特許第6381639号(P6381639)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6381639窒化ガリウムデバイスにおける分離構造及び集積回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381639
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】窒化ガリウムデバイスにおける分離構造及び集積回路
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20180820BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20180820BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20180820BHJP
   H01L 21/76 20060101ALI20180820BHJP
   H01L 21/764 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   H01L29/80 E
   H01L29/80 H
   H01L21/76 S
   H01L21/76 A
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-525384(P2016-525384)
(86)(22)【出願日】2014年7月2日
(65)【公表番号】特表2016-527716(P2016-527716A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(86)【国際出願番号】US2014045251
(87)【国際公開番号】WO2015006133
(87)【国際公開日】20150115
【審査請求日】2017年3月10日
(31)【優先権主張番号】61/843,810
(32)【優先日】2013年7月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511243668
【氏名又は名称】エフィシエント パワー コンヴァーション コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,チュンフア
(72)【発明者】
【氏名】カオ,ジャンジュン
(72)【発明者】
【氏名】リンドウ,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ビーチ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ナカタ,アラナ
(72)【発明者】
【氏名】ストリットマター,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ザオ,グアンギュアン
(72)【発明者】
【氏名】コルリ,セシャドリ
(72)【発明者】
【氏名】マ,ヤンピン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ファン チャン
(72)【発明者】
【氏名】チアン,ミン−クン
(72)【発明者】
【氏名】カオ,ジアリ
【審査官】 杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−228398(JP,A)
【文献】 特開2013−197315(JP,A)
【文献】 特開昭61−078175(JP,A)
【文献】 特開平07−153938(JP,A)
【文献】 特開2009−060049(JP,A)
【文献】 特開2010−245350(JP,A)
【文献】 特開平3−22441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/338
H01L 29/778
H01L 29/812
H01L 21/76
H01L 21/764
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板層の上に配置された緩衝層と、
前記緩衝層の上に配置された窒化ガリウム層と、
前記窒化ガリウム層の上に配置されたバリア層と、
前記バリア層の露出面の第1の部分に形成された、第1のトランジスタデバイスのための複数の第1のデバイスコンタクトと、
前記バリア層の露出面の第2の部分に形成された、第2のトランジスタデバイスのための複数の第2のデバイスコンタクトと、
前記バリア層の前記面の第3の部分に形成された少なくとも1つのゲート構造と、
を含む集積半導体デバイスであって、
前記ゲート構造は、前記複数の第1のデバイスコンタクトと前記複数の第2のデバイスコンタクトとの間に配置されて、前記第1のトランジスタデバイスを前記第2のトランジスタデバイスから電気的に分離する当該集積半導体デバイスの分離領域を形成し、
前記複数の第1のデバイスコンタクトは、前記第1のトランジスタデバイスのためのソースコンタクト、ゲートコンタクト及びドレインコンタクトを含み、前記複数の第2のデバイスコンタクトは、前記第2のトランジスタデバイスのためのソースコンタクト、ゲートコンタクト及びドレインコンタクトを含み、
前記ゲート構造は前記第1のトランジスタデバイス及び前記第2のトランジスタデバイスのうちの1つのソースコンタクトに電気的に連結されている、集積半導体デバイス。
【請求項2】
前記ゲート構造は、前記第1のトランジスタデバイスのソースコンタクトと前記第2のトランジスタデバイスのソースコンタクトとの間に配置されている、請求項に記載の集積半導体デバイス。
【請求項3】
前記ゲート構造並びに前記第1のトランジスタデバイスのゲートコンタクト及び前記第2のトランジスタデバイスのゲートコンタクトは共通の積層膜を含む、請求項に記載の集積半導体デバイス。
【請求項4】
前記ゲート構造並びに前記第1のトランジスタデバイスのゲートコンタクト及び前記第2のトランジスタデバイスのゲートコンタクトは共通の工程順序で製作される、請求項に記載の集積半導体デバイス。
【請求項5】
前記ゲート構造は、前記集積半導体デバイスの最も負の電圧でバイアスされている、請求項に記載の集積半導体デバイス。
【請求項6】
基板層の上に配置された緩衝層と、
前記緩衝層の上に配置された窒化ガリウム層と、
前記窒化ガリウム層の上に配置されたバリア層と、
前記バリア層の露出面の第1の部分に形成された、第1のトランジスタデバイスのための複数の第1のデバイスコンタクトと、
前記バリア層の露出面の第2の部分に形成された、第2のトランジスタデバイスのための複数の第2のデバイスコンタクトと、
前記バリア層の前記面の第3の部分に形成された一対のゲート構造と、
を含む集積半導体デバイスであって、
前記一対のゲート構造は、前記複数の第1のデバイスコンタクトと前記複数の第2のデバイスコンタクトとの間に配置されて、前記第1のトランジスタデバイスを前記第2のトランジスタデバイスから電気的に分離する当該集積半導体デバイスの分離領域を形成し、
前記複数の第1のデバイスコンタクトは、前記第1のトランジスタデバイスのためのソースコンタクト、ゲートコンタクト及びドレインコンタクトを含み、前記複数の第2のデバイスコンタクトは、前記第2のトランジスタデバイスのためのソースコンタクト、ゲートコンタクト及びドレインコンタクトを含み、
前記ゲート構造は前記第1のトランジスタデバイス及び前記第2のトランジスタデバイスのうちの1つのソースコンタクトに電気的に連結されている、集積半導体デバイス。
【請求項7】
前記一対のゲート構造は、前記第1のトランジスタデバイスのソースコンタクトと前記第2のトランジスタデバイスのソースコンタクトとの間に配置されている、請求項に記載の集積半導体デバイス。
【請求項8】
前記一対のゲート構造並びに前記第1のトランジスタデバイスのゲートコンタクト及び前記第2のトランジスタデバイスのゲートコンタクトは共通の積層膜を含む、請求項に記載の集積半導体デバイス。
【請求項9】
前記一対のゲート構造並びに前記第1のトランジスタデバイスのゲートコンタクト及び前記第2のトランジスタデバイスのゲートコンタクトは共通の工程順序で製作される、請求項に記載の集積半導体デバイス。
【請求項10】
前記バリア層の前記面の第3の部分の前記一対のゲート構造の間に形成されたオーミックコンタクトをさらに含み、前記一対のゲート構造と該オーミックコンタクトとが前記分離領域を形成する、請求項に記載の集積半導体デバイス。
【請求項11】
前記一対のゲート構造はエンハンスメントモード構造であり、前記一対のゲート構造及び前記オーミックコンタクトは外部バイアス電圧に電気的に接続されていない、請求項10に記載の集積半導体デバイス。
【請求項12】
前記一対のゲート構造はエンハンスメントモード構造であり、前記一対のゲート構造及び前記オーミックコンタクトは互いに短絡され、前記集積半導体デバイスの最も低い電圧基準に接続されている、請求項10に記載の集積半導体デバイス。
【請求項13】
前記一対のゲート構造は、前記第1のトランジスタデバイスのソースコンタクト及び前記第2のトランジスタデバイスのソースコンタクトにそれぞれ隣接して配置され、分離開口が前記一対のゲート構造の間に形成されている、請求項に記載の集積半導体デバイス。
【請求項14】
前記分離領域は、前記バリア層の前記面の第3の部分及び前記バリア層の前記第3の部分の下の前記窒化ガリウム層の一部内で定義されている、請求項13に記載の集積半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化ガリウム(GaN)デバイス及び集積回路の分野に関する。具体的には、本発明は、集積半導体デバイスにおける電気デバイスを分離するための構造及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ガリウム(GaN)半導体デバイスは、それらが有する高頻度で切り替える能力、大量の電流を運搬する能力及び高電圧に対応する能力からますます望ましいものになっている。これらのデバイスは、概して高パワー/高周波用途向けに開発されてきた。これらの種類の用途のために製作されたデバイスは、ヘテロ接合電界効果トランジスタ(HFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)又は変調ドープ電界効果トランジスタ(MODFET)と様々に呼ばれる、高い電子移動度を呈する一般的なデバイス構造に基づくものである。これらの種類のデバイスは、通常例えば30V〜2000Vの高電圧に耐えることができ、例えば100kHZ〜100GHzの高周波で動作する。
【0003】
GaN HEMTデバイスは、少なくとも2つの窒化物層を有する窒化物半導体を含む。半導体上又は緩衝層上に形成された異なる材料は、それらの層に異なるバンドギャップをもたらす。隣接する窒化物層における異なる材料は、2つの層の接点(junction)の近傍、具体的にはバンドギャップが狭い方の層に導電性の2次元電子ガス(2DEG)領域の一因となる分極(polarization)も引き起こす。
【0004】
分極を引き起こす窒化物層は、電荷がデバイスを流れることができるようにする2DEGが含まれるように、GaNの層に隣接したAlGaNのバリア層を含む。このバリア層はドープされていてもよいしドープされていなくてもよい。2DEG領域は、ゼロゲートバイアスにあるゲートの下に存在するため、殆どの窒化物デバイスは通常オンであるか又はデプレッションモードデバイスである。ゼロ印加ゲートバイアスにあるゲートの下で2DEG領域が枯渇する(即ち、除去される)と、デバイスはエンハンスメントモードデバイスになり得る。エンハンスメントモードデバイスは通常オフであり、それらがもたらす追加の安全性から及び単純で低コストの駆動回路でそれらをより容易に制御できるため望ましい。エンハンスメントモードデバイスでは、電流を伝導するためにゲートに印加される正のバイアスが必要になる。
【0005】
集積回路(IC)は互いに隣接して位置するデバイスで構成される。そのようなデバイスは電気的に分離されていないと互いに干渉し合って、ICが適切に動作するのを妨げることがある。
【0006】
図1(a)及び図1(b)は、分離領域30a、30bが2つのデバイス10及び20の間に配置された従来の集積回路の一例を示す。分離領域30a、30bは、寄生容量を最小限に抑えるため2DEGを意図的に取り除くために設けられている。図示のように、デバイス10はドレイン11と、ゲート12と、ソース13とを含む。同様に、デバイス20は、ドレイン21と、ゲート22と、ソース23とを含む。分離領域30a、30bはデバイス10とデバイス20とを電気的に分離するため、デバイス10のソース13とデバイス20のソース23とは電位が異なる。
【0007】
従来の製作方法では、分離領域30a、30bは、図1(a)に図示のようにエッチングによって導電層を取り除くこと又は図1(b)に図示のようにイオン注入によって導電層を絶縁層へと変換することによって形成される。さらに図示するように、分離領域30a、30bは空間LISOにより分離されている。窒化ガリウム(GaN)ベースの材料では、分離耐圧がLISOに比例し、1μmにつき50〜200Vであり得る。
【0008】
図2(a)及び図2(b)に図示するように、分離構造は通常専用のマスクを用いて製作される。図2(a)では、分離領域50cを作るための分離エッチングでは通常C12ベース、BC13ベース又はアルゴンベースのプラズマを使用する。図2(b)では、移植種50は通常鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、酸素(O)又は窒素(N)である。エッチング又はイオン注入で分離領域50c、50dを製作する際、ウエハの上にパターンフォトレジスト40を形成するために専用の分離マスクが用いられる。デバイス10及びデバイス20のデバイス領域がフォトレジスト40で覆われる一方、分離領域50c、50dが露出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
分離構造を製作するための既存の方法は多くの欠点があり、それらには(1)専用のマスクと、それに関連するコストの増加させる工程段階とが必要になること、(2)漏電が多いエッチング面をもたらし得るエッチングによる分離及び(3)高温処理後に分離領域の抵抗率が悪化し得るイオン注入による分離が含まれる。
【0010】
従って、専用のマスクを必要とせず、漏電が少ない構造が得られ、分離領域の抵抗率の悪化がない分離構造を製作するための方法を提供することが望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
下記で説明する実施形態は、2つの以上のトランジスタデバイスの間に分離領域を含むGaN半導体デバイスの製造方法を提供することによって上述した課題及び他の課題に対処する。
【0012】
本明細書で開示する集積半導体デバイスは、基板層と、基板層の上に形成された緩衝層と、緩衝層の上に形成された窒化ガリウム層と、窒化ガリウム層の上に形成されたバリア層とを含む。さらに、複数のトランジスタデバイスのためのオーミックコンタクトがバリア層の上に形成されている。具体的には、第1のトランジスタデバイスのための複数の第1のオーミックコンタクトがバリア層の面の第1の部分に形成され、第2のトランジスタデバイスのための複数の第2のオーミックコンタクトがバリア層の面の第2の部分に形成されている。それに加えて、バリアの面の第3の部分の第1及び第2のトランジスタデバイスの間に1つ以上のゲート構造が形成されている。トランジスタデバイスのソースコンタクトとゲート構造との間の空間と、ゲート構造とが集合的に第1のトランジスタデバイスを第2のトランジスタデバイスから電気的に分離する分離領域を形成することが好ましい。さらに、1つ以上のゲート構造は、第1及び第2のトランジスタデバイスのゲートコンタクトと同じ積層膜及び工程順序を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示の特徴、目的及び利点は、図面と併せて下記の詳細な説明から一層明らかとなる。図面では同様の参照符号は対応する要素を特定する。図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。図面全体にわたって、同様の構造又は機能の要素を例示を目的として同様の参照符号で表している。図面は、本明細書に記載の様々な実施形態の説明を促進することを意図したものにすぎない。図面には、本明細書に開示の教示の全ての態様が記載されておらず、特許請求の範囲を限定しない。
図1(a)】図1(a)は、活性層をエッチングすることによって形成した分離を有する従来の集積回路の断面図を示す。
図1(b)】図1(b)は、EPIにイオンを注入することによって形成した分離を有する従来の集積回路の断面図を示す。
図2(a)】図2(a)は、専用のマスクを用いて活性層をエッチング除去することによって形成した分離領域を有する従来の集積回路の断面図を示す。
図2(b)】図2(b)は、専用のマスクを用いて活性層にイオンを注入することによって形成した分離領域を有する従来の集積回路の断面図を示す。
図3図3は、本発明の第1の実施形態に係る分離構造を有する集積回路である。
図4図4は、本発明の第2の実施形態に係る分離構造を有する集積回路である。
図5図5は、本発明の第3の実施形態に係る分離構造を有する集積回路である。
図6図6は、本発明の第4の実施形態に係る分離構造を有する集積回路である。
図7図7(a)〜図7(d)は、図6の分離構造を製作するための選ばれた処理工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
下記の詳細な説明では、特定の実施形態に言及する。この詳細な説明は、本教示の好ましい態様を実施するために当業者にさらなる詳細を教示することを意図したものにすぎず、特許請求の範囲を限定することを意図していない。従って、下記の詳細な説明で開示する特徴の組み合わせは、本教示を最も広い意味で実施するのに必要でない場合があり、それらは本教示の特定の代表例を説明するために教示されているにすぎない。なお、他の実施形態が用いられ得ると共に、様々な構造的、論理的及び電気的な変更が加えられ得ることが分かる。
【0015】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る、分離構造340を有する窒化ガリウム(GaN)半導体デバイス300を示す。集積半導体デバイス300は、例えばケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)又はサファイアを含み得る基板311の上に形成されている。基板層311の上に緩衝層312が形成されており、基板層311を窒化ガリウム(GaN)層313から分離する。この例示的な実施形態では、窒化ガリウム(GaN)層313は通常ドープされておらず、その厚さは0.5〜10μmである。バリア層314が窒化ガリウム(GaN)層313の上に形成されており、窒化ガリウム層313と接触している。さらに、バリア層314はAlGaNで構成されており、通常ドープされておらず、その厚さは50オングストローム〜300オングストロームであり、アルミニウム(Al)の組成が10%〜35%である。
【0016】
集積半導体デバイス300はデバイス320及び330を含み、それらのデバイスのドレインを形成するオーミックコンタクト321及び331を含む。オーミックコンタクト323及び333はデバイス320及び330のソースを形成し、ゲート322及び332がデバイス320のドレイン321とソース323との間及びデバイス330のドレイン331とソース333との間にそれぞれ設けられている。それに加えて、ゲート構造341がデバイス320及び330の間に設けられており、デバイス320のゲート322及びデバイス330のゲート332と同じ積層膜及び同じ工程手順を有する。ゲート構造341は、空間342及び空間343と共に本発明の分離構造340を形成する。分離構造340はデバイス320及び330を電気的に分離する。
【0017】
この例示的な実施形態では、ゲート構造341は、2つのデバイス320、330及びゲートドライバを含む回路における最も負の電圧にバイアスされていることが好ましい。前記回路におけるデバイスの全てがエンハンスメントモード(Eモード)型デバイスであると仮定した場合、ゲート構造341は接地が可能である。また、デバイス320及びデバイス330がハーフブリッジを形成し、デバイス320がハーフブリッジ回路のローサイドでデバイス330がハイサイドである実施形態では、ゲート構造341をデバイス320のソース323に接続できる。回路300が1つのデプレッションモード(Dモード)デバイスを含む場合、ゲート構造341を負の電圧発生器に短絡できる。デバイス320が高電圧に参照付け(referenced)されている場合(即ち、そのソース323の電位がデバイス330のソース333よりも高い場合)、電極341及び空間342は、デバイス320のソース323とデバイス330のソース333との電圧差をサポートする。ソース323及び333の間の空間342は、デバイス320からの最大分離電圧を決定する。一般に、GaNベースの材料では1μmにつき50〜200ボルトをサポートできる。同様に、デバイス330が高電圧に参照付けされている場合、ゲート構造341とソース333との間の空間343がデバイス330からの最大分離電圧を決定する。
【0018】
本発明によれば、専用の分離マスク及びそれに関連する工程段階なしで分離が形成されるため有利である。その結果、本発明の分離は、先行技術の製作方法に関して前で説明したエッチング又は注入分離よりも処理コストが安価である。それに加えて、本発明のデバイス300の分離は、エッチング又は注入分離よりも漏電が少ない。
【0019】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る、分離構造440を有する窒化ガリウム(GaN)半導体デバイス400を示す。集積半導体デバイス400は、例えばケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)又はサファイアを含み得る基板411の上に形成されている。基板層411の上に緩衝層412が形成されており、基板層411を緩衝層412の上に形成されている窒化ガリウム(GaN)層413から分離する。窒化ガリウム(GaN)層413は通常ドープされておらず、その厚さが0.5〜10μmであることが好ましい。バリア層414が窒化ガリウム(GaN)層413の上に形成されており、窒化ガリウム層413と接触している。この例示的な実施形態では、バリア層414はAlGaNで構成されており、通常ドープされておらず、その厚さは50オングストローム〜300オングストロームであり、アルミニウム(Al)の組成が10%〜35%である。
【0020】
半導体デバイス400はデバイス420及び430を含む。オーミックコンタクト421、431はデバイス420及び430のドレインを形成し、オーミックコンタクト423及び433はデバイス420及び430のソースを形成する。また、ゲート422及び432がデバイス420のドレイン421とソース423との間及びデバイス430のドレイン431とソース433との間にそれぞれ設けられている。それに加えて、ゲート構造444及び445がデバイス420及び430の間に設けられている。ゲート構造444及び445は、デバイス420のゲート422及びデバイス430のゲート432と同じ積層膜及び同じ工程手順を有する。図4の例示の実施形態では、オーミックコンタクト441がゲート構造444及び445の間に設けられている。空間442がゲート構造444及びデバイス420のソース423の間に設けられ、空間443がゲート構造445及びデバイス430のソース433の間に設けられている。ゲート構造444及び445と、オーミックコンタクト441と、空間442及び443は集合的に本発明の実施形態に係る半導体デバイス400の分離構造440を形成し、デバイス420とデバイス430とを電気的に分離する。
【0021】
図4に図示する本発明の実施形態では、ゲート構造444及び445はエンハンスメントモード構造であることが好ましい。ゲート構造444、ゲート構造445及びオーミックコンタクト441は左浮動(left floating)であり、外部バイアス電圧に接続されていないことが好ましい。あるいは、ゲート構造444、ゲート構造445及びオーミックコンタクト441が互いに短絡されて、回路400の最も低い電圧基準に接続されている。デバイス420がデバイス430よりも高い電圧を受けた場合、ゲート構造444が逆バイアスされて、空間442にわたって電圧差をサポートし、デバイス430への高い電圧によってデバイス430が影響を受けるのが防止される。空間442はデバイス420からの最大分離電圧を決定する(即ち、GaNベースの材料では1μmにつき約50〜200V)。同様に、デバイス430が高電圧を受けた場合、空間443は最大分離電圧を決定する。
【0022】
なお、図4に図示する本発明の例示のデバイス400は第1の実施形態と同じ利点を有する。分離領域440は、専用の分離マスク及びそれに関連する工程段階なしで形成され、エッチング又は注入分離よりも処理コストが安価であり、エッチング分離又は注入分離よりも漏電が少ない。
【0023】
図5は、本発明の第3の実施形態に係る、分離構造540を有する窒化ガリウム(GaN)半導体デバイス500を示す。この例示的な実施形態では、集積半導体デバイス500は、例えばケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)又はサファイアを含み得る基板511上に形成されている。基板511の上に緩衝層512が形成されており、基板層511を緩衝層512の上に形成された窒化ガリウム(GaN)層513から分離する。窒化ガリウム(GaN)層513は通常ドープされておらず、その厚さは0.5〜10μmである。バリア層514が窒化ガリウム(GaN)層513の上に形成されており、窒化ガリウム層513と接触している。バリア層514はAlGaNで構成されており、通常ドープされておらず、その厚さは50オングストローム〜300オングストロームである。バリア層514のアルミニウム(Al)の組成が10%〜35%であることが好ましい。
【0024】
デバイス520は、ドレインコンタクト521と、ソースコンタクト523と、ドレインコンタクト521及びソースコンタクト523の間に配置されたゲート522とを有する。デバイス530は、ドレインコンタクト531と、ソースコンタクト533と、ドレインコンタクト531及びソースコンタクト533の間に配置されたゲート532とを有する。さらに、ゲート構造544及び545は、ゲート構造544がデバイス520のソース523に隣接し、ゲート構造545がデバイス530のソース533に隣接した状態でデバイス520及び530の間に配置されている。ゲート構造544及び545は同じ積層膜を有し、デバイス520のゲート522及びデバイス530のゲート532と同じプロセスで形成されている。ゲート構造544及び545とゲート構造の間の空間542とは、集合的に図5に図示する例示的な実施形態に係るデバイス500の分離構造540を形成する。分離構造540はデバイス520とデバイス530とを電気的に分離する。
【0025】
前で説明した図4に図示する実施形態と同様に、ゲート構造544及び545はエンハンスメントモードゲートであることが好ましい。一実施形態では、ゲート構造544はデバイス520のソース523に短絡され、ゲート構造545はデバイス530のソース533に短絡されている。デバイス520がデバイス530よりも高い電圧を受けた場合、ゲート構造545が逆バイアスされて、空間542にわたって電圧差をサポートし、デバイス530がデバイス520から影響を受けるのを防止する。デバイス530がデバイス520よりも高い電圧を受けた場合、ゲート構造544が逆バイアスされて、空間542にわたって電圧差をサポートし、デバイス520がデバイス530から影響を受けるのを防止する。ゲート構造544及び545の間の空間542はデバイス520及び530の間の最大分離電圧を決定し、GaNベースの材料では1μmにつき50〜200ボルトである。一実施形態では、分離領域540内のゲート構造544及び545は、デバイス520のソース523及びデバイス530のソース533にそれぞれ接続することができ、外部電圧基準に接続する必要がない。本実施形態の一改良点はゲート構造544及び545をデバイス500の最も低い電圧基準に接続させることができる点である。
【0026】
図5に図示するデバイス500は、図3及び図4に関連してそれぞれ前で説明した第1の実施形態及び第2の実施形態と同じ利点を有する。分離領域540は、専用の分離マスク及びそれに関連する工程段階なしで形成され、エッチング又は注入分離よりも処理コストが安価であり、エッチング分離又は注入分離よりも漏電が少ない。それに加えて、デバイス500では1つの空間542しか必要としない。これは、分離領域540があまり面積ととらず、コストが削減され得ることを意味する。さらに、本発明の第3の実施形態では、ゲート構造544及び545を外部電圧基準に接続する必要がない。
【0027】
図6は、本発明の第4の実施形態に係る分離構造640を有する窒化ガリウム(GaN)半導体デバイス600を示す。集積半導体デバイス600は、窒化ガリウム(GaN)層613の2次元電子ガス(2DEG)及び表面導電層がエッチング又はイオン注入によって取り除かれた領域643又は開口がある点を除いて、図5に図示のデバイス500と同様である。
【0028】
図示のように、デバイス600は基板611の上に形成され、窒化ガリウム(GaN)層613から基板層611を分離する緩衝層612を有する。バリア層614はGaN層613の上に形成されており、AlGaNを含み、一般にドープされておらず、その厚さは50オングストローム〜300オングストロームであり、アルミニウム(Al)組成が10%〜35%である。デバイス620はドレイン621、ゲート622及びソース623を含む。デバイス630はドレイン631、ゲート632及びソース633を含む。ゲート構造644及び645は、ゲート622及び632と同じ積層膜及び同じ工程手順を有する。ゲート構造644はソース623に短絡されており、ゲート構造645はソース633に短絡されている。ゲート構造644と645との間に空間642が設けられており、エッチング又はイオン注入の何れかにより表面導電層(例えばバリア層614)及び2次元電子ガス(2DEG)をGaN層613から取り除くことによって領域643が空間642の下に形成されている。ゲート構造644及び645、空間642及び領域643は集合的に分離構造640を形成し、デバイス620と630とを電気的に分離する。
【0029】
前で説明したように、デバイス600は、エッチング又は注入領域643が2つのゲート構造644及び645の間に設けられている点を除いて図5に図示するデバイス500と同様である。領域643によって、デバイス600はデバイス500よりも漏電が少ない。それに加えて、2つのゲート構造644及び645の間の空間を減らすことができる。分離領域643は、エッチングによって活性層を取り除くことによって、イオン注入によって又は2013年7月8日出願の同時係属米国仮出願第61/843804号のように自己整合分離形成(self-aligned isolation formation)によって形成することができる。
【0030】
図7(a)〜図7(d)は、前で説明した図6に図示のGaN半導体デバイス600を製造する例示の方法を示す。この例では、半導体デバイスの分離領域740は自己整合分離法により形成される。具体的には、図7(a)は、基板711、緩衝層712、GaN層713及びバリア層714を含む開始EPI構造の形成を示す。堆積は原子層成長法又はプラズマ化学気相成長法等の任意の従来の堆積技術を用いて行うことができるのが分かる。次に、図7(b)は、誘電層715を堆積した後且つコンタクトマスク及びエッチングを行った後の構造を示す。誘電層715は、Si3N4等の誘電膜であることが好ましい。図7(c)は、コンタクト金属層(例えばフォトレジスト717)、コンタクト金属マスク及び金属エッチングを重ねた後の構造を示す。図7(d)は、フォトレジスト717を剥がし、ゲート構造744及び745を形成した後のデバイスを示す。図示のように、結果として得られた半導体デバイスは、ドレイン、ゲート及びソースコンタクト721〜723を有するトランジスタデバイス720と、ドレイン、ゲート及びソースコンタクト731〜733を有するトランジスタデバイス730とを含む。窒化ガリウム(GaN)層713の2次元電子ガス(2DEG)及び表面導電層のエッチング又はイオン注入によって形成された分離領域743又は開口がある。分離構造740は専用のマスクなしで形成されるため有利である。
【0031】
上記の説明及び図面は、本明細書で説明した特徴及び利点を実現する特定の実施形態を示すだけのものと解釈すべきある。特定のプロセス条件の変更及び置換がなされることがある。従って、本発明の実施形態は、上記の説明及び図面によって限定されると解釈すべきでない。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図7d