特許第6381749号(P6381749)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381749
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】誘導システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 11/18 20060101AFI20180820BHJP
   B60L 3/00 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   B60L11/18 C
   B60L3/00 N
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-138538(P2017-138538)
(22)【出願日】2017年7月14日
(62)【分割の表示】特願2015-552008(P2015-552008)の分割
【原出願日】2013年11月28日
(65)【公開番号】特開2017-195773(P2017-195773A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2017年8月7日
(31)【優先権主張番号】1300402.3
(32)【優先日】2013年1月10日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513208973
【氏名又は名称】ジャガー・ランド・ローバー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JAGUAR LAND ROVER LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マーク・マクナリー
【審査官】 清水 康
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−039743(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0091959(US,A1)
【文献】 特開2012−095494(JP,A)
【文献】 特開2004−291865(JP,A)
【文献】 特開2008−296791(JP,A)
【文献】 特開2010−256974(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0095617(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 − 3/12
B60L 7/00 − 13/00
B60L 15/00 − 15/42
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車におけるシステムであって、
車両充電ステーションに対する自動車の相対的な位置及び/又は向きを示すデータを受信するように動作可能なコントローラにして、該コントローラにはケーブルの第1長さを示すデータが与えられ、かつ、該受信したデータ及び前記与えられたデータに応じて、ケーブルの前記第1長さが、該自動車と該車両充電ステーションとの間で充電接続が確立される程度に十分に長いかどうかを決定するように動作可能なコントローラと、
該ケーブルの前記第1長さが十分に長いかどうかを示す出力をユーザに提供するための出力手段とを備えるシステム。
【請求項2】
前記コントローラが1以上の所定の経路部分を含む、充電接続を確立するケーブル経路の長さを決定するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラが1以上の所定の経路部分を除外する、充電接続を確立するケーブル経路の長さを決定するように動作可能である、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、ケーブル経路が前記自動車の所定の周囲境界の外部にあるようにケーブル経路の長さを決定するように動作可能である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記所定の周囲境界が前記自動車のホイールベース、随意的に前記自動車の設置面積を囲むように構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラが前記自動車と車両充電ステーションとの間の最短ケーブル経路を決定するように動作可能である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラが、該コントローラによって受信された位置データに応じて前記車両充電ステーションに対する前記自動車の相対的な位置及び向きを決定するように動作可能である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記位置データが、少なくとも2つのそれぞれ異なる方位での自動車からの車両充電ステーションの方位又は車両充電ステーションからの自動車の方位と、車速と、車両軌跡と、自動車が前進方向又は後進方向に移動しているかどうかとに相当する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
車両充電ステーションが前記自動車の第1範囲内にあると決定されたときに前記ケーブルが十分に長いかどうかを実質的に連続的に決定するように動作可能である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記自動車の現在位置及び車両充電ステーションの位置に関するデータと、車両充電ステーションから受信される無線信号と、該自動車の外部環境画像と、対象物距離測定モジュールにより検出された該自動車からの1以上の対象物の距離に相当するデータとの中から選択される少なくとも一つを参照することによって、該車両充電ステーションに対する該自動車の相対的な位置及び向きを決定するように動作可能であり、ここで、該対象物距離測定モジュールは、該モジュールによって放射され、そして該対象物によって該モジュールに反射した放射物を検出し、それによって対象物距離を測定するように動作可能なモジュールである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記自動車と前記車両充電ステーションとの間に充電接続を確立するのに必要なケーブルの量が増加又は減少しているか否かについてユーザに表示を与えるように動作可能である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
該システムが外部源から前記車両充電ステーションに対する前記自動車の相対的な位置及び向きに相当するデータを受信するように動作可能である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記車両充電ステーションに対する前記自動車の相対的な位置及び向きに相当するデータを生成するための1個以上のセンサ又は1個以上の検出器を備える、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載のシステムを備える自動車。
【請求項15】
車両充電ステーションに対する自動車の相対的な位置及び/又は向きに相当するデータに応じて、前記自動車内のコントローラに与えられたケーブルの所定の長さが前記自動車と車両充電ステーションとの間に充電接続を確立させるのに十分に長いかどうかを、前記コントローラによって決定すること、及び、
ユーザに該ケーブルが十分に長いかどうかを示す出力を提供することを含む方法。
【請求項16】
1個以上のセンサ又は1個以上の検出器から、前記車両充電ステーションに対する前記自動車の相対的な位置及び向きに相当するデータを生成することを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、誘導システム及び方法、特に(ただし排他的ではない)、プラグイン電気自動車又はハイブリッド電気自動車用の誘導システム及び方法に関する。本発明の態様は、システム、車両及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
バッテリ充電動作を達成するために、ケーブルを介して電気充電ステーションに接続可能なプラグイン電気自動車又はハイブリッド電気自動車を提供することが知られている。ケーブルは、一方の端部で充電ステーションに接続可能で他方の端部で車両に接続可能な別個の物品である場合がある。ユーザは、充電ステーションの電源コンセントに一方の端部を接続し、車両の電源差し込み口に他方の端部を接続することが必要である。いくつかの別の設計では、充電ケーブルは、車両に恒久的に接続され、それによって保持され、又は充電ステーションに恒久的に接続されるように構成される場合がある。ケーブルは、ドラムなどに進退自在に格納できる。
【0003】
異なる場所で充電ステーションを使用する場合に、ユーザは、利用可能なケーブル長さで充電接続をすることができることを確保するのに適切な位置及び適切な向きに車両を配置することの困難さを経験する場合がある。いったん駐車すると、ユーザは、ケーブルの長さが適切な充電接続を確立するのには不十分なため充電接続を確立することができないことがある。したがって、ユーザは、車両の位置を変更するための要件によって不便を強いられる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが充電操作を行うことができる容易さを改善することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明の実施形態は、特許請求の範囲を参照して理解できる。
【0006】
本発明の態様は、システム、車両及び方法を提供する。
【0007】
保護が求められる本発明の一態様では、次のものを備える自動車用のシステムが提供される:
車両充電ステーションに対する車両の相対的な位置及び向きに相当するデータを受信し、かつ、該受信したデータに応じて、ケーブルの第1長さが、車両と充電ステーションとの間で充電接続が確立される程度に十分に長いかどうかを決定するように動作可能なコントローラ;及び、
該ケーブルの第1長さが十分に長いかどうかを示すアウトプットをユーザに提供するための出力手段。
【0008】
充電ステーションに対する車両の相対位置及び向きに相当するデータは、コントローラが充電ステーションに対する車両の相対位置及び向きを決定することができるデータであることができることを理解すべきである。あるいは、このデータは、例えば充電ステーションからの車両の方位及び充電ステーションから車両までの距離を提供するデータであることができる。車両の向きは、車両の長手方向軸と車両から充電ステーションまでの仮想線との間の角度に相当することができ、この角度は、充電ステーションからの車両の方位から決定される。また、他の構成も有用である。
【0009】
本発明の実施形態は、ユーザが、車両から離れ充電ステーションに車両を接続しようとする前に自分の車両が充電接続を確立する程度に充電ステーションに十分に近いことを確信することができるという利点を有する。これは、ユーザが車両を駐車し、そして充電ステーションに車両を接続しようとした後に車両が十分に近くないことに気付くことにより不便を強いられるという問題を回避する。
【0010】
ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)などの電動駆動能力を有するいくつかのプラグイン自動車は、その車両が、充電接続を確立するために、その方向に応じて比較的小さな領域内に駐車しなければならない程度に十分に大きいことを理解すべきである。本発明の実施形態は、ユーザが充電ポイントの十分に近くに車両を駐車しないことによって不便を強いられるリスクを大幅に軽減する。
【0011】
コントローラは、1以上の所定の経路部分を含む、充電接続部を確立するケーブルの経路の長さを決定するように動作可能である。
【0012】
コントローラは、1以上の所定の経路部分を除外する、充電接続を確立するケーブル経路の長さを決定するように動作可能である。
【0013】
この特徴は、システムが、ケーブルが車両と充電ステーションとの間の経路の実行不可能な又は望ましくない部分に従わなければならない場合には車両が十分に近いことを示さないようにすることができるという利点を有する。例えば、ケーブルが車体の一部を横切ることは、車体が破損する危険があるため望ましくないことがある。さらに、ケーブルが前車軸と後車軸との間の位置で車両の幅を横切ることは、車両の下にケーブルを通すことの困難さのため望ましくないことがある。
【0014】
誤解を避けるために、前後の車軸に対する言及は、軸が車輪を互いに物理的に連結するかどうかにかかわらず、車両の前部又は後部での対応する左右の車輪対に対する言及を含むものとする。
【0015】
コントローラは、ケーブル経路が車両の所定の周囲境界の外部にあるようにケーブル経路の長さを決定するように動作可能である。
【0016】
周囲の境界は、車両の設置面積に相当する領域を取り囲むことができる。したがって、ケーブル経路は、車両の一部の下に渡すのではなく、車両の設置面積の外側に残存するように配置できる。
【0017】
任意に、コントローラは、所定の周囲境界が車両のホイールベース、任意に車両の設置面積を囲むように構成される。
【0018】
言い換えれば、このシステムは、ケーブル経路が車両の車軸間の車両幅を横切らないように構成できる。誘導システムによってなされる決定の目的のためにケーブルを車両幅を横切って通す必要がある場合には、これは、車両の最前部ホイールの前方位置若しくは最後部ホイールの後方位置(この場合には、周囲境界は、設置面積ではなくホイールベースを取り囲む)又は車両の最前部分の前方位置又は車両の最後部分の後方位置(この場合には、周囲の境界は車両の設置面積を取り囲む)でそうすると仮定できる。
【0019】
そのため、周囲境界がホイールベースを取り囲む実施形態では、ケーブルは、車両の前部又は後部で車両張出前輪又は後輪の部分の下を通ることができる。この特徴は、ケーブル130によって、車両120近くの歩行者がつまずく危険性を少なくすることができるという利点を有する。
【0020】
コントローラは、車両と充電ステーションとの間の最短ケーブル経路を決定するように動作可能である。
【0021】
このシステムは、ケーブルの曲げがケーブル経路に従うことが要求される場合に、ケーブルの許容曲げ半径の値を考慮するように構成できる。したがって、必要なケーブルの長さは、ケーブルが実質的に90°の角度で急激に曲げることができると考えられていた場合には、それとは異なっていてよい。
【0022】
コントローラは、コントローラによって受信された位置データに応じて充電ステーションに対する車両の相対的な位置及び向きを決定するように動作可能である。
【0023】
任意に、位置データは、少なくとも2つのそれぞれ異なる方位での車両からの充電ステーションの方位又は充電ステーションから車両の方位;車速;車両軌跡;車両が前進方向又は後進方向に移動しているかどうかに相当する。
【0024】
したがって、いくつかの実施形態では、コントローラは、充電ステーションからの車両の距離ではなく方位に相当するデータを受信するように動作可能である。コントローラは、地面での車両の時間に応じた移動を追跡し、そして車両のそれぞれ異なる複数の方位での充電ステーションからの車両の方位を決定することにより、充電ステーションから車両までの距離を計算するように構成できる。この情報に基づいて充電ステーションに対する車両の相対位置及び向きを決定するために比較的簡単な三角計算をすることができると理解すべきである。
【0025】
位置データは、少なくとも2つのそれぞれ異なる時間での車両からの充電ステーションの方位又は充電ステーションから車両の方位;車速;車両軌跡;及び車両が前進方向又は後進方向に移動しているかどうかに相当することができる。
【0026】
このシステムは、充電ステーションが車両の第1範囲内にあると決定されたときにケーブルが十分に長いかどうかを実質的に連続的に決定するように動作可能である。
【0027】
第1範囲とは、システムが車両からの充電ステーションの方位又は充電ステーションからの車両の方位を決定することができる任意の範囲であると定義できる。
【0028】
このシステムは、車両の現在位置及び充電ステーションの位置に関するデータ;充電ステーションから受信される無線信号;車両外部環境画像;及び対象物距離測定モジュールにより検出された車両からの1以上の対象物の距離に相当するデータの中から選択される少なくとも一つを参照することによって、充電ステーションに対する車両の相対的な位置及び向きを決定するように動作可能であり、ここで、この対象物距離測定モジュールは、モジュールによって放射され、そして対象物によってモジュールに反射した放射物を検出し、それによって対象物距離を測定するように動作可能なモジュールである。
【0029】
対象距離測定モジュールは、例えば、レーダ又は超音波放射送信/検出モジュールを備えることができる。このモジュールは、パーキングセンサを設けることができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、システムは、車両が全地球測位衛星(GPS)システム、汎用パケット無線サービス(GPRS)システム又は任意の他の適切な位置決定システムから得られる位置情報を参照して充電ステーションの所定の範囲内にあるかどうかを決定できると理解すべきである。代わりに又はそれに加えて、このシステムは、車両が所定の範囲内にあるかどうかを決定するために、充電ステーションによって送信され、かつ、車両の受信機によって受信された信号を受信するように構成できる。この信号は、ブルートゥース(登録商標)信号、Wi−Fi信号又は任意の他の好適な信号といった短距離無線信号とすることができる。
【0031】
いくつかのさらなる実施形態では、加えて又はその代わりに、システムは、車両が車両に搭載されたカメラで撮影した画像を参照して所定の範囲内にあるかどうかを決定するように動作可能である。このシステムは、充電ステーション又は撮影された画像で検出される充電ステーションに関連付けられたアイコンなどの対象若しくは画像を識別するように構成できる。いくつかの実施形態では、加えて又はその代わりに、このシステムは、パーキングセンサモジュールなどの上記対象物距離測定モジュールを使用するように構成できる。このモジュールは、例えば、充電ステーションに関連付けられた充電ステーション又は対象物からの車両の距離を検出するためにレーダ信号又は超音波放射を使用することができる。
【0032】
このシステムは、車両が充電ステーションの所定の範囲内にあるか否かを決定することの信頼性を高めるために、上記方法の2以上といった2以上の異なる方法によって得られた充電ステーションと車両との相対位置に関するデータを関連付けるように構成できる。
【0033】
システムは、車両と充電ステーションとの充電接続を確立するのに必要なケーブルの量が増加又は減少しているか否かについてユーザに表示を与えるように動作可能である。
【0034】
この特徴は、ユーザが車両を操縦するときに、ユーザが車両の位置、軌道及び/又は速度を調節し、それによって車両を充電接続を確立するのに充電ステーションの十分近くに便利に配置することができるという利点を有する。これは、ユーザが充電接続を確立するために充電ステーションの十分に近くに車両を運転するが、ただし、その後充電接続の範囲外に移動する「セイルパスト」の危険性を低減させることができると理解すべきである。
【0035】
システムは、外部源から充電ステーションに対する車両の相対的な位置及び向きに相当するデータを受信するように動作可能である。
【0036】
システムは、充電ステーションに対する車両の相対的な位置及び向きに相当するデータを生成するための1個以上のセンサ又は1個以上の検出器を備えることができる。
【0037】
コントローラは、第1長さを示すデータを備えることができる。
【0038】
保護が求められる本発明の更なる態様では、前述の態様に係るシステムを備える車両が提供される。
【0039】
保護が求められる本発明の一態様では、充電ステーションに対する車両の相対的な位置及び向きに相当するデータに応じてケーブルの所定の長さが自動車と充電ステーションとの間に充電接続を確立させるのに十分に長いかどうかをコントローラによって決定し;ユーザに、該ケーブルが十分に長いかどうかを示す出力を与えることを含む方法が提供される。
【0040】
この方法は、1個以上のセンサ又は1個以上の検出器から、充電ステーションに対する車両の相対的な位置及び向きに相当するデータを生成することを含むことができる。
【0041】
本願の範囲内で、前段落、請求の範囲及び/又は以下の説明及び図面に示される様々な態様、実施形態、実施例及び選択肢、特にその個々の特徴は、独立して又は任意の組み合わせでなされることが明示的に意図される。一実施形態に関連して説明した特徴は、このような特徴が矛盾しない限り、全ての実施形態に適用可能である。
【0042】
誤解を避けるために、本発明の一態様に関して説明される特徴は、本発明の任意の他の態様内に、単独で又は1以上の他の特徴と適宜組み合わせて包含され得ると理解すべきである。
【0043】
ここで、本発明の1以上の実施形態を、添付の図面において単に例示として示される実施形態を参照しながら、単なる例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1図1は、一方の側から見たときの、充電ケーブルにより車両の前方で充電ステーションに連結された本発明の実施形態に係る車両の概略図である。
図2図2は、充電ステーションに対する2つの異なる位置での図1の車両の概略平面図である。
図3図3は、図1に示す位置での図1の車両の概略平面図である。
図4図4は、車両の側面において前方左輪のそばで充電ステーションに接続され、ケーブルが車両の周囲境界に沿って設置面積外に車両の前方にわたされた図1の車両の概略平面図である。
図5図5は、車両が車両の側面において前方左輪のそばで充電ステーションに接続され、ケーブルが車両の周囲境界に沿って車両前方の周りに渡されている、図4に示す位置での図1の車両の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
詳細な説明
図1は、本発明の実施形態に係る車両120を示す。車両120は、車両120の前方に配置された充電ステーション110に隣接して駐車していることが示されている。車両120は、2個の後輪121R及び2個の操縦可能な前輪121Fを有する。
【0046】
図1の実施形態では、車両120は、車両120の右側の後部右輪121Rの上に位置する充電ソケット122を有する。充電ソケット122は、充電ケーブル130の一方の端部に取り付けられたプラグ132Pに接続されるように示されている。
【0047】
車両120は、誘導システムコントローラ123を有しており、これは、演算手段又は演算装置の形とすることができ、車両120のユーザに、充電ケーブル130が車両120と充電ステーション110との間の充電接続を確立するために車両120が充電ステーション110に十分に近い位置にあるかどうかの指示を与えるように動作可能である。
【0048】
コントローラ123は、車両120の屋根に取り付けられたアンテナモジュール123Aから無線信号を受信するように構成されている。コントローラ123は、アンテナモジュール123Aから受信された信号に基づいて、充電ステーション110からの車両120の方位を決定するように構成される。多数の様々な既知の無線航法技術を使用して、充電ステーション110からの車両120の方位を決定することができることを理解すべきである。本実施形態では、用語「方位」とは、車両120の長手方向軸線L(図2)と車両120から充電ステーション110までの仮想線との間の角度を意味する。
【0049】
また、コントローラ123は、車両速度、車両軌跡及び車両120が前進方向又は後進方向に移動しているかどうかに相当するデータを受信するように構成される。
【0050】
このデータは、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス125Bからコントローラ123によって読み取られる。CANバス125Bは、それに接続されたコントローラが互いにデータを共有することを可能にする。本例では、誘導システムコントローラ123は、パワートレインコントローラ125PによってCANバス125B上に公開される車両速度及び選択されたギアに相当するデータを受信する。選択されたギアから、コントローラ123は、車両120が前進又は後進方向に移動しているかどうかを決定することができる。また、コントローラ123は、ステアリングコントローラ125SによるCANバス125B上に公開された操縦可能な車輪の角度を示すデータを受信する。
【0051】
図2は、誘導システムコントローラ123が車両120及び充電ステーション110の相対位置を決定する方法を示す。車両120が充電ステーション110に移動すると、位置L1において、車両アンテナモジュール123Aは、充電ステーションアンテナ110Aによって送信された無線信号を受信し、そして車両長手方向軸線Lと長さR1の車両120から充電ステーション110までの仮想線との角度θ1の値を決定する。誘導コントローラ123は、車速、軌道及び車両120が前進方向又は後進方向に移動しているかどうかを監視する。位置L2において、誘導コントローラ123は、同様に、車両長手方向軸線Lと充電ステーション110までの仮想線、この場合長さR2との角度θ2の値を決定する。θ1及びθ2の測定値、位置L1とL2との間の地面にわたる車両120の経路の知識に基づいて、誘導コントローラ123は、充電ステーション110に対する車両120の相対的な位置及び向きを決定することができる。図1の実施形態では、コントローラ123は、位置L1から位置L2までの移動時間にわたる車両速度及び車両軌跡に基づいて、位置L1とL2との間の直線距離D1を決定する。その後、コントローラ123は、θ1、θ2及びD1の値から、位置L2での車両120と充電ステーション110との間の距離R2を計算する。位置L2での車両120の向きは、θ2の値を参照することにより決定される。
【0052】
本実施形態では、コントローラ123は、磁北に対する車両120の長手方向軸Lの角度を示すデータも受信する。このデータ及び充電ステーションに対する充電ステーション充電ソケット112の位置の知識から、コントローラ120は、充電接続を確立するのに必要なケーブル130の長さをさらに正確に決定することができる。
【0053】
例えば、コントローラ123は、充電ケーブル130を磁北又は真北などの任意の他の好適な基準に対して充電ステーション充電ソケット112に接続することが必要な方向に相当するデータを備えることができる。コントローラ123は、充電接続を確立するのに必要なケーブル130の長さを決定する際にこれを考慮するように構成できる。
【0054】
いくつかの実施形態では、コントローラ123は、コントローラ123が充電ステーション110により送信された信号を受信することができるときはいつでも、充電ステーション110から車両120の距離R及び充電ステーション110に対する車両120の向きθを繰り返し決定するように構成できる。
別の実施形態では、誘導システムコントローラ123は、車両120の単一の位置で充電ステーションから受信した無線信号から、充電ステーション110から車両120の距離並びに車両120からの充電ステーション110(又はその逆)の方位を決定することができる。
【0055】
本実施形態では、充電ステーション110は、車両用アンテナモジュール123Aによって検出される、アンテナ110Aからの近距離無線信号を送信するように構成されている。誘導システムコントローラ123は方位データを決定することを可能にするのみならず、ステーション110もこの信号により充電ステーション110の識別に相当する識別子を符号化する。識別子は、充電ステーション110の地理的座標などの位置情報(例えば、緯度及び経度のデータ)を備えることができる。いくつかの実施形態では、誘導システムコントローラ123は、例えば、充電が許可されるかどうかを示す、充電ステーションによって送信されたデータに応答して又は充電が許可される充電ステーションのデータベースを参照することによって、充電ステーション110での充電が許可されるかどうかを決定するように動作可能である。また、他の構成も有用である。
【0056】
信号が複数のステーション110から受信される場合には、コントローラ123は、充電ステーション110により送信された識別子に従って充電ステーションの所定の一つを選択するように動作可能である。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ123は、ユーザの住居、仕事場所などに相当する充電ステーションを選択することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ123は、所定の時点で車両120に最も近い充電ステーション110を選択するように動作可能である。
【0057】
いくつかの実施形態では、コントローラ123は、充電ステーション110により車両120を充電するコストに相当するデータを受信することができる。例えば、このデータは、充電ステーション110のオペレータによって課されるコスト、例えば充電の単位当たりのコスト+任意の駐車料金又は充電ステーション110の使用に関連する他の料金を示すことができる。誘導システムコントローラ123は、車両HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)ディスプレイ123Dによってユーザに対応する表示を提供するように構成できる。コントローラ123は、いくつかの実施形態では、車両がバッテリ充電状態(SoC)に基づいて受信(又はダウンロード)するのにどれくらいの料金が必要なのかを決定し、充電ステーション110によって送信されるコストデータに基づいて予想コストに関する表示をユーザに提供するように構成することができる。
【0058】
誘導システムコントローラ123がアンテナモジュール123Aによって受信された信号に基づいて充電ステーション110の存在を検出したときに、コントローラ123は、充電ステーション110が検出されたとの表示を車両120のユーザに提供するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラ123は、ユーザに充電ステーション110の位置表示を提供するように動作可能である。コントローラ123は、適宜ユーザを充電ステーション110に導くために経路案内情報を提供するように動作可能である。
【0059】
図3は、図1に示した位置における車両120の平面図を示す。この位置で及び図1に示したケーブルの構成において、ケーブル130は、車両充電ソケット122から地面101まで長さdhvの落差を有する。その後、ケーブル130は、地面101に沿って車両120の前方隅CFRの周囲に充電ステーション110の充電ソケット112のすぐ下の位置まで走る。ケーブル130は、ケーブル130の第2自由端部に設けられた第2プラグ134Pにより充電ステーション充電ソケット112に接続するように略垂直に上向きに立ち上がる。充電ステーション110では、ケーブル130は、充電ソケット112から地面101まで長さdhsの落差を有する。図1から、充電ソケット112は、車両の長手方向軸Lに対する車両充電ソケット122の前方に距離dlongcsで配置されていることが分かる。
【0060】
本実施形態では、コントローラ123は、充電ケーブル130の利用可能な長さが車両充電ソケット122から充電ステーション充電ソケット112に到達するのに十分な長さであるかどうかを決定するように構成されている。コントローラ123は、ケーブルがソケット112と122との間の最短承認経路をたどることに基づいて充電ソケット112と122との間のケーブル130の必要な長さを決定することによってこれを達成する。
【0061】
本実施形態では、コントローラ123は、ケーブルが(1)車両充電ソケット122から地面に略垂直に直接落下し;(2)車両120の周囲境界PBに沿って移動し(図3);(3)地面にわたって、周囲境界から充電ステーション110に周囲境界PBに対して略垂直の方向に実質的に直接に移動し;及び(4)充電ステーション充電ソケット112に対して略垂直に立ち上がることを必要とする経路に沿って必要な長さを算出する。他の構成も有用であることを理解すべきである。
【0062】
周囲境界PBは、車両を、車両120の設置面積外の距離dsで取り囲む地面101上の仮想線によって画定される。本実施形態では、dsは実質的に0.1mの値を有するが、他の距離(ゼロ距離を含む)も有用である。車両120の設置面積とは、車両120に、実質的に平行な照明垂直光線を上から照射した場合に影が地面101上に落とされることになる領域であるが、ただし、車両120の任意のウイングミラーの位置などに相当する領域を除くものと定義される。
【0063】
本実施形態では、周囲境界PBに沿った及び/又はその周りの経路は、周囲境界PBから充電ステーション110の充電ソケット112まで走るケーブル130の一部が利用可能な最短距離である距離にわたって走るように選択される。これは、周囲境界には位置しないケーブル130の量を減少させるためである。図1及び図3のケーブル構成は、この構成を示す。
【0064】
図3からわかるように、車両120の右側に沿って走る周囲境界PBの長手方向部PBLから充電ステーション充電ソケット112の量dlatcsの横方向のずれのため、ケーブル130は、車両充電ソケット122から車両120の前方右隅CFRの周囲に車両120の前方にある位置A1まで車両120の周辺境界PBをたどり、その後、周辺境界PBに対して略垂直な線に沿って充電ステーション110まで走る。
【0065】
コントローラ123は、選択された経路の長さを決定し、これがコントローラ123に知られている充電ケーブル130の利用可能な長さ未満であるか又はそれに実質的に等しいかどうかを決定する。ケーブル130が十分に長い場合には、コントローラ123は、対応する指示をユーザに与える。コントローラ123がケーブル130の必要な長さを決定するために、コントローラ123は、車両充電ソケット122から地面101に対して略垂直下方の距離dhv;充電ステーションソケット112から地面101に対して略垂直下方の距離dhs;車両充電ソケット122から周囲境界PBの最後部位置までの長手方向距離dlongPBR(ここで、周囲境界PBは、車両120の一方の側から他方まで車両120の後方に外方向に走る);車両充電ソケット122から周囲境界PBの最前方位置までの長手方向距離dlongPBF(ここで、周囲境界PBは、車両120の一方の側から他方まで車両120の前方に外方向に走る);及び周囲境界PBの一方の長手方向側PBLから他方までの周囲境界dlatPBの横幅に相当するデータを備える。本明細書で説明した本実施形態では、車両120は、略長方形の設置面積を有すると仮定されるため、周囲境界PBは、対応して長方形の形状を有するものとする。周囲境界PBの他の形状もいくつかの実施形態では有用である。
【0066】
いくつかの実施形態では、充電ケーブル130がこのような接続を行うことができる程度に十分に長くないが、ケーブル130が充電ステーション充電ソケット112から周囲境界PBまでの長い経路をたどる場合には十分な長さになるであろう場合には、後者の経路は、コントローラ123によって選択される。このような経路の一例を図3において破線B1で示している。図から分かるように、ケーブル130は、周囲境界PBに沿って車両120の前方右隅CFRの周りで曲がるときに、周囲境界PBをA1位置までたどらせる代わりに、ケーブル130は、充電ステーション110に向かって直接的に略直線で走るように向けられる。したがって、ケーブル130は、充電ソケット122と112の間の経路をたどり、ケーブル130のより短い長さを使用することが必要となると共に、周囲境界PBを貫通しない。例えば車両120のホイール121F、121Rの下敷きになることによってケーブル130がほつれるのを防止するために、周囲境界を貫通するのを避けることが好ましいと理解すべきである。
【0067】
本実施形態では、車両120が充電ケーブル130の利用可能な長さで充電接続を確立するのに充電ステーション110に十分近い場合には充電ステーション110を表す誘導システムディスプレイ123D上のアイコンが緑色に点灯する。
【0068】
さらに、充電接続を確立するのに必要なケーブル130の量が利用可能なケーブルの長さの20%以上である場合の本実施形態では、充電ステーション110を表すアイコンが赤色で点灯する。必要なケーブル130の量が利用可能な長さよりも長いが、ただし利用可能な長さを超えて20%未満である場合には、充電ステーション110を表すアイコンがオレンジ色に点灯する。これは、充電ケーブル130が接続をすることができる程度に十分に長い位置からの車両120の距離をユーザが測定することを可能にする。
【0069】
他の構成も有用である。例えば、ケーブル130の利用可能な長さの他の割合を20%の代わりに使用してアイコンの色を決定することができる。いくつかの実施形態では、利用可能な長さを超えるケーブル130の絶対的な長さを使用してアイコンの色を決定することができる。
【0070】
加えて又はその代わりに、異なる視覚的アイコン、可聴警報又は他の任意の好適な表示などの他の表示の形態を設けてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ123は、車両の現在位置から充電接続を確立するために必要とされる追加のケーブルの量の実際の量の表示を与える(長さの単位、例えばメートル又はフィートで)。この情報は、ユーザが充電接続をすることができる位置に車両120を配置することを支援することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、コントローラ123は、充電接続を確立するのに必要なケーブル130の長さを決定する際に車両120と充電ステーション110との間にある1以上の障害物の存在を考慮するように構成される。1以上の障害物の存在に関するデータを、コントローラ123によってアクセス可能な、及び/又は充電ステーション110に関連付けられた第2演算手段若しくは装置によりコントローラ123に送信される車両120のメモリに保存できる。このデータは、任意にコントローラ123によって使用されるものと同一の無線信号を使用して充電ステーションアンテナ110Aにより車両120に送信して、充電ステーション110からの車両120の方位を決定することができる。
【0072】
図1の実施形態では、コントローラ123は、車両120を充電ステーション110に接続するのに必要なケーブル130の長さを決定するように構成され、ケーブル130の必要な屈曲は所定の半径のものである。この所定の半径は、ケーブル130がケーブル130に重大な損傷を与えることなく繰り返し屈曲できる最小半径に相当し得る。
【0073】
車両アンテナモジュール123Aは、充電ステーション110の方位を決定するために、複数のアンテナ素子を備えることができることを理解すべきである。いくつかの実施形態では、車両120は、充電ステーションの方位を決定するために、複数のアンテナモジュール123Aを備えることができる。
【0074】
図1及び図3に示される構成では、コントローラ123は、充電接続を確立するために、dhv、dlongcs、dlongPBF、dlatcs、(dlongcs−dlongPBF)及びdhsの値を合計して値dtotalを取得することによってケーブル130の必要な長さを計算するように構成できると理解すべきである。また、他の加算演算も有用な場合がある。コントローラ123は、曲げることが必要であるが、所定の最小半径を有する所定の曲率の屈曲で曲げる場合には、ケーブル130が急激には屈曲しないという事実を考慮してdtotalの値を調節することができる。したがって、コントローラ123は、必要な屈曲の数とケーブルが各屈曲部で屈曲する角度とを考慮することができる。
【0075】
dhv及びdhsの値は、曲げが必要な場合には、プラグ132P、134Pの近くでケーブル130の曲げを補うように調節できる。
【0076】
コントローラ123は、課せられる可能性のある任意の追加の制約を与える充電接続を確立するために必要なケーブル130の最短経路を計算するように構成できる。例えば、いくつかの状況では、充電ケーブル130が、いくつかの状況では他のものに優先して一方向に車両120の周囲境界PBに沿って移動することが望ましい場合がある。
【0077】
図4は、車両120が、充電ステーション110が前部左輪121Fの反対側に位置した状態で駐車するシナリオを示している。コントローラ123は、充電ステーション110に対する車両120の位置を決定しており、また、ケーブル130が車両充電ソケット122から充電ステーション充電ソケット112に走る2つの可能な経路が存在することを決定する。
【0078】
図のシナリオでは、ケーブル130は、ケーブル130が車両充電ソケット122から周囲境界PBに沿って充電ステーション充電ソケット110に後方に走る経路をたどる。図1に関連した図4から分かるように、必要なケーブルの長さは、距離dhv、dlongPBR、dlatPB、dlongcs及びdhsの知識に基づいて算出される。
【0079】
図5は、ケーブル130が車両充電ソケット122から周囲境界PBに沿って充電ステーション充電ソケット112まで前方に走る代わりの経路を示す。誘導システムコントローラ123は、この経路を介して充電接続を確立するのに必要なケーブル130の長さを決定するように構成される。コントローラ123は、距離dhv、dlongPBF、dlatPB、dlongcs及びdhsの知識に基づいて、ケーブル130の必要な長さを算出する。距離dlongcsは、周囲境界PBの前進限から、充電ケーブル130が充電ステーション充電ソケット112に向かって立ち上がる周囲境界PBの長手方向部分に沿った位置までの長手方向の距離に相当する。
【0080】
コントローラ123は、ケーブル130の最短長さを必要とする経路がケーブル130の利用可能な長さを使用して充電接続を確立するのに十分に短いかどうかを決定する。この決定を行ったら、コントローラ123は、充電ステーションを表すアイコンの色を上記のように緑、オレンジ又は赤に設定する。
【0081】
いくつかの実施形態では、コントローラ123は、ケーブル130が車両120の一部の下に通すことを可能にする経路について必要なケーブル130の長さを計算するように動作可能である。これが許容されるいくつかの実施形態では、コントローラ123は、ケーブル130が、車両の前輪121Fの最前部の前方の距離ds及び/又は後輪121Rの最後部の後方の距離dsで車両にわたって側方に通る別の周囲境界PB’をたどる経路に必要なケーブル130の長さを計算するように動作可能である。別の周囲境界PB’は、周囲境界PBと同様の経路をたどるように構成できるが、ただし、ケーブルが車両120の幅を横切る場合を除く。dsの値は、上記任意の好適な値、例えば約0.1mの値とすることができる。したがって、寸法dlongPBFに相当する別の周囲境界に関連する寸法dlongPBF’は、図5のシナリオにおけるdlongcsの減少した値の他に、ケーブルの必要な長さを決定するために使用できる。
【0082】
いくつかの実施形態では、コントローラ123は、ケーブル130が車両120の最前部及び最後部の車輪121F、121Rの間の位置で車両120の下に通すことが許容されることに基づいて必要なケーブル長さを決定するように動作可能である。
【0083】
本発明の実施形態は、車両120のユーザが、車両120が利用可能な充電ケーブル130を使用して車両120と充電ステーション110との間に充電接続を確立するのに充電ステーション110の十分近くに現在配置されているかどうかを知ることができるという利点を有する。誘導システムコントローラ123は、車両120に関連する所定の寸法並びにユーザに利用可能な充電ケーブル130の長さを表すデータを備える。この情報及び車両120に対する充電ステーション110の位置の知識に基づき、コントローラ123は、ケーブル130が十分に長いかどうかを決定することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、充電ステーション110に対する車両120の位置を決定するために無線信号を使用することに加えて又はその代わりに、コントローラ123は、車両120の外部環境の画像を取り込むように構成された車両120の1個以上のカメラによって取り込まれた1以上の画像を参照することによって得られたデータを使用するように動作可能であることを理解すべきである。例えば、1個以上のカメラは、車両の前方、車両の後方、車両の側面の環境及び/又は車両120の外部の任意の他の好適な領域の画像を取り込むように配置できる。いくつかの実施形態では、コントローラ123は、充電ステーション110の1以上の特性を参照することにより、充電ステーション110の存在を認識するように動作可能である。いくつかの実施形態では、コントローラ123による取り込み画像で認識できる識別子、例えばQRコード(登録商標)その他のシンボル又はアイコンを充電ステーション110に取り付けることができる。利用可能な場合には、1以上の駐車センサなどの車両120に関連する場合がある1以上の他のセンサを使用することができる。
【0085】
本発明の実施形態は、車両120が充電接続を行うために充電ステーション110に十分に近いかどうかの表示を運転者に与えることができるという利点を有する。これは、充電接続を確立するのに充電ステーション110の十分近くに車両120を駐車していないことを発見するためのみにユーザが車両120を出る状況が発生することを防止する。
【0086】
いくつかの実施形態では、コントローラ123は、ユーザに対して案内情報、例えば、充電接続を確立するのに必要な又は賢明な充電ステーション110に対する車両120の向きに関する表示を提供するように動作可能である。いくつかの実施形態では、コントローラ123は、許容可能な経路が存在し、充電ステーション110に車両120を接続することが可能かどうかの表示をユーザに提供することができ、ここで、許容可能性は、経路の長さが利用可能なケーブル130のそれを超えないという要件に加えて、1以上の規則に関して決定される。例えば、特定の充電ステーションの位置では、ケーブル130は、充電ステーション110が配置される車両120の側に最短経路をたどらなければならないという規則或いはケーブル130が車両120の前及び/又は後ろを通っていなくてもよいという規則を規定することができる。これに加えて又はその代わりに他の規則を課してもよい。規則は、例えば法律によって、充電ステーションのオペレータ、車両運転者又は他の任意の物体によって規定できる。
【0087】
本発明の実施形態は、以下の番号を付した項を参照することによって理解できる:
【0088】
1.自動車用の誘導システムであって、
車両充電ステーションに対する車両の相対的な位置及び向きに相当するデータを受信し、かつ、該受信したデータに応じて、ケーブルの第1長さが、車両と充電ステーションとの間で充電接続が確立される程度に十分に長いかどうかを決定するように動作可能な演算装置;及び
該ケーブルの第1長さが十分に長いかどうかを示すアウトプットをユーザに提供するための出力装置
を備えるシステム。
【0089】
2.前記演算装置が1以上の所定の経路部分を含む、充電接続を確立するケーブルの経路の長さを決定するように動作可能である、第1項に記載のシステム。
【0090】
3.前記演算装置が1以上の所定の経路部分を除外する、充電接続を確立するケーブル経路の長さを決定するように動作可能である、第1項に記載のシステム。
【0091】
4.前記演算装置は、ケーブル経路が車両の所定の周囲境界の外部にあるようにケーブル経路の長さを決定するように動作可能である、第1項に記載のシステム。
【0092】
5.前記演算装置は、前記所定の周囲境界が前記車両のホイールベース、任意に該車両の設置面積を囲むように構成される、第1項に記載のシステム。
【0093】
6.前記演算装置が前記車両と充電ステーションとの間の最短ケーブル経路を決定するように動作可能である、第1項に記載のシステム。
【0094】
7.前記演算装置が、該演算装置によって受信された位置データに応じて前記充電ステーションに対する前記車両の相対的な位置及び向きを決定するように動作可能である、第1項に記載のシステム。
【0095】
8.前記位置データが、少なくとも2つのそれぞれ異なる方位での車両からの充電ステーションの方位又は充電ステーションからの車両の方位;車速;車両軌跡;及び車両が前進方向又は後進方向に移動しているかどうかに相当する、第7項に記載のシステム。
【0096】
9.充電ステーションが前記車両の第1範囲内にあると決定されたときに前記ケーブルが十分に長いかどうかを実質的に連続的に決定するように動作可能である、第1項に記載のシステム。
【0097】
10.前記車両の現在位置及び充電ステーションの位置に関するデータ;充電ステーションから受信される無線信号;該車両の外部環境画像;及び対象物距離測定モジュールにより検出された該車両からの1以上の対象物の距離に相当するデータの中から選択される少なくとも一つを参照することによって、該充電ステーションに対する該車両の相対的な位置及び向きを決定するように動作可能であり、ここで、該対象物距離測定モジュールは、該モジュールによって放射され、そして対象物によって該モジュールに反射した放射物を検出し、それによって対象物距離を測定するように動作可能なモジュールである、第1項に記載のシステム。
【0098】
11.前記車両と前記充電ステーションとの充電接続を確立するのに必要なケーブルの量が増加又は減少しているか否かについてユーザに表示を与えるように動作可能である、第1項に記載のシステム。
【0099】
12.該システムが外部源から前記充電ステーションに対する前記車両の相対的な位置及び向きに相当するデータを受信するように動作可能である、第1項に記載のシステム。
【0100】
13.前記充電ステーションに対する前記車両の相対的な位置及び向きに相当するデータを生成するための1個以上のセンサ又は1個以上の検出器を備える、第1項に記載のシステム。
【0101】
14.前記演算装置が前記第1長さを示すデータを備える、第1項に記載のシステム。
【0102】
15.第1項に記載のシステムを備える自動車。
【0103】
16.車両を誘導する方法であって、
充電ステーションに対する該車両の相対的な位置及び向きに相当するデータに応じてケーブルの所定の長さが自動車と充電ステーションとの間に充電接続を確立させるのに十分に長いかどうかを演算装置によって決定し;そして
ユーザに、該ケーブルが十分に長いかどうかを示す出力を与えること
を含む方法。
【0104】
17.1個以上のセンサ又は1個以上の検出器から、前記充電ステーションに対する前記車両の相対的な位置及び向きに相当するデータを生成することを含む、第16項に記載の方法。
【0105】
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通して、用語「備える」及び「含む」並びにそれらの用語の変形、例えば「備えること」及び「備え」は、「挙げられるが、これらに限定されない」ことを意味し、他の部分、付加物、部品、整数又はステップを排除することを意図するものではない(及び排除しない)。
【0106】
特に断りのない限り、本明細書の説明及び特許請求の範囲を通して、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合には、明細書は、特に断りのない限り、単数のみならず複数を意図すると解すべきである。
【0107】
本発明の特定の態様、実施形態又は例と共に説明した特徴、整数、特性、化合物、化学的部分又は基は、それと矛盾しない限り、ここで記載する任意の他の態様、実施形態又は例に適用可能であると解すべきである。
【符号の説明】
【0108】
101 地面
110 充電ステーション
120 車両
121F 前輪
121R 後輪
122 充電ソケット
123 コントローラ
125B コントローラエリアネットワーク(CAN)バス
125P パワートレインコントローラ
130 充電ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5