(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
<燃料タンク>
まず、本実施形態に係る燃料タンク用ダムが適用される燃料タンクの構造について説明する。
図1は、航空機の主翼70を示す概略図である。
図1に示されるように、主翼70の外形は、スキン3によって規定されている。主翼70内には、燃料タンク61(61−1、61−2)が設けられている。また、主翼70内には、リブ2が設けられており、リブ2によって燃料タンク61−1と燃料タンク61−2とが分けられている。
【0018】
図2Aは、リブ2とスキン3の接合部分の一部を正面から見たときの図である。また、
図2Bは、
図2AのAA断面を示す図である。
図2A及び
図2Bに示されるように、スキン3には、強度を高める為に、ストリンガ1が接合されている。ストリンガ1は、第1方向(主翼70の長手方向)に沿って伸びている(
図2B参照)。
【0019】
一方、リブ2は、第1方向に垂直な平面に沿って配置されている。また、リブ2の端部には、切り欠き部5が設けられている。ストリンガ1は、切り欠き部5を通るように配置されている。
【0020】
ここで、
図2Aに示されるように、切り欠き部5において、ストリンガ1(第1構造部品又は第2構造部品)とリブ2(第2構造部品又は第1構造部品)との間には、隙間4が形成される。本実施形態に係る燃料タンク用ダムは、この隙間4を閉塞する為に用いられる。
【0021】
<燃料タンク用ダム>
続いて、燃料タンク用ダムの構造について説明する。
図3は、燃料タンク用ダム7を示す斜視図である。また、
図4は、燃料タンク用ダム7を示す正面図であり、燃料タンク用ダム7を第1方向に沿う方向から見た場合の図である。尚、
図4には、参考の為、ストリンガ1及びリブ2の外形が点線により示されている。
【0022】
図3に示されるように、燃料タンク用ダム7は、第1部分8、第2部分9、弾性部材10、及びシール機構13(13−1、13−2)を有している。第1部分8は、ストリンガ1に固定(接合)される部分である。第2部分9は、リブ2に固定(接合)される部分である。弾性部材10は、一端で第1部分8に挟まれることにより支持され、他端で第2部分9に挟まれることにより支持されている。弾性部材10により、第1部分8と第2部分9との間に形成される隙間が、閉塞されている。シール機構13−1は、第1部分8と弾性部材10との間をシールしている。シール機構13−2は、第2部分9と弾性部材10との間をシールしている。
【0023】
この燃料タンク用ダム7は、
図4に示されるように、第1部分8でストリンガ1を覆うように、ストリンガ1に固定される。第1部分8は、例えば、シーラントを介して、ストリンガ1に接着される。また、第2部分9は、リブ2に固定される。第2部分9も、例えば、シーラントを介して、リブ2に接着される。ここで、第1部分8と第2部分9との間は、弾性部材10により閉塞されている。これにより、ストリンガ1とリブ2との間の隙間4が閉塞される。尚、詳細については後述の実施形態で説明するが、他の隙間部分については、シーラントやアダプタなどを用いて閉塞される。
【0024】
各構造部品(ストリンガ1、リブ2)は、変形する場合がある。変形の結果、燃料タンク用ダム7に荷重が加わる。荷重により、燃料タンク用ダム7と各構造部品(ストリンガ1、リブ2)との間の接合面が、破壊されてしまう可能性がある。しかしながら、上述のような構成によれば、第1部分8と第2部分9との間に弾性部材10が設けられているため、燃料タンク用ダム7に加わる荷重が吸収され、接合面の破壊が防止される。
【0025】
加えて、本実施形態に係る燃料タンク用ダム7には、シール機構13−1が設けられている。これにより、弾性部材10と第1部分8との間のシール性が、単に弾性部材10が第1部分8により挟まれている場合よりも、高められている。弾性部材10と第2部分9との間のシール性についても、同様である。すなわち、燃料タンク用ダム7のシール性がより高められている。
【0026】
続いて、各部分の構成について詳細に説明する。
【0027】
第1部分8は、
図4に示されるように、正面から見た場合にストリンガ1を覆うように、曲がっている。また、
図3に示されるように、第1部分8は、第1部材11−1及び第2部材12−1を備えている。第1部材11−1は、下面でストリンガ1に接合される部分であり、概ね板状である。第2部材12−1は、第1部材11−1の上面上に配置され、概ね板状である。第1部材11−1と第2部材12−1とは、例えば、シーラントを介して接合される。ここで、第1部材11−1と第2部材12−1とは、弾性部材10の一端を挟むことにより、弾性部材10を支持している。
【0028】
一方、第2部分9は、
図4に示されるように、正面から見た場合に、弾性部材10により閉塞される隙間を介して第1部分8を取り囲むような形状を有している。
図3に示されるように、第2部分9も、第1部分8と同様に、第1部材11−2及び第2部材12−2を有している。第1部材11−2は、概ね板状であり、下面でリブ2に接合される。第2部材12−2も概ね板状であり、第1部材11−2上に配置されている。第1部材11−2と第2部材12−2とによって、弾性部材10の他端が挟まれ、支持されている。
【0029】
尚、第1部材11−1と第1部材11−2とは、正面から見た場合における端部(
図4参照)において連続しており、全体として一つの部材になっている。同様に、第2部材12−1と第2部材12−2とも、正面から見た場合における端部において連続しており、全体として一つの部材になっている。すなわち、この燃料タンク用ダム7は、第1部材11(11−1、11−2)と第2部材12(12−1、12−2)との間に弾性部材10が挟まれた構造を有しており、3層構造を有している。
【0030】
続いて、シール機構13(13−1、13−2)について説明する。
図5は、シール機構13(13−1、13−2)を示す概略図である。
【0031】
シール機構13−1は、弾性部材10の一端、及び第1部分8の一部より形成されている。同様に、シール機構13−2は、弾性部材10の他端、及び第2部分9の一部により形成されている。
【0032】
シール機構13−1は、弾性部材10の一端に設けられたリップシール部15−1を有している。リップシール部15−1は、第1リップシール部分19−1及び第2リップシール部分20−1を備えている。第1リップシール部分19−1及び第2リップシール部分20−1は、第1部分8の一部を挟んでいる。
【0033】
具体的には、シール機構13−1は、リップシール部15−1に加え、押さえ部14−1、第1延在部16−1、第2延在部17−1、及び第3延在部18−1を備えている。
【0034】
押さえ部14−1は、第1部材11−1の一部であり、第1部材11−1の上面(ストリンガ1との接合面の反対側の面)から第2部分側に向かって突き出るように伸びている。
【0035】
第1延在部16−1は、第2部材12−1に設けられている。ここで、第2部材12−1には、第1部材11−1に接触する部分(接触部21−1)が設けられている。第1延在部16−1は、接触部21−1の端部から、第1部材11−1(詳細には押さえ部14−1)との間に空間が形成されるように、伸びている。詳細には、第1延在部16−1は、第1部材11−1(押さえ部14−1)に対向するように伸びている。
【0036】
第2延在部17−1は、第1延在部16−1から第1部材11−1側に伸びている。上述の第1リップシール部分19−1及び第2リップシール部分20−1は、この第2延在部17−1を挟んでいる。
【0037】
第3延在部18−1は、第2延在部17−1よりも先端側において、第1延在部16−1から第1部材11−1側に向かって伸びている。弾性部材10の一端(リップシール部15−1の根元部分)は、この第3延在部18−1と押さえ部14−1とによって挟まれ、支持されている。
【0038】
尚、第3延在部18−1は、必ずしも設けられている必要はない。
【0039】
尚、シール機構13−2も、シール機構13−1と同様の構成を有している。すなわち、シール機構13−2は、リップシール部15−2、押さえ部14−2、第1延在部16−2、第2延在部17−2、及び第3延在部18−2を備えている。第2部材12−2には接触部21−2が設けられており、第1延在部16−2は、この接触部21−2から第1部材11−2(押さえ部14−2)との間に空間が形成されるように伸びている。リップシール部15−2は、第1リップシール部分19−2及び第2リップシール部分20−2を有している。第2延在部17−2は、第1リップシール部分19−2及び第2リップシール部分20−2によって挟まれている。第3延在部18−2と押さえ部14−2とは、弾性部材10の他端を挟み、支持している。
【0040】
上述のような構成を採用すれば、リップシール部15(15−1、15−2)が、第2延在部17(17−1、17−2)を挟んでいるため、高いシール性を得ることができる。燃料タンク用ダム7は、例えば、燃料タンク同士の境界部分に配置される場合がある。このような場合、燃料タンク用ダム7の両側において、圧力差が生じる場合がある。その結果、弾性部材10に対し、シール面を剥離させるような方向に、力が加わる場合がある。しかしながら、本実施形態によれば、リップシール部15(15−1、15−2)が第2延在部17(17−1、17−2)を挟んでいる。そのため、第1リップシール部分19(19−1、19−2)及び第2リップシール部分20(20−1、20−2)の一方に、第2延在部17(17−1、17−2)から剥離させるような力が加わった場合であっても、他方のリップシール部分には、第2延在部17(17−1、17−2)側へ押すような力が働くことになる。そのため、燃料タンク用ダム7の両側における圧力差に関わらず、シール機能を維持することができる。
【0041】
また、シール機能を実現する為に、弾性部材10と第1部分8(若しくは第2部分9)との間に、シーラント(接着剤)などを適用することも考えられる。本実施形態においても、弾性部材10の端部と第1部分8(若しくは第2部分9)との間に、シーラントが適用されてもよい。但し、シーラントの種類によっては、燃料タンクの内部が汚染される可能性がある。本実施形態では、リップシール部15(15−1、15−2)が設けられているため、シーラントを用いなくてもシール機能を実現することができ、燃料タンクの汚染を防止することができる。
【0042】
<各部分の構成材料>
続いて、燃料タンク用ダム7の構成材料について説明する。
【0043】
弾性部材10としては、例えば、ゴム材を用いることができる。ゴム材としては、例えば、フルオロシリコーンゴム、NBR(Nitrile butadiene rubber)、ヒドリンゴム、水素化ニトリルゴム、及びその他の一般的なゴムなどを用いることができる。
【0044】
第1部材11(11−1、11−2)及び第2部材12(12−1、12−2)としては、例えば、プラスチック材料を用いることができる。そのようなプラスチック材料としては、例えば、ナイロン、超高分子量ポリエチレン、及びポリアセタールなどを用いることができる。
【0045】
各部材や部品間に用いられるシーラントとしては、例えば、ポリサルファイド系シーラント、その他の一般的なシーラントを用いることができる。
【0046】
<変形例>
続いて、本実施形態の変形例について説明する。上述の実施形態では、第2部材12(12−1、12−2)側に、第1延在部16(16−1、16−2)、第2延在部17(17−1、17−2)、及び第3延在部18(18−1、18−2)が設けられている場合について説明した。但し、これらの構成は、第2部材12(12−1、12−2)側ではなく、第1部材11(11−1、11−2)側に設けられていてもよい。本変形例では、第1部材11(11−1、11−2)側に、第1延在部16(16−1、16−2)、第2延在部17(17−1、17−2)、及び第3延在部18(18−1、18−2)が設けられている場合の例について説明する。
【0047】
図6は、本変形例に係る燃料タンク用ダムのシール機構13部分を示す概略図である。尚、以下の説明では、説明の簡略化のため、シール機構13−1と13−2とを区別せず、シール機構13として説明する。第1延在部16(16−1、16−2)、及び第2延在部17(17−1、17−2)などについても、同様である。
【0048】
図6に示されるように、本変形例では、第2部材12ではなく、第1部材11側に、第1延在部16、第2延在部17、及び第3延在部18が設けられている。第1延在部16は、第1部材11における第2部材12との接触部分(接触部21)から、第2部材12に対向するように伸びている。第1延在部16と第2部材12との間には、空間が形成されている。
【0049】
第2延在部17は、第1延在部16から第2部材12側に向かって伸びている。既述の実施形態と同様に、第1リップシール部分19及び第2リップシール部分20は、この第2延在部17を挟んでいる。
【0050】
第3延在部18は、第2延在部17よりも先端側において、第1延在部16から第2部材12側に向かって伸びている。弾性部材10の端部は、この第3延在部18と第2部材12とによって、挟まれ、支持されている。
【0051】
その他の点については、上述の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0052】
本変形例のような構成を採用した場合であっても、上述の実施形態と同様に、高いシール性を得ることが可能である。
【0053】
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態から、シール機構13の構成が変更されている。その他の点については、第1の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明については省略する。
【0054】
図7は、本実施形態に係るシール機構13を示す概略図である。
図7に示されるように、シール機構13は、第1延在部16、及び第2延在部17を備えている。但し、第3延在部18(
図5参照)は、設けられていない。第1リップシール部分19と第2リップシール部分20とは、第2延在部17を挟んでいる。また、弾性部材10は、第1リップシール部分19と第2リップシール部分20との間において、第2延在部17と第1部材11とによって挟まれ、支持されている。
【0055】
本実施形態のように、第3延在部18が設けられていない場合であっても、リップシール部15により、高いシール性を得ることは可能である。
【0056】
尚、本実施形態においても、第1の実施形態の変形例と同様に、第2部材12側ではなく、第1部材11側に、第1延在部16及び第2延在部17が設けられていてもよい。
【0057】
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第2の実施形態から、シール機構13の構成が変更されている。その他の点については、第2の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明については省略する。
【0058】
図8は、本実施形態に係るシール機構13を示す概略図である。
図8に示されるように、本実施形態では、シール機構13に、支え部22が追加されている。
【0059】
本実施形態において、第1リップシール部分19は、第1延在部16と第1部材11との間に形成される空間24において、第2延在部17よりも内側に配置されている。一方、第2リップシール部分20は、第2延在部17の外側に配置されており、第1リップシール部分19との間で第2延在部17を挟んでいる。
【0060】
支え部22は、弾性部材10の一部である。支え部22は、第1リップシール部分19と空間24の壁面との間に配置されている。この支え部22により、第1リップシール部分19は、第2延在部17に押し付けられている。
【0061】
本実施形態によれば、支え部22により、第1リップシール部分19が第2延在部17に押し付けられているため、第1リップシール部分19と第2延在部17との間をより確実にシールすることができる。これにより、第1リップシール部分19が第2延在部17から剥離しにくくなり、シール性がより高められる。
【0062】
尚、本実施形態においても、第1の実施形態の変形例と同様に、第2部材12側ではなく、第1部材11側に、第1延在部16及び第2延在部17が設けられていてもよい。
【0063】
また、第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、第3延在部18(
図5参照)が追加されていてもよい。
【0064】
(第4の実施形態)
続いて、第4の実施形態について説明する。本実施形態では、第3の実施形態から、シール機構13の構成が変更されている。その他の点については、第3の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明については省略する。
【0065】
図9は、本実施形態に係るシール機構13を示す概略図である。
図9に示されるように、本実施形態では、第3の実施形態から、第2リップシール部分20(
図8参照)が削除されている。すなわち、弾性部材10には、シール部23(第3の実施形態における第1リップシール部分19に対応)、及び支え部22が設けられている。シール部23及び支え部22は、第1延在部16と第1部材11との間の空間24内において、第2延在部17の内側に配置されている。支え部22は、シール部23が第2延在部17に押し付けられるように、シール部23と空間24の壁面との間に配置されている。
【0066】
本変形例のような構成を採用すれば、支え部22が設けられているため、シール部23を第2延在部17に押し付けることができる。そのため、第2リップシール部分20が存在しなくても、シール性を高めることが可能である。
【0067】
尚、本実施形態においても、第1の実施形態の変形例と同様に、第2部材12側ではなく、第1部材11側に、第1延在部16及び第2延在部17が設けられていてもよい。
【0068】
また、第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、第3延在部18(
図5参照)が追加されていてもよい。
【0069】
(第5の実施形態)
続いて、第5の実施形態について説明する。本実施形態では、第3の実施形態から、支え部22の構成が変更されている。その他の点については、第3の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明については省略する。
【0070】
図10は、本実施形態に係るシール機構13を示す概略図である。本実施形態では、支え部22が、弾性部材10とは別に設けられた支え部材25を有している。支え部材25は、空間24内に配置されている。支え部材25は、例えばゴムなどの弾性体である。支え部材25は、第1リップシール部分19が第2延在部17に押し付けられるように、第1リップシール部分19と空間24の壁面との間に配置されている。
【0071】
本変形例のような構成を採用しても、支え部材25が設けられているため、第1リップシール部分19を第2延在部17に押し付けることができ、シール性をより高めることができる。
【0072】
尚、本実施形態においても、第1の実施形態の変形例と同様に、第2部材12側ではなく、第1部材11側に、第1延在部16及び第2延在部17が設けられていてもよい。
【0073】
また、第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、第3延在部18(
図5参照)が追加されていてもよい。
【0074】
更に、第4の実施形態と同様に、第2リップシール部分20が削除されていてもよい。
【0075】
(第6の実施形態)
続いて、第6の実施形態について説明する。本実施形態では、第3の実施形態から、支え部22の構成が変更されている。その他の点については、第3の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明については省略する。
【0076】
図11は、本実施形態に係るシール機構13を示す概略図である。本実施形態では、支え部22が、例えば硬化型シーラントなどにより構成される、シーラント部26を有している。シーラント部26は、第1リップシール部分19と空間24の壁面との間に充填されている。これにより、第1リップシール部分19が第2延在部17に押し付けられている。
【0077】
本変形例のような構成を採用しても、シーラント部26が設けられているため、第1リップシール部分19を第2延在部17に押し付けることができ、シール性をより高めることができる。
【0078】
尚、本実施形態においても、第1の実施形態の変形例と同様に、第2部材12側ではなく、第1部材11側に、第1延在部16及び第2延在部17が設けられていてもよい。
【0079】
また、第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、第3延在部18(
図5参照)が追加されていてもよい。
【0080】
更に、第4の実施形態と同様に、第2リップシール部分20が削除されていてもよい。
【0081】
(第7の実施形態)
続いて、第7の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態から、シール機構13の構成が変更されている。その他の点については、第1の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明については省略する。
【0082】
図12は、本実施形態に係るシール機構13を示す概略図である。
図12に示されるように、シール機構13は、第1延在部16、第2延在部17、および圧縮部27を有している。第1延在部16は、第2部材12に設けられている。第1延在部16は、第1部材11との接触部分(接触部21)から、第1部材11との間に空間24が形成されるように伸びている。第2延在部17は、第1延在部16から第1部材11側に向かって伸びている。圧縮部27は、弾性部材10の一端に設けられており、弾性部材10における他の部分よりも膨らんでいる。圧縮部27は、延在部16と第1部材11とによって挟まれることにより、圧縮されている。
【0083】
本実施形態によれば、圧縮部27が設けられているため、弾性部材10と各部分(第1部分8、第2部分9)との間のシール性を高めることができ、燃料タンク用ダム7のシール性を高めることができる。
【0084】
尚、本実施形態においても、第1の実施形態の変形例と同様に、第1延在部16及び第2延在部17は、第2部材12側ではなく、第1部材11側に設けられていてもよい。
【0085】
(第8の実施形態)
続いて、第8の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態から、シール機構13の構成が変更されている。その他の点については、第1の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明については省略する。
【0086】
図13は、本実施形態に係るシール機構13を示す概略図である。
図12に示されるように、シール機構13は、第1延在部16、第2延在部17、および圧縮部材28を有している。第1延在部16は、第2部材12に設けられている。第1延在部16は、第1部材11との接触部分(接触部21)から、第1部材11との間に空間24が形成されるように伸びている。第2延在部17は、第1延在部16から第1部材11側に向かって伸びている。
【0087】
圧縮部材28は、例えば、ゴム製のOリングなどにより構成され、空間24内に配置されている。また、弾性部材10の一端は、空間24内に配置されている。圧縮部材28は、弾性部材10の一端と第1延在部16との間に圧縮されて配置されている。弾性部材10の一端は、圧縮部材28を介して、第1部材11と第2部材12とによって挟まれている。
【0088】
本実施形態のような構成を採用した場合であっても、圧縮部材28が設けられているため、弾性部材10の両端部におけるシール性を高めることができ、燃料タンク用ダム7のシール性を高めることができる。
【0089】
尚、本実施形態においても、第1の実施形態の変形例と同様に、第1延在部16及び第2延在部17は、第2部材12側ではなく、第1部材11側に設けられていてもよい。
【0090】
(第9の実施形態)
続いて、第9の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態から、シール機構13の構成が変更されている。その他の点については、第1の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明については省略する。
【0091】
図14は、本実施形態に係るシール機構13を示す概略図である。シール機構13は、凹部29、凹部30、第1シーラント部31、及び第2シーラント部32を有している。凹部30は、第1部材11の上面に設けられている。凹部29は、第2部材12の下面に設けられている。凹部30及び凹部29は、いずれも、弾性部材10を挟む部分に設けられている。第1シーラント部31は、凹部30に充填されている。第1シーラント部31により、弾性部材10と第1部材11との間がシールされている。第2シーラント部32は、凹部29に充填されている。第2シーラント部32により、弾性部材10と第2部材12との間がシールされている。
【0092】
本実施形態によれば、第1シーラント部31及び第2シーラント部32の2箇所で、弾性部材10と各部分(第1部分8、第2部分9)との間がシールされる。従って、燃料タンク用ダム7のシール性を高めることができる。
【0093】
尚、第1シーラント部31及び第2シーラント部32に用いられるシーラントとしては、硬化型または非硬化型のシーラントが用いられる。たとえば、各シーラント部(31、32)を構成する材料としては、第1の実施形態において説明したシーラントを用いることができる。
【0094】
(第10の実施形態)
続いて、第10の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態から、シール機構13の構成が変更されている。その他の点については、第1の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明については省略する。
【0095】
図15は、本実施形態に係るシール機構13を示す概略図である。シール機構13は、ラビリンスシール構造33を有している。ラビリンスシール構造33は、各部分(第1部分8、第2部分9)と弾性部材10の端部の形状により形成される。
【0096】
具体的には、ラビリンスシール構造33は、第1部材11の上面に設けられた凹凸構造、第2部材12の下面に設けられた凹凸構造、および弾性部材10の端部に設けられた凹凸構造を有している。弾性部材10に設けられた凹凸構造は、第1部材11及び第2部材12に設けられた凹凸構造に嵌まり込んでいる。尚、弾性部材10の凹凸構造と、第1部材11並びに第2部材12の凹凸構造との間は、シーラント71により埋められている。
【0097】
本実施形態の構成を採用した場合であっても、ラビリンスシール構造33が設けられているため、弾性部材10と各部分(第1部分8、第2部分9)との間のシール性を高めることができ、燃料タンク用ダム7のシール性を高めることができる。
【0098】
(第11の実施形態)
続いて、第11の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態から、シール機構13の構成が変更されている。その他の点については、第1の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明については省略する。
【0099】
図16は、本実施形態に係るシール機構13を示す概略図である。シール機構13は、第1部材延在部36、第1部材挟持部37、第2部材延在部34、第2部材挟持部35、第1リップシール部分72、及び第2リップシール部分73を備えている。
【0100】
第1部材延在部36は、第1部材11に設けられている。第1部材11には、第2部材12に接触する部分(第1部材接触部21−1)が設けられており、第1部材延在部36は、この第1部材接触部21−1から、第2部材12との間に空間38が形成されるように伸びている。第1部材挟持部37は、第1部材延在部36から第2部材12側に向かって伸びている。
【0101】
第2部材延在部34は、第2部材12に設けられている。第2部材12には、第1部材11に接触する部分(第2部材接触部21−2)が設けられており、第2部材延在部34は、第2部材接触部21−2から、第1部材11との間に空間38が形成されるように伸びている。第2部材延在部34は、第1部材延在部36に対向するように、伸びている。第2部材挟持部35は、第2部材延在部34から第1部材11側に向かって伸びている。
【0102】
弾性部材10は、第1部材挟持部37と第2部材挟持部35とによって、挟持されている。
【0103】
第1リップシール部分72及び第2リップシール部分73は、それぞれ、弾性部材10に設けられている。第1リップシール部分72及び第2リップシール部分73は、空間38内に配置されている。第1リップシール部分72は、空間38内において、第1部材11(第1部材延在部36)に押し付けられている。第2リップシール部分73は、空間38内において、第2部材12(第2部材延在部34)に押し付けられている。
【0104】
本実施形態によれば、第1リップシール部分72により、弾性部材10と第1部材11との間がシールされる。また、第2リップシール部分73により、弾性部材10と第2部材12との間がシールされる。シール部分が2箇所に形成されるため、燃料タンク用ダム7のシール性を高めることができる。
【0105】
また、第1の実施形態と同様に、圧力差により第1リップシール部分72及び第2リップシール部分73の一方を剥離させるような方向に力が加わる場合であっても、他方のリップシール部分には、第1部材11又は第2部材12側へ押し付けるように、力が加わる。そのため、燃料タンク用ダム7の両側における圧力差に関わらず、シール機能を維持することができる。
【0106】
(第12の実施形態)
続いて、第12の実施形態について説明する。本実施形態では、燃料タンク用ダム7を用いた閉塞方法が工夫されている。
【0107】
本実施形態では、燃料タンク用ダム7をストリンガ1(第1構造部品)に固定する前に、まず、ストリンガ1にアダプタが配置される。アダプタは、ストリンガ1と燃料タンク用ダム7との間に形成される隙間を埋めるために用いられる。すなわち、アダプタは、ストリンガ1の外形を燃料タンク用ダム7に適合する形状にするために、配置される。その後、第1部分8がアダプタを介してストリンガ1を覆うように、燃料タンク用ダム7がストリンガ1に固定される。
【0108】
<I断面ストリンガ>
図17は、ストリンガ1及びアダプタ42の一例を概略的に示す斜視図である。
図17に示されるストリンガ1は、いわゆるI断面ストリンガである。このストリンガ1は、第1平板部分39、第2平板部分40、及び連結部分41を備えている。
【0109】
第1平板部分39は、平板状であり、スキン3に接合される部分である。第2平板部分40は、第1平板部分39に対向するように配置され、平板状である。連結部分41は、第1平板部分39と第2平板部分40とを連結する部分である。すなわち、連結部分41は、一端で第1平板部分39に結合しており、他端で第2平板部分40に結合している。また、連結部分41は、第1方向に沿う方向から見た場合に、第1平板部分39の中央部と第2平板部分40の中央部とを連結するように、伸びている。連結部分41は、平板状であり、第1平板部分39に垂直である。
【0110】
アダプタ42は、第1平板部分39、第2平板部分40、及び連結部分41により形成される凹部を埋めるように、配置される。詳細には、アダプタ42は、面44、面43、面45、面46、及び面47を有している。面44は、連結部分41に接合される部分である。面43は、第1平板部分39に接合される部分である。面45は、第2平板部分40に接合される部分である。面46は、面43の端部と面45の端部とを連結している。正面から見た場合(第1方向に沿う方向から見た場合)、面44、面43、面45、及び面46によって、閉じた領域が形成される。面47は、底面であり、正面から見た場合に面44、面43、面45、及び面46により形成される領域を塞ぐように、配置されている。
【0111】
図18は、アダプタ42が配置された後のストリンガ1を示す正面図である。
図18に示されるように、アダプタ42は、シーラント77を介して、ストリンガ1に接合される。尚、強度を高める為に、シーラント77に代えて、ファスナによりアダプタ42とストリンガ1とが締結されてもよい。また、シーラント77とファスナの双方を用いて、アダプタ42がストリンガ1に接合されてもよい。尚、
図18に示される例では、連結部分41の両側に形成される2つの凹部のうちの一方にのみ、アダプタ42が配置されているが、実際には、2つのアダプタ42が両方の凹部にそれぞれ配置される。
【0112】
図19は、燃料タンク用ダム7が接合された後のストリンガ1を示す正面図である。
図19に示されるように、ストリンガ1には、アダプタ42−1、42−2が配置されている。燃料タンク用ダム7は、第1部分8がアダプタ42(42−1、42−2)を介してストリンガ1を覆うように、ストリンガ1に接合されている。すなわち、第1部分8は、ストリンガ1の第2平板部分40、アダプタ42−1の面46−1、及びアダプタ42−2の面46−2に接合されている。第1部分8は、第2平板部分40に対応する部分8−1と、面46−1に対応する部分8−2と、面46−2に対応する部分8−3とが形成されるように、曲がっていればよく、複雑な形状を必要としない。
【0113】
<J断面ストリンガ>
ストリンガ1としては、I断面ストリンガとは異なる形状を有するストリンガが用いられる場合がある。そのような場合においても、アダプタ42を用いることにより、ストリンガ1の外形を燃料タンク用ダム7(第1部分8)の外形に対応させることができる。本例では、ストリンガ1として、J断面ストリンガが用いられる場合の例について説明する。
【0114】
図20は、ストリンガ1としてJ断面ストリンガを用いた場合における燃料タンク用ダム7の配置を示す図である。
図20に示されるように、ストリンガ1は、
図17に示した例と同様に、第1平板部分39、第2平板部分40、及び連結部分41を備えている。但し、連結部分41は、第2平板部分40の中央部分ではなく、第2平板部分40の端部に連結されている。
【0115】
J断面ストリンガでは、連結部分41の両側に凹部が形成されるのではなく、片側にのみ凹部が形成される。そこで、アダプタ42は、連結部分41の片側にのみ、配置される。
【0116】
燃料タンク用ダム7としては、
図19に示した例と同様のものを用いることができる。すなわち、燃料タンク用ダム7は、部分8−1において第2平板部分40に接合され、部分8−2においてアダプタ42の面46に接合され、部分8−3において連結部分41に接合される。
【0117】
<ハット型ストリンガ>
また、ストリンガ1としては、ハット型ストリンガが用いられる場合がある。
【0118】
図21は、ストリンガ1としてハット型ストリンガを用いた場合における燃料タンク用ダム7の配置を示す図である。
図21に示されるように、ストリンガ1は、一対の第1平板部74(74−1、74−2)、第2平板部75、及び一対の側部76(76−1、76−2)を備えている。一対の第1平板部74(74−1、74−2)は、スキン3に接合する部分である。第2平板部75は、スキン3から離れた位置に配置され、一対の第1平板部74(74−1、74−2)に平行である。一対の側部76(76−1、76−2)は、それぞれ、一対の平板部74(74−1、74−2)の内側の端部と、第2平板部75の端部とを連結している。一対の側部(76−1、76−2)は、スキン3側ほど幅が大きくなるように、延びている。
【0119】
ハット型ストリンガを用いる場合、アダプタ42を用いる必要はない。燃料タンク用ダム7は、部分8−1において第2平板部75に接合し、部分8−2において側部76−2に接合し、部分8−3において側部76−1に接合する。
【0120】
以上説明したように、本実施形態によれば、必要に応じてアダプタ42を用いることにより、燃料タンク用ダム7として複雑な形状のものを作成する必要がなくなり、製造コストを低減することができる。
【0121】
尚、本実施形態では、必ずしも既述の実施形態において説明した燃料タンク用ダム7が用いられる必要はなく、部分8−1、部分8−2及び部分8−3に対応する構成を有していれば、他の燃料タンク用ダムが用いられてもよい。
【0122】
<アダプタの変形例>
続いて、アダプタ42の変形例ついて説明する。
図22は、本変形例に係るアダプタ42を概略的に示す斜視図である。本変形例に係るアダプタ42では、ストリンガ1に接合する各面(面43、面44、及び面45)が、第1方向において、面46よりも長くなっている。その他の構成は、
図17に示したアダプタ42と同様である。尚、面44には、ファスナによりストリンガ1とアダプタ42とを締結する為のファスナ用孔78が設けられている。ファスナを締結しなくても十分なシール性を確保することが出来るが、締結しても良い。
【0123】
本変形例のような構成を採用することにより、ストリンガ1とアダプタ42との間の接着面積を大きくすることができ、シール性をより高めることができる。
【0124】
(第13の実施形態)
続いて、第13の実施形態について説明する。本実施形態では、燃料タンク用ダム7の構成が変更されている。その他の点については、第1の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0125】
図23は、本実施形態に係る燃料タンク用ダム48を概略的に示す断面図である。
図23に示されるように、燃料タンク用ダム48は、弾性部材49、及び金属または樹脂で構成されるリテーナー部材50(50−1、50−2)を備えている。
【0126】
弾性部材49は、ストリンガ1とリブ2との間の隙間を閉塞するように配置される。具体的には、弾性部材49は、弾性部材49は、一端でストリンガ1に接触し、他端でリブ2に接触している。弾性部材49の材料としては、第1の実施形態で説明した弾性部材10と同様の材料を用いることができる。
【0127】
リテーナー部材50−1は、弾性部材49の一端に設けられており、ストリンガ1との間で弾性部材49を挟むように配置されている。リテーナー部材50−1は、ファスナ52−1によって弾性部材49をストリンガ1に接合させる為に設けられている。すなわち、リテーナー部材50−1、弾性部材49、及びストリンガ1は、ファスナ52−1によって締結されている。同様に、リテーナー部材50−2は、弾性部材49の他端に設けられており、リブ2との間で弾性部材49を挟んでいる。リテーナー部材50−2、弾性部材49、及びリブ2は、ファスナ52−2によって締結されている。
【0128】
尚、リテーナー部材50(50−1、50−2)としては、例えば、プラスチック材が用いられる。
【0129】
本実施形態によれば、二層構造(弾性部材49とリテーナー部材50−1、50−2)により、ストリンガ1とリブ2との間の隙間が閉塞される。従って、製造コストをより低減することができる。
【0130】
(第14の実施形態)
続いて、第14の実施形態について説明する。本実施形態では、燃料タンク用ダムの構成が変更されている。その他の点については、第1の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0131】
図24は、本実施形態に係る燃料タンク用ダム53を概略的に示す断面図である。
図24に示されるように、燃料タンク用ダム53は、第1樹脂部材54−1、第2樹脂部材54−2、及び弾性部材55を備えている。第2樹脂部材54−2とリブ2は、ファスナ91によって締結されている。
【0132】
第1樹脂部材54−1は、ストリンガ1に接合する部分である。第2樹脂部材54−2は、リブ2に接合する部分である。第1樹脂部材54−1及び第2樹脂部材54−2は、それぞれ、例えばシーラントを介して、ストリンガ1及びリブ2に接合される。
【0133】
弾性部材55としては、第1の実施形態で説明した弾性部材10と同様の材料を用いることができ、例えばゴム材料が用いられる。弾性部材55は、一端で第1樹脂部材54−1に埋め込まれ、他端で第2樹脂部材54−2に埋め込まれている。弾性部材55により、ストリンガ1とリブ2との間の隙間が閉塞されている。
【0134】
製造時において、弾性部材55、第1樹脂部材54−1、及び第2樹脂部材54−2は、一体成形により、一体に接合される。
【0135】
本実施形態によれば、第13の実施形態と同様に、二層構造(弾性部材49と樹脂部材54−1、54−2)により、ストリンガ1とリブ2との間の隙間が閉塞される。従って、製造コストをより低減することができる。
【0136】
また、弾性部材55、第1樹脂部材54−1、及び第2樹脂部材54−2は、一体成形により、接合される。そのため、弾性部材55と第1樹脂部材54−1との間の接続部分におけるシール性を高めることができる。弾性部材55と第2樹脂部材54−2との間のシール性についても、同様である。
【0137】
<変形例1>
続いて、本実施形態の変形例1について説明する。本変形例では、弾性部材55と各樹脂部材54(54−1、54−2)との接続部分の構造が工夫されている。その他の点については、
図24に示した例と同様の構成を採用することができる。
【0138】
図25は、本変形例における弾性部材55と第1樹脂部材54−1との接続部分を示す模式図である。
図25に示されるように、弾性部材55の一端には、凹凸構造が設けられている。第1樹脂部材54−1は、この凹凸構造を覆っている。図示していないが、弾性部材55の他端と第2樹脂部材54−2との接合部分も、同様である。
【0139】
本変形例によれば、凹凸構造が設けられているため、弾性部材55と各樹脂部材(54−1、54−2)との間の密着性を高めることができる。これにより、燃料タンク用ダム53のシール性を高めることができる。
【0140】
<変形例2>
続いて、本実施形態の変形例2について説明する。
図26は、本変形例における弾性部材55と第1樹脂部材54−1との接続部分を示す模式図である。
【0141】
図26に示されるように、弾性部材55の端部には、表面処理部51が設けられている。表面処理部51は、表面を粗くするような表面処理が施された部分である。弾性部材55の他端も同様である。尚、表面処理としては、例えば、梨地処理が用いられる。
【0142】
本変形例では、弾性部材55の成形時に、両端部分に表面処理が施され、表面処理部51が形成される。その後、弾性部材55の両端を覆うように、各樹脂部材54(54−1、54−2)が配置され、成形される。
【0143】
本変形例によれば、弾性部材55の両端に表面処理が施されているため、弾性部材55と各樹脂部材54(54−1、54−2)との間の密着性を高めることができ、シール性を高めることができる。
【0144】
尚、表面処理部51は、弾性部材55側ではなく、各樹脂部材54(54−1、54−2)側に設けられていてもよい。この場合、まず、各樹脂部材54(54−1、54−2)の成形時に、弾性部材55と接合される部分に、表面処理が施される。その後、各樹脂部材54(54−1、54−2)に埋め込まれるように、弾性部材55が成形される。
【0145】
(第15の実施形態)
続いて、第15の実施形態について説明する。本実施形態では、燃料タンク用ダム7の構成が変更されている。その他の点については、第1の実施形態と同様の構成を採用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0146】
図27Aは、本実施形態に係る燃料タンク用ダム90を概略的に示す斜視図である。また、
図27Bは、燃料タンク用ダム90を概略的に示す断面図である。
図27A及び
図27Bに示されるように、燃料タンク用ダム90は、第1部分79、第2部分80、及び第3部分81を備えている。第1部分79、第2部分80、及び第3部分81は、例えばプラスチック材などにより、一体に構成されている。
【0147】
第1部分79は、ストリンガ1に接合する部分である。第1部分79は、例えば、シーラントを介して、ストリンガ1に接着される。
【0148】
第2部分80は、リブ2に接合する部分である。第1部分79と同様に、第2部分80も、例えばシーラントを介して、リブ2に接着される。尚、第2部分80は、リブ2と、図示しないファスナによって締結されている。
【0149】
第3部分81は、第1部分79と第2部分80とを連結する部分であり、第1部分79と第2部分80との間の隙間を閉塞するように設けられている。
【0150】
ここで、第3部分81は、複数の折り返し部82を備えている。すなわち、第3部分81は、ジャバラ状である。
【0151】
本実施形態によれば、第3部分81がジャバラ状であるため、リブ2又はストリンガ1の変形により荷重が加わった場合であっても、第3部分81により荷重が吸収される。その結果、燃料タンク用ダム90と各構造部品(リブ2、ストリンガ1)との間の接着面の破壊が防止され、シール性を高めることが可能である。
【0152】
以上、本発明について、第1乃至15の実施形態を用いて説明した。尚、これらの実施形態は独立するものではなく、矛盾のない範囲内で組み合わせて用いることができる。