図を示している。また、
図6は、移動体内のGPS受信機、レーザースキャナ、地中レーダアンテナ等の配置イメージを示している。
車両イメージの移動体10の車両上部前方から上部中央にGPS受信機(3,4a,4b)、慣性計測器5、カメラ(7a,7b,7c)、レーザースキャナ(6a、6b)が搭載されている。また、車両上部後方にはレーザースキャナ6cが搭載されている。レーザースキャナ6aは前方下向きに、レーザースキャナ6bは前方上向きに、レーザースキャナ6cは後方下向きに設置されている。各レーザースキャナは180°前方にレーザービームを照射している。3台のカメラ(7a,7b,7c)は、前方左向き、前方右向き、進行方向の左側向きに設置されている。8a〜8cは、それぞれ3台のカメラ(7a,7b,7c)のカメラ視野を示している。
車両後部には、複数の地中レーダアンテナ2が設けられており、地面方向にレーダ波2aを照射する。なお、図示しないが、車両の内部には解析コンピュータおよび計測データを保存する記憶媒体が搭載されている。
移動体内のGPS受信機、レーザースキャナ、地中レーダアンテナのそれぞれの配置から、相対的な位置関係が予め決定されることになる。すなわち、GPS受信機の中心位置から前方あるいは後方にどれだけ位置がずれているか、また、左右方向にどれだけ位置がずれているか、あるいは、上下(垂直)方向にどれだけ位置がずれているか、が予め決定されるので、それぞれの出力データの3次元位置座標を算出できるのである。
路面下14の埋設物である下水管20に亀裂21が生じた場合に、亀裂部位から水が漏れることにより路面下の地盤構造が変化するが、移動体10は路面15を走行しながら、この路面下の地盤構造の変化を探査した結果を路面状態と統合でき、正確に把握できるようになる。
【0037】
図7は、路面下探査手段の測定イメージを示している。複数の地中レーダアンテナ11が探査方向と直交するように並列に配置されており、深度方向情報を、深度方向と探査方向とアンテナ配置方向からなる路面下3次元点群データを生成する。路面下3次元点群データを生成は、個々の地中レーダアンテナ11による探査データを積層させて生成する。
地中レーダアンテナ11は、路面下の地盤構造の地中物性境界面12を探査し、空洞13の位置を検出する。
【0038】
以下、実施例に用いたGPS受信機、レーザースキャナ、地中レーダアンテナの仕様について記す。
・GPS受信機(NovAtel社製)・・・1周波および2周波
・レーザースキャナ(SICK社製)・・・光源905nm、レーザークラス1
・地中レーダアンテナ(3D−Radar社製)・・・周波数帯域200MHz〜3000MHz
【実施例2】
【0039】
実施例2では、以下に説明するように、実施例1の3次元路面下診断処理とは異なる処理を行う。
図8は、実施例2の3次元路面下診断処理フローを示している。
実施例2の3次元路面下診断処理フローでは、3次元路面下診断システムの解析コンピュータは、路面下変状計測値データベース106のデータを読込み(S01)、3次元位置/道路周辺・路面変状計測値データベース105のデータ読込む(S02)。そして、データベース105,106のデータに付加された時間情報が一致するか否かについて判断した後(S03)、不一致の場合に、深度方向情報データの時刻情報と、所定時間差内にある路面変状データが存在するか否かを判断する(S11)。
ここで、所定時間差とは、車両速度から走行距離を算出して3次元位置座標を補正できる時間とする。
【0040】
所定時間差内にある路面変状データが存在すると、これらを同期データとして抽出する(S12)。そして、路面下変状計測データに3次元座標を付加し(S13)、所定時間差に移動体が走行した距離を算出して(S14)、路面下変状計測データの3次元位置座標を補正する(S15)。その後、路面下変状計測データを点群化(S06)し、路面下3次元点群データを生成する。そして、別処理により3次元座標を付加され、かつ、点群化された3次元位置/道路周辺・路面変状計測データと統合する(S07)。
実施例2では、時間情報が一致しないデータも有効活用することができ、データの分解能が向上する。
【0041】
(その他の実施例)
実施例1では、車両の内部には解析コンピュータが搭載されていたが、解析コンピュータが車両の外部に設けてもよい。この場合、計測データを保存した記憶媒体(ハードディスクなど)と無線ネットワークを介して接続される。あるいは、記憶媒体からUSBメモリなどを介してデータを取り出して、解析コンピュータにデータをインストールしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、移動体による道路面、路面下の診断、地下探査に有効である。
【符号の説明】
【0043】
2,11 地中レーダアンテナ
3,4a,4b GPS受信機
5 慣性計測器
6a、6b レーザースキャナ
7a,7b,7c カメラ
8a〜8c カメラ視野
10 移動体
13 空洞
14 下水管
101 3次元位置計測手段
102 路面状態計測手段
103 路面下探査手段
105 3次元位置/道路周辺・路面変状計測値データベース
106 路面下変状計測値データベース
107 路面下変状計測値補正機能
108 3次元座標付加機能
109 点群化機能
112 3次元情報統合機能
113 3次元統合情報データベース
114 可視化機能
115 図面化機能
116 過去診断3次元情報データベース
117 照合機能