特許第6381535号(P6381535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6381535安定化オキシダント処理に耐性を持つ細菌の制御のための酸化および非酸化性殺生物剤の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381535
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】安定化オキシダント処理に耐性を持つ細菌の制御のための酸化および非酸化性殺生物剤の使用
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/50 20060101AFI20180820BHJP
   A01N 35/02 20060101ALI20180820BHJP
   A01N 37/34 20060101ALI20180820BHJP
   A01N 59/08 20060101ALI20180820BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20180820BHJP
   C02F 1/76 20060101ALI20180820BHJP
   C12Q 1/04 20060101ALN20180820BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALN20180820BHJP
   C12Q 1/34 20060101ALN20180820BHJP
   C12Q 1/26 20060101ALN20180820BHJP
【FI】
   C02F1/50 510E
   A01N35/02
   A01N37/34 101
   A01N59/08 A
   A01P1/00
   C02F1/50 531P
   C02F1/50 531K
   C02F1/50 540B
   C02F1/50 520A
   C02F1/50 550L
   C02F1/50 532D
   C02F1/50 532C
   C02F1/50 531M
   C02F1/50 532H
   C02F1/76 A
   !C12Q1/04
   !C12Q1/68
   !C12Q1/34
   !C12Q1/26
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-538065(P2015-538065)
(86)(22)【出願日】2013年10月18日
(65)【公表番号】特表2016-500563(P2016-500563A)
(43)【公表日】2016年1月14日
(86)【国際出願番号】US2013065712
(87)【国際公開番号】WO2014066177
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2016年10月14日
(31)【優先権主張番号】13/657,993
(32)【優先日】2012年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507248837
【氏名又は名称】ナルコ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライス ローラ イー
(72)【発明者】
【氏名】ルース エリサ
【審査官】 高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−336867(JP,A)
【文献】 特表2011−503626(JP,A)
【文献】 特開2012−125732(JP,A)
【文献】 特開平5−146785(JP,A)
【文献】 特開2002−325599(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/018368(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/101051(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/50、
1/70 − 1/78
C12Q 1/00 − 3/00
A01N 1/00 − 65/48
A01P 1/00 − 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程を含む、プロセス水システムにおける微生物侵襲に対処する方法:
オキシダントおよびオキシダント安定剤を含む殺生物性組成物をプロセス水システムに導入する工程であって、前記オキシダント安定剤は前記オキシダントを殺生物剤として持続させる化合物である、工程、
前記オキシダント安定剤を分解することができる生物の存在を検出する工程、
前記検出工程において前記生物の存在が検出された場合、前記殺生物性組成物の有効性を損なわずに、前記生物を無効化することができる物質を含む無効化組成物を導入する工程。
【請求項2】
前記オキシダント安定剤は窒素系化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生物はウレアーゼ分泌生物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記生物は硝化生物である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記検出工程において、DNA分析、PCR分析、qPCR分析、ウレアーゼ検出、アンモニア検出、アンモニアモノオキシゲナーゼ検出、亜硝酸オキシドレダクターゼ、硝酸検出、亜硝酸検出、ヒドロキシルアミン検出、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの検出方法により、前記生物の存在を検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記無効化組成物は、グルタルアルデヒド、ジブロモニトリロプロピオンアミド、およびそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記無効化組成物は次亜塩素酸ナトリウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記無効化組成物は、ウレアーゼ産生集団が検出された場合、無機クロラミンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記生物が硝化生物であり、前記検出工程において、前記プロセス水システムにおける、前記硝化生物による前記オキシダント安定剤の分解により得られる化合物であって、前記オキシダントの酸化反応からは得られない化合物の存在を検出することにより、前記硝化生物の存在を検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記生物が尿素分解生物であり、前記検出工程において、前記プロセス水システムにおける、前記尿素分解生物により前記オキシダント安定剤の分解により得られる化合物であって、前記オキシダントの酸化反応からは得られない化合物の存在を検出することにより、前記尿素分解生物の存在を検出する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、商用プロセスシステム中に存在する微生物を検出する、同定する、および対処するのに有用な物質の組成物、装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商用プロセスシステム中のある一定の微生物の存在および増殖は進行中の問題である。商用プロセスシステムの様々な段階の多くは、あらゆる種類の微生物によるコロニー形成に好適な環境的ニッチとしてしばしば機能する、異なる量の水、栄養分、熱、シェルター、アンカリング基材(anchoring substrate)、化学的条件、および/または捕食者の不在を有する様々な条件を含む。これらの微生物による集団増殖はしばしば、プロセス機能の劣化および最終製品の汚損を含む多くの問題を引き起こす。
【0003】
1つのそのような問題は微生物に誘導されるクラスト(crust)堆積物形成である。クラストは、堆積された有機および/または無機材料を含む、剛性固体組成物の商用プロセスシステム中に存在するアイテムの表面上の蓄積物である。クラストは微生物自体の分泌物および/またはコロニーである場合がある。特にクラストは、1つ以上の種類の堅い殻の、および/またはキチンを有する、および/またはサンゴの生物の蓄積を含むか、またはこれらから構成される可能性がある。クラストはシステムに対し多くのマイナスの影響を有する可能性があり、例えば、動作効率の減少、時期尚早の機器の故障、生産性の損失、製品品質の損失、および健康関連リスクの増加である。一番困るのは、クラストはしばしば、削ることまたは他の物理的手段により物理的に除去しなければならず、これには、プロセスシステムの一部または全ての費用のかかるシャットダウンまたは分解が必要となる。
【0004】
微生物が引き起こす別の問題は、バイオフィルムの形成による。バイオフィルムは、微生物または微生物により分泌されるエキソポリマ物質を含む、有機材料の層であり、これらは、微生物の群集の形成を助ける。バイオフィルムは、プロセス機器の表面上ならびに流体プール中で増殖することができる。これらのバイオフィルムは、栄養分を濃縮するための手段を確立し、増殖のための保護を与える複雑な生態系である。バイオフィルムは、クラスト、腐食、および他の汚損プロセスを加速し得る。バイオフィルムはシステム効率の低減の一因となるだけでなく、病原生物を含む他の微生物の微生物増殖のための優れた環境を提供する。そのため、プロセス効率を最大にする、およびそのような病原体からの健康関連リスクを最小に抑えるために、可能な最大限までバイオフィルムおよび他の汚損プロセスを低減させることが重要である。
【0005】
いくつかの因子が生物学的汚染の程度の一因となっており、適切な対応を支配している。水温;水pH;有機および無機栄養分、好気性または嫌気性条件などの増殖条件、および場合によっては太陽光の有無、などは重要な役割を果たし得る。これらの因子はまた、どの型の微生物が水系に存在するか、およびそれらの微生物を制御する最善の方法を決定するのを助ける。微生物の適正な同定もまた、適切に対応するには非常に重要である。微生物が植物、動物、または真菌であるか、あるいはそれらが浮遊性であるか、または固着であるかに関する違いは、様々な生物的防除戦略がどれくらい有効であるかを決定する。異なる微生物は異なる問題を誘導するので、適正な同定は、望まれない微生物効果を適正に修正するのに非常に重要である。最後に、化学的に引き起こされる問題は殺生物剤で修正することはできないので、どの問題が非生物学に基づく起源を有するかを特定することも必要である。
【0006】
微生物侵襲に応答するために一般に使用される物質の1つのカテゴリはオキシダント類である。亜塩素酸ナトリウムなどのオキシダント類は非常に反応性に富み、多くの微生物の細胞壁を効果的に「焼き」払う。不運なことに、これはそのように反応に富むので、そのようなオキシダント類はしばしば有効性を極めて短期間に失うか、商用プロセスシステムで使用される他の構成要素または材料を腐食する、または別様に有害に相互作用する。
【0007】
その結果、多くの技術がオキシダント類を安定化するために開発されてきた。いくつかの方法は米国特許5,565,109号および7,776,363号に記載される。そのような安定化によりいわゆるオキシダント需要効果が無効化される。オキシダント需要効果反応では、オキシダントは、これとの反応性が非常に高いものの存在下にあるので、オキシダントは迅速に反応し、殺生物剤としての使用に利用できなくなる傾向がある。オキシダント類を安定化することにより、オキシダントはシステム内により長期間にわたって存在し続け、微生物を長期間抑制することができる。
【0008】
しかしながら、生物学的世界では、1つの生物の消滅はしばしば、ニッチが別の生物(その今や死滅した近隣者により、前に抑制されていた)がコロニー形成するのに利用されることを意味する。これは事実、安定化オキシダント殺生物剤で処理されたプロセス水中での事例である。多くの生物(例えばスフィンゴモナス(Sphingomonas)種、アシネトバクター(Acinetobacter)、およびフラボバクテリウム(Flavobacterium))はオキシダント安定剤を破壊することができる化学物質を分泌し、それらの前の競合者が安定化オキシダント類により死滅させられるとすぐに、それらは安定化オキシダント類が存在するにも関わらず、それらの環境にコロニー形成することができる。その結果、商用プロセスシステムを安定化オキシダント殺生物剤により処理した後に、これらの生物が根絶されたことを確実にするために追求(follow up)する方法および装置が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許5,565,109号明細書
【特許文献2】米国特許7,776,363号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
よって、商用プロセスシステムの安定化オキシダント殺生物剤処理に対する追求のための新規方法および組成物において明確な有用性が存在することが明らかである。このセクションで記載される技術は、特定的にそのようなものとして指定されない限り、本明細書で言及される特許、刊行物または他の情報のいずれかがこの発明に関して「先行技術」であるという承認を構成することを意図しない。加えて、このセクションは、調査がなされたこと、または37 CFR §1.56(a)において規定される他の関連情報が存在することを意味すると解釈されるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の少なくとも1つの実施形態は、プロセス水システムにおける微生物侵襲に対処する方法に関する。方法は、下記工程を含む:オキシダントおよびオキシダント安定剤を含む殺生物性組成物をプロセス水システムに導入する工程であって、システム内でのオキシダントの需要が高いにも関わらず、安定剤はオキシダントを、殺生物剤として持続させる工程、オキシダント安定剤を分解することができる生物の存在を検出する工程、およびそのように検出された場合、その他の点では殺生物性組成物の有効性を損なわずに、分解生物を無効化することができる物質の組成物を導入する工程。
【0012】
安定剤は窒素系化合物を含んでもよい。生物はウレアーゼ分泌生物および/または硝化生物であってもよい。組成物は高需要を受けやすい可能性がある。生物は高需要を受けやすい組成物が完全に消費された後長く無効化されたままとすることができる。検出はDNA分析、PCR分析、qPCR分析、ウレアーゼ検出、アンモニア検出、アンモニアモノオキシゲナーゼ検出、亜硝酸オキシドレダクターゼ、硝酸検出、亜硝酸検出、ヒドロキシルアミン検出、およびそれらの任意の組み合わせからなるリストより選択される少なくとも1つのアイテムにより達成され得る。無効化組成物の導入がなければ、生物は実際には、殺生物性組成物の存在下で、これがない場合よりも、よりよく繁栄することができ、というのも、これは安定剤またはその誘導体を餌とするからである。無効化組成物はグルタルアルデヒド、DBNPA、次亜塩素酸ナトリウム、無機クロラミン、およびそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。無効化組成物はウレアーゼ分解集団が検出された場合、無機クロラミンを含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
下記定義は本出願において使用される、特に特許請求の範囲において使用される用語がどのように解釈されるべきかを決定するために提供される。定義の組織は便宜上のものにすぎず、定義のいずれも、いずれかの特定のカテゴリに制限することは意図されない。
【0014】
「アダプター」は、生物的防除プログラムに対しいくらかのレベルの耐性を示す生物を意味する。アダプターの微生物競合が殺生物剤により低減される場合、この適応生物は繁栄することができ、バイオフィルムを形成することができる。
【0015】
「生物学的」は、組成の少なくとも10%(体積または質量)が生物由来の細胞を含む物質の組成を意味する。
【0016】
「高需要(High Demand)」または「高オキシダント需要(High oxidant demand)」は、特定の環境において非常にオキシダント類との反応性に富む化学物質の存在を意味し、よって、オキシダントは迅速に反応し、短い期間後、認識できる程度では存続しなくなるであろう。高需要条件は、非安定化オキシダント類を、安定化オキシダント類よりも迅速に激減させる。
【0017】
「オポチュニスト(Opportunist)」は予め準備されたバイオフィルム、クラスト、堆積物、または他の生物コロニー中への定着により繁栄し、パイオニア生物および/または前のオポチュニスト生物に取って代わる、置換する、一緒に共存する傾向がある生物を意味する。
【0018】
「PCR分析」は、ポリメラーゼ連鎖反応分析を意味する。
【0019】
「プローブ」は、DNAの標的セクションに結合するように構築され、配列された物質の組成物を意味し、これは、そのように結合されると容易に検出することができ、よって、これを使用してDNAの標的セクションの有無を示すことができる。
【0020】
「qPCR分析」は、定量的ポリメラーゼ連鎖反応分析を意味する。
【0021】
「微生物」は、それ自体が、産業プロセス(抄紙を含む)において使用される機器内、これに隣接して、これの上面に、またはこれに付着して入り込むのに十分小さな任意の生物を意味し、これとしては下記が挙げられるが、それらに限定されず:非常に小さく、顕微鏡の助けなしでは見ることができないそれらの生物、裸眼で見ることができるが、小さすぎて裸眼で見ることができない多くの個々の生物を含むそのような小さな生物の収集物またはコロニー、ならびに裸眼で見ることができる1つ以上の生物、これとしては下記が挙げられるが、それらに限定されない:その存在が、どうかすると、産業プロセスを損なう、例えば、ノズルおよび/またはフェルト内でプラグを形成し、および/または紙シート内の欠陥を引き起こす、任意の生物。
【0022】
以上の定義または本出願のどこかで提示された記述が、辞書で一般的に使用され、または本出願に参照により組み込まれる出典内で提示された意味(明示または暗示)と矛盾する場合には、本出願および特に特許請求の範囲の用語は、一般的な定義、辞書定義、または参照により組み込まれた定義ではなく、本出願における定義または説明に従い解釈されるべきと理解される。以上を考慮すると、用語が、辞書により解釈される場合、用語が化学技術のカークオスマー辞典、第5版(Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 5th Edition)(2005)(ジョン・ワイリー&サンズ(Wiley, John & Sons, Inc.)により出版)により規定される場合にのみ理解できる場合、この定義は、用語が特許請求の範囲においてどのように規定されるかを制御するであろう。
【0023】
オキシダント類(例えば、次亜塩素酸ナトリウム)は、微生物増殖および堆積物形成を制御するために産業プロセスシステム(例えば紙システム)に日常的に適用される。多くの場合、これらはハロゲン(例えば塩素)を含み、これはしばしば多くの環境において高需要組成物(例えば亜硫酸塩)の存在により消費され、よって、しばしば、安定化化合物(例えば窒素化合物)を用いて安定化され、遊離または非安定化塩素に比べ、高ハロゲン需要を有する水システム中に残留するハロゲンの持続性が増強され、プロセス添加物(例えば光学増白剤、染料、強度助剤、およびサイズ剤)との適合性が改善される。
【0024】
米国特許7,773,363号に記載されるように、塩素などのオキシダント類を安定化するために使用される1つの組成物は尿素である。不運なことに、場合によっては、尿素により安定化された塩素プログラムの適用は、時間と共に、ある一定の細菌および真菌の高い持続となってしまったことが観察されている。この持続は処理レベルの増加に関わらず起こり得る。これはオキシダント安定剤が効果的にオキシダントを安定化し続けることに失敗したことと一致し、オキシダントのより迅速な消費および微生物増殖のより有効でない制御につながっている。より綿密な観察により、細菌は化学物質(例えば酵素)を分泌しており、これが安定剤を分解し、ハロゲン需要によるハロゲンの損失およびオキシダント処理に対する生物の耐性の増加という結果となったことが示された。
【0025】
少なくとも1つの実施形態では、安定化オキシダント殺生物剤レジメンを実施した後、後処理戦略を実施し、オキシダント安定剤を分解する生物の増加に対処する。少なくとも1つの実施形態では、戦略は尿素分解生物の増殖の防止または制御を提供する。これにより、尿素により安定化された塩素プログラムをそれらの意図されるレベルで実施させることができ、これらの微生物の集団の制御を維持し、それらの酵素副産物により生成される塩素需要を低減させる試みにおける塩素使用の増加に対する要求を防止する。
【0026】
少なくとも1つの実施形態では、後処理戦略は安定化オキシダントまたはオキシダント安定剤と反応せず、安定剤分解生物を死滅させるのに有効でもある物質を含有する無効化組成物の使用を含む。少なくとも1つの実施形態では、無効化組成物は、非酸化性殺生物剤、例えば限定はされないが、ジブロモニトリロプロピオンアミド(DBNPA)(例えば、イリノイ州ネーパービルのナルコ社(NalcoCompany)から販売されている製品ナルコン(Nalcon)7649において見出される)およびグルタルアルデヒド(例えば、イリノイ州ネーパービルのナルコ社から販売されている製品ナルコン7634において見出される)である。少なくとも1つの実施形態では、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸ナトリウムをアンモニウム塩(例えば硫酸アンモニウムまたは臭化アンモニウム)とブレンドすることにより生成される無機クロラミンプログラムもまた、安定剤分解生物、例えば尿素により安定化された塩素プログラムに対して耐性を示すものの制御に有効である。
【0027】
少なくとも1つの実施形態では、方法は安定剤分解生物の増大を、それが安定剤を分解する前(または少なくとも、検出可能な、または著しい程度までそうする前)に予測する工程、および望まれない分解が起こる前に生物を無効化する工程を含む。例えば米国特許出願13/550,748号で記載される、多様性指数を検出するための方法、組成物、および装置のいずれか1つは、安定剤分解生物の増大を予測するために使用することができるであろう。その結果、後処理戦略は安定剤分解生物が発生するかどうかを決定する工程を含むことができ、そのように決定された後、生物が実際に著しく、安定剤を分解する前に、その生物を標的とする殺生物剤が適用されるであろう。
【0028】
少なくとも1つの実施形態では、安定剤分解生物を死滅させるために添加される組成物は高需要を受けやすい組成物である。ある環境内で高需要を受けやすい組成物は、定義によれば、その環境では長く存続しないであろう。その結果、それらの適用は長期の抗菌利益を与えることができないことが予想されるであろう。しかしながら、安定化された殺生物剤に対する後処理として適用される場合、第2のオキシダントは、高需要を受けやすく、安定剤を分解する日和見アダプター生物を全滅させ、安定剤はもはや分解されず、安定化オキシダントは、プロセスシステムを許容される抗菌状態で維持し続ける。少なくとも1つの実施形態では、第2のオキシダントの後処理は、高需要を受けやすい組成物が反応により完全に消費されたか、またはプロセスシステムから希釈された後においても長く、安定化オキシダント抵抗性生物がいないことを維持する。少なくとも1つの実施形態では、高需要を受けやすい組成物は次亜塩素酸ナトリウムまたは無機モノクロラミンである。
【0029】
少なくとも1つの実施形態では、安定剤分解生物は尿素を分解することができる生物または硝化生物である。例えば、下記科学論文に記載されるように:デイビッドA.カンリフによる、クロラミン化水供給における細菌硝化、応用および環境微生物学、Vol.57、No.11、1991年11月、pp.3399−3402(Bacterial Nitrification in Chloraminated Water Supplies, by David A. Cunliffe, Applied And Environmental Microbiology, Vol. 57, No. 11, Nov. 1991, pp. 3399-3402)、ミックH.スチュワートらによる、低栄養分増殖条件下で肺炎桿菌により発現されたクロラミン抵抗性の生理的研究、応用および環境微生物学、Vol.58、No.9、1992年9月、pp.2918−2927(Physiological Studies of Chloramine Resistance Developed by Klebsiella pneumonia under Low-Nutrient Growth Conditions, by Mic H. Stewart et al., Applied And Environmental Microbiology, Vol. 58, No. 9, Sept. 1992, pp. 2918-2927)、ならびにセバスチャンR.ソレンセンらによる、フェニル尿素除草剤イソプロツロンをミネラル化することができるスフィンゴモナス種の農業用土壌からの単離およびキャラクタリゼーション、応用および環境微生物学、Vol.67、No.12、2001年12月、pp.5403−5409(Isolation from Agricultural Soil and Characterization of a Shingomonas sp. Able to Mineralize the Phenyl Urea Herbicide Isoproturon, by Sebastian R. Sorensen, et al., Applied And Environmental Microbiology, Vol. 67, No. 12, Dec. 2001, pp. 5403-5409)、硝化および尿素分解生物は窒素含有化合物(例えばアンモニアまたは尿素)を酸化して、アンモニア、亜硝酸塩類、または硝酸塩類とすることによりエネルギーを導き出す。その結果、これらの生物は窒素系安定剤を分解するだけでなく、実際、窒素系安定剤殺生物剤の存在下で、それがない時よりもよりよく繁栄することができる。さらに、亜硝酸塩は無機クロラミン残渣の崩壊を促進する。
【0030】
少なくとも1つの実施形態では、後処理は、尿素分解生物の存在を検出し、その他の点では安定化オキシダント組成物を害することなく、尿素分解生物を無効化するための応答を適用する工程を含む。少なくとも1つの実施形態では、検出は、尿素分解生物の有無および量を検出するためのPCRプライマーの使用を含むDNAに基づく分析により達成される。米国特許5,928,875号は胞子形成細菌の有無を検出するためのPCRプライマーの使用を記載する。少なくとも1つの実施形態では、プライマーは尿素分解生物の間で高度に保存されたDNA鎖の一部を標的にする。少なくとも1つの実施形態では、PCR分析は、論文、ランダールサイキらによる、熱安定性DNAポリメラーゼを用いたプライマーにより誘導されるDNAの酵素増幅、サイエンス、239巻、pp.487−491(1988)(Primer Directed Enzymatic Amplification of DNA with a Thermostable DNA Polymerase, by Randall Saiki et al., Science, Volume 239, pp. 487-491 (1988))に記載される方法の1つ以上を使用することを含む。少なくとも1つの実施形態ではPCR分析は、論文、カリーマリスらによる、ポリメラーゼ触媒連鎖反応を介するインビトロでのDNAの特異的合成、酵素学における方法、155巻、pp.335−350(1987)(Specific Synthesis of DNA in Vitro via a Polymerase-Catalyzed Chain Reaction, by Kary Mullis et al., Methods In Enzymology, Volume 155, pp. 335-350 (1987))に記載される方法の1つ以上を使用することを含む。
【0031】
少なくとも1つの実施形態では、後処理は、硝化生物の存在を検出し、その他の点では安定化オキシダント組成物を害することなく、硝化生物を無効化するための応答を適用する工程を含む。少なくとも1つの実施形態では、検出は、硝化生物の有無および量を検出するためのPCRプライマーの使用を含むDNAに基づく分析により達成される。米国特許5,928,875号は胞子形成細菌の有無を検出するためのPCRプライマーの使用を記載する。少なくとも1つの実施形態では、プライマーは硝化生物の間で高度に保存されたDNA鎖の一部を標的にする。少なくとも1つの実施形態では、PCR分析は、論文、ランダールサイキらによる、熱安定性DNAポリメラーゼを用いたプライマーにより誘導されるDNAの酵素増幅、サイエンス、239巻、pp.487−491(1988)(Primer Directed Enzymatic Amplification of DNA with a Thermostable DNA Polymerase, by Randall Saiki et al., Science, Volume 239, pp. 487-491 (1988))に記載される方法の1つ以上を使用することを含む。少なくとも1つの実施形態ではPCR分析は、論文、カリーマリスらによる、ポリメラーゼ触媒連鎖反応を介するインビトロでのDNAの特異的合成、酵素学における方法、155巻、pp.335−350(1987)(Specific Synthesis of DNA in Vitro via a Polymerase-Catalyzed Chain Reaction, by Kary Mullis et al., Methods In Enzymology, Volume 155, pp. 335-350 (1987))に記載される方法の1つ以上を使用することを含む。
【0032】
少なくとも1つの実施形態では、PCR分析は、ジョ ヴァンデソンピール(JoVandesompele)により前置きされた商品カタログ(Trade Brochure)qPCRガイドに記載されているqPCR分析である(2012年1月19日に、ウェブサイト(http://www.eurogentec.com/file-browser.html)からダウンロード)。少なくとも1つの実施形態では、方法は定量的qPCR分析である。少なくとも1つの実施形態では、方法は、定性的qPCR分析である。
【0033】
少なくとも1つの実施形態では、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、核酸(DNAまたはRNA)の配列を標的にし、標的配列のコピー数を増加させ、下流分析のための有用な量の核酸を得るための方法である。この方法は、機械フェルト、シート欠陥、機械堆積物、などが挙げられるが、それらに限定されない、様々なサンプル中の尿素分解および硝化生物の検出に適用することができる。
【0034】
少なくとも1つの実施形態では、市販のDNA抽出キットのいずれかを使用して、DNAがサンプルから抽出されるとすぐに、これはリアルタイムで、PCRアプローチ、例えば定量的PCRアプローチを使用して分析することができる。定量的PCRはPCRと同じ手法を使用するが、これはリアルタイム定量的構成要素を含む。この技術では、プライマーが、生物のアイデンティティまたは特定の遺伝子の機能に基づいて対象となるDNA配列を標的にするように使用される。蛍光などのいくつかの検出の形態が、得られたDNAまたは「DNAアンプリコン」を検出するために使用され得る。蛍光の変化は、標的DNAの量に正比例する。予め決められた蛍光閾値に到達するのに必要とされるサイクル数は、特定のDNA標的に対応する標準と比較される。標準は典型的には、数logに及ぶ濃度で純粋で、量がわかっている標的遺伝子である。サンプル中に存在する標的DNAのコピー数は、検量線を使用して計算される。コピー数/サンプルがその後使用されて、細胞数/サンプルが決定される。
【0035】
少なくとも1つの実施形態では、保存的アプローチを使用して、硝化生物由来のDNA配列を標的にするプライマーセットを使用して、総生物が定量される。少なくとも1つの実施形態では、尿素分解生物、例えば、限定はされないが、スフィンゴモナス種、スフィンゴモナス複数種、アシネトバクター、およびフラボバクテリウムを標的にするプライマーセットが使用される。少なくとも1つの実施形態では、プライマーは、尿素分解生物と非尿素分解生物の間で区別するために使用される。
【0036】
少なくとも1つの実施形態では、保存的アプローチを使用して、硝化生物由来のDNA配列を標的にするプライマーセットを使用して、総生物が定量される。少なくとも1つの実施形態では、硝化生物、例えば、限定はされないが、ニトロソモナス、ニトロソロブス、ニトロソコッカス、ニトロソビブリオ、ニトロソスピラ、ニトロバクター、およびニトロコッカスを標的にするプライマーセットが使用される。少なくとも1つの実施形態ではプライマーは、硝化生物と非硝化生物の間で区別するために使用される。
【0037】
少なくとも1つの実施形態では、検出方法は、安定剤分解生物の明らかな存在を検出する工程を含む。例えば、これらの生物の多くは、ウレアーゼを分泌するので、よって、方法はウレアーゼまたはアンモニアの存在を検出する工程を含む。また、多くの硝化生物は、安定剤を、そうでなければ、殺生物剤の酸化反応から得られないであろう最終反応物に変換するので、よって、方法は、これらの最終反応物(例えば、それらの窒素化合物の消化により生成される特定の硝酸塩類、ヒドロキシルアミン、または亜硝酸塩類)の存在を検出する工程を含む。加えて、戦略は、これらの生物が産生する他の非窒素系最終反応物(例えばアンモニアモノオキシゲナーゼまたは亜硝酸オキシドレダクターゼ)を検出する工程を含むことができる。最後に、別の戦略は、多様性指数分析を使用した場合に、安定化オキシダント殺生物剤の適用に応じて集団の全体が増殖するが、その殺生物剤の非安定化バージョンの適用に応じてそれが短時間で減少することで、それが安定剤を餌とする生物によるシステムのコロニー形成を示唆しているかどうかについて注目する工程を含むことができる。別の戦略は研究室内で安定化オキシダントの抗菌効果をスクリーニングすることにより、集団の発生に言及する工程を含むことができるであろう。
【実施例】
【0038】
前記は下記実施例を参照することにより、よりよく理解することができ、これらの実施例は、説明目的で提示され、本発明の範囲を制限することを意図しない。
【0039】
製紙工場のプロセス水ストリームを尿素により安定化された塩素プログラムを用いて処理した。安定化オキシダントプログラムの適用前の初期研究室スクリーニングは、尿素により安定化された塩素プログラムが、この工場において微生物増殖を制御するのに有効であることを示したが、反復スクリーニングは、このプログラムはもはや有効ではないことを示した(表1)。この細菌集団はまた、イソチアゾロン殺生物剤への耐性を示した。
【0040】
表1は、NaOClで処理したプロセス水についての研究室スクリーニングを、尿素により安定化された塩素による10ヶ月の処理後のプロセス水のサンプルについてのスクリーニング結果と比較したことを示す。結果は、尿素により安定化された塩素プログラムによるプロセス水処理に対する耐性を有する微生物の集団の発生を示す。プロセス水サンプルに未処理プロセス水(1%v/v)を投与し、4時間後、サンプルを蒔いた。典型的には、尿素により安定化された塩素は、未処理対照に比べ、優れた長期保存を示し、4および24時間で低い細菌密度を有した。表1では、尿素により安定化された塩素からの保存は工場水システムへのこのプログラムの適用および耐性集団の発生前に観察された。反復スクリーニングは尿素により安定化された塩素プログラムに対する新しい工場集団の耐性を証明した。
【0041】
【表1】
【0042】
Cl2/60615処理を生き延びたいくらかの細菌は、サンプルを非選択的寒天培地上に蒔いた場合、黄色またはオレンジ色素沈着を示した。これらの生物を単離し、純粋培養し、DNA配列決定に基づき、スフィンゴモナス種として同定した。これらの単離菌は、ウレアーゼを産生する能力を示した。ウレアーゼ酵素は尿素をアンモニアに分解し、これはその後、他の細菌のための栄養源を提供することができる。さらに、ウレアーゼは、著しい塩素需要源として機能することが決定されており、これはまた、尿素により安定化された塩素がウレアーゼ酵素に曝露された後のより高いアンモニアレベルに基づき、尿素により安定化された塩素とのいくらかの相互作用を示す(表2および3)。これは、尿素の分解を示し、これは、尿素により安定化された塩素プログラムの性能に影響する可能性がある。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
塩素需要の増加および耐性集団の発生の問題は、尿素により安定化された塩素を用いる適用に特異的であると考えられ、ジメチルヒダントインにより安定化された塩素プログラムまたは次亜塩素酸ナトリウムをアンモニウム塩類とブレンドすることにより生成される無機クロラミンプログラムを用いる適用では観察されていない。無機クロラミンで処理されるシステムは、細菌の硝化集団の発生に関連する耐性問題を発生させる可能性が高くなる。
【0046】
非酸化性殺生物剤の抗菌スクリーニングは、ジブロモニトリロプロピオンアミドおよびグルタルアルデヒドはウレアーゼ産生微生物の有効な制御を提供し、尿素により安定化された塩素と適合することを示した。次亜塩素酸ナトリウムまたは、次亜塩素酸ナトリウムをアンモニウム塩類(例えば硫酸アンモニウムまたは臭化アンモニウム)とブレンドすることにより生成される無機クロラミンプログラムもまた、尿素により安定化された塩素プログラムへの耐性を示すウレアーゼ産生細菌の制御に有効である(表4、5および6)。
【0047】
【表4】
【0048】
表5は、研究室スクリーニングは、尿素により安定化された塩素で処理したプロセス水を用いて実施したことを示す。プロセス水サンプルに未処理プロセス水(1%v/v)を投与し、4時間後、サンプルを蒔いた。結果は尿素により安定化された塩素プログラムによる処理に対する耐性を有する微生物の集団の発生を示し、このプログラムは未処理対照に比べ、細菌密度を低減させるのにほとんど効果がなかった。グルタルアルデヒド、ジブロモニトリロプロピオンアミド、ならびにNaOClおよび硫酸アンモニウムをブレンドすることにより調製した無機クロラミンは、典型的な使用率では、Cl2−尿素耐性細菌を制御するのに特に有効であった。NaOClもまた有効であったが、より高い濃度で必要とされ、これにより、抄紙プロセスにおいて使用される他の添加物との不適合性につながる可能性があった。グルタルアルデヒドおよびジブロモニトリロプロピオンアミドはCl2−尿素と適合した。イソチアゾロンおよびブロノポールは耐性集団を制御するのに有効でなかった。
【0049】
【表5】
【0050】
これらの実施例の結果は、安定化オキシダント殺生物剤処理は、システム中に安定剤分解生物が存在する場合、有効でなくなる可能性があり、安定化オキシダント殺生物剤処理の有効性を再構築するために、分解生物は、その他の点では安定化オキシダント殺生物剤またはプロセス水システム中に存在する任意の他の材料またはアイテムを損なわないか、または分解しない様式で、無効化されなければならないことを証明する。
【0051】
この発明は多くの異なる形態で具体化され得るが、本明細書では、発明の特定の好ましい実施形態が詳細に記載される。本開示は発明の原理の例示であり、発明を例示した特定の実施形態に限定することを意図しない。全ての特許、特許出願、科学論文、および本明細書で言及される任意の他の参照材料は、その全体が参照により組み込まれる。さらに、発明は本明細書で記載されるおよび/または本明細書に組み込まれる様々な実施形態のいくつかまたは全ての任意の可能な組み合わせを包含する。加えて、発明は、本明細書で記載されるおよび/または本明細書に組み込まれる様々な実施形態のいずれか1つまたはいくつかを特定的に排除する任意の可能な組み合わせを包含する。
【0052】
上記開示は、例示であり、包括的ではないことが意図される。この記載は、当業者に多くの変更および代替物を示唆するであろう。これらの代替物および変更は全て、特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図され、ここで、「含む」という用語は、「包含するが、限定はされない」ことを意味する。当業者は、本明細書で記載される特定の実施形態の他の等価物を認識することができ、その等価物もまた、特許請求の範囲に包含されることが意図される。
【0053】
本明細書で開示される全ての範囲およびパラメータはそれらの中に含められるいずれかのおよび全てのサブレンジ、ならびに終点間の全ての数を含むことが理解される。例えば、「1から10」の言明された範囲は、1の最小値と10の最大値の間(これを含む)のいずれかのおよび全てのサブレンジ、すなわち、1以上の最小値で始まり(例えば1から6.1)、10以下の最大値で終わる(例えば2.3から9.4、3から8、4から7)全てのサブレンジ、並びに、最後に、範囲内に含まれる各数1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10を含むと考えるべきである。
【0054】
これで、発明の好ましいおよび他の実施形態の説明は完了する。当業者であれば、本明細書で記載される特定の実施形態の他の等価物を認識することができ、それらの等価物は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。