特許第6381616号(P6381616)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6381616マルチカメラ内視鏡用フレキシブル電子回路基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381616
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】マルチカメラ内視鏡用フレキシブル電子回路基板
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/04 20060101AFI20180820BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20180820BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20180820BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20180820BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   A61B1/04 510
   A61B1/06 531
   A61B1/00 715
   G02B23/24 A
   H04N5/225 600
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-234080(P2016-234080)
(22)【出願日】2016年12月1日
(62)【分割の表示】特願2013-542668(P2013-542668)の分割
【原出願日】2011年12月8日
(65)【公開番号】特開2017-94098(P2017-94098A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2016年12月1日
(31)【優先権主張番号】61/421,238
(32)【優先日】2010年12月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512322357
【氏名又は名称】エンドチョイス イノベーション センター リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】キルマ,ヤニヴ
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ,モシェ
(72)【発明者】
【氏名】アイゼンフェルド,アムラム
【審査官】 佐藤 秀樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2002/0007110(US,A1)
【文献】 特開2006−280954(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/113801(WO,A2)
【文献】 米国特許第05800341(US,A)
【文献】 特開2002−017667(JP,A)
【文献】 特開平11−125773(JP,A)
【文献】 特開平11−253401(JP,A)
【文献】 特開2008−068025(JP,A)
【文献】 特開2006−288758(JP,A)
【文献】 特開2008−118568(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/064506(WO,A1)
【文献】 特開2002−291693(JP,A)
【文献】 特開平05−309069(JP,A)
【文献】 特開2003−093339(JP,A)
【文献】 特開平07−086551(JP,A)
【文献】 特開2006−288759(JP,A)
【文献】 特開2007−313340(JP,A)
【文献】 特開2004−321605(JP,A)
【文献】 特開2009−011512(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0012358(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0206945(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
G02B 23/24 −23/26
H04N 5/222− 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチカメラ内視鏡およびその先端部分内に折り畳まれて配置されるフレキシブル電子回路基板の組み合わせであって、
前記マルチカメラ内視鏡の先端部分は、
前記先端部分の前面上に配置され、かつ、正面向きカメラの視野を有する正面向きカメラと、
前記先端部分の第1側面上に配置され、かつ、第1の側面向きカメラの視野を有する第1の側面向きカメラと、
前記先端部分の前記第1側面に対向する第2側面上に配置され、かつ、第2の側面向きカメラの視野を有する、第2の側面向きカメラと、
前記先端部分の前面上に配置される少なくとも2つの正面照明器と、
前記先端部分の前記第1側面上に配置される1つ以上の第1の側面照明器と、
前記先端部分の前記第1側面に対向する前記第2側面上に配置される1つ以上の第2の側面照明器と、
通気および潅注のうちの少なくとも一方のために流体を誘導する流体導管成分と、
を備え、
前記フレキシブル電子回路基板は、
前記正面向きカメラを保持する正面カメラ表面と、
前記第1の側面向きカメラを保持する第1の側面カメラ表面と、
前記第2の側面向きカメラを保持する第2の側面カメラ表面と、
前記正面向きカメラの視野を照明する少なくとも2つの正面照明器を保持する少なくとも2つの正面照明器表面と、
前記第1の側面向きカメラの視野を照明する1つ以上の第1の側面照明器を保持する1つ以上の側面照明器表面と、
前記第2の側面向きカメラの視野を照明する1つ以上の第2の側面照明器を保持する1つ以上の側面照明器表面と、
を備える、マルチカメラ内視鏡およびフレキシブル電子回路基板の組み合わせ。
【請求項2】
前記流体導管成分は、前記先端部分の1つ以上の正面光学要素を洗浄するためにノズルへ流体を導く正面流体経路、および前記先端部分の側面光学要素を洗浄するために前記流体導管成分内の1つ以上の側面開口部へ流体を導く側面流体経路を備える単一成分である、請求項1に記載のマルチカメラ内視鏡およびフレキシブル電子回路基板の組み合わせ。
【請求項3】
前記流体導管成分は、医療用器具を挿入するための作業経路をさらに備える、請求項2に記載のマルチカメラ内視鏡およびフレキシブル電子回路基板の組み合わせ。
【請求項4】
前記流体導管成分は、前記内視鏡が挿入される体腔を洗浄するための流体経路をさらに備える、請求項2に記載のマルチカメラ内視鏡およびフレキシブル電子回路基板の組み合わせ。
【請求項5】
前記正面カメラ表面および前記少なくとも2つの正面照明器表面は互いに平行にして、かつ、前記フレキシブル電子回路基板の中央部分に対して直交する平面上にある、請求項1に記載のマルチカメラ内視鏡およびフレキシブル電子回路基板の組み合わせ。
【請求項6】
前記第1の側面向きカメラおよび前記第2の側面向きカメラは、互いに対向する側面に向けられるように、前記第1の側面カメラ表面および前記第2の側面カメラ表面は、前記フレキシブル電子回路基板の中央部および前記正面カメラ表面に対して直交し、かつ、互いに平行な平面上にある、請求項1に記載のマルチカメラ内視鏡およびフレキシブル電子回路基板の組み合わせ。
【請求項7】
前記1つ以上の側面照明器表面は、前記第1の側面向きカメラの視野を照明する2つの側面照明器を保持する2つの側面照明器表面を備え、前記フレキシブル電子回路基板が折り畳まれた構成にある場合、前記2つの側面照明器表面は互いに平行にして、かつ、両者間に位置する前記第1の側面カメラ表面に対して直交する平面上にある、請求項1に記載のマルチカメラ内視鏡およびフレキシブル電子回路基板の組み合わせ。
【請求項8】
前記1つ以上の側面照明器表面は、前記第2の側面向きカメラの視野を照明する2つの側面照明器を保持する2つの側面照明器表面を備え、前記フレキシブル電子回路基板が折り畳まれた構成にある場合、前記2つの側面照明器表面は互いに平行にして、かつ、両者間に位置する前記第2の側面カメラ表面に対して直交する平面上にある、請求項1に記載のマルチカメラ内視鏡およびフレキシブル電子回路基板の組み合わせ。
【請求項9】
前記カメラ、前記照明器、および、前記流体導管成分にフィットし、かつ、保護する先端カバーをさらに備える、請求項1に記載のマルチカメラ内視鏡およびフレキシブル電子回路基板の組み合わせ。
【請求項10】
前記先端カバー内に封入され、かつ、折り畳まれた位置に前記フレキシブル電子回路基板を保持するフレキシブル電子回路基板ホルダーをさらに備える、請求項9に記載のマルチカメラ内視鏡およびフレキシブル電子回路基板の組み合わせ。
【請求項11】
前記フレキシブル電子回路基板ホルダーは、前記側面照明器および前記正面照明器のうち1つ以上のためのヒートシンクとして使用される、請求項10に記載のマルチカメラ内視鏡およびフレキシブル電子回路基板の組み合わせ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、フレキシブル電子回路基板を有するマルチカメラ内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、医学界で偉大な受け入れを達成し、患者の最小限の外傷での治療の実施のための手段を提供するので、医師が患者の内部解剖を見ることを可能にする。長年にわたり、多くの内視鏡は、膀胱鏡検査、大腸内視鏡検査、腹腔鏡検査、および上部消化管内視鏡検査などの特定のアプリケーションに応じて開発され分類されてきた。内視鏡は、身体の元からある開口部または皮膚の切開部に挿入され得る。
【0003】
内視鏡は、通常、ビデオカメラまたはその端部に光ファイバレンズアセンブリを有する、剛性または可塑性の細長い管状シャフトである。シャフトは、時には直接表示用接眼レンズを含む、ハンドルに接続されている。通常、外部画面を介して表示が可能になる。様々な手術用具は、異なる外科処置を実施するための内視鏡において作業経路を介して挿入されてよい。
【0004】
現在使用されている大腸鏡などの内視鏡は、通常、大腸、照明器、カメラレンズを洗浄するための流体注入器および時には、例えば、大腸で発見されるポリープを除去するための手術用具の挿入のための作業経路などの内臓器官を表示するための正面カメラを有する。多くの場合、内視鏡は、また、それらが挿入される大腸などの体腔を洗浄するための流体注入器(「ノズル」)を有する。一般的に使用される照明器は、光を伝達する光ファイバであり、内視鏡先端部分へ、遠隔に生成される。照明器の発光ダイオード(LED)の使用もまた、知られている。
【0005】
このような内視鏡の欠点の中では、限られた分野、および小型内視鏡先端部分における流体運搬要素と一体の電子機器および光ファイバなどの必要な全ての要素の複雑な梱包である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、より広い分野を可能にし、また、それらの機能を維持する間、先端部における全ての必要な要素の効率的な充填を可能にする、大腸内視鏡検査などの内視鏡の技術における必要性がある。
【0007】
関連する技術の前述の実施例およびそれらに関する制限は、例示的であり、排他的でないことを意図している。関連する技術の他の制限は、明細書を読み、図面の調査により当業者により明らかになるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下の実施形態およびその態様は、範囲を限定しないで例示および説明するシステム、ツールおよび方向に合わせて記載および説明される。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、マルチカメラ内視鏡の先端部分用フレキシブル電子回路基板であって、前向きカメラを保持する正面カメラ表面と、第1の側面向きカメラを保持する第1の側面カメラ表面と、第2の側面向きカメラを保持する第2の側面カメラ表面と、正面向きカメラ視野を本質的に照明する1以上の正面照明器を保持する1以上の正面照明器表面と、第1の側面向きカメラの視野を本質的に照明する1以上の側面照明器を保持する1以上の側面照明器表面と、第2の側面向きカメラの視野を本質的に照明する1以上の側面照明器を保持する1以上の側面照明器表面と、を備える、フレキシブル電子回路基板が提供される。用語「本質的に視野を照明する」とは、視野の一部のみを照明するということである。1以上の小メイン照明器表面は、3つの正面照明器表面を含んでよい。
【0010】
正面カメラ表面および1以上の正面照明器表面は、本質的に、互いに平行であってよく、フレキシブル電子回路基板が折り畳まれた構成である場合、フレキシブル電子回路基板の中央部分に対して本質的に垂直であってよい。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、フレキシブル電子回路基板が折り畳まれた構成である場合、第1の側面向きカメラおよび第2の側面向きカメラが対向する方向になるように、第1の側面カメラ表面および第2の側面カメラ表面は、本質的に、互いに平行である。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、フレキシブル電子回路基板が折り畳まれた構成である場合、第1の側面カメラ表面および第2の側面カメラ表面は、フレキシブル電子回路基板の中央部に本質的に垂直である。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、フレキシブル電子回路基板が折り畳まれた構成である場合、第1の側面カメラ表面および第2の側面カメラ表面は、正面カメラ表面に対して本質的に垂直である。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、1以上の側面照明器表面は、2つの側面照明器表面を備える。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、2つの側面照明器表面は、第1の側面向きカメラの視野を本質的に照明する2つの側面照明器を保持するように構成され、フレキシブル電子回路基板が折り畳まれた構成である場合、2つの側面照明器表面は、本質的に互いに平行であり、それらの間に位置する前記第1の側面カメラ表面へ本質的に垂直である。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、2つの側面照明器表面は、第1の側面向きカメラに対向する側面で2つの側面照明器を保持するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、2つの側面照明器表面は、第2の側面向きカメラの視野を本質的に照明する2つの側面照明器を保持するように構成され、フレキシブル電子回路基板が折り畳まれた構成である場合、2つの側面照明器表面は、本質的に、互いに平行であり、それらの間に位置する第2の側面カメラ表面へ本質的に垂直である。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、2つの側面照明器表面は、第2の側面向きカメラに対向する側面で2つの側面照明器を保持するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、マルチカメラ内視鏡の先端部分であって、
マルチカメラ内視鏡の折り畳まれた前記先端部分用フレキシブル電子回路基板であって、前向きカメラを保持する正面カメラ表面と、第1の側面向きカメラを保持する第1の側面カメラ表面と、第2の側面向きカメラを保持する第2の側面カメラ表面と、正面向きカメラ視野を本質的に照明する1以上の正面照明器を保持する1以上の正面照明器表面と、第1の側面向きカメラの視野を本質的に照明する1以上の側面照明器を保持する1以上の側面照明器表面と、第2の側面向きカメラの視野を本質的に照明する1以上の側面照明器を保持する1以上の側面照明器表面と、を備える、フレキシブル電子回路基板と、
折り畳まれた位置に前記フレキシブル電子回路基板を保持するフレキシブル電子回路基板ホルダーと、を備える、先端部分が提供される。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、(大腸内視鏡などの)内視鏡の先端部分は、内視鏡の終点である内視鏡のもっとも遠い部分である。先端部分は、接続された湾曲部の手段で回転可能である。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、先端部分は、通気および/または潅注用の流体経路に適合する流体導管成分をさらに含む。流体導管成分は、単一成分であってよく、先端部分で1以上の正面光学要素を洗浄するための単一流体導管成分の遠位端部で正面開口部へ導く正面流体経路、および先端部分の側面光学要素を洗浄するための単一流体導管成分において左側面開口部および右側面開口部へ導く側面流体経路を備える。単一流体導管成分は、医療用器具の挿入に適合する作業経路をさらに含んでよい。単一流体導管成分は、内視鏡が挿入される体腔の洗浄に適合するノズル流体経路をさらに含んでよい。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、1以上の正面照明器表面は、3つの正面照明器表面を備える。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、正面カメラ表面および1以上の正面照明器表面は、本質的に互いの平行であり、フレキシブル電子回路基板の中央部分に対して、本質的に垂直である。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、第1の側面向きカメラおよび第2の側面向きカメラが対向する方向になるように、第1の側面カメラ表面および第2の側面カメラ表面は、本質的に、互いに平行である。いくつかの実施形態によれば、第1の側面カメラ表面および第2の側面カメラ表面は、フレキシブル電子回路基板の中央部に本質的に垂直である。いくつかの実施形態によれば、第1の側面カメラ表面および第2の側面カメラ表面は、正面カメラ表面に対して本質的に垂直である。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、1以上の側面照明器表面は、2つの側面照明器表面を備える。いくつかの実施形態によれば、2つの側面照明器表面は、第1の側面向きカメラの視野を本質的に照明する2つの側面照明器を保持するように構成され、フレキシブル電子回路基板が折り畳まれた構成である場合、2つの側面照明器表面は、本質的に互いに平行であり、それらの間に位置する第1の側面カメラ表面へ本質的に垂直である。いくつかの実施形態によれば、2つの側面照明器表面は、第1の側面向きカメラに対向する側面で2つの側面照明器を保持するように構成される。いくつかの実施形態によれば、2つの側面照明器表面は、第2の側面向きカメラの視野を本質的に照明する2つの側面照明器を保持するように構成され、フレキシブル電子回路基板が折り畳まれた構成である場合、2つの側面照明器表面は、本質的に、互いに平行であり、それらの間に位置する前記第2の側面カメラ表面へ本質的に垂直である。いくつかの実施形態によれば、2つの側面照明器表面は、第2の側面向きカメラに対向する側面で2つの側面照明器を保持するように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、フレキシブル電子回路基板ホルダーは、1以上の側面および正面照明器用のヒートシンクとして使用されるように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、先端部分は、約17mm以下の直径を有する。いくつかの実施形態によれば、先端部分は、約12mm以下の直径を有するいくつかの実施形態によれば、先端部分は、約10mm以下の直径を有する。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、本明細書で開示される先端部分を備える、大腸内視鏡などのマルチカメラ内視鏡が本明細書で提供される。いくつかの実施形態によれば、(大腸内視鏡などの)内視鏡の先端部分は、内視鏡の終点である内視鏡の最も遠い意部分である。先端部分は、接続された湾曲部の手段で回転可能である。
【0029】
本発明およびその実施形態のより多くの詳細および特徴は、説明および添付の図面で発見しうる。
【0030】
特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術的科学的用語は、本発明に即する当業者に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載と同様または類似の方法および材料が本発明の実施および試験で使用され得るが、適切な方法およびお材料がいかに記載される。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が制御する。また、材料、方法、および実施例は、例示のみであって、限定されるものではない。
【0031】
参照図面で例示的な実施形態を説明する。図面に示す構成要素および特徴の寸法は、一般に、説明の利便性や明確性のために選択され、必ずしも寸法が示されていない。本明細書に開示される実施形態および図面が限定されることなく例示のみであることが意図される。図面を以下に示す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態に係る、複数の視野を有する内視鏡の先端部分の外観斜視図を示す。
図2】本発明の一実施形態に係る、正面向きカメラ、2側面向きカメラおよび照明器源を保持する折畳みフレキシブル電子回路基板の斜視図を示す。
図3】本発明の一実施形態に係る、折畳みフレキシブル電子回路基板の斜視図を示す。
図4】本発明の一実施形態に係る、折り畳まれていない(平らな)構成のフレキシブル電子回路基板の斜視図を示す。
図5】本発明の一実施形態に係る、カメラおよび照明器源を保持する折り畳まれたフレキシブル電子回路基板およびフレキシブル電子回路基板ホルダーの等角分解図を示す。
図6】本発明の一実施形態に係る、カメラおよび照明器源を保持する折り畳まれたフレキシブル電子回路基板およびフレキシブル電子回路基板ホルダーの斜視図を示す。
図7】本発明の一実施形態に係る、メラおよび照明器源を保持する折り畳まれたフレキシブル電子回路基板、フレキシブル電子回路基板ホルダー、および流体導管成分の斜視図を示す。
図8】本発明の一実施形態に係る、メラおよび照明器源を保持する折り畳まれたフレキシブル電子回路基板、フレキシブル電子回路基板ホルダー、流体導管成分、および先端カバー(分解図)の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
多くの例示的な態様および実施形態を上述したが、当業者は、特定の修正、置換、追加およびそれらの組み合わせを認識するだろう。従って、以下の添付の特許請求の範囲および後に紹介する特許請求の範囲がそれらの真実の精神と範囲内で修正、置換、追加および組み合わせなどの全てを含むと解釈されることを意図する。
【0034】
本出願の明細書および特許請求の範囲において、「備える(comprise)」、「含む(include)」および「有する(have)」のそれぞれの単語およびそれらの形式は、単語が関連するリストのメンバーに限定されるものではない。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態に係る、複数の視野を有する内視鏡の先端部分の外観斜視図を示す。
【0036】
本実施形態の一実施形態によれば、内視鏡の先端部分230は、少なくとも前向きカメラおよび少なくとも1つの側面向きカメラを備える。先端部分230は、湾曲部とする(例えば、椎骨機構)フレキシブルシャフト(不図示)の手段で回転可能である。
【0037】
いくつかの実施形態において、正面向きカメラおよび/またはいくつかの側面向きカメラは、電荷結合素子(CCD)または相補型MOS(CMOS)画像センサを備える。
【0038】
本明細書で述べた用語「内視鏡」が、特に大腸内視鏡を指すが、大腸内視鏡のみに限定されないことに留意されたい。用語「内視鏡」は、中空器官または身体の体腔の中を検査するための任意の器具を指す。
【0039】
先端部分230は、先端部分230の正面320上の前向きカメラ116(図2および5〜8の例を参照)の正面光学アセンブリ236を含む。前向きカメラ116の光軸は、実質的に、内視鏡の長寸法に沿った方向である。しかしながら、前向きカメラ116が一般に広角カメラなので、その視野(FOV)は、その光軸に対して大きい角度の表示方向を含んでよい。また、LED240a、240bおよび240cの光の窓242a、242bおよび242cは、それぞれ、先端部分230の正面320上に位置する(図2および5〜8の例を参照)。FOVの照明に使用されるLEDなどの照明源の数は、変化する(例えば、1〜5個のLEDが先端部分230の正面320で使用されてよい)。作業経路(不図示)遠位開口部340もまた、作業経路管を通して挿入し、内視鏡の先端部分230の作業経路を通って正面320を超えて展開される手術道具が前向きカメラ116により表示されるように、先端部分230の正面320に位置する。
【0040】
ノズル流体経路の遠位開口部344もまた、先端部分230の正面320上に位置する。ノズル流体経路の遠位開口部344は、体腔の壁を洗浄するための水または生理食塩水などの高圧ジェットを提供するために使用されてよい。
【0041】
また、先端部分230の正面320に位置するのは、正面光学アセンブリ236の目的であるノズル348を有する潅注および通気(I/I)注入器346である。(I/I)注入器346は、前向きカメラの正面光学アセンブリ236から血液、排泄物および他のデブリなどの汚染物質を洗う流体(液体および/またはガス)を注入するために使用されてよい。同じ注入器が、任意に、正面光学アセンブリ236および2個または全ての光の窓242a、242bおよび242cを洗浄するために使用される。I/I注入器346は、体腔の洗浄および/または膨張させるために使用され得る水および/またはガスなどの液体により供給されてよい。
【0042】
先端部分230の側面壁362で見られるのは、カメラ220bに対してLED250aおよび250bの側面向きカメラ220bおよび光の窓252aおよび252bの側面カメラ(側面向きカメラ)要素356bである。第2の側面向きカメラ220aは、図1に示されていないが、その光学アセンブリ256aおよびカメラ220aのLED250a’および250b’の光の窓252a’および252b’に沿って、例えば、図2および5〜6で見られる。側面向きカメラ220aの光軸は、内視鏡の長寸法に対して実質的に垂直の方向である。側面向きカメラ220bの光軸は、内視鏡の長寸法に対して実質的に垂直の方向である。しかしながら、側面向きカメラ220aおよび220bは、一般に広角カメラであるので、その視野は、その光軸に対して広角での表示方向を含み得る。
【0043】
側面光学アセンブリ256bを目的とするノズル268を有するI/I注入器266は、側面向きカメラの側面光学アセンブリ256bから血液、排泄物および他のデブリなどの汚染物質を洗う流体を注入するために使用されてよい。流体は、体腔を膨張させるために使用されるガスを含んでよい。同様の注入器が、任意に、側面光学アセンブリ256bおよび光の窓252aおよび/または252bの両方を洗浄するために使用される。いくつかの実施形態によれば、先端が1以上の窓およびLEDを有し、側面上での側面に1以上の窓およびLEDを有する(例えば、側面に1〜5の窓と2つのLEDがある)ことに留意されたい。I/I注入器およびノズルの同様の構成は、先端230の他の側面に位置する光学アセンブリ256aおよび光の窓252a’および252b’を洗浄するために存在する。I/I注入器は、これらの窓/LEDの全てまたは一部を洗浄するように構成される。I/I注入器346および266は、同じ経路から供給されてよい。
【0044】
側壁362が注入される洗浄流体をI/I注入器266から側面光学アセンブリ256bおよび光の窓252aおよび/または252bに向かうように役立つ本質的に平坦面の形式を有することに留意されたい。このような平坦面の欠如は、結果として、所望の洗浄動作を実行することなく内視鏡の先端部分230の局面に沿って洗浄流体が漏れる。
【0045】
1つの側面向きカメラのみが図1に見られるが、好ましくは、少なくとも2つの側面向きカメラが先端部分230内に位置してよいことに留意されたい。2つの側面向きカメラが使用される場合、側面向きカメラは、好ましくは、それらの視野が実質的に対抗するように組み込まれる。しかしながら、側面向きカメラの異なる構成や数は、本発明の一般的な範囲内で可能である。
【0046】
内視鏡の小さい内部体積への全ての必要な構成要素を梱包するために作られる試みの場合、常に重大な問題が存在する。この問題は、本発明のいくつかの実施形態により本明細書に開示されるような、3つのカメラおよび各照明源(LEDなど)が内視鏡の先端に梱包されるべき場合、劇的に増加する。従って、本発明のいくつかの実施形態によれば、内視鏡の先端、少なくとも1つの正面カメラおよび1以上(例えば2つ)の側面向きカメラおよびそれらの各照明源の限定された内部体積内に保持および梱包するためのフレキシブル電子回路が提供される。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、フレキシブル電子回路基板は、少ない空間を消費し、追加の必要な特徴のより大きな体積を残す。基板の柔軟性は、構成要素の配置に使用され得る空間において別の寸法を追加する。
【0048】
本発明の実施形態に係る回路基板の使用は、構成要素の接続に線を使用することないように、接続する電子モジュールの信頼性を大いに増加させる。また、いくつかの実施形態によれば、構成要素アセンブリは、機械加工および自動である。
【0049】
本発明の実施形態に係る回路基板の使用は、信頼性の高レベルを維持する間、カメラヘッド(内視鏡の先端)のアセンブリの間で構成要素(部品)の移動および操縦性を可能にする。本発明の実施形態に係る回路基板の使用は、(先端)組み立て工程を簡素化し得る。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、フレキシブル回路基板は、複数のケーブルを介して制御部へ接続され、このケーブルは、先端アセンブリ内の追加の空間を開放し、ケーブルのアクセスの柔軟性を追加する指定の位置に基板に溶接される。電子的な構成要素へ向かう複数のケーブルの組み立ては、本発明の実施形態に係るフレキシブル基板の使用により軽減される大きな挑戦であった。
【0051】
図2は、本発明の一実施形態に係る、正面向きカメラ、2つの側面向きカメラおよび照明器源を保持する折畳みフレキシブル電子回路基板の斜視図を示す。
【0052】
折り畳まれた構成で示される、フレキシブル電子回路基板400は、前向きカメラ116と、前向きカメラ116の視野(FOV)を本質的に照明するように配置されるLED240a、240bおよび240cと、側面向きカメラ220bと、側面向きカメラ220bの視野(FOV)を本質的に照明するように配置されるLED250aおよび250bと、側面向きカメラ220aの視野(FOV)を本質的に照明するように配置される側面向きカメラ220aおよびLED250a’および250b’と、を保持するように構成される。
【0053】
図3および4に見られるように、平坦な折畳みフレキシブル電子回路基板の斜視図をそれぞれ示し、本発明の一実施形態に係る、フレキシブル電子回路基板400は、3つの部である、正面部402、主要部404および背面部406を含む。
【0054】
フレキシブル電子回路基板400の正面部402は、第1の正面LED表面408、第2の正面LED表面410および底面LED表面412を含む。第1の正面LED表面408、第2の正面LED表面410および底面LED表面412は、PCB層の単一部品から形成される平坦面である。第1の正面LED表面408は、正面LED240aを保持するように適合され、第2の正面LED表面410は、正面LED240bを保持するように適合され、底面LED表面412は、正面LED240cを保持するように適合される。第1の正面LED表面408、第2の正面LED表面410および底面LED表面412は、前向きカメラ116を支持するように構成されるそれらの間で円弧形状を形成する。
【0055】
フレキシブル電子回路基板400の正面部402は、底面部412を介して主要部404に接続される。フレキシブル電子回路基板400の主要部404は、中央部418、第1の折畳み側面パネル414および第2の折畳み側面パネル416を含む。フレキシブル電子回路基板400が折り畳まれた構成である場合、第1の折畳み側面パネル414および第2の折畳み側面パネル416は、例えば、本明細書に示すように、主要部404の中央部418と約45度の角度を形成するように上方に(内視鏡の先端の長軸に向かって)折り畳まれるように構成される。また、第1の折畳み側面パネル414は、そこから延びる、前向きカメラ116を保持するために適合される正面センサ表面422(カメラ表面ともいわれる)を有するアーム部420を含む。フレキシブル電子回路基板400が折り畳まれた位置にある場合、アーム部420は、主要部4040の中央部418に対して本質的に垂直になるように折り畳まれ、正面センサ表面422は、第1の正面LED表面408、第2の正面LED表面410および底面LED表面412と本質的に同じ前向き方向を向くように、中央部418およびアーム部420に対して本質的に垂直に折り畳まれる。この構成で前向きカメラ116およびLED240a〜cが同じ方向を向くことができる。
【0056】
上述のように、主要部404は、正面部402の底面部412に接続される。主要部404の対向する端部上で、背面部406に接続される。
【0057】
背面部406は、背面中央部424を含む。背面中央部424は、背面中央部424の一側面から延びる第1の背面アーム部426および背面中央部424の反対の側面から延びる第2の背面アーム部428に接続される。
【0058】
第1の背面アーム部426は、(側面向きカメラ220aを保持するように適合される)第1の側面センサ表面430を含む。第2の背面アーム部428は、(側面カメラ220bを保持するように適合される)第2の側面センサ表面432を含む。
【0059】
第1の背面アーム部426は、側面LED250a’および250b’を保持するようにそれぞれ適合される、第1の側面LED表面434および第2の側面LED表面436をさらに含む。第2の背面アーム部428は、側面LED250aおよび250bを保持するようにそれぞれ適合される、第3の側面LED表面438および第4の側面LED表面440をさらに含む。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、(前向きカメラ116を保持するように適合される)正面センサ表面422、(側面向きカメラ220aおよび220bを保持するように適合される)第1の側面センサ表面430および第2の側面センサ表面432は、正面および側面LED表面よりも厚い。例えば、センサ表面の厚さは、センサの溶接ピンが表面を覆い、特定の溶接パッドにおけるセンサの反対側に溶接されるように、(カメラの)センサを配置するように構成される。
【0061】
センサ表面は、剛性であってよく、カメラアセンブリの基礎として使用され得る。センサ表面の高さは、センサ導体がセンサ剛性表面の反対側の溶接パッドに直接達するように曲げられるような、かなりの重要性を有する。剛性の基礎は、または、電磁ノイズをフィルタリングする電気接地として機能し、センサを形成することで、信号品質を高める。
【0062】
フレキシブル電子回路基板400が折り畳みの構成である場合、背面中央部424は、主要部404の中央部418に対して垂直に、上方に折り畳まれる。第1の側面センサ表面430および第2の側面センサ表面432は、中央部418に対して垂直に位置し、また、背面中央部424に対して垂直である。また、第1の側面センサ表面430および第2の側面センサ表面432は、本質的に平行であり、側面向きカメラ220aおよび側面向きカメラ220bを保持する場合にこれらのカメラが反対側を示すように、互いに「背中合わせ」に位置する。第1の側面LED表面434および第2の側面LED表面436は、側面LED250a’および250b’が側面向きカメラ220aに近接するように、第1の側面センサ表面430に対して垂直に位置し、それぞれ側面LED250a’および250b’を、内側面で、保持するように適合される。第3の側面LED表面438および第4の側面LED表面440は、LED250aおよび250bが側面向きカメラ220bに近接するように、第2の側面センサ表面432に対して垂直に位置し、それぞれ側面LED250aおよび250bを、内側面で、保持するように適合される。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態によれば、フレキシブル電子回路基板400の正面部420、主要部404および背面部406は、回路基板層の単一部から全て一体に形成される。
【0064】
図5および6を参照して、本発明の一実施形態に係る、カメラおよび照明器源を保持する折り畳まれたフレキシブル電子回路基板およびフレキシブル電子回路基板ホルダーの等角分解図を示す(図5は、分解図を示す)。
【0065】
図2と同様に、その折り畳まれた構成において図5に示すフレキシブル電子回路基板400は、前向きカメラ116と、前向きカメラ116の視野(FOV)を本質的に照明するように位置するLED240a、240bおよび240cと、側面向きカメラ220bと、側面向きカメラ220bの視野(FOV)を本質的に照明するように位置するLED250aおよび250bと、側面向きカメラ220aの視野(FOV)を本質的に照明するように位置する側面向きカメラ220aおよびLED250a’および250b’と、を保持するように構成される。
【0066】
フレキシブル電子回路基板ホルダー500は、その所望の折り畳まれた位置にフレキシブル電子回路基板400を保持するように適合され、所定の位置で正面および側面向きカメラとそれらの対応する照明器を固定する。図5に示すように、フレキシブル電子回路基板ホルダー500は、黄銅、ステンレス、スチール、アルミニウムまたは他の材料などの、単一部の剛性材料である。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、フレキシブル電子回路基板ホルダーの構造に対する金属の使用は、電気伝導性および熱伝導の目的で重要である。本発明の実施形態によれば、(フレキシブル電子回路基板ホルダー500などの)フレキシブル電子回路基板ホルダーは、先端部に位置するいくつかまたは全ての電子部品、具体的には、(側面または正面LEDなどの)照明器に対するヒートシンクとして使用され、内視鏡の先端の全体の温度を減少させる。これは、内視鏡の先端および/または任意の構成要素の、具体的には、LED照明器を使用する場合に、高くなった温度の重大な問題を解決または少なくとも軽減する。
【0068】
フレキシブル電子回路基板ホルダー500は、第2の側面LED表面436および第4の側面LED表面440を支持するように適合される裏面部502を含む。
【0069】
フレキシブル電子回路基板ホルダー500は、第1の正面LED表面408および第2の正面LED表面410の(LEDが取り付けられる側面が開いている)裏面をそれぞれ支持する、正面部504aおよび504bをさらに含む。
【0070】
フレキシブル電子回路基板ホルダー500は、フレキシブル電子回路基板ホルダー500の2つの異なる側面で2つの側面部506a(不図示)および506bをさらに含む。側面部506aおよび506bのそれぞれは、側面LED(250a、250b、250a’、250b’)に対して2つの小さい開口部および側面カメラ220bおよび220a(不図示)に対して1つの開口部を含む。フレキシブル電子回路基板ホルダー500の側面部506aおよび506bは、フレキシブル電子回路基板400の第1および第2の側面折畳みパネル416および414とそれぞれ隣接する。
【0071】
フレキシブル電子回路基板ホルダー500は、フレキシブル電子回路基板400の上部を覆い、流体導管成分600(図7)を支持するように構成される、上部508aおよび508bを含む(フレキシブル電子回路基板ホルダーの上部は、また、1つの上部を含んでよい)上部をさらに含む。
【0072】
図7を参照して、本発明の一実施形態に係る、メラおよび照明器源を保持する折り畳まれたフレキシブル電子回路基板、フレキシブル電子回路基板ホルダー、および流体導管成分の斜視図を示す。図6は、カメラおよび照明器源を保持する折り畳まれたフレキシブル電子回路基板およびフレキシブル電子回路基板ホルダーの斜視図を示す。図7は、図6の構成、潅注および通気(I/I)注入器、ノズル経路および作業経路を含む、流体導管成分600を追加する。流体導管成分600は、フレキシブル電子回路基板400からの分離成分である。この構成は、フレキシブル電子回路基板400の領域に位置する高感度電子部品および光学部品から流体導管成分600に位置する、流体経路および作業経路を分離するように適合される。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、流体導管成分600(または、いくつかの実施形態に係る単一の流体導管成分)は、一般的に、2つの部品、近接流体導管成分部690’と、遠位流体導管成分部690”と、を含んでよい。近接流体導管成分部690’は、基本的に円筒形状を有してよい。遠位流体導管成分部690”は、近接流体導管成分部690’の円筒形状を部分的に続け、(円筒の高軸に沿った)円筒の断片のみ有する、部分的に円筒(任意に長細い部分的に円筒)の形状を有し、(円筒の高軸に沿った)円筒の別の断片が欠けている。遠位流体導管成分部690”は、近接流体導管成分部690’を有する単一ブロックとして、一体に形成されてよい。遠位流体導管成分部690”の高さは、近接流体導管成分部690’よりも高い。遠位流体導管成分部690”の場合、部分的な円筒(例えば、高軸の一側面に沿った円筒形状の断片のみを有する部分的な円筒)の形状は、フレキシブル電子回路基板400およびフレキシブル電子回路基板ホルダー500に適合する空間を提供し得る。
【0074】
遠位流体導管成分部690”の正面620は、(不図示だが流体導管成分部690の内側に位置する)作業経路の遠位開口部640を含む。遠位流体導管成分部690”の正面620は、体腔(大腸など)の壁を洗浄するための水または生理食塩水などの流体の高圧ジェットおよび任意の吸引を提供するために使用されるジェット流体経路の遠位開口部644をさらに含む。遠位流体導管成分部690”の正面620は、前向きカメラの正面光学アセンブリ236から血液、排泄物および他のデブリなどの汚染物質を洗う流体(液体および/またはガス)を注入するために使用される潅注および通気(I/I)注入器664をさらに含む。
【0075】
流体導管成分600の近接流体導管成分部690’は、光学アセンブリ256aおよび256bをそれぞれ目的とし、側面向きカメラ220aおよび220bの側面光学アセンブリ256aおよび256bから血液、排泄物および他のデブリなどの汚染物質を洗う流体(用語「流体」は、ガスおよび/または液体を含んでよい)を注入するために使用される、I/I開口部666a(不図示)および666bを含む。いくつかの実施形態によれば、注入器は、(任意の光学アセンブリ、窓、LEDおよび他の構成要素などの)任意の先端構成要素を洗浄するための液体を供給し得る。
【0076】
図8を参照して、本発明の一実施形態に係る、メラおよび照明器源を保持する折り畳まれたフレキシブル電子回路基板、フレキシブル電子回路基板ホルダー、流体導管成分、および先端カバー(分解図)の斜視図を示す。
【0077】
流体導管成分600、フレキシブル電子回路基板400およびフレキシブル電子回路基板ホルダー500は、図6および図7に記載される。先端カバー700は、先端部分230の内部にフィットし、内側部分の内部成分に対する保護を提供するように設計される。
【0078】
先端カバー700は、前向きカメラ116の正面光学アセンブリ236と、LED240a、240bおよび240cの光の窓242a、24bおよび242c(例えば、図2および5〜8を参照)と、作業経路(不図示)の遠位開口部340と、ジェット流体経路の遠位開口部344と、(流体導管成分600の開口部664と協調する)ノズル348を有するI/I注入器346と、側面向きカメラ220aおよび220bの側面光学アセンブリ256aおよび256bと協調するように構成される穴756a(不図示)および756bと、カメラ220aに対するLED250aおよび250bの光の窓252aおよび252bと、LED250a’および250b’の光の窓252a’および252b’と、I/I開口部666a(不図示)および666bと協調するように適合する側面穴266a(不図示)および266bと、強調するように構成される穴736を含む。
【0079】
本発明は、その特定の実施形態とともに説明してきたが、多くの代替、修正および変更が当業者により理解されることは、明らかである。従って、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内にこのような代替、修正および変更の全てを包含することを意図する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許および特許明細書は、個々の刊行物、特許または特許明細書が参照として本明細書に組み込まれていると指摘する場合に、その全体が参照として本明細書に組み込まれている。また、この明細書において任意の参照の引例または識別は、このような参照が本発明の先行技術で利用可能であると解釈されるべきでない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8