特許第6381690号(P6381690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381690
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】金融資産形成システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20180820BHJP
【FI】
   G06Q40/02
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-3984(P2017-3984)
(22)【出願日】2017年1月13日
(65)【公開番号】特開2018-112965(P2018-112965A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2017年1月17日
【審判番号】不服2017-13086(P2017-13086/J1)
【審判請求日】2017年9月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514081128
【氏名又は名称】株式会社お金のデザイン
(74)【代理人】
【識別番号】100139033
【弁理士】
【氏名又は名称】日高 賢治
(72)【発明者】
【氏名】坂田宏
【合議体】
【審判長】 渡邊 聡
【審判官】 宮久保 博幸
【審判官】 石川 正二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−194817(JP,A)
【文献】 特開2002−133124(JP,A)
【文献】 特開2006−085256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q40/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが事前に決定した項目をトリガーとして金融商品の購入或いは定期性預貯金口座への積み立てを自動的に行う金融資産形成システムであって、
ユーザー端末と、
当該ユーザーが所有する普通性預貯金口座或いは証券口座と、
前記ユーザー端末とインターネット接続される管理サーバーと、
前記ユーザー端末上から前記金融商品の購入或いは前記定期性預貯金口座への積み立てを自動的に行うトリガーとなる項目及び前記金融商品の購入額或いは前記定期性預貯金の口座への積立額をユーザー自身が決定可能なウェブサイトと、
前記管理サーバー内に構築されユーザーの個人情報及びユーザーが前記ウェブサイト上で決定した情報が記録されるユーザーデータベースとを備え、
前記管理サーバーが前記トリガーとなる項目の実施情報を受信した場合、前記ユーザーデータベースに記録された情報に従って、前記普通性預貯金口座或いは前記証券口座から引き落とした金員をユーザー自身が事前に決定した前記金融商品の購入或いは前記定期性預貯金口座への積立に自動的に充てる、
ことを特徴とする金融資産形成システム。
【請求項2】
前記トリガーとなる項目は、前記ウェブサイト上に掲載されているリストから選択して決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の金融資産形成システム。
【請求項3】
前記トリガーとなる項目は、ユーザーが前記ウェブサイト上から自由に記載して決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の金融資産形成システム。
【請求項4】
前記トリガーとなる項目リストが、クレジットカードを利用した商品購入又は飲食、ECサイトによる商品購入、会社からの給与支払い、競馬場・競輪場・競艇場・オートレース場への訪問、パチンコ・パチスロ店への訪問、ゴルフ場への訪問、を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の金融資産形成システム。
【請求項5】
前記ユーザー端末がGPS機能を有し、競馬場・競輪場・競艇場・オートレース場への訪問、パチンコ・パチスロ店への訪問、ゴルフ場を含む訪問先を、当該GPS機能によって自動判定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の金融資産形成システム。
【請求項6】
前記ユーザー端末としてさらにウェアラブル端末を含み、
前記トリガーとなる項目が前記ウェアラブル端末から送信される一日の歩数を含む運動量、血圧を含む生体情報である
ことを特徴とする請求項1に記載の金融資産形成システム。
【請求項7】
前記ユーザー端末としてさらにIoTデバイスを含み、
前記トリガーとなる項目がIoTデバイスから送信される体重測定値及び尿酸値を含む生体情報である
ことを特徴とする請求項1に記載の金融資産形成システム。
【請求項8】
前記金融商品が、生命保険・損害保険・学資保険・医療保険を含む保険商品、個人型確定拠出年金を含む年金商品、国債・社債・公募債券・私募債券を含む債券商品、上場株式・未上場株式を含む株式商品、外貨預金・外貨MMF・外国為替証拠金取引を含む為替商品、不動産投資信託(REIT)・上場投資信託(ETF)・公募投資信託・私募投資信託を含む投資信託商品、ラップ口座を含む投資一任商品、金を含む実物資産商品、クラウドファンディング・P2Pレンディング・ソーシャルレンディングを含む新金融サービス商品、MMF・MRFを含む証券金融商品である
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の金融資産形成システム。
【請求項9】
前記定期性預貯金が、郵便貯金、スーパー定期預金、大口定期預金、変動金利定期預金、積立定期預金、定期積金、譲渡性預金を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の金融資産形成システム。
【請求項10】
前記金融商品の購入額或いは前記定期性預貯金口座への積立額が、定額又は支出金額に対する比率で算出される額である、
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の金融資産形成システム。
【請求項11】
前記トリガーとなる項目が消費支出である場合の前記金融商品の購入額或いは前記定期性預貯金口座への積立額が、100円単位又は1000円単位で支払ったと仮定した際のおつりの額である、
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の金融資産形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ユーザーが事前に決定した項目をトリガーとして金融商品の購入或いは定期性預貯金口座への積立を自動的に行う金融資産形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
総務省が5年に一度実施する「全国消費実態調査」によれば、最近の若年層は全体として可処分所得が増加しているにも拘わらず、様々な要因によってお金を使わず、預貯金や有価証券などの金融資産を増やす傾向にある。全体としては消費を抑制する傾向にある一方、浪費癖によって全く貯蓄が出来ない若者もまた数多く存在する。
【0003】
特に、仕事もプライベートも忙しい若年層にとっては、常日頃から資産形成をしっかりと行っている者であっても、金融商品の購入手続きや貯蓄手続きは面倒である。とりわけ浪費癖のある若者にとっては、資産形成の必要性は感じつつも面倒な手続き等によって更に敬遠しがちになる。まとまった資金を持たない20〜30歳代の若年層にとって、日々のこつこつとした資産形成がまさに自身の将来にとって極めて有効な方法の一つである。
【0004】
こうした者を念頭に米国のAcorns社は、一般に流通しているクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードなどの決済カードにて個人が決済行為を行った際、その使用した金額を切り上げたときに得られる差分(おつり額に相当)を、自動的に投資に回すというサービスを提供しており、日本でも同様のサービスが開始されようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−64083号公報
【発明の概要】
【0006】
本願発明は、こうした従来型の金融資産形成サービスを更に利便性よく、かつ更に楽しみながら効率よく行えるようにすることを目的とするものである。
【0007】
上記目的を達成するため、本願発明は、ユーザーが事前に決定した項目をトリガーとして金融商品の購入或いは定期性預貯金口座への積み立てを自動的に行う金融資産形成システムであって、ユーザー端末と、当該ユーザーが所有する普通性預貯金口座或いは証券口座と、前記ユーザー端末とインターネット接続される管理サーバーと、前記ユーザー端末上から前記金融商品の購入或いは前記定期性預貯金口座への積み立てを自動的に行うトリガーとなる項目及び前記金融商品の購入額或いは前記定期性預貯金の口座への積立額をユーザー自身が決定可能なウェブサイトと、前記管理サーバー内に構築されユーザーの個人情報及びユーザーが前記ウェブサイト上で決定した情報が記録されるユーザーデータベースとを備え、前記管理サーバーが前記トリガーとなる項目の実施情報を受信した場合、前記ユーザーデータベースに記録された情報に従って、前記普通性預貯金口座或いは前記証券口座から引き落とした金員をユーザー自身が事前に決定した前記金融商品の購入或いは前記定期性預貯金口座への積立に自動的に充てる、ことを特徴とする。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
米国のAcorns社が開発したサービスは便利なサービスであるものの、クレジットカード等を使用した消費支出行為に限定され、かつ少額のおつり相当額しか資産形成に回されないため、サービス内容及びその範囲が非常に狭く利用価値が小さいサービスとなっている。
【0009】
また、消費者が老後の生活に備える貯蓄を自ずと行うことができ、かつ貯蓄に対し負担を感じることなく長期に亘り続けることができる自動貯蓄システムとして、消費者が物品の購入やサービスを受けたとき、これらの商品代金における所定割合の現金や現金と同じ価値を有するポイントデータを、消費者指定の預金口座やポイントデータファイルなどに自動で蓄積できるようにした自動貯蓄システムも提案されているが(特許文献1参照)、やはりそのサービス内容は限定的で利用価値は小さいものであった。
【発明の効果】
【0010】
本願発明によれば、サービス利用するユーザー自らが金融資産形成を行うトリガーとなる項目を適宜に決定することができる。例えば、頻繁に買い物をする者や頻繁に居酒屋通いする者は、買い物をした行為や飲食をした行為をトリガーとして設定することにより、実際に買い物や飲食をした情報をもとに自動的(強制的)に金融資産形成を行うことができる。また例えばパチンコや競馬を趣味とする者は、パチンコ店への入店や競馬場訪問をトリガーとして設定することにより、スマホ等のGPS機能を利用してパチンコ店への入店や競馬場への訪問を自動判定し、この情報に基づいて自動的(強制的)に金融資産形成を行うことができる。さらに高齢者等の場合には、ウェアラブル端末やIoT体重計等のIoTデバイスを利用し、一日の歩数等の運動量や体重、血圧、尿酸値等の生体情報をトリガーとして設定することにより、ウェアラブル端末から送信される情報をもとに自動的(強制的)に金融資産形成を行うことができる。すなわち、各ユーザーが、自分自身の行動パターンや生活習慣等をもとにして、自ら決定した行為等をトリガーとすることにより、浪費癖があり性格的にルーズな者にとっては強制的な資産運用をサポートし、またしっかり者にとっても遊び感覚を入れながら、楽しく、こつこつと効率よく金融資産形成を行うことができる。
【0011】
また、金融商品の購入額や定期性預貯金口座への積立額を定額とするか、或いは支出消費額に対する一定割合とするか、或いはおつり相当額とするかを各ユーザーが適宜に決定することができるため、例えば居酒屋やパチンコ店への入店の際の積立額を「自分への罰金」として1万円とするなど、金融資産形成を浪費に対する罰として楽しみながら行うことができる。
【0012】
さらに、金融資産をハイリスク・ハイリターンの金融商品とするか、或いはローリスク・ローリターンの国債や定期性預貯金とするかも、ユーザーが自ら適宜に決定できる。例えば消費支出をトリガーとする際には、100円単位で支払ったと仮定した際のおつり相当額をハイリスク・ハイリターンの金融商品購入に充て、競馬場への訪問をローリスク・ローリターンの1万円の定期性預貯金とするなど、トリガーの性質によって、或いは積立額の多寡に応じて、リスク分散させつつ金融資産を自動的に形成することができる。
【0013】
なお本願発明は、主として20〜30歳代の若年層へのサービスを念頭においたシステムであるが、もちろん熟年層、高齢者層にとっても利用価値の高いシステムであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係るシステム全体構成図
図2】ユーザー登録用画面(その1)
図3】ユーザー登録用画面(その2)
図4】ユーザー登録用画面(その3)
図5】ユーザー登録用画面(その4)
図6】本発明の第2実施形態に係るシステム全体構成図
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本願発明に係る具体的な実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態のシステム全体像であり、資産運用会社内に構築された金融資産形成システムによって実施する例である。
【0016】
まず本システムを利用するユーザーは、自身のユーザー端末1(例えばスマートフォン、パソコン等)から本システムの利用登録を行うためのウェブサイトにアクセスし、必要な情報を登録する。登録したデータは、管理サーバー3に構築されているユーザーデータベース4に記録される。ユーザーデータベース4に記録するデータは、氏名、年齢、住所等の個人を特定する情報の他、ユーザー自身が適宜に決定する資産形成を行うための基本データである(後述)。
【0017】
また本システムを利用するユーザーは、金融機関に普通性預貯金口座2(或いは証券口座)を設けておくことが必須であり、資産運用の原資は、この普通性預貯金口座から自動的に引き落とされる。当該普通性預貯金口座の情報もユーザーデータベース4に記録される。
【0018】
本願発明に係る金融資産形成システムは、管理サーバー3内に構築した実行プログラム5によって運用されるが、具体的な資産形成方法はユーザー自身が登録した上記基本データに従っている。図2〜4は、上記ウェブサイト上から、ユーザー端末1を使用して基本データを登録する例を示している。
【0019】
個人情報及び普通性預貯金口座番号を登録したユーザーは、次に具体的な資産形成方法を決定する。最初に決定する項目は、図2に示すように、自分が何を行った時、或いは自分に何が起きた時をトリガーとして金融資産の形成を自動的に行うかである。図2の例では、ECサイトで買い物をした時をトリガーとして選択した例であり、選択後に「次に」をクリックすると、図3に示すように、金融商品の購入か、或いは定期預金の積立を行うかの選択ページに移動する。
【0020】
図2の例では、ユーザーがトリガーとして決定する項目を予めリストアップし、この中から選択してもらうようにしている。本実施形態では、図示のごとくクレジットカードを利用した買い物、クレジットカードを利用した飲食、ECサイトでの買い物、会社からの給与支払い、競馬場・競輪場・競艇場・オートレース場への訪問、パチンコ・パチスロ店への訪問、ゴルフ場への訪問、一日の歩数、血圧、体重をリストアップしているが、これに限らない。また必要に応じて、選択できるトリガーリストとともに「その他」の欄を設け、トリガーとする項目をユーザー自ら自由に創作して書き込めるようにしても良い。ただしこの場合、書きこんだ項目内容がシステム対応できる内容であることが条件となる。
【0021】
トリガーとなる項目をユーザー自ら創作した項目として書き込めるようにした場合、当該トリガーとなる項目の実施をシステムとして自動判定できるかどうかを運用会社側で判断する。システムで自動的に判定可能であれば、これをユーザー側に伝え、実行できるようにシステムを調整すれば良い。逆に自動判定不可能な場合、ユーザーに対し「当該トリガーは実施不可能」である旨を通知する。あるユーザーが面白いトリガーを設定した場合、その情報を他のユーザーがネット上で共有することにより、このトリガーを多くのユーザーに拡散させることも出来る。
【0022】
また競馬場・競輪場・競艇場・オートレース場への訪問、パチンコ・パチスロ店への訪問、ゴルフ場への訪問等、特定の場所を訪問したことをトリガーとする場合、ユーザー端末1がGPS機能を有しており、システム側がユーザーの居場所を特定できることが条件となる。特定の場所は、GPS機能と地図情報から自動的に判定できる場所であれば、上記の例に限らずどこでも構わない。
【0023】
また一日の歩数、血圧、体重をトリガーとする場合、ユーザー端末1から手入力しても良いが、ウェアラブル端末8やIoT体重計等のIoTデバイスを別途に用意し、ユーザーの運動量や、体重、尿酸値等の生体情報を自動的に管理サーバー3に送信するようにしても良い。なお、例えば一日の歩数をトリガーとする場合、1万歩以上で資産形成する、或いは逆に1万歩以下で資産形成するなど、ユーザーが適宜に決定できるようにすれば良い。体重変化をトリガーとする場合、測定体重が目標体重以上を超えた際に資産形成するようにしても良い。運動量や生体情報は、ウェアラブル端末8やIoT体重計等のIoTデバイスで自動測定可能なものであれば、上記の例に限らず何でも構わない。
【0024】
図3の選択ページの例において、ユーザーが金融商品を選択決定し、「次へ」をクリックすると、図4に示すように、どの金融商品を選択するかのリストページへと移動する。
【0025】
本願発明で言う金融商品とは、例えば、生命保険・損害保険・学資保険・医療保険などの保険商品、個人型確定拠出年金などの年金商品、国債・社債・公募債券・私募債券などの債券商品、上場株式・未上場株式などの株式商品、外貨預金・外貨MMF・外国為替証拠金取引などの為替商品、不動産投資信託(REIT)・上場投資信託(ETF)・公募投資信託・私募投資信託などの投資信託商品、ラップ口座などの投資一任商品、金などの実物資産商品、クラウドファンディング・P2Pレンディング・ソーシャルレンディングなどの新金融サービス商品、MMF・MRFなどの証券金融商品を含むものである。
【0026】
また本願発明で言う定期性預貯金とは、郵便貯金、スーパー定期預金、大口定期預金、変動金利定期預金、積立定期預金、定期積金預金、譲渡性預金などを含むものである。
【0027】
図4の例では、金融商品として「国債」を選択しており、「次へ」をクリックすると、図5に示す購入額の選択ページに移動する。図5の例では、消費支出の5%の定率を選択決定しており、ここで「決定」をクリックすると、本システムに基づく金融資産の自動形成方法が確定する。即ち、このユーザーの例では、ユーザーがECサイトで買い物をした場合をトリガーとして、消費支出額の5%が自動的に国債の購入に充てられ、資産形成されていくことになる。
【0028】
また図4の例において、「実物資産商品」を選択した場合、具体的な商品を特定する必要があるため、例えば、金、プラチナなどの具体的な商品が列挙されたページに移動して選択するようになっている(図示せず)。なお、この場合においても、具体的商品リストの他に、ユーザーが自由に記載できる欄を設けておき、ユーザーが購入を希望する商品を書きこむようにしても良い。図4に例示する商品リスト中、更なる限定が必要な商品を選択した場合は、上記と同様である。
【0029】
図5に示す例では、トリガーとなる項目及び運用資産を更に追加することができるようになっており、「項目追加」をクリックすると図2のページに戻り、図2〜5に示す選択画面を繰り返すことにより、上記した「ECサイトでの買い物→国債購入→消費支出の5%」の他にも、適宜に資産運営方法を追加することができるようになっている。
【0030】
なお、一般に流通しているクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードなどの決済カード、もしくはスマートフォンアプリなどあらゆる決済手段による決済行為をトリガーとする場合、決済カードやアプリなど決済手段提供会社から情報提供を受ける、または収納代行行為を行う業者から情報を受けることにより、実際の消費の有無を把握するようにしても良い。
【0031】
また勤務先の会社からの給与支払いをトリガーとする場合、会社から銀行振り込みが発生した情報を金融機関と連携する、振込者から振り込み情報の提供を受ける、或いはペイロールを担う業者から情報提供を受けることにより、実際の給与支払いの有無を把握するようにしても良い。
【0032】
また実店舗やECサイトなどにて物品やサービスを購入することをトリガーとする場合、店舗やECサイト運営会社とその購入情報を連携することにより、或いはECサイトをスクレーピングすることにより、消費行動を把握するようにしても良い。なお、クレジットカード等を利用する場合には、上記のクレジット情報を利用すれば良い。
【0033】
また競馬場やパチンコ店等への訪問をトリガーとする場合、ユーザー端末1のGPS機能と地図情報との組合せによって特定するが、瞬間的な単なる立ち寄り行為等では資産形成せず、一定時間以上の滞在を確認した後に、競馬場への訪問、パチンコ店への訪問として確定するようにしても良い。
【0034】
本金融資産形成システムは、ユーザーによって決定された項目に従って金融資産を形成していくが、定期性預貯金の積立の場合には銀行等の金融機関に定期性預貯金口座7を開設し、トリガー情報に基づいて当該定期性預貯金口座7に自動的に積立を行うようになっている。またユーザーによって決定された金融資産が金融商品である場合、運用会社が管理する金融商品資産管理ファイル6にて運用を行うようになっている。
【0035】
図6は、本願発明の第2実施形態に係るシステムの全体像である。第1実施形態との違いは、金融資産形成システムをユーザーが普通性預貯金口座2を有している金融機関(銀行)内に構築する点であり、ユーザーによる各項目の決定方法については第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0036】
第2実施形態は、サービスの提供を受けるユーザーが普通性預貯金口座2を有している金融機関がサービスを提供するものであるが、ユーザーが定期性預貯金の積立を選択する場合、図6に示すとおり、自らの銀行の定期性預貯金口座だけでなく、他行の定期性預貯金口座にも積立できるようにしても良い。
【0037】
以上のとおり本願発明によれば、サービス利用するユーザー自らが金融資産形成を行うトリガーとなる項目を、自分自身の行動パターンや生活習慣等をもとにして、自ら決定することができるため、老若男女を問わず、性格的にルーズな浪費癖のある者にとっては極めて有益なサービスであり、またしっかり者にとっても、遊び感覚を入れながら、楽しく、こつこつと効率よく金融資産形成を行うことができる。
【符号の説明】
【0038】
1 ユーザー端末
2 普通性預貯金口座
3 管理サーバー
4 ユーザーデータベース
5 実行プログラム
6 金融商品資産管理ファイル
7 定期性預貯金口座
8 ウェアラブル端末(又はIoT体重計等のIoTデバイス)


図1
図2
図3
図4
図5
図6