(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の補強構造においては、熱収縮チューブの内部において光ファイバから漏れ出した光が熱収縮チューブを加熱する。このため、熱収縮チューブが劣化する可能性がある、という問題点があった。
【0006】
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光ファイバと抗張力体とを熱収縮チューブで束ねるという簡易な補強構造でありながら、熱収縮チューブが劣化する可能性が低減された補強構造を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題が解決するために、本発明に係る補強構造は、光ファイバの融着点を補強するための補強構造であって、抗張力体と、上記光ファイバと上記抗張力体とを束ねる熱収縮チューブと、上記抗張力体と熱接触する放熱体と、を備え、上記抗張力体は、上記光ファイバの側面に対向する平坦な表面を有している、ことを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、上記光ファイバと上記抗張力体とが上記熱収縮チューブにより束ねられているので、上記光ファイバを簡易に補強することができる。また、上記抗張力体は、上記光ファイバの側面に対向する平坦な表面を有しており、更に、上記放熱体と熱接触しているので、上記熱収縮チューブ内で上記光ファイバの側面から光が漏れだしたとしても、その光の大部分は、上記抗張力体において熱に変換され、更に、その熱の大部分は、上記放熱体を介して散逸する。したがって、上記光ファイバの側面から漏れ出した光によって上記光ファイバが加熱され、上記光ファイバが劣化する可能性を低減することができる。
【0009】
本発明に係る補強構造において、上記熱収縮チューブ内には、屈折率が上記光ファイバのクラッドよりも低い低屈折率樹脂が充填されている、ことが好ましい。
【0010】
上記の構成によれば、屈折率が上記光ファイバのクラッドよりも低い低屈折率が上記熱収縮チューブ内に充填されているので、上記熱収縮チューブ内で上記光ファイバの側面から光が漏れ出すことを抑制できる。これにより、上記光ファイバの側面から漏出した光によって上記光ファイバが加熱され、上記光ファイバが劣化する可能性を更に低減することができる。
【0011】
本発明に係る補強構造において、上記抗張力体は、上記光ファイバの側面と対向する上面を有する板状の部材である、ことが好ましい。
【0012】
上記の構成によれば、当該補強構造の厚みを徒に増加させることなく、上記光ファイバの側面から漏れ出した光において上記熱収縮チューブに入射する光の割合を減らすことができる。これにより、上記光ファイバの側面から漏出した光によって上記熱収縮チューブが加熱され、上記熱収縮チューブが劣化する可能性を更に低減することができる。
【0013】
本発明に係る補強構造において、上記抗張力体の上記平坦な表面の幅は、上記光ファイバの直径よりも大きい、ことが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、上記光ファイバの側面から漏れ出した光において上記熱収縮チューブに入射する光の割合を更に減らすことができる。これにより、上記光ファイバの側面から漏出した光によって上記熱収縮チューブが加熱され、上記熱収縮チューブが劣化する可能性を更に低減することができる。
【0015】
本発明に係る補強構造において、上記熱収縮チューブには、切り欠きが形成されており、上記抗張力体は、上記融着点と対向する領域の下面に設けられ、上記切り欠きを貫通する脚部を介して上記放熱体と熱接触する、ことが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、上記抗張力体において上記融着点と対向する領域、すなわち、上記抗張力体において相対的に発熱量の大きい領域を、上記脚部を介して上記放熱体と熱接触させることができる。これにより、上記抗張力体に発生した熱をより効率的に散逸させることができる。
【0017】
本発明に係る補強構造において、上記抗張力体の上面には、被覆除去区間内において上記光ファイバの側面が上記抗張力体の上面と接触するように、被覆除去区間外において上記光ファイバを収容するための溝が形成されている、ことが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、上記被覆除去区間内において上記光ファイバが上記抗張力体の上面に近づくので、上記光ファイバの側面から漏れ出した光において上記熱収縮チューブに入射する光の割合を減らすことができる。これにより、上記光ファイバの側面から漏れ出した光によって上記熱収縮チューブが加熱され、上記熱収縮チューブが劣化する可能性を低下させることができる。また、上記の構成によれば、上記被覆除去区間内において上記光ファイバが上記抗張力体の上面に接触するので、上記光ファイバが上下方向に屈曲することを防止できる。これにより、上記光ファイバが屈曲することにより生じ得る損失の増加を抑制することができる。
【0019】
本発明に係る補強構造において、上記放熱体は、水冷板である、ことが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、上記抗張力体に発生した熱をより効率的に散逸させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、光ファイバを簡易に補強することができる補強構造でありながら、熱収縮チューブが劣化する可能性が低減された補強構造を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1の実施形態]
(補強構造の構成)
本発明の第1の実施形態に係る補強構造1の構成について、
図1〜2を参照して説明する。
図1において、(a)は、補強構造1の上面図であり、(b)は、補強構造1の右側面図であり、(c)は、補強構造1の前面図である。
図2において、(a)は、補強構造1のA−A矢視断面図であり、(b)は、補強構造1のB−B矢視断面図である。
【0024】
補強構造1は、2つの光ファイバ11〜12の融着点Pを補強するための構造体であり、抗張力体13と、2つの脚部14a〜14bと、放熱体15と、熱収縮チューブ16と、低屈折率樹脂17とにより構成されている。
【0025】
光ファイバ11は、ガラス製の裸線部11aと、裸線部11aの側面を覆う樹脂性の被覆部11bと、により構成されており、被覆部11bは、融着点Pを含む区間(以下、「被覆除去区間」と記載)I1aにおいて除去されている。同様に、光ファイバ12は、ガラス製の裸線部12aと、裸線部12aの側面を覆う樹脂性の被覆部12bと、により構成されており、被覆部12bは、融着点Pを含む区間(以下、「被覆除去区間」と記載)I2aにおいて除去されている。
【0026】
抗張力体13は、平坦な表面を有する部材であり、少なくとも被覆除去区間I1a〜I2aにおいて、その平坦な表面が光ファイバ11〜12の側面と対向するように配置されている。本実施形態においては、板状の部材を、被覆除去区間I1a〜I2aと被覆除去区間I1a〜I2aに隣接する隣接区間I1b〜I2bとにおいて、その上面が光ファイバ11〜12の側面と対向するように配置し、これを抗張力体13として用いている。抗張力体13の上面の幅は、光ファイバ11〜12の直径よりも大きい。なお、抗張力体13の材料は、弾性率が高く(少なくとも裸線部11a〜12aの弾性率よりも高く)、かつ、熱伝導率が高い材料であればよい。例えば、銅や銅モリブデンなどの金属は、抗張力体13の好適材料の一例である。
【0027】
抗張力体13の下面前端には、脚部14aが設けられており、抗張力体13の下面後端には、脚部14bが設けられている。抗張力体13は、これら2つの脚部14a〜14bを介して後述する放熱体15と熱接触している。脚部14a〜14bは、抗張力体13に接合された、抗張力体13と別体の部材であってもよいし、抗張力体13と一体成型された、抗張力体13と同体の部材であってもよい。本実施形態においては、高さが熱収縮チューブ16の厚みよりも大きい直方体状の部材を抗張力体13の下面前端及び下面後端にそれぞれ接合し、これらを脚部14a〜14bとして用いている。なお、脚部14a〜14bの材料は、抗張力体13と同程度の熱伝導性を有する材料であればよい。例えば、銅や銅モリブデンなどの金属は、脚部14a〜14bの好適材料の一例である。
【0028】
放熱体15は、脚部14a〜14bを介して抗張力体13から伝導した熱を外部に散逸させるための構成である。本実施形態においては、公知の水冷板を放熱体15として用いている。水冷板の代わりに公知の空冷板を放熱体15として用いてもよい。
【0029】
熱収縮チューブ16は、光ファイバ11〜12と抗張力体13とを束ねる管状の部材である。熱収縮チューブ16の材料は、熱収縮性を有する材料であればよい。PTEF(四フッ化エチレン)その他のフッ素樹脂や、PE(ポリエチレン)その他のオレフィン樹脂などは、熱収縮チューブ16の好適材料の一例である。抗張力体13の幅が光ファイバ11〜12の直径よりも大きいので、収縮後の熱収縮チューブ16の断面の外形は、
図1の(c)並びに
図2の(a)及び(b)に示すように山型になる。
【0030】
隣接区間I1b〜I2bにおいては、
図2の(a)に示すように、熱収縮チューブ16の内側面が、抗張力体13の下面及び側面、並びに、光ファイバ11〜12の側面(被覆部11bの外側面)上部に密着する。そして、光ファイバ11〜12の左右に、光ファイバ11〜12の側面、抗張力体13の上面、及び、熱収縮チューブ16の内側面に囲まれた2つの小さな隙間ができる。一方、被覆除去区間I1a〜I2aにおいては、
図2の(b)に示すように、熱収縮チューブ16の内側面が、抗張力体13の下面及び側面に密着する。そして、光ファイバ11〜12の周囲に、抗張力体13の上面、及び、熱収縮チューブ16の内側面に囲まれた1つの大きな隙間ができる。これらの隙間には、屈折率が光ファイバ11〜12のクラッド(裸線部11a〜12aの最外殻構造)よりも低い低屈折率樹脂17が充填されている。低屈折率樹脂17の材料は、屈折率が光ファイバ11〜12のクラッドよりも低く、且つ、熱収縮チューブ16が収縮する温度において軟化し常温で硬化する熱可塑性樹脂であればよい。例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)は、低屈折率樹脂17の好適材料の一例である。
【0031】
以上のように、補強構造1においては、熱収縮チューブ16により光ファイバ11〜12を抗張力体13と束ねる構成が採用されている。このため、光ファイバ11〜12を簡易に補強することができる。
【0032】
また、補強構造1においては、光ファイバ11〜12の側面に抗張力体13の上面を対向させ、更に、脚部14a〜14bを介して抗張力体13を放熱体15と熱接触させる構成が採用されている。したがって、熱収縮チューブ16内で光ファイバ11〜12の側面から光が漏れだしたとしても、その光の大部分は、抗張力体13において熱に変換され、更に、その熱の大部分は、放熱体15を介して散逸する。このため、光ファイバ11〜12の側面から漏れ出した光によって熱収縮チューブ16が加熱され、熱収縮チューブ16が劣化する可能性を低下させることができる。
【0033】
また、補強構造1においては、屈折率が光ファイバ11〜12のクラッドよりも低い低屈折率樹脂17を熱収縮チューブ16内に充填する構成が採用されている。したがって、熱収縮チューブ16内で光ファイバ11〜12の側面から光が漏れ出すことを抑制できる。これにより、光ファイバ11〜12の側面から漏れ出した光によって熱収縮チューブ16が加熱され、熱収縮チューブ16が劣化する可能性を更に低下させることができる。
【0034】
また、補強構造1においては、断面が長方形の板状部材を抗張力体13として用いている。このため、断面が円形の棒状部材を抗張力体13として用いた場合と比べて、光ファイバ11〜12の側面から漏れ出した光において熱収縮チューブ16に入射する光の割合を減らすことができる。これにより、光ファイバ11〜12の側面から漏れ出した光によって熱収縮チューブ16が加熱され、熱収縮チューブ16が劣化する可能性を更に低下させることができる。
【0035】
このことを確かめるために、
図3に示す比較例を考える。
図3の(a)は、比較例に係る補強構造の隣接区間における断面図であり、
図3の(b)は、比較例に係る補強構造の被覆除去区間における断面図である。比較例に係る補強構造においては、断面が円形の棒状部材を抗張力体として用いている。
【0036】
本実施形態に係る補強構造1においては、
図2の(b)に示すように、上方±約120°の方向に漏れ出した光が熱収縮チューブ16に入射する。これに対して、比較例に係る補強構造においては、
図3の(b)に示すように、上方±約135°の方向に漏れ出した光が熱収縮チューブに入射する。すなわち、本実施形態に係る補強構造1の方が、比較例に係る補強構造よりも、光ファイバ11〜12から漏れ出した光において熱収縮チューブ16に入射する光の割合が少なくなる。なお、比較例に係る補強構造においても、抗張力体(断面が円形の棒状部材)の直径を大きくしてゆけば、光ファイバ11〜12から漏れ出した光において熱収縮チューブ16に入射する光の割合を、本実施形態に係る補強構造1と同程度まで少なくすることができる。しかしながら、この場合、比較例に係る補強構造の厚みは、本実施形態に係る補強構造1の厚みよりも大幅に大きくなる。すなわち、本実施形態に係る補強構造1は、補強構造1の厚みを徒に増加させることなく、光ファイバ11〜12の側面から漏れ出した光において熱収縮チューブ16に入射する光の割合を減らすことができる。
【0037】
(補強構造の製造方法)
補強構造1の製造方法について、
図4を参照して説明する。
図4の(a)〜(c)は、隣接区間I1b〜I2bにおける補強構造1の断面図である。
【0038】
補強構造1は、例えば、下記の工程を順に実施することにより製造することができる。
【0039】
挿通工程:まず、光ファイバ11を樹脂チューブ17に挿通し、樹脂チューブ17を抗張力体13と共に熱収縮チューブ16に挿通する。ここで、樹脂チューブ17は、熱可塑性樹脂からなる管状の部材であり、低屈折率樹脂17の母材となる。
【0040】
融着工程:次に、光ファイバ11の端面に光ファイバ12の端面を融着する。
【0041】
滑動工程:次に、被覆除去区間I1a〜I2aと隣接区間I1b〜I2bとにおいて、抗張力体13の上面が光ファイバ11〜12の側面と対向するように、抗張力体13、樹脂チューブ17、及び熱収縮チューブ16を滑動させる。
図4の(a)は、本工程を実施した後の、隣接区間I1aにおける補強構造1の断面を示す。
【0042】
加熱工程:次に、熱収縮チューブ16及び樹脂チューブ17を加熱する。これにより、熱収縮チューブ16は収縮し、樹脂チューブ17は軟化する。その結果、隣接区間I1b〜I2bにおいては、熱収縮チューブ16の内側面が、抗張力体13の下面及び側面、並びに、光ファイバ11〜12の側面(被覆部11bの外側面)上部に密着する。そして、光ファイバ11〜12の左右にできた2つの小さな隙間に、軟化した樹脂チューブ17が低屈折率樹脂17として充填される。また、被覆除去区間I1a〜I2aにおいては、熱収縮チューブ16の内側面が、抗張力体13の下面及び側面に密着する。そして、光ファイバ11〜12の周囲にできた1つの大きな隙間に、軟化した樹脂チューブ17が低屈折率樹脂17として充填される。
図4の(b)は、本工程を実施した後の、隣接区間I1aにおける補強構造1の断面を示す。
【0043】
冷却工程:次に、熱収縮チューブ16及び低屈折率樹脂17を冷却(例えば、自然冷却)する。これにより、低屈折率樹脂17は硬化する。
【0044】
接合工程:最後に、抗張力体13の下面に脚部14a〜14bの上面を接合すると共に、放熱体15の上面に脚部14a〜14bの下面を接合する。これにより、抗張力体13と放熱体15との熱接触が確立される。
図4の(c)は、本工程を実施した後の、隣接区間I1aにおける補強構造1の断面を示す。
【0045】
なお、ここでは、挿通工程を実施した後に融着工程を実施する方法を例示したが、補強構造1の製造方法はこれに限定されない。すなわち、融着工程を実施した後に挿通工程を実施する方法であっても、補強構造1を製造することは可能である。また、収縮前の熱収縮チューブ16の内径が十分に大きく、脚部14a〜14bが接合された抗張力体13を熱収縮チューブ16に挿通させることが可能な場合には、抗張力体13の下面に脚部14a〜14bの上面を接合する工程を挿通工程に先行して実施してもよい。
【0046】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る補強構造2の構成について、
図5〜6を参照して説明する。
図5において、(a)は、補強構造2の上面図であり、(b)は、補強構造2の右側面図であり、(c)は、補強構造2の前面図である。
図6において、(a)は、補強構造2のA−A矢視断面図であり、(b)は、補強構造2のB−B矢視断面図である。
【0047】
本実施形態に係る補強構造2は、2つの光ファイバ21〜22の融着点Pを補強するための構造体であり、第1の実施形態に係る補強構造1と同様、抗張力体23と、3つの脚部24a〜24cと、放熱体25と、熱収縮チューブ26と、低屈折率樹脂27とにより構成されている。
【0048】
本実施形態に係る補強構造2が備える抗張力体23、2つの脚部24a〜24b、放熱体25、熱収縮チューブ26、及び低屈折率樹脂27は、それぞれ、第1の実施形態に係る補強構造1が備える抗張力体13、2つの脚部14a〜14b、放熱体15、熱収縮チューブ16、及び低屈折率樹脂17に対応する。
【0049】
本実施形態に係る補強構造2が第1の実施形態に係る補強構造1と相違する点は、(1)抗張力体23の下面中央に脚部24cが設けられている点と、(2)熱収縮チューブ26に脚部24cを貫通させるための切り欠き26aが形成されている点である。抗張力体23は、3つの脚部24a〜24cを介して放熱体25と熱接触している。
【0050】
光ファイバ21〜22を伝播する光は、特に融着点Pの近傍において漏れ出し易い。このため、抗張力体23における発熱量は、融着点Pと重なる中央部において相対的に大きく、両端部において相対的に小さくなる。上記の構成においては、相対的に発熱量が小さい抗張力体23の両端部に加えて、相対的に発熱量の大きい抗張力体23の中央部を放熱体25と熱接触させている。このため、抗張力体23において発生した熱を、第1の実施形態に係る補強構造1よりも効率的に外部に散逸させることが可能になる。
【0051】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る補強構造3の構成について、
図7〜8を参照して説明する。
図7において、(a)は、補強構造3の上面図であり、(b)は、補強構造3の右側面図であり、(c)は、補強構造3の前面図である。
図8において、(a)は、補強構造3のA−A矢視断面図であり、(b)は、補強構造3のB−B矢視断面図である。
【0052】
本実施形態に係る補強構造3は、2つの光ファイバ31〜32の融着点Pを補強するための構造体であり、第1の実施形態に係る補強構造1と同様、抗張力体33と、2つの脚部34a〜34cと、放熱体35と、熱収縮チューブ36と、低屈折率樹脂37とにより構成されている。
【0053】
本実施形態に係る補強構造3が備える抗張力体33、2つの脚部34a〜34b、放熱体35、熱収縮チューブ36、及び低屈折率樹脂37は、それぞれ、第1の実施形態に係る補強構造1が備える抗張力体13、2つの脚部14a〜14b、放熱体15、熱収縮チューブ16、及び低屈折率樹脂17に対応する。
【0054】
本実施形態に係る補強構造3が第1の実施形態に係る補強構造1と相違する点は、(1)被覆除去区間Ia1〜Ia2外において光ファイバ31〜32を収容するためのU字溝33a〜33bが形成されている点と、(2)被覆除去区間I1a〜I2a内において光ファイバ31〜32が抗張力体33の上面と接触している点である。
【0055】
上記の構成によれば、被覆除去区間I1a〜I2a内において光ファイバ31〜32が抗張力体33の上面に近づくので、光ファイバ31〜32の側面から漏れ出した光において熱収縮チューブ36に入射する光の割合を減らすことができる。これにより、光ファイバ31〜32の側面から漏れ出した光によって熱収縮チューブ36が加熱され、熱収縮チューブ36が劣化する可能性を低下させることができる。また、上記の構成によれば、被覆除去区間I1a〜I2a内において光ファイバ31〜32が抗張力体33の上面に接触するので、光ファイバ31〜32が上下方向に屈曲することを防止できる。これにより、光ファイバ31〜32が屈曲することにより生じ得る損失の増加を抑制することができる。
【0056】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態(実施例)に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。