特許第6381175号(P6381175)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381175
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】電気機器収納用箱の換気装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/013 20060101AFI20180820BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20180820BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   F24F7/013 101G
   F24F7/013 101F
   F24F7/007 Z
   H05K7/20 K
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-267844(P2012-267844)
(22)【出願日】2012年12月7日
(65)【公開番号】特開2014-114980(P2014-114980A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年10月21日
【審判番号】不服2017-7063(P2017-7063/J1)
【審判請求日】2017年5月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】特許業務法人なじま特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 範幸
(72)【発明者】
【氏名】松本 貴徳
【合議体】
【審判長】 田村 嘉章
【審判官】 窪田 治彦
【審判官】 莊司 英史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−238756(JP,A)
【文献】 特開2007−305885(JP,A)
【文献】 特開2003−64962(JP,A)
【文献】 特開2006−329507(JP,A)
【文献】 特開2004−342804(JP,A)
【文献】 特開2005−57213(JP,A)
【文献】 特開2011−206752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F7/007,7/013
H05K7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器収納用箱に備えられ、フィルタを内蔵した換気装置であって、
電気機器収納用箱の筐体本体に取り付けられるベース部と、該ベース部に形成されフィルタを収納するフィルタ収納部を有し、
前記ベース部を筐体に取り付けたままで、筐体の内側及び外側の双方からフィルタを着脱可能としたフィルタ着脱用の開口部を、該フィルタ収納部に形成し、フィルタ収納部に収納されたフィルタの脱落を防止するフィルタ脱落防止部材をベース部に対して着脱自在に備えたことを特徴とする電気機器収納用箱の換気装置。
【請求項2】
該フィルタ着脱用の開口部を、筐体の内側及び外側の双方から被覆して、フィルタ収納部に収納されたフィルタの脱落を防止するフィルタ脱落防止部材を、ベース部と着脱自在に備えることを特徴とする請求項1記載の電気機器収納用箱の換気装置。
【請求項3】
該ベース部は、筐体の内側の開口部周縁にフィルタ脱落防止片を備えることを特徴とする請求項2記載の電気機器収納用箱の換気装置。
【請求項4】
筐体の内側から被覆する該フィルタ脱落防止部材は、弾性変形可能なワイヤー状の部材であり、該フィルタ脱落防止片に係止されることを特徴とする請求項3記載の電気機器収納用箱の換気装置。
【請求項5】
該フィルタ着脱用の開口部を、筐体の内側及び外側の双方から被覆して、フィルタ収納部に収納されたフィルタの脱落を防止するフィルタ脱落防止部材を備え、該フィルタ脱落防止部材のうち、該フィルタ着脱用の開口部を筐体の内側から被覆するもの、あるいは、筐体の外側から被覆するものの少なくとも一方を、ベース部に回動可能に備えることを特徴とする請求項1記載の電気機器収納用箱の換気装置。
【請求項6】
該フィルタ着脱用の開口部を、筐体の内側及び外側の双方から被覆して、フィルタ収納部に収納されたフィルタの脱落を防止するフィルタ脱落防止部材を備え、該フィルタ脱落防止部材のうち、該フィルタ着脱用の開口部を筐体の内側から被覆するもの、あるいは、筐体の外側から被覆するものの少なくとも一方を、該換気装置の通風方向とは異なる方向から着脱自在に備えることを特徴とする請求項1記載の電気機器収納用箱の換気装置。
【請求項7】
該フィルタ着脱用の開口部を、筐体の内側及び外側の双方から被覆して、フィルタ収納部に収納されたフィルタの脱落を防止するフィルタ脱落防止部材を備え、該フィルタ脱落防止部材のうち、該フィルタ着脱用の開口部を筐体の内側から被覆するもの、あるいは、筐体の外側から被覆するものの少なくとも一方を、ベース部にスライド可能に備えることを特徴とする請求項1記載の電気機器収納用箱の換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器収納用箱の換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気機器収納用箱の筐体内を換気する換気装置としては、塵埃や雨等の筐体内への侵入を防止するためのフィルタを備えたもの(例えば、特許文献1〜3)が広く採用されている。これらのフィルタは、換気装置のメンテナンス時に交換可能なように、着脱自在に設けられている。
【0003】
従来、フィルタの着脱方向は、筐体外側(特許文献1)あるいは筐体内側(特許文献2、3)の何れか一方に限定されており、不都合であるという問題があった。具体的には、例えば、特許文献1のように筐体外側からのフィルタ着脱が予定されているものでは、筐体に遮光板が取り付けられ、この遮光板の内側に換気装置が設置されていると、筐体外側からのフィルタの着脱が困難であり、一方、特許文献2、3のように筐体内側からのフィルタ着脱が予定されているものでは、筐体内のスペース一杯に機器が搭載されている場合、筐体内側からのフィルタの着脱が困難である。このため、換気性能が同一であっても、フィルタの着脱方向が異なる2種類の製品を製造する必要があり、生産性の観点から好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4748710号公報
【特許文献2】特許第4730870号公報
【特許文献3】特許第4937187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は前記の問題を解決し、電気機器収納用箱に備えられ、フィルタを内蔵した換気装置において、フィルタの着脱作業を、筐体外側あるいは筐体内側の何れからも行える構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明の電気機器収納用箱の換気装置は、フィルタを内蔵した換気装置であって、該換気装置は、電気機器収納用箱の筐体本体に取り付けられるベース部と、該ベース部に形成されフィルタを収納するフィルタ収納部を有し、前記ベース部を筐体に取り付けたままで、筐体の内側及び外側の双方からフィルタを着脱可能としたフィルタ着脱用の開口部を、該フィルタ収納部に形成し、フィルタ収納部に収納されたフィルタの脱落を防止するフィルタ脱落防止部材をベース部に対して着脱自在に備えたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電気機器収納用箱の換気装置において、該フィルタ着脱用の開口部を、筐体の内側及び外側の双方から被覆して、フィルタ収納部に収納されたフィルタの脱落を防止するフィルタ脱落防止部材を、ベース部と着脱自在に備えることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の電気機器収納用箱の換気装置において、該ベースから延設したフィルタ脱落防止片を備えることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の電気機器収納用箱の換気装置において、筐体の内側から被覆する該フィルタ脱落防止部材は、弾性変形可能なワイヤー状の部材であり、該フィルタ脱落防止片に係止されることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の電気機器収納用箱の換気装置において、該フィルタ脱落防止部材のうち、該フィルタ着脱用の開口部を筐体の内側から被覆するもの、あるいは、筐体の外側から被覆するものの少なくとも一方を、ベース部に回動可能に備えることを特徴とするものである。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の電気機器収納用箱の換気装置において、該フィルタ脱落防止部材のうち、該フィルタ着脱用の開口部を筐体の内側から被覆するもの、あるいは、筐体の外側から被覆するものの少なくとも一方を、該換気装置の通風方向とは異なる方向から着脱自在に備えることを特徴とするものである。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の電気機器収納用箱の換気装置において、該フィルタ脱落防止部材のうち、該フィルタ着脱用の開口部を筐体の内側から被覆するもの、あるいは、筐体の外側から被覆するものの少なくとも一方を、ベース部にスライド可能に備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電気機器収納用箱の換気装置において、該換気装置を、電気機器収納用箱の筐体本体に取り付けられるベース部と、フィルタを収納するフィルタ収納部から構成し、前記ベース部を筐体に取り付けたままで、筐体の内側及び外側の双方からフィルタを着脱可能としたフィルタ着脱用の開口部を、該フィルタ収納部に形成することにより、フィルタの着脱作業を、筐体外側あるいは筐体内側の何れからも行うことが可能となる。すなわち、従来、フィルタの着脱方向ごとに2種類の製品を製造する必要があったところ、本発明によれば、1種類の製品に統合することができ、生産性の向上をはかることができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、フィルタ着脱用の開口部を、筐体の内側及び外側の双方から被覆して、フィルタ収納部に収納されたフィルタの脱落を防止するフィルタ脱落防止部材を、ベース部と着脱自在に備えることにより、不意にフィルタが筐体内側及び筐体外側に脱落することを防ぐことができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、ベースは、筐体の内側の開口部周縁にフィルタ脱落防止片を備えることにより、筐体の内側のフィルタ脱落防止部材とフィルタ脱落防止片の両方でフィルタを筐体の内側に脱落することを防止し、筐体の内側のフィルタ脱落防止部材を開口部から外した際に、誤ってフィルタが脱落し、内部機器へ落下することを防ぐことができる。
【0018】
筐体の内側から被覆するフィルタ脱落防止部材は、弾性変形可能なワイヤー状の部材であり、フィルタ脱落防止片に係止されることにより、簡易な構造で、工具を使用することなく容易にフィルタ着脱防止部材をベース部から着脱することができる。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、フィルタ脱落防止部材のうち、フィルタ着脱用の開口部を筐体の内側から被覆するもの、あるいは、筐体の外側から被覆するものの少なくとも一方を、ベース部に回動可能に備えることにより、フィルタの交換作業時には、フィルタ脱落防止部材を回動させるだけで、フィルタ着脱用の開口部を露出させることができ、作業性の向上を図ることができる。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、フィルタ脱落防止部材のうち、フィルタ着脱用の開口部を筐体の内側から被覆するもの、あるいは、筐体の外側から被覆するものの少なくとも一方を、該換気装置の通風方向とは異なる方向から着脱自在に備えることにより、筐体正面や筐体内部からのフィルタ着脱作業が困難な場合であっても、筐体の上下方向または左右方向からフィルタの着脱が可能となる。
【0021】
請求項7記載の発明によれば、フィルタ脱落防止部材のうち、フィルタ着脱用の開口部を筐体の内側から被覆するもの、あるいは、筐体の外側から被覆するものの少なくとも一方を、ベース部にスライド可能に備えることにより、フィルタの交換作業時には、フィルタ脱落防止部材をスライドさせるだけで、フィルタ着脱用の開口部を露出させることができ、作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態1の分解斜視図である。(筐体外側方向から見た図)
図2】実施形態1の分解斜視図である。(筐体内側方向から見た図)
図3】実施形態1の分解側面図である。
図4】実施形態1の断面図である。
図5】実施形態1の斜視図である。(筐体内側方向から見た図)
図6】実施形態2の分解斜視図である。(筐体内側方向から見た図)
図7】実施形態3の側面図である。
図8】実施形態3の側面図である。
図9】実施形態4の側面図である。
図10】実施形態6の側面図である。
図11】実施形態7の分解斜視図である。(筐体内側方向から見た図)
図12】実施形態7の側面図である。
図13】実施形態8の正面図である。(筐体内側方向から見た図)
図14】実施形態9の側面図である。
図15】実施形態9の全体斜視図である。
図16】実施形態10の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、電気機器収納用箱の換気装置において、該換気装置を、電気機器収納用箱の筐体本体に取り付けられるベース部と、該ベース部に形成されたフィルタを収納するフィルタ収納部から構成し、前記ベース部を筐体に取り付けたままで、筐体の内側及び外側の双方からフィルタを着脱可能としたフィルタ着脱用の開口部を、該フィルタ収納部に形成することにより、フィルタの着脱作業を、筐体外側あるいは筐体内側の何れからも行うことが可能としたものである。以下に本発明を構成する電気機器収納用箱の換気装置の好ましい実施形態(実施形態1〜10)を示す。
【0026】
(実施形態1)
実施形態1の電気機器収納用箱の換気装置は、図1図5に示すように、電気機器収納用箱の筐体6本体に取り付けられるベース部1と、フィルタ2を収納するフィルタ収納部3と、該フィルタ収納部3に形成されたフィルタ着脱用の開口部4と、該フィルタ着脱用の開口部4を、筐体6の内側及び外側の双方から被覆して、フィルタ収納部3に収納されたフィルタ2の脱落を防止するフィルタ脱落防止部材5から構成されている。本実施形態において、ベース部1は、フィルタ収納部3が筐体6の換気口に、筐体6の外側から嵌め込まれた後、ネジ7で固定されている。
【0027】
本実施形態において、換気装置の外形状は、四角型の形状としているが、筐体の換気口の形状に応じて、丸型等、他の形状とすることもできる。換気装置の材質は金属もしくは樹脂が好ましい。
【0028】
ベース部1は、凹状に形成されており、この凹状部の内側をフィルタ収納部3としている。
【0029】
フィルタ収納部3には、ベース部1を筐体6に取り付けたままで、筐体6の内側及び外側の双方からフィルタ2を着脱可能としたフィルタ着脱用の開口部4が形成されている。
【0030】
本実施形態では、ベース部1の中央部を開口して形成した通風口をフィルタ着脱用の開口部4として使用している。
【0031】
ベース部1には外側取付部8と内側取付部9が形成されている。
【0032】
外側取付部8は、ベース部1を筐体6に取り付けるため、および後述する外側フィルタ脱落防止部材51をベース部1に取り付けるために使用され、内側取付部9は、後述する内側フィルタ脱落防止部材52をベース部取付けるために使用される。
【0033】
外側取付部8は、図3に示すように、筐体1の側壁に当接して取り付けられる。本実施形態では、ネジ7によって取付けを行っているが、取付方法は特に限定されず、爪による取付等とすることもできる。
【0034】
内側取付部9は、図2に示すように、フィルタ着脱用の開口部4の周縁に形成されている。本実施形態では、内側取付部9は、フィルタ着脱用の内側開口部42をフィルタ着脱用の外側開口部41に比べて狭めるフィルタ脱落防止片37であり、フィルタ脱落防止片37は、フィルタ着脱用の内側開口部42の周縁に凹状部側面38より略垂直に突出形成されている。フィルタを筐体の内側から着脱する場合は、フィルタを変形させてフィルタ着脱用の内側開口部42を通過させる必要がある。このように、フィルタ脱落防止片を備えることにより、筐体の内側のフィルタ脱落防止部材とフィルタ脱落防止片の両方でフィルタを筐体の内側に脱落することを防止し、筐体の内側のフィルタ脱落防止部材を開口部から外した際に、誤ってフィルタが脱落し、内部機器へ落下することを防ぐことができる。また、フィルタ脱落防止片37は凹状部側面38のうち上下方向もしくは左右方向からのみ形成されるものでもよく、形状は突片状でもよい。
【0035】
本実施形態はベース部1を筐体6の外側から換気口に嵌め込んで取り付ける構造としたが、ベース部1を筐体6の内側から嵌め込んで取り付け、ベース部1の筐体内側及び外側のそれぞれにフィルタ脱落防止部材を取り付ける構造とすることもできる。
【0036】
フィルタ脱落防止部材5は、筐体6の外側に取り付ける外側フィルタ脱落防止部材51と、筐体6の内側に取り付ける内側フィルタ脱落防止部材52から構成され、何れも、ベース部1に着脱可能に取り付けられる。
【0037】
外側フィルタ脱落防止部材51は、前後方向に通風させる通風口10を備え、ガラリ形状をした外側ルーバカバー11とサブルーバカバー12より構成され、爪部34及びネジ7によってベース部1の外側取付部8に取り付けられている。取付方法は、着脱自在であれば特に限定されず、例えばネジのみによる取付方法も可能である。また、防塵・防水性能を高めるために上記の2重構造のルーバとしたが、これに限定されず、1枚のルーバや、ルーバではなく通風口を有するフィルタ脱落防止部材でもよい。
【0038】
内側フィルタ脱落防止部材52は、弾性変形可能なワイヤー状の部材であり、凹状部側面38に当接する凹状部当接部39、フィルタ脱落防止片37に当接するフィルタ脱落防止片係止部40、フィルタ着脱用の内側開口部42からのフィルタの脱落を防止するフィルタ脱落防止部13及び開放部43より構成される。また、内側フィルタ脱落防止部材52は、開放部43により簡単に撓ませることができ、撓ませた内側フィルタ脱落防止部材52をフィルタ着脱用の内側開口部42に通過させ、凹状部当接部39が凹状部側面38に当接し、フィルタ脱落防止片係止部40がフィルタ脱落防止片37に係止されることによって、内側フィルタ脱落防止部材52がベース部1に取り付けられる。形状は図1、2に示すように凹凸状に折り曲げ形成したものに限定されず、例えば多角形状や棒状に形成したものなどでもよい。このように、簡易な構造で、工具を使用することなく容易に内側フィルタ着脱防止部材をベース部から着脱することができる。
【0039】
上記実施形態によれば、筐体6に遮光板が取り付けられ、この遮光板の内側に換気装置が設置されていて筐体外側からのフィルタの着脱が困難である場合には、筐体内側から内側フィルタ脱落防止部材52を取り外し、ベース部1のフィルタ着脱用の開口部4からフィルタ2を着脱することができる。また、筐体内のスペース一杯に機器が搭載されていて、筐体内側からのフィルタの着脱が困難である場合には、筐体外側から外側フィルタ脱落防止部材51を取り外し、ベース部1のフィルタ着脱用の開口部4からフィルタ2を着脱することができる。
【0040】
(実施形態2)
上記実施形態1では、内側取付部9はフィルタ脱落防止片37であり、内側フィルタ脱落防止部材52は、弾性変形可能なワイヤー状の部材であり、フィルタ脱落防止片に係止されることによってベース部1に取り付けられるが、図6に示す実施形態2では、内側取付部9は、ネジ7及び爪部35により内側フィルタ脱落防止部材52を取り付けることが可能である。他の基本構成は実施形態1と同様である。
【0041】
内側取付部9は、図6に示すように、フィルタ着脱用の開口部4の周縁に形成されている。本実施形態は、内側フィルタ脱落防止部材52はネジ7及び爪部35によってベース部1に取り付けられるが、取付方法は着脱自在であれば特に限定されず、例えばネジのみによる取付方法も可能である。
【0042】
内側フィルタ脱落防止部材52は、前後方向に通風させる通風口10を有する板状部材からなり、爪部35及びネジ7ねじによってベース部1の内側取付部9に取り付けられている。内側フィルタ脱落防止部材52の通風口10には、通風口10からのフィルタ2の脱落を防止すべく、十字形状のフィルタ脱落防止部13を設けている。フィルタ脱落防止部13の形状は、十字形状に限定されず、その他、三角形状やスリット形状など如何なる形状でもよい。
【0043】
(実施形態3)
上記実施形態2では、内側フィルタ脱落防止部材52は、爪部35及びネジ7によってベース部1の内側取付部9に取り付けられていたが、図7、8に示す実施形態3では、ベース部1に回動可能に取り付けられている。このように、内側フィルタ脱落防止部材52をベース部1に回動可能に備えることにより、筐体6の内側からフィルタ2の着脱を行う際には、内側フィルタ脱落防止部材52を回動させるだけで、フィルタ着脱用の開口部4を露出させてフィルタ2を着脱することができる。他の基本構成は実施形態2と同様である。
【0044】
回動構造は特に限定されないが、本実施形態では、ベース部1の下端部に回動軸部14と当接部16を形成し、内側フィルタ脱落防止部材52の下端部に開口端部36を有する切欠状の長孔部15を形成し、回動軸部14を長孔部15に沿って回動摺動自在かつ着脱自在に軸支している。内側フィルタ脱落防止部材52は自重により回動する。内側フィルタ脱落防止部材52は当接部16に当接して保持される。長孔部15には、回動軸部14が勘合する凹状の規制部17が形成され、回動軸部14が規制部17に位置した状態では、内側フィルタ脱落防止部材52がベース部1に対し、鋭角に保持される構造としている。
【0045】
本実施形態では、外側フィルタ脱落防止部材51は実施形態1と同様に着脱自在に形成しているが、内側フィルタ脱落防止部材52と同様に回動可能に形成することもできる。また、回動の方向も、特に限定されず、回動軸部14をベース部1の上端部に設け、長孔部15を内側フィルタ脱落防止部材52の上端部に設けて、上記実施形態とは反対方向に回動させることもできる。
【0046】
(実施形態4)
実施形態4では、図9に示すように、凹状に形成されたベース部1の凹状部上面18から背面上端部19に亘ってフィルタ着脱用の開口部4を形成している。上記実施形態1、2、3では、何れも、フィルタ2は、該換気装置の通風方向の向きから着脱される構造となっているが、実施形態3では、前記位置にフィルタ着脱用の開口部4を形成することにより、フィルタ2の着脱を、上方向から行うことができる。当該構造は、スペースの制約により、筐体正面や筐体内部からのフィルタ着脱作業が困難な場合に有効である。
【0047】
このフィルタ着脱用の開口部4は、内側フィルタ脱落防止部材52で被覆されている。本実施形態の内側フィルタ脱落防止部材52は通風方向を塞ぐ位置には配置されないため、通風口は有さない。
【0048】
なお、ベース部1が凹状に形成されており、この凹状部の内側をフィルタ収納部3としている点、および、ベース部1の中央部を開口して通風口を形成している点は上記実施形態1、2と同様であるが、本実施形態では、上記実施形態1、2、3のようにベース部1の中央部を開口して形成した通風口をフィルタ着脱用の開口部としては使用せず、この通風口には、通風口からのフィルタ2の脱落を防止すべく、十字形状のフィルタ脱落防止部20を設けている。フィルタ脱落防止部20の形状は、十字形状に限定されず、その他、三角形状やスリット形状など如何なる形状でもよい。
【0049】
(実施形態5)
上記実施形態4では、凹状に形成されたベース部1の凹状部上面18から背面上端部19に亘ってフィルタ着脱用の開口部4を形成して、フィルタ2の着脱を上方向から行えるようにしたが、他の実施形態として、凹状に形成されたベース部1の凹状部側面から背面に亘ってフィルタ着脱用の開口部を形成して、フィルタの着脱を横方向から行えるようにすることもできる。当該構造も、実施形態4同様、スペースの制約により、筐体正面や筐体内部からのフィルタ着脱作業が困難な場合に有効である。
【0050】
(実施形態6)
上記実施形態1〜5では、ベース部1のフィルタ収納部3を筐体6の換気口に嵌め込んで固定しているが、実施形態6では、図10に示すように、ベース部1全体を筐体6の外側に配置している。
【0051】
ベース部1を、凹状に形成し、この凹状部の内側をフィルタ収納部3としている点、および、ベース部1の中央部を開口して形成した通風口21をフィルタ着脱用の開口部4として使用している点は実施形態1、2、3と同様であるが、本実施形態では、通風口21の周縁の凹状部背面22を、筐体1の側壁に当接させてベース部1を固定している。
【0052】
(実施形態7)
上記実施形態1〜6では、ベース部1を、凹状に形成し、この凹状部の内側をフィルタ収納部3としているが、実施形態7では、図11、12に示すように、外側フィルタ脱落防止部材51および内側フィルタ脱落防止部材52の裏面にフィルタ収納部3を形成し、片方もしくは双方のフィルタ収納部3で、フィルタ2を挟み込むようにして保持している。
【0053】
(実施形態8)
上記実施形態3では、内側フィルタ脱落防止部材52を、ベース部1に回動可能に取り付けて、筐体6の内側からフィルタ2の着脱を行う際には、内側フィルタ脱落防止部材52を取り外すことなく回動させるだけで、フィルタ着脱用の開口部4を露出させてフィルタ2を着脱することができるようにしたが、実施形態8では、図13に示すように、内側フィルタ脱落防止部材52を、ベース部1にスライド可能に取り付けて、筐体6の内側からフィルタ2の着脱を行う際には、内側フィルタ脱落防止部材52を取り外すことなくスライドさせるだけで、フィルタ着脱用の開口部4を露出させてフィルタ2を着脱することができるようにしている。他の基本構成は実施形態1と同様である。
【0054】
スライド構造は特に限定されないが、本実施形態では、ベース部1にスライド案内長孔部23を形成し、内側フィルタ脱落防止部材52にスライド軸部24を形成し、スライド軸部24をスライド案内長孔部23に沿ってスライド自在に軸支している。
【0055】
本実施形態では、外側フィルタ脱落防止部材51は実施形態1と同様に着脱自在に形成しているが、内側フィルタ脱落防止部材52と同様にスライド可能に形成することもできる。また、スライドの方向も、特に限定されない。
【0056】
(実施形態9)
上記実施形態1〜6、8では、ベース部1を、凹状に形成し、この凹状部の内側をフィルタ収納部3としているが、実施形態8では、図14、15に示すように、独立したフィルタ収納部3を、ベース部1と回動可能に備え、フィルタ2の着脱を行う際には、フィルタ収納部3をベース部1から引き出して作業を行うことができる構造としている。
【0057】
ベース部1は、前後方向に通風口を設けたボックス形状を有し、筐体6の換気口に、嵌め込まれている。
【0058】
フィルタ収納部3は、ボックス形状を有し、上面にフィルタ着脱用の開口部4となる開口部が形成されている。当該構造によれば、フィルタ収納部3を前後に回動させるだけで、フィルタ着脱用の開口部4を露出させてフィルタ2を着脱することができる。
【0059】
フィルタ収納部の前後方向に通風口10が形成され、この通風口には、通風口からのフィルタ2の脱落を防止すべく、スリット形状のフィルタ脱落防止部20を設けている。フィルタ脱落防止部20の形状は、スリット形状に限定されず、その他、三角形状や十字形状など如何なる形状でもよい。
【0060】
回動構造は特に限定されないが、本実施形態では、フィルタ収納部3の下端部に回動軸部25と突部26を形成し、ベース部1の下端部に回動軸受け部(図示しない)と回動案内部27を形成し、突部26を回動案内部27に沿って回動可能に保持している。
【0061】
ベース部1の上端部には、フィルタ収納部3の回動を規制する可動規制部28を設けている。フィルタ収納部3をベース部1から引き出す際には、引出方向に位置する可動規制部28を上方に回動移動させる。
【0062】
フィルタ収納部3をベース部1内に保持する際には、フィルタ収納部3の側面に形成した係止突起29を、ベース部1の側面に形成した係止孔30に係止させた上で、可動規制部28を下方に回動移動させて、フィルタ収納部3の回動を確実に規制することができる。
【0063】
(実施形態10)
上記実施形態9では、独立したフィルタ収納部3を、ベース部1と回動可能に備え、フィルタ収納部3を前後に回動させるだけで、フィルタ収納部3の上面に設けたフィルタ着脱用の開口部4を露出させてフィルタ2を着脱することができる構造にしたが、実施形態9では、図16に示すように、独立したフィルタ収納部3を、ベース部1にスライド可能に取り付け、フィルタ2の着脱を行う際には、フィルタ収納部3を前後にスライドさせるだけで、フィルタ着脱用の開口部4を露出させてフィルタ2を着脱することができるようにしている。
【0064】
本実施形態では、ベース部1の側面にスライド案内部31を形成し、フィルタ収納部3の側面にスライド軸部32を形成し、スライド軸部32をスライド案内部31に沿って前後方向でスライド自在に軸支している。
【0065】
ベース部1の上端部には、フィルタ収納部3のスライドを規制する可動規制部33を設けている。フィルタ収納部3をベース部1から引き出す際には、引出方向に位置する可動規制部33を上方に回動移動させる。
【0066】
フィルタ収納部3をベース部1内に保持する際には、フィルタ収納部3の側面に形成した係止突起29を、ベース部1の側面に形成した係止孔30に係止させた上で、可動規制部33を下方に回動移動させて、フィルタ収納部3のスライドを確実に規制することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 ベース部
2 フィルタ
3 フィルタ収納部
4 フィルタ着脱用の開口部
41 フィルタ着脱用の外側開口部
42 フィルタ着脱用の内側開口部
5 フィルタ脱落防止部材
51 外側フィルタ脱落防止部材
52 内側フィルタ脱落防止部材
6 筐体
7 ネジ
8 外側取付部
9 内側取付部
10 通風口
11 外側ルーバカバー
12 サブルーバカバー
13 フィルタ脱落防止部
14 回動軸部
15 長孔部
16 当接部
17 規制部
18 凹状部上面
19 凹状部背面上端部
20 フィルタ脱落防止部
21 通風口
22 凹状部背面
23 スライド案内長孔部
24 スライド軸部
25 回動軸部
26 突部
27 回動案内部
28 可動規制部
29 係止突起
30 係止孔
31 スライド案内部
32 スライド軸部
33 可動規制部
34 爪部
35 爪部
36 開口端部
37 フィルタ脱落防止片
38 凹状部側面
39 凹状部当接部
40 フィルタ脱落防止片係止部
43 開放部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16