(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記可動支柱の下降の際に、前記可動支柱の下側方向の物体を検知する鉛直方向物体検知センサを備えることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の可動柵。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は本実施形態に係るホーム柵システムの外観を示す斜視図である。ここでは列車1両分に相当する構成を示しており、このホーム柵システムではプラットホーム99に3つのホーム柵10が並べて配置されている。
【0012】
一つのホーム柵10は、所定距離離した二つの支柱部12とその二つの支柱部12に昇降可能に架け渡された安全バー14(柵体)とを備える。安全バー14は、上から順に第1安全バー14a、第2安全バー14b、第3安全バー14cとを備えている。図示では、安全バー14が閉じた状態を示しており、この閉じた状態では第1安全バー14a、第2安全バー14b、第3安全バー14cが所定間隔離間した状態にあり、乗客等が軌道側に転落しないようになっている。
【0013】
図2は一つのホーム柵10の斜視図であり、
図2(a)は安全バー14が閉じた状態を示し、
図2(b)は安全バー14が開いた状態を示している。
【0014】
ホーム柵10の支柱部12は、支柱昇降部20と支柱固定部50とを備える。支柱昇降部20は、プラットホーム99に設置された支柱固定部50に覆い被さるように取り付けられている。
【0015】
図2(a)に示すように、安全バー14が閉じた状態のときには、支柱昇降部20が支柱固定部50を略完全に覆い被さった状態で支柱固定部50が視認できない。
図2(b)に示すように、安全バー14が開いた状態のときには、支柱昇降部20が支柱固定部50に対して上方向に移動し、支柱固定部50が視認できるようになる。
【0016】
このとき、支柱昇降部20のみでなく、安全バー14の第2安全バー14b、第3安全バー14cが第1安全バー14aに対して近づくように上昇し、第1安全バー14a、第2安全バー14b、第3安全バー14cが纏まって隣り合う位置になっている。このように、支柱昇降部20及び安全バー14(第1〜第3安全バー14a〜14c)を動作させることで、支柱部12自体の高さを高くしなくとも、安全バー14が開いた状態のときに、安全バー14の下の領域、すなわち、乗客等が通過する高さを確保することが容易になる。また、列車がホームに到着するとき、出発するときは支柱昇降部が支柱固定部に被さるように下降して、駅員や乗務員等がホームの安全を確認し易くなる。また、可動部である支柱昇降部20が支柱固定部50の上面を覆っているので、上面に隙間や開口等が無く、特別な構造を用いなくとも、雨滴やゴミ等の内部進入を実質的に防止できる。
【0017】
次に
図3〜
図5をもとに支柱部12の構造について説明する。ここでは主に支柱昇降部20及び安全バー14を昇降動作させる構造・機構について説明する。
図3はホーム柵10の右側の支柱部12に着目して示す図である。
図3(a)はホーム側から見た正面図、
図3(b)は平面図、
図3(c)は
図3(a)のA1−A1断面図である。
図4は支柱固定部50を示す図である。
図4(a)は
図3(c)に対応する図であり支柱昇降部20を取り除いた状態を示している。
図4(b)は平面図、
図4(c)は
図4(a)のB1−B1断面図、
図4(d)は図(a)のB2矢視図である。
図5は支柱昇降部20を示す図である。
図5(a)はホーム側から見た正面図、
図5(b)は
図5(a)のC1−C1断面図、
図5(c)は
図5(b)のC2−C2断面図、
図5(d)は
図5(a)のC3−C3断面図である。
【0018】
また、
図6は、支柱固定部50と支柱昇降部20の一部をホーム側から見た斜視図である。
図7は、支柱固定部50と支柱昇降部20の内部構造について、支柱固定部50に主に着目して示した斜視図である。
図8は、支柱昇降部20の昇降機構に着目して示した斜視図である。
図9は、支柱固定部50と支柱昇降部20の昇降機構に着目して示した斜視図である。
図10は、支柱部12の内部に着目して示す斜視図(一部透過図)である。
図11は、支柱部12の上部内部に着目して示す斜視図(一部透過図)である。
図12は、支柱部12の内部構造に着目して示す斜視図(一部透過図)で、
図11とは反対側から、つまり軌道側から見た図である。
【0019】
図3に示すように、支柱昇降部20の天面にはLED16が取り付けられており、ホーム柵10の動作状態を報知する。また、支柱固定部50には、所定のブラケットによって棒状の居残りセンサ49が取り付けられている。居残りセンサ49は、対向する支柱部12に設けられている居残りセンサ49と1セットで物体検知機能を有し、安全バー14が閉じた状態のときに、支柱部12と車両との間に残った乗客やその他の物体を検知する。また、支柱昇降部20の外枠ホーム側には、内部へアクセスするための窓枠13と開閉扉17が設けられている。
【0020】
まず、支柱固定部50の構造に着目して説明する。
図3(c)や
図4に示す様に、支柱固定部50の内部には、支柱昇降部20及び安全バー14を共通に駆動させるモータ55が設けられている。
図3(c)及び
図4(a)では支柱固定部50の柱状(筒状)の固定フレーム51の右上領域にモータ55が取り付けられている。さらに、
図3(c)や
図4、
図12に示すように、モータ55の下にはロックソレノイド59が取り付けられている。より具体的には、ロックソレノイド59は、固定フレーム51のフレーム側面22と対面する側の面の上部軌道側領域(
図12の領域X1参照。)に設けられている。ロックソレノイド59は、円柱状で先端面が斜めに(テーパー状に)形成されたプランジャー59aを備える。ロックソレノイド59は、非通電でプランジャー59aがプッシュ状態となるタイプである。ロックソレノイド59の先端(プランジャー59a)と支柱昇降部20に取り付けられた上昇端固定金具29の係止部29aは互いに斜めに加工されているので停電時でも支柱昇降部20を上昇端に固定できる。支柱昇降部20が上昇端に位置したときに、ロックソレノイド59は、支柱昇降部20に取り付けられた上昇端固定金具29と係止して、支柱昇降部20を上昇端の位置にロックする。
【0021】
支柱固定部50の内部上側には、チェーンスプロケット61が設けられている。モータ55の動力が、
図4(a)に示すタイミングプーリ57a、57b及びタイミングベルト58を介して、チェーンスプロケット61に伝達される。
【0022】
チェーンスプロケット61にはチェーン62が巻かれている。チェーン62の一方の端部(
図3(c)では右側端部)には、ウェイトジョイント部63によってウェイト部65が取り付けられている。ウェイト部65は、支柱昇降部20の昇降動作が円滑になるように所望のウェイト(「カウンターウェイト」または「バランスウェイト」ともいう)が取り付けられる。ここでは、
図3では調整用ウェイトが取り付けられた状態を示しており、
図4では調整用ウェイトがない状態を示している。なお、調整用ウェイトを調整することで、停電時や緊急時に支柱昇降部20の昇降機構が停止した場合であっても、手動による昇降動作を容易に行うことができる。即ち、停電等で支柱昇降部20が動作しない場合であっても、手動で安全かつ速やかに安全バー14を所望の位置に移動させる運用を実現できる。
【0023】
チェーン62の他方の端部(
図3(c)では左側端部)には、シャフトジョイント部64を介して昇降シャフト31が鉛直上方向に向かって取り付けられている。シャフトジョイント部64の位置は、支柱昇降部20の昇降量によって定めることができるが、ここではプラットホーム99に近い位置になっている。シャフトジョイント部64には昇降シャフト31の下端部が取り付けられており、上端部は図示天面付近に示すシャフト取付部32に取り付けられる。
【0024】
図4(b)に示すように、固定フレーム51のフレーム天面53にはシャフト取付部32及び昇降シャフト31を挿通可能とするシャフト連通口54が設けられている。
【0025】
シャフト取付部32は、支柱昇降部20のフレーム上部23に取り付けられている。すなわち、支柱固定部50のモータ55の駆動力は、チェーン62及び昇降シャフト31を介して支柱昇降部20に伝達される。
【0026】
図4や
図10、
図11に示す様に、固定フレーム51のフレーム天面53の内側面にはブレーキ部56が設けられている。ブレーキ部56は、ソレノイド56aと、解除ピン56bと、ピン固定部56cとを備える。ソレノイド56aは、電源オフ(非通電)の状態となると、ピン(プランジャー)が外側に突出する。支柱昇降部20の停止指令や停電等が発生した場合に、ソレノイド56aのピンが支柱昇降部20のブレーキ用ブラケット38の嵌合用開口38aに嵌合して、支柱昇降部20の動作を停止させる。また支柱昇降部20が下降端に位置するときには停止指令によりソレノイド56aをオフして支柱昇降部20をロックする。
【0027】
図示のように、ブレーキ用ブラケット38には多数の開口が並んで形成されており、停止時において最もピンに近い嵌合用開口38aに嵌合する。なお、ソレノイド56aには、ピンと連動して動作する解除ピン56bが設けられている。すなわち、解除ピン56bを押すとソレノイド56aのピンが内部に戻るようになっている。また、解除ピン56bの横にはピン固定部56cが設けられており、ピン固定部56cは停電時等に内部に押し込んだ解除ピン56bが戻らないようにロックする。
【0028】
停電時等の非通電状態において、乗務員や警備員等は、解除ピン56bを押し込むことで嵌合状態(ブレーキ状態)を解除し、さらにピン固定部56cで解除ピン56bを固定して、ブレーキ解除状態を維持することができる。この状態で安全バー14cを押し上げて支柱昇降部20を上昇端に押し上げるとロックソレノイド59により支柱昇降部20は上昇端に固定される。なお、上述のように、ロックソレノイド59のプランジャー59aの先端と支柱昇降部20に取り付けられた上昇端固定金具29の係止部29aは互いに斜めに加工されているので停電時でも支柱昇降部20を上昇端に固定できる。
【0029】
また、支柱昇降部20の内部には、縦長のスティック状の接近検知センサ48が設けられている。接近検知センサ48の長さは、支柱昇降部20の高さと略同一となっている。接近検知センサ48は、水平方向に対向配置された支柱部12の支柱昇降部20の接近検知センサ48と一対で送受信機能を実現する。すなわち、一方の接近検知センサ48がセンシング用光線を出力し、他方の接近検知センサ48がその光を受信する。そして、センシング用光線が遮断されることで、接近検知センサ48の間に物体が存在することを検知する。言い換えると、接近検知センサ48は、支柱昇降部20及び安全バー14に乗客等が近づきすぎることを検知する。接近検知センサ48が乗客等が近づきすぎたことを検知すると、所定の制御装置(安全装置)は、警報を報知したり、ホーム柵10の動作を停止させる。これによって、特に動作中のホーム柵10に乗客等が触れることを防止することができる。なお、支柱昇降部20のカバー等には、接近検知センサ48が機能するように、すなわち出力されるセンシング用光線を支柱部12自身が遮断しないように開口等が形成されている。また、一つの支柱部12に設けられる接近検知センサ48は一つの部品となっているので、施工や管理が簡易的に行うことができる。また、接近検知センサ48は支柱昇降部20に取り付けられており、支柱昇降部20の昇降に連動して昇降するため、最も回避したい状態、つまり動作中の安全バー14への接触をシンプルな構成で実現できる。
【0030】
つぎに、
図3及び
図5を参照して支柱昇降部20に着目して説明する。
図5(b)に示すように、支柱昇降部20のフレーム上部23と一体に構成されているフレーム側面22、より具体的にはバー側フレーム側面22aには、支柱昇降部20の昇降に連動して安全バー14を昇降させる機構が設けられている。また、
図12の領域X2に示すように、支柱昇降部20において、バー側フレーム側面22aの軌道側の下部側面には、上昇端固定金具29が設けられている。上昇端固定金具29は、支柱固定部50側に突出するカギ状の係止部29aが設けられている。上述のように、係止部29aの上部は斜めに(テーパー状に)加工されている。この上昇端固定金具29(係止部29a)は、支柱昇降部20が上昇端に達したときにロックソレノイド59に係止する。
【0031】
具体的には、フレーム側面22には支柱固定部50に対して円滑に昇降動作するためのフレーム移動用レール27が上下に延びて設置されている。フレーム移動用レール27には、支柱固定部50に取り付けられるフレーム移動用ブロック28がフレーム移動用レール27を上下動可能に設けられている。
【0032】
また、フレーム移動用レール27に平行に、2本のバー用レール41が上下に設けられている。バー用レール41には
図5(b)中央の第2バー用ブロック42及び下側の第3バー用ブロック43が取り付けられ、円滑の上下動可能になっている。なお、第2バー用ブロック42は規制ストッパー44を備えており、規制ストッパー44が上下中央の所定の位置に下降してきたときに、所定の係止部材に当接・係止してその位置より下に移動不可能になっている。つまり、規制ストッパー44は移動下限位置を規定する手段として機能する。ここでは不要ではあるが、移動上限位置を規定する手段として機能してもよい。
【0033】
第2バー用ブロック42には第2安全バー14bを取り付ける為のバー固定部15が設けられている。同様に、第3バー用ブロック43には、第3安全バー14cを取り付ける為のバー固定部15が設けられている。ここは、二つのバー用レール41の間はバー移動用開口24となっていることから、バー用レール41が取り付けられている面と反対側のバー固定部15が上下に移動可能となっている。
【0034】
また、上端近傍に設けられた上部ワイヤープーリ33と、下端近傍に設けられた下部ワイヤープーリ34と、それらに巻装されたワイヤー35とを備える。ワイヤー35の代わりにベルト部材(チェーンを含む)が用いられてもよい。
【0035】
ワイヤー35には、支柱固定部50の固定フレーム51の所定の位置に固定される第1ワイヤー固定部36が設けられている。すわなち、ワイヤー35の第1ワイヤー固定部36の部分は、固定フレーム51に対して固定状態となる。
【0036】
また、ワイヤー35は第3バー用ブロック43に固定されている。したがって、ワイヤー35が回転するに伴って、第3バー用ブロック43は上下動する。ワイヤー35が図示で時計回りに回転すると、第3バー用ブロック43は上方向に移動し、反時計回りに回転すると、第3バー用ブロック43は下方向に移動する。
【0037】
ホーム柵10の安全バー14が閉状態から開状態へ移る場合、ワイヤー35の回転に連動し第3バー用ブロック43が上昇し、途中から第2バー用ブロック42を押し上げる。
【0038】
第2バー用ブロック42と第3バー用ブロック43との位置決めのためのストッパー40が設けられている。ストッパー40は、ストッパーバー40a、昇降バープレート40b、昇降バープレート40c及び緩衝ゴム40dを備える。
【0039】
緩衝ゴム40dは、第3バー用ブロック43の上面には設けられて、第2バー用ブロック42と当接するとき衝撃を吸収する。昇降バープレート40bは第2バー用ブロック42に取り付けられている。昇降バープレート40cは第3バー用ブロック43に取り付けられている。
【0040】
ストッパーバー40aは、二つの昇降バープレート40b、40cを連結する。ここでは、第2バー用ブロック42の昇降バープレート40bにストッパーバー40aの上端が固定されている。第3バー用ブロック43の昇降バープレート40cには上下に連通する開口が形成されており、ストッパーバー40aがこの開口を移動可能の挿通している。また、ストッパーバー40aの下端部分は開口に対して係止する構造となっており、ストッパーバー40aが昇降バープレート40cから抜けないようになっている。
【0041】
支柱昇降部20の昇降フレームカバー21の下端部分には、挟み込み検知部45が設けられている。挟み込み検知部45は、線路側と隣接する固定支柱側を除く2面にそれぞれ設けられている。
【0042】
挟み込み検知部45は、マイクロスイッチ46と、マイクロスイッチ46の下側に取り付けられたバー状(またはプレート状)の検知プレート47とを備える。検知プレート47が上方向に移動すると、すわち、支柱昇降部20が下降する途中で、検知プレート47が何かしらの物体に接すると、マイクロスイッチ46がそれを検知する。検知すると、所定の制御装置(管理装置)によって、支柱昇降部20の動作が停止するように制御されている。
【0043】
以上のよう、本実施形態のホーム柵システム1では、安全バー14が開動作する場合、支柱固定部50から支柱昇降部20を上昇させるとともに、安全バー14(第1〜第3安全バー14a〜14c)の間隔を縮める。その結果、安全バー14が開状態のときに、人が通過する空間を十分に確保しつつホーム柵10全体すなわちホーム柵システム1高さを抑えることができる。
【0044】
また、閉動作する場合に、支柱昇降部20を支柱固定部50に被せる形で格納すると共に、安全バー14の間隔が所定間隔に広がり、通過が出来ないようにすることで、転落防止を効果的に実現することができる。
【0045】
また、支柱固定部50に支柱昇降部20を被せる態様で収納するため、支柱部12の設置面積を小さくすることができる。その結果、全長サイズの異なる列車やドア数の異なる列車、列車停止位置のズレに対する許容量が大きくなる。そなわち、多くの条件に柔軟に対応することができる。
【0046】
また、支柱昇降部20及び安全バー14の昇降駆動の動力をモータ55のみ、すなわち一つの動力源のみにすることで、ホーム柵10の機構を簡素化することがで、製造コストや整備コストを低減させることができる。
【0047】
<第2の実施形態>
図13及び
図14は第2の実施形態に係るホーム柵110を示す図である。
図13(a)は正面図、
図13(b)は平面図、
図13(c)は
図13(a)のD1−D1断面図である。また、
図14(a)はホーム柵110が閉じた状態を示し、
図14(b)はホーム柵110が開いた状態を示している。本変形例では支柱部112間の長尺部材をバー材からプレート状(安全柵114)に替えている。
【0048】
ホーム柵110は、支柱部112に架け渡される安全柵114(第1〜第4安全柵114a〜114d)がプレート状に形成されている。第1安全柵114aは支柱昇降部120に固定されており、内部が空洞で、底面が開口となっている。
【0049】
第2〜第4安全柵114b〜114dは、後方向に徐々にずれて配置されている。支柱固定部150に被さる支柱昇降部20が上昇すると、上述の実施形態と同様に、第2〜第4安全柵114b〜114dは上昇し、
図14(b)に示す様に、第1安全柵114aに収容される。なお、本変形例は、一番下の可動長尺部材である第4安全柵が、上述の実施形態のワイヤー35により直接的に昇降する第3安全バー14cに相当し、支柱昇降部120の昇降動作により直接的に作用されて昇降動作を行う。
【0050】
このような構成とすることで、実施形態と同様の効果を得られるとともに、閉じたときの安全柵114のエリアを広くでき転落等の防止を一層効果的に行うことができる。
【0051】
<第3の実施形態>
図15、
図16及び
図17は、本実施形態に係るホーム柵210を示す図である。本実施形態では、安全柵214の長尺部材の構成として、第1の実施形態の安全バー14と異なり、ワイヤー(ここでは、第1〜第3安全ワイヤー214a〜214c)を用いている。以下では、主に第1の実施形態と異なる構成に着目して説明する。
【0052】
図15はホーム柵210が閉じた状態を示しており、
図15(a)は正面図、
図15(b)は
図15(a)のE1−E1断面図、
図15(c)は平面図である。
図16はホーム柵210が開いた状態を示し、
図16(a)は正面図、
図16(b)は
図16(a)のE2−E2断面図を示している。また、
図17はホーム柵210が開いた状態の斜視図であって、メッシュ状部材214dを省いた状態を示している。
【0053】
図示のように、支柱部212は支柱昇降部220と支柱固定部250とを有する。二つの支柱部212間には安全柵214が渡されている。安全柵214は、長尺部材である第1〜第3安全ワイヤー214a〜214cと、それらに取り付けられたメッシュ状部材214dを備える。
【0054】
第1安全ワイヤー214aは一番上に設けられて、二つの支柱昇降部220に固定されて渡されている。第2安全ワイヤー214bは、
図15で示す閉じた状態では略上下中央に配置され、二つの支柱昇降部220に上下可動に渡されている。第3安全ワイヤー214cは、
図15で示す閉じた状態では一番下に配置され、二つの支柱昇降部220に上下可動に渡されている。第2安全ワイヤー214b及び第3安全ワイヤー214cは、昇降フレームカバー221に形成されたバー移動用開口224の領域を上下に移動する。
【0055】
メッシュ状部材214dは、例えば、ポリ塩化ビニルで形成されたメッシュ状でスクリーン状の部材であって、第1〜第3安全ワイヤー214a〜214cに取り付けられている。
図15の安全柵214が閉じた状態では、第1〜第3安全ワイヤー214a〜214cの間隔が開いた状態になるため、メッシュ状部材214dは略平面上に張った状態になる。
図16の安全柵214が開いた状態では、第2安全ワイヤー214b及び第3安全ワイヤー214cが第1安全ワイヤー214a側に移動するため、メッシュ状部材214dは第2安全ワイヤー214b及び第3安全ワイヤー214cとの固定領域で釣り上げられて二つの袋状になる。
【0056】
図18は、第1〜第3安全ワイヤー214a〜214cを示す断面斜視図であって、
図17の中央の領域E3部分を拡大断面視したものである。第1〜第3安全ワイヤー214a〜214cは、ワイヤー径に違いはあるものの、それぞれ同様の構成を有しており、中央付近にテンショナー215が設けられ、その両側にワイヤー本体216が取り付けられている。ここで、図示でテンショナー215の左側のワイヤー本体216は、右ネジ部216aでテンショナー215とネジ固定されている。同様に、図示でテンショナー215の右側のワイヤー本体216は、左ネジ部216bでテンショナー215と固定されている。したがって、テンショナー215を所望の方向に回転させることで、第1〜第3安全ワイヤー214a〜214cのテンションを調整することができる。
【0057】
図19は、第1〜第3安全ワイヤー214a〜214cのワイヤーテンション検出機構を示す斜視図である。また、
図20は第1〜第3安全ワイヤー214a〜214cのワイヤーテンション検出機構を示す断面斜視図である。
【0058】
ワイヤーテンション検出機構は、第1〜第3安全ワイヤー214a〜214cのそれぞれに対して同様の構成にて設けられており、ワイヤー固定部218、バネ219、マイクロスイッチ231を備える。
【0059】
第1安全ワイヤー214aのワイヤー固定部218はバー側フレーム側面22aに設けられている。第2安全ワイヤー214bのワイヤー固定部218は第2ワイヤー用ガイド242に設けられている。第3安全ワイヤー214cのワイヤー固定部218は第3ワイヤー用ガイド243に設けられている。
【0060】
ワイヤー固定部218は、略円筒状に形成されており、外側の開口にワイヤー本体216の端部である球状の固定ボール部217が取り付けられる。また、ワイヤー固定部218の内側方向の内壁にはバネ219が圧縮状態で収容されている。第1〜第3安全ワイヤー214a〜214cが緩んだり、断線した場合、ワイヤー固定部218の外側端部部品が外方向に移動または脱落し、その状態を第1のマイクロスイッチ231が検知することができる。
【0061】
以上のように、安全柵214に用いられる第1〜第3安全ワイヤー214a〜214cは、第1の実施形態の安全バー14(第1〜第3安全バー14a〜14c)よりも軽量であるので、バランスウェイトも軽く小さくすることができる。すなわち、ホーム柵10の全体重量が軽量化され、支柱固定部50も細くなり支柱設置面積も減少させることができる。
【0062】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。