特許第6381586号(P6381586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニヴァロックス−ファー ソシエテ アノニムの特許一覧

特許6381586少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法
<>
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000002
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000003
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000004
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000005
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000006
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000007
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000008
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000009
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000010
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000011
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000012
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000013
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000014
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000015
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000016
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000017
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000018
  • 特許6381586-少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法 図000019
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381586
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】少なくとも1つの面取りを有するシリコン系構成部品及びその製作方法
(51)【国際特許分類】
   B81C 1/00 20060101AFI20180820BHJP
   G04B 17/06 20060101ALI20180820BHJP
   G04B 15/14 20060101ALI20180820BHJP
   G04B 13/02 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   B81C1/00
   G04B17/06 Z
   G04B15/14 A
   G04B13/02 Z
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-122399(P2016-122399)
(22)【出願日】2016年6月21日
(65)【公開番号】特開2017-7086(P2017-7086A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2016年6月21日
(31)【優先権主張番号】15173823.4
(32)【優先日】2015年6月25日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599040492
【氏名又は名称】ニヴァロックス−ファー ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 勇三
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】アレクス・ガンデルマン
【審査官】 柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−084996(JP,A)
【文献】 特開平06−005566(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103456620(CN,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02840059(EP,A1)
【文献】 特開2014−163737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B81C 1/00
G04B 13/02
G04B 15/14
G04B 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン系材料製の微小機械構成部品(101、111)を製作するための方法(11)であって、前記方法(11)は以下のステップ:
a)シリコン系基板(40)を準備するステップ;
b)前記基板(40)の水平部分上に、孔(45)を穿孔したマスク(43)を形成するステップ;
c)エッチング室内において、前記マスク(43)の前記孔(45)から前記基板(40)の厚さの一部分に、所定の傾斜した壁(46)をエッチングして、前記微小機械構成部品(101、111)の上側面取り表面(106)を形成するステップ;
d)前記エッチング室内において、前記ステップc)で作製されたエッチング部(49)の底部から前記基板(40)の厚さの少なくとも一部分に、略垂直な壁(47)をエッチングして、前記上側面取り表面(106)の下側に前記微小機械構成部品(101、111)の周縁壁(105)を形成するステップ;
e)前記基板(40)から、及び前記マスク(43)から、前記微小機械構成部品(101、111)を取り外すステップを含み、
前記ステップc)は、前記所定の傾斜した壁(46)を形成するために、エッチングガス及びパッシベーションガスをエッチング室内で混合することによって達成され
前記ステップc)では、底部水平面におけるパッシベーションが増強するように、連続したエッチングガス流とパッシベーションガス流とを反復させる
ことを特徴とする、
方法(11)。
【請求項2】
前記ステップd)は、前記略垂直な壁(47)を形成するために、エッチングガス流とパッシベーションガス流とを前記エッチング室内で交互に発生させることによって達成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法(11)。
【請求項3】
前記方法は、前記ステップd)と前記ステップe)との間に、以下のステップ:
f):前記ステップd)で作製されたエッチング部(51)の底部はいずれの保護層も有しないまま残して、前記所定の傾斜した壁(46)及び前記略垂直な壁(47)の上に保護層(52)を形成するステップ;
g)前記エッチング室内において、前記ステップd)で作製された前記エッチング部(51)の、保護層を有しない底部から、前記基板(40)の残りの厚さに、第2の所定の傾斜した壁(48)をエッチングして、前記微小機械構成部品(101、111)の下側面取り表面(109)を形成するステップ
を更に含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法(11)。
【請求項4】
前記ステップg)は、前記第2の所定の傾斜した壁(48)を形成するために、前記エッチングガス及び前記パッシベーションガスを前記エッチング室内で混合することによって達成されることを特徴とする、請求項に記載の方法(11)。
【請求項5】
前記ステップg)では、底部水平面におけるエッチングが増強するように、前記連続したエッチングガス流とパッシベーションガス流とを反復させることを特徴とする、請求項に記載の方法(11)。
【請求項6】
前記ステップf)は、以下の段階:
f1)前記所定の傾斜した壁(46)及び前記略垂直な壁(47)を酸化させて、酸化ケイ素保護層(52)を形成する段階;
f2)前記酸化ケイ素層(52)に方向性エッチングを施して、前記ステップd)で作製された前記エッチング部(51)の前記底部から前記保護層(52)の一部のみを選択的に除去する段階
を含むことを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法(11)。
【請求項7】
前記方法(11)は前記ステップe)の前に、以下のステップ:
h)前記上側面取り表面(106)、前記周縁壁(105)及び前記下側面取り表面(109)で形成された前記微小機械構成部品(101、111)のエッチング中に生成されたキャビティ(53)を、金属又は金属合金で充填して、前記微小機械構成部品(101、111)に付属物を設けるステップ
を含むことを特徴とする、請求項3〜6のいずれか1項に記載の方法(11)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの面取りを有するシリコン系微小機械構成部品、及びその製作のための方法に関する。より具体的には、本発明は、シリコン系ウェハを微小機械加工することによって形成された、上述のような構成部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、結晶質又は多結晶シリコン等の非晶質又は結晶質材料のウェハを微小機械加工することによる、時計構成部品の製作が開示されている。
【0003】
このような微小機械加工は一般に、深掘り反応性イオンエッチング(略語「DRIE」でも知られる)によって得られる。図1〜4に示すように、公知の微小機械加工方法は、基板3上にマスク1を構成すること(図1のステップA参照)と、その後、エッチング段階(図1のステップB、D、E参照)とこれに続くパッシベーション段階(図1のステップC、層4参照)とを連続的に併用した「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングによって、マスク1のパターンから、異方性の、即ち略垂直なエッチング部5を得る(図2、4参照)こととからなる。
【0004】
図3に示すように、「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングの例を、シリコンウェハをエッチングするための、時間(秒)に対するSF6の流れ(sccm)を実線で、及びシリコンウェハのパッシベーション、即ち保護のための、時間(秒)に対するC48の流れ(Sccm)破線で表して示す。これにより、複数の段階が厳密に連続しており、各段階が固有の流れ及び時間を有することがはっきりと分かる。
【0005】
図3の例では、300sccmのSF6の流れで7秒間の第1のエッチング段階G1、次に200sccmで2秒間のC48の流れの第1のパッシベーション段階P1、次に再び300sccmのSF6の流れで7秒間の第2のエッチング段階G2、そして最後に再び200sccmで2秒間のC48の流れの第2のパッシベーション段階P2が示されており、これ以降は同様に続く。このように、垂直なエッチング部5の壁に多少目立った扇状切り欠きを得るために、特定の個数のパラメータによって、「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングを変化させることができることに留意されたい。
【0006】
欠けやすい直角の縁部によって、及び得られる構成部品の「粗雑な(crude)」性質によって、製作から数年後、これらの垂直なエッチング部5は、特に摩擦に関して完全に満足できるものではなくなることが分かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】スイス特許第698837号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、特にシリコン系ウェハを微小機械加工することによって形成される構成部品の美的外観を改善し、かつ機械的強度を改善するための、新たなタイプのシリコン系微小機械構成部品及び新たなタイプの製作方法を提案することによって、上述の欠点の全て又は一部を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って本発明は、シリコン系材料製の微小機械構成部品を製作するための方法に関し、この方法は以下のステップを含む:
a)シリコン系基板を準備するステップ;
b)基板の水平部分上に、孔を穿孔したマスクを形成するステップ;
c)エッチング室内において、マスクの孔から基板の厚さの一部分に、所定の傾斜した壁をエッチングして、微小機械構成部品の上側面取り表面を形成するステップ;
d)エッチング室内において、ステップc)で作製された第1のエッチング部の底部から基板の厚さの少なくとも一部分に、略垂直な壁をエッチングして、上記上側面取り表面の下側に微小機械構成部品の周縁壁を形成するステップ;
e)基板から、及びマスクから、微小機械構成部品を取り外すステップ。
【0010】
基板をエッチング室から取り外すことなく、同一のエッチング室内において2つの異なるタイプのエッチングが可能となることが理解される。ステップc)の傾斜したエッチングは、同一基板内に複数の微小機械構成部品を形成するためにエッチングされた垂直な周縁壁又は内壁と、基板の上側及び下側表面との間の略直角の縁部を取り除くことが容易に明らかとなる。また、ステップc)の傾斜したエッチング部により、大幅に大きい開角度、及び略直線状のエッチング方向が可能となり、これにより、「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングのパラメータによって制限されることが回避され、一方、ステップd)ではこれと対照的に、「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングは最適化された垂直なエッチングパラメータで使用される。
【0011】
本発明の他の有利な変形例によると:
‐ステップc)は、上記所定の傾斜した壁を形成するために、エッチングガス及びパッシベーションガスをエッチング室内で混合することによって達成され;
‐ステップc)では、底部水平面におけるパッシベーションを増強するために、連続したエッチングガス流とパッシベーションガス流とを反復させ;
‐ステップd)は、略垂直な壁を形成するために、エッチングガス流とパッシベーションガス流とをエッチング室内で交互に発生させることによって達成され;
‐本方法はステップd)とステップe)との間に、以下のステップ:ステップd)のエッチング部の底部はいずれの保護層も有しないまま残して、上記所定の傾斜した壁及び上記略垂直な壁の上に保護層を形成するステップf);エッチング室内において、ステップd)で作製されたエッチング部の、保護層を有しない底部から、基板の残りの厚さに、第2の所定の傾斜した壁をエッチングして、微小機械構成部品の下側面取り表面を形成するステップg)を更に含み;
‐ステップg)は、上記第2の所定の傾斜した壁を形成するために、エッチングガス及びパッシベーションガスをエッチング室内で混合することによって達成され;
‐ステップg)では、底部水平面におけるエッチングを増強するために、連続したエッチングガス流とパッシベーションガス流とを反復させ;
‐ステップf)は、以下の段階:上記所定の傾斜した壁及び略垂直な壁を酸化させて、酸化ケイ素保護層を形成する段階f1);並びに上記酸化ケイ素保護層に方向性エッチングを施して、ステップd)で作製されたエッチング部の底部から保護層の一部のみを選択的に除去する段階f2)を含み;
‐本方法はステップe)の前に:上側面取り表面、周縁壁及び下側面取り表面で形成された微小機械構成部品のエッチング中に生成されたキャビティを、金属又は金属合金で充填して、微小機械構成部品に付属物を設けるステップh)を更に含む。
【0012】
更に本発明は、上述の変形例のうちのいずれかによる方法から得られた微小機械構成部品に関し、上記構成部品はシリコン系本体を含み、上記シリコン系本体の略垂直な周縁壁は、上側面取り表面を介して水平な上側表面を縁取ることを特徴とする。
【0013】
本発明によると有利には、微小機械構成部品は、遥かに精巧な審美的仕上げを有する構成部品を形成することにより、美観面での相当な改善を得る。更に、略直線状の面取り表面は、特に、垂直な周縁壁及び/又は内壁と微小機械構成部品の上側表面及び/又は下側表面との間それぞれの略直角の縁部が欠ける恐れを低減することによって、機械的強度の改善をもたらす。
【0014】
また、垂直な周縁壁及び/又は内壁は表面接触の低減をもたらし、これは、他の構成部品との摩擦接触に関して、又は微小機械構成部品の内壁に沿った部材の挿入に関して改善をもたらすことが明らかである。最後に、垂直な周縁壁及び/又は内壁の凹状領域は、面取り表面の結果としてより大きく開放され、これにより、接着剤又は潤滑剤を受承するための容積容量を増大させることができる。
【0015】
本発明の他の有利な変形例によると:
‐本体の略垂直な周縁壁はまた、下側面取り表面を介して、水平な下側表面を縁取り;
‐微小機械構成部品はまた、略垂直な内壁を含む少なくとも1つのキャビティを含み、この略垂直な内壁もまた、上記水平な上側表面と水平な下側表面との間に、中間上側及び下側面取り表面を含み;
‐上記少なくとも1つのキャビティは、微小機械構成部品に付属物を設けるために、金属又は金属合金で少なくとも部分的に充填され;
‐微小機械構成部品は、時計のムーブメント内の要素又は外装部品の全て又は一部を形成する。
【0016】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例として挙げられる以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の範囲において使用される「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングプロセスを説明するための図である。
図2図2は、本発明の範囲において使用される「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングプロセスを説明するための図である。
図3図3は、本発明の範囲において使用される「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングプロセスを説明するための図である。
図4図4は、本発明の範囲において使用される「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングプロセスを説明するための図である。
図5図5は、本発明の第1の実施形態による、微小機械構成部品の製作ステップの図である。
図6図6は、本発明の第1の実施形態による、微小機械構成部品の製作ステップの図である。
図7図7は、本発明の第1の実施形態による、微小機械構成部品の製作ステップの図である。
図8図8は、本発明の第1の実施形態による、微小機械構成部品の製作ステップの図である。
図9図9は、本発明の第1の実施形態による、微小機械構成部品の製作ステップの図である。
図10図10は、本発明の第1の実施形態による、微小機械構成部品の製作ステップの図である。
図11図11は、本発明の第2の実施形態による、微小機械構成部品の製作ステップの図である。
図12図12は、本発明の第2の実施形態による、微小機械構成部品の製作ステップの図である。
図13図13は、本発明の第2の実施形態による、微小機械構成部品の製作ステップの図である。
図14図14は、本発明の第2の実施形態による、微小機械構成部品の製作ステップの図である。
図15図15は、本発明の第2の実施形態による、微小機械構成部品の製作ステップの図である。
図16図16は、本発明の第2の実施形態による、微小機械構成部品の製作ステップの図である。
図17図17は、本発明の第3の実施形態による、微小機械構成部品の製作ステップの図である。
図18図18は、本発明による製作方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、シリコン系微小機械部品を製作するための方法11に関する。図18に示すように、一重線で図示された第1の実施形態による方法11は、シリコン系基板を準備することからなる第1のステップ13を含む。
【0019】
用語「シリコン系(silicon‐based)」は、単結晶シリコン、ドープ単結晶シリコン、多結晶シリコン、ドープ多結晶シリコン、多孔質シリコン、酸化ケイ素、石英、シリカ、窒化ケイ素又はシリコンカーバイドを含む材料を意味する。当然のことながら、シリコン系材料が結晶相である場合、いずれの結晶配向を使用してよい。
【0020】
図9に示すように、シリコン系基板41は典型的には、中間酸化ケイ素層42で接合された上側シリコン層40及び下側シリコン層44を備える、シリコン・オン・インシュレータ(silicon‐on‐insulator:略語「SOI」でも知られる)基板である。しかしながら代替として、この基板は、例えば金属基部等の別のタイプの基部に追加されたシリコン層を備えてもよい。
【0021】
第1の実施形態による方法は、基板41の水平部分上に、孔45を穿孔したマスク43を形成するステップ15に続く。図9の例では、マスク43は上側シリコン層40の上側部分に形成される。マスク43は、方法11の後続のエッチングステップに耐えられる材料から形成される。従ってマスク43は、窒化ケイ素から又は酸化ケイ素から形成してよい。図9の例では、マスク43は酸化ケイ素から形成される。
【0022】
本発明によると有利には、第1の実施形態による方法11は、エッチング室内において、マスク43の孔45から基板41の厚さの一部分に、所定の傾斜した壁46をエッチングして、微小機械構成部品の上側面取り表面を形成するステップ17に続く。
【0023】
傾斜したエッチングステップ17は、上述の「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングではない。実際には、ステップ17により、遥かに大きい開角度、及び略直線状のエッチング方向が可能となり、これにより、「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングのパラメータによって制限されることが回避される。実際には、「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングのパラメータを修正しても、湾曲したエッチング方向の場合、開角度は一般に10°を超えることはできないと考えられる。
【0024】
実際には、図5、6に示すように、本発明によると有利には、ステップ17は、傾斜した壁46を形成するために、エッチング室内でSF6エッチングガス及びC48パッシベーションガスを混合することによって達成される。より具体的には、漸進的に形成されるキャビティの底部水平面のパッシベーションを増強するために、連続したSF6エッチングガス流とC48パッシベーションガス流とを反復させる。
【0025】
従って、最適化されたパラメータ修正による「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングを用いて得られる最大10°の代わりに、ステップ17により、典型的には図5の例の約45°である、遥かに大きい開角度が可能となることが理解される。よって本発明によると有利には、ステップ17により、正確な開角度を得ることができる。後に垂直となる壁47と傾斜した壁46との間の角度は再現性が高く、有利には略0°〜略45°とすることができる。既に説明したように、「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングと比較して注目するべきことは、特に10°を超える角度でのエッチングが可能となることである。好ましくは、本発明による後に垂直となる壁47と傾斜した壁46との間の角度は10°超かつ45°未満であり、更に好ましくは20°超かつ40°未満である。
【0026】
更に、連続的な流れの反復により、エッチングの指向性を改善でき、また例えばSF6ガスのみを用いる湿式エッチング又は乾式エッチングと同様に、略円錐台状の壁及び球状でない壁(等方性エッチング部と呼ばれる場合もある)さえも提供できる。
【0027】
図5の壁46の形状を得るために、例えば図6のシーケンスを適用してよい。このシーケンスは、500sccmのSF6の流れと150sccmのC48の流れとの混合による1.2秒間の第1の段階P1、400sccmのSF6の流れと250sccmのC48の流れとの混合による0.8秒間の第2の段階P2、再び500sccmのSF6の流れと150sccmのC48の流れとの混合による1.2秒間の第3の段階P1、400sccmのSF6の流れと250sccmのC48の流れとの混合による0.8秒間の第4の段階P2を含んでよく、これ以降も同様に続く。
【0028】
このように、連続的な流れの反復によって:ステップ17において徐々に限局される、漸進的に形成されるキャビティの底部水平面におけるパッシベーション;エッチング部の深さに応じた、可能なエッチング部の開口49;及び偶発的ではあるが、図5に示すように、上側層40の上側部分の孔45よりも幅広いエッチング部開口49が得られるまで、上側層40の上側部分において幅広くなったエッチング部開口49が改善されることに留意されたい。
【0029】
第1の実施形態による方法11は、同一のエッチング室内において同一のマスク43を用いて、第1のエッチング部49の底部から基板41の層40の厚さの少なくとも一部分に、略垂直な壁47をエッチングして、上記上側面取り表面の下側に微小機械構成部品の周縁壁を形成するステップ19に続く。
【0030】
この略垂直なエッチングステップ19は、典型的には上述の「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングであり、即ちエッチングガス流とパッシベーションガス流とをエッチング室内で交互に発生させることによって、略垂直な壁を形成する。
【0031】
よってステップ19により、ステップ19の後で得られた断面である図7に示すように、マスク43に対して略垂直なエッチング方向が可能となる。従って、基部が略直角四辺形を形成し、これに略円錐状の先細部が続く、エッチング部51が得られる。
【0032】
第1の実施形態は、基板41から、及びマスク43から、微小機械構成部品を取り外すステップ21で終了する。より具体的には、図7に示す例において、ステップ21は、酸化ケイ素マスク43と、場合によっては中間酸化ケイ素層42の一部とを除去するための脱酸素段階22、及びこれに続く、例えば選択的な化学エッチングによる支援による、基板41からの取り外し段階23を含んでよい。
【0033】
図18において一重線で図示されている方法11の第1の実施形態により、基板をエッチング室から取り外すことなく、同一のエッチング室内において2つの異なるタイプのエッチングが可能となる。ステップ17の傾斜したエッチングは、エッチングされた垂直な周縁壁及び/又は内側壁と基板41の層40の上側及び下側表面との間の略直角の縁部を取り除くことによって、同一の基板41上に1つ又は複数の微小機械構成部品を形成することが容易に明らかとなる。
【0034】
また、ステップ17の傾斜したエッチングにより、遥かに大きい開角度、及び略直線状のエッチング方向が可能となり、これにより、「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングのパラメータによって制限されることが回避され、ステップ19では「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングを最適化された垂直エッチングパラメータで使用できることも観察できる。
【0035】
本発明によると有利には、図16の例においてアンクルを形成する微小機械構成部品101は、遥かに精巧な仕上げが得られることによって、美的外観の相当な改善を得る。実際に、図4と比較して、微小機械構成部品101の精巧さは明らかである。
【0036】
構成部品101の一部分の拡大図である図8においてよりはっきりと確認できるように、微小機械構成部品101はシリコン系本体103を含み、上記シリコン系本体103の垂直な周縁壁105は、上側面取り表面106を介して、水平な上側表面104を縁取る。
【0037】
よって、略直線状の上側面取り表面106は、特に、垂直な周縁壁及び/又は内壁105と微小機械構成部品101の上側又は下側表面104との間それぞれの略直角の縁部が欠ける恐れを低減することによって、機械的強度の改善をもたらすことが明らかである。
【0038】
また、略垂直な周縁壁105は表面接触の低減をもたらし、これは、他の構成部品との摩擦接触に関して、又は微小機械構成部品101の2つの略垂直な壁105の間の爪石の挿入に関して改善をもたらすことが明らかである。最後に、略垂直な周縁壁及び/又は内壁105の凹状部分は、上側面取り表面106の結果としてより大きく開放され、これにより、アンクルに爪石を取り付けることができる材料を受承するために使用される、図16に示す凹状部分107の場合におけるように、接着剤又は潤滑剤を受承するための容積容量を増大させることができる。
【0039】
本発明の第2の実施形態によると、方法11は、第1の実施形態と同一の、同一の特徴及び技術的効果を有するステップ13〜19を含む。方法11の第2の実施形態は、図18に二重線で示すステップを更に含む。
【0040】
よって第2の実施形態の方法11は、エッチング部51を形成するステップ19の後、図12に示すように、エッチング部51の底部はいずれの保護層も有しないまま残して、傾斜した壁46及び略垂直な壁47の上に保護層52を形成するステップに続く。
【0041】
好ましくは、保護層52は酸化ケイ素で形成される。実際には、図11、12に示すように、ステップ25は、基板41、即ち(酸化ケイ素製である場合)マスク43の上部全体と、エッチング部51の壁とを酸化させて、マスク43上に追加の厚さを形成し、またエッチング部51の傾斜した壁46、垂直壁47及び底部上にある厚さを形成することによって、図11に示すような酸化ケイ素保護層52を形成するよう構成された、第1の段階24を含んでよい。
【0042】
第2の段階26は、図12に示すように、保護層52に方向性エッチングを施して、マスク43の一部から、及びエッチング部51の底部上のみの保護層52全体から、水平な酸化ケイ素表面を選択的に除去することからなってよい。
【0043】
次に第2の実施形態による方法11は、同一のエッチング室内において、ステップ19で作製された保護層52を有しないエッチング部51の底部から基板41の残りの厚さに、第2の所定の傾斜した壁48をエッチングして、微小機械構成部品の下側面取り表面を形成するステップ27に続いてよい。
【0044】
傾斜したエッチングステップ27は、ステップ17と同様に、上述のステップ19のような「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングではない。従って保護層52と組み合わせて、ステップ27により、遥かに大きい開角度、及び略直線状のエッチング方向が可能となり、これにより、「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングのパラメータによって制限されることが回避される。実際には、「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングのパラメータを修正しても、湾曲したエッチング方向の場合、開角度は一般に10°を超えることはできないと考えられる。
【0045】
その結果、図13、15に示すように、本発明によると有利には、ステップ27は、第2の傾斜した壁48を形成するために、エッチング室内でSF6エッチングガス及びC48パッシベーションガスを混合することによって達成される。より具体的には、漸進的に形成されるキャビティの底部水平面のエッチングを増強するために、連続したSF6エッチングガス流とC68パッシベーションガス流とを反復させることが好ましい。
【0046】
従って、最適化されたパラメータ修正による「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングを用いて得られる最大10°の代わりに、ステップ27により、典型的には図13の例の約45°である、遥かに大きい開角度が可能となることが理解される。よって本発明によると有利には、ステップ27により、傾斜した壁46及び垂直壁47の表面を修正することなく、正確な開角度を得ることができる。垂直壁47と傾斜した壁48との間の角度は再現性が高く、有利には略0°〜略45°とすることができる。既に説明したように、「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングと比較して注目するべきことは、特に10°を超える角度でのエッチングが可能となることである。好ましくは、本発明による垂直壁47と傾斜した壁48との間の角度は10°超かつ45°未満であり、更に好ましくは20°超かつ40°未満である。
【0047】
更に、連続的な流れの反復により、エッチングの指向性を改善でき、また例えばSF6ガスのみを用いる湿式エッチング又は乾式エッチングと同様に、略円錐台状の壁及び球状でない壁(等方性エッチング部と呼ばれる場合もある)さえも提供できる。
【0048】
図13の壁48の形状を得るために、例えば図6とは逆のシーケンスを適用してよい。従ってこのシーケンスは、SF6の流れとC48の流れとの混合による第1の期間の第1の段階、増大させたSF6の流れと削減されたC48の流れとの混合による第2の期間の第2の段階、これに続く再度の第1及び第2の段階を含んでよく、これ以降も同様に続く。
【0049】
このように、連続的な流れの反復によって:ステップ27において徐々に幅が広がる、漸進的に形成されるキャビティの底部水平面におけるエッチング;エッチング部の深さに応じた、可能なエッチング部の開口53;及び偶発的ではあるが、図13に示すように、既に実施されたエッチング部51を修正することなく、マスク43の孔45より、及びステップ27開始時のエッチング部51の底部の断面よりも幅広いエッチング部開口53が得られるまで、上側層40の下側部分において幅広くなったエッチング部開口53が改善されることに留意されたい。
【0050】
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に、基板41の層40から、及びマスク43から、微小機械構成部品を取り外すステップ21で終了する。より具体的には、図14、15に示す例において、ステップ21は、図13に示すような、酸化ケイ素マスク43と、保護層52と、場合によっては中間酸化ケイ素層42の全体又は一部とを除去するための脱酸素段階22、及びこれに続く、図14に示すような、例えば選択的な化学エッチングによる支援による、基板41からの取り外し段階23を含んでよい。
【0051】
図18において一重線及び二重線で図示されている方法11の第2の実施形態は、エッチングされた垂直な周縁壁及び/又は内側壁と基板41の層40の上側及び下側水平表面との間の略直角の縁部を取り除くことによって、同一の基板41上に1つ又は複数の微小機械構成部品を形成する。
【0052】
また、ステップ17、27の傾斜したエッチングにより、大幅に大きい開角度、及び略直線状のエッチング方向が可能となり、これにより、「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングのパラメータによって制限されることが回避され、ステップ19では「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングを最適化された垂直エッチングパラメータで使用できることも観察できる。
【0053】
本発明によると有利には、図16の例においてアンクルを形成する微小機械構成部品101は、遥かに精巧な美的仕上げが得られることによって、美的外観の相当な改善を得る。実際に、図4と比較して、上面104及び下面108の両方における微小機械構成部品101の精巧さは明らかである。
【0054】
図8、14においてよりはっきりと確認できるように、微小機械構成部品101はシリコン系本体103を含み、上記シリコン系本体103の垂直な周縁壁105は、上側面取り表面106を介して、水平な上側表面104を縁取り、また下側面取り表面109を介して、水平な下側表面108を縁取る。
【0055】
よって、略直線状の上側面取り表面106及び下側面取り表面109は、特に、垂直な周縁壁及び/又は内壁105と微小機械構成部品の上側表面104及び/又は下側表面108との間それぞれの略直角の縁部が欠ける恐れを低減することによって、機械的強度の改善をもたらすことが理解される。
【0056】
また、垂直な周縁壁105は表面接触の低減をもたらし、これは、他の構成部品との摩擦接触に関して、又は微小機械構成部品101の内壁に沿った部材の挿入に関して改善をもたらすことが明らかである。
【0057】
最後に、垂直な周縁壁及び/又は内壁105の凹状部分は、上側面取り表面106及び下側面取り表面109の結果としてより大きく開放され、これにより、アンクルに爪石を取り付けることができる材料を受承するために使用される、図16に示す凹状部分107の場合におけるように、接着剤又は潤滑剤を受承するための容積容量を増大させることができる。
【0058】
本発明の第3の実施形態によると、方法11は、第2の実施形態と同一の、同一の特徴及び技術的効果を有するステップ13〜27及び段階22を含む。方法11の第3の実施形態は、図18に三重線で示すステップを更に含む。
【0059】
よって第3の実施形態の方法11は、基板41の脱酸素段階22の後、上側面取り表面、周縁壁及び下側面取り表面で形成された微小機械構成部品のエッチング17、19、27中に生成されたキャビティを、金属又は金属合金で充填して、微小機械構成部品の付属物を設けるステップ29に続く。
【0060】
好ましい例では、基板41の下側層44は強くドープされ、電気めっきによる充填のための直接的又は間接的な基部として使用される。よって、ステップ29は、マスク43の上部又はエッチング部53の一部分に、例えば光感受性樹脂製の鋳型を形成する第1の段階30を含んでよい。第2の段階32は、下側層44から、少なくともシリコン系微小機械構成部品とエッチング部53に形成された鋳型の一部との間に、金属部分112を電気めっきすることからなってよい。最後に第3の段階34は、段階30で形成された鋳型を除去することからなってよい。
【0061】
第3の実施形態は、選択的な化学エッチングにより、基板41から複合材料製微小機械構成部品を取り外す段階23で終了する。
【0062】
図18において一重線、二重線及び三重線で図示されている方法11の第3の実施形態は、それぞれ垂直な周縁壁及び/又は内側壁と基板41の上側及び下側水平表面との間の略直角の縁部を取り除くことによって、同一の基板41上に形成された1つ又は複数のシリコン系及び金属複合材料製微小機械構成部品111を形成する。
【0063】
また、ステップ17、27の傾斜したエッチングにより、大幅に大きい開角度、及び略直線状のエッチング方向が可能となり、これにより、「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングのパラメータによって制限されることが回避され、ステップ19では「Bosch」深掘り反応性イオンエッチングを最適化された垂直エッチングパラメータで使用できることも観察できる。
【0064】
本発明によると有利には、図16の例におけるようにアンクルを形成できる複合材料製微小機械構成部品は、遥かに精巧な仕上げが得られることによって、美的外観の相当な改善を得る。実際に、図4と比較して、上面104及び下面108の両方における複合材料製微小機械構成部品111の精巧さは明らかである。
【0065】
図17においてよりはっきりと示すように、複合材料製微小機械構成部品111はシリコン系本体103を含み、上記シリコン系本体103の垂直な周縁壁105は、上側面取り表面106を介して、水平な上側表面104を縁取り、更に下側面取り表面109を介して、水平な下側表面108を縁取る。
【0066】
よって、略直線状の上側面取り表面106及び下側面取り表面109は、特に、垂直な周縁壁及び/又は内壁105と複合材料製微小機械構成部品111の上側表面104及び/又は下側表面108との間それぞれの略直角の縁部が欠ける恐れを低減することによって、機械的強度の改善をもたらすことが理解される。
【0067】
また、垂直な周縁壁105は表面接触の低減をもたらし、これは、他の構成部品との摩擦接触に関して改善をもたらすことが明らかである。更に、垂直な周縁壁及び/又は内壁105の凹状部分は、上側面取り表面106及び下側面取り表面109の結果としてより大きく開放され、これにより、例えば図16に示す、電着ステップ29中に充填され得る凹状部分107等の、金属又は金属合金部分を受承するための容積容量を増大させることができる。よって、面取り表面106、109及び凹状部分107の形状により、電着は除去できなくなり、高い剪断耐性をも得ることになることが理解される。
【0068】
最後に、内壁を形成する少なくとも1つのキャビティ110を、金属又は金属合金112で少なくとも部分的に充填することにより、複合材料製微小機械構成部品111に付属物を設ける。よって図17の例では、キャビティ110は円筒形凹部113を残し、この円筒形凹部113により、複合材料製微小機械構成部品111を、例えばアーバ等の部材上に圧入でき、金属又は金属合金部分112が膨張した場合に、面取り表面106、109及び場合によっては凹状部分107の形状によって、良好な機械的強度が得られる。
【0069】
当然のことながら、本発明は図示されている例に限定されるものではなく、当業者には明らかであろう様々な変形及び改変が可能である。特に、シリコン製壁を平滑にするために構成された酸化ステップ20、28を、それぞれステップ19とステップ21との間又はステップ27とステップ21との間に実施してよい。
【0070】
更に、ステップ29において、エッチング部53を覆うように金属又は金属合金部分112を重ねることにより、複合材料製微小機械構成部品111の、金属又は金属合金のみで形成された追加の機能性水平面を形成してよい。
【0071】
最後に、微小機械構成部品101又は複合材料製微小機械構成部品111は、図16に示すようなアンクルへの適用に限定されない。よって、微小機械構成部品101又は複合材料製微小機械構成部品111は、時計のムーブメント内の要素又は外装部品の全て又は一部を形成できる。
【0072】
よって微小機械構成部品101又は複合材料製微小機械構成部品111は、非限定的な例として:ヒゲゼンマイ;振り石;天輪;アーバ;振り座;アンクル真、アンクルレバー、アンクルフォーク、爪石又は剣先等のアンクル類;ホイール、アーバ又はカナ等のホイールセット;バー;地板;振動錘;巻き上げステム;軸受;ミドルケース又はホーン等のケース;文字盤;フランジ;ベゼル;プッシュピース;クラウン;ケース裏蓋;針;連結部等のブレスレット;装飾;アプライド・インデックス;風防ガラス;クラスプ;文字盤足部;時刻設定用ステム;又はプッシュピースのシャフトの全て又は一部を形成してよい。
【符号の説明】
【0073】
11 方法
40 シリコン系基板
43 マスク
45 孔
46 所定の傾斜した壁
47 略垂直な壁
48 第2の所定の傾斜した壁
49 エッチング部
51 エッチング部
52 酸化ケイ素保護層
101 微小機械構成部品
105 周縁壁
106 上側面取り表面
109 下側面取り表面
111 複合材料製微小機械構成部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18