(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381648
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】発電電動機械のシャフト接地装置用接地ロープ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/16 20060101AFI20180820BHJP
【FI】
H02K5/16 A
【請求項の数】23
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-537950(P2016-537950)
(86)(22)【出願日】2014年9月8日
(65)【公表番号】特表2016-528872(P2016-528872A)
(43)【公表日】2016年9月15日
(86)【国際出願番号】US2014054480
(87)【国際公開番号】WO2015035277
(87)【国際公開日】20150312
【審査請求日】2016年2月26日
(31)【優先権主張番号】14/020,992
(32)【優先日】2013年9月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515041468
【氏名又は名称】カッツフォース インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CUTSFORTH,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】カッツフォース、ロバート エス.
(72)【発明者】
【氏名】カマーラー、ジェイソン アール.
【審査官】
三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0032373(US,A1)
【文献】
特開2008−148375(JP,A)
【文献】
特開2012−124078(JP,A)
【文献】
特開平08−009606(JP,A)
【文献】
実開昭50−045679(JP,U)
【文献】
特開2003−112876(JP,A)
【文献】
実開昭48−011150(JP,U)
【文献】
特開昭58−169588(JP,A)
【文献】
実開昭61−190402(JP,U)
【文献】
実公昭46−033723(JP,Y1)
【文献】
実開昭57−018877(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0011483(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電電動機械の回転可能な導電性シャフトを電気的に接地するためのアセンブリであって、
第1の端部および第2の端部、並びに該第1の端部と第2の端部との間の長さを有するロープ部材と、
前記回転可能な導電性シャフトの導電面上の前記ロープ部材を案内するように構成されるロープ・ガイドとを備え、
前記ロープ部材は、前記長さに沿って延びる複数の導線を含み、前記ロープ部材は、前記第1および第2の端部の間において互いに間隔を置いた2つ以上の個別の固定点を含み、前記複数の導線のうちの2本以上は、前記個別の固定点の各々でともに固定されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
前記複数の導線のうちの2本以上の導線は、前記個別の固定点で溶接されることにより、ともに固定されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記複数の導線のうちの2本以上の導線は、前記個別の固定点で超音波溶接によってともに固定されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記複数の導線のうちの2本以上の導線は、前記個別の固定点でろう付けされることにより、ともに固定されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記複数の導線のうちの2本以上の導線は、前記個別の固定点で前記複数の導線の周囲をバンドで圧着することにより、ともに固定されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記バンドは導電性を備えることを特徴とする請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記複数の導線のうちの2本以上の導線は、前記個別の固定点で接着剤を固化することにより、ともに固定されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記複数の導線は、前記ロープ部材の前記長さに沿って螺旋状に巻かれることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記ロープ部材は、前記複数の導線とともに配置される少なくとも1つの非導電性部材を含むことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記非導電性部材は前記ロープ部材の電気伝導率を改善することを特徴とする請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
発電電動機械の回転可能な導電性シャフトを電気的に接地するためのアセンブリであって、
第1の端部および第2の端部、並びに該第1の端部と第2の端部との間の長さを有するロープ部材を備え、該ロープ部材は、前記長さに沿って延びるとともに前記回転可能な導電性シャフトの回転導電面に電気的に接触する位置に配置されるように構成される複数の導電性部材を含み、
前記ロープ部材は、前記第1および第2の端部の間において互いに間隔を置いた2つ以上の個別の固定点を含み、前記複数の導電性部材のうちの2本以上は、前記個別の固定点の各々でともに固定され、
前記複数の導電性部材のうちの少なくとも1つは、その上に絶縁カバーを有する絶縁される導電性部材であり、これにより、前記絶縁される導電性部材は、前記回転導電面から電気的に絶縁され、前記絶縁カバーは、摩耗してなくなり、前記絶縁される導電性部材と前記回転導電面との間の電気的接触を許容し、前記ロープ部材の摩耗状態を示す通知信号を生成するように構成され、前記絶縁される導電性部材は、前記複数の導電性部材が前記絶縁される導電性部材を包囲した状態で、前記ロープ部材の中央に配置されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項12】
前記複数の導電性部材は前記絶縁される導電性部材の周囲を螺旋状に包囲することを特徴とする請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記通知信号は前記ロープ部材の前記摩耗状態に関して人に警告を出すことを特徴とする請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項14】
発電電動機械の回転可能な導電性シャフトを電気的に接地する方法であって、
前記回転可能な導電性シャフトの導電面に接する電気的に接地されるロープ部材を位置決めする工程を含み、前記ロープ部材は複数の導電性部材を含み、同複数の導電性部材は、前記ロープ部材の第1の端部および第2の端部の間において互いに間隔を置いた第1および第2の固定点で、ともに固定され、
前記ロープ部材は、前記複数の導電性部材のうちの第1の導電性部材が第1および第2の個別のセグメントに分割されるのに十分に、前記第1の導電性部材が摩耗するまで、前記導電面に接触し、前記第1のセグメントは前記第1の固定点で前記複数の導電性部材の残りに固定された状態を保持し、前記第2の個別のセグメントは前記第2の固定点で前記複数の導電性部材の残りに固定された状態を保持することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記複数の導電性部材は前記ロープ部材の長さに沿って螺旋状に包囲することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ロープ部材は、前記複数の導電性部材とともに配置される少なくとも1つの非導電性部材を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の導電性部材のうちの2つ以上の導電性部材は、前記第1および第2の固定点で溶接されることにより、ともに固定されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の導電性部材のうちの2つ以上の導電性部材は、前記第1および第2の固定点で超音波溶接されることにより、ともに固定されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の導電性部材のうちの2つ以上の導電性部材は、前記第1および第2の固定点でろう付けされることにより、ともに固定されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の導電性部材のうちの2つ以上の導電性部材は、前記第1および第2の固定点で前記複数の導電性部材を包囲するバンドによって、ともに固定されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記バンドは導電性を備えることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ロープ部材は、少なくとも1つの絶縁される導電性部材をさらに含み、前記絶縁される導電性部材は同絶縁される導電性部材の導電性を備える部分を包囲する絶縁カバーを有し、これにより前記導電性を備える部分は、前記導電面から電気的に絶縁され、前記絶縁される導電性部材は、前記複数の導電性部材が前記絶縁される導電性部材を包囲した状態で、前記ロープ部材の中央に配置され、
前記絶縁される導電性部材の前記導電性を備える部分の一部が、前記導電面と電気的に接触するまで前記絶縁カバーの一部を摩耗させて取り去る工程と、
前記絶縁される導電性部材の前記導電性を備える部分と前記導電面との間で電気的接触が確立すると、前記ロープ部材の摩耗状態の通知信号を送信する工程とをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記通知信号は前記ロープ部材の前記摩耗状態に関する人に警告を出すことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、接地ロープ、および電気機械の回動機構に対して接地ロープを保持するためのガイドを含む接地装置に関する。特に、本開示は、電気機械の回転軸体の導電面を電気的に接地するように構成される接地ロープに関する。
【背景技術】
【0002】
発電機および電動機のような多くの電気装置では、漂遊電圧は、電気装置の要素上に蓄積し、これにより、電気装置内のベアリングのような装置の要素に悪影響が及ぼされ、電気装置の寿命が短くなる。これらの要素を通過する電流の流れを防ぐために、接地装置が電気装置の要素を接地するために使用される。そのような接地装置は、電気装置の回転軸体を接地するように構成される接地ブラシ、接地ストラップ、接地ロープ、および他の接地装置を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、電気装置の回転軸体のような電気装置の要素を接地するために代替的なシャフト接地装置を設ける必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、接地ロープおよび関連付けられる案内構造体およびアセンブリを製造するいくつかの代替的な設計、材料、および方法、並びにその使用に関する。
従って、例示的な一実施形態は、発電電動機械の回転可能な導電性シャフトを電気的に接地するためのアセンブリである。アセンブリはロープ部材およびロープ・ガイドを含む。ロープ部材は、第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間の長さを有する。ロープ・ガイドは回転軸体の導電面上でロープ部材を案内するように構成される。ロープ部材は、長さおよび第1および第2の端部の中間の1つ以上の個別の固定点に沿って延びる複数の導線を含む。2本以上の導線は、個別の固定点の各々でともに固定される。
【0005】
例示的な別例は、発電電動機械の回転可能な導電性シャフトを電気的に接地するためのアセンブリである。アセンブリは、発電電動機械の回転する導電面に電気的に接触する位置に配置されるように構成される複数の導電性部材を含むロープ部材を備える。複数の導電性部材のうちの少なくとも1つは、その上に絶縁カバーを有する絶縁される導電性部材であり、絶縁される導電性部材は、回転する導電面から電気的に絶縁される。絶縁カバーは、摩耗してなくなり、絶縁される導電性部材と回転する導電面との間の電気的接触を許容し、ロープ部材の摩耗状態を示す通知信号を生成するように構成され
、絶縁される導電性部材は、複数の導電性部材が絶縁される導電性部材を包囲した状態で、ロープ部材の中央に配置される。
【0006】
他の別例は、発電電動機械の回転可能な導電性シャフトを電気的に接地する方法である。方法は発電電動機械の導電面に接するように、電気的に接地されるロープ部材を位置決めする工程を含む。ロープ部材は複数の導電性部材を含む。複数の導電性部材は、ロープ部材の第1および第2の端部の中間の、間隔を置いた第1および第2の固定点でともに固定される。ロープ部材は、第1の導電性部材が第1および第2の個別のセグメントに分割されるのに十分に、導電性部材の第1の部材が摩耗されるまで、回転可能なシャフトに接触する。第1の個別のセグメントは第1の固定点で複数の導電性部材の残りに固定された状態を保持し、第2の個別のセグメントは第2の固定点で複数の導電性部材の残りに固定された状態を保持する。
【0007】
他の別例は、発電電動機械の回転可能な導電性シャフトを電気的に接地する方法である。方法は発電電動機械の導電面に接するように、電気的に接地されるロープ部材を位置決めする工程を含む。ロープ部材は、複数の導電性部材と、少なくとも1つの絶縁される導電性部材とを含み、絶縁される導電性部材は同絶縁される導電性部材の導電性を備える部分を包囲する絶縁カバーを有し、これにより導電性を備える部分は、回転する導電面から電気的に絶縁される。
絶縁される導電性部材は、複数の導電性部材が絶縁される導電性部材を包囲した状態で、ロープ部材の中央に配置される。方法は、導電性を備える部分の一部が、回転する導電面と電気的に接触するまで絶縁カバーの一部を摩耗させて取り去る工程を更に含む。方法は、絶縁される導電性部材の導電性を備える部分と回転する導電面との間で電気的接触が確立すると、ロープ部材の摩耗状態の通知信号を送信する工程を更に含む。
【0008】
いくつかの例示の実施形態の上記の課題を解決するための手段は、本開示の態様に示す各実施形態あるいはすべての実施を開示するように意図されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】シャフト上に配置されるシャフト接地装置を有する電気機械の回動機構の一部を示す斜視図。
【
図2】電気機械のシャフトの周囲に配置される
図1のシャフト接地装置を示す側面図。
【
図3】電気機械のシャフトの周囲に配置される
図1のシャフト接地装置を示す断面図。
【
図4】
図2の調整可能なロープ・ガイドおよび接地ロープを示す断面図。
【
図5】例示的な接地ロープを示し、個別の固定が点接地ロープの長さに沿って設けられることを示す斜視図。
【
図6】別の例示的な接地ロープを示し、個別の固定点が接地ロープの長さに沿って設けられることを示す斜視図。
【
図7】摩耗状態の例示的な接地ロープを示す斜視図。
【
図8A】
図5の8−8線における接地ロープを示す断面図。
【
図9】別の例示的な実施形態による、導電性部材に混合される非導電性部材を含む接地ロープを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の態様は、添付の図面に関する様々な実施形態の後述する詳細な説明を考慮してより完全に理解される。
本開示の態様は様々な変形および別例の形態に柔軟であるが、その具体例は図面に例示され、詳細に後述する。しかしながら、本開示の態様を特定の実施形態に制限することを意図したものではないものといえる。逆に、本開示の趣旨および範囲内にあるすべての変更、均等物、および別例をカバーするものと意図される。
【0011】
以下に定義された用語に関して、異なる定義が特許請求の範囲や本明細書の別の部分で示されない限り、これらの定義が適用されるものとする。
すべての数値は、明示的に示されているかを問わず、用語「約」によって修飾されるものと仮定する。用語「約」は、通常記載の値に相当すると当業者が考える(すなわち、同じ機能あるいは結果を有する)数値範囲を示す。多くの実例において、用語「約」は、最も近い有効数字に丸められる数を含むことを示す。
【0012】
終点による数値範囲の記載は、その範囲内のすべての数値を含む(例えば、1乃至5は1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
様々な要素、特徴および/または仕様に関係するいくつかの適切な面積、範囲、および/または値が示されるが、本開示によって刺激される当業者は、所望の面積、範囲、および/または値が、明示されるものから逸脱してもよいことを理解するであろう。
【0013】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数「a」、「an」および「the」は、内容が他の方法で明白に示されない限り、複数の指示物を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、用語「あるいは」は、特に明確な記載がない限り、通常その意味において「および/または」を含んで使用される。
【0014】
以下の詳細な説明は、異なる図面の同様の要素が同じ参照符号を付与される図面を参照して読まれるべきである。詳細な説明および図面は、縮尺が必ずしも正確なものではなく、例示的な実施形態を示すものであり、特許請求の範囲に記載の本開示の範囲を制限するように意図されるものではない。図示の実施形態は、例示に過ぎないものと意図される。任意の例示的な実施形態の選択される特徴は、特に反対の記載が明示されない限り付加的な実施形態に組み込まれる。
【0015】
図1は、回転軸体4のような回動機構を有する電気機械2の一部を示す。電気機械2は、力学的エネルギーを電気的エネルギーに変換する発電機、あるいは電気的エネルギーを力学的エネルギーに変換する電動機のような発電電動機械である。従って、回転軸体4は、発電機の集電環、あるいは同様の構造体、または電動機の整流子、あるいは同様の構造体であり、これらは、滑り接続(a sliding connection)と対話するかその一部であるように構成され、固定および可動コンダクタ間に電気回路を完成させ、これらの間に電流を通過させる。例えば、少なくともいくつかの発電機や電動機において、集電環または整流子は発電機や電動機内のブラシアセンブリあるいはリギング(riggings)により回路を完成させるように構成される。当業者は、回転軸体4が使用される発電機や電動機のタイプおよび/または寸法に応じて、回転軸体4の寸法および構成が変化することを認識するであろう。例えば、いくつかの産業上の応用において、回転軸体4の径は、10インチ(約25.4センチメートル)以上、12インチ(約30.48センチメートル)以上、14インチ(約35.56センチメートル)以上、16インチ(約40.64センチメートル)以上、18インチ(約45.72センチメートル)以上、20インチ(約50.8センチメートル)以上、22インチ(約55.88センチメートル)以上、あるいは24インチ(約60.96センチメートル)以上である。他の応用では、回転軸体4の径は、10インチ(約25.4センチメートル)以下、8インチ(約20.32センチメートル)以下、あるいは6インチ(約15.24センチメートル)以下である。
【0016】
図1にその一部を示す回転軸体4は、ブラシ・ホルダ・アセンブリの1本以上のブラシと電気的に滑り接触するように構成される導電性を備える外周面6を有する長尺状かつ円筒状のシャフトである。例示的なブラシ・ホルダ・アセンブリは、米国特許第7034430号に開示され、その全体がここに開示されたものとする。いくつかの実例では、シャフトを接地装置20は、回転軸体4を接地するべく回転軸体4の近傍に配置される。そのようなシャフト接地装置20は、2011年8月5日に出願され、発明の名称が「GROUNDING ROPE GUIDE FOR A DYNAMO−ELECTRIC MACHINE」である米国特許第8493707号に含まれる主題に更に開示されるとともに関連し、これはその全体がここに開示されたものとする。
【0017】
取付固定具10は、回転軸体4のすぐ近くにシャフト接地装置20を位置決めすることに使用される。いくつかの実例では、取付固定具10は、基部8、あるいは他の静止している構造に取り付けられる第1の端12、およびシャフト接地装置20に取り付けられる第2の端14を含む。そのような1つの取付固定具10は、2011年8月5日に出願され、発明の名称が「MOUNTING FIXTURE INCLUDING AN ARTICULATION JOINT」であり、米国特許出願公開第2013/0034380号として公開されている米国特許出願第13/204176号に更に開示されるとともに関連し、これはその全体がここに開示されたものとする。しかしながら、任意の所望の構造の取付固定具10が、回転軸体4のすぐ近くにシャフト接地装置20を位置決めするものといえる。
【0018】
シャフト接地装置20は、シャフト接地装置20の要素を収容する電気ボックス22を含む。例えば、電気ボックス22は、回転軸体4の導電性を備える外周面6と電気的に接触するブラシ32を含む1つ以上、あるいは複数のブラシホルダ30を含む。ブラシホルダ30は、電気ボックス22からブラシホルダ30を取り払うためのハンドル34を更に含む。いくつかの実例では、ブラシホルダ30は米国特許第7034430号に開示されるものと同様である。
【0019】
電気ボックス22は、電気ボックス22からの電気の流れを制御するための制御ボックス24を含む。シャフト接地装置20は、電気ボックス22から延びるロープ・ガイド50を更に含む。例えば、電気ボックス22は、取付固定具10のマウント28に、かつロープ・ガイド50に固定される(例えば、ボルトで締められる)第1および第2のサイドパネル26を含む。
【0020】
図2および
図3に移り、ロープ・ガイド50は、回転軸体4の導電面6上の接地ロープ40を案内するように構成される調整可能なロープ・ガイドである。例えば、調整可能なロープ・ガイド50は、第1の曲率半径を有する第1の位置と、第1の曲率半径よりも大きい第2の曲率半径を有する第2の位置との間で調整可能であり、これにより、回転軸体4の曲率半径に近似するように調整可能なロープ・ガイド50に可変曲率半径がもたらされる。いくつかの実施形態では、調整可能なロープ・ガイド50は、コネクタ・セグメント56、および回転軸体4の曲率半径に近似するように調整可能なロープ・ガイド50に可変曲率半径をもたらすように構成される複数の関節接合セグメント52を含む。いくつかの実施形態では、コネクタ・セグメント56および/または関節接合セグメント52は、高分子材料の射出成型されたものなどの高分子材料から形成され、ロープ・ガイド50の要素を電気的に絶縁させる。
【0021】
回転軸体4の径、およびこれにより接地ロープ40の長さに応じて、ロープ・ガイド50は、ヒンジ点62で枢動自在に一体的に連結される1、2、3、4、5、6、あるいはそれ以上の関節接合セグメント52を含む。例えば、図示のロープ・ガイド50は、第1の関節接合セグメント52a、第2の関節接合セグメント52b、第3の関節接合52セグメントc、第4の関節接合セグメント52d、および第5の関節接合セグメント52eを含み、第1の関節接合セグメント52aと第2の関節接合セグメント52bとの間の第1のヒンジ点62a、第2の関節接合セグメント52bと第3の関節接合セグメント52cとの間の第2のヒンジ点62b、第3の関節接合セグメント52cと第4の関節接合セグメント52dとの間の第3のヒンジ点62c、および第4の関節接合セグメント52dと第5の関節接合セグメント52eとの間の第4のヒンジ点62dを含む。第1の関節接合セグメント52aは、ヒンジ点66でコネクタ・セグメント56に枢動自在に更に連結される。
【0022】
回転軸体4を接地するための電気的通路は、
図3を参照して更に理解される。電気的通路は、銅または銅合金のような導電性材料から形成される接地ロープ40を含む。ロープ・ガイド50のチャネル70を通って延びる接地ロープ40は、回転軸体4が回転すると回転軸体4が接地ロープ40に対して摺動するように、回転軸体4の導電面6に対して配置される。接地ロープ40は、銅や銅合金のワイヤのような、導電性材料の複数のねじられた多重フィラーのストランドから形成される。他の実例では、接地ロープ40は異なる構成を有してもよい。ここに使用されるように、用語「接地ロープ」は、ケーブル、ワイヤ、組みひも、バンド、ストラップ、あるいは他の導電性を備える構造体などの代替的構造体を含む。
【0023】
接地ロープ40は、電気ボックス22内の要素に連結される第1の端42、および回転軸体4の回転方向に回転軸体4に垂れ下がる第2の端44を含む。いくつかの実例では、接地ロープ40は、導電面6と接地ロープ40との間の接線を超える接線に沿って約1乃至2インチ(約2.54乃至5.08センチメートル)の接地ロープ40が延びるような長さを有する。
【0024】
いくつかの実施形態では、接地ロープ40の第1の端42は電気ボックス22内のブラシホルダ30に固定される。例えば、接地ロープ40の第1の端42は、いくつかの実例において、ブラシホルダ30の2枚のプレート間に留められる。接地ロープ40のストランド46のうちの1本は更に延びてブラシホルダ30の終端に固定され、ブラシホルダ30のブラシ32から延びる分流器48は、回転軸体4の導電面6に更に接触する。ブラシホルダ30の終端から、電気的通路は制御ボックス24を通過し、接地線36から接地38に至る。従って、接地ロープ40は電気ボックス22を通過する電気的通路を通って接地38に接続され、これにより、接地される。別例では、接地ロープ40の第1の端42は、ブラシホルダ30に取り付けられることなく、接地38(例えば接地ポスト)に直接取り付けられるか、接地38に電気的に連結される別の要素に取り付けられる。
【0025】
図4は、回転軸体4の導電面6に沿って配置するべく接地ロープ40を受承するように構成されるロープ・ガイド50に設けられるチャネル70を示す。図示のように、第1のチャネル70は、ガイド・セグメント52の第1の側の第1の側壁部76とディバイダ壁部74との間に形成され、第2のチャネル70は、ガイド・セグメント52の第2の側の第2の側壁部78とディバイダ壁74との間に形成される。チャネル70は互いに平行に延び、回転軸体4の周面の一部の周囲に接地ロープ40を位置決めする。従って、チャネル70は、回転軸体4の導電面6に面する、ガイド・セグメント52の底部に開放される。
【0026】
シャフト接地装置20は、電気機械2の回転軸体4を電気的に接地するように、軸体4の近傍に取り付けられる。例えば、接地ロープ40は、回転軸体4の周面6に接触するように配置される。例えば、接地ロープ40は、接地ロープ40の自由な第2の端44が回転軸体4の回転の方向に延びるように回転軸体4に掛けられる。いくつかの実例では、回転軸体4の表面6に接触するようにロープ40を位置決めするために、複数の接地ロープ40(ロープ・ガイド50に設けられるチャネル70の数に応じて)が回転軸体4に掛けられるものといえる。
【0027】
調整可能なロープ・ガイド50は、ロープ40がロープ・ガイド50のチャネル70に沿って延びるように、回転軸体4の周面6の一部の周囲に更に配置される。ロープ・ガイド50が複数のチャネル70を含む実例では、ロープ40はロープ・ガイド50の各チャネル70内に位置されるとともにチャネル70に沿って延びる。
【0028】
ロープ・ガイド50の関節接合セグメント52の曲率半径が回転軸体4の曲率半径に厳密に一致し、かつ関節接合セグメントの下方の縁が回転軸体4の表面6の近傍に配置されるように回転軸体4の曲率半径を収容するために、ロープ・ガイド50の隣接した関節接合セグメント52は、互いに対して枢動し、調整可能なロープ・ガイド50の曲率半径を調整する。従って、ロープ40は、回転軸体4の周面の一部に沿ってロープ・ガイド50のチャネル70内に周方向に抑制される。
【0029】
いくつかの実例では、ロープ・ガイド50のコネクタ・セグメント56および関節接合セグメント52は、同様の寸法に形成される回転軸体4を収容するために、10インチ(約25.4センチメートル)以下、8インチ(約20.32センチメートル)以下、あるいは6インチ(約15.24センチメートル)以下の曲率半径を有する第1の最小の範囲から、同様の寸法に形成される回転軸体4を収容するために、10インチ(約25.4センチメートル)以上、12インチ(約30.48センチメートル)以上、14インチ(約35.56センチメートル)以上、16インチ(約40.64センチメートル)以上、18インチ(約45.72センチメートル)以上、あるいは20インチ(約50.8センチメートル)以上の曲率半径を有する第2の最大の範囲に調節される。いくつかの実例では、関節接合セグメント52は略水平に延びるように調節され、これにより、無限大の径を有する回転軸体4を収容する。従って、ロープ・ガイド50が調整可能であることにより、ロープ・ガイド50は、いくつかの実例において、6乃至36インチ(約15.24乃至約91.44センチメートル)の範囲内、6乃至24インチ(約15.24乃至約60.96センチメートル)の範囲内、6乃至20インチ(約15.24乃至約50.8センチメートル)の範囲内、6乃至18インチ(約15.24乃至約45.72センチメートル)の範囲内、6乃至16インチ(約15.24乃至約40.64センチメートル)の範囲内、6乃至14インチ(約15.24乃至約35.56センチメートル)の範囲内、あるいは6乃至12インチ(約15.24乃至約30.48センチメートル)の範囲内の径を有する軸体4のような回転軸体4の一連の寸法の回転軸体4に取り付け可能である。
【0030】
一旦ロープ・ガイド50が回転軸体4の径を収容するために所望の曲率半径に調節されると、ヒンジ点62および66は、隣接したガイド・セグメント52間およびコネクタ・セグメント56と第1のガイド・セグメント52aとの間における更なる枢動を防ぐために留められる。
【0031】
従って、ロープ・ガイド50は、回転軸体4の回転する表面6に沿って接地ロープ40を案内する。1本以上の接地ロープ40は、電気的に接地され(例えば、接地に接続され)、回転軸体4の漂遊電圧を引きつけて取り去り、電気機械2に悪影響を及ぼし得る、電気機械2のベアリングおよび/または他の要素を通した電流の流れを阻止する。
【0032】
図5は、例示的な接地ロープ40を示す斜視図である。接地ロープ40は複数の導電性部材41を含む。複数の導電性部材41は、集合的に接地ロープ40を形成するように、任意の所望の位置に配置される個別の導電性部材41を含む。個別の導電性部材41は任意の導電性材料から形成される。例えば、導電性部材41は銅または銅合金から形成される。複数の導電性部材41はいくつかの実例において、2以上、3以上、4以上、5以上、あるいは6以上の導電性部材41を含む。付加的に、複数の導電性部材41は、導電性部材41の残りが周囲に配置される中央部材57を含んでもよい。いくつかの実例において導電性を備える部材である中央部材57は、その周囲に配置される個別の導電性部材41と同じ材料から形成されるか、あるいは、所望に応じて、中央部材57は異なる材料から形成される。
【0033】
導電性部材41は導電性材料から形成されるが、接地ロープ40が非導電性材料から形成される非導電性部材59を含むことも付加的に考えられる。
図9は、例示的な一実施形態による、導電性部材41とともに設けられる1つ以上の非導電性部材59を含む接地ロープ40を示す断面図である。例えば、非導電性材料はプラスチック、紙、炭素繊維、フェルト、あるいは他の非導電性材料、あるいはこれらの組み合わせを含む。所望に応じて、導電性部材41間に1つ以上の非導電性部材59を包含することにより、使用時に接地ロープ40の電気伝導率がクリーンとなり、円滑にされ、改善される。
【0034】
導電性部材41は任意の所望の配向に配置される。例えば、
図5に示すように、導電性部材41は複数の導電性部材41を形成するために一体的にねじられる。付加的に、導電性部材41は接地ロープ40の複数の導電性部材41を形成するために一体的に巻かれるか、螺旋状とされるか、編み組みされるか、縫い込まれる。導電性部材41は中央部材57の周囲に更に設けられる。例えば、導電性部材41は、いくつかの実例において、中央部材57の周囲で螺旋状とされるか、中央部材57の周囲を包囲するか、ねじられるか、編み組みされるか、縫い込まれるか、回転されるか、螺旋状に巻かれる。更に、中央部材57の周囲に螺旋状に設けられる導電性部材41は、導電性材料および非導電性材料の両者、あるいは導電性材料および非導電性材料の任意の組み合わせを含む。
【0035】
複数の導電性部材41は接地ロープ40の第1の端42および第2の端44の中間に配置される個別の固定点43を更に含む。固定点43は、接地ロープ40に沿った任意の点で形成され、個別の固定点43は、隣接した固定点とは間隔を置いて配置される。所望に応じて、個別の固定点43は、隣接した固定点43から一様に間隔を置かれるか、あるいは隣接した固定点43から非一様に間隔を置いて配置される。例えばいくつかの実例では、個別の固定点43は、例えば、約1インチ(約2.54センチメートル)、約2インチ(約5.08センチメートル)、約3インチ(約7.62センチメートル)の距離、あるいは他の所望の距離だけ間隔を置いて配置される。
【0036】
固定点43は、各固定点43で接地ロープ40の個別の導電性部材41がともに固定されるが、隣接した固定点43間にかかる個別の導電性部材41の部分は、ともに固定されない。例えば、溶接された固定点45を形成するために、個別の導電性部材41は別の個別の導電性部材41に溶接される。溶接された固定点45は、様々な溶接方法によって構築される。例えば、溶接方法は、所望に応じて、超音波圧接、あるいは別の溶接技術を含む。更に、接地ロープ40の複数の導電性部材41を形成する、すべての個別の導電性部材41は、各溶接された固定点45を形成するために超音波圧接などによってすべて一体的に溶接される。
【0037】
固定点43を形成するために個別の導電性部材41を溶接することに代えて、所望に応じて、他の固定法が個別の固定点43を形成するために利用されてもよい。例えば、
図6は、別例による、複数の導電性部材41を含む例示的な接地ロープ40を示す。導電性部材41は、結束部材53によって固定点43で接続される個別の導電性部材41を更に含む。結束部材53は、任意の導電性を備える材料あるいは非導電性材料から形成される。例えば、結束部材53は銅または銅合金から形成される。これに代えて、結束部材53は、プラスチック材料のような非導電性材料から形成されてもよい。結束部材53は、固定点43で個別の導電性部材41をともに固定する任意の方法によって、複数の導電性部材41上にかしめられるか、留められるか、モールド成型されるか、接着されるか、あるいは、形成または配置される。
【0038】
溶接および結束に付加的に、固定点43は様々な他のプロセス、方法、あるいは技術により形成される。例えば、固定点43は、ろう付け、かしめ、接着剤の固化、結合剤による固化、あるいは固定点43で個別の導電性部材41をともに固定することに適した任意の他の方法により形成される。
【0039】
固定点43で複数の導電性部材41をともに固定することにより、接地ロープ40がそのライフ・サイクル中にばらばらになるのを防止することが支援され、これにより、接地ロープ40の寿命が延びる。時間にわたって、接地ロープ40が回転軸体4を横断して摺動すると、接地ロープ40は、接地ロープ40と軸体4との間の摩擦、および/または接地ロープ40の電気的な摩耗により、摩耗が開始されるであろう。接地ロープ40の摩耗は、1つ以上の導電性部材41の悪化として明示される。1つ以上の導電性部材41の悪化により、接地ロープ40の1つ以上の導電性部材41は、ある摩耗状態における2つの個別のセグメントに完全に分離される。
図7は、導電性部材41の第1の個別のセグメント41aおよび第2の個別のセグメント41bに分離される複数の導電性部材41の1つの導電性部材41を示し、個別のセグメント41aおよび41b間の、導電性部材41における破断を示す。
【0040】
図7に示すように、接地ロープ40は上述したような固定点43を含む。2つの個別のセグメント41aおよび41bに摩耗された後に、導電性部材41の第1のセグメント41aの一部は、導電性部材41の破断のいずれかの側の直上の隣接する固定点43間に保持され、導電性部材41の第2の個別のセグメント41bの一部は、導電性部材41の破断のいずれかの側の直上の隣接する固定点43間に保持される。個別のセグメント41aおよび41bが分離されるか一体的でなくなると、接地ロープ40の個別のセグメント41aおよび41bは、接地ロープ40の一部として維持される。例えば、切断されると、摩耗した導電性部材41の個別のセグメント41aおよび41bは、接地ロープ40の残りの導電性部材41から解かれ、離間するように引かれ、切断され、あるいは分離される。しかしながら、固定点43は、導電性部材41の残りに固定された個別のセグメント41aおよび41bを維持し、これにより、セグメント41aおよび41bは、導電性部材41の破断のいずれかの側上の直接隣接する固定点43に対してのみ解かれる。従って、個別のセグメント41aおよび41bは、導電性部材41の破断のいずれかの側の直上の固定点43を越えて解けることが妨げられる。従って、破断した導電性部材41の破断から接地ロープ40の自由端44に延びる、接地ロープ40の破断した導電性部材41のセグメントは、導電性部材40の破断と接地ロープ40の自由端44との間の1つ以上の固定点43を介して接地ロープ40の導電性部材41の残りに固定された状態を保持する。従って、接地ロープ40の長さに沿って固定点43を周期的に含むことによって、固定点43により、接地ロープ40がばらばらになることが防止され、これにより、接地ロープ40の耐用年数が延びる。すなわち、第1の個別のセグメント41aは、破断した導電性部材41の破断の片側の直上の第1の固定点43で複数の導電性部材41の残りに固定された状態を保持し、第2の個別のセグメント41bは、破断した導電性部材41の破断の反対側の直上の第2の固定点で複数の導電性部材41の残りに固定された状態を保持する。
【0041】
図7の実施形態は、1つの導電性部材41が摩耗することを示すが、接地ロープ40が摩耗すると、2つ以上の導電性部材41が摩耗するものと考えられる。2つ以上の導電性部材41が摩耗する場合に、固定点43は摩耗した導電性部材41がすべて固定点43を越えて解けるのを防止するように作用するであろう。少なくとも1つの導電性部材41が任意の2つの隣接した固定点43間で完全な(例えば、破断のない)(すなわち、隣接した固定点43間に連続的に延びる)限り、接地ロープ40は完全な状態を保持するであろう。
【0042】
上述したように、接地ロープ40は、接地ロープ40が軸体4の導電面6に沿って摺動すると、摩耗し始める。従って、いくつかの実例では、接地ロープ40が交換を必要とする摩耗状態に達したときを識別することが望ましい。この課題に対する1つの解決策は、導電性部材の周囲の絶縁が導電性部材を軸体4と電気的に接触させるのに十分に摩耗してなくなった時点で、軸体4の導電面との電気的通路を形成する絶縁された導電性部材を組み込むことを含む。一旦確立されると、電気的通路は接地ロープ40が交換を必要とすることを示す警告信号を送信する。
【0043】
図8Aは、上記一実施形態における、軸体4の導電面6に接する接地ロープ40を示す断面図である。本実施形態では、接地ロープ40は、軸体4と電気的に接触する複数の導電性部材41に包囲される少なくとも1つの絶縁された導電性部材61を含む。接地ロープ40は単一の絶縁された導電性部材61で示されるが、他の実例では、所望に応じて、接地ロープ40は、2つ以上の絶縁された部材61を含んでもよいものといえる。更に、
図8Aは、絶縁された部材61が導電性部材41の中央に設けられることを示すが、絶縁された導電性部材61および導電性部材41は任意の所望の配向で配置されるものといえる。絶縁された部材61は、非導電性の(すなわち、電気的に絶縁される)外側シース47、および非伝導性外側シース47に包囲される導電性を備える内側部分49を含む。摩耗していない状態で、絶縁された部材61の伝導性を備える内側部分49により、回転軸体4の導電面6と電気的に接触することが防止され、これにより、回転軸体4の導電面6から導電性を備える部分49が電気的に絶縁される。しかしながら、接地ロープ40が回転軸体4に沿って摺動すると、導電性部材41は、絶縁された部材61が回転軸体4と接触させられる程度まで摩耗し、かつ/または移動する。絶縁された導電性部材61が回転軸体4に対して摩耗すると、非伝導性シース47が摩耗し始める。例えば、
図8Bは、導電性部材41が摩耗すると、絶縁された部材61が回転軸体4に接触し、これにより、外側絶縁シース47が回転軸体4に接触することを示す。軸体4が回転し続けると、外側絶縁シース47は、絶縁された部材61の伝導性を備える内側部分49を、回転軸体4の導電面6に露出する位置で摩耗する。軸体4が絶縁された部材61の長さに沿ったある点で絶縁シース47によって完全に摩耗したある摩耗状態として、絶縁された部材61の伝導性を備える内側部分49は、伝導性を備える部分49と回転軸体4の導電面6との間に確立される電気接点51で導電面6に直接接触する。伝導性を備える内側部分49が、導電面6に接触すると、電気的通路が、伝導性を備える部分49と導電面6との間に確立され、これにより、接地ロープ40がその交換を必要とする程度まで摩耗したことを示す電気信号が送信される。
【0044】
生成された電気信号は、接地ロープ40の状況を人に通知し、かつ/またはスケジュールを警告し、通知し、かつ/またはメンテナンス、部分輸送(part delivery)、オンサイトの調査、および/または他のタスクを助言し、システムをシャット・ダウンし、かつ/または接地ロープ40の判断された状況を考慮して、諮問および/または反応をするように機能する。
【0045】
当業者は、ここに開示される考えられる所定の実施形態以外の様々な形態で本開示の態様が明示さることを認識するであろう。従って、態様および詳細の開始は、添付の特許請求の範囲に記述されるような本開示の範囲および趣旨を逸脱することなくなされる。