(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の組織穿刺部閉鎖装置において、さらに、前記縫合糸に沿って前記封止パッドに対する基端側に配置した位置決め部材を備え、前記位置決め部材は、前記内部組織壁における基端側に前記封止パッドを展開する前後で、前記封止パッドを前記組織穿刺部に対する定位置に維持するものとした、組織穿刺部閉鎖装置。
請求項4に記載の組織穿刺部閉鎖装置において、該組織穿刺部閉鎖装置は、前記ハウジング内に配置し、かつ該ハウジングに対して移動可能とした第1摺動部材をさらに備え、前記キャリヤ管は前記第1摺動部材に連結し、該第1摺動部材は収納スプールを支持する構成とした、組織穿刺部閉鎖装置。
請求項1に記載の組織穿刺部閉鎖装置において、前記一定形状は、前記封止パッドへの液体の吸収時に丸み付きコーナーに変化するように構成された尖ったコーナーを有する、組織穿刺部閉鎖装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面にわたり、同一参照符号は類似の要素を示すが、必ずしも同一要素を示すわけでは
ない。
【0016】
上述したように、脈管処置は世界中で行われ、穿刺による血管へのアクセスを必要とす
る。この場合の血管は、例えば大腿動脈である。処置完了後に穿刺部を閉鎖するため、多
くの場合、閉鎖装置を使用して穿刺部をアンカーと封止パッドとの間に挟み込む。しかし
場合により、封止パッドを封止装置から脱出させることが困難であり、動脈切開部の外側
部位に対して適切に着座しないことがある。パッドが動脈切開部に対して適切に着座しな
い場合、出血が長時間に及ぶおそれがある。本発明においては、封止パッドの脱出及び封
止パッドの適切な配置を容易にする方法並びに装置を記載する。図示し、また以下に説明
する脈管器具は、処置シース及び穿刺部封止装置を含むが、本明細書に記載する原理の用
途は、以下に示す特定の装置に限定されるものではない。本明細書に記載する原理は、任
意の医療機器に適用することができる。従って以下の説明は、主に動脈処置及び脈管閉鎖
装置における若干の実施形態に関するが、本発明の方法及び装置は、添付の特許請求の範
囲によってのみ限定される。
【0017】
本発明は、(「一般的に閉鎖装置」と称する)組織穿刺部閉鎖装置に関し、この組織穿
刺部閉鎖装置は、封止パッド、アンカー、縫合糸、キャリヤ管及び位置決め部材を備える
。閉鎖装置は、アンカーを穿刺部の末端側に配置し、封止パッドを組織穿刺部の基端側に
隣接して配置し、さらに封止パッドをアンカーに対して縫合糸で固定するよう構成する。
閉鎖装置は、封止パッドを圧密化することなく、該封止パッドによって穿刺部を封止する
よう構成する。このタイプの閉鎖装置は、「非圧密化(compactionless)」閉鎖装置、又
は脈管若しくは管腔用閉鎖装置と称することができる。閉鎖装置は、脈管又は管腔に使用
することを想定しており、なぜなら、閉鎖装置は、コンポーネント(すなわちアンカー)
を備え、このコンポーネントは、血管内(すなわち、穿刺部組織における封止パッドとは
反対側)に配置されるからである。封止パッドの構造、封止パッドを通る縫合糸経路、及
び縫合糸に形成するノット位置であって、封止パッドとアンカーとの間に確実な連結を生
ずる該ノット位置などの要素は全て、閉鎖装置が封止パッドを圧密化することなく、穿刺
部を封止するのに寄与する。
【0018】
さらに、閉鎖装置は、ハウジング、及びハウジング内に配置する複数個の摺動部材を備
えることができる。これら摺動部材は、挿入シース及びキャリヤ管の後退又は引き出しの
役目を担うとともに、封止パッドを穿刺部に隣接する定位置に維持することができる。一
実施形態において、閉鎖装置は、第1摺動部材及び第2摺動部材を備え、これら第1及び
第2の摺動部材は、互いに対してだけでなくハウジングに対しても移動可能にする。挿入
シースは、ハウジングに直接連結することができる。キャリヤ管は、第1摺動部材に連結
することができる。封止パッドにおける基端側の端面との接触を維持する位置決め部材は
、第2摺動部材に直接連結することができる。第1及び第2の摺動部材は、閉鎖装置を穿
刺部から後退させる間、ハウジングに対して異なるタイミングで自動的かつ順次に釈放さ
れる構成とすることができる。
【0019】
一実施形態において、第1及び第2の摺動部材を釈放する動作シーケンスにより、挿入
シースを経皮的切開部から引き出し、その後にキャリヤ管を引き出して封止パッドを穿刺
部に隣接する経皮的切開部内で露出させる。閉鎖装置を引き出すことにより、張力が自動
的に縫合糸に加わり、これにより縫合糸のノットが封止パッドに向けて末端方向に前進し
、封止パッド及びアンカーを共に固定する。ハウジング内に残留する縫合糸の余剰長さは
、手動で釈放することにより、経皮的切開部から位置決め部材を引き出すことができる。
縫合糸は、自動又は手動で切断することにより、閉鎖装置をアンカー及び封止パッドから
釈放することができる。
【0020】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用する用語「圧密化する(compact)」
又は圧密化(compacting)とは概して、任意のタイプのタンピング(すなわち、過度な力
を込めずに1回の若しくは一連の、突き(ブロー)若しくはタップ(軽打)により、又は
スムーズで一定の圧力により、締め固めて圧縮すること)及び圧密化を意味する。「係合
(engage)」又は「離脱可能(disengagable)」とは、広義に、2個の装置間における連
動、噛合、又は接触を意味する。同様に、「離脱する(disengage)」又は「離脱可能(d
isengagable)」とは、連動状態、噛合状態、又は接触状態を解除する、又は解除可能で
あることを意味する。「スプール(spool)」とは、何かを少なくとも部分的に巻き付け
るシリンダ又は他の装置を指す。「管(tube)」とは、通路を有する細長い器具である。
「管腔(lumen)」とは、人体器官、特に血管内における任意の空間又は空洞を意味する
。「摺動可能に取り付けた(slidingly mounted)」とは、適切な支持体に対して移動可
能であることを意味する。「戻り止め(detent)」とは、機構の一部における動きを少な
くとも一時的にロックする保持部又はレバーを指す。特許請求の範囲を含む本明細書で使
用する「含む」及び「有する」は、「備える」と同義とする。
【0021】
次に図面、特に
図1〜
図8につき説明すると、
図1〜
図8は、従来技術による脈管穿刺
部閉鎖装置100を示す。この閉鎖装置100は、
図1において、分解斜視図で示す。図
2〜
図7は、閉鎖装置100を組み立て、また処置シース216を通して管腔132内に
挿入した状態で示す。閉鎖装置100は、血管(例えば動脈)の穿刺部で即時止血するよ
う設計するため、血管内処置との関連で使用した場合は特に有用であり、このような血管
内処置には、血管造影剤注射、心臓カテーテル法、バルーン血管形成術及び他のタイプの
アテローム硬化性動脈再疎通などがある。
【0022】
閉鎖装置100は、第1端部又は基端部106及び第2端部又は末端部107を備える
。キャリヤ管102は、基端部106から末端部107まで延在させ、末端部107に出
口113を有する。末端部107には、スリット109を設けることができる(
図1参照
)。
【0023】
キャリヤ管102は、プラスチック又は他の材料で構成することができ、処置シース1
16(
図2参照)内に挿通するよう設計する。処置シース116は、組織層130におけ
る経皮的穿刺部開通路119から管腔132内に挿入するよう設計する。
図2〜
図7によ
れば、管腔132は、血管128、例えば大腿動脈の内部を構成する。
【0024】
キャリヤ管102の末端部107には、アンカー108及び封止プラグ110を設ける
。アンカー108は、細長く硬い低丈輪郭の部材であり、血管128内の組織穿刺部21
8に隣接する血管壁134に対して着座するよう構成する。好適には、アンカー108は
、生体再吸収可能ポリマーで構成する。封止プラグ110は、圧縮可能なスポンジ、発泡
体又は繊維質マットから形成し、これらはコラーゲンなどの生体再吸収可能材料で構成す
る。封止プラグ110は、一般的に、
図8に示すような矩形状断面を有する細長の折り曲
げ部材として構成する。
【0025】
封止プラグ110及びアンカー108は、生体再吸収可能な縫合糸104により互いに
連結する。アンカー108、封止プラグ110及び縫合糸104は、以下、集合的に「閉
鎖要素」と称する。
図1に示すように、アンカー108は、初期的にはキャリヤ管102
における末端部107の外側に隣接して配置するのに対して、封止プラグ110は、初期
的にはキャリヤ管102内に配置する。アンカー108は、管腔132内への挿入を容易
にするため、
図1において、キャリヤ管102に沿い低丈輪郭で収納される状態を示し、
図2〜
図7において、展開してその表面が血管壁134に当接した状態を示す。
【0026】
縫合糸104は、閉鎖装置100の基端部106からキャリヤ管102を通って末端方
向に延在させる。縫合糸104は、封止プラグ110における1個以上の孔、及びアンカ
ー108における1個の孔に通した後、キャリヤ管102の封止プラグ110まで基端方
向に逆戻りさせる(
図8参照)。好適には、縫合糸104は、封止プラグ210における
1個以上の孔に再度通す。さらに、縫合糸104を縫合糸104自体の周りに通過させ、
自己締め付け引き結びノットを形成することもできる。縫合糸104はこのように、プー
リ状構成にしてアンカー108及び封止プラグ110を連結し、これによりキャリヤ管1
02をアンカー108及び封止プラグ110から離れる方向に引っ張るとき、アンカー1
08及び封止プラグ110を共に締め上げる。アンカー108及び封止プラグ110は、
組織穿刺部118を挟み込んで互いにロックして、組織穿刺部118を封止する。
【0027】
封止プラグ110内に通した縫合糸104の構成は、封止プラグ110を圧密化してア
ンカー108及び封止プラグ110を共に締め上げるとき、封止プラグ110の一部にト
ルク及び回転を発生させる。封止プラグ110の全長にわたるこのトルク又は回転の発生
により、封止プラグ110の断面が
図8に示す矩形状からより曲線をなす形状、例えばほ
ぼ円柱をなす形状に変化する。
【0028】
キャリヤ管102は、圧密化器具、例えば圧密化管112(
図1参照)を収容し、これ
により封止プラグ110を縫合糸104に沿いアンカーに向けて前進させる。圧密化管1
12は、部分的にキャリヤ管102内に位置し、また封止プラグ110の基端側に位置す
る状態で示す。ただし、圧密化管112はさらに、閉鎖装置100のハンドル152内に
も延在させる。圧密化管112は細長のラックであり、剛性又は可撓性を持たせて構成す
ることができる。縫合糸104は、圧密化管112内の少なくとも一部に延在させる。縫
合糸104は、圧密化管112に直接連結しない。従って、縫合糸104及び圧密化管1
112は、互いに対して摺動することができる。
【0029】
図1〜
図8の実施形態によれば、縫合糸104は、自動圧密化アセンブリに取り付ける
。この自動圧密化アセンブリは、自動駆動機構180及び圧密化管112を有することが
できる。自動駆動機構180は、閉鎖装置100における基端部106でハウジング又は
ハンドル152内に位置する。
【0030】
実際には、(上述した閉鎖要素を収納する)閉鎖装置100のキャリヤ管102は、既
に血管128内に挿入されている処置シース116内に挿入する(
図2及び
図3参照)。
閉鎖装置100及び付随する閉鎖要素を処置シース116内に挿入するとき、アンカー1
08は処置シース116の末端部を通過して抜け出し、血管の管腔132内に挿入される
。上述し、また
図1に示すように、アンカー108は、初期的にはキャリヤ管102とほ
ぼ同一平面状に配置し、これによりアンカー108を経皮的切開部又は穿刺部開通路11
9、及び管腔132内に挿入し易くしている。
【0031】
しかし、アンカー108が処置シース116の末端部から抜け出た後、アンカー108
は、
図2及び
図3に示す位置に展開又は回転する。さらに、閉鎖装置100を処置シース
116から部分的に引き出し、アンカー108を処置シース116の末端部に捕捉した状
態で、
図2及び
図3に示す位置に回転させることもできる。しかし好適には、閉鎖装置1
00は、バイアスを付与した1対のフィンガ215を備え、これらフィンガ215は、処
置シース116における1対の整合凹部217によってロック可能に収容される。バイア
スを付与したフィンガ215と整合凹部217との間におけるこのロック構成により、処
置シース116に対するハンドル152の位置が好適に固定される。
【0032】
アンカー108の展開後、ハンドル152及び処置シース116を一緒に引き出す。ハ
ンドル152を引き出すことにより、アンカー108自体が血管118内の血管壁134
に対して係留する。アンカー108が血管128内の穿刺部に係留した後、ハンドル15
2及び処置シース116をさらに引き出すと、封止プラグ110がキャリヤ管112の末
端部107から引き出され、その結果封止プラグ110が切開部又は穿刺部開通路119
内に配置される。キャリヤ管102のスリット109(
図1参照)は、キャリヤ管の末端
部107の屈曲又は拡開を可能にし、これにより封止プラグ110の脱出を容易にする。
キャリヤ管102における末端部107のスリット109は、キャリヤ管102と同心状
に配置する処置シース116によって、拡開又は屈曲が阻止される。従って、ハンドル1
52及び処置シース116を後退させることにより、処置シース116がキャリヤ管10
2に対して
図4及び
図5に示す第2ポジションに後退する構成とする。
【0033】
図4〜
図5において、キャリヤ管102の末端部107は、ハンドル152及び処置シ
ース116の後退に伴い、(穿刺部開通路119)内で露出する。キャリヤ管102は、
ハンドル152及び処置シース116が所定距離にわたって後退するまで、穿刺部118
に対する相対位置を保つ。ハンドル152及び処置シース116とキャリヤ管102との
間における相対運動は、摺動可能な取り付け構成によって容易にする。
【0034】
図2〜
図7の全体で示すように、(キャリヤ管102に取り付けた)自動駆動機構18
0は、好適には、自由に浮動又は変位可能であり、ハンドル152及び処置シース116
の後退に伴い、ハンドル152に対して摺動するよう構成する。しかし、自動駆動機構1
80は、
図2に示すように、初期的にはハンドル152に対して第1ポジションに保持す
ることができる。例えば
図2に示すように、自動駆動機構180は保留用戻り止め155
のような一時的なホルダ有することができ、この保留用戻り止め255は、ハンドル15
2内に配置したトラック153内で摺動するよう取り付ける。保留用戻り止め155は、
自動駆動機構180を
図2に示す第1ポジションで一時的に保持し、ハンドル152内に
おける早期の摺動を制限する。
【0035】
保留用戻り止め155は、十分な所定力がハンドル152と自動駆動機構180との間
に加わると、自動駆動機構180を釈放する。例えば、アンカー108が展開した状態で
使用者がハンドル152に与える後退力により、自動駆動機構180とハンドル152と
の間に摺動運動を発生させる。従って、ハンドル152を後退させると、(ハンドル15
2にしっかりと連結した)処置シース116が後退するが、自動駆動機構180及びキャ
リヤ管102はハンドル152に対して摺動するため、穿刺部118に対する位置に留ま
る。自動駆動機構180は、ハンドル152に対して所定距離にわたって摺動することが
できる。この所定距離は、好適には、少なくともキャリヤ管102のスリット109(図
1参照)を完全に露出させるのに十分な長さとする。
【0036】
自動駆動機構180が所定距離にわたって摺動した後(
図4参照)、ハンドル52をさ
らに後退させることにより、キャリヤ管102も一緒に引き出され、その結果、
図6及び
図7に示すように、封止プラグ110が自動的に脱出すると共に圧密化される。閉鎖装置
100は、この状態で封止プラグ110を自動的に圧密化することができる。キャリヤ管
を引き出す間、封止プラグ110が圧密化し、この圧密化によって封止プラグ110と血
管228の穿刺部118との間で生ずるおそれのあるギャップを縮小又はなくすことがで
きる。
【0037】
さらに、穿刺部開通路119から離れる方向に縫合糸104に張力を加える又は引っ張
ることにより、縫合糸104は(スリップノットなどで)アンカー108及び封止プラグ
110を共に締め上げ、かつ固定し、アンカー108と封止プラグ110との間に血管壁
132を挟み込む。また、圧密化管112により加わる力、及び縫合糸104によりアン
カー208及び封止プラグを共に締め上げることも、封止プラグ110を穿刺部開通路1
19内で半径方向外方に変形させ、また
図6及び
図7に示すように、組織穿刺部118の
基端側でアンカーとして機能させる。
【0038】
圧密化管102は、自動駆動機構180により、封止プラグ110に向けて自動的に駆
動する。自動駆動機構180の一実施形態は、
図1に詳細に示す。自動駆動機構180は
、ギアボックスアセンブリ182を有することができ、このギアボックスアセンブリ18
2は選択的に離脱可能な構成とすることができる。
図1に示す実施形態によれば、自動駆
動機構180が止め部161に一旦接触した後、閉鎖装置100をさらに後退させること
は、封止プラグ110の自動的な圧密化をもたらす。
【0039】
図1及び
図6に示すギアボックスアセンブリ182によれば、縫合糸104は、第1ギ
ア及びスプールアセンブリ194(
図1参照)のスプール184に連結し、またその周り
に部分的に巻き付ける。第1ギア及びスプールアセンブリ194は、スプール184及び
第1ギア186の双方を有する。第1ギア186はスプール184に連結し、これにより
、第1ギア186及びスプールは一緒に回転する。(アンカー108が展開し、かつギア
ボックスアセンブリ182が止め部161に接触した場合に)閉鎖装置100を組織穿刺
部118から引き出すと、縫合糸104がスプール184から繰り出される。スプール1
84は、縫合糸104の繰り出しに伴い回転し、直線的な圧密化力に変換されるねじり原
動力(トルク)を生ずる。
【0040】
スプール184が生ずるこのねじり原動力は、ギアボックスアセンブリ182により、
直線的な圧密化力に変換される。ギアボックスアセンブリ182は、スプール184に同
軸状に配置した第1ギア186を有する。第1ギア186は、第2ギア188に隣接して
配置することができる。この第2ギア188は、組み立て状態では、第1ギア186に噛
合する。第2ギア188は二段式ギアとすることができ、図示のように、各段は、隣接し
ている異なるギアに噛合する。第1及び第2ギア186,188は、図示のように、互い
に摩擦係合により又は噛合ギア歯により噛合することができる。第2ギア188は、第3
ギア190に隣接して配置する。組み立て状態では、第2ギア188は第3ギア190に
噛合し、この第3ギア190を駆動する。
【0041】
圧密化管112は、第3ギア190とガイド部192との間に配置する。好適には、圧
密化管112は図示の歯を有し、これら歯が第3ギア190の歯に噛合する。凹状ホルダ
196により、圧密化管112を支持することができる。スプール184が回転するとき
、このスプール184が圧密化管112を駆動し、このことにより封止プラグ110が圧
密化される(
図6参照)。代案として、圧密化管112は、ハウジング152内に突入さ
せず、その代わりに別個のラックを第3ギア190に噛合させることができる。この場合
、この個別のラックが圧密化管112を駆動する。
【0042】
好適には、圧密化管112は半管状に形成し、縫合糸104の軸線に沿い、縫合糸10
4周りに部分的に配置する。圧密化管の構造により、スプール184の繰り出し時に、縫
合糸及び圧密化管が合流することが可能である。縫合糸104及び圧密化管112は、互
いに固定して連結せず、互いに自由に摺動することができる。従って、アンカー108が
展開し、またギアボックスアセンブリ182が止め部161(
図6参照)に圧着した状態
で閉鎖装置100を第1方向に後退させると、縫合糸104がスプール184から繰り出
され、その結果ギアボックスアセンブリ182を駆動する。ギアボックスアセンブリ18
2は、圧密化管112を第2方向、すなわち反対方向に駆動し、圧密化管が封止プラグ1
10を圧密する(
図6参照)。
【0043】
上述したように、切開部からアクセス可能な内部組織壁における組織穿刺部を封止する
ために使用する組織穿刺部閉鎖装置の大まかな構造及び機能は、当該技術分野でよく知ら
れている。本明細書に記載の実施原理を有する閉鎖装置の用途としては、生体を2つの内
部部分に分断する、組織における経皮的な穿刺部又は切開部の閉鎖があり、このような穿
刺部又は切開部は、例えば血管、導管又は管腔(ルーメン)、胆嚢、肝臓、心臓などにお
けるものがある。
【0044】
次に
図9〜
図14につき説明すると、これら図において、医療装置、例えば組織穿刺部
閉鎖装置200(本明細書では、「脈管閉鎖装置」及び「閉鎖装置」とも称する)を本発
明の一実施形態に従って示す。閉鎖装置200は、
図9において、処置シース216と一
緒に組み合せた組立図で示す。閉鎖装置200及び処置シース116は、経皮的切開部2
19及び血管穿刺部218を通して挿入する。
【0045】
閉鎖装置200は、血管(例えば動脈又は脈管)の穿刺部でほぼ即時に止血するよう設
計するため、血管内処置との関連で使用した場合は特に有用であり、このような血管内処
置には、血管造影剤注射、心臓カテーテル法、バルーン血管形成術及び他のタイプのアテ
ローム硬化性動脈再疎通などがある。ただし言うまでもなく、以下の実施形態の説明は血
管における経皮的穿刺部の封止に関するが、この装置はより広範囲な用途を有するもので
あり、他の組織壁における穿刺部又は切開部を封止するために使用することもできる。従
って、本明細書に示す血管における経皮的穿刺部の封止は、本発明の閉鎖装置200の一
用途を例示しただけのものである。
【0046】
閉鎖装置200は、第1端部又は基端部206及び第2端部又は末端部207を備える
。キャリヤ管202は、基端部206から末端部207まで延在させ、末端部207に出
口213を有する。末端部207には、封止パッド210をキャリヤ管202から脱出さ
せるのを容易にするスリット(図示せず)を設けることができる。
【0047】
キャリヤ管202はプラスチック又は他の材料で構成することができ、処置シース21
6内に挿通するよう設計する。処置シース216は、経皮的切開部219を通して血管2
28内に挿入するよう設計する。少なくとも一実施形態において、血管228は大腿動脈
である。
【0048】
アンカー208及び封止パッド210は、閉鎖装置200の末端部207に配置するこ
とができる。
図9〜
図14の実施形態におけるアンカー208は、細長く比較的硬い低丈
輪郭の部材であり、血管穿刺部218に隣接する血管壁234に対して着座するよう構成
する。アンカー208は、一般的に生体再吸収性ポリマーで構成する。封止パッド210
は、例えば、圧縮可能なスポンジ、発泡体又は繊維質マットから形成し、これらはコラー
ゲンなどの止血性の生体再吸収可能材料で構成する。封止パッド210は任意の形状に構
成し、血管穿刺部218の封止を容易にすることができる。本発明において特に重要な若
干の例示的な形状及び寸法は、以下、
図15〜
図26に関連してより詳細に説明する。
【0049】
封止パッド210及びアンカー208は、縫合糸204によって互いに連結する。この
縫合糸204は、一般的に生体再吸収可能な材料で構成する。アンカー208、封止パッ
ド210及び縫合糸204は、以下、集合的に「閉鎖要素」と称する。
【0050】
図9に示し、また
図1の実施形態に類似するように、アンカー208は、アンカー20
8は、初期的にはキャリヤ管202における末端部207の外側に隣接して配置するのに
対して、封止プラグ210は、初期的にはキャリヤ管202内に配置する。アンカー20
8は、血管228内への挿入を容易にするため、キャリヤ管202に沿う低丈輪郭で収納
された状態で示す。
【0051】
縫合糸204は、閉鎖装置200の基端部206からキャリヤ管202内を通して末端
方向に延在させる。縫合糸204は、封止パッド210における1個以上の孔、及びアン
カー208における1個の孔に通した後、キャリヤ管202の封止パッド210まで末端
方向に逆戻りさせる。好適には、縫合糸204は、封止パッド210における1個又は複
数個の孔に再度通す。さらに、縫合糸204を縫合糸204自体の周りに通過させ、自己
締め付け引き結びノットを形成することもできる。縫合糸204はこのように、アンカー
208及び封止パッド210を固定した構成となるよう互いに連結することができる。代
案として、縫合糸204は、プーリ状構成にしてアンカー208及び封止パッド210を
連結し、従ってキャリヤ管202をアンカー208及び封止パッド210から離れる方向
に引っ張るとき、アンカー208及び封止パッド210を共に締め上げる。アンカー20
8及び封止パッド210は、血管穿刺部218を挟み込んで互いにロックして、血管穿刺
部218を封止する。
【0052】
キャリヤ管202は位置決め部材212を収容し、この位置決め部材212は、キャリ
ヤ管202及び処置シース216を経皮的切開部219から引き出す間、血管穿刺部21
8に対する封止パッド210の位置を保つよう構成する。位置決め部材212は、キャリ
ヤ管202内及びアンカー208の基端側に位置する状態で示す。さらに、位置決め部材
212は、閉鎖装置200のハウジング224内に延在させる。好適には、位置決め部材
212は、細長い管状部材又は半管状部材であり、剛性又は可撓性を有し、かつ任意の適
切な材料で構成することができる。例えば一実施形態によれば、位置決め部材212は、
ポリウレタン材量で構成する。縫合糸204は、位置決め部材212内の少なくとも一部
に延在させる。例えば
図9〜
図14に示すように、縫合糸204は、位置決め部材212
に沿って基端部と末端部206,207との間に延在させる。一般的に縫合糸204は、
位置決め部材212に直接連結しない。従って、縫合糸204及び位置決め部材212は
、互いに対して摺動することができる。
【0053】
縫合糸204は、基端方向のハウジング224内に延在させ、縫合糸スプール236上
に収納することができる。縫合糸スプール236は、ハウジング内における少なくとも1
個の摺動部材に担持することができる。一実施形態において、閉鎖装置200は、第1摺
動部230及び第2摺動部232を備える。縫合糸スプール236は、第2摺動部232
が担持する。第2摺動部232は、第1摺動部230が担持すると共に第1摺動部230
に対して摺動可能とする。第1摺動部230は、閉鎖装置200のハウジング224内に
おいて摺動可能に取り付ける。ハウジング224は、第1釈放面226を有することがで
き、この第1釈放面226は、以下により詳細に説明するように、第1摺動部230の一
部に接触するよう配置する。
【0054】
第1摺動部230は、末端部238、第1釈放部材240及び第2釈放面242を有す
る。第1摺動部230はハウジング224内に配置し、また少なくとも
図9に示す後退位
置又は第1ポジションと
図11及び
図13に示す突出位置又は第2ポジションとの間で移
動可能である。第1摺動部230は、閉鎖装置200を処置シース216内及び血管22
8内(
図9参照)に挿入する間、後退位置に維持される。
【0055】
第1摺動部230は、釈放機構により後退位置に保持される。この釈放機構は、例えば
、第1釈放部材240及び第1釈放面226を有することができる。一般的に、第1釈放
部材240は第1釈放面226に係合することにより、第1釈放部材240及び第1釈放
面226の少なくとも一方が作動するまで、第1摺動部230を後退位置に保持する。第
1釈放部材240が第1釈放面226から釈放されるための作動は、軸線方向(すなわち
、処置シース216の全長に沿う方向)に作用する所定量の力を第1摺動部230に加え
るとき、自動的に生ずる。軸線方向への力は、
図9に示すように、アンカー208が血管
228の内面に係合した状態で、閉鎖装置200及び処置シース216を方向Xに引き出
すことにより加えることができる。軸線方向に加えたこの所定量の力は、第1釈放部材2
40を第1釈放面226から離脱させる。
【0056】
第1摺動部230に対して軸線方向に加え、これにより第1摺動部230をハウジング
224に対して自動的に動かす所定量の力は、一般的には約0.136kg〜約0.90
7kg(約0.3lbs〜約2.0lbs)の範囲とし、より好適には、約0.136k
g〜約0.453kg(約0.3lbs〜約1.0lbs)の範囲とする。一般的に、第
1摺動部230に対して軸線方向に加える所定量の力は、約0.453kg(約1.0l
bs)以下である。
【0057】
第1摺動部230を
図9に示す後退位置から
図11に示す前進位置に動くよう構成する
ことにより、(第1摺動部230に連結する)キャリヤ管202及び(第2摺動部232
に連結する)位置決め部材212は、血管穿刺部218に対してほぼ同一の位置を維持し
ながらも、ハウジング224及び処置シース216は、血管穿刺部218に対して末端へ
のX方向に動かすことができる。少なくとも一実施形態において、第1摺動部230が図
9に示す後退位置から
図11に示す前進位置まで動くとき、処置シース216は血管穿刺
部218及び経皮的切開部219から引き抜かれ、またキャリヤ管202は、経皮的切開
部219内に留まる。
【0058】
第2摺動部232は、末端部244及び第2釈放部材246を有する。第2摺動部23
2はハウジング224内に配置し、また少なくとも
図9に示す後退位置又は第1ポジショ
ンと
図11に示す突出位置又は第2ポジションとの間で移動可能である。第2摺動部23
2は、閉鎖装置200を処置シース216内及び血管228(
図9参照)に挿入し、ハウ
ジング224及び処置シース216をX方向に
図11に示す位置に後退させ、さらに第1
摺動部が
図11に示す前進位置に動く間、後退位置に維持される。
【0059】
第2摺動部232は、釈放機構により後退位置に保持することができる。この釈放機構
は、例えば、第2釈放部材246及び第2釈放面242を有することができる。一般的に
、第2釈放部材246は、第1摺動部230の第2釈放面242に係合することにより、
第2釈放部材246及び第2釈放面242の少なくとも一方が作動して、第2釈放部材2
46が第2釈放面242から離脱するまで、第2摺動部232が後退位置に保持される。
第2釈放部材246及び第2釈放面242の作動は、第2摺動部232に対して軸線方向
(すなわち、処置シース216の全長に沿う方向)に作用する所定量の力を加えるとき、
自動的に生ずる。この軸線方向への力は、アンカー208が血管228の内面に係合し、
また第1摺動部230が
図13に示す前進位置に位置する状態で、閉鎖装置200及び処
置シース216を方向Xに引き出すことにより加えることができる。軸線方向に加えるこ
の所定力は、第2釈放部材246を第2釈放面242から離脱させる。
【0060】
第2摺動部232に対して軸線方向に加え、これにより第2摺動部232を第1摺動部
230に対して自動的に動かす所定量の力は、一般的には約0.136kg〜約0.90
7kg(約0.3lbs〜約2.0lbs)の範囲とし、より好適には、約0.136k
g〜約0.453kg(約0.3lbs〜約1.0lbs)の範囲とする。一般的に、第
2摺動部232に対して軸線方向に加える所定量の力は、約0.453kg(約1.0l
bs)以下である。
【0061】
一般的に、キャリヤ管202は第1摺動部230に連結し、また位置決め部材212は
ハウジング224に連結する。第2摺動部232を
図9及び
図11に示す後退位置から図
13に示す前進位置に動くよう構成することにより、封止プラグ210及び位置決め部材
212は、血管穿刺部218に対してほぼ同一の位置を維持しながらも、ハウジング22
4、処置シース216及びキャリヤ管202は、血管穿刺部218に対して末端へのX方
向に動かすことができる。少なくとも一実施形態において、キャリヤ管202は、第2摺
動部232が
図11に示す後退位置から
図13に示す前進位置まで動くとき、血管穿刺部
218及び経皮的切開部219から引き抜かれる。
【0062】
上述したように、第1及び第2の摺動部230,232は、所定量の力を軸線方向に加
えたとき、自動的に釈放され、ハウジング224に対してまた摺動部相互に対して相対移
動するよう構成することができる。第1及び第2の摺動部を釈放する所定量の力は、異な
らせることができる。例えば、第1摺動部230を釈放する所定量の力は最小とし、第2
摺動部232に関してはより大きい量とすることができる。若干の実施形態において、第
2摺動部232は、第1摺動部230が釈放された後になるまでは釈放されない構成とす
る。
【0063】
他の実施形態において、第1及び第2の摺動部230,232の少なくとも一方は、閉
鎖装置200のオペレータ(施術者)が手動で釈放して、ハウジング224に対して又は
摺動部230,232相互が相対移動するものとする。若干の実施形態において、閉鎖装
置200は視覚的又は可聴的な特徴形成部を有し、閉鎖装置200の特徴形成部が特定位
置に到達したことをオペレータに知らせる。例えば、閉鎖装置200には、ハウジング2
24に形成した窓及び少なくとも1つの位置マーカーを設けることにより、オペレータは
、第1摺動部230が
図11に示す前進位置に到達したことを視認できるようにし、この
ことは、オペレータに対して、第2摺動部が釈放できる状態にあることを知らせる。
【0064】
他の実施形態において、第2摺動部232は、閉鎖装置に設けない構成とする。この場
合、縫合糸スプール236は、第1摺動部230に直接設けるものとする。位置決め部材
212の一部は、第1摺動部230に収容し、また担持することができる。一実施形態に
おいて、位置決め部材212の一部は、第1摺動部230が担持するスプール部材に収容
する。位置決め部材212を担持するスプール(位置決め部材スプール)は、縫合糸スプ
ール236と同軸状にすることができる。若干の実施形態において、縫合糸スプール23
6及び位置決めスプールは、互いに連結して一緒に回転させることができる。例示的な縫
合糸スプール及び位置決めスプールを備える閉鎖装置は、米国特許出願公開第2005/
0125031号に開示され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする
。
【0065】
さらに他の実施形態において、閉鎖装置は、第1及び第2の摺動部230,232を設
けない構成にすることができる。この場合、種々のギア、スプール及び他の機構を利用し
て、ハウジング224及び処置シース216に対して、キャリヤ管202、縫合糸204
及び位置決め部材212の一部を釈放し、これにより封止パッド210を経皮的切開部2
19内に展開し,またその位置を維持することができる。
【0066】
実際には、(上述した閉鎖要素を収納する)キャリヤ管202は、既に血管228内に
挿入されている処置シース216内に挿入する。閉鎖装置200及び付随する閉鎖要素を
処置シース216内に挿入すると、アンカー208は処置シース216の末端部を通過し
て抜け出し、血管228内に挿入される。アンカー208は、初期的にはキャリヤ管20
2と同一平面状に配置し、これによりアンカー208を経皮的切開部219及び血管22
8内に挿入し易くしている。
【0067】
アンカー208が処置シース216の末端部から抜け出た後、アンカー208は
図9及
び
図10に示す位置に展開又は回転する。閉鎖装置200を処置シース216から部分的
に引き出し、アンカー208を処置シース216の末端部に捕捉した状態で、
図9及び図
10に示す位置に回転させることができる。閉鎖装置200は、一般的には、1対のシー
ス連結部材222を備え、これら連結部材222は、処置シース216におけるハブ部分
217の基端面に設ける1対の整合凹部217(図示せず)によってロック可能に収容さ
れる。シース連結部材222と処置シース216における整合凹部との間のロック機構に
より、ハウジング224と処置シース216との間における動きを制限する。
【0068】
アンカー208の展開後、ハウジング224及び処置シース216を一緒に引き出す。
ハウジング224を第1後退距離にわたって引き出すことで、アンカー208自体が血管
228の内部壁に対して係留する。アンカー208が血管228内に係留した状態で、ハ
ウジング224及び処置シース216をX方向に第2後退距離にわたって後退させると、
第1摺動部230が釈放されて、ハウジング224と第1摺動部230との間における相
対運動が可能になり、その結果処置シース216が穿刺部開通路119から抜け出るよう
後退する(
図11〜
図14参照)。ハウジング224及び処置シース216は、X方向に
第2後退量にわたって後退し、第1摺動部230がハウジング224内の前進位置に到達
するまで、X方向に第2後退量にわたって後退する。
【0069】
第2後退距離にわたる後退が完了した後、ハウジング224及び処置シース216を第
3後退距離にわたって後退させると、封止パッド210がキャリヤ管202の末端部20
7から露出し、これにより封止パッド210が経皮的切開部219内に配置される。キャ
リヤ管202のスリット(図示せず)により、封止パッド210をより容易に脱出させる
ことができる。
【0070】
上述したように、キャリヤ管202は第1摺動部230に、また位置決め部材212は
第2摺動部232にそれぞれ連結する。第2後退距離にわたる後退の後、後退力をX方向
に加えると第2摺動部232が釈放され、これにより第2摺動部232が第1摺動部23
0に対して軸線方向に動き、その結果位置決め部材212が経皮的切開部219に対して
同一の位置を維持すると共に、キャリヤ管202は、経皮的切開部219から抜け出るよ
う後退して封止パッド210が露出する(
図13参照)。ハウジング224及び処置シー
ス216を第3後退距離にわたって後退させると、第2摺動部232が
図11に示す位置
から
図13に示す前進位置に動く。
【0071】
ハウジング224、処置シース216及びキャリヤ管202を第2後退距離にわたって
後退させた後、ハウジング224に対してX方向に後退力を加えると、縫合糸204の一
部が縫合糸スプール236から繰り出される。少なくとも若干の実施形態において、縫合
糸スプール236は、手動でスプール釈放機構(図示せず)を作動させることにより、釈
放されて回転できるようになる。スプール釈放機構は、オペレータが接触できるようハウ
ジング224の外部からアクセス可能とすることができる。縫合糸スプール236が繰り
出されると、縫合糸204が十分な長さで露出するため、オペレータは縫合糸204を簡
単に切断し、封止パッド210及びアンカー208を閉鎖装置200の残部から分離する
ことができる。
【0072】
若干の実施形態において、縫合糸スプール236は、第1回転方向に回転可能に構成す
ることにより、ハウジング224を第1及び第2後退距離にわたってX方向に後退させる
とき、縫合糸204に張力が加わり、縫合糸204をアンカー208及び封止パッド21
0から離れる方向に引っ張られる。
【0073】
縫合糸スプール236により縫合糸に加える張力は、(引き結びノットなどで)アンカ
ー208及び封止パッド210を共に締め上げて固定し、アンカー208と封止パッド2
10との間に血管壁228を挟み込む。縫合糸204でアンカー208及び封止パッド2
10を共に締め上げる際に加わる軸線方向力は、アンカー208及び封止パッド210を
互いにまた、血管穿刺部218に隣接する血管228に接触する状態に保持するのに十分
である。この締め上げ力は、封止パッド210の形状を変化させることなく加えることが
できる。少なくとも若干の実施形態において、この締め上げ力、及び閉鎖装置200から
封止パッド210を血管穿刺部218に隣接して経皮的切開部219内に展開することの
いずれも、封止パッドを変形させない。封止パッドの締め上げ及び展開中に封止パッド2
10に加わる力は、封止パッド210の形状(すなわち、長さ又は断面形状)を変化させ
ることなく、封止パッドの一部における寸法(すなわち、長さ又は断面寸法)を一時的に
変化させることがある。
【0074】
他の実施形態において、封止パッド210の寸法又は形状は、封止パッド210の経皮
的切開内への露出及び展開時に、封止パッド210がキャリヤ管内から移動するときに変
化することがある(すなわち、封止パッドはキャリヤ管内に収まるよう圧縮することがで
きる)。若干の実施形態において、封止パッド210は寸法及び形状が、封止パッド21
0の経皮的切開部内への露出及び展開と封止パッド及びアンカーを共に締め上げた後との
間で変化することがないものとする。さらに他の実施形態において、アンカーと共に締め
上げるときまで、封止パッド210の寸法及び形状は、封止パッド210をキャリヤ管内
に配置するときから経皮的切開部内に露出及び展開するときまで一定のものとする。
【0075】
図9〜
図14に示す封止パッド210は、ほぼ細長の円柱状構造を有する。
図15〜図
17は、封止パッド210をより詳細に示す。
図15及び
図16は、封止パッド210の
膨張していない状態で示し、この状態の封止パッド210は、液体吸収前には長さL
1及
び直径D
1を有する。上述したように、液体吸収前には、例えばキャリヤ管202からの
展開の前後で、又は縫合糸204でアンカー208に対して締め上げる前後で、封止パッ
ド210の寸法(すなわち、長さL
1及び直径D
1)及び形状は、変動することができる
。他の実施形態において、封止パッド210の寸法(すなわち、長さL
1及び直径D
1)
及び形状は、液体吸収前には、例えばキャリヤ管202からの展開の前後、又は縫合糸2
04でアンカー208に対して締め上げる前後で、一定又はほぼ一定に留まるものとする
ことができる。
【0076】
封止パッド210の寸法は、血液のような液体吸収時に拡大することができる。一実施
形態において、封止パッド210の直径又は外形寸法は、液体吸収時にD
1からD
2に変
化することができ、この場合D
2はD
1よりも大きい(
図16及び
図17参照)。若干の
実施形態において、封止パッド210の長さL
1も、液体吸収時に変化することができる
(すなわち、伸張又は縮小する)。
【0077】
本発明の閉鎖装置と一緒に使用する封止パッドは、他の構造とすることも可能である。
図18〜
図20において、非円形断面を有する封止パッド310を示す。この封止パッド
310は、互いに対向する側面間で寸法D
1及びD
3のほぼ方形断面を有する。封止パッ
ド310の形状及び寸法は、液体吸収時に変化することができる。例えば、封止パッド3
10は、液体吸収時に、互いに対面する側面間でより大きな寸法D
2及びD
4に膨張する
。
【0078】
封止パッド310の形状は、
図19に示すような尖ったコーナーを有する矩形状断面か
ら、
図20に示す丸み付きコーナーを有する矩形状断面に変化することができ、又は
図1
9に示すのとは異なる形状に変化することができる。
【0079】
若干の実施形態において、寸法D
1及びD
3はほぼ同一とし、正方形断面にする。他の
実施形態において、寸法D
1は寸法D
3よりも大きくし、異なる側辺長さを有する長方形
形状とする。一般的に、寸法D
1は寸法D
3の約4倍とし、より好適には、寸法D
3の約
2倍を超えないものとする。
【0080】
図21〜
図23は、本発明による封止パッドに関して実現可能な断面形状の他の例を示
す。
図21は、ほぼ三角形断面形状を有する封止パッド410を示す。
図22は、ほぼ六
角形断面形状を有する封止パッド510を示す。
図23は、ほぼ楕円断面形状を有する封
止パッド610を示す。他の多数の断面形状、例えば、X形状、V形状及びC形状の断面
形状が
図15〜
図23に示す断面形状の改変を含めて実現可能である。さらに、封止パッ
ドは、折り曲げて又は封止部分における他の箇所に固定し、所望の断面形状とすることが
できる。
【0081】
本明細書で説明する封止パッドの断面形状は、封止パッドの長さ(すなわち、長さL
1
)にわたって比較的一定にすることができる。他の実施形態において、封止パッドは、長
さにわたって断面形状を異ならせることができる。例えば、封止パッドの一方の端部にお
ける断面形状はほぼ円形とし、封止パッドの他方の端部における断面形状は、異なる断面
形状に移行する構成とすることができる。
【0082】
本明細書で説明する封止パッドの液体吸収前の最小厚さ寸法(すなわち、D
1及びD
3
)は、一般的には、約0.5mm〜約1.0mm以上及び約2.0mm〜約2.5以下と
する。
【0083】
上述した封止パッド210は、種々の縫合糸構成でアンカー208に連結することがで
きる。異なる縫合糸構成は、組織穿刺部及びアンカー208に対する封止パッド210位
置をいかにうまく維持するかに影響することがある。さらに、縫合糸構成は、縫合糸20
4で封止パッド210及びアンカー208を共に締め上げるとき、封止パッド210の形
状又は寸法が変化するか否かにも影響することがある。縫合糸ノット297の位置、並び
に縫合糸204を通す長手方向開孔及び側方(横)方向開孔の位置も、関連する。
【0084】
図24A‐B、
図25A‐B及び
図26A‐Bは、アンカー208と封止パッド210
との間を連結するいくつかの縫合糸構成を示す。
図24A,
図25A及び
図26Aは、縫
合糸204を封止パッド210周りに緩く装着して、アンカー208及び封止パッド21
0に対する縫合糸204の経路をよりはっきりと示す。
図24B、
図25B及び
図26B
は、縫合糸204を封止パッド210周りに近接させて又は緊密に装着し、アンカー20
8が封止パッド210に接触するよう引き込んだ状態を示す。
【0085】
図24A‐Bにおいて、封止パッド210は、長手方向開孔298を有し、この長手方
向開孔298は、封止パッドの互いに対向する端面間に延在させる。縫合糸の第1部分2
04Aは、長手方向開孔298を通してアンカー208に向けて延在させる。縫合糸の第
2部分204Bは、アンカー208から基端方向に封止パッド210の基端側位置まで延
在させ、この基端側位置において、縫合糸の第1及び第2の部分204A,204B間で
縫合糸ノット297を形成する。縫合糸ノット297は、縫合糸204に対して基端方向
に張力を加えて、封止パッド210をアンカー208に向けて締め上げると、封止パッド
の基端部に接触することができる。
【0086】
図25A‐Bにおいて、封止パッド210は側方方向開孔299を有し、この側方方向
開孔299は、封止パッド210内を側方方向に貫通し、封止パッド210における互い
に対向する側面間で延在する。縫合糸の第1部分204Aは、封止パッドにおける互いに
対向する端部間で封止パッドに隣接して、アンカー208に接触するまで延在させる。縫
合糸の第2部分204Bは、アンカー208及び側方方向開孔299内を通して延在させ
、この側方方向開孔299内を通した位置において、縫合糸の第1及び第2の部分204
A,204B間で縫合糸ノット297を形成する。側方方向開孔299は、封止パッド2
10の長手方向寸法軸線に直交するよう指向する。この側方方向開孔299は、封止パッ
ド210における一方の端部よりも他方の端部に対して、例えば末端部(
図25A‐B参
照)により近接させて位置決めすることができる。代案として、側方方向開孔299は、
長手方向寸法軸線に対して封止パッド210内に直交しない角度で延在させることができ
る。縫合糸ノット297は、縫合糸に対して基端方向に張力を加えると、封止パッドの基
端部に接触し、これにより封止パッド210をアンカーに向けて締め上げることができる
。
【0087】
図26A‐Bは、封止パッド210を示し、この場合の封止パッド210は、該封止パ
ッドにおける互いに対向する端面間で延在する長手方向開孔298、及び側方方向に封止
パッド内を通して延在する側方方向開孔299を有する。長手方向開孔298は、側方方
向開孔299に交差して、縫合糸204が通過する連続経路を画定する。縫合糸の第1部
分204Aは、封止パッド210の基端部から封止パッド210の外部に沿って、側方方
向開孔299の第1開口に通すと共に、長手方向開孔298の末端部を通してアンカー2
08まで延在する。縫合糸の第2部分204Bは、封止パッド210の基端部から封止パ
ッド210の外部に沿って、側方方向開孔299の第2開口に通すと共に、長手方向開孔
298の末端部を通してアンカー208まで延在する。第1及び第2の縫合糸部分204
A,204Bは、縫合糸ノット297を形成する、封止パッド210における基端部の基
端位置で交差する。
【0088】
側方方向開孔299は、
図26A‐Bに示すように、封止パッド210の長手方向寸法
軸線に直交するよう指向させることができる。この側方方向開孔299は、封止パッド2
10における一方の端部よりも他方の端部に対してより近接させて位置決めすることがで
きる。代案として、側方方向開孔299は、長手方向寸法軸線に対して封止パッド210
内に直交しない角度で延在させることができる。縫合糸ノット297は、縫合糸204に
対して基端方向に張力を加えると、封止パッドの基端部に接触又は圧着し、これにより封
止パッド210をアンカー208に向けて締め上げることができる。
【0089】
他の実施形態において、縫合糸部分204A,204Bは、側方方向開孔299に対し
て基端側に位置する長手方向開孔298の基端部を通して延在させた後、側方方向開孔2
99を通して延在させ、その後アンカー208に向けて延在させる。他の実施形態におい
て、縫合糸部分204A,204Bの双方は、
図26A‐Bに示す実施形態で示すように
異なる部分に延在させるのと違って、側方方向開孔299の同一部分を通して長手方向開
孔298に延在させる。
【0090】
縫合糸204は、主としてアンカー208及び封止パッド210を共に保持するのに使
用する。締め上げ用縫合糸ノット297を有する縫合糸204は、最小限の力を生じて、
アンカー208及び封止パッド210を、組織穿刺部(すなわち、血管穿刺部218)に
おける互いに対向する内面及び外面に圧着するよう保持する。封止パッド210に若干の
変形又は圧密化を生ぜしめるに十分な張力を縫合糸204に加えることができるが、この
ような力は、アンカー208及び封止パッド210を互いに保持するのに必要なレベルと
見なせる。
【0091】
他の多くの縫合糸経路構成が実現可能である。封止パッドの形状又は寸法は、利用可能
な縫合糸経路に影響を及ぼすことがある。封止パッド内を通過する縫合糸経路はそれほど
重要ではなく、なぜなら、このような縫合糸経路は、封止パッドに一定の変形又は圧密化
をもたらすものではないからである。本明細書に記載の封止パッドと一緒に使用する代案
としての若干の縫合糸経路構成は、米国特許出願公開第2005/0125031号に開
示され、その縫合糸経路構成の利用は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるも
のとする。
【0092】
本明細書に記載の封止パッドは、例えば、圧縮可能なスポンジ、発泡体又は繊維質マッ
トから形成し、これらはコラーゲンなどの止血性生体再吸収可能材料で構成する。若干の
実施形態において、封止パッドは、ほぼ非架橋状態の化学構造、ほぼ架橋状態の化学構造
、又は架橋若しくは非架橋状態を他の若干割合で有する化学構造で構成する。架橋コラー
ゲン材料は、封止パッドを閉鎖装置のキャリヤ管から展開する前後及び液体を吸収する前
に、ほぼ一定の形状を維持する上で効果的である。架橋コラーゲン材料は、組織穿刺部(
例えば、血管穿刺部218)に隣接する経皮的切開部(例えば、経皮的切開部219)内
の位置を維持するよう構成することができる。
【0093】
本明細書に記載の封止パッドは、単一材料で構成することができる。封止パッドは、単
独の一体ピースとして形成することができる。代案として、封止パッドは、少なくとも2
つの異なる材料で構成することができる。封止パッドは、個別に形成した少なくとも2個
のピースを互いに連結することにより形成することができる。若干の実施形態において、
複数の材料又は複数個のピースを有する封止パッドは、単一のピースとして共に形成する
ことができ、その際に、例えば、共成形プロセスを利用する。若干の実施形態において、
開孔及び他の特徴形成部は、成形プロセスなどによる封止パッドの形成時に該封止パッド
に形成することができる。代案として、開孔及び他の特徴形成部は、穿孔、スタンピング
又は切削などの後処理工程で形成することができる。
【0094】
本明細書に記載の封止パッドは、封止パッドの外部に沿いほぼ滑らかな表面を有する。
一実施形態において、封止パッドの互いに対向する末端部と基端部との間に延在する封止
パッドの側面は、窪み又は突起のないほぼ滑らかな表面とする。他の実施形態において、
封止パッドにおける少なくとも1つの外面は、例えば複数個の窪み又は隆起部を有する構
成とする。
【0095】
本明細書に記載の封止パッドは、任意の閉鎖装置と一緒に使用することができる。若干
の実施形態において、本明細書の封止パッドは、封止パッドを少なくとも幾分圧密化する
閉鎖装置100などと共に使用することができる。少なくとも若干の実施形態において、
封止パッドをアンカーに連結するための封止パッド構造又は縫合糸構成に関連した利点を
有し、これら利点により、圧密化閉鎖装置は恩典を享受することができる。
【0096】
上述の記載は、本発明の例示的な実施形態を示し、かつ説明するためのものにすぎない
。上述の記載は、本発明を包括する又は本発明を記載した特定の実施形態に限定するもの
ではない。上述の教示により、多くの変更及び改変が可能である。本発明の範囲は、特許
請求の範囲によって規定されるものとする。