(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載のクロージャ装置において、前記第1係合突起(220、221)及び前記第2係合突起(320、321)は、それぞれ対応する前記クロージャ部(2、3)の基体(20、30)に動かないように形成されることを特徴とする、クロージャ装置。
請求項1又は2に記載のクロージャ装置において、係合方向(Y)は、前記クロージャ装置(1)が適切に使用されたときに負荷が作用する方向である負荷方向(F)に沿った方向を向いていることを特徴とする、クロージャ装置。
請求項1〜3のいずれか一項に記載のクロージャ装置において、前記ブロッキング要素(33、34)は、前記第2クロージャ部(3)の基体(30)に設けられたブロッキング・タングにより実現され、前記ブロッキング・タングは、前記第1クロージャ部(2)が前記第2クロージャ部(3)に装着される際に係合方向(Y)に対してトランスバース方向に通常位置から弾性的に後退し、係合の確立中又は確立後には再び通常位置に戻るよう形成されていることを特徴とする、クロージャ装置。
請求項1〜4のいずれか一項に記載のクロージャ装置において、閉じ位置では、前記第2クロージャ部(3)の前記ブロッキング要素(33、34)は、前記第1クロージャ部(2)の前記第1係合突起(220、221)に対して、又は前記第1クロージャ部(2)に設けられた、前記第1係合突起(220、221)とは異なるブロッキング・ノーズ(23、24;400A、400B;460A、460B)に対して、ブロックするように作用することを特徴とする、クロージャ装置。
請求項1〜5のいずれか一項に記載のクロージャ装置において、前記クロージャ装置(1)を開くための作動機構(4)が形成されており、前記作動機構(4)は、作動の際、前記ブロッキング要素(33、34)に作用して前記ブロッキング要素(33、34)をその通常位置から移動させることにより、前記第1係合突起(220、221)と前記第2係合突起(320、321)との係合のブロックを解除することを特徴とする、クロージャ装置。
請求項1〜5のいずれか一項に記載のクロージャ装置において、前記クロージャ装置(1)を開くための作動機構(4)が形成されており、作動の際、閉じ位置において前記ブロッキング要素(33、34)と連動してブロックを行うように前記第1クロージャ部(2)に設けられたブロッキング・ノーズ(400A、400B)が、移動するようになっており、前記ブロッキング・ノーズ(400A、400B)を移動させることにより前記第1係合突起(220、221)と前記第2係合突起(320、321)との係合のブロックを解除することを特徴とする、クロージャ装置。
請求項7に記載のクロージャ装置において、前記作動機構(4)は前記第1クロージャ部(2)の基体(20)にピボット軸(S)を中心として回動可能に設けられたレバー要素(46)を含み、前記レバー要素(46)には、閉じ位置において前記ブロッキング要素(33、34)と連動するよう少なくとも1つのブロッキング係合要素(460A、460B)が設けられていることを特徴とする、クロージャ装置。
請求項8に記載のクロージャ装置において、前記レバー要素(46)はレバー・ポーション(462)を含み、前記クロージャ装置(1)を開くために前記レバー要素(46)がピボット運動すると、前記レバー・ポーション(462)は前記第2クロージャ部(3)と動作結合して、係合方向(Y)の反対方向に、前記第2クロージャ部(3)に対して相対的な力を前記第1クロージャ部(2)に生じさせることを特徴とする、クロージャ装置。
請求項1〜5のいずれか一項に記載のクロージャ装置において、前記クロージャ装置(1)を開く際、前記第1クロージャ部(2)又は前記第1クロージャ部(2)の一部が前記第2クロージャ部(3)に対して相対的に移動して、前記第1係合突起(220、221)と前記第2係合突起(320、321)との係合のブロック、及び/又は前記第1係合突起(220、221)と前記第2係合突起(320、321)との確実な係合を解除することを特徴とする、クロージャ装置。
請求項10に記載のクロージャ装置において、前記第1クロージャ部(2)及び/又は前記第2クロージャ部(3)には斜面(280)が設けられ、前記斜面(280)は、前記第1クロージャ部(2)又は前記第1クロージャ部(2)の一部が移動する際に、係合方向(Y)に対して垂直な方向に前記第1クロージャ部(2)を前記第2クロージャ部(3)から離間させるよう形成されていることを特徴とする、クロージャ装置。
請求項1〜11のいずれか一項に記載のクロージャ装置において、前記ブロッキング要素(33、34)は、前記第1クロージャ部(2)に対して係合方向(Y)の反対方向に作用する限界力が超過された際に、前記第1係合突起(220、221)と前記第2係合突起との係合のブロックを解除して、前記第1係合突起(220、221)を前記第2係合突起(320、321)との係合から係合方向の反対方向に外すことができるように形成されていることを特徴とする、クロージャ装置。
請求項1〜12のいずれか一項に記載のクロージャ装置において、前記第1クロージャ部(2)及び/又は前記第2クロージャ部(3)は乗上げスロープ(222、322)を含み、前記乗上げスロープ(222、322)は、前記第1クロージャ部(2)が前記第2クロージャ部(3)に対して係合方向とは異なる閉じ方向(X)に装着される際に、前記第1係合突起(220、221)が前記第2係合突起(320、321)に対して係合方向(Y)に係合可能となるまで、前記第1係合突起(220、221)が前記第2係合突起(320、321)に乗り上げて前記第1クロージャ部(2)が係合方向(Y)の反対方向に押されるように設計されていることを特徴とする、クロージャ装置。
請求項1〜13のいずれか一項に記載のクロージャ装置において、前記磁気機構は前記第1クロージャ部(2)の第1磁石(25)及び前記第2クロージャ部(3)の第2磁石(35)により形成され、前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(35)は、前記第1クロージャ部(2)が前記第2クロージャ部(3)に装着される際に互いに磁気的に引き付け合い、閉じ位置では、前記第1磁石(25)及び前記第2磁石(35)は係合方向(Y)から見て互いにずれており、それにより閉じ位置において磁気吸引力が前記第1クロージャ部(2)に対して係合方向(Y)に作用することを特徴とする、クロージャ装置。
請求項1〜14のいずれか一項に記載のクロージャ装置において、前記第1クロージャ部(2)及び前記第2クロージャ部(3)にはそれぞれ2つの係合突起(220、221、320、321)が設けられ、前記各2つの係合突起は互いに角度をなして延在することを特徴とする、クロージャ装置。
請求項1〜15のいずれか一項に記載のクロージャ装置において、ハウジング(5)には、前記第1クロージャ要素(2)又は前記第2クロージャ要素(3)が格納可能に設けられ、格納位置では、前記クロージャ部(2、3)は少なくとも一部が前記ハウジング(5)に囲まれるようになっており、係合の確立のために前記第1クロージャ部(2)が前記第2クロージャ部(3)に装着される際には、前記クロージャ部(2、3)はその格納位置から延出されることを特徴とする、クロージャ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
クロージャ装置として、触覚的に良好で円滑なやり方で閉じることができ、閉じ位置における確実な保持及びそれによる接続すべき部品同士の安全な接続が保証され、快適かつ容易なやり方で開くことができるものが必要とされている。
【0007】
本発明は、容易な閉じ動作、閉じ位置における確実な保持、及び容易な開き動作が可能なクロージャ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的は、請求項1に記載の特徴を備える主題により達成される。
【0009】
これによれば、上述したようなクロージャ装置において、第1クロージャ部と第2クロージャ部との間に磁気機構が作用し、前記磁気機構は磁気吸引力を提供することにより第1クロージャ部と第2クロージャ部との装着をサポートするよう形成されている。
【0010】
本発明に係るクロージャ装置は、2つのクロージャ部にそれぞれ係合突起を設けており、前記係合突起はアンダーカットにより形成され、特に、それぞれ対応するクロージャ部の基体に動かないように(starr)設けられ得る。クロージャ装置を閉じる際、係合突起を互いに係合させる。そのために、これらの係合突起は、第1係合突起が係合方向に押されて第2係合突起に確実に係合されるまで互いに対して移動することになる。閉じ位置では、係合突起がクロージャ部同士の確実な保持を生み出し、これにより、クロージャ装置は、クロージャ部が互いに離れることなく高負荷をかけられるようになる。
【0011】
閉じ位置においてクロージャ部が互いに意図せず離れてしまうことを無くすために、ブロッキング要素がさらに設けられ、前記ブロッキング要素は、例えば、第2クロージャ部の基体に設けられた弾性ばね・タングとして、又は前記基体に弾性的に設けられたブロッキング部として形成される。第1クロージャ部が第2クロージャ部に装着される際は、ブロッキング要素が後退し、第1クロージャ部の第1係合突起が係合方向に押されて第2クロージャ部の第2係合突起に係合できる。装着の際には、このように、ブロッキング要素が脇へ押しやられ、第1係合突起が第2係合突起と係合するようにガイドされ得る状態となる。係合の確立中又は確立後には、ブロッキング要素はその通常位置に戻り、この通常位置では、前記ブロッキング要素が、第2係合突起に対する第1係合突起の確実な係合を係合方向に対してブロックする。第2係合突起における第1係合突起の保持、及びこれによる第2クロージャ部における第1クロージャ部の保持が確実となり、クロージャ装置を不注意で開いてしまうことがなくなる。
【0012】
また、磁気機構が設けられ、例えば、前記磁気機構は、第1クロージャ部における磁石及び第2クロージャ部における磁石の形態で形成される。また、例えば、前記磁気機構は、一方のクロージャ部における「磁石」及び他方のクロージャ部における強磁性材料製成分の形態での「磁性電機子」の形態で形成される。磁気機構は、第1クロージャ部と第2クロージャ部との間に作用し、第1クロージャ部が第2クロージャ部に装着される際、これら磁気機構が磁気的に引き付け合うように連動し(協働し)、これにより、第1クロージャ部が引っ張られて第2クロージャ部と磁気的なサポートにより係合される。
【0013】
磁気機構は、クロージャ部同士を装着する際に第2係合突起に対する第1係合突起の係合が概ね自動的になされるように寸法決めを行うと有利であり、特に、クロージャ部同士を装着する際にブロッキング要素の後退が磁気的なサポートにより概ね自動的になされるよう寸法決めを行うと有利である。このようにして、クロージャ部は閉じる際にそれほど正確でなくとも単に互いに装着すればよく、その後実際の閉じ動作は磁気的なサポートにより概ね自動的に進行するので、容易な閉じ動作のクロージャが提供される。
【0014】
係合方向は、クロージャ装置が適切に使用された際にクロージャ部間に負荷が作用する方向である負荷方向に対応していると有利である。特に、負荷状況下では、負荷が第1クロージャ部に有利に作用して、第1係合突起を係合方向に引っ張って第2係合突起に係合させ、又は少なくとも第1係合突起に係合方向の負荷が与えられ、それにより、前記係合突起は第2係合突起と係合した状態で確実に保持される。
【0015】
ブロッキング要素は、例えば、第2クロージャ部の基体に設けられたブロッキング・タング(舌)により実現され得る。前記ブロッキング・タングは、第1クロージャ部が第2クロージャ部に装着される際、係合方向に対して横(トランスバース)方向に通常位置から弾性的に後退し、係合の確立中又は確立後には通常位置に再び戻るように形成される。ブロッキング・タングは、例えば射出成型されたプラスチック部品として製造された基体と動かないように形成すると有利であり、前記ブロッキング・タングは、特に、係合方向に延在し、係合方向に対して横方向に弾性を持つように弾性的に設計される。クロージャ装置を閉じる際、第1クロージャ部に設けられた第1係合突起又はブロッキング・ノーズは、ブロッキング・タングに沿ってガイドされ、それにより前記ブロッキング・タングに作用して、前記ブロッキング・タングが弾性設計した方向に弾性的に脇へ押しやられ、その結果第1係合突起が第2係合突起と係合可能となる。係合が確立されると、ブロッキング・タングはその通常位置に戻り、その位置で、第1係合突起に対して又は第1クロージャ部に別途設計されたブロッキング・ノーズに対して作用することにより、第2係合突起に対する第1係合突起の係合をブロックする。ブロッキング要素は、係合方向の方向に剛性を有するよう、すなわち、非弾性的に設計されており、それにより、係合が効果的にブロックされ、また、特に、第1係合突起が係合方向の反対方向に移動して第2係合突起から外れてしまうということが容易には起こらなくなる。
【0016】
ブロッキング要素は、第1係合突起と第2係合突起との係合の確立中に、又は係合の確立後にのみ、通常位置に再び戻るように設計し得る。ブロッキング要素は、例えば、係合が確立されるとすぐに(すなわち、係合の確立後)通常位置に跳ね返るようにすることが可能である。しかし、係合の確立中にすでにブロッキング要素がその弾性的設計によるプレストレス(プリテンション)を第1クロージャ部に対して与え、前記プレストレス(プリテンション)により第1係合突起を係合方向に押圧して第2係合突起と係合させることも可能であり、このように、係合の確立中にすでに前記係合動作をサポートしてもよい。
【0017】
閉じ位置では、第1クロージャ部の第1係合突起は、第2クロージャ部の第2係合突起と確実に係合する。この係合はブロッキング要素によりブロックされる。つまり、前記ブロッキング要素は、第1クロージャ部が係合方向の反対方向に移動することを防止し、また、これにより、第1係合突起が係合方向の反対方向に移動することも防止し、第1係合突起が係合方向の反対方向に第2係合突起との係合から外れてしまわないようにする。クロージャ装置を開く際は、前記ブロックを解除することができ、開くための異なる複数の作動変形例が考えられ、可能である。また、上記ブロックの解除を別途必要とすることなく、第1係合突起と第2係合突起との係合を外すこともできる。
【0018】
第1の変形例では、クロージャ装置は次のような作動機構を含み得る。この作動機構は、作動時にブロッキング要素に作用してブロッキング要素を通常位置から移動させることにより、第1係合突起と第2係合突起との間の係合のブロックを解除する。作動機構を作動させることにより、ブロッキング要素は脇へ押しやられ、第1係合突起又はブロッキング・ノーズが係合方向の反対方向に第2係合突起から外れるための通路が空けられるので、第1クロージャ部を第2クロージャ部から取り外すことができるようになる。
【0019】
特に、前記作動機構は、例えば、ブロッキング要素と動かないように形成されたハンドル、又は別体の可動作動部とすることができる。
【0020】
第2の変形例では、クロージャ装置を開くための次のような作動機構を設け得る。この作動機構は、作動時に閉じ位置においてブロッキング要素と連動してブロックを行うよう第1クロージャ部に設けられたブロッキング・ノーズを移動させるよう形成され、前記ブロッキング・ノーズを移動させることにより第1係合突起と第2係合突起との間の係合のブロックを解除する。このように、ブロッキング要素を移動させるのではなく、第1クロージャ部のブロッキング・ノーズをブロッキング要素の領域外へ移動させることにより、第2クロージャ部に対する第1クロージャ部の係合方向の反対方向への移動に対するブロックを解除する。このように、ブロッキング・ノーズを移動させることにより、第1クロージャ部が第2クロージャ部に対して係合方向の反対方向に移動することが可能となり、それにより、第1クロージャ部を第2クロージャ部から取り外すことができる。
【0021】
例えば、前記作動機構は、第1クロージャ部の基体にピボット軸を中心としてピボット運動可能に設けられたレバー要素を含み得る。前記レバー要素には、1つ以上のブロッキング係合要素が特にブロッキング・ノーズのような突起の形態で設けられ得る。前記ブロッキング係合要素は、閉じ位置において、第2クロージャ部におけるブロッキング要素とブロックして係合することにより、第1クロージャ部の第1係合突起と第2クロージャ部の第2係合突起との係合を係合方向に対してブロックする。前記レバー要素をそれに設けられたブロッキング係合要素とともに移動させることにより、前記ブロッキング係合要素がそのブロッキング位置から第2クロージャ部のブロッキング要素に対して移動するため、前記ブロックを解除することができる。このように、レバー要素を作動させることにより、第1クロージャ部と第2クロージャ部との間のブロックを解除することができ、その結果、第1クロージャ部を第2クロージャ部に対して係合方向の反対方向に移動させて第2クロージャ部から取り外すことができる。
【0022】
前記レバー要素は、例えば、金属、特に強磁性の板金(ferromagnetischen Blech)により形成し得る。この場合、レバー要素の作動後に、前記レバー要素は第1クロージャ部に設けられた磁石の磁気的な効果によりスタート位置に自動的に戻ることができ、それにより今度は、クロージャ装置を閉じる際に、第1クロージャ部が第2クロージャ部に取り付けられ得る。
【0023】
前記の代わりに、又は前記に加えて、第1クロージャ部の基体に対してレバー要素を付勢するための機械的なばねを設けることも考え得る。
【0024】
有利な実施形態では、レバー要素にレバー・ポーションが設けられ、前記レバー・ポーションは、クロージャ装置を開くためにレバー要素をピボット運動させる際、第2クロージャ部と動作結合(Wirkverbindung)し、第2クロージャ部に対して相対的に係合方向の反対方向の力を第1クロージャ部に生じさせる。このように、前記レバー・ポーションの機構により、開き動作をサポートできる。つまり、クロージャ装置を開くためにレバー要素を作動させると、レバー要素の少なくとも1つのブロッキング係合要素と第2クロージャ部のブロッキング要素とのブロックが解除されるだけでなく、クロージャ部間に力が生じ、それにより、第1クロージャ部と第2クロージャ部との間の係合が外れる。したがって、レバー要素の作動時に、レバー・ポーションは、例えば、クロージャ装置を開くために第2クロージャ部の基体の開口部に入り込み、前記開口部のエッジ部分に接触し、これにより、第1クロージャ部が第2クロージャ部に対して係合方向の反対方向にシフト移動する。
【0025】
前記レバー要素のレバー・ポーションは、前記レバー要素をそのスタート位置へとリセットする役割を果たすこともでき、スタート位置では、第1クロージャ部が第2クロージャ部に装着されたときに、レバー要素における少なくとも1つのブロッキング係合要素が第2クロージャ部のブロッキング要素にブロック接触し得る。
【0026】
第1クロージャ部にこのような作動機構を備えたクロージャ装置は、原理的には、純粋に機械的に、すなわち、第1クロージャ部と第2クロージャ部とに磁気機構を設けることなく形成することもできる。例えば、そのような、2つの部品を取外し可能に、すなわち、取外し自在(loesbar)に接続するためのクロージャ装置は概して以下のような特徴を有し得る:
第1クロージャ部及び第2クロージャ部を備えており、前記クロージャ装置を閉じるために前記第1クロージャ部は前記第2クロージャ部に装着可能であり、前記第1クロージャ部は閉じ位置において前記第2クロージャ部に保持されており、
前記第1クロージャ部は第1係合突起を、前記第2クロージャ部は第2係合突起を備えており、閉じる際に、前記第1係合突起は前記第2係合突起に対して係合方向に係合可能であり、閉じ位置では、前記第1係合突起は前記第2係合突起と確実に係合し、
前記第2クロージャ部にはブロッキング要素が設けられており、前記第1クロージャ部が前記第2クロージャ部に装着される際に、前記ブロッキング要素は前記第1クロージャ部と連動することにより通常位置から移動し、それにより、前記第1係合突起は前記第2係合突起に対して係合方向に係合可能となり、係合の確立中又は確立後には、前記ブロッキング要素はその通常位置に戻り、それにより、通常位置において、前記第2係合突起に対する前記第1係合突起の確実な係合が係合方向に対してブロックされ、
クロージャ装置を開くための作動機構が形成されており、作動の際、閉じ位置においてブロッキング要素と連動してブロックを行うように第1クロージャ部に設けられたブロッキング係合要素が移動するようになっており、前記ブロッキング係合要素を移動させることにより第1係合突起と第2係合突起との係合のブロックが解除され、前記作動機構は第1クロージャ部の基体にピボット軸を中心としてピボット運動可能に設けられたレバー要素を含み、前記レバー要素には、閉じ位置においてブロッキング要素と連動するよう少なくとも1つのブロッキング係合要素が設けられている。
【0027】
第3の変形例では、第1クロージャ部は全体として又はその一部は、クロージャ装置を開くために第2クロージャ部に対して移動させることができ、それにより、第1係合突起と第2係合突起との係合のブロック及び/又は第1係合突起と第2係合突起との確実な係合を解除することができる。このように、第1クロージャ部を第2クロージャ部に対して移動させることにより、第1クロージャ部の係合方向の反対方向への移動に対するブロックを解除することができる。つまり、第1クロージャ部を移動させることにより、第1クロージャ部に設けられたブロッキング・ノーズ又は係合突起がブロッキング要素の領域外へ移動し、それにより、係合方向の反対方向への移動が可能となる。しかし、第1クロージャ部又はその一部を移動させることにより、第1係合突起がシフト、回転、又はピボット運動により第2係合突起との係合から外れるよう接線方向(tangential)に移動し、この移動により、第2係合突起に対する第1係合突起の係合が解除される。係合が解除されると、クロージャ部を互いから取り外すことができる。ここでは、第1クロージャ部又はその一部を移動させることにより、ブロック及び係合の両方を解除するような組合せも考え得る。
【0028】
クロージャ装置を開くための第1クロージャ部又はその一部の移動は、直線経路に沿って直線的に行うこともでき、回転により行うこともできる。特に、第1の変形例では、例えば、作動ノブ又は作動スライドなどの種々の作動機構が考えられ、可能である。いくつかのブロッキング・ノーズを第1クロージャ部に設ける場合、特に、それぞれ独立して作動可能ないくつかの作動機構を設けて、関連するブロッキング要素又はブロッキング・ノーズにそれぞれ作用させることも可能である。
【0029】
作動機構が作動される作動方向は、例えば、係合方向に対してトランスバース(横)方向に方向付け得る。しかし、作動機構は、係合方向に沿って方向付けられた作動方向(係合方向と同じ向き又は係合方向の反対方向)に作動させることも考え得る。作動方向は、便利で、用途に適合した、ユーザにとって容易な動作が得られるように選択されるべきである。クロージャ装置を開くために第1クロージャ部又はその一部を第2クロージャ部に対して移動させる際、さらなる実施形態では、第1クロージャ部及び/又は第2クロージャ部に斜面を設け得る。前記斜面は、第1クロージャ部又はその一部が移動する際、第1クロージャ部及び第2クロージャ部が前記斜面に沿って互いに乗り上げ、第1クロージャ部が第2クロージャ部から係合方向に垂直な方向に離間するように設計される。前記離間は、特に、クロージャ装置を閉じる際に第1クロージャ部が第2クロージャ部に装着されるおおよその方向である閉じ方向の反対方向になされ得る。この閉じ方向においては、磁気機構は引き付け合うよう作用しているが、開く際に斜面の機構によるサポートでクロージャ部が離間されることにより、前記磁気機構同士が離れ、それにより同時に、作用している磁力も弱められる。これにより、クロージャ装置の単純かつ容易で快適な開き動作をサポートする。
【0030】
閉じ位置では、ブロッキング要素は第2係合突起に対する第1係合突起の係合をブロックするので、第1係合突起が係合方向の反対方向に移動して第2係合突起との係合から外れてしまうことが簡単には起こらなくなる。第1クロージャ部に対して係合方向の反対方向に作用する限界力が超過されると、ブロッキング要素が第1係合突起と第2係合突起との係合の位置を解除する。このために、例えばわずかな傾斜をブロッキング要素に設けることができ、これにより、限界力の超過時に、第1クロージャ部のブロッキング・ノーズ又は第1係合突起がブロッキング要素に乗り上げてこれを脇へ押しやり、第1係合突起を係合方向の反対方向に第2係合突起との係合から外すことができる。このようにブロッキング要素は、限界力未満の係合方向の反対方向に作用する力だけで係合をブロックする。前記限界力を超過すると、ブロッキング要素は脇へ押しやられ、クロージャ装置を開くことができる。
【0031】
第1クロージャ部及び/又は第2クロージャ部は下記のように設計された乗上げスロープ(Auflaufschraege)を含むと有利である。すなわち、係合方向とは異なる閉じ方向に第1クロージャ部が第2クロージャ部に装着される際、第1係合突起が第2係合突起に乗り上げて第1クロージャ部が係合方向の反対方向に押され、それにより、第1係合突起が第2係合突起に対して係合方向に係合するに至るようになっている。閉じ方向は、例えば、係合方向に対してトランスバース(横)方向に方向付けられる。前記乗上げスロープは傾斜面を形成しており、前記傾斜面は、閉じ方向及び係合方向に対して例えば(前記傾斜面に垂直な面を基準として)30°〜60°、特に45°の角度に方向付けられている。このような乗上げスロープは、クロージャ部同士の装着を容易にする。特に、係合突起が両クロージャ部の基体に剛性要素として形成される場合、係合突起は係合されるために互いに対して移動しなければならず、このために、(アンダーカットにより形成された)第1係合突起を第2係合突起に対して係合方向の反対方向に移動させて、前記アンダーカットにより形成された係合突起同士が係合できるようにする。このような係合方向の反対方向の移動は前記乗上げスロープによってサポートされ、係合突起同士が係合可能となるまで両クロージャ部が乗上げスロープに沿って互いにスライドする。
【0032】
クロージャ装置を係合方向とは異なる閉じ方向に閉じることができるというのは、日常の使用において大いに利点がある。特許文献2に開示されたクロージャでは、例えば、ピン及び係合用切欠きは、比較的正確に係合方向に互いに係合させなければならず、例えば、暗い場所では困難となり得る。
【0033】
前記磁気機構は、第1クロージャ部の第1磁石と第2クロージャ部の第2磁石とにより有利に形成し得る。これらの磁石は両クロージャ部に有利に設けられ、これにより、第2クロージャ部に対して第1クロージャ部が装着される際、磁石同士が磁気的に引き付け合うが、閉じ位置では第1磁石と第2磁石とが係合方向から見て互いにオフセットされており(ずれており)、閉じ位置において磁気吸引力が第1クロージャ部に係合方向に作用するようになっている。磁気機構はこのようにしてクロージャ部間にプレストレス(プリテンション)を与え、第1係合突起を係合方向に引っ張って第2係合突起に係合させようとする。これにより、係合が磁気的にサポートされ、第2係合突起における第1係合突起の保持も磁気的にサポートされる。したがって、第1クロージャ部の磁石は係合方向から見て第2クロージャ部の磁石の前に設けられており、それにより、磁石間の磁気吸引力が少なくとも係合方向の力の成分を有するようになっている。
【0034】
原理的には、前記磁気機構は閉じ方向に磁気的に引き付け合う効果を有しており、前記閉じ方向は、例えば係合方向にほぼ垂直に方向付け得る。したがって、前記磁気機構の作用により、クロージャ部同士は装着時に閉じ方向に引き付け合う。このときの磁気機構間の力は、第1クロージャ部の第1係合突起が第2クロージャ部の第2係合突起に対して磁気的なサポートにより係合されるように作用し、このようにしてクロージャ装置の閉じ動作は大部分が磁気的なサポートにより自動的に行われることになる。
【0035】
第1クロージャ部における第1係合突起及び第2クロージャ部における第2係合突起は、クロージャ装置の負荷状況下において係合の強化が得られるように、有利に形成・設計される。例えば、第1クロージャ部及び第2クロージャ部の各々には、V字状となるよう互いに鋭角をなして延在する2つの係合突起を設け得る。前記V字の先端は係合方向を向いており、係合方向は好ましくは負荷方向にも相当しているので、負荷状況下では、第2クロージャ部の係合突起における第1クロージャ部の係合突起の保持が強化される。
【0036】
また、前記V字形状は、さらに2つの局面において利点がある。1つ目は、V字状配置により、前記V字形状が規定する角度の範囲内における負荷方向とは異なる方向の力同士が第1係合突起と第2係合突起との確実な接続により吸収されるという利点がある。2つ目は、前記V字形状は安定しており、閉じ位置においてクロージャに作用する閉じ方向を中心としたピボット力を(係合突起の深さと比較して)比較的大きな有効幅で吸収できるという利点がある。ここでの有効幅はおおよそ前記V字状係合突起の負荷方向幅となる。
【0037】
しかし、原理的には、第1クロージャ部及び第2クロージャ部における係合突起をその他の形状とすることも考え得る。例えば、第1係合突起及び第2係合突起をそれぞれ円弧形状に設計し得る。
【0038】
前記V字形状又は円弧形状には、V字状突起又は円弧状突起において接続された係合突起同士の安定性が単純な直線型係合突起に比べて向上し得るという利点もある。
【0039】
各クロージャ部には、係合方向に沿って互いにオフセットした(ずらした)いくつかの係合突起を設けることも考えられ、可能である。そのような係合突起は、各クロージャ部に一列に又はマトリックス状に配置し得るものであり、閉じる際に、いくつかの係合突起が互いに係合するようになっている。ブロッキング要素の数は係合突起の数に対応する必要はない。原理的には、1つのブロッキング要素で、第1クロージャ部の第2クロージャ部に対する係合方向の反対方向への動きをブッロクするには十分である。しかし、いくつかのブロッキング要素を有利に設けることもできる。
【0040】
係合突起は、例えば、各クロージャ部に周期的に又はいくつかのグループで配置して、これらクロージャ部をいくつかの異なる位置で互いに係合させることもできる。特に、そのような係合突起を、一列に又はマトリックス状に配置したV字状係合突起又は円弧状係合突起のグループにより実現することもできる。
【0041】
負荷方向に負荷がかかった状態で係合突起同士の確実な接続が有利に強化されるという点は、例えばバックパックでの使用など多くの異なる変形例で分かるように、従来の押込み型バックルに対する本質的な機能的差異となる。押込み型バックルの原理は、とりわけ、2つのクロージャ部が負荷方向とは逆方向の差込み方向において互いに装着されるというものである。このような機構では、クロージャの耐負荷性は、弾性的に設計する必要がある掛け金要素の安定性に依存する。一方、負荷方向が、特に剛性を有する2つの係合部同士の確実な接続を有利に強化する方向となっているクロージャは、高い安定性と高い耐負荷性とを有する。したがって、このようなクロージャは、例えばヘルメットのクロージャ又は安全ベルトなどの安全関連の用途、特に、チャイルドシート又はベビーカーにおいて、技術的視点のみならずユーザの心理的視点からも非常に役立つものである。
【0042】
有利な実施形態では、第1クロージャ部及び第2クロージャ部は構造的に同一である。この場合、例えばプラスチック射出成型の機構により、1つのツールだけで非常に簡単に製造することができ、閉じる際には、クロージャ部同士を互いに逆にして装着し、第1クロージャ部の第1係合突起を第2クロージャ部の第2係合突起に係合させる。
【0043】
さらなる実施形態では、第1クロージャ部及び/又は第2クロージャ部はハウジングに格納可能に設けられ、格納位置ではクロージャ部が少なくとも部分的にハウジングに囲まれるようになっており、第1クロージャ部を第2クロージャ部に装着して第1係合突起と第2係合突起とを係合させる際には、クロージャ部がその格納位置から延出される。このように、前記格納位置では、各クロージャ部が少なくとも部分的にハウジング内に格納されるので、特に、係合突起は外部に飛び出ないか、又は一部分しか外部に飛び出なくなる。クロージャ部同士を接続する際、クロージャ部同士の装着を行う間は、特にクロージャ部間の磁気機構の作用によりクロージャ部が延出され、前記延出位置において係合突起同士の係合が確立され、それにより、クロージャ装置を閉じることができる。
【0044】
これは物体同士を確実に係合させることが要求される場合に特に有利であり、クロージャが開いているときに留め具が外部に飛び出て邪魔になることがない。
【0045】
前記目的は、負荷方向に沿って張力がかかる2つのベルトを接続するためのベルトバックルによっても解決される。このようなベルトバックルは、
第1クロージャ部及び第2クロージャ部を備えており、クロージャ装置を閉じるために前記第1クロージャ部を前記第2クロージャ部に装着可能であり、前記第1クロージャ部は閉じ位置において前記第2クロージャ部に保持されており、
前記第1クロージャ部は第1係合突起を、前記第2クロージャ部は第2係合突起を備えており、閉じる際に、前記第1係合突起は前記第2係合突起に対して係合方向に係合可能であり、閉じ位置では、前記第1係合突起は前記第2係合突起と確実に係合し、
前記第2クロージャ部には、ブロッキング要素が設けられており、前記第1クロージャ部が前記第2クロージャ部に装着される際に、前記ブロッキング要素は前記第1クロージャ部と連動することにより通常位置から移動し、それにより、前記第1係合突起は前記第2係合突起に対して係合方向に係合可能となり、係合の確立中又は確立後には、前記ブロッキング要素はその通常位置に戻り、それにより、通常位置において、前記第2係合突起に対する前記第1係合突起の確実な係合が係合方向に対してブロックされるブロッキング要素を備えている。
【0046】
さらに、第1クロージャ部及び/又は第2クロージャ部にはベルトを固定するためにベルトウエビング(生地)受けが設けられ、負荷状況下において、負荷方向に沿って負荷力が各クロージャ部に作用し、第1クロージャ部には係合方向に第2クロージャ部に対する負荷がかかるようになっている。
【0047】
純粋に機能的な意味では、前記ベルトバックルは上述のクロージャ装置に相当し、前記ベルトバックルは純粋に機械的な非磁性のクロージャ装置として設計することもできる。しかし、前記ベルトバックルは、閉じ動作をサポートするための磁気機構を有利に含むこともでき、前記説明がそのようなベルトバックルにも当てはまる。
【0048】
前記ベルトバックルは、張力がかかることになるベルト同士をクロージャ部同士の(取外し可能な)接続により互いに接続するクロージャ装置に相当する。負荷方向は係合方向に沿って方向付けられ、両ベルトに張力がかかった際にクロージャ部同士の保持が強化されるようになっており、これにより、負荷状況下において、ベルトバックルは容易には開かなくなる。クロージャ部同士の係合はブロッキング要素によりさらに固定されるので、負荷がかかった状態でも負荷がかかっていない状態でも不慮の取外しが容易には起こらなくなる。
【発明を実施するための形態】
【0050】
クロージャ装置1の第1の例示的な実施形態を
図1A、
図1B、及び
図2A、
図2Bにおいてそれぞれ異なる斜視図により示す。クロージャ装置1は第1クロージャ部2及び第2クロージャ部3を含み、それらはクロージャ装置1を閉じる際に概ね閉じ方向Xに互いに取り付けられることができる。閉じ位置では、第1クロージャ部2の係合突起220、221は第2クロージャ部3の係合突起320、321と機械的に係合し、これらの係合突起220、221、320、321の機構により、クロージャ部2、3が互いに保持される。
【0051】
第1クロージャ部2は、ベルトを固定するためにベルトウエビング受け(Gurtbandaufnahme)21が形成された基体20を含む。第1クロージャ部2には、実質的に2つの係合突起220、221からなる係合機構22が形成され、これら2つの係合突起はそれぞれ直線状に延在し互いにV字形状を形成する。前記係合突起220、221は、アンダーカットにより形成される。
【0052】
第2クロージャ部3も同様に、ベルトを固定するためにベルトウエビング受け31が搭載された基体30を含む。前記第2基体30には、係合突起320、321を含む係合機構32が形成される。前記係合突起320、321も同様にアンダーカットにより形成され、閉じ位置では、第1クロージャ部2の係合突起220、221と係合する。
【0053】
第1クロージャ部2には、2つのブロッキング・ノーズ23、24が形成される。前記ブロッキング・ノーズ23、24は、係合突起220、221から突出し、第2クロージャ部3のブロッキング要素33、34と連動してクロージャ装置1を閉じ位置にてブロックする役割を果たす。ブロッキング要素33、34は、第2クロージャ部3の基体30に弾性ブロッキング・タングとして形成されており、係合突起220、221を備えた第1クロージャ部2が係合突起320、321を備えた第2クロージャ部3に係合される方向である係合方向Y(例えば
図1A、
図1B、
図5Dを参照)に沿ってタング(舌)状に延在している。
【0054】
第2クロージャ部3には、作動機構4が作動スライドの形態で設けられており、前記作動機構4は、係合方向Yに沿って基体30に対してシフト移動可能であり、そのために保持要素41(例えば
図2B参照)で基体30を収める。作動スライド形態の作動機構4は、作動ノーズ42、43を含み、前記作動ノーズ42、43は、ブロッキング要素33、34と連動して、クロージャ装置1のブロックを解除するようブロッキング要素33、34を作動させる役割を果たす。そのために、作動ノーズ42、43は、以下追って説明するように、ブロッキング要素33、34の乗上げスロープ330、340上に乗り上げることができる。作動スライド形態の作動機構4には、ガイド要素44がさらに設けられ、これによって作動機構4は第2クロージャ部3の基体30上を案内される。
【0056】
図3A、
図4A、
図5Aに示すスタート位置において、クロージャ部2、3は互いに離れて存在している。クロージャ装置を閉じる際、第1クロージャ部2を第2クロージャ部3に閉じ方向Xに取り付けて、係合突起220、221、320、321同士及びそれぞれのクロージャ部2、3同士を機械的に係合する。
【0057】
クロージャ部2、3同士の装着及び接続確立をサポートするために、各クロージャ部2、3に磁石25、35が設けられている。
図4Aの断面図から分かるように、これらの磁石25、35は異なる極で互いに向き合っており、クロージャ部2、3間で磁気吸引力が及ぼし合うようになっている。
【0058】
クロージャ部2、3を閉じ方向Xに互いに取り付けると、第1クロージャ部2の係合突起220、221と第2クロージャ部3の係合突起320、321とが、これらの係合突起220、221、320、321に設けられた乗上げスロープ222、322によって互いに乗り上げ、第1クロージャ部2が第2クロージャ部3に対して係合方向Yの反対方向に後退し、第1クロージャ部2の係合突起220、221が第2クロージャ部3の係合突起320、321を通り過ぎて、係合突起220、221を備えた第1クロージャ部2が第2クロージャ部3の係合突起320、321に対して係合方向Yに係合するに至る。この様子を
図3B、
図4B、
図5B、及び
図3C、
図4C、
図5Cに示す。
【0059】
係合突起220、221、320、321が互いに通り過ぎるところまで移動すると、
図3D、
図4D、
図5Dに示すように、第1クロージャ部2が第2クロージャ部3に対して係合方向Yにシフト移動でき、それにより、第1クロージャ部2の係合突起220、221が第2クロージャ部3の係合突起320、321に係合する。第1クロージャ部2を第2クロージャ部3に取り付ける際、
図5Cから分かるように、ブロッキング・ノーズ23、24を備えた第1クロージャ部2がそれぞれ対応するブロッキング要素33、34に作用し、取付けの結果、これらブロッキング要素33、34は弾性的に通常位置からそれて、それによって係合方向Yに対してトランスバース(横)方向に後退する。
図5Dに示す閉じ位置では、ブロッキング・ノーズ23、24がブロッキング要素33、34に沿ってスライドした結果、それぞれ対応するブロッキング要素33、34を越えて係合方向Yに形成された開口部341に係合する。係合方向Yに対して剛性を有するように形成されたブロッキング要素33、34の機構により、第2クロージャ部3の係合突起320、321に対する第1クロージャ部2の係合突起220、221の係合がこのようにしてブロックされ、その結果、第2クロージャ部2は第2クロージャ部3に対して係合方向Yの逆方向には容易に動かず、したがって、第1クロージャ部2は第2クロージャ部3から容易に外れなくなる。
【0060】
閉じ位置においてクロージャ装置1に適切に負荷がかかると、クロージャ部2、3間に負荷方向Fに沿って力が働くが(
図5D参照)、これらの力は係合突起220、221、320、321同士の係合により確実かつ負荷に耐えるように吸収される。ブロッキング・ノーズ23、24と連動するブロッキング要素33、34の機構により、クロージャ装置1は偶然の開き動作に対してさらに安全なものとなる。
【0061】
図4Dから分かるように、クロージャ部2、3には磁石25、35が設けられ、前記閉じ位置では両磁石は依然として係合方向Yに沿って互いにオフセットされている(ずれている)。このように、係合方向Yに沿って見ると、第2クロージャ部3の磁石35は第1クロージャ部2の磁石25よりも後方に配置されているので、閉じ位置であっても依然としてクロージャ部2、3間には係合方向Yの成分を有する磁気吸引力が働いている。その結果、閉じ位置において、第1クロージャ部2には第2クロージャ部3に対して係合方向Yに負荷がかかり、これにより、第1クロージャ部2の閉じ位置への移動及び第2クロージャ部3における第1クロージャ部2の保持が磁気的にサポートされる。
【0062】
クロージャ装置1を開く場合、
図3E、
図4E、
図5Eに示すように、作動スライド形態の作動機構4が作動され、作動スライド4は第2クロージャ部3の基体30に対して係合方向Yに平行な作動方向Bにシフト移動する。これにより、作動スライド4の作動ノーズ42、43は、対応するブロッキング要素33、34の乗上げスロープ330、340に乗り上がり、
図5Eに示すようにブロッキング要素33、34は係合方向Yに対してトランスバース(横)方向に押しやられる。これにより、
図3F、
図4F、
図5F、及び
図3G、
図4G、
図5Gに示すように、ブロッキング・ノーズ23、24が解除されることにより、クロージャ装置1のブロックが解除され、クロージャ部2、3を互いに取り外すことができる。
【0063】
前記のような作動機構の設計は、特に、ユーザが開く際に必要な2つの動作(ブロッキング片によるブロックの解除及び係合突起同士の係合の解除)を1つの作動により行えるという点で利点がある。
【0064】
クロージャ部2、3は、例えば、射出成型されたプラスチック部品として簡易な構成で設計できる。この場合、磁石25、35は、例えばネオジム磁石からなる追加部品としてクロージャ部2、3に装着される。
【0065】
原理的には、磁石25、35を省略して純粋に機械的なクロージャ装置1を提供することもできる。この場合、クロージャ部2、3は手動で互いに装着及び係合される。
【0066】
図6A、
図6B、
図7A〜
図7F、
図8A〜
図8F、
図9A〜
図9Fはクロージャ装置1のさらなる例示的な実施形態を示す。このクロージャ装置1は、それぞれ1つの基体20、30を備えた第1クロージャ部2及び第2クロージャ部3を含み、前記基体20、30には係合突起220、221、320、321が形成される。クロージャ部2、3はそれぞれベルトウエビング受け21、31を備えている。第2クロージャ部3には、ブロッキング要素33、34が設けられる。
【0067】
クロージャ装置の動作モードは前記の例示的な実施形態と同様なので、前記の説明を参照されたい。しかし、前記の例示的な実施形態とは異なり、この例示的な実施形態では、ばね要素45を介して互いに接続された2つの作動部40A、40Bを備えた作動機構4を含む。前記作動機構4は、例えば、プラスチック部品として一体的に設計し得る。作動機構4は第1クロージャ部2の受入れスペース200に配置され、カバー201により受入れスペース200内に保持される(分かりやすくするため、
図7A〜
図7F、
図8A〜
図8F、
図9A〜
図9Fでは、ハウジングカバー201は示していない)。各作動部40A、40Bにはブロッキング・ノーズ400A、400Bが設けられ、各ブロッキング・ノーズは第1クロージャ部2の基体20に設けられた空隙200A、200Bを通って延在する。
【0069】
閉じる際、クロージャ部2、3は閉じ方向Xに互いに取り付けられ、係合突起220、221、320、321における乗上げスロープ222、322同士が互いに乗り上げ、そして前記説明と類似して、係合突起220、221、320、321が互いを通り過ぎるように移動する(
図7A、
図8A、
図9A参照)。
【0070】
ブロッキング・ノーズ400A、400Bは、装着中は、作動部40A、40Bを互いに押し離しているばね要素45により生じるプレストレス(プリテンション)(Ansetzen)により、それぞれ対応する空隙200A、200B内における外側位置にあり、装着中にブロッキング要素33、34に当接し、それによって前記ブロッキング要素33、34はそれぞれの静止位置から押し付けられる(
図7B、
図8B、
図9B)。
【0071】
第1クロージャ部の係合突起220、221が第2クロージャ部3の係合突起320、321を閉じ方向Xに通り過ぎると、係合突起220、221は、第2クロージャ部2の係合突起320、321に対して係合方向Yに係合することができる(
図7C、
図8C、
図9C)。
【0072】
閉じ位置では、第1クロージャ部2の係合突起220、221は、第2クロージャ部3の係合突起320、321に係合し、第1クロージャ部2が第2クロージャ部3において機械的に保持される。
【0073】
第1クロージャ部2が第2クロージャ部3に対して係合方向Yに移動して係合突起220、221、320、321同士を係合させる際、ブロッキング・ノーズ400A、400Bもそれぞれ対応するブロッキング要素33、34に沿って移動する。そして閉じ位置では、ブロッキング・ノーズ400A、400Bはブロッキング要素33、34を越えて開口部331、341内に位置することになる(
図8C参照)。その結果、クロージャ装置1は、ブロッキング・ノーズ400A、400Bと、これらと連動するブロッキング要素33、34のメカニズムによりブロックされ、これにより係合突起220、221、320、321同士の係合が確保される。
【0074】
クロージャ装置1を開く際には、作動機構4の作動部40A、40Bは互いに向けて作動方向Bに押される(
図7D、
図8D、
図9D)。作動部40A、40Bに設けられたブロッキング・ノーズ400A、400Bはこれにより係合方向Yに対して横方向にブロッキング要素33、34の領域外へと移動し(
図9D)、その結果、係合突起220、221が設けられた第1クロージャ部2は、その移動がブロッキング要素33、34にブロックされることなく、第2クロージャ部3に対して係合方向Yの反対方向に移動できる。
【0075】
対応する空隙200A、200B内のブロッキング・ノーズ400A、400Bが互いに向けて(作動方向B、
図7E、
図8E、
図9E参照)さらに押されると、ブロッキング・ノーズ400A、400Bが第2クロージャ部2のV字状の係合突起320、321に対して作動方向Bに作用して、第1クロージャ部2を係合方向Yの反対方向に第2クロージャ部3から離間するように押すことで、クロージャ部2、3同士の取外しが機械的にサポートされる。
【0076】
装置のブロックを解除し、クロージャ部2、3が互いに解放された後、第1クロージャ部2は第2クロージャ部3から取り除くことができる(
図7F、
図8F、
図9F)。
【0077】
前記の例示的な実施形態では、磁気機構25、35が同様に設けられ、クロージャ部2、3同士の装着を閉じ方向Xに磁気的にサポートする。この接続については、
図1〜
図5に係る第1の例示的な実施形態での態様を参照されたい。
【0078】
図6〜
図9を参照して説明された例示的な実施形態では、作動機構4は2つの分離・独立して作動可能な作動部40A、40Bを備えて形成されている。クロージャ装置1を開く際、これらの作動部40A、40Bを閉じ方向Xに対してトランスバース方向であり、かつ係合方向Yに対してトランスバース方向である作動方向Bに沿って互いに向けて移動させることにより、ブロッキング・ノーズ400A、400Bをそのブロック位置から外れるようブロッキング要素33、34に対して移動させなければならない。
【0079】
図10A、
図10B、
図11A〜
図11C、
図12A〜12Cに示すクロージャ装置1のさらなる例示的な実施形態では、第1クロージャ部2は第1係合突起220を含み、第2クロージャ部3は第2係合突起320を含む。第2クロージャ部3には、ブロッキング要素33がばね・タング(舌)の形態で設けられ、第2クロージャ部3の基体30に弾性的に接続されている。
【0081】
閉じる際(
図11A、
図12A)、第1クロージャ部2は第2クロージャ部3に対して閉じ方向Xに取り付けられ、このとき、乗上げスロープを備えた係合突起220、320は互いに乗り上げ、それにより、第1クロージャ部2は第2クロージャ部3に対して係合方向Y(閉じ方向Xに対して垂直な方向)の反対方向にオフセットされている(ずれている)。第1クロージャ部2の第1係合突起220は第2クロージャ部3のブロッキング要素33にも作用して、ブロッキング要素33が概ね閉じ方向Xに後退し、これにより、第1クロージャ部2の係合突起220を第2クロージャ部3の係合突起320に係合させることができる。
【0082】
第1クロージャ部2及び第2クロージャ部3には、磁石25、35が設けられ、磁気吸引力を提供して、両磁石はクロージャ部2、3同士の装着を磁気的にサポートしている。
【0083】
閉じ位置(
図11B、
図12B)では、第1クロージャ部2の係合突起220は、
図12Bに示すように、第2クロージャ部3の係合突起320に確実に係合されている。閉じ位置では、ブロッキング要素33はその通常位置にあり、このときブロッキング要素33は係合方向Yに沿って延在し、係合方向Yの反対方向への動きに対して第1クロージャ部2の第1係合突起220をブロックする。この場合、係合突起220は、ブロッキング要素33の自由端部分にある開口部331内に係合する。
【0084】
開く際、第1クロージャ部2は、閉じ方向Xに対してトランスバース方向(quer)かつ係合方向Yに対してトランスバース方向(quer)である開き方向Zに第2クロージャ部3の切欠き332へとシフト移動することができ、それにより、第1クロージャ部2の係合突起220はブロッキング要素33の領域から取りはずされ、それと同時に係合突起220は係合突起320との係合が外れるよう移動する。第2クロージャ部3の係合突起320は第1クロージャ部2の溝型切欠き224(
図10A)内をスライドし、それにより係合突起220、320同士の係合が外れる。
【0085】
第1クロージャ部2の開き方向Zへの開き動作により、係合突起220がブロッキング要素33の領域から取り外されるので、ブロッキング要素33によるブロックが解除される。その一方で、係合突起220、320間の係合が解除されるので、第1クロージャ部2は開き方向Yの反対方向だけでなく直接閉じ方向Xの反対方向にも第2クロージャ部3から取り外すことができる。
【0086】
原理的には、第2クロージャ部2を開き方向Zにシフト移動させることにより係合突起220、320のブロックのみ又は係合のみが解除されることも考えられる。1つ目のケースでは、切欠き332の全長に沿って係合突起320が延在することになる。2つ目のケースでは、切欠き332の全長に沿ってブロッキング要素33が延在することになる。
【0087】
クロージャ装置1の動作モードのその他の点は、前記2つの例示的な実施形態と同様なので、前記の説明も参照されたい。
【0088】
図13A、
図13B、
図14A〜
図14E、
図15A〜
図15Eに示すさらなる例示的な実施形態では、クロージャ装置1は第1クロージャ部2及び第2クロージャ部3を含み、前記第1クロージャ部2及び第2クロージャ部3はそれぞれ2つの係合突起220、221、320、321を含み、各係合突起は円弧部を形成する。
【0089】
第1クロージャ部2は、クロージャ装置1を閉じたときに第2クロージャ部3のピン36が挿入されるピン受け26を含む。第1クロージャ部2の一方の係合突起220は、ピン受け26内に設けられ、他方の係合突起221はピン受け26の外壁に配置される。
【0090】
第2クロージャ部3は、第2クロージャ部3の基体30に弾性ブロッキング・タングとして形成されたブロッキング要素33を含む。
【0092】
閉じる際、第1クロージャ部2は第2クロージャ部3に対して閉じ方向Xに取り付けられる。乗上げスロープを備えた係合突起220、221がそれぞれ第2クロージャ部3の対応する係合突起320、321に乗り上げ、それにより、第1クロージャ部2が第2クロージャ部3に対して係合方向Yの反対方向にずれる(オフセットされる)ことになる(
図14A、
図15A)。
【0093】
取付けの際には、係合突起220、221は係合方向Yに互いに係合するまで、第1クロージャ部2の2つの係合突起220、221のうち、係合突起220はブロッキング要素33に接触して前記ブロッキング要素33を閉じ方向X(
図14B、
図15B)に押して通常位置から外す(
図14C、
図15C及び
図14D、
図15D)。閉じ位置(
図14D、
図15D)では、係合突起220、221、320、321は互いに確実に係合し、
図15Dの左側に示すように、第1クロージャ部2の係合突起220の係合はブロッキング要素33によって係合方向Yに対して固定される。
【0094】
図15Cの例に示すように、第1クロージャ部2を第2クロージャ部3に取り付ける際に、ブロッキング要素33は弾性的に曲げられ、それによってプレストレス(プリテンション)が与えられる。これにより、少なくとも1つの力成分を有するプレストレスが係合突起220に対して係合方向Yに作用する。その結果、このプレストレス条件下では、ブロッキング要素33と係合突起220との間の接触面はもはや平行ではなくなって互いに角度をなし、係合方向Yにおける係合突起320、321に対する係合突起220、221の係合は、ばね引張り(スプリング・プリテンション)によりブロッキング要素33によって機械的にサポートされる。このような効果は、スロープ333がブロッキング要素33及び/又は係合突起220に設けられていることから有利に高めることができ、プレストレス条件下では、ブロッキング要素33及び係合突起220は互いに前記スロープ333を介して支えられ、これにより、プレストレスの少なくとも一部が係合方向Yに向けられた力成分へと変換され、係合がサポートされる。
【0095】
そしてクロージャ部2、3には磁石25、35が設けられ、前記磁石25、35が磁気的に引き付け合ってクロージャ部2、3の装着を磁気的にサポートする。この点については、前述の例示的な実施形態の説明も参照されたい。
【0096】
第1クロージャ部2には、第1クロージャ部2の基体20に弾性的に接続され、前記基体20と一体に形成された作動要素4の形態で作動機構4が設けられる。前記作動機構4は、クロージャ装置1を開く際に、閉じ方向Xに沿って方向付けられた作動方向Bに押し下げられ、それにより、作動要素4はブロッキング要素33に作用して前記ブロッキング要素33をブロッキング通常位置から移動させる(
図14E、
図15E)。係合突起220はこれにより解放され、第1クロージャ部2は第2クロージャ部3に対して係合方向Yとは反対の取外し方向Y´に移動でき、このようにして係合突起220、221、320、321は互いの係合が外れるように移動できる。
【0097】
これは、特に、ユーザが、開く際に必要な2つの動作(ブロッキング・ピースによるブロックの解除及び係合突起の係合の解除)を1つの作動により行えるという点で利点がある。
【0098】
図16A〜
図16D、
図17A〜
図17D、
図18A、
図18Bに示すようなクロージャ装置1のさらなる例示的な実施形態では、2つのクロージャ部2、3は同一の構造で形成されており、それぞれ2つの係合突起220、221、320、321を含む。クロージャ部2、3が同一の部品として形成されていることにより、例えばプラスチック射出成型のメカニズムでクロージャ部を形成する際に必要なツールが1つのみとなるので、製造が特に簡単となる。
【0099】
クロージャ部2、3はそれぞれブロッキング要素27、33を含み、前記ブロッキング要素27、33は、クロージャ装置1の閉じ位置において、それぞれ他方のクロージャ部3、2の対応する係合突起320、221と連動してブロッキングを行う。
【0101】
閉じる際、第1クロージャ部2は第2クロージャ部3に対して閉じ方向Xに装着され、それにより、ブロッキング要素27、33はそれぞれ他方のクロージャ部3、2の係合突起320、221と連動することにより各通常位置から移動する(
図17A、
図17B参照)。ブロッキング要素27、33を脇へ押しやることにより、係合突起220、221、320、321を互いに係合させることができる。つまり、第1クロージャ部2が第2クロージャ部3に対して係合方向Yに移動して、係合突起220、221、320、321が閉じ位置(
図16C、
図17C)において互いに確実に係合するに至る。係合突起220、221、320、321が閉じ位置に移行する際、ブロッキング要素27、33は再びそれらの通常位置に戻り、第1クロージャ部2の、第2クロージャ部3に対する係合方向Yの反対方向への移動をブロックし、それによって、係合突起220、221、320、321の係合が係合方向Yに固定される。
【0102】
クロージャ装置1を開く際、第1クロージャ部2を第2クロージャ部3に対して作動方向Zに回転させることができ、これにより、第1クロージャ部2の係合突起220、221は、開き方向Zの向きに、第2クロージャ部3の係合突起320、321との係合から外れることになる(
図16D、
図17D)。同時に、これによって係合突起220、321はブロッキング要素27、33の領域から外れ、ブロッキング機構27、33によるクロージャ装置1のブロックが解除される。この開き位置でクロージャ部2、3を互いに取り外すことができる。
【0103】
開く際に第1クロージャ部2を第2クロージャ部3に対して開き方向Zに回転させることにより、クロージャ部2、3のプラットフォーム28において斜面(Rampe)280同士が互いに乗り上げる(第1クロージャ部2を別の図で示す
図18Bを参照;第2クロージャ部3も同一の構造である)。クロージャ部2、3の斜面280同士が互いに乗り上げることにより、クロージャ装置1を開く際に第1クロージャ部2が第2クロージャ部3から閉じ方向Xの反対方向に離間する。これは、開く際に同時にクロージャ部2、3の磁石25、35間に作用する磁力を弱める効果をもたらすという利点がある。開く際、第1クロージャ部2を第2クロージャ部3に対して約90°回転させる(
図16B)。この開き動作は、開き方向Z及びその反対方向の両方の回転により行うことができるので、第1クロージャ部2は第2クロージャ部3に対して両方向に回転させることができる。
【0104】
磁石25、35は矩形状磁石として設計すると有利である。磁石25、35は互いに近づけると整列され、
図16A〜
図16C、
図17A〜
図17Cに示すようにクロージャ部2、3が長手方向整列位置となるよう好適に方向付けられる。回転させると磁気的な逆駆動トルクが得られるので、特に、不注意でほんのわずかにずれた場合において、クロージャ部2、3を閉じ位置に対応する長手整列方向に戻すことができる。
【0105】
図19A〜
図19Fに示すようなクロージャ装置1のさらなる例示的な実施形態では、第1クロージャ部2は第2クロージャ部3に対して閉じ方向Xに装着できる。装着の際(
図19A、19B)、第1クロージャ部2及び第2クロージャ部3の係合突起220、320が互いに乗り上げ、それにより、係合突起220、320は乗上げスロープに沿って互いにスライドし、第1クロージャ部2は第2クロージャ部3に対して係合方向Yにオフセットされる。第2クロージャ部3のブロッキング要素33は閉じ方向Xに脇へ押しやられ(
図19C)、それにより、第1クロージャ部2の係合突起220は第2クロージャ部3の係合突起320を通り過ぎて移動することができ、係合突起220、320が係合方向Yに確実に係合するに至ることができる(
図19D)。閉じ位置(
図19D)において、ブロッキング要素33は再びその通常位置に戻り、ブロッキング要素33は第1クロージャ部2の係合突起220をブロックするよう作用し、これにより、係合突起220、320同士の係合を確実にする。開く際、第1クロージャ部2は、それに対して設けられた物体202とともに、開き方向Zに回動可能である。丸み部分(Abrundung)223を有する係合突起220はブロッキング要素33の端面に沿って移動し、閉じ方向Xに対する係合突起220と係合突起320との間の確実な係合が解除され、第1クロージャ部を第2クロージャ部3から閉じ方向Xに取り除くことができる(
図19F)。
【0106】
図19A〜
図19Fに示す例示的な実施形態により、例えば眼鏡(例えばスキーゴーグル:Skibrille)又はバイザー(Visier)などをヘルメット(例えばスキーヘルメット)に固定することができる。
【0107】
図20に示すようなクロージャ装置1の例示的な実施形態では、同一構造部品として形成された2つのクロージャ部2、3はそれぞれ複数の係合突起220、320を含み、これらの係合突起220、320はそれぞれ対応するクロージャ部2、3において1列に配置される。係合突起220、320は、クロージャ部2、3を閉じ方向に装着することにより互いに係合され、
図20に示す閉じ位置において、係合突起220、320同士の保持がクロージャ部2、3の2つのブロッキング要素27、33により固定され、それにより、係合突起220、320同士の係合が容易に解除されなくなる。
【0108】
作動の際、ブロッキング要素27、33は手動で作動可能であり、両ブロッキング要素27、33は対応する係合突起320、220とのブロック係合が外れるよう曲げられる。ブロッキング要素27、33を遠ざけた後、係合突起220、320を互いに向けて係合方向Yの反対方向に移動させることができ、それにより、クロージャ部2、3を互いに離間させることができる。
【0109】
図20の例示的な実施形態の変形例である
図21の例示的な実施形態では、2つのクロージャ部2、3にはそれぞれ複数の係合突起220、320が2次元マトリックスの態様で配置されている。そしてクロージャ部2、3には、それぞれブロッキング要素27、33が設けられており、それにより、係合突起220、320同士の係合が閉じ位置においてブロックされるようになっている。
【0110】
原理的には、クロージャ部2、3に設けられた係合突起220、320の数はブロッキング要素27、33の数に対応する必要はない。原理的には、各クロージャ部2、3につき1つのブロッキング要素27、33があれば、係合突起220、330の係合をブロックして固定するには十分であるが、確実なブロックのため、第1クロージャ部2若しくは第2クロージャ部3のいずれか、又は両方のクロージャ部2、3に複数のブロッキング要素27、33を設けることも可能である。
【0112】
第1クロージャ部2は、
図1〜
図5の例示的な実施形態と同様に形成された係合突起220、221を含む。第1クロージャ部2には、クロージャ装置1を開くよう機能する押しボタンの形態で作動機構4が設けられる。前記押しボタン4は第1クロージャ部2の基体20に設けられた開口部203、204を通って延在する作動部40A、40Bを含み、前記作動部40A、40Bは第2クロージャ部3のブロッキング要素33、34に作用するものである。押しボタン4は第1クロージャ部3の磁石受け250と係合する開口部401を含む。前記磁石受け250には、第1クロージャ部2の磁石25が保持される。
【0113】
第2クロージャ部3は同様に係合突起320、321を含む。第2クロージャ部3には、ブロッキング要素33、34がさらに設けられる。ここまでは、前記第2クロージャ部3は
図1〜
図5の例示的な実施形態に係る第2クロージャ部3と同様である。
【0114】
第2クロージャ部3はハウジング5に設けられ、クロージャ部2、3が互いに装着し得る方向である閉じ方向Xに沿ってハウジング5内でシフト移動可能である。ハウジング5は、開口部500を有する基体50を含み、そこには第2クロージャ部3のシフト移動路を制限するための停止部501が設けられている。基体50には底部51が設けられ、前記底部51の磁石受け511には磁石52が保持される(前記磁石52は強磁性電機子として形成することもできる)。
【0116】
クロージャ装置1を閉じる前のスタート状態において、第2クロージャ部3はハウジング5の内部の格納位置にある(
図24A)。クロージャ装置1を開いた後は、第2クロージャ部3は格納位置に引き込まれる。これは、ハウジング5の底部51における磁石52が第2クロージャ部3の磁石35と磁気的に引き合うようにして連動し、これにより第2クロージャ部3に対してハウジング5内への磁気吸引力を生じるからである。
【0117】
クロージャ装置1を閉じる際、第1クロージャ部2がハウジング5に接近し、それにより第1クロージャ部2の磁石25も第2クロージャ部3の磁石35に接近する。磁石25、35間の磁気吸引力により、第2クロージャ部3はハウジング5内の格納位置から延出し(
図24B)、それにより第2クロージャ部3は、第1クロージャ部2が第2クロージャ部3と係合し得る延出位置に移動する。
【0118】
ハウジング5内における第2クロージャ部3のシフト移動路は、ここでは、ハウジング5に設けられた停止部501と第2クロージャ部3に設けられた停止部37とにより制限される。前記延出位置では、これら停止部501、37は互いに接しており、それにより、第2クロージャ部3はハウジング5における規定された位置に配置される。この位置では、少なくとも第2クロージャ部3の係合突起320がハウジング5の開口部500から突出する。
【0119】
第1クロージャ部2を第2クロージャ部3に装着する際、第1クロージャ部2の係合突起220は第2クロージャ部3のブロッキング要素33へと押し付けられ(
図25B)、それにより、ブロッキング要素33は閉じ方向Xに後退し、第1クロージャ部2の係合突起220、221は係合突起320、321と係合する(
図23C、
図24C、
図25C)。
【0120】
閉じ位置(
図23C、
図24C、
図25C)では、係合突起220、221、320、321は互いに係合し、係合方向Yに対する前記係合がブロッキング要素33、34によって固定される。
【0121】
開く際、作動ノブ4は閉じ方向Xと平行な作動方向Bに作動され、作動部40A、40Bはそれぞれ対応するブロッキング要素33、34に作用して前記ブロッキング要素33、34をその通常位置外へ押しやる(
図25D)。これにより係合突起220、221、320、321の係合のブロックが解除され、係合突起220、221は、係合方向Yの反対方向に、第2クロージャ部3の係合突起320、321との係合から外れる(
図23E、
図24E、
図25E)。この状態から、クロージャ部2、3は互いに取り外すことができ、それによりクロージャ装置1は開かれる。
【0122】
2つの斜視分解図である
図26A、
図26B及びそれぞれ異なる位置で示す
図27A〜
図27D、
図28A〜
図28Dに示すようなクロージャ装置1の例示的な実施形態では、2つのクロージャ部2、3が設けられる。前記クロージャ部2、3は原理的には
図1〜
図5を参照して例として説明した例示的な実施形態の態様で形成され、それぞれ2つの係合突起220、221、320、321を含む。これらの係合突起は互いにV字形状をなすよう設けられ、クロージャ装置1の閉じ位置では互いに確実に係合する。この点については前記の説明も参照されたい。
【0123】
図26〜
図28に示す例示的な実施形態では、第1クロージャ部2は、レバー要素46により形成された作動機構4を含む。レバー要素46は2つのタブを介して第1クロージャ部2の基体20のピン205、206にピボット運動可能に設けられており、ピボット軸Sを中心に基体20に対してピボット運動可能となっている。レバー要素4には、タブ461A、461Bから離れた前端に2つのブロッキング・ノーズ460A、460Bが設けられる。前記ブロッキング・ノーズ460A、460Bは、クロージャ装置1の閉じ位置において、第2クロージャ部3の基体30に剛体的に形成されたブロッキング要素33、34と係合し、これにより、閉じ位置におけるクロージャ部2、3同士の確実な係合を係合方向Yに対してブロックする。
【0124】
クロージャ装置1を閉じるために第1クロージャ部2を第2クロージャ部3に装着する際、
図27A、
図28Aに示すように、第1クロージャ部2は第2クロージャ部3に対して閉じ方向Xに近づく。クロージャ部2、3における磁石25、35(又は一方のクロージャ部2、3における磁石及び他方のクロージャ部3、2における磁性電機子)により、クロージャ部2、3同士が磁気的に引き付け合うので、閉じ動作が磁気的にサポートされる。
【0125】
図27B、
図28Bに示すように、係合突起220、221、320、321における乗上げスロープ222、322同士が突き当たって互いに乗り上げ、第1クロージャ部2が第2クロージャ部3に対して係合方向Yの反対方向にずれ、係合突起220、221を備えた第1クロージャ部は係合突起320、321を通り過ぎてスライドし係合突起320、321に係合することができる。
【0126】
図27C、
図28Cに示す閉じ位置では、クロージャ部2、3の係合突起220、221、320、321が互いに確実に係合され、特に、クロージャ部2、3間において係合方向Yに作用する負荷が効果的に吸収される。
【0127】
第1クロージャ部2の基体にはウェブガイド207が設けられ、前記ウェブガイド207は、クロージャ部2、3の装着時に、第2クロージャ部3の基体30における溝ガイド300と係合する。これにより、クロージャ部2、3は閉じ方向Xに対してトランスバース方向かつ係合方向Yに対してトランスバース方向において互いに固定される。よって、クロージャ部同士の変位は係合方向Yに沿ってのみ可能となる。これによりクロージャ装置1の機械的安定性が向上する。
【0128】
クロージャ部2、3を互いに装着する際、作動機構4のレバー要素46におけるブロッキング・ノーズ460A、460Bもまた、第2クロージャ部3の剛性ブロッキング要素33、34に突き当たる。
図28Bに示すように、最初、レバー要素46はわずかに後退しピボット運動する。閉じ位置では、
図28Cに示すように、ブロッキング・ノーズ460A、460Bは係合方向Yから見てブロッキング要素33、34の後方に位置し、それにより、第2クロージャ部3に対する係合方向Yの反対方向への第1クロージャ部2の変位がブロックされる。このようにして、閉じ位置ではクロージャ部2、3は係合方向Yに互いに確実に保持され、互いに係合方向Yに対してブロックされる。
【0129】
開く際、レバー要素46が作動されるが、そのためにレバー要素46は
図27D、
図28Dに示すように開き方向Zにピボット運動する。これにより、レバー要素46のブロッキング・ノーズ460A、460Bは第2クロージャ部3のブロッキング要素33、34の領域から外れ、クロージャ部2、3間のブロックが解除される。
【0130】
また、レバー要素46の作動時には、ブロッキング・ノーズ460A、460Bから離れた位置にあるレバー要素46のレバー・ポーション462の端部463が第2クロージャ部3の基体30内の開口部310と係合する。この開口部310のエッジ部分に作用することにより、第1クロージャ部2に対して係合方向Yの反対方向にレバー力が生じる。前記レバー力は、レバー要素46の作動時に、
図28Dに示すように、係合突起220、221を備えた第2クロージャ部2を押して第2クロージャ部3の係合突起320、321との係合から外す。
【0131】
このように、レバー要素は、一方では、閉じ位置においてクロージャ部2、3を互いにブロックする役割を果たし、他方では、クロージャ部2、3を互いに離間させる開き動作をサポートする役割を果たす。
【0132】
レバー要素46は例えば金属部品として製造でき、例えば強磁性材料からなる板金部品として製造できる。このことは、第1クロージャ部2に設けられた磁石25がレバー要素46を引き付けるよう作用し、前記レバー要素46を、クロージャ部2、3同士が装着可能となるスタート位置へと移動させるという点で有利である。このスタート位置では、レバー要素46のブロッキング・ノーズ460A、460Bは、クロージャ部2、3同士が装着されたときに各ブロッキング・ノーズがブロッキング要素33、34に接触してブロックするような位置にある。レバー要素46の磁気的な作用により、クロージャ装置1が閉じ位置となったときにレバー要素46もまたスタート位置に保持され、それにより、クロージャ部2、3はそれぞれの位置でブロックされる(
図28C)。
【0133】
また、例えば、レバー要素46は、機械的なばね要素により、第1クロージャ部2の基体20に対してスタート位置の方向へ付勢することもできる。これにより、作動後には、この機械的なばねの作用により、レバー要素46もスタート位置に戻る。
【0134】
このような機械的なばねによる付勢は、特に、クロージャ部2、3に磁気機構が全く設けられておらず、したがってクロージャ装置1が純粋に機械的に設計されている場合、又は磁性電機子(のみ)が第1クロージャ部2に設けられている場合に都合がよい。
【0135】
レバー要素46の戻りは、レバー・ポーション462と第2クロージャ部3との相互作用により達成することもできる。つまり、クロージャ部2、3を装着すると、レバー・ポーション462は第2クロージャ部3に接触し、これによりレバー要素46はそのスタート位置に戻るというわけである。
【0136】
本発明に含まれるアイデアは、上述した例示的な実施形態に限定されず、全く異なる実施形態により実現することもできる。