【実施例】
【0009】
技術実施形態の最初の概観が以下に提供され、それから特定の技術実施形態が後にさらに詳細に説明される。最初の概要は、読者がより早く技術を理解するのを支援するように意図されるが、技術の重要な特徴または本質的な特徴を識別するように意図されず、特許請求された主題の範囲を限定するようにもまた意図されない。
【0010】
ユーザ機器(UE:User Equipment)でデバイス間(D2D:Device-to-Device、デバイス・ツー・デバイス)通信を行うことについて、技術が説明される。UEは、LTE/E−UTRAN関連の規格に従って動作することができ、または、UEは、E−UTRANに対して3GPP LTEリリース12(またはそれ以前)規格に従ってセルラ・モバイル・ネットワークで動作することができる。1つの実施例において、D2Dデータを送っているUEを送信側UEと呼ぶことができ、D2Dデータを受信しているUEを送信先UE、ターゲットUE、または受信側UEと呼ぶことができる。D2Dデータは、UE上で走っているD2Dアプリケーションによって生成することができる。UEは、D2DデータがUEのD2D無線ベアラを使用してターゲットUEに送信されるべきであることを識別することができる。1つの実施例において、D2Dデータは、送信側UEから単一のターゲットUEまたはターゲットUEのグループに送ることができる。D2Dアプリケーションは、UEが無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)アイドルモードであるときターゲットUEに送るべきD2Dデータを生成することができる。その上、UEのD2D無線ベアラは、UEがRRCアイドルモードであるとき存在し得るが、セルラ無線ベアラ(またはデータ無線ベアラ)は、UEがRRCアイドルモードであるとき確立することはできない。
【0011】
UEがターゲットUEにD2Dデータを送るために、UEはRRC接続モードに移行することができる。UEは、ターゲットモードにD2Dデータを通信するために定義済リソース配分モードが使用されるべきであると決定することができる。UEは、eNBから報知されたシステム情報ブロック(SIB:System Information Block)に基づいて定義済リソース配分モードを決定することができる。1つの実施例において、定義済リソース配分モードはD2Dリソース配分モード1とすることができる。サービス要求手順は、UEの非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)で開始することができる。サービス要求手順は、UEのRRCレイヤがeNBとRRC接続確立手順を行うことをトリガすることができる。UEは、RRC接続確立手順の完了にあたり、RRCアイドルモードからRRC接続モードに切り替わることができる。UEは、今RRC接続モードであり、eNBにバッファ状態報告(BSR:Buffer Status Report)を送ることができ、それに応じて、UEは、ターゲットUEへのD2Dデータの送信のためにeNBからアップリンク(UL)グラントを受信することができる。UEは、eNBによって提供されたULグラントを使用してターゲットUEにD2Dデータを送ることができる。D2Dデータは、UEのD2D無線ベアラを使用してターゲットUEに送信され得る。
【0012】
代替の構成において、D2Dデータは、UEがすでにRRC接続モードであるときUE上で走っているD2Dアプリケーションによって生成することができる。換言すれば、セルラ無線ベアラは、D2D無線ベアラと同様、UEのためにすでに確立することができる。UEは、ターゲットモードにD2Dデータを通信するために定義済リソース配分モード(例えば、D2Dリソース配分モード1)が使用されるべきであると決定することができる。UEは、UEのシグナリング無線ベアラを使用してeNBにRRC設定要求メッセージを送ることができ、それに応じて、UEは、eNBからRRC接続再設定メッセージを受信することができる。RRC接続再設定メッセージは、定義済リソース配分モードに対する1つまたは複数の設定パラメータを含み得る。これらの設定パラメータのいくつかの実施例は、周期的なD2D BSRタイマまたはD2D BSR再送信タイマを含み得る。UEは、1つまたは複数の設定パラメータを使用してeNBにバッファ状態報告(BSR)を送ることができる。それに応じて、UEはターゲットUEへのD2Dデータの送信のためにeNBからアップリンク(UL)グラントを受信することができる。UEは、eNBによって提供されたULグラントを使用してターゲットUEにD2Dデータを送ることができる。その上、UEは、UEのD2D無線ベアラを使用してD2Dデータを送ることができる。
【0013】
進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)などの、3GPP LTEネットワークのためのデバイス間(D2D)通信は、3GPP LTEリリース12で規格化されている。D2D通信は、2つのユーザ機器(UE)などの、2つのデバイス間の直接通信である。2つのデバイス(例えば、LTEベースのデバイス)は、2つのデバイスがごく接近しているとき互いに直接通信することができるが、このようなD2D通信はセルラ・ネットワーク・インフラストラクチャを使用しない。D2D通信に対する1つの特定のアプリケーションは、公共安全サービスに関連している。さらに、D2D通信は、1つのUEから1つまたは複数のターゲットUEまたは受信側UEへの直接通信を可能にすることができ、したがってグループ通信を可能にすることができる。本明細書で説明される実施例は、ターゲットUEまたは受信側UEへの送信を意味することができるが、これはターゲットUEまたは受信側UEのグループへの送信とし得ることを理解すべきである。
【0014】
D2Dは、セルラスペクトルを使用している2つのUE間で直接リンクを可能にする。結果として、メディアまたは他のデータは、近距離で直接接続を使用して1つのデバイスから別のデバイスへ転送することができる。D2Dデータ通信を使用することによって、データをセルラネットワークに中継することなく直接通信することができ、それによって、ネットワークカバレッジの欠如もしくは貧弱さについての問題、またはネットワークに負荷をかけ過ぎることについての問題を回避することができる。セルラインフラストラクチャは、存在している場合、ピアディスカバリ、同期、ならびに識別情報およびセキュリティ情報の提供などの、他の問題点を支援することができる。
【0015】
D2D通信の使用は、ユーザにいくつかの利益を提供する。例えば、デバイスはセルラインフラストラクチャから離れていてもよい。D2D通信はネットワークインフラストラクチャに頼らないので、D2Dは、セルラネットワークが故障したとき(例えば、災害の間)でさえ、デバイスがローカルに通信することを可能にすることができる。認可されたスペクトルを使用することによって、D2D通信を行うために使用される周波数は、それほど干渉を受けない。その上、2つのデバイスがごく接近している場合、減少した送信電力レベルが使用され、それによってデバイスで電力を節約する。
【0016】
D2D通信機能は、3GPP LTE規格でProSe(近接サービス)直接通信と呼ばれる。D2D通信は、主に公共安全使用事例を目標としているが、同様に他の用途に使用することができる。D2D機能は、セルラ無線スペクトルを介して、しかしデータはセルラ・ネットワーク・インフラストラクチャによって搬送されずに、UE間の直接通信を可能にする。D2D通信は、UEがセルラネットワークのカバレッジの外にあるとき、あるいは、UEがセルラネットワークのカバレッジの中にあるとき、起こり得る。UEのアクセス層の中で、D2DデータはD2D無線ベアラによって搬送され得る。
【0017】
D2D無線ベアラはセルラ通信のために使用される無線ベアラと類似している一方、いくつかの重要な相違がある。例えば、D2D無線ベアラは、UEが無線リソース制御(RRC)アイドルモードまたはRRC接続モードのどちらかであるとき、UEに存在し得る。換言すれば、D2D無線ベアラは、UEがRRC_IDLEモードまたはRRC_CONNECTEDモードのどちらかであるとき存在し得る。これに対して、セルラ無線ベアラ(またはデータ無線ベアラ)は、UEがRRC接続モードであるときだけ存在し得る。その上、D2D無線ベアラは、UEのアプリケーションレイヤからのデータの到着に基づいて必要に応じて、UEによって作り出し、解放することができる。これに対して、セルラ無線ベアラは、ネットワークによって作り出され、設定され、解放される。
【0018】
UEがセルラネットワークのカバレッジの中にあるとき、D2D送信が通常のセルラ通信に干渉をもたらすことを回避するためにセル内の他のUE送信とUEからのD2D送信を調整することは有益であり得る。換言すれば、2つのデバイスがセルラネットワークのカバレッジの中でD2D通信を行おうと試みているとき、無線スペクトルに対するセルラアクティビティは、同じ無線スペクトルに対するD2Dアクティビティと調整することができる。UEが別のUEにD2Dデータを送信するとき、D2Dデータは、UEがネットワークに送信するために使用するのと同じ搬送周波数で送信される。その上、D2D送信およびD2D受信は、ネットワークのスペクトルのアップリンク部分で起こり得る。したがって、UEは、通常UEの送信スペクトルのアップリンクとなるもので、D2Dデータを送信または受信する。ネットワークはセル内のさまざまなUEのためにアップリンク送信をスケジューリングすることができるので、ネットワークは、これらのD2D送信がネットワークによってスケジューリングされたUEからのアップリンク送信と衝突または干渉しないことを保証しなければならない(セルラアクティビティとD2Dアクティビティは同じスペクトルで起こるため)。
【0019】
1つの実施例において、送信UEがネットワークからのD2D送信のための送信リソースを要求する、D2Dリソース配分モード1を使用して、セルラアクティビティとD2Dアクティビティとの間の調整を達成することができる。UEは、UEが典型的なUEからネットワークへの送信のために送信リソースを要求するときと類似したやり方で、送信リソースを要求することができる。例えば、送信リソースに対する要求は、通常、UEが進化型ノードB(eNB)に媒体アクセス制御(MAC:Media Access Control)レイヤバッファ状態報告(BSR)を送ることによって起こることが可能であり、eNBは、物理レイヤ内でシグナリングされたアップリンク(UL)グラント上の形式で割り当てられたリソースで応答することができる。
【0020】
D2Dリソース配分モード1において、eNBは、UEがD2D送信を行う、時間および周波数をスケジューリングすることに積極的に関与し得る。代替のシナリオにおいて、UEは、UEがD2D送信を行うことにおいてより自律的である、D2Dリソース配分モード2を使用してD2D送信を行うことができる。D2Dリソース配分モード2は、UEがeNBのカバレッジの外にあるとき起こり得るが、UEがカバレッジの中にあるとき同様に起こり得る。モード2において、eNBはそのリソースのある一定の部分を予約することができ、そして次に、UEがその予約された部分の中でD2Dデータをどこで送信するか自律的に選択することを可能にする。リソースはどちらかというと静的なやり方でD2D通信のために予約されているので、予約リソースのすべてが使用されていないときリソースの浪費が生じ得る。これに対して、D2Dリソース配分モード1は、D2D送信が差し迫っているときネットワークが動的にリソースを配分することを可能にし、それによってより効率的なソリューションを提供する。D2D送信を行うことを望むUEがない場合、リソースは不必要にD2D送信のために割り当てられることがなく、通常のセルラ通信のために利用可能である。
【0021】
1つの実施例において、D2Dリソース配分モード1は、UEがRRC_CONNECTEDにあるとき使用することができる。換言すれば、UEとeNBとの間に有効な接続がある。その上、UEはD2Dアクティビティの期間中、RRC_CONNECTEDに留まることになっている。eNBは、UEがD2D送信を行うことを可能にするようにUEにリソースを割り当てるためにこの接続を使用することができる。MACレイヤおよび物理層シグナリングの両方とも、割り当てられたセル無線ネットワーク一時的識別子(C−RNTI)を有するUEに依拠し得るので、UEはRRC_CONNECTEDにあるべきである。その上、RRC_CONNECTEDにあるUEは、eNBがUEのバッファ状態報告行動を制御するためにパラメータでUEを設定することを可能にする。しかしながら、非アクセス層(NAS)およびアクセス層(AS)レイヤの両方を伴う、UEをRRCアイドルモードからRRC接続モードへ移行させるための従前のプロセスは、D2Dシナリオに適していない。
【0022】
図1は、ユーザ機器(UE)140に対する無線リソース制御(RRC)接続を確立するための旧式の技術を例示する。UE140がネットワークに送るべきセルラデータを有するとき、UE140を無線リソース制御(RRC)アイドルモードからRRC接続モードへ移動させるために、多くのステップをUE140内のエンティティによって行うことができる。UE140は、RRC接続モードへ移行すると、データを進化型ノードB(eNB)に通信することができる。UE140内のエンティティは、アプリケーション120、インターネットプロトコル(IP)スタック122、無線アクセスベアラ(RAB)マネージャ124、非アクセス層(NAS)レイヤ126、RRCレイヤ128、シグナリング無線ベアラ130、セルラ無線ベアラ132および物理レイヤ134を含み得る。
【0023】
UE140は、最初はRRCアイドルモードとすることができる。UE140がRRCアイドルモードであるとき、セルラ無線ベアラ(またはデータ無線ベアラ)は存在せず、ユーザデータをUE140からネットワークに転送することはできない。
【0024】
ステップ102において、UE140のアプリケーション120は、送信のためのユーザデータを生成することができる。アプリケーション120は、送信のためにIPスタック122にデータを引き渡すことができ、データはそれからRABマネージャ124に引き渡される。
【0025】
ステップ104において、RABマネージャ124は、適切な無線ベアラがUE140に存在するかどうかを追跡することができる。RABマネージャ124がUE140のために無線ベアラが確立されないことを検出するとき、RABマネージャ124は、無線ベアラの作成を求めてNASレイヤ126に要求を送ることができる。
【0026】
ステップ106において、NASレイヤ126は、ネットワークに無線ベアラを確立するように要求するサービス要求手順を開始することができる。サービス要求手順を行うために、NAS126は、アクセス層の中のRRCレイヤ128にサービス要求メッセージを提供することができる。サービス要求メッセージは、UE140に対するRRC接続の確立を要求することができる。
【0027】
ステップ108において、RRCレイヤ128は、eNBとRRC接続確立手順を行うことができ、それはシグナリング無線ベアラ130をもたらすことができる。シグナリング無線ベアラ130を使用して、ネットワークにNASサービス要求メッセージを送ることができる。
【0028】
ステップ110において、NASサービス要求メッセージを受信することに応じて、ネットワークは、UE140のためにセルラ無線ベアラ132(またはデータ無線ベアラ)を確立するためにさまざまなアクションを開始することができる。例えば、ネットワークは、セルラ無線ベアラ132を確立するように、RRCシグナリングを介して、UE140に命令することができ、そして次に、RRC128はUE140でそれらのセルラ無線ベアラ132をセットアップすることができる。ユーザデータはその後、セルラ無線ベアラ132を使用してUEからネットワークへ送信することができる。したがって、無線ベアラがUE140のために確立されないとき、UE140は、それらの無線ベアラの作成のためにRRC接続モードに入ることになっている。その上、ネットワークは、UE140のためのセキュリティの確立などの、他のアクションを行うことができる。
【0029】
UEに対するRRC接続を確立するための上述のプロセスは、D2D通信に直接適していない。セルラ無線ベアラと対照的に、例えば、UEはネットワークカバレッジから外れていた間にD2D無線ベアラを使用していたので、UEがアイドルモードであるときD2D無線ベアラはすでに存在し得る。したがって、送るデータがあるが確立された無線ベアラがないときはいつでもサービス要求を行うようにNASをトリガする、旧式システムにおけるRABマネージャ機能は、D2Dに適用するのが難しい。UEがD2Dリソース配分モード1を使用するべきであるかどうか、したがってRRC_CONNECTEDに移動されるべきであるかどうかについての判断は、サービス要求手順をトリガすることを決めるとき通常NASレイヤに利用可能でないであろうアクセス層特有の情報に依存し得る。
【0030】
前のソリューションで、RABマネージャは、NASに無線ベアラを確立するように要求することができ、それは次に、NASにRRC接続の確立を要求させる。しかしながら、D2D無線ベアラがすでに存在し得るので、この前のソリューションは、D2D事例に直接適用可能でない。換言すれば、D2Dリソース配分モード1が使用されるべきであるとUEが決定するとき、D2D無線ベアラは、すでに使用中であり得る。D2D無線ベアラは、UEがRRCアイドルモードであるときでさえ、存在し得る。1つの実施例において、UEは、最初はネットワークカバレッジから外れていてD2D送信のためにD2Dリソース配分モード2を使用している場合があり、それによって、UEは、リソースの設定されたプールから送信リソースを自律的に選択する。UEはその後、D2Dリソース配分モード1が使用されることになっているセルのネットワークカバレッジに入ることができる。しかしながら、D2Dベアラは、UEがネットワークカバレッジから外れていたときに、前もって確立されていて、UEは、ネットワークカバレッジに入るにあたりD2Dベアラを再確立しなくてもよい。したがって、RABマネージャの以前の機能(例えば、到着するデータを観測すること、および、UEのために無線ベアラが存在しないとき、RRC接続を確立するために適切なプロトコルを開始すること)は、D2D無線ベアラがUEですでに現存するとき、直接適用されない。
【0031】
本明細書で説明される技術は、UEがD2D通信を行うことを可能にするためにUEに対するRRC接続を確立するためのものである。例えば、UEはターゲットUEとD2D通信を行うことができる。UEがRRCアイドルモードであるとき、D2D無線ベアラでの送信のためのD2Dデータは、上位レイヤから(例えば、UE上で走っているアプリケーションから)UEで受信することができる。UEは、D2Dリソース配分モード1が使用されるべきであるかどうか決定するために一定の条件をチェックすることができる。モード1が使用される必要がない場合、UEは、(UEがRRCアイドルモードであるときでさえ)D2D無線ベアラを介してターゲットUEにデータを送信することができる。他方、モード1がデータを通信するために使用されるべきである場合、UEアクセス層は、UE NASにUEをRRCアイドルモードからRRC接続モードに移動させるように要求することができる。UE NASは、UEをRRCアイドルモードからRRC接続モードに移動させるためにサービス要求手順を開始することができる。サービス要求手順に代わる構成において、UE NASは、トラッキングエリア更新要求で「アクティブ」フラグをセットして、トラッキングエリア更新手順を開始することができ、それはUEに対するRRC接続の確立を可能にすることができる。
【0032】
1つの実施例において、UEがD2D送信を行うためにRRC接続モードに移行するべきであるかどうかは、ネットワークで使用されているリソース配分のタイプに依存し得る。例えば、ネットワークがD2Dリソース配分モード1を使用しているとき、UEはRRC接続モードに入るべきである。他方、ネットワークがD2Dリソース配分モード2を使用しているとき、UEはRRC接続モードに入ることはできない。
【0033】
図2は、UE250がデバイス間(D2D)通信を行うことができるようにするためにユーザ機器(UE)250に対する無線リソース制御(RRC)接続を確立することを例示する。UE250が別のUE(例えば、ターゲットUEまたは受信側UE)に送るべきD2Dデータを有するとき、UE250を無線リソース制御(RRC)アイドルモードからRRC接続モードに移動させるために、多くのステップをUE250内のエンティティによって行うことができる。UE250がD2D送信を行うためにD2Dリソース配分モード1を使用するべきであるとき、UE250はRRC接続モードに移動することができる。RRC接続モードに入ると、UE250は、ターゲットUEにD2Dデータを送信するためにリソースを要求することができる。UE250内のエンティティは、アプリケーション220、インターネットプロトコル(IP)スタック222、非アクセス層(NAS)レイヤ226、RRCレイヤ228、シグナリング無線ベアラ230、物理レイヤ234、D2D無線ベアラ236、媒体アクセス制御(MAC)レイヤ238、およびD2D MACレイヤ240を含み得る。この実施例において、UE250は無線アクセスベアラ(RAB)マネージャを含むことができない。あるいは、UE250はRABマネージャを含むことができるが、RABマネージャはD2D送信を行うために使用されない。
【0034】
UE250は、最初はRRCアイドルモードとすることができる。UE140がRRCアイドルモードであるとき、セルラ無線ベアラは存在せず、ユーザデータをUE140からネットワークに転送することはできない。しかしながら、D2D無線ベアラはUE250のために存在し得る。D2D無線ベアラは、D2Dデータを送受信するためにUE250によってすでに使用されている場合がある。
【0035】
ステップ202において、UE250のアプリケーション220は、送信のためのユーザD2Dデータを生成することができる。アプリケーション220は、送信のためにIPスタック222にD2Dデータを引き渡すことができる。IPスタック222は、送信のためにD2D無線ベアラ236にD2Dデータを引き渡すことができ、D2D無線ベアラ236は、送信のために保留中のD2Dデータがあることを、MACレイヤ238、またはより具体的にはMACレイヤの中のD2D MAC240機能に通知することができる。
【0036】
ステップ204において、UE240のMACレイヤ238は、D2Dデータが保留中の送信であることをRRCレイヤ228に示すことができる。1つの実施例において、MACレイヤ228は、無線にアクセスするためにすべての無線ベアラによって使用される単一エンティティである。D2D MAC240は、D2D通信に関連したMACレイヤ238の機能を表すことができる。代替の実施例において、UE250内の無線リンク制御(RLC)レイヤまたはパケットデータ圧縮プロトコル(PDCP)レイヤなどの、UE250内の他のレイヤは、保留中のD2Dデータ送信をRRCレイヤ228に示すことができる。
【0037】
ステップ206において、D2Dユーザデータの送信の前に、UE250のRRCレイヤ228は、UE250がD2Dリソース配分モード1を使用するべきであるかどうか、またはUE250がリソース配分モード2を使用することができるかどうかをチェックすることができる。1つの実施例において、UE250は、ネットワークから前もって報知されたシステム情報ブロック(SIB)メッセージに基づいて、どちらのモードが使用されるべきか決定することができる。リソース配分モード1が使用されるべきであるとUE250が決定する場合、RRCレイヤ228は、NASレイヤ226にUE250をRRC接続モードに移動させるように要求することができる。換言すれば、リソース配分モード1が使用されるべきである場合、UE250は、D2Dデータ送信が起こるために、RRC接続モードに入るべきである。
【0038】
ステップ208において、UE250のNASレイヤ226は、UE250のRRCレイヤ228から、UE250をRRC接続モードに移動させる要求を受信することができる。NASレイヤ226はサービス要求手順を開始することができる。サービス要求手順は、UE250のためのセルラ無線ベアラの確立をもたらすことができる。サービス要求手順を行うために、NASレイヤ226は、アクセス層の中のRRCレイヤ228にサービス要求メッセージを提供することができる。NASレイヤ226からのサービス要求メッセージは、RRCレイヤ228にUE250に対するRRC接続を確立するように要求することができる。代替の実施例において、サービス要求手順を行うよりむしろ、UEのNASレイヤ226は、トラッキングエリア更新要求でセットされた「アクティブ」フラグでトラッキングエリア更新手順を開始することができる。結果として、UE250のRRCレイヤ228に、UE250に対するRRC接続を確立するように通知することができる。
【0039】
ステップ210において、UE250のRRCレイヤ228は、進化型ノードB(eNB)とRRC接続確立手順を行う。結果として、UE250に対してRRC接続を確立することができ、UE250のためのシグナリング無線ベアラ230を作り出すことができる。換言すれば、UE250は、RRC接続確立手順の完了にあたり、RRC接続モードであるように切り替わることができる。それから、シグナリング無線ベアラを使用して、ネットワークにNASサービス要求メッセージを送ることができる。
【0040】
ステップ212において、UE250がRRC接続モードになった時点で、RRCレイヤ228は、UE250がRRC_CONNECTEDにあることをMACレイヤ238に示すことができる。RRCレイヤ228は、UE250がD2Dリソース配分モード1を使用してD2D送信を行うことを続行するべきであることを示すことができる。この指示は、D2Dリソース配分モード1に特有のさまざまな設定パラメータを含み得る。例えば、RRCレイヤ228からMACレイヤ238への指示は、周期的なD2D BSRタイマおよびD2D BSR再送信タイマを含み得る。1つの実施例において、RRCレイヤ228は、RRC接続の確立にあたりeNBからD2Dリソース配分モード1に特有のさまざまな設定パラメータを受信することができる。UE250は今、eNBにMACレイヤバッファ状態報告(BSR)を送るためにD2Dリソース配分モード1を使用することができる。換言すれば、MACレイヤ238は、さまざまな設定パラメータ(例えば、周期的なD2D BSRタイマ、D2D BSR再送信タイマ)を使用してeNBにBSRを送ることができる。eNBはアップリンク(UL)グラントで応答することができ、その後、UE250はそれらのULグラントを使用してD2Dデータを送信することができる。換言すれば、ULグラントは、UEのD2D送信が他の前もってスケジューリングされたセルラ送信(すなわち、UEからネットワークに送られるデータ)と同時に起こらないように、どの時間にどの周波数でUE250がD2D送信を行うべきであるかをUE250に知らせることができる。このプロセスは、D2D無線ベアラを使用して(すなわち、セルラ無線ベアラではなく)D2D送信を行うことを伴うことができ、実質的にさらなる相互作用がNASレイヤ226とRRCレイヤ228との間で起こる必要がない。UE250が送信すべきD2Dデータを有しRRC_CONNECTEDに留まる限りずっと、UE250はこのプロセスを使用し続けることができる。
【0041】
ステップ214において、NASサービス要求メッセージを受信することに応じて、ネットワークは、セルラ無線ベアラを確立するためにさまざまなアクションを開始することができる。しかしながら、セルラ無線ベアラの確立は、D2Dベアラを使用して送られるD2Dデータに影響を与えない。実施例のアクションは、その後確立されるセルラ無線ベアラと同様、シグナリング無線ベアラ230を保護する、アクセス層セキュリティを確立することを含み得る。しかしながら、アクセス層セキュリティはD2D無線ベアラを保護するために使用されず、D2D無線ベアラは、UE250がRRC_IDLEにあるかまたはRRC_CONNECTEDにあるかどうかにかかわらず動作することができる別個のセキュリティ保護を有する。その上、ネットワークは、セルラ無線ベアラを確立するように、RRCシグナリングを介して、UE250に命令することができる。UE250のRRCレイヤ228は、その後、それらのセルラ無線ベアラをセットアップするために機能する。
【0042】
いくつかの実施例において、UEがリソース配分モード1を使用することに制限を受けるかどうかの決定は、多くのやり方で行うことができる。例えば、UEが適当なセルに在圏する場合(すなわち、UEがネットワークカバレッジの中にあることを意味している)、リソース配分モード1が使用されるべきである。別の実施例において、信号レベルが設定された閾値を上まわる場合、リソース配分モード1が使用されるべきである。信号レベルは、参照シンボル受信電力(RSRP)測定値または参照シンボル受信品質(RSRQ)測定値に基づくことができる。さらに別の実施例において、D2D通信がサービス提供セルのカバレッジの中でサポートされるということをサービス提供セルがシステム情報の中で示すかどうかを決定することができる。この指示はD2Dに特有のシステム情報ブロック(SIB)の存在によって暗黙的に示すことができ、または、それはシステム情報を持った特定のD2D関連パラメータの存在によって暗黙的に示すことができる。例えば、この指示はD2Dリソースプール情報の存在によって暗黙的に示すことができる。その上、サービス提供セルからのシステム情報は、UEがそのサービス提供セルの中でリソース配分モード1を使用するように制限されることを明示的に示すことができる。システム情報は、eNBからUEに報知することができる。さらなる実施例において、サービス提供セルは、D2D UEがeNBと接続を確立する(すなわち、RRC接続モードに入る)べきであることを示すことができ、その上でUEは、UEがD2Dリソース配分モード1またはモード2を使用するべきであるかどうかをeNBからの専用シグナリングを介して知らされる。この手法では、UEよりむしろ、eNBが、UEがD2Dリソース配分モード1またはモード2を使用するべきであるかどうか決定することができる。
【0043】
前に論じたように、MACレイヤは、保留中のD2Dデータ送信をRRCレイヤに知らせることができる。RRCレイヤは、一定の条件(例えば、UEがリソース配分モード1を使用するべきであるかどうか)を評価することができ、これらの条件が満たされるかどうかに応じて、RRCレイヤは、NASレイヤにRRC接続モードに移動するように要求することができる。代替の構成において、これらの条件は、PDCPレイヤ、MACレイヤまたはUE内の来るべきレイヤもしくは機能の中などの、UE内の他の場所で評価することができる。その上、条件の評価は、UE内の異なるエンティティ間に分散することができる。
【0044】
前に論じたように、UEは、リソース配分モード1が使用されるべきであると決定することができ、結果として、RRCレイヤは、NASレイヤにUEをRRC_CONNECTEDに移動させるように要求することができる。代替のシナリオにおいて、UEは、D2Dリソース配分モード2が使用されるべきであると決定することができる。この場合、RRCレイヤは、D2Dリソース配分モード2が使用されるべきであるという指示でMACレイヤに応答することができ、上述のプロセスの他のステップは関連しない。
【0045】
1つの構成において、UEは、D2Dリソース配分モード1またはモード2を使用することを決定せず、むしろ単にUEがRRC_CONNECTEDに入るべきであると決定する。この場合、eNBは、UEがD2Dリソース配分モード1またはモード2を使用するべきであるかどうか決めることができる。この判断は、RRC_CONNECTION_SETUPメッセージまたはRRC_CONNECTION_RECONFIGURATIONメッセージのどちらかでUEに知らせることができる。特に、UEがD2Dリソース配分モード1またはモード2を使用するべきであるかどうかについてのeNBの判断は、UEのMACレイヤに通信することができる。
【0046】
1つの構成において、RRCは、リソース配分モード1が使用されるべきであると、およびRRC接続がUEに対して確立されるべきであると決定しない。むしろ、RRCレイヤは、D2D通信を行うためにRRC接続が必要とされる場合があるという指示をNASレイヤに提供することができる。その上、RRCレイヤは、NASレイヤが、サービス要求手順を開始するかどうか、したがってRRC接続の確立を要求するかどうか決めることを可能にするために必要なパラメータをNASレイヤに提供することができる。換言すれば、NASレイヤは、RRCレイヤと対照的に、リソース配分モード1が使用されるべきであるかどうか決定することができる。
【0047】
1つの構成において、UEをRRC_IDLEモードからRRC_CONNECTEDモードに移動させる目的は、MACレイヤ、NASレイヤおよび/またはRRCレイヤの間のメッセージ交換に含めることができる。この目的(すなわち、D2D送信)は、RRC接続要求メッセージの中で(例えば、「D2D」または「D2D通信」などの新たな「確立要因」値として)、またはRRC接続セットアップ完了メッセージで(例えば、新たな「D2D送信要求」情報要素で)、eNBに同様に提供することができる。RRC接続要求メッセージおよびRRC接続セットアップ完了メッセージは、ともにRRC接続確立手順の一部とすることができる。このような表示を含むことの利点は、eNBが、UEがD2Dリソース配分モード1を使用するべきであると知ることができ、したがってeNBがリソース配分モード1と関連付けられた適用可能な設定パラメータを自動的に提供できるということである。1つの実施例において、eNBは、RR接続再設定メッセージで設定パラメータ(例えば、周期的なD2D BSRタイマ、D2D BSR再送信タイマ)を提供することができる。RRC接続要求メッセージで新たなD2D特有の確立要因を使用することの別の利点は、eNBが重い負荷の下にある場合に、eNBがD2D通信の目的のための接続確立を優先させる、またはその優先度を下げることができるということである。例えば、D2Dがネットワークの中で公共安全ユーザによって使用されている場合、eNBは、D2D目的のための接続確立を受け入れることを選択することができる。他方、D2Dがネットワークの中で非公共安全ユーザによってサービスとして使用されている場合、eNBは、D2D目的のための接続確立を拒絶することを選択することができる。
【0048】
1つの実施例において、セルラ無線ベアラ(またはデータ無線ベアラ)の確立は、D2Dユーザデータを送信する目的のために必須ではない。換言すれば、D2D送信は、eNBからアップリンクグラントを受信すると、成功裏に行うことができ、アップリンクグラントは、UEがD2D送信を行うことを許される一定の時間を示す。しかしながら、旧式のサービス要求手順は、たとえ送信されるのを待っているセルラデータがなくても、セルラ無線ベアラが確立されるという結果をもたらす。
【0049】
1つの構成において、NASレイヤは、サービス要求手順の代わりにトラッキングエリア更新手順を(「アクティブ」フラグをセットせずに)開始することができる。トラッキングエリア更新手順は、セルラ無線ベアラが確立されることなくUEがRRC_CONNECTEDに移動されるという結果をもたらすことができる。セルラ無線ベアラはD2Dユーザデータを送信する目的のために必須ではなく、したがって必須ではない動作を回避することができるので、この構成は有利となり得る。しかしながら、アクセス層セキュリティが始められないことになり、結果として、シグナリング無線ベアラ上のRRCシグナリングはセキュリティ保護を持たないことになるので、この構成は同様に不利となり得る。その上、3GPP LTE仕様書の旧バージョンは、セルラ・ユーザ・プレーンが確立された後ハンドオーバを許可するだけであるから、別のeNBへのRRC接続のハンドオーバは、可能ではないことになる。別の実施態様は、モビリティ管理エンティティ(MME)が通常(アクティブフラグなしの)トラッキングエリア更新手順のすぐ後にRRC接続の解放を開始することであり、それは、セルラ無線ベアラが確立されそして次にeNBが(通常UEアクティビティの欠如に基づいて)RRC接続が解放されるべきであるときを決める状況と対照的である。
【0050】
1つの構成において、セルラ無線ベアラをUEのために確立することができ、そして次に、UEは、さまざまな設定パラメータ(例えば、周期的なD2D BSRタイマ終了、D2D BSR再送信タイマ)を使用してバッファ状態報告(BSR)を送ることができる。換言すれば、セルラ無線ベアラは、UEがeNBからアップリンクグラントを受信する前に確立され得る。セルラ無線ベアラがD2D送信の前に確立されることになっている場合、eNBがD2Dリソース配分モード1に関連した設定パラメータを含むRRCシグナリングを送る前にアクセス層セキュリティが確立され得るので、この構成は有利となり得る。eNBがRRCシグナリングを送る前のアクセス層セキュリティの確立は、ネットワークオペレータの選好とすることができる。
【0051】
図3は、UE350が進化型ノードB(eNB)と無線リソース制御(RRC)接続モードにあるときデバイス間(D2D)通信を行うようにユーザ機器(UE)350を設定することを例示する。UE350が別のUE(例えば、ターゲットUEまたは受信側UE)に送るべきD2Dデータを有するとき、D2D送信を行うために多くのステップをUE350内のエンティティによって行うことができる。UE350がターゲットUEに送るべきD2Dデータを有するとき、UE350はすでにRRC_CONNECTEDにあり得る。しかしながら、UE350は、D2Dリソース配分モード1(またはモード2)に対するパラメータで設定されない場合があり、ここでUE350は、D2D送信を行うためにこれらのパラメータを使用するべきである。UE350内のエンティティは、アプリケーション320、インターネットプロトコル(IP)スタック322、非アクセス層(NAS)レイヤ326、RRCレイヤ328、シグナリング無線ベアラ330、物理レイヤ334、D2D無線ベアラ336、媒体アクセス制御(MAC)レイヤ338、およびD2D MACレイヤ340を含み得る。
【0052】
UE350は、最初はRRC接続モードとすることができる。UE350がRRC接続モードであるとき、セルラ無線ベアラはすでにUE350のために存在し得る。UE350は、D2D送信を行うためではなく、むしろ、ネットワーク送信を、すなわち進化型ノードB(eNB)と、行うために、もともとRRC接続モードに入っている場合がある。UE350がRRC接続モードに入った後、UE350は、別のUEに送るD2Dデータを生成することができる。その上、D2D無線ベアラ336はUE350のために存在し得る。D2D無線ベアラ336は、現在のRRC接続の間にではなく、ある前の時点にD2Dデータの送受信のためにUE350によってすでに使用されている場合がある。D2D無線ベアラ336が現在のRRC接続の間にすでに使用されていた場合、UE350は、D2Dリソース配分モード1(またはモード2)用にすでに設定されていることがある。
【0053】
ステップ302において、UE350のアプリケーション320は、送信のためのユーザD2Dデータを生成することができる。アプリケーション320は、送信のためにIPスタック322にD2Dデータを引き渡すことができる。IPスタック322は、送信のためにD2D無線ベアラ336にD2Dデータを引き渡すことができ、D2D無線ベアラ336は、送信のために保留中のD2Dデータがあることを、MACレイヤ338、またはより具体的にはMACレイヤの中のD2D MAC340機能に通知することができる。
【0054】
ステップ304において、UE350のMACレイヤ338は、D2Dデータが保留中の送信であることをRRCレイヤ328に示すことができる。1つの実施例において、MACレイヤ328は、無線にアクセスするためにすべての無線ベアラによって使用される単一エンティティである。D2D MAC340は、D2D通信に関連したMACレイヤ338の機能を表すことができる。代替の実施例において、UE350内の無線リンク制御(RLC)レイヤまたはパケットデータ圧縮プロトコル(PDCP)レイヤなどの、UE350内の他のレイヤは、保留中のD2Dデータ送信をRRCレイヤ328に示すことができる。
【0055】
ステップ306において、UE350は、D2Dリソース配分モード1が使用されるべきであるかどうか、またはUE350がリソース配分モード2を使用することができるかどうか決定することができる。UE350は、D2DデータがターゲットUEに送信される前に適切なリソース配分モードを決定することができる。リソース配分モード1が使用されるべきであるとUE350が決定する場合、UE350は、ネットワークにRRC要求を送ることができる。例えば、UE350のRRCレイヤ328は、eNBにRRC要求を送ることができる。要求メッセージは、D2Dリソース要求またはD2D設定要求などの、新たなメッセージであってもよい。D2Dリソース要求表示情報要素(IE:Information Element)またはD2D設定要求表示IEを新たな要求メッセージに含むことができる。あるいは、要求メッセージは、新たなD2Dリソース要求表示情報要素(IE)またはD2D設定要求表示IEを包含するUE ASSISTANCE INFORMATIONなどの、既存のメッセージとすることができる。要求メッセージは、(UE350がRRC接続モードであるから、すでに確立されている)シグナリング無線ベアラを使用してRRCレイヤ328からeNBに送ることができる。
【0056】
代替の構成において、UE350は、D2Dリソース配分モード1またはモード2を使用するべきかどうか決定せず、むしろネットワークにRRC要求を送ることを決定する。結果として、eNBは、UE350がD2Dリソース配分モード1またはモード2を使用するべきであるかどうか決めることができる。eNBは、eNBからRRCレイヤ328へのシグナリングを介してこの判断をUE350に知らせることができる。もしeNBがRRCレイヤ328にUE350がD2Dリソース配分モード2を使用するべきであると知らせるならば、RRCレイヤ328は、D2D送信を行うときモード2を使用するようにMACレイヤ338に知らせることができる。
【0057】
ステップ308において、eNBは、UE350のRRCレイヤ328からのRRC要求に応答することができる。eNBは、D2Dリソース配分モード1のために必要な設定パラメータをUE350に提供することができる。これらの設定パラメータの実施例は、周期的なD2D BSRタイマおよびD2D BSR再送信タイマを含み得る。1つの実施例において、eNBは、RRC接続再設定メッセージの中の設定パラメータで応答することができる。UE350がD2D送信を行うためにD2Dリソース配分モード2を使用するべきである場合、RRC接続再設定メッセージは、D2Dリソース配分モード2を使用するようにとのUE350への命令を含み得る。
【0058】
ステップ310において、RRCレイヤ328は、UE350がRRC_CONNECTEDにあること、およびUE350がD2Dリソース配分モード1を使用してD2D送信を行うことを続行するべきであることを、MACレイヤ338に示すことができる。その上、RRCレイヤ328は、D2D送信を行うためにD2Dリソース配分モード1を使用するために必要な設定パラメータをMACレイヤ338に提供することができる。UE350は、eNBにMACレイヤバッファ状態報告(BSR)を送るために設定パラメータを使用することができる。換言すれば、MACレイヤ338は、さまざまな設定パラメータ(例えば、周期的なD2D BSRタイマ、D2D BSR再送信タイマ)を使用してeNBにBSRを送ることができる。eNBはアップリンク(UL)グラントで応答することができ、その後、UE350はそれらのULグラントを使用してD2Dデータを送信することができる。換言すれば、ULグラントは、UEのD2D送信が他の前もってスケジューリングされたセルラ送信(すなわち、UEからネットワークに送られるデータ)と同時に起こらないように、どの時間にどの周波数でUE350がD2D送信を行うべきであるかをUE350に知らせることができる。
【0059】
図4は、デバイス間(D2D)通信を行うようにUE410を設定するためのユーザ機器(UE)410と進化型ノードB(eNB)420との間の例示的なシグナリングを例示する。UE410は、eNB420にD2D設定要求メッセージを送ることができる。1つの実施例において、D2D設定メッセージは、UEのシグナリング無線ベアラを使用してeNB420に送ることができる。D2D設定メッセージは、D2D設定要求表示情報要素(IE)を含み得る。eNB420は、UE410にRRC接続再設定メッセージで応答することができる。RRC接続再設定メッセージは、周期的なD2D BSRタイマおよびD2D BSR再送信タイマなどの、さまざまなD2Dリソース配分モード1パラメータを含み得る。換言すれば、これらの再設定パラメータは、UE410がD2D送信を送るためにD2Dリソース配分モード1を使用することを可能にする。UE410は、RRC接続再設定メッセージを受信することに応じて、eNB420にRRC接続再設定完了メッセージを送ることができる。
【0060】
1つの実施例において、UE410およびeNB420は、UE410がもともと(RRC接続モードであるのと反対に)RRCアイドルモードであるとき上述と類似の無線インタフェースメッセージ交換を行うことができる。UE410がRRCアイドルモードであるとき、UE410は、上述のように、すなわちUEのD2D通信を行う要望をeNBに通知するためにUEがRRC接続要求メッセージの中の新たな「確立要因」値またはRRC接続セットアップ完了メッセージの中の新たな表示を使用することができるやり方のように、eNB420にD2Dデータ通信を行う要望を示さない。むしろ、UE410がRRC_CONNECTEDに成功裏に入った時点で、UE410は、eNB420にRRC要求メッセージ(例えば、D2D CONFIGURATION REQUEST)を送ることによって、UE410がD2D通信を行うことを望んでいるということをeNB420に知らせることができる。この時点で、UE410はeNB420にD2D設定要求メッセージを送ることができ、eNB420はUE410にRRC接続再設定メッセージを送ることができ、UE410はeNB420にRRC接続再設定完了メッセージを送ることができる。
【0061】
図5は、システム情報ブロック2(SIB2)メッセージに含まれ得るデバイス間(D2D)通信のためのアクセスクラス禁止(ACB)パラメータの抽象構文記法(ASN)コード例を例示する。3GPP LTE規格の前バージョンでは、ネットワークは、アクセスクラス禁止(ACB)を使用することによってRRC接続セットアップ要求試行を制限することができる。D2Dの一部として、UEがD2Dリソース配分の目的のためにRRC接続要求を送ることをeNBが禁じることができるように、この機構を拡張することは有益であり得る。
図5に示されるように、D2Dに特有のACBパラメータをシステム情報ブロック2(SIB2)に加えることができる。例えば、ac−BarringForD2D−r12は、ACB設定をセットアップするためにSIB2に加えることができる。
【0062】
アクセスクラス禁止で、ネットワークは、UEがD2Dの目的のためにネットワークにアクセスしているかどうか、またはUEが通常のトラフィック目的(例えば、音声通話、データ転送)のためにネットワークにアクセスしているかどうかに応じて、異なる禁止設定をセットしたい場合がある。ネットワークが過負荷になっていて、D2Dが公共安全ユーザによって使用されている場合、D2Dは優先され得るが、非D2Dトラフィックにアクセス禁止が適用され得る。D2Dが他の目的(例えば、写真共有、ビデオ共有)のために使用されている場合、UEからネットワークへのトラフィックは、デバイス間トラフィックの代わりに優先され得る。
【0063】
UEがSIB2の中のACB設定を受信し、セルへのアクセスが特定のRRC接続確立試行に対して禁じられていると評価した場合、UEのRRCレイヤは、UEに適用されているD2Dリソース配分に対するアクセス禁止に起因してRRC接続を確立できなかったことについてUEの上位レイヤに知らせる。特に、RRCレイヤは、SIB2からのac−BarringForD2Dパラメータを上位レイヤに知らせることができ、その上でRRC確立手順が終了する。1つの実施例において、禁止に起因してRRC接続確立手順を成功裏に完了することができない場合、UEはリソース配分モード2を使用することができる。別の実施例において、リソース配分モード1に対するサポートは、システム情報ブロック(SIB)を介して使用禁止とすることができる。この実施例において、(モード1が使用禁止であるように)SIBを変更することは、進行中のD2D送信に影響を与えない。すなわち、RRC接続モードでリソース配分モード1をすでに使用しているUEは、eNBが、リソース配分モード2を使用するようにUEを設定するかまたはRRC接続を解放するまで、リソース配分のためにD2D BSRを送り続けることができる。
【0064】
1つの構成において、RRC接続は、無活動に起因して解放することができる。前のLTEシステムでは、eNBは、別名「無活動時間」として知られている、ある一定の期間、セルラ無線ベアラ(および時々シグナリング無線ベアラ)上で無活動を観測したとき、RRC接続の解放をトリガすることができる。リソース配分モード1を使用するD2D通信で、UEは、UEが送信リソースを要求し続けることを可能にするために、D2D通信が進行中である限りずっとRRC_CONNECTEDに留まることになっている。eNBは、UEの中にだけ存在するD2D無線ベアラ上のアクティビティの可視性を持たず、したがって、セルラ無線ベアラ上で無活動を観測するeNBは、UEがそのD2D通信を完了する前に、誤ってUEのRRC接続を解放することに決める場合がある。この問題は、eNBがD2D BSRの受信などのD2D関連MACアクティビティを観測することによって対処することができる。したがって、特定のUEに対するRRC接続は、eNBがセルラ無線ベアラ(および時々シグナリング無線ベアラ)上で無活動を観測し、ある一定の期間D2D BSR受信がないとき、解放することができる。UE無活動検出のためのこの追加の条件は、D2Dリソース配分モード1を使用するようにeNBが設定したUEに適用することができる。
【0065】
したがって、RRC接続は、UEの無活動に起因して解放されず、むしろ、その特定のUEに関するeNBにおける無活動に起因して解放される。前のシステムでは、UEにおける無活動の定義済期間の後、eNBがRRC接続を解放することができるが、D2Dについては、eNBがD2D通信を実際に観測することができないので、状況が異なる。D2DデータはUEとターゲットUEとの間で直接転送されるので、eNBは、D2D送信が起こるときを正確に知らない。しかしながら、UEがリソース配分モード1を使用する場合、eNBは、UEがバッファ状態報告(BSR)を送るときを検出することができる。UEは、D2D送信を行うためのリソースを要求するために、BSRを送ることができる。したがって、eNBは、UEがD2D送信を積極的に送っているかどうか(BSRを通して)間接的に決定することができる。eNBがある一定の期間UEからのBSRを検出しない場合、eNBは、(D2D送信に関して)UEが無活動であると推測することができ、eNBは、UEとのRRC接続を解放することができる。
【0066】
D2D発見は、UEがごく接近している他のUEに気づくプロセスである。D2D発見プロセスは、発見信号およびメッセージの送信を伴うことができる。D2D発見プロセスは、UEがネットワークのカバレッジの中にあるとき適用可能とすることができる。D2D通信リソース配分モード1に類似して、D2D発見は、送信リソースを要求するためにUEがRRC_CONNECTEDにあることになっている、リソース配分タイプ2を有する。したがって、D2D通信に対する上述のものと類似の機構がD2D発見のプロセスに適用され得る。しかしながら、D2D発見との相違は、D2D発見プロトコル(同じくProSe発見プロトコルまたはProSeプロトコルと呼ばれる)がアクセス層の外に存在し、NASプロトコルとより密接にリンクされ得るということである。したがって、D2D発見プロトコルは、プロセスをトリガするためにアクセス層の中でそれらのメッセージの到着を使用するよりむしろ、D2D発見プロトコルがメッセージを生成する前に、UEをRRC_CONNECTEDに移動させる手順を開始するようにNASに直接要求することができる。
【0067】
UEがRRC_CONNECTEDに入るべきであるかどうかについての条件は、通常NASに利用可能でないさまざまなアクセス層パラメータを含み得る。これらのパラメータは、UEがD2D発見リソース配分タイプ1またはタイプ2を使用するべきであるかどうかの指示などの、システム情報から得ることができる。NASは通常これらのパラメータを持っていないので、RRCレイヤはNASレイヤにこれらのパラメータを提供することができる。したがって、NASレイヤは、サービス要求手順を開始する前に、D2D発見リソース配分タイプ1またはタイプ2を使用するべきかどうか決定することができる。あるいは、RRCレイヤは、D2D発見プロトコルが、NASにRRC接続セットアップ手順を開始するように要求する前に、UEがD2D発見リソース配分タイプ1またはタイプ2を使用するべきかどうか決定することができるように、D2D発見プロトコルにこれらのパラメータを提供することができる。
【0068】
1つの実施例において、UEは、隣接するセルについての測定を行い、そして次に、最高優先度を持つ周波数で動作するセルを再選択しようと試みることによって、セル選択または再選択を行うことができる。周波数が最高優先度を有する指示は、システム情報ブロック(SIB)を介してまたは専用シグナリングを通してUEに提供することができる。このセル再選択優先度を使用して、異なる配置シナリオで無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)、搬送周波数またはセル負荷を管理することができる。しかしながら、D2Dは、すべての搬送周波数でサポートされない場合がある。オペレータの判断に基づいて、いくつかの搬送周波数のセルがD2Dをサポートすることができ、オペレータは、それらのセルでD2Dのためにリソースプールを割り当てることができる。この場合、UEがセル再選択を行うとき、D2D UEが特定の搬送周波数がD2Dをサポートするかどうか考えることは有益であり得る。例えば、UEはD2Dをサポートしている周波数レイヤの優先順位をつけることができる。D2Dがサポートされるかどうかについての情報は、SIB5の中の周波数間セル再選択情報に含まれる。別の実施例において、UEは、D2Dをサポートしている搬送周波数のリストで事前設定することができ、リストはD2Dサーバによって前もって提供することができる。さらに別の実施例において、UEは、D2D動作がUEで使用可能であるときだけ、D2Dがサポートされるかどうかに基づいて、搬送周波数の優先順位をつけることができる。さもなければ、UEは、デフォルトの優先方式(すなわち、UEが特定のセルがD2D動作をサポートするかどうかに基づいてセルを再選択しない優先方式)に従うことができる。
【0069】
別の実施例は、
図6のフローチャートに示されるように、デバイス間(D2D)通信を行うように動作可能なユーザ機器(UE)の機能600を提供する。機能は方法として実装することができ、または、機能は計算機上の命令として実行することができ、命令は少なくとも1つのコンピュータ可読媒体または1つの非一時的な機械可読記憶媒体に含まれる。UEは、ブロック610のように、UEのD2D無線ベアラを使用してUEから送信されるD2Dデータを識別し、D2DデータはUEが無線リソース制御(RRC)アイドルモードであるとき識別されるように構成された、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。UEは、ブロック620のように、UEからD2Dデータを通信するためにUEが定義済リソース配分モードを使用することに限定されると決定するように構成された、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。UEは、ブロック630のように、UEの非アクセス層(NAS)でサービス要求手順を開始し、サービス要求手順はUEをRRCアイドルモードからRRC接続モードに切り替えるためにUEのRRCレイヤが進化型ノードB(eNB)とRRC接続確立手順を行うことをトリガするように構成された、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。UEは、ブロック640のように、UEからのD2Dデータの送信のためにeNBからアップリンク(UL)グラントを受信するように構成された、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。UEは、ブロック650のように、eNBによって提供されたULグラントを使用してD2Dデータを送り、D2DデータはUEのD2D無線ベアラを使用してUEから送信されるように構成された、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。
【0070】
1つの実施例において、1つまたは複数のプロセッサは、UEの媒体アクセス制御(MAC)レイヤからeNBにバッファ状態報告(BSR)を送ることに応じてeNBからULグラントを受信するようにさらに構成することができ、BSRは、UEがRRC接続モードに切り替わった後eNBに送られる。別の実施例において、1つまたは複数のプロセッサは、UEのMACレイヤからeNBにBSRを送るために定義済リソース配分モードと関連付けられた1つまたは複数の設定パラメータを使用するようにさらに構成することができ、1つまたは複数の設定パラメータは、周期的なD2D BSRタイマまたはD2D BSR再送信タイマのうちの少なくとも1つを含む。
【0071】
1つの実施例において、1つまたは複数のプロセッサは、UEのためにシグナリング無線ベアラを作り出すためにUEのRRCレイヤでRRC接続確立手順を行うようにさらに構成することができる。別の実施例において、1つまたは複数のプロセッサは、UEのシグナリング無線ベアラを使用してeNBにサービス要求メッセージを送るようにさらに構成され、サービス要求メッセージはUEのためのセルラ無線ベアラの確立を要求するためのものである。さらに別の実施例において、定義済リソース配分モードはリソース配分モード1である。
【0072】
1つの実施例において、1つまたは複数のプロセッサは、eNBから報知されたシステム情報ブロック(SIB)に基づいてUEが定義済リソース配分モードを使用することに限定されると決定するようにさらに構成される。別の実施例において、D2D無線ベアラは、D2Dデータが第2のUEに送信されるために識別されるときUEのために存在し、D2D無線ベアラは定義済無線アクセス技術(RAT)規格を使用して動作する。さらに別の実施例において、D2DデータはUE上でD2Dアプリケーションによって生成される。
【0073】
1つの実施例において、D2D無線ベアラは、UEがRRCアイドルモードであるとき存在する。別の実施例において、UEは進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)で動作することができる。その上、1つまたは複数のプロセッサは、RRC接続確立手順の間にeNBにRRC接続要求メッセージを送るようにさらに構成することができ、RRC接続要求メッセージは、D2D通信を行うためにUEがRRC接続モードに切り替わるべきであるという指示を含む。1つの構成において、eNBがUEに対してアクセスクラス禁止を強制しているとき、UEは定義済の期間D2D通信を行うことを禁じられる。
【0074】
別の実施例は、
図7のフローチャートに示されるように、デバイス間(D2D)通信を行うように動作可能なユーザ機器(UE)の機能700を提供する。機能は方法として実装することができ、または、機能は計算機上の命令として実行することができ、命令は少なくとも1つのコンピュータ可読媒体または1つの非一時的な機械可読記憶媒体に含まれる。UEは、ブロック710のように、UEが進化型ノードB(eNB)と無線リソース制御(RRC)接続モードである間にUEから送信されるD2Dデータを識別するように構成された、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。UEは、ブロック720のように、D2Dデータを送信するためにUEが定義済リソース配分モードを使用することに限定されると決定するように構成された、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。UEは、ブロック730のように、eNBにRRC設定要求メッセージを送るように構成された、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。UEは、ブロック740のように、eNBからRRC接続再設定メッセージを受信し、RRC接続再設定メッセージは定義済リソース配分モードに対する1つまたは複数の設定パラメータを含むように構成された、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。UEは、ブロック750のように、1つまたは複数の設定パラメータに従ってeNBにバッファ状態報告(BSR)を送るように構成された、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。UEは、ブロック760のように、UEからのD2Dデータの送信のためにeNBからアップリンク(UL)グラントを受信するように構成された、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。UEは、ブロック770のように、eNBによって提供されたULグラントを使用してD2Dデータを送り、D2DデータはUEのD2D無線ベアラを使用してUEから送信されるように構成された、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。
【0075】
1つの実施例において、RRC接続再設定メッセージの中の1つまたは複数の設定パラメータは、周期的なD2D BSRタイマまたはD2D BSR再送信タイマのうちの少なくとも1つを含む。別の実施例において、RRC設定要求メッセージは、D2Dリソース要求表示情報要素(IE)またはD2D設定要求表示IEを含む。さらに別の実施例において、1つまたは複数のプロセッサは、UEのシグナリング無線ベアラを使用してeNBにRRC設定要求メッセージを送るようにさらに構成することができる。1つの構成において、D2D無線ベアラは、D2Dデータが第2のUEに送信されるために識別されるときUEのために存在し、D2D無線ベアラは定義済無線アクセス技術(RAT)規格を使用して動作する。
【0076】
別の実施例は、
図8のフローチャートに示されるように、デバイス間(D2D)通信を行うための方法800を提供する。方法は、計算機上の命令として実行することができ、命令は、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体または1つの非一時的な機械可読記憶媒体に含まれる。方法は、ブロック810のように、送信先UEに通信されるD2Dデータを、ユーザ機器(UE)で、識別する動作であって、D2DデータはUEが無線リソース制御(RRC)アイドルモードであるとき識別される、動作を含み得る。方法は、ブロック820のように、送信先UEにD2Dデータを通信するためにUEが定義済リソース配分モードを使用することに限定されると決定する動作を含み得る。方法は、ブロック830のように、UEでサービス要求手順を開始する動作であって、サービス要求手順はUEをRRCアイドルモードからRRC接続モードに切り替えるためにUEが進化型ノードB(eNB)とRRC接続確立手順を行うことをトリガする、動作を含み得る。方法は、ブロック840のように、送信先UEにD2Dデータを通信するためにeNBからアップリンク(UL)グラントを受信する動作を含み得る。方法は、ブロック850のように、eNBによって提供されたULグラントを使用して送信先UEにD2Dデータを送る動作であって、D2DデータはUEのD2D無線ベアラを使用して送信先UEに通信される、動作を含み得る。
【0077】
1つの実施例において、方法は、UEからeNBにバッファ状態報告(BSR)を送ることに応じてeNBからULグラントを、UEで、受信する動作を含むことができ、BSRは、UEがRRC接続モードに切り替わった後eNBに送られる。別の実施例において、方法は、定義済リソース配分モードと関連付けられた1つまたは複数の設定パラメータを使用してUEからeNBにBSRを送る動作を含むことができ、1つまたは複数の設定パラメータは、周期的なD2D BSRタイマまたはD2D BSR再送信タイマのうちの少なくとも1つを含む。さらに別の実施例において、方法は、UEのシグナリング無線ベアラを使用してUEからeNBにサービス要求メッセージを送る動作を含むことができ、シグナリング無線ベアラはRRC接続確立手順の間にUEのために確立され、サービス要求メッセージはUEのためにセルラ無線ベアラを確立するためのものである。その上、方法は、eNBから報知されたシステム情報ブロック(SIB)に基づいてUEが定義済リソース配分モードを使用することに限定されると決定する動作を含み得る。1つの構成において、方法は、UEの隣接するセルがD2D通信をサポートするかどうかに基づいてセル再選択を行う動作を含み得る。
【0078】
図9は、ユーザ機器(UE)、移動局(MS)、モバイル・ワイヤレス・デバイス、モバイル通信デバイス、タブレット、ハンドセット、または他のタイプのワイヤレスデバイスなどの、ワイヤレスデバイスの実施例の説明図を提供する。ワイヤレスデバイスは、ノード、マクロノード、低電力ノード(LPN)、または、基地局(BS)、進化型Node B(eNB)、ベースバンドユニット(BBU)、リモート無線ヘッド(RRH)、リモート無線機器(RRE)、中継局(RS)、無線機器(RE)、もしくは他のタイプのワイヤレス広域ネットワーク(WWAN)アクセスポイントなどの送信局と通信するように構成された、1つまたは複数のアンテナを含み得る。ワイヤレスデバイスは、3GPP LTE、WiMAX、高速パケットアクセス(HSPA)、ブルートゥース(登録商標)、およびWiFiを含む、少なくとも1つのワイヤレス通信規格を使用して通信するように構成することができる。ワイヤレスデバイスは、各々のワイヤレス通信規格に対する別個のアンテナ、または多数のワイヤレス通信規格に対する共有アンテナを使用して通信することができる。ワイヤレスデバイスは、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、ワイヤレス・パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)、および/またはWWANで通信することができる。
【0079】
図9は、ワイヤレスデバイスからのオーディオ入出力のために使用することができるマイクロホンおよび1つまたは複数のスピーカの説明図を同様に提供する。表示画面は、液晶ディスプレイ(LCD)画面、または有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの他のタイプの表示画面とすることができる。表示画面はタッチスクリーンとして構成することができる。タッチスクリーンは、容量性、抵抗性、または別のタイプのタッチスクリーン技術を使用することができる。アプリケーションプロセッサおよびグラフィックスプロセッサは、処理能力および表示能力を提供するために内部メモリに結合することができる。不揮発性メモリポートは、ユーザにデータ入力/出力オプションを提供するために同様に使用することができる。不揮発性メモリポートは、ワイヤレスデバイスの記憶能力を拡充するために同様に使用することができる。キーボードは、さらなるユーザ入力を提供するために、ワイヤレスデバイスと一体化するか、またはワイヤレスデバイスにワイヤレス接続することができる。タッチスクリーンを使用して仮想キーボードを同様に提供することができる。
【0080】
さまざまな技術、またはその一定の実施態様もしくは部分は、フロッピーディスケット、CD−ROM、ハードドライブ、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、または任意の他の機械可読記憶媒体などの有形の媒体に具体化されたプログラムコード(すなわち、命令)の形をとることができ、プログラムコードがコンピュータなどの計算機にロードされこの計算機によって実行されるとき、計算機はさまざまな技術を実践するための装置になる。回路は、ハードウェア、ファームウェア、プログラムコード、実行可能なコード、コンピュータ命令、および/またはソフトウェアを含み得る。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、信号を含まないコンピュータ可読記憶媒体とすることができる。プログラム可能なコンピュータ上でプログラムコードを実行する場合、コンピューティングデバイスは、プロセッサ、(揮発性および不揮発性のメモリおよび/または記憶要素を含む)プロセッサによって読み取り可能な記憶媒体、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスを含み得る。揮発性および不揮発性のメモリおよび/または記憶要素は、RAM、EPROM、フラッシュドライブ、光学ドライブ、磁気ディスクドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、または電子データを格納するための他の媒体とすることができる。ノードおよびワイヤレスデバイスは、トランシーバモジュール、カウンタモジュール、処理モジュール、および/またはクロックモジュールもしくはタイマモジュールを同様に含み得る。本明細書で説明されたさまざまな技術を実装または利用することができる1つまたは複数のプログラムは、アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)、再利用可能な制御などを使用することができる。このようなプログラムは、コンピュータシステムと通信するために高レベルの手続き型またはオブジェクト指向プログラミング言語で実装することができる。しかしながら、必要に応じて、プログラムはアセンブリまたは機械言語で実装してもよい。いずれにしても、言語はコンパイル型またはインタープリタ型言語とすることができ、ハードウェア実装と組み合わせることができる。
【0081】
本明細書で説明された機能ユニットの多くは、それらの実装独立性をより具体的に強調するためにモジュールとしてラベル付けされていることを理解すべきである。例えば、モジュールは、カスタムVLSI回路またはゲートアレイ、ロジックチップなどの既成の半導体、トランジスタ、または他の個別部品を含むハードウェア回路として実装することができる。モジュールは同様に、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブル・アレイ・ロジック、プログラマブル・ロジック・デバイスなどの、プログラム可能なハードウェアデバイスで実装することができる。
【0082】
モジュールは同様に、さまざまなタイプのプロセッサによる実行のためにソフトウェアで実装することができる。実行可能なコードの識別されたモジュールは、例えば、コンピュータ命令の1つまたは複数の物理ブロックまたは論理ブロックを含むことができ、それらは、例えば、オブジェクト、手順、または関数として組織化することができる。それにもかかわらず、識別されたモジュールの実行ファイルは、物理的に一緒に位置している必要はなく、論理的に一緒に結合されたときに、モジュールを含みモジュールに対する規定の目的を達成する、異なる場所に格納された異種の命令を含むことができる。
【0083】
実際に、実行可能なコードのモジュールは、単一の命令であっても多くの命令であってもよく、異なるプログラムの中に、そしていくつかのメモリデバイスにわたって、いくつかの異なるコードセグメントに分散されてもよい。同様に、運用データは、ここではモジュールの中で識別され例示されてもよく、任意の適当な形で具体化され任意の適当なタイプのデータ構造の中で組織化されてもよい。運用データは、単一のデータセットとして収集されてもよく、または異なる記憶デバイス上を含む異なる場所上に分散されてもよく、少なくとも部分的に、単にシステムまたはネットワーク上の電子信号として存在してもよい。モジュールは、望ましい機能を行うように動作可能なエージェントを含み、受動的であっても能動的であってもよい。
【0084】
本明細書で使用される、用語「プロセッサ」は、ワイヤレス通信を送り、受信し、処理するためにトランシーバで使用されるベース・バンド・プロセッサと同様、汎用プロセッサ、VLSIなどの専門的なプロセッサ、FPGA、および他のタイプの専門的なプロセッサを含み得る。
【0085】
本明細書全体を通して、「実施例」への言及は、その実施例に関連して説明された特定の機能、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して各所における「実施例において」という句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を意味していない。
【0086】
本明細書で使用される、複数の項目、構造的な要素、構成要素、および/または材料は、便宜上共通のリストで提示され得る。しかしながら、これらのリストは、リストの各々のメンバが別個の固有のメンバとして個々に識別されるように解釈されるべきである。したがって、このようなリストの個々のメンバは、反対の指示がない限り、それらが共通のグループで提示されることに単に基づいて、同じリストの任意の他のメンバの事実上の均等物であると解釈されるべきでない。その上、本発明のさまざまな実施形態および実施例は、そのさまざまな構成要素に対して代替物とともに、本明細書で言及され得る。このような実施形態、実施例、および代替物は、互いの事実上の均等物として解釈されるべきではなく、本発明の別個の自律的な表現とみなされるべきであることが理解される。
【0087】
さらに、説明された機能、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意の適当なやり方で組み合わせることができる。次の説明で、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、レイアウトの実施例、距離、ネットワーク実施例などの、多数の特定の細部が提供される。当業者は、しかしながら、本発明が特定の細部のうちの1つまたは複数なしで実践されてもよく、または他の方法、構成要素、レイアウトなどを用いて実践されてもよいことを認識するであろう。他の例において、本発明の実施態様を不明瞭にすることを回避するために、周知の構造、材料、または動作については、図示または詳細な説明をしない。
【0088】
前述の実施例は、1つまたは複数の特定用途で本発明の原理を例示しているが、発明的才能を行使することなく、そして本発明の原理および思想から逸脱することなく、実装の形、使用法および細部に多数の修正がなされ得ることは、当業者には明らかであろう。したがって、以下に明記された特許請求の範囲による場合を除き、本発明が限定されることを意図しない。