特許第6381651号(P6381651)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381651
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】モバイル端末の防水プラグ
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20180820BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   H04M1/02 C
   H01R13/52 301H
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-541772(P2016-541772)
(86)(22)【出願日】2014年4月18日
(65)【公表番号】特表2016-531526(P2016-531526A)
(43)【公表日】2016年10月6日
(86)【国際出願番号】CN2014075744
(87)【国際公開番号】WO2014180237
(87)【国際公開日】20141113
【審査請求日】2017年1月31日
(31)【優先権主張番号】201310429631.0
(32)【優先日】2013年9月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー,リン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ビン
【審査官】 白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−297895(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/161099(WO,A1)
【文献】 中国実用新案第202603084(CN,U)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0041605(KR,A)
【文献】 特開2012−029291(JP,A)
【文献】 特開2005−229232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40−13/533
H04M1/02−1/23
H05K5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル端末のケース上の開孔を塞ぐためのプラグであって、
蓋体と、位置決めリンクと、孔防水凸状リブと、を備え、
前記位置決めリンクが前記蓋体の側壁の外側に設けられて前記蓋体を一周し、前記孔防水凸状リブが該蓋体の下端に設けられて下方へ延長する、モバイル端末の防水プラグ。
【請求項2】
垂直に前記蓋体の下端に設けられる柱状体と、前記柱状体の側壁に設けられて前記柱状体の側壁を一周する柱状体防水凸状リブと、を更に備え、
前記柱状体は垂直方向に沿って下方へ延長する、請求項1に記載のモバイル端末の防水プラグ。
【請求項3】
前記柱状体は、前記柱状体の前記蓋体から離れる一端に設けられる柱状体位置決め輪を更に備える、請求項2に記載のモバイル端末の防水プラグ。
【請求項4】
二段成形によってプラスチックとフレキシブルグルーから構成され、前記蓋体の上端面がプラスチックであり、前記蓋体の下端、前記位置決めリンク、前記孔防水凸状リブ、前記柱状体、前記柱状体防水凸状リブ、前記柱状体位置決め輪はいずれもフレキシブルグルーである、請求項3に記載のモバイル端末の防水プラグ。
【請求項5】
前記プラスチックはPCプラスチック(Polycarbonate:ポリカーボネート)又はABSプラスチック(Acrylonitrile Butadiene Styrene:アクリロニトリルーブタジエンースチレンの共重合体)又はPC+ABS混合プラスチックである、請求項4に記載のモバイル端末の防水プラグ。
【請求項6】
前記フレキシブルグルーは、シリカゲル又はTPU(Thermoplastic polyurethane:熱可塑性ポリウレタンエラストマー)である、請求項4に記載のモバイル端末の防水プラグ。
【請求項7】
前記蓋体の側壁の外側に溝が形成される、請求項1乃至4の中のいずれかに記載のモバイル端末の防水プラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル端末のポートのプラグに関し、特に、モバイル端末の防水プラグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の普及に伴って、モバイル端末は既に人々の日常生活で不可欠な物になっていて、使用中に、不注意で水が入って、一連の不便が続くことがさけられない。
【0003】
従って、防水機能を具備するモバイル端末製品が開発されていて、今の販売市場においてこのようなモバイル端末はますます多くなっていて、防水信頼性や防水レベルに対する要求もますます高まっている。例えば、特許番号CN101179608(発明名称:I/O(Input/Output)コネクタにて防水機能を具備する携帯電話)に開示された発明は、プラグの一端を固定し、他端を脱着可能にし、プラグのフレキシブルグルー部分はケースに挿入可能であって、ケースの孔開け側の壁と締まりばめして防水作用(側圧防水)を実現しているが、フレキシブルグルー材が柔らかいので、強度やじん性が弱く、プラグを繰り返して押圧すると、破れやすいので、機器の防水性能に影響を与えてしまう。そして、当該技術案によると、I/O(Input/Output)素子周りのケースを拡大してプラグのフレキシブルグルー部分を収容しなければならなく、一方、工程上の制限を受けて、プラグ本体の外周面がプラグフレキシブルグルーよりある程度長いので、このように設計されるプラグの面積は大きい。
【0004】
他の技術案として、例えば特許番号CN201042020(発明名称:携帯型モバイル端末の外部対象ポートの防水装置)に開示された技術案は、補助のねじでプラグを締めて防水効果を実現し、本技術案によると、プラグの面積を増やすと共に、ねじで締めなければならないので、モバイル端末の体積や形状を影響し、ますます高まっている小型化需要を満たすことができない。
【0005】
よって、モバイル端末の体積、美しさと有効な防水効果を保持できる小型化で、丈夫且つ脱着に便利な防水プラグを提示することは、当該分野の当業者が早急解決すべき問題となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術課題は、既存技術においてモバイル端末の防水プラグの面積が大きく、フレキシブルグルーの弾力によって側面から張り出されやすく、ねじで締める構造である等の欠陥を解消するため、ケースに垂直に挿入されるモバイル端末の防水プラグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例は以下の技術案によって上述した技術課題を解決する:モバイル端末のケース上の開孔を塞ぐためのプラグであって、蓋体と、位置決めリンクと、孔防水凸状リブと、を備え、前記位置決めリンクが前記蓋体の側壁の外側に設けられて前記蓋体を一周し、前記孔防水凸状リブが該蓋体の下端に設けられて下方へ延長するモバイル端末の防水プラグを提供する。
【0008】
該防水プラグは、垂直に前記蓋体の下端に設けられる柱状体と、前記柱状体の側壁に設けられて前記柱状体の側壁を一周する柱状体防水凸状リブと、を更に備え、前記柱状体は垂直方向に沿って下方へ延長することが好ましい。
【0009】
前記柱状体は、前記柱状体の前記蓋体から離れる一端に設けられる柱状体位置決め輪を更に備えることが好ましい。
【0010】
前記防水プラグが、二段成形によってプラスチックとフレキシブルグルーから構成され、前記蓋体の上端面はプラスチックで、前記蓋体の下端、前記位置決めリンク、前記孔防水凸状リブ、前記柱状体、前記柱状体防水凸状リブ、前記柱状体位置決め輪はいずれもフレキシブルグルーであることが好ましい。
【0011】
前記プラスチックはPCプラスチック(Polycarbonate:ポリカーボネート)又はABSプラスチック(Acrylonitrile Butadiene Styrene:アクリロニトリルーブタジエンースチレンの共重合体)又はPC+ABS混合プラスチックであることが好ましい。
【0012】
前記フレキシブルグルーは、シリカゲル又はTPU(Thermoplastic polyurethane:熱可塑性ポリウレタンエラストマー)であることが好ましい。
【0013】
前記蓋体の側壁の外側に溝が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上記実施例において主に、既存技術におけるモバイル端末の防水プラグが本体側で押圧閉鎖し、側壁で締まりばめする構造を垂直に閉鎖して押圧防水する構造に変更する方式によって、防水効果を向上させ、防水プラグの面積が大きく、フレキシブルグルーの弾力によって側面から張り出されやすく、ねじで締める構造である欠陥を回避できる。
【0015】
本発明の上記実施例の積極的な効果は以下のようである:モバイル端末の防水プラグが側押圧構造における固定点が小さく、プラグがフレキシブルグルーの弾力によって側面から張り出されやすい問題を回避して、モバイル端末の防水効果を向上させると共に、防水プラグの面積を縮小し、プラグを固定するねじを省略できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例における防水プラグの斜視図である。
図2】本発明の実施例における防水プラグに対応するモバイル端末のケースの開孔構造を示す図である。
図3】本発明の実施例における防水プラグとモバイル端末のケースとの組み立て図である。
図4】本発明の実施例における防水プラグとモバイル端末のケースとを組み立てした後の縦方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の技術案を詳しく説明するため、図面を結合して本発明の好適な実施例を提示する。
【0018】
本発明の実施例において、モバイル端末の防水プラグを提供し、図1に示すように、蓋体11と、位置決めリンク12と、孔防水凸状リブ13と、を備え、位置決めリンク12は蓋体11の側壁の外側に設けられて蓋体11を一周し、孔防水凸状リブ13は蓋体11の下端に設けられて下方へ延長する。
【0019】
本発明の他の実施例において、上記実施例における防水プラグに結合されるモバイル端末のケースを提供し、図2に示すように、該ケースは、I/O(Input/Output)素子孔21と、組み立て孔22と、固定溝23と、を備え、固定溝23は位置決めリンク12に結合されて防水プラグを固定する。孔防水凸状リブ13の位置はモバイル端末のケース2上のI/O素子孔21に対応する。
【0020】
上記実施形態の更なる改善として、上記実施例中の防水プラグに柱状体14が設けられ、柱状体14は垂直に蓋体11の下端に設けられて下方へ延長し、柱状体14に柱状体防水凸状リブ15が設けられていて柱状体14を一周し、柱状体防水凸状リブ15がケース2上の組み立て孔22に対応して締まりばめされて、前記組み立て孔の防水効果を実現する。
【0021】
図3に示すように、孔防水凸状リブ13によって囲まれた領域は該素子孔21の領域サイズより大きく、上記実施形態の更なる改善として、孔防水凸状リブ、柱状体、柱状体防水凸状リブ、柱状体位置決め輪はいずれもフレキシブルグルーからなり、例えばシリカゲル、TPU等のフレキシブルグルー材料からなり、蓋体の上端はプラスチックからなり、プラスチックはPCプラスチック(Polycarbonate:ポリカーボネート)又はABSプラスチック(Acrylonitrile Butadiene Styrene:アクリロニトリルーブタジエンースチレンの共重合体)又はPC+ABS混合プラスチックであって、孔防水凸状リブを取り付ける時、蓋体11を押圧し、該携帯電話のケース2に密着されて防水の効果を実現する。蓋体11は該柱状体14を介してケース2に接続され、柱状体14上の位置決め輪16は蓋体11上の組み立て孔22を通過して該ケース2の内部に入り、位置決め輪16によって固定され、防水プラグ1とケース2の分離を防止し、当該組み立て工程は携帯電話が出荷される前に完成され、組み立てた後の状態は図4に示す通りである。
【0022】
図4に示すように、前記防水プラグ1は該位置決めリンク12を介して該ケース2に固定され、前記孔防水凸状リブ13は押圧されて変形し、該ケース2の表面に密着して該I/O素子孔の防水効果を実現する。
【0023】
上記実施形態の更なる改善として、蓋体の側壁の外側に溝17を形成して引手として前記防水プラグ1を引き抜きし、指又は工具と協力して使用することができる。
【0024】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、これらは例に過ぎず、本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって決められることは当業者は理解できる。当業者は本発明の原理と実質から離脱せずにこれらの実施形態にさまざまな変形又は修正を行うことができるが、このような変形や修正はいずれも本発明の保護範囲に属される。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の実施例で提供する技術案をモバイル端末の防水に応用して、モバイル端末の防水効果を向上させ、コストを節約できる。
図1
図2
図3
図4